JP2007100739A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、エンジンの動力を変速する変速機に関し、詳細には、エンジンの動力が伝達される第1,第2変速クラッチにより変速段を切り換える変速機に関する。
エンジンの動力が伝達される第1,第2変速クラッチを備える変速機として、例えば特許文献1に開示された変速装置は、エンジンの出力軸からの動力が伝達される第1,第2クラッチと、変速段を切り換える複数の切り換え装置とを備える。1つの切り換え装置は、ステップモータにより回転駆動されるチェンジドラムを備え、第2クラッチの接続時に変速段が確立される。また、残りの切り換え装置は、別のステップモータにより回転駆動される別のチェンジドラムを備え、第1クラッチの接続時に変速段が確立される。
特開平6−17912号公報
ところで、第1,第2クラッチ毎にチェンジドラムおよびステップモータが設けられると、変速機が大型化し、コストが増加する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜5記載の発明は、エンジンの動力が伝達される第1,第2変速クラッチにより変速段が切り換えられる変速機において、コンパクト化が可能であると共に安価な変速機を提供することを目的とし、そして、変速機の軸方向でのコンパクト化を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、エンジンの動力を変速する第1変速部および第2変速部と、前記第1変速部に対する前記動力の伝達および遮断を行う第1変速クラッチと、前記第2変速部に対する前記動力の伝達および遮断を行う第2変速クラッチと、前記第1および前記第2変速部での変速段を選択する選択機構とを備え、前記第1および前記第2変速クラッチにより前記第1変速部での変速段と前記第2変速部での変速段とが切り換えられる変速機において、前記選択機構は、変速操作に基づいて回転する1つのシフトドラムと、前記シフトドラムの回転に応じて前記シフトドラムに設けられる案内部により案内されて移動するシフタとを備え、前記シフタは、前記第1および前記第2変速部で、変速段を選択する選択位置および変速段を選択しない中立位置に移動可能であり、前記案内部は、前記シフトドラムの1つの所定回転位置に対して前記第1および前記第2変速部で前記シフタを前記選択位置に案内する。
これによれば、変速段をそれぞれ設定する第1,第2変速部へのエンジンの動力の伝達および遮断を行う第1,第2変速クラッチにより変速段が切り換えられる変速機において、1つのシフトドラムにより第1,第2変速部での変速段を同時に選択できるので、複数のシフトドラムが不要になり、しかもシフトドラムを駆動する駆動手段も1つで済ますことができる。しかも、選択された2つの変速段での変速の切換えが第1,第2変速クラッチによる動力の伝達経路の切換えのみで行われる。
さらに、請求項1記載の変速機において、前記第1変速部は、変速段をそれぞれ設定する第1変速要素および第2変速要素を含み、前記シフタは、前記第1変速要素により構成されて前記シフトドラムの軸方向に移動する第1シフタおよび前記第2変速要素により構成されて前記軸方向に移動する第2シフタを含み、前記案内部は、前記第1シフタが前記中立位置にあると共に前記第2シフタが前記選択位置にあるとき、前記第1変速要素による変速段が選択され、前記第2シフタが前記中立位置にあると共に前記第1シフタが前記選択位置にあるとき、前記第2変速要素による変速段が選択されるように、前記第1および前記第2シフタを案内する。
これによれば、第1変速部で変速段を設定する変速要素がシフタを兼ねるので、変速要素間に変速要素とは別個のシフタを設ける必要がない。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の変速機において、前記動力が伝達される第1入力軸および第2入力軸から構成される入力軸を備え、前記入力軸の軸長を規定すると共に前記第1変速部が設けられる前記第1入力軸は、前記第2変速部が設けられる前記第2入力軸よりも長いものである。
これによれば、第1,第2入力軸から構成される入力軸において、第1入力軸に設けられる第1変速部においては、変速要素がシフタを兼ねることにより、第2入力軸よりも長い第1入力軸をより短くできる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の変速機において、前記選択機構は、1つの電動モータと、前記電動モータにより回転駆動されて前記シフトドラムを回転させるシフトスピンドルを備えるものである。
これによれば、マニュアル式の選択機構に従来から使用されているシフトスピンドルをそのまま流用できる。そして、変速機が不整地走行用鞍乗型車両(ATV)や自動二輪車として使用されることにより、従来の足による変速切換機構(ギヤチェンジ機構)と同じ位置にシフトドラムやシフトスピンドルを配置できるので、変速機をマニュアル変速機付の車両の構造を大きく変えることなく自動変速機付の車両のパワーユニットとして搭載可能である。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の変速機において、前記選択機構は、前記シフトスピンドルの回転に応じて前記シフトドラムを間欠的に回転させる間欠送り機構を備えるものである。
これによれば、マニュアル式の選択機構に従来から使用されている間欠送り機構をそのまま流用できる。そして、請求項3記載の発明と同様に、変速機をマニュアル変速機付の車両の構造を大きく変えることなく自動変速機付の車両のパワーユニットとして搭載可能である。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載の変速機において、前記案内部は、低速側から連続する3つの変速段である第1変速段、第2変速段および第3変速段のうちで、前記第1および前記第2変速段のそれぞれが、前記シフトドラムの隣接する2つの所定回転位置で選択されるように、前記第1および前記第2変速部で前記シフタを前記選択位置に案内するものである。
