JP3843368B2 - 耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents

耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はリチウムイオン電池で代表される各種電子機器用角型電池のケースなど、各種の電池ケースの成形素材として用いられるAl−Mn系アルミニウム合金板の製造方法に関し、特に70〜90℃程度の高温に温度上昇して内圧が増大した時、すなわち高温内圧負荷時においても、フクレによる変形が発生しにくい耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に携帯電話器等に搭載される角型のリチウムイオン二次電池は、角型のケース内に陰極、陽極および電解質等の電池構成部材を充填した後、ケースの上部に蓋体を溶接等により取付け、さらに外側を樹脂で覆い、電極端子部分を露出させた状態で使用される。このようなリチウムイオン二次電池に使用される角型ケースは、複数の工程の絞り、しごき加工を組合せた多段プレス加工により成形されるのが通常であり、このような角型ケースの成形素材としては、従来はスチール板が用いられているが、最近では軽量化の要請によってアルミニウム合金板が用いられるようになっている。
【0003】
ところでリチウムイオン二次電池等の電池ケースの問題点として、高温時のフクレの問題がある。すなわち、リチウムイオン電池などの二次電池は、充電−放電の繰返しにより発熱が生じるが、それに加えて携帯電話等に搭載されて夏季などの外気温の高い条件下で自動車内に放置された場合、70〜90℃程度の高温に曝されることがある。このような高温下に長時間曝された場合、電池内部で反応が進んで気泡等の発生により内圧が高まってケースにフクレ変形が生じることがある。そしてこのフクレ変形量が過大になれば、携帯電話等の内部の電子部品が圧迫されたり、電子部品のケースが変形したりする等の不都合が生じやすく、またケースと蓋体との溶接部分等に亀裂が生じることもあり、この場合は電池内の電解物質の漏洩が生じ、電池周辺の電子機器部品を腐食させたりする。このように電池ケースのフクレは、電子機器の性能を損ない、場合によっては安全上の問題を招くこともある。したがって電池ケースの素材としては、温度上昇による内圧の増加によってフクレが生じないことが要求される。
【0004】
また角型電池ケースは、前述のように多段プレスにより成形されるところから、プレス成形性が良好であることが要求される。また成形性に関連した要求性能として、プレス加工によって得られたケースの形状が崩れていれば、蓋体と接合組立する際にねじれたり、目的とする形状が得られなかったりし、さらには形状が極端に崩れている場合には、組立てが不可能となる事態が生じるから、プレス加工品によって得られたケースについては、組付け前の形状精度が良好であることが求められている。
【0005】
このようにリチウムイオン電池などの角型二次電池のケースには、70〜90℃程度の高温による内圧増加時にもフクレが生じにくく、しかもプレス成形性が良好であることが必要である。
【0006】
従来この種の角型電池ケースの成形素材として使用されていたスチール板の場合は、プレス成形性が良好でしかも比較的高強度を有するものを容易に得ることができ、そのため前述のような高温内圧負荷時におけるフクレの問題についても、実用上支障ない程度まで回避することが可能であった。しかしながらアルミニウム合金板の場合は、プレス成形性は比較的良好であっても、材料強度はスチール板よりも低いのが通常である。そこで電池の軽量化のためにケースにアルミニウム合金板を用いる場合は、スチール板を用いる場合よりも板の肉厚を大きくして剛性を高め、これによってフクレ変形を防止しようとしているのが実情である。ところがこのように肉厚を大きくすることは、軽量化の目的に反し、また材料使用量も大きくなってコスト上昇を招く。
【0007】
前述のようにリチウムイオン電池で代表される角型電子機器用二次電池などの電池ケースに使用されるアルミニウム合金板として、電池を充分に軽量化するためにケースのアルミニウム合金板を薄肉化しても、ケースのフクレ変形が生じにくく、しかもプレス成形性も良好なアルミニウム合金板を提供することを目的として、本発明者等が種々実験・検討を重ねたところ、電池ケースにおける高温内圧負荷時のフクレ変形は、一種のクリープ現象に起因することを確認し、さらに研究を進めた結果、電池ケース用アルミニウム合金としてAl−Mn系合金を用い、かつそのAl−Mn系合金におけるMnの固溶量を高めに調整する等の手段を適用することによって、高温内圧負荷時のフクレ変形をある程度防止できることを見出し、既に特開2000−17364号においてその技術を提案している。
