JP2007107048A - 電池蓋用アルミニウム合金板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る電池蓋用アルミニウム合金板は、組成が質量%で、Fe 1.15〜1.35%、Mn 0.40〜0.60%、更にTi 0.005〜0.15%またはTi 0.005〜0.15%およびB 0.0005〜O.05%を含有し、残部Alおよび不純物からなり、不純物としてのSiが0.15%以下、Cuが0.05%以下、Mgが0.05%以下からなる。
【選択図】図1
Description
しかし、このような充放電可能な密閉型電池は、従来、過充電された場合や過日射された場合等に、電池内部の温度が上昇し、電池ケース壁や電池ケースと蓋との溶接部等が破壊し、内部の液漏れ等が生ずる虞があるといった問題があった。
また、将来の自動車等の大型移動機器に使用される電池は、上記寸法の各辺を2〜10倍程度としたものを幾つか積層させた使用方法が考えられる。
より具体的には、電池蓋に一定の開口部を設け、且つ、該開口部に電池ケースよりも破断圧力の低いアルミニウム箔を張ることにより、電池ケースに防爆機能を備えたものが提案されている。そして、特許文献3に記載の発明によれば、電池蓋の開口部に防爆部として金属薄板を貼る方法を採用しているので、該金属薄板の膜厚のチェックを行う必要がなく、検査にかかるコストも大幅に削減できるという優れた効果があるとしている。
しかし、特許文献3に記載の発明では、防爆部としての金属薄板を貼る工程が別途必要となるために製造工程が増すと共に、該金属薄板の膜厚チェックを行う必要はないとはいえ適度に密着しているかどうかを別途検査しなければならず、電池全体としての製造工程数が増えるため、作業性が悪いという問題がある。
即ち、本発明に係る電池蓋用アルミニウム合金板は、組成が質量%で、Fe 1.15〜1.35%、Mn 0.40〜0.60%、更にTi 0.005〜0.15%またはTi 0.005〜0.15%およびB 0.0005〜O.05%を含有し、残部Alおよび不純物からなり、不純物としてのSiが0.15%以下、Cuが0.05%以下、Mgが0.05%以下からなることを特徴とするものである。
本発明に係る電池蓋用アルミニウム合金板によれば、該組成のアルミニウム合金板を用いて電池蓋をプレス成形するにあたって、プレス成形された防爆部の強度は所定の耐圧強度が容易に得られ、強度調整の焼鈍もする必要のない効果を有する。
また、本発明に係る他の電池蓋用アルミニウム合金板は、所定厚さにプレス成形され、且つ焼鈍されていない防爆部を備えたことを特徴とするものである。
本発明に係る電池蓋用アルミニウム合金板によれば、防爆部に相当する箇所をプレス成形で所定厚さにプレス成形すると、焼鈍処理しなくても該防爆部の強度は所定の耐圧強度が容易に得られ、強度調整の焼鈍もする必要のない効果を有する。プレス加工で厚さ10〜30μm、好ましくは15〜27μmの防爆部を備える電池蓋とすることによって更に優れた前記効果が得られる。
図1は本発明に係る電池蓋を備えた電池の断面を模式的に表した概略図であり、図2は本発明に係る電池蓋を備えた電池の上面を模式的に表した概略図である。そして、1は密閉型電池、2は電池ケース、3は本発明の組成からなる電池蓋用アルミニウム合金板で電池ケース2の蓋、4は電池ケース2内に収容されている電解物質で例えばリチウムイオンが媒体となっている電解物質、5は電池の+端子、6は+端子5の周囲を取巻いている絶縁体、7は+端子へ通ずるリード線、8は−端子へ通ずるリード線でこれにより電池蓋3が−端子とされる。また、9は電解物質4の注入口で注入後は閉止される。10は+端子5の取付孔、11は防爆部、12は電池蓋3と電池ケース2とを周囲密閉接合した溶接部である。
Fe 1.15〜1.35%
Mn 0.40〜0.60%
FeおよびMnは共に耐圧強度を付与するためのものである。FeおよびMnの含有量が下限値未満では所定の耐圧強度が得られない。また上限を超えると耐圧強度が高くなり過ぎ強度調整のために焼戻処理が必要となるし、Al-(Fe-Mn)系の化合物が粗大かつ多くなってプレス成形性に劣り、安定した厚さの防爆部が得られ難くなる。
Ti 0.005〜0.15%または
Ti 0.005〜0.15%およびBで0.0005〜O.05%
TiまたはTiおよびBは鋳造時の鋳造割れ防止のためのものであって、溶湯中でAl-TiまたはAl-Ti-Bの化合物を形成し鋳造時の鋳造割れ防止効果がある。含有にあたってはTi単独でもいいがTiおよびBを共存させると鋳造割れ防止の効果が高い。
残部はAlおよび不純物である。
不純物としてのSiが0.15%を超え、Cuが0.05%を超え、Mgが0.05%を超えるとプレス加工による加工硬化のばらつきが大きくなって安定した耐圧強度を有する防爆部が得られ難くなる。
またSiはAl-Fe-Si系の化合物を形成しプレス成形性に劣り、安定した厚さを有する防爆部が得られがたくなるので、少ない方が好ましく0.12%以下、0.10%以下が望ましい。
他の不純物含有量は通常の範囲であって、たとえばZnは0.25%以下好ましくは0.20%以下である。Crは0.10%以下好ましくは0.05%以下である。
このようにプレス成形のみで防爆部規格値に合わせることができるので強度調整の焼鈍が不要である。
尚、板の厚さは電池機種の強度に合わせて変えればよい。
また、本発明の組成板製の電池蓋は電池ケースとのレーザー溶接性も優れている。
[実施例及び比較例]
また、表1の実施例2に示すような組成をもつ、厚さ1mmのH18に冷間加工されたアルミニウム板を供試材とし、前記と同様にプレス成形で厚さ25μm(プレス加工率97.5%、n数10個) に加工してその個所の耐圧強度を測定した。
また、表1の比較例2に示すような組成をもつ、H14板で20μmにプレス成形した(n数10個)ものを昇温ばらつきが40℃ある焼鈍炉で焼鈍し耐圧強度を測定した。
以上の測定結果を表2に示す。
尚、プレス加工率は、(基板厚さ−プレス成形後の厚さ)/基板厚さ ×100% との計算式により算出した。
また、耐圧強度は、所定厚さの試料に所定面積を有する密閉部を形成し、該密閉部に油圧を負荷し、試料を破壊させた時点での圧力とした。
2 電池ケース
3 本発明に係るアルミニウム合金製の電池蓋
4 電解物質
5 電池の+端子
6 絶縁体
7 +端子へのリード線
8 −端子へのリード線
9 電解物質4の注入口
10 +端子5の取付孔
11 本発明に係る電池蓋用アルミニウム合金板の防爆部
12 溶接部
Claims (2)
- 組成が質量%で、Fe 1.15〜1.35%、Mn 0.40〜0.60%、更にTi 0.005〜0.15%またはTi 0.005〜0.15%およびB 0.0005〜O.05%を含有し、残部Alおよび不純物からなり、不純物としてのSiが0.15%以下、Cuが0.05%以下、Mgが0.05%以下からなる電池蓋用アルミニウム合金板。
- 所定厚さにプレス成形され、且つ焼鈍されていない防爆部を備えた請求項1記載の電池蓋用アルミニウム合金板。
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