これによれば、第2変速段と、第2変速段を挟む第1,第3変速段との間の変速が、第1,第2変速クラッチの切換えにより行われる。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、第1,第2変速部での変速段が1つのシフトドラムにより選択されるので、部品点数が削減されて、コンパクト化が可能であると共に安価な変速機が得られる。
さらに、変速要素がシフタを兼ねるので、軸方向でシフトドラムをコンパクトにすることができて、ひいては変速機が軸方向でコンパクト化される。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、入力軸の軸長を規定する長い第1入力軸を短くできるので、変速機が軸方向でコンパクト化される。
請求項3,4記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、電動モータの採用による選択機構の自動化が、低コストで可能になる。
請求項5記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、変速時にシフトドラムを回転させることなく、第1,第2変速クラッチを切り換えることにより、隣接する変速段に切り換えることができるので、スムーズな加減速およびショックの小さい変速を行うことができて、乗り心地が向上する。
さらに、変速要素がシフタを兼ねるので、軸方向でシフトドラムをコンパクトにすることができて、ひいては変速機が軸方向でコンパクト化される。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、入力軸の軸長を規定する長い第1入力軸を短くできるので、変速機が軸方向でコンパクト化される。
請求項3,4記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、電動モータの採用による選択機構の自動化が、低コストで可能になる。
請求項5記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、変速時にシフトドラムを回転させることなく、第1,第2変速クラッチを切り換えることにより、隣接する変速段に切り換えることができるので、スムーズな加減速およびショックの小さい変速を行うことができて、乗り心地が向上する。
以下、本発明の実施形態を図1〜図5を参照して説明する。
図1,図2を参照すると、本発明が適用された自動変速機としての歯車変速機Mを備える車両用動力伝達装置は、エンジンとしての内燃機関Eと共に、車両としての不整地走行用鞍乗型車両に搭載されるパワーユニットを構成する。前記動力伝達装置は、変速歯車列群M1のなかから歯車列G1〜G5,GRを択一的に選択して走行変速段を確立する常時噛合い式の歯車変速機M(以下、「変速機M」という。)と、変速機Mに対して内燃機関Eが発生する動力の伝達および遮断を行う発進クラッチを構成する遠心式クラッチCと、変速機Mで変速された動力が伝達される駆動軸Dとを備える。駆動軸Dの動力は、前推進軸および後推進軸を介してそれぞれ前輪および後輪に伝達され、それら車輪が回転駆動される。
図1,図2を参照すると、本発明が適用された自動変速機としての歯車変速機Mを備える車両用動力伝達装置は、エンジンとしての内燃機関Eと共に、車両としての不整地走行用鞍乗型車両に搭載されるパワーユニットを構成する。前記動力伝達装置は、変速歯車列群M1のなかから歯車列G1〜G5,GRを択一的に選択して走行変速段を確立する常時噛合い式の歯車変速機M(以下、「変速機M」という。)と、変速機Mに対して内燃機関Eが発生する動力の伝達および遮断を行う発進クラッチを構成する遠心式クラッチCと、変速機Mで変速された動力が伝達される駆動軸Dとを備える。駆動軸Dの動力は、前推進軸および後推進軸を介してそれぞれ前輪および後輪に伝達され、それら車輪が回転駆動される。
内燃機関Eは、水冷式で単気筒4ストローク内燃機関であり、ピストン3が往復動可能に嵌合するシリンダ1と、シリンダ1に順次重ねられて結合されるシリンダヘッドおよびヘッドカバーと、シリンダ1の下端部に結合されるクランクケース2とから構成される機関本体を備える。車体の前後方向を指向する回転中心線L1を有するクランク軸5を1対の主軸受6,7を介して回転可能に支持するハウジングとしてのクランクケース2は、回転中心線L1の方向である軸方向に二分される2つのケース半体2a,2b、ここでは前ケース半体2aと後ケース半体2bとが結合されて構成され、クランク軸5のクランク部が収納されるクランク室8を形成する。前記クランク部は、クランクピン5eおよびクランクウェブ5fを含む部分である。
内燃機関Eは、前記シリンダヘッドに設けられた吸気ポートおよび排気ポートをそれぞれ開閉する吸気弁および排気弁と、カム軸9の動弁カムに駆動されるプッシュロッドによりそれら吸気弁および排気弁をクランク軸5の回転に同期して開閉する頭上弁型の動弁装置を備える。そして、前記吸気ポートから吸入される混合気がピストン3と前記シリンダヘッドとの間に形成される燃焼室で燃焼して発生する燃焼圧により駆動されるピストン3が、コンロッド4を介してクランク軸5を回転駆動する。
内燃機関Eの出力軸としてのクランク軸5は、クランク室8から前方および後方にそれぞれ延出する前延出部5aおよび後延出部5bを有する。なお、「前」または「後」は、それらのいずれかをクランク軸5の軸方向の一方としたときの他方である。それゆえ、「前」および「後」は、それぞれ軸方向の一方または他方と言うことができる。
前ケース半体2aには、前ケース半体2aを前方から覆う前カバー10が結合され、前ケース半体2aおよび前カバー10により前収納室12が形成される。前ケース半体2aに保持される主軸受6から前方に延出する前延出部5aは前収納室12で延びて、前軸端部5cが軸受14を介して前カバー10に回転可能に支持される。また、後ケース半体2bには、後ケース半体2bを後方から覆う後カバー11が結合され、後ケース半体2bおよび後カバー11により後収納室13が形成される。後ケース半体2bに保持される主軸受7から後方に延出する後延出部5bは後収納室13で延びている。