【0008】
上記提案の電池ケース用アルミニウム合金板は、基本的にはAl−Mn系合金のMn含有量を0.8〜2.0%とし、かつMn固溶量を0.25%以上とし、そのほか結晶粒平均面積と耐力値を調整したものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記提案の電池ケース用アルミニウム合金板は、耐高温フクレ性の向上について、ある程度の効果は認められているが、最近では電池ケースの薄肉化の要求が益々厳しくなっており、そこでより一層耐高温フクレ性の優れた電池ケース用アルミニウム合金板が求められている。
【0010】
この発明は以上のような事情を背景としてなされたもので、前記提案による電池ケース用アルミニウム合金板よりも一層耐高温フクレ性が優れていて、より一層の薄肉化を図り得る電池ケース用アルミニウム合金板を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述の特開平2000−17364号の提案の電池ケース用アルミニウム合金は、Al−Mn系合金におけるMn含有量を0.25%以上と高目に調整しているが、その実施例におけるMn固溶量は最大でも0.64%である。しかるに本発明者等が上記提案をベースにしてさらに実験・検討を重ねた結果、Mn固溶量をより一層高くして、0.75%のMn固溶量とし、かつMn添加量に対するMn固溶量の比を0.6以上とすることによって、最近のケース薄肉化にも充分に対応できる程度の優れた耐高温フクレ性が安定して得られることを見出し、さらにこのようにMn固溶量が0.75%以上と高くかつMn添加量に対するMn固溶量の比が0.6以上と高いAl−Mn系合金板を安定して製造するためには、鋳造方法として冷却速度100℃/秒以上の条件で板連続鋳造法を適用することが有効であり、また板連続鋳造後の冷間圧延や中間焼鈍の条件に適切に調整することが必要であることを見出し、この発明をなすに至ったのである。
【0012】
具体的には、請求項1の発明の電池ケース用アルミニウム合金板は、Mn0.8〜2.0%を含有し、かつ不純物としてのFe量が0.6%以下、Si量が0.3%以下に規制され、残部がAlおよび不可避的不純物よりなり、しかもMn固溶量が0.75%以上でかつMn添加量に対するMn固溶量の比が0.6以上であり、さらに耐力値が185〜260N/mm2の範囲内にあることを特徴とするものである。
【0013】
また請求項2の発明の電池ケース用アルミニウム合金板は、請求項1に記載の電池ケース用アルミニウム合金板において、前記各成分元素のほか、さらにCu0.05〜0.2%、Mg0.05〜0.75%、Cr0.02〜0.2%、V0.02〜0.2%、Zr0.02〜0.2%、Ni0.02〜0.2%のうちのいずれか1種または2種以上を含有することを特徴とするものである。
【0014】
一方請求項3の発明の電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法は、Mn0.8〜2.0%を含有し、かつ不純物としてのFe量が0.6%以下、Si量が0.3%以下に規制され、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金の溶湯を、凝固時冷却速度100℃/秒以上の条件で板状に連続鋳造した後、30〜70%の圧延率で冷間圧延を施し、かつ連続鋳造後には380℃以上の高温に累計で600秒以上保持されることがないように制御して、Mn固溶量が0.75%以上でかつMn添加量に対するMn固溶量の比が0.6以上であってしかも耐力値が185〜260N/mm2の範囲内にあるアルミニウム合金板を得ることを特徴とするものである。
【0015】
また請求項4の発明の電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法は、Mn0.8〜2.0%を含有し、かつ不純物としてのFe量が0.6%以下、Si量が0.3%以下に規制され、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金の溶湯を、凝固時冷却速度100℃/秒以上の条件で板状に連続鋳造した後、1次冷間圧延を行ない、次いで280℃〜340℃の範囲内の温度で0.5〜8時間保持するバッチ式焼鈍炉による中間焼鈍を行ない、その後圧延率30〜70%で2次冷間圧延を行ない、かつ連続鋳造後には380℃以上の高温に累計で600秒以上保持されることがないように制御して、Mn固溶量が0.75%以上でかつMn添加量に対するMn固溶量の比が0.6以上であってしかも耐力値が185〜260N/mm2の範囲内にあるアルミニウム合金板を得ることを特徴とするものである。
【0016】
そしてまた請求項5の発明の電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法は、Mn0.8〜2.0%を含有し、かつ不純物としてのFe量が0.6%以下、Si量が0.3%以下に規制され、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金の溶湯を、凝固時冷却速度100℃/秒以上の条件で板状に連続鋳造した後、1次冷間圧延を行ない、次いで連続焼鈍装置により380℃〜560℃の範囲内の温度に加熱して0〜200秒保持する中間焼鈍を行ない、その後圧延率30〜70%で2次冷間圧延を行ない、かつ連続鋳造後には380℃以上の高温に累計で600秒以上保持されることがないように制御して、Mn固溶量が0.75%以上でかつMn添加量に対するMn固溶量の比が0.6以上であってしかも耐力値が185〜260N/mm2の範囲内にあるアルミニウム合金板を得ることを特徴とするものである。
【0017】
さらに請求項6の発明の電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法は、請求項3〜請求項5のいずれかの請求項に記載の耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法において、最終の冷間圧延の後、さらに10〜200℃/時間の昇温速度で160〜220℃の範囲内の温度に加熱して1〜10時間保持する最終焼鈍を行なうことを特徴とするものである。
【0018】
一方請求項7の発明の電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法は、請求項3〜請求項5のいずれかの請求項に記載の耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法において、最終の冷間圧延の後、さらに5℃/秒以上の昇温速度で230〜290℃の範囲内の温度に加熱して0〜200秒保持する最終焼鈍を行なうことを特徴とするものである。
【0019】
そしてまた請求項8の発明の電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法は、請求項3〜請求項5のいずれかの請求項に記載の耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法において、前記アルミニウム合金が、前記各成分のほか、さらにCu0.05〜0.2%、Mg0.05〜0.75%、Cr0.02〜0.2%、V0.02〜0.2%、Zr0.02〜0.2%、Ni0.02〜0.2%のうちのいずれか1種または2種以上を含有するものであることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
先ずこの発明の電池ケース用アルミニウム合金板における合金成分の限定理由について説明する。
【0021】
Mn:
Mnはこの発明で用いているAl−Mn系合金における主要添加元素であり、固溶によって高温内圧負荷時の耐フクレ性向上に寄与する。特に最終板材中におけるMn固溶量を0.75%以上でかつMn添加量(合金中に含まれるトータルのMn含有量)に対する比を0.6以上とすることによって、耐高温フクレ性を顕著に向上させることができる。これは、固溶したMnが、高温内圧負荷時におけるクリープ変形に際して転位の移動に対する抵抗として作用するためである。ここで、Mn固溶量が0.75%未満であっても、0.25%以上であればある程度の耐高温フクレ性の向上は認められるが、前記提案の電池ケース用アルミニウム合金板よりも顕著かつ確実に耐高温フクレ性を向上させ、より一層の薄肉化を図るためには、Mn固溶量が0.75%以上である必要がある。またMn添加量が0.8%未満ではMn固溶量を0.75%以上とすることが困難となり、耐高温フクレ性向上の効果を充分に得ることができない。一方Mn添加量が2.0%を越えれば、粗大な晶出物が多くなって健全な鋳造組織を得ることが困難となって、均一な組織の板材が得られなくなり、また鋳造割れ等の欠陥の発生により、その後の冷間圧延等が困難となって正常な板材を得ることができなくなることが多い。さらにMn添加量に対するMn固溶量の比が0.6未満の場合は、高温内圧負荷時におけるクリープ変形の抵抗として有効な固溶Mnの量が少なくなるばかりでなく、Mnを含む金属間化合物が多量に存在したり、Mnを含む金属間化合物が粗大になったりするから、ケースの成形性に悪影響を及ぼす。したがってMn添加量を0.8〜2.0%の範囲内、Mn固溶量を0.75%以上、Mn添加量に対するMn固溶量の比を0.6以上とすることが、成形性等に悪影響を及ぼすことなく、耐高温フクレ性を従来よりも格段に向上させるために必要である。ここで、Mn添加量に対するMn固溶量の比は、特に0.7以上とすることが望ましい。なおMn固溶量は、例えば図1に示すようなフェノール抽出分析法に因って測定することができる。