前収納室12で、前延出部5aには、前軸端部5cから順次、遠心式クラッチCと、1次減速機構Rと、カム軸9を回転駆動する動弁用伝動機構を構成する駆動スプロケット15とが設けられる。後収納室13で、後延出部5bには、リコイルスタータ16が結合される後軸端部5dから順次、交流発電機17と、後カバー11に取り付けられるスタータモータ18の回転をクランク軸5に伝達する始動用減速機構を構成する始動用被動ギヤ19とが設けられる。被動ギヤ19は一方向クラッチ20を介して交流発電機17のロータ17aに結合される。
遠心式クラッチCは、クランク軸5と一体に回転する入力部材としての板状のクラッチインナ21と、径方向外方でクラッチインナ21を囲む出力部材としての碗状のクラッチアウタ22と、クラッチインナ21に枢支されて遠心式クラッチCの断続状態をエンジン回転速度であるクランク軸5の回転速度に応じて発生する遠心力により制御する遠心ウエイトとしてのクラッチシュー23とを備える。そして、エンジン回転速度がアイドリング速度を越えると、クラッチスプリング24の弾発力に抗してクラッチシュー23が遠心力によりクランク軸5の径方向で外方に揺動してクラッチアウタ22に接触し始め、内燃機関Eの動力がクラッチインナ21からクラッチアウタ22に伝達される。そして、エンジン回転速度が増加につれて、遠心式クラッチCは、クラッチアウタ22がクラッチシュー23との間に多少の滑りを生じつつ回転する半クラッチ状態(部分接続状態)を経て、クラッチインナ21とクラッチアウタ22とが一体に回転する完全接続状態になる。
1次減速機構Rは、前延出部5aに相対回転可能に支持されると共にクラッチアウタ22のボス部にスプライン嵌合してクラッチアウタ22に一体回転可能に結合される駆動回転体としての駆動ギヤ25と、該駆動ギヤ25に噛合すると共にクランク軸5の回転変動を抑制するダンパが設けられた被動回転体としての被動ギヤ26とから構成される。変速機Mの第1メイン軸31および第2メイン軸32に相対回転可能に設けられる被動ギヤ26は、第1メイン軸31の外周で円板状のディスク部26cを挟んで前後方向に延びるボス部からなる1対の前後の連結部26a,26bを有し、前連結部26aおよび後連結部26bをそれぞれ介して変速機Mの第1,第2変速クラッチ41,42に動力を伝達する。それゆえ、1次減速機構Rは、遠心式クラッチCからの動力を第1,第2変速クラッチ41,42に伝達する伝達機構である。
図3を併せて参照すると、変速機Mは、いずれも前ケース半体2aおよび後ケース半体2bに軸受35,36;37,38を介して回転可能に支持されると共に回転中心線L1に平行な回転中心線L2,L3を有する入力軸としてのメイン軸30および出力軸としてのカウンタ軸33と、前ケース半体2aおよび後ケース半体2bに両端部で固定されると共に回転中心線L1に平行な中心軸線を有する中間軸34と、変速段を設定する歯車列G1〜G5,GRの集合である変速歯車列群M1と、後述する運転状態検出手段74からの信号に基づいて電子制御ユニット70により設定される走行変速比での変速を実現するために特定の変速段を選択する選択機構M2と、変速歯車列群M1に対する内燃機関Eの動力の伝達および遮断を行う第1,第2変速クラッチ41,42と、を備える。したがって、変速機Mにおいて、メイン軸30、カウンタ軸33および中間軸34そして駆動軸Dは、クランク軸5に平行に配置されて、ミッションケースを兼ねるクランクケース2に支持される。
メイン軸30は、いずれもクランク室8と前収納室12に跨って配置される第1メイン軸31および第2メイン軸32から構成される。中空軸からなる第2メイン軸32には第1メイン軸31が相対回転可能にかつ同軸に貫通している。第2メイン軸32よりも長い軸長を有することでメイン軸30の軸長を規定する第1メイン軸31は、クランク室8に収納される内軸部31aと、前収納室12に収納される外軸部31bとを有する。軸受35から前方に延出して前収納室12で延びる延出部である外軸部31bは、前軸端部31cで軸受39を介して前カバー10に回転可能に支持される。外軸部31bには、前軸端部31cからクランクケース2に向かって、第1変速クラッチ41、被動ギヤ26および第2変速クラッチ42が順次設けられる。それゆえ、被動ギヤ26は、メイン軸30の軸方向で、両変速クラッチ41,42の間に配置される。第1メイン軸31の後軸端部31dは後ケース半体2bに支持される。
前軸端部33aが軸受37に支持されるカウンタ軸33において、軸受38から後方に突出して後収納室13で延びる後軸端部33bには、前ケース半体2aおよび後ケース半体2bに軸受27,28を介して回転可能に支持された駆動軸Dを駆動する出力用駆動ギヤ29aが設けられる。出力用駆動ギヤ29aは、駆動軸Dに設けられる出力用被動ギヤ29bと共に変速機Mからの動力を減速して駆動軸Dに伝達する伝達機構である2次減速機構29を構成し、該2次減速機構29は後収納室13に収納される。
図2,図3を参照すると、ミッション室を兼ねるクランク室8に収納される変速要素群としての変速歯車列群M1は、複数の変速段をそれぞれ設定する複数の変速要素としての変速用歯車列G1〜G5,GRから構成される。具体的には、1速変速段を設定する1速歯車列G1は、内軸部31aに相対回転可能に設けられる駆動歯車43と、駆動歯車43に噛合すると共にカウンタ軸33に一体回転可能に設けられる被動歯車53とからなる。2速変速段を設定する2速歯車列G2は、第2メイン軸32に一体成形されて一体回転可能に設けられる駆動歯車44と、駆動歯車44に噛合すると共にカウンタ軸33に相対回転可能に設けられる被動歯車54とからなる。3速変速段を設定する3速歯車列G3は、内軸部31aに相対回転可能に設けられる駆動歯車45と、駆動歯車45に噛合すると共にカウンタ軸33に一体回転可能に設けられる被動歯車55とからなる。4速変速段を設定する4速歯車列G4は、第2メイン軸32に一体成形されて一体回転可能に設けられる駆動歯車46と、駆動歯車46に噛合すると共にカウンタ軸33に相対回転可能に設けられる被動歯車56とからなる。5速変速段を設定する5速歯車列G5は、内軸部31aに一体回転可能に設けられる駆動歯車47と、駆動歯車47に噛合すると共にカウンタ軸33に相対回転可能に設けられる被動歯車57とからなる。また、後進変速段を設定する後進歯車列GRは、駆動歯車44と一体成形された駆動歯車48と、カウンタ軸33に相対回転可能に設けられる被動歯車58と、駆動歯車48に噛合すると共に中間軸34に相対回転可能に設けられる第1中間歯車49および被動歯車58に噛合すると共に第1中間歯車49と一体成形されて一体に回転する第2中間歯車50とからなる。