【0022】
Si:
Siは通常のアルミニウム合金において不純物として含まれる元素であるが、この発明の場合、SiはMnの析出を促進してMn固溶量を低下させてしまうという悪い影響を及ぼす。特にSi量が0.3%を越えれば、固溶Mnによるフクレ防止効果が損なわれ、高温内圧負荷時の耐フクレ性が低下するから、Si量は0.3%以下に規制する。なおSi量を0.04%未満とすることは、材料特性の向上に対してそれ以上の特段の効果がないにもかかわらず、高純度地金を必要として高コスト化を招くから、Si量は0.04〜0.3%の範囲内とすることが望ましい。
【0023】
Fe:
Feも通常のアルミニウム合金において不純物として含有される元素であるが、この発明の場合、Feは多量に含有されれば粗大な晶出物が生じやすくなって成形性を阻害する原因となる。特にFe量が0.6%を越えればMnとともに粗大な晶出物を形成する傾向が強くなり、固溶Mn量を減少させて高温内圧負荷時の耐フクレ性を低下させるとともに、成形性も悪化させるから、Fe量は0.6%以下に規制する。但しFe量を0.04%未満とすることは、材料特性の向上に対してそれ以上の特段の効果がないにもかかわらず、高純度地金を必要として高コスト化を招く。そこでFe量は0.04〜0.6%の範囲内とすることが望ましい。
【0024】
さらに、耐高温フクレ性の向上および機械的強度向上のために、Cu、Mg、Cr、V、Zr、Niのうちの1種または2種以上を添加しても良い。これらの選択的添加元素の添加理由およびそのその添加量限定理由を次に説明する。
【0025】
Cu、Zr:
CuもしくはZrの添加は機械的強度の向上に有効であり、また高温内圧負荷時の耐フクレ性の向上に有効である。Cu量が0.05%未満またはMg量が0.05%未満では上述の効果が充分に得られず、一方Cu量が0.2%を越えるかまたはMg量が0.75%を越えれば、電池の組立に必要なレーザ溶接時に溶接割れが生じやすくなる。そこでCuの添加量は0.05〜0.2%の範囲内、Mgの添加量は0.05〜0.75%の範囲内とした。なおCu、Mgは、両者の合計量で0.75%以下とすることが望ましく、また特に溶接の能率が要求される場合には、Cu、Mgともに0.2%未満とすることが望ましい。
【0026】
Cr、V、Zr、Ni:
Cr、V、Zr、Niの添加も機械的強度の向上に有効であり、また結晶粒サイズの均一化を図って特性のばらつきを低減するために有効であり、ひいては耐高温フクレ性の向上に寄与する。Cr、V、Zr、Niの量がそれぞれ0.02%未満では上述の効果が充分に得られず、一方これらの添加量がそれぞれ0.2%を越えれば粗大な金属間化合物粒子が生成されやすく、成形性等に悪影響を与えるおそれがある。そこでCr、V、Zr、Niの添加量はいずれも0.02〜0.2%の範囲内とした。
【0027】
以上の各元素のほかは基本的にはAlおよび不可避的不純物とすれば良い。但し、一般のアルミニウム合金においては鋳塊結晶粒微細化のためにTiを単独で、あるいはTiをBと組合せて添加することがあり、この発明の場合も0.1%以下のTi、0.03%以下のBを含有していても良い。
【0028】
さらにこの発明の電池ケース用アルミニウム合金板は、その機械的性質として耐力値が185〜260N/mm2の範囲内にあることが必要である。耐力値が185N/mm2未満では、特に薄肉化されたケースに内圧が加わった場合に、単なる塑性変形によってもフクレが生じやすくなり、一方耐力値が260N/mm2を越えればケースの成形が実質的に困難となってしまうおそれがある。
【0029】
次にこの発明の電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法について説明する。
【0030】
先ず前述のように成分調整されたアルミニウム合金溶湯を鋳造するが、この際の鋳造方法としては、溶湯を板厚5〜15mm程度の板に直接連続鋳造する板連続鋳造法(CC法;連続鋳造圧延法とも称される)を適用して、凝固時の冷却速度が100℃/秒以上となるような条件で連続鋳造する。このように100℃/秒以上の高い凝固時冷却速度で板に直接連続鋳造することによって、Mnが金属間化合物として晶出することを防止し、多量のMnをアルミニウムマトリックス中に固溶させることができる。ここで凝固時冷却速度が100℃/秒未満では、最終板におけるMn固溶量のMn添加量に対する比を0.6以上とすることが困難となり、また添加Mn量によっては最終板におけるMn固溶量0.75%以上を確保することが困難となり、その結果優れた耐高温フクレ性を得ることが困難となる。なお板連続鋳造法としては種々のものが開発されているが、この発明の場合には双ロールキャスティング法を適用することが好ましい。
【0031】
上述のようにして100℃/秒以上の凝固時冷却速度で板連続鋳造法により板状に鋳造した後には、請求項3の発明の方法の場合は1回の冷間圧延によって最終板厚に仕上げ、また請求項4もしくは請求項5の発明の方法の場合には、1次冷間圧延によって中間板厚とした後、バッチ焼鈍炉(請求項4)もしくは連続焼鈍炉(請求項5)によって中間焼鈍を施し、その後に2次冷間圧延を施して最終板厚に仕上げる。さらに請求項6、請求項7の発明の方法の場合には、最終冷間圧延の後(請求項3の方法における1回の冷間圧延の後、また請求項4、請求項5の方法における2次冷間圧延の後)、仕上げ焼鈍として最終焼鈍を施す。ここで、これらのいずれの方法の場合も、鋳造後の工程、処理として、380℃以上の温度に累計で600秒以上加熱されることがないように制御することが必要である。すなわち、380℃以上の温度に累計で600秒以上加熱されれば、Mnの析出が進んでしまい、Mn固溶量0.75%以上でかつMn添加量に対するMn固溶量の比0.6以上を達成することが困難となり、耐高温フクレ性を充分に向上させることが困難となってしまう。したがって例えば板連続鋳造後の板について380℃以上の温度に600秒以上加熱することが必要な熱間圧延等は避ける必要がある。
【0032】
前述のように請求項3の発明の方法では、凝固時冷却速度100℃/秒以上の条件での板連続鋳造法によって板状に鋳造した後、1回の冷間圧延によって所要の最終板厚に仕上げる。この場合の冷間圧延の圧延率は30〜70%の範囲内とする必要がある。圧延率が70%を越えれば過度に加工硬化された状態となり、成形性が低下してしまう。一方圧延率が30%未満では強度が不足し、ケースが内圧を受けた際に単なる塑性変形によってもケースが変形してしまうおそれがある。
【0033】
また請求項4、請求項5の発明の方法では、前述のように凝固速度100℃/秒以上の条件での板連続鋳造法による鋳造の後、1次冷間圧延を施し、さらに中間焼鈍を施してから2次冷間圧延を行なって最終板厚に仕上げる。この場合の1次冷間圧延の圧延率は特に限定されるものではないが、通常は15〜80%の範囲内とすることが好ましい。中間焼鈍は、請求項4で規定するようにバッチ式焼鈍装置によって行なっても、あるいは請求項5で規定するように連続焼鈍装置(CAL)によって行っても良い。
【0034】
バッチ焼鈍装置によって中間焼鈍を行なう場合、加熱温度は280〜340℃の範囲内、保持時間は0.5〜8時間とする。この場合の加熱温度が280℃未満あるいは加熱保持時間が0.5時間未満では、充分な焼鈍効果が得られず、一方加熱温度が340℃を越えるかまたは加熱保持時間が8時間を越える場合には、Mnの析出が進行してしまい、充分なMn固溶量、Mn固溶量/Mn添加量の比を得ることが困難となり、耐高温フクレ性の充分な向上を図ることが困難となる。なおこのように中間焼鈍をバッチ式焼鈍装置によって行なう場合、加熱保持温度まで昇温させる際の昇温速度は10〜100℃/時間が好適であり、また加熱保持温度からの降温には、炉冷、放冷、強制空冷などを任意に適用することができる。
【0035】
一方中間焼鈍を連続焼鈍装置(CAL)によって行なう場合、380〜560℃の範囲内の温度に加熱して直ちに冷却(すなわち保持時間ゼロ)するかまたは200秒以下の時間保持して直ちに冷却する。この場合の加熱到達温度が380℃未満では焼鈍の効果が充分に得られず、一方加熱到達温度が560℃を越えるかまたは保持時間が200秒を越えれば、Mnの析出が進行して、充分なMn固溶量、Mn固溶量/Mn添加量の比を達成することが困難となり、固溶Mnによる耐高温フクレ性の充分な向上を図ることが困難となるおそれがある。なおこの場合の昇温速度、降温速度はともに5℃/秒以上とすることが望ましい。
【0036】