そして、第1メイン軸31に設けられる駆動歯車43,45,47を有する歯車列G1,G3,G5は、内燃機関Eの動力を変速する第1変速部を構成し、第1変速クラッチ41は、該第1変速部への動力の伝達および遮断を行う。一方、第2メイン軸32に設けられる駆動歯車44,46,48を有する歯車列G2,G4,GRは、内燃機関Eの動力を変速する第2変速部を構成し、第2変速クラッチ42は、該第2変速部への動力の伝達および遮断を行う。
第1変速クラッチ41は、軸方向で、遠心式クラッチCよりも前ケース半体2a寄りに遠心式クラッチCに隣接して位置する。第1変速クラッチ41は、遠心式クラッチCおよび1次減速機構Rを介して伝達される内燃機関Eの動力の入力側で前連結部26aにスプライン嵌合して一体回転可能に結合され、第1メイン軸31への動力の出力側で外軸部31bにスプライン嵌合されて一体回転可能に結合される。
軸方向で被動ギヤ26を挟んで第1変速クラッチ41とは反対側に配置される第2変速クラッチ42は、遠心式クラッチCおよび1次減速機構Rを介して伝達される内燃機関Eの動力の入力側で後連結部26bにスプライン嵌合して一体回転可能に結合され、第2メイン軸32への動力の出力側で、軸受35から前方に突出して前収納室12で延びる前軸端部32aにスプライン嵌合されて一体回転可能に結合される。
両第1,第2変速クラッチ41,42は同一構造の油圧式の多板摩擦式クラッチであり、前連結部26aまたは後連結部26bの外周にスプライン嵌合して一体回転可能に設けられる入力部材としての椀状のクラッチアウタ60と、クラッチアウタ60に一体回転可能に噛合する複数の第1クラッチ板62と、第1クラッチ板62と交互に積層される複数の第2クラッチ板63と、第2クラッチ板63が一体回転可能に噛合する出力部材としてのクラッチインナ61と、第1,第2クラッチ板62,63が互いに接触するように押圧すべくクラッチアウタ60に摺動可能に嵌合するピストン64とを備える。
各第1,第2変速クラッチ41,42にはクラッチアウタ60およびピストン64によりそれぞれ油圧室65,66が形成される。そして、第1変速クラッチ41の油圧室65は、軸方向で第2変速クラッチ42寄りに配置され、第2変速クラッチ42の油圧室66は軸方向で第1変速クラッチ41寄りに配置されることにより、第1,第2変速クラッチ41,42は、油圧室65および油圧室66が軸方向で互いに近接するように、背中合わせに配置される。油圧室65,66の油圧は、油圧室65,66に対して前カバー10および前延出部5aに設けられる油路67,68を通じて作動油が供給および排出されて制御される。油圧室65,66の油圧が高圧になると、戻しバネ69の弾発力に抗してピストンが第1,第2クラッチ板62,63を押し付けて、第1,第2クラッチ板62,63の間の摩擦によりクラッチアウタ60とクラッチインナ61とが一体に回転する接続状態になり、油圧室65,66の油圧が低圧になると、戻しバネ69の弾発力により第1,第2クラッチ板62,63が離隔してクラッチアウタ60とクラッチインナ61との間で動力の伝達が遮断される切断状態になる。
油圧室65,66の作動油の圧力は、油圧制御装置により制御される。該油圧制御装置は、クランク軸5により駆動される油圧ポンプを油圧源として、該油圧ポンプの吐出圧を制御して各油圧室65,66の油圧を制御する制御弁ユニット71を備える。制御弁ユニット71は、前カバー10に取り付けられる弁ハウジング71a(図1参照)と、弁ハウジング71a内に収納される複数の油圧制御弁とを備える。前記油圧制御弁が電子制御ユニット70により制御されて、第1メイン軸31に設けられた油路67,68を通じて油圧室65,66に対する作動油の供給および排出が制御され、各第1,第2変速クラッチ41,42の切断および接続、すなわち断続状態が制御される。
そして、第1変速クラッチ41において、クラッチアウタ60には1次減速機構Rからの動力が伝達され、またクラッチインナ61は動力を第1メイン軸31に伝達する。一方、第2変速クラッチ42において、クラッチアウタ60には1次減速機構Rからの動力が伝達され、またクラッチインナ61は動力を第2メイン軸32に伝達する。
また、第1,第2変速クラッチ41,42は、軸方向で、前ケース半体2aと遠心式クラッチCとの間に配置され、軸方向で、遠心式クラッチCのクラッチアウタ22の駆動ギヤ25との連結部22aが、第2変速クラッチ42のほぼ全体と重なる。そして、第2変速クラッチ42のクラッチインナ61は、軸方向で前ケース半体2aの近傍に配置されて軸受35に軸方向で接触する位置にあり、さらに、第1,第2変速クラッチ41,42において被動ギヤ26寄りの部材であるクラッチアウタ60が、軸方向で被動ギヤ26のディスク部26cの近傍に位置する。
図1を併せて参照すると、第1,第2変速クラッチ41,42は、軸方向から見て、遠心式クラッチCと重なる位置に配置される。そして、前延出部5aの径方向で、第2変速クラッチ42において最大外径を有する部材であるクラッチアウタ60が連結部22aの近傍に位置し、遠心式クラッチCにおいて最大外径を有する部材であるクラッチアウタ22が外軸部31bの近傍に位置する。さらに、軸方向から見て、遠心式クラッチCのクラッチアウタ22は、径方向で、クラッチアウタ60の内周部またはピストン64の内周部と重なる位置にある。