上述のようなバッチ式焼鈍炉もしくはCALによる中間焼鈍の後の2次冷間圧延は、圧延率が30〜70%の範囲内で行なう必要がある。2次冷間圧延の圧延率が30%未満では、強度が不足して、ケースが内圧を受けた際に単なる塑性変形によってもフクレが生じてしまうおそれがあり、また70%を越えれば、過度に加工硬化が進行して、成形性が低下してしまうおそれがある。
【0037】
さらに、前述のように1回の冷間圧延によって最終板厚に仕上げた場合、および1次冷間圧延−中間焼鈍−2次冷間圧延によって最終板厚に仕上げた場合のいずれにおいても、最終の冷間圧延の後に、耐高温フクレ性をより一層向上させることを目的として、請求項6もしくは請求項7で規定するように最終焼鈍(仕上げ焼鈍)を施しても良い。このような最終焼鈍を施すことによって、冷間圧延で導入された可動転位が低減し、また固溶Mnが微細な偏析状態を形成して転位の移動に対する抵抗として作用するようになり、これらによって高温内圧負荷時におけるクリープ変形をより一層抑制することが可能となり、耐高温フクレ性がより一層向上するのである。ここで、最終焼鈍は、請求項6において規定しているように、10〜200℃/時間の昇温速度で160〜220℃の範囲内の温度に加熱して1〜10時間保持する条件、あるいは請求項7で規定しているように5℃/秒以上の昇温速度で230〜290℃の範囲内の温度に加熱して0〜200秒保持する条件で行なう。前者の焼鈍条件は、バッチ式焼鈍装置を用いて最終焼鈍を行なうのに適した条件であり、また後者の焼鈍条件は連続焼鈍装置(CAL)による最終焼鈍に適した条件である。ここで、いずれの焼鈍条件の場合も、規定する加熱温度の下限よりも低い加熱温度の場合、または規定する保持時間の下限よりも短い保持時間の場合には、最終焼鈍によって耐高温フクレ性をより一層向上させる効果を期待することができず、一方規定する加熱温度の上限よりも高い加熱温度の場合、または規定する保持時間の上限よりも長い保持時間の場合には、機械的強度が低下してしまうおそれがある。
【0038】
以上のような製造方法を適用することによって、請求項1、請求項2で規定するようにMn固溶量が0.75%以上、Mn添加量に対するMn固溶量の比が0.6以上、耐力値が185〜260N/mm2 であって、耐高温フクレ性に優れかつ成形性も良好な電池ケース用素材を得ることができる。
【0039】
なお、この発明による電池ケース用アルミニウム合金板を用いて電池ケースに成形する場合の成形方法は特に限定されるものではないが、この発明のアルミニウム合金板の場合、特に絞りおよびしごきを組合せた多段プレス成形を行なう場合に好適である。
【0040】
【実施例】
表1に示される本発明成分組成範囲内の合金A〜D,G、および本発明成分組成範囲外の合金E,Fについて、双ロール方式の板連続鋳造機によって板厚3mmもしくは4.5mmの板状に鋳造し、また一部のものは比較のためにDC鋳造法によって断面形状450×1000mm角のスラブに鋳造した。板連続鋳造における凝固時冷却速度は約300℃/秒であり、またDC鋳造における凝固時冷却速度は約2℃/秒以下であった。次いで表2の工程符号a〜lに示すような種々の条件のプロセスによって処理して、板厚0.75mmもしくは1mmのケース成形用素材とした。
【0041】
得られた各ケース用素材の板に対し、多段プレス成形を施して、図2に示すように奥行8mm、幅30mmで角Rが1.5mmの角形断面を有しかつ最小肉厚が0.42mmで高さが50mmの角型電池ケース1とした。なおこのケースは、先に述べた特開2000−17364号の実施例で成形したケースと比較し、肉厚を16%薄肉化したものである。
【0042】
成形後の各ケース1について、図3に示すようなフクレ試験機2により加熱内圧フクレ試験を施した。図3のフクレ試験機2は、下方の固定治具3と上方の押え治具4との間に、シリコンゴムからなる受け部材5および同じくシリコンゴムからなる上面シール部材6を介してケース1を挟持し、上方から圧力供給管7を介してケース1内に圧力を加えるようにしたものであり、この実施例では全体を恒温槽中に保持して70℃に加熱保持し、ケース1内に2kgf/cm2 の空気圧を24時間継続して加え、ケースの最大フクレ量を調べた。これは、リチウムイオン電池が加熱されて電池内容物の膨張により内圧が生じた場合をシュミレートしている。
【0043】
ケース成形素材の各板のMn固溶量、Mn固溶量/Mn添加量の比、および耐力値を調べた結果と、成形後のケースについての前述の加熱内圧フクレ試験の結果を表3に示す。なお加熱内圧フクレ試験結果(最大フクレ量)については、0.8mm程度以下で耐フクレ性が良好、0.8mm程度以上で耐フクレ性が不良と判定することができる。
【0044】
【表1】
Figure 0003843368
【0045】
【表2】
Figure 0003843368
【0046】
【表3】
Figure 0003843368
【0047】
表3から明らかなように、この発明で規定する成分組成範囲内の合金A〜D,Gを用い、この発明で規定する製造条件(工程符号a〜g)に従って製造して、ケース成形素材のMn固溶量、Mn固溶量/Mn添加量の比、および耐力値がこの発明で規定する条件を満した製造番号1〜11の各例では、いずれも加熱内圧フクレ量が0.8mm以下と少なく、耐フクレ性が良好であり、また成形性も良好でケース成形に支障がないことが判明した。
【0048】
一方製造番号12は、Mn量が少な過ぎた比較合金Eを用いた比較例であり、この場合、製造プロセスはこの発明の条件に従ったが、固溶Mn量が少なくて、フクレ量が大きくなってしまい、また耐力値も低くなった。また製造番号13はMn量が多過ぎる比較合金Fを用いた比較例であるが、この場合は鋳造時に粗大晶出物が形成されて鋳造割れが発生し、それ以降のプロセスを適用することができなかった。また製造番号14は、鋳造法として凝固時冷却速度の遅いDC鋳造法を適用した比較例であり、この場合はMn固溶量が少な過ぎるとともにMn固溶量/Mn添加量の比も小さく、加熱内圧フクレ試験によって大きなフクレが生じてしまった。さらに製造番号15は中間焼鈍温度が高過ぎた比較例であり、Mn固溶量が少ないとともにMn固溶量/Mn添加量の比も小さく、前記同様に大きなフクレが生じてしまった。また製造番号16は冷間圧延の圧延率が大き過ぎた比較例であり、この場合は耐力値が280N/mm2 を越え、ケースに成形することが不可能となってしまった。そしてまた製造番号17は中間焼鈍温度が高過ぎるとともに最終の冷間圧延(2次冷間圧延)の圧延率が低過ぎた比較例であり、この場合はMn固溶量が少ないとともにMn固溶量/Mn添加量の比が小さく、また耐力値も著しく低くなって、フクレが生じてしまった。さらに製造番号18は、板連続鋳造後に360℃に5時間加熱して熱間圧延を行なってから冷間圧延を施した例であり、この場合もMn固溶量が少ないとともにMn固溶量/Mn添加量の比が小さく、フクレが生じてしまった。
【0049】
【発明の効果】
請求項1、請求項2の電池ケース用アルミニウム合金板によれば、Al−Mn系アルミニウム合金板として成分組成を適切に調整するばかりでなく、特にMn固溶量、Mn固溶量/Mn添加量を高い値に調整することによって、ケースとした場合において固溶Mnにより高温内圧負荷時における転位移動に対する抵抗の増加と可動転位の低減によってクリープ変形が生じにくくなり、また耐力値も高く調整していることも相俟って、70〜90℃程度の高温に曝されて内圧が加わるようなリチウムイオン電池で代表される電池ケースとして、薄肉の素材を用いてもケースのフクレが生じにくく、かつケースの成形のために必要な成形性も良好となる。その結果、剛性を増すために肉厚を大きくする必要がなくなり、そのため従来よりも著しく薄肉化してケースのより一層の軽量化を図ることが可能となる。
【0050】
また請求項3〜請求項7の製造方法によれば、上述のように著しく薄肉化した電池ケースとして用いても高温内圧負荷時のフクレが少なくかつ成形性も良好な薄肉ケース成形用素材を実際に量産的規模で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するにあたって好適に適用される固溶Mn量の測定方法を示すフローチャートである。
【図2】この発明の実施例で成形したケースの断面形状、寸法の一例を示す平面断面図である。
【図3】この発明の実施例で適用した加熱内圧フクレ試験機を示す略解図である。
【符号の説明】
1 ケース
2 加熱内圧フクレ試験機

Claims (8)

  1. Mn0.8〜2.0%(mass%、以下同じ)を含有し、かつ不純物としてのFe量が0.6%以下、Si量が0.3%以下に規制され、残部がAlおよび不可避的不純物よりなり、しかもMn固溶量が0.75%以上でかつMn添加量に対するMn固溶量の比が0.6以上であり、さらに耐力値が185〜260N/mm2の範囲内にあることを特徴とする、耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板。
  2. 請求項1に記載の電池ケース用アルミニウム合金板において、
    前記各成分元素のほか、さらにCu0.05〜0.2%、Mg0.05〜0.75%、Cr0.02〜0.2%、V0.02〜0.2%、Zr0.02〜0.2%、Ni0.02〜0.2%のうちのいずれか1種または2種以上を含有する、耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板。