図2〜図4を参照すると、選択機構M2は、変速段を選択するために歯車列G1〜G5,GRをメイン軸30またはカウンタ軸33と一体回転可能な連結状態または相対回転可能な非連結状態にするためにメイン軸30上またはカウンタ軸33上で軸方向に移動可能な複数の、ここでは3つシフタ81〜83と、各シフタ81〜83を移動させるために前ケース半体2aおよび後ケース半体2bに支持される支軸87に軸方向に摺動可能に支持されるシフタ81〜83と同数である所定数の複数、ここでは3つのシフトフォーク84〜86と、各シフトフォーク84〜86を軸方向に案内して移動させることにより各シフタ81〜83を案内して移動させる案内部としてのカム溝91〜93が外周面に設けられた1つのシフトドラム90と、シフトドラム90を間欠的に回転させる間欠送り機構100 と、電子制御ユニット70からの指令に基づいて間欠送り機構100 を作動させる駆動手段としての1つのアクチュエータである逆回転可能な電動モータ120 とを備える。
歯車列G1〜G5,GRを構成する歯車と係合可能な突起を有する3つのシフタ81〜83は、1速−3速切換用の第1シフタ81と、5速−後進切換用の第2シフタ82と、2速−4速切換用の第3シフタ83とから構成される。また、シフトフォーク84〜86は、第1シフタ81に係合する第1シフトフォーク84と、第2シフタ82に係合する第2シフトフォーク85と、第3シフタ83に係合する第3シフトフォーク86とから構成される。そして、シフトドラム90の回転に応じてカム溝91〜93により案内されて移動する各シフトフォーク84〜86が対応するシフタ81〜83を、前記連結状態を実現する選択位置および前記非連結状態を実現する中立位置に移動させる。
第1シフタ81は、シフタを兼ねる駆動歯車47により構成され、駆動歯車43と駆動歯車45との間で内軸部31aにスプライン嵌合されて軸方向に移動可能に設けられる。そして、駆動歯車47(第1シフタ81)が選択位置まで後方に移動して駆動歯車43に係合すると1速歯車列G1(1速変速段)が選択され、別の選択位置まで前方に移動して駆動歯車45に係合すると3速歯車列G3(3速変速段)が選択される。
第2シフタ82は、シフタを兼ねる被動歯車55により構成され、被動歯車57と被動歯車58との間でカウンタ軸33にスプライン嵌合されて軸方向に移動可能に設けられる。そして、被動歯車55(第2シフタ82)が選択位置まで後方に移動して被動歯車57に係合すると5速歯車列G5(5速変速段)が選択され、別の選択位置まで前方に移動して被動歯車58に係合すると、車両の後進時の歯車列である後進歯車列GRが確立する。
第3シフタ83は、被動歯車54と被動歯車56との間でカウンタ軸33にスプライン嵌合されて軸方向に移動可能に設けられる。第3シフタ83が、被動歯車54に係合すると第2速歯車列G2が確立し、別の選択位置まで前方に移動して被動歯車56に係合すると4速歯車列G4(4速変速段)が選択される。
そして、各シフタ81〜83が中立位置を占めるときは、いずれの歯車列G1〜G5,GR(変速段)も選択されない。
そして、各シフタ81〜83が中立位置を占めるときは、いずれの歯車列G1〜G5,GR(変速段)も選択されない。
回転中心線L1〜L3に平行な回転中心線を有するシフトドラム90は、その前端部90aで軸受94を介して前ケース半体2aに回転可能に支持され、その後端部90bで後ケース半体2bに回転可能に支持される。前端部90aに連結される間欠送り機構100 により回転されるシフトドラム90の回転に応じて各シフトフォーク84〜86がカム溝91〜93に案内されて軸方向に移動することにより、各歯車列G1〜G5,GRの選択が可能になる。図4(B)に示されるように、電動モータ120 により回転駆動されて正回転および逆回転するシフトドラム90は、変速機Mの変速位置を定める複数の、ここでは6つの所定回転位置P1〜P6を占める。各所定回転位置P1〜P6は、シフトドラム90の位置決め機構でもある後述する間欠送り機構100 により設定される。また、各所定回転位置P1〜P6は、ポテンショメータから構成される回転位置検出器72により検出される。回転位置検出器72は後カバー11に取り付けられてシフトドラム90の後端部に接続されている。
図4,図5を参照すると、間欠送り機構100 は、電動モータ120 により回転駆動されるシフトスピンドル101 と、シフトスピンドル101 に固定されるアーム102 と、シフトスピンドル101 が相対回転可能に支持されるチェンジアーム103 と、前ケース半体2aに固着されてチェンジアーム103 に挿通される規制ピン104 と、チェンジアーム103 を中立位置に復帰させる戻しバネ105 と、シフトスピンドル101 の径方向にチェンジアーム103 との間で相対移動ができるようにチェンジアーム103 に支持されるシフタプレート106 と、シフタプレート106 を径方向内方に付勢するバネ107 と、シフトドラム90の回転中心線方向でシフタプレート106 に対向してシフトドラム90の前端部90aに固定されると共に複数の送りピン108aが設けられたピンプレート108 と、ピンプレート108 の外周に当接する方向にばね110 で付勢されるローラ109 と、を備える。
両ケース半体2a,2bを前後方向に回転可能に貫通しているシフトスピンドル101 は、前ケース半体2aから前方に突出する前端部101aで前カバー10に回転可能に支持され、後端部101bで後ケース半体2bに回転可能に支持される。
チェンジアーム103 には、アーム102 の先端部102aおよび規制ピン104 が挿通される開口103aを規定する縁部には、チェンジアーム103 の一部が折り曲げられて形成されたバネ受け部103bが設けられ、シフトスピンドル101 に遊嵌された戻しバネ105 の両端部は、チェンジアーム103 が中立位置にあるときバネ受け部103bの両側に当接する。
チェンジアーム103 が中立位置にある状態で、正・逆いずれかの方向に回転するシフトスピンドル101 が、アーム102 の先端部102aが戻しバネ105 を撓ませて開口103aの一方の側縁に当接するまで、戻しバネ105 に抗してチェンジアーム103 を正・逆いずれかの方向に回転させて、開口103aの縁部が規制ピン104 に当接するまでチェンジアーム103 が回転する。
シフタプレート106 に設けられた長孔106a,106bに挿通されて係合するガイドピン111 ,112 は、チェンジアーム103 にカシメにより固定される。これにより、シフタプレート106 は、チェンジアーム103 に対してシフトスピンドル101 の径方向に沿って摺動可能である。
また、シフタプレート106 にはシフトドラム90側に折曲げられた送り爪106c,106dが設けられており、それらの送り爪106c,106dの外側にはカム106e,106fが形成される。そして、6本の送りピン108aは両送り爪106c,106dの間に2本の送りピン108aが配置されるように設けられ、さらにピンプレート108 の外周には、周方向に等間隔に6個の凹部108bが形成される。また、ローラ109 は、一端が支軸113 を介して前ケース半体2aに揺動可能に支持されるアーム114 に軸支される。
この選択機構M2において、シフトスピンドル101 の正・逆いずれかの回転に応じたチェンジアーム103 の正・逆いずれかの方向への回転により、シフタプレート106 の両送り爪106c,106dの一方がピンプレート108 の送りピン108aの1つに係合して、シフトドラム90が正・逆いずれかに間欠的に回転する。戻しバネ105 のバネ力でチェンジアーム103 が中立位置に復帰する際には、シフタプレート106 の両送り爪106c,106dのカム106e,106fの一方に、ピンプレート108 の送りピン108aの1つが当接することにより、シフタプレート106 はバネ107 のバネ力に抗してシフトスピンドル101 の径方向外方に移動し、両送り爪106c,106dの一方が送りピン108aの1つを乗り越える。そして、ピンプレート108 の回転位置は、ローラ109 がピンプレート108 の凹部108bの1つに係合することで保持される。そして、ローラ109 が係合する凹部108bに対応して、シフトドラム90が各所定回転位置P1〜P6を占めて停止する。
シフトスピンドル101 の前端部101aには、電動モータ120 が減速歯車列121 を介して連結される。電動モータ120 はギヤケース122 に取付けられ、減速歯車列121 は前カバー10およびギヤケース121 間に形成されたギヤ室123 に収納される。また、後カバー11には、シフトスピンドル101 の回転位置を検出するポテンショメータからなる回転位置検出器124 が取付けられている。
第1,第2変速クラッチ41,42の断続状態と、電動モータ120 の回転量および回転方向とを制御する電子制御ユニット70には、内燃機関Eおよび車両の運転状態を検出する運転状態検出手段74および両回転位置検出器72,73からの信号が入力される。運転状態検出手段74は、車速検出手段74aおよび内燃機関Eの負荷を検出するアクセル開度検出手段74bなどから構成され、電子制御ユニット70は、運転状態検出手段74からの信号に基づいてシフトスピンドル101 を回転駆動して、運転状態に応じて変速機Mの変速位置を自動的に制御する。さらに、電子制御ユニット70は、回転位置検出器73により検出される回転位置に基づいて、シフトスピンドル101 の回転位置をフィードバック制御し、これにより回転位置に応じて変化するシフトスピンドル101 の回転速度を精度よく制御できる。
なお、変速機Mの変速位置を制御するためのオプション装置として、車両のハンドルに設けられるシフトアップスイッチおよびシフトダウンスイッチからなるシフトスイッチが、運転者が指示する変速位置が入力される変速操作部として設けられてもよい。この場合、該シフトスイッチからの信号が入力される電子制御ユニット70は、該シフトスイッチからの信号に応じて電動モータ120 の作動を制御し、シフトスピンドル101 および間欠送り機構100 を介してシフトドラム90の回転を制御する。
なお、変速機Mの変速位置を制御するためのオプション装置として、車両のハンドルに設けられるシフトアップスイッチおよびシフトダウンスイッチからなるシフトスイッチが、運転者が指示する変速位置が入力される変速操作部として設けられてもよい。この場合、該シフトスイッチからの信号が入力される電子制御ユニット70は、該シフトスイッチからの信号に応じて電動モータ120 の作動を制御し、シフトスピンドル101 および間欠送り機構100 を介してシフトドラム90の回転を制御する。
次に、図3,図4を参照して、カム溝91〜93および変速機Mにおける走行変速段の確立を中心に説明する。
シフタ81〜83およびシフトフォーク84〜86と同数のカム溝91〜93は、第1シフトフォーク84を案内する第1カム溝91、第2シフトフォーク85を案内する第2カム溝92および第3シフトフォーク86を案内する第3カム溝93から構成される。それゆえ、これらカム溝91〜93は、各シフトフォーク84〜86を介して対応するシフタ81〜83を案内して軸方向に移動させ、各所定回転位置P1〜P6に対応して、変速機Mの各変速位置、すなわち車両前進時の複数の変速位置、ここでは1速〜5速位置、車両後進時の後退位置およびニュートラル位置を選択可能とする。
シフタ81〜83およびシフトフォーク84〜86と同数のカム溝91〜93は、第1シフトフォーク84を案内する第1カム溝91、第2シフトフォーク85を案内する第2カム溝92および第3シフトフォーク86を案内する第3カム溝93から構成される。それゆえ、これらカム溝91〜93は、各シフトフォーク84〜86を介して対応するシフタ81〜83を案内して軸方向に移動させ、各所定回転位置P1〜P6に対応して、変速機Mの各変速位置、すなわち車両前進時の複数の変速位置、ここでは1速〜5速位置、車両後進時の後退位置およびニュートラル位置を選択可能とする。