  3. Mn0.8〜2.0%を含有し、かつ不純物としてのFe量が0.6%以下、Si量が0.3%以下に規制され、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金の溶湯を、凝固時冷却速度100℃/秒以上の条件で板状に連続鋳造した後、30〜70%の圧延率で冷間圧延を施し、かつ連続鋳造後には380℃以上の高温に累計で600秒以上保持されることがないように制御して、Mn固溶量が0.75%以上でかつMn添加量に対するMn固溶量の比が0.6以上であってしかも耐力値が185〜260N/mm2の範囲内にあるアルミニウム合金板を得ることを特徴とする、耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法。
  4. Mn0.8〜2.0%を含有し、かつ不純物としてのFe量が0.6%以下、Si量が0.3%以下に規制され、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金の溶湯を、凝固時冷却速度100℃/秒以上の条件で板状に連続鋳造した後、1次冷間圧延を行ない、次いで280℃〜340℃の範囲内の温度で0.5〜8時間保持するバッチ式焼鈍炉による中間焼鈍を行ない、その後圧延率30〜70%で2次冷間圧延を行ない、かつ連続鋳造後には380℃以上の高温に累計で600秒以上保持されることがないように制御して、Mn固溶量が0.75%以上でかつMn添加量に対するMn固溶量の比が0.6以上であってしかも耐力値が185〜260N/mm2の範囲内にあるアルミニウム合金板を得ることを特徴とする、耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法。
  5. Mn0.8〜2.0%を含有し、かつ不純物としてのFe量が0.6%以下、Si量が0.3%以下に規制され、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金の溶湯を、凝固時冷却速度100℃/秒以上の条件で板状に連続鋳造した後、1次冷間圧延を行ない、次いで連続焼鈍装置により380℃〜560℃の範囲内の温度に加熱して0〜200秒保持する中間焼鈍を行ない、その後圧延率30〜70%で2次冷間圧延を行ない、かつ連続鋳造後には380℃以上の高温に累計で600秒以上保持されることがないように制御して、Mn固溶量が0.75%以上でかつMn添加量に対するMn固溶量の比が0.6以上であってしかも耐力値が185〜260N/mm2の範囲内にあるアルミニウム合金板を得ることを特徴とする、耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法。
  6. 請求項3〜請求項5のいずれかの請求項に記載の耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法において、
    最終の冷間圧延の後、さらに10〜200℃/時間の昇温速度で160〜220℃の範囲内の温度に加熱して1〜10時間保持する最終焼鈍を行なうことを特徴とする、耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法。
  7. 請求項3〜請求項5のいずれかの請求項に記載の耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法において、
    最終の冷間圧延の後、さらに5℃/秒以上の昇温速度で230〜290℃の範囲内の温度に加熱して0〜200秒保持する最終焼鈍を行なうことを特徴とする、耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法。
  8. 請求項3〜請求項5のいずれかの請求項に記載の耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法において、
    前記アルミニウム合金が、前記各成分のほか、さらにCu0.05〜0.2%、Mg0.05〜0.75%、Cr0.02〜0.2%、V0.02〜0.2%、Zr0.02〜0.2%、Ni0.02〜0.2%のうちのいずれか1種または2種以上を含有するものである、耐高温フクレ性に優れた電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法。
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