運転状態検出手段74からの信号に応じて、間欠送り機構100 を介して電動モータ120 により自動的に駆動されてシフトドラム90が正回転または逆回転するとき、所定回転位置P1〜所定回転位置P6の範囲で、第1カム溝91は、第1変速部において、駆動歯車47(第1シフタ81)が1速変速段および3速変速段を選択するよう第1シフトフォーク84を案内し、第2カム溝92は、第1変速部において、被動歯車55(第2シフタ82)が5速変速段および後進変速段を選択するよう第2シフトフォーク85を案内し、第3カム溝93は、第2変速部において、第3シフタ83が2速変速段および4速変速段を選択するように第3シフトフォーク86を案内する。
より具体的には、以下のとおりである。
変速機Mのニュートラル位置でシフトドラム90が所定回転位置P2にあるとき、第1〜第3シフタ81〜83は中立位置にある。この状態から、シフトアップ時のシフトドラム90の回転方向において、カム溝91〜93は、シフタ81〜83が次に説明する位置を順次占めるように各シフトフォーク84〜86、したがって各シフタ81〜83を案内する。
変速機Mのニュートラル位置でシフトドラム90が所定回転位置P2にあるとき、第1〜第3シフタ81〜83は中立位置にある。この状態から、シフトアップ時のシフトドラム90の回転方向において、カム溝91〜93は、シフタ81〜83が次に説明する位置を順次占めるように各シフトフォーク84〜86、したがって各シフタ81〜83を案内する。
シフトドラム90が所定回転位置P3を占めるとき、第1変速部では、第1カム溝91が1速変速段を選択する選択位置に第1シフタ81を案内し、第2カム溝92が中立位置に第2シフタ82を案内し、第2変速部では、第3カム溝93が2速変速段を選択する選択位置に第3シフタ83を案内する。
シフトドラム90が所定回転位置P4を占めるとき、第1変速部では、第1カム溝91が3速変速段を選択する選択位置に第1シフタ81を案内し、第2カム溝92が中立位置に第2シフタ82を案内し、第2変速部では、所定回転位置P3のときと同様に第3カム溝93が2速変速段を選択する選択位置に第3シフタ83を案内する。
シフトドラム90が所定回転位置P5を占めるとき、第1変速部では、所定回転位置P4のときと同様に第1カム溝91が3速変速段を選択する選択位置に第1シフタ81を案内し、第2カム溝92が中立位置に第2シフタ82を案内し、第2変速部では、第3カム溝93が4速変速段を選択する選択位置に第3シフタ83を案内する。
シフトドラム90が所定回転位置P6を占めるとき、第1変速部では、第1カム溝91が中立位置に第1シフタ81を案内し、第2カム溝92が5速変速段を選択する選択位置に第2シフタ82を案内し、第2変速部では、所定回転位置P5のときと同様に第3カム溝93が4速変速段を選択する選択位置に第3シフタ83を案内する。
シフトダウン時には、シフトドラム90が逆方向に回転して、前述とは逆の順に変速位置を占める。
また、シフトドラム90がシフトダウン時の回転方向で所定回転位置P2から回転して所定回転位置P1を占めるとき、第1変速部では、第1カム溝91が中立位置に第1シフタ81を案内する一方、第2カム溝92が後退変速段を選択する選択位置に第2シフタ82を案内し、第2変速部では、第3カム溝93が中立位置に第3シフタ83を案内する。これにより、車両後進時の走行変速段である後退変速段が確立する。
また、シフトドラム90がシフトダウン時の回転方向で所定回転位置P2から回転して所定回転位置P1を占めるとき、第1変速部では、第1カム溝91が中立位置に第1シフタ81を案内する一方、第2カム溝92が後退変速段を選択する選択位置に第2シフタ82を案内し、第2変速部では、第3カム溝93が中立位置に第3シフタ83を案内する。これにより、車両後進時の走行変速段である後退変速段が確立する。
このように、前進時の変速位置では、カム溝91〜93が、シフトドラム90の1つの所定回転位置P3〜P6毎に第1変速部および第2変速部において異なる変速段が1つずつ同時に選択される選択位置にシフタ81〜83を案内する。そして、各所定回転位置P3〜P6において、第1変速部および第2変速部でそれぞれ選択される変速段は、変速機Mで得られる前進時の複数の、ここでは5つの変速段において連続する2つの変速段である。
また、第1変速部においては、2つの所定回転位置P4,P5において、第2シフタ82が中立位置にあるとき、第1シフタ81が3速歯車列G3の駆動歯車45と係合する選択位置を占めて第2シフタ82を構成する被動歯車55を構成歯車とする3速歯車列G3により3変速段が選択され、所定回転位置P6において、第1シフタ81が中立位置にあるとき、第2シフタ82が5速歯車列G5の被動歯車57と係合する選択位置を占めて第1シフタ81を構成する駆動歯車47を構成歯車とする5速歯車列G5により5変速段が選択される。
そして、シフトドラム90が所定回転位置P3〜P6にあるとき、第1,第2変速クラッチ41,42は、運転状態検出手段74に基づいて設定される変速位置(すなわち走行変速段)に対応して電子制御ユニット70により制御されることにより、第1メイン軸31および第2メイン軸32の一方の軸に動力を伝達し、他方の軸への動力を遮断するように自動的に作動して、変速機Mにおける走行変速段が確立され、この走行変速段で変速された動力が駆動軸Dを介して車輪に伝達される。
例えば、所定回転位置P3において、第1変速クラッチ41が第1メイン軸31に遠心式クラッチCからの動力を伝達し、第2変速クラッチ42が第2メイン軸32への動力を遮断することにより、1速変速段が走行変速段として確立する。そして、シフトアップ操作により、走行変速段として2速変速段を確立するときには、単に第2変速クラッチ42を接続状態にし、第1変速クラッチ41を切断状態にすればよい。このため、迅速に、しかも小さな変速ショックで、1速変速段から2速変速段への変速(すなわち変速段の切換え)、さらには2速変速段から1速変速段への変速が可能になる。同様に、各所定回転位置P4〜P6において、2速変速段および3速変速段間、3変速段および4速変速段間、4速変速段および5速変速段間においても、シフトアップ時およびシフトダウン時に迅速な変速が可能になる。
さらに、カム溝91〜93は、低速側から連続する3つの変速段である第1変速段、第2変速段および第3変速段のうちで、第2変速段および第3変速段のそれぞれが、シフトドラム90の隣接する2つの前記所定回転位置で選択されるように、第1,第2変速部でシフタ81〜83を選択位置に案内する。
例えば、低速側から連続する3つの変速段である2速〜4速変速段のうちで、2速変速段および3速変速段のそれぞれは、第3カム溝93および第1カム溝91にそれぞれ案内される第3シフタ83および第1シフタ81により、シフトドラム90の隣接する2つの所定回転位置P3,P4および隣接する2つの所定回転位置P4,P5で選択される。同様に、低速側から連続する3つの変速段である3速〜5速変速段のうちで、3速変速段および4速変速段のそれぞれは、第1カム溝91および第3カム溝93にそれぞれ案内される第1シフタ81および第3シフタ83により、シフトドラム90の隣接する2つの所定回転位置P4,P5および隣接する2つの所定回転位置P5,P6で選択される。
このため、第3変速段での使用頻度が高い場合には、該3速変速段と、3速変速段を挟む変速段である2速変速段および4速変速段との間での変速が、同様に、第4変速段での使用頻度が高い場合には、該4速変速段と、4速変速段を挟む変速段である3速変速段および5速変速段との間での変速が、第1,第2変速クラッチ41,42の切換えにより迅速な、しかもショックの小さい変速が行われる。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
車両用動力伝達装置の変速機Mは、第1,第2変速クラッチ41,42に対する内燃機関Eのクランク軸5からの動力の伝達および遮断を行う発進クラッチとして、断続状態をエンジン回転速度に応じた遠心力により制御するクラッチシュー23を備える遠心式クラッチCであることにより、遠心力の作用で作動するクラッチシュー23により断続状態が制御されるために切断状態から半クラッチ状態を経て接続状態になる遠心式クラッチCを通じて内燃機関Eの動力が第1,第2変速クラッチ41,42、さらには第1,第2変速部に伝達される。この結果、比較的低コストで動力の伝達効率にも優れた遠心式クラッチCが発進クラッチとして使用されるので、内燃機関Eの動力が伝達される第1,第2変速クラッチ41,42により変速段が切り換えられる車両用動力伝達装置において、動力の伝達効率および耐久性に優れると共に低コストで、発進時のショックを緩和することができる。
車両用動力伝達装置の変速機Mは、第1,第2変速クラッチ41,42に対する内燃機関Eのクランク軸5からの動力の伝達および遮断を行う発進クラッチとして、断続状態をエンジン回転速度に応じた遠心力により制御するクラッチシュー23を備える遠心式クラッチCであることにより、遠心力の作用で作動するクラッチシュー23により断続状態が制御されるために切断状態から半クラッチ状態を経て接続状態になる遠心式クラッチCを通じて内燃機関Eの動力が第1,第2変速クラッチ41,42、さらには第1,第2変速部に伝達される。この結果、比較的低コストで動力の伝達効率にも優れた遠心式クラッチCが発進クラッチとして使用されるので、内燃機関Eの動力が伝達される第1,第2変速クラッチ41,42により変速段が切り換えられる車両用動力伝達装置において、動力の伝達効率および耐久性に優れると共に低コストで、発進時のショックを緩和することができる。
遠心式クラッチCはクランク軸5に設けられ、第1,第2変速クラッチ41,42は、変速機Mの、クランク軸5に平行に配置されたメイン軸30に設けられ、第1,第2変速クラッチ41,42は、メイン軸30の軸方向から見て遠心式クラッチCと重なる位置に配置されることにより、いずれも比較的大径の遠心式クラッチCおよび第1,第2変速クラッチ41,42が設けられる場合にも、それらが軸方向から見て重なるように配置されることから、クランク軸5とメイン軸30との軸間距離を小さくすることができるので、内燃機関Eのクランク軸5と変速機Mのメイン軸30とをコンパクトに配置でき、内燃機関Eおよび変速機Mを備えるパワーユニットをコンパクト化することができる。
第1,第2変速クラッチ41,42は、軸方向で、メイン軸30を回転可能に支持するクランクケース2の前ケース半体2aと遠心式クラッチCとの間に配置されることにより、比較的重量が大きい第1,第2変速クラッチ41,42を、遠心式クラッチCよりもクランクケース2寄りで、クランクケース2に近接して配置することができて、第1,第2変速クラッチ41,42のような重量のある部品の重心を支持部材としてのクランクケース2に近づけることができるので、第1,第2変速クラッチ41,42が設けられるために強度が必要となるメイン軸30の第1メイン軸31を短くすることにより、軽量化をすることができる。
油圧室65,66がそれぞれ設けられた油圧式クラッチにより構成される第1,第2変速クラッチ41,42は、第1変速クラッチ41の油圧室65および第2変速クラッチ42の油圧室66が軸方向で互いに近接するように、背中合わせに配置されることにより、第1,第2変速クラッチ41,42においてそれぞれの油圧室65,66に作動油を導く油路67,68の長さの差を小さくできるので、第1,第2変速クラッチ41,42の作動応答性の均一化に寄与し、変速の切換フィーリングが向上する。
遠心式クラッチCからの動力を第1,第2変速クラッチ41,42に伝達する被動ギヤ26が、軸方向で第1,第2変速クラッチ41,42の間に配置されることにより、遠心式クラッチCから第1,第2変速クラッチ41,42への動力の伝達経路長を均等化できることから、両変速クラッチ41,42に同等の動力が伝達されるので、第1,第2変速クラッチ41,42の作動応答性の均一化に寄与し、変速の切換フィーリングが向上する。
変速機Mの選択機構M2は、変速操作に基づいて回転する1つのシフトドラム90と、シフトドラム90の回転に応じてシフトドラム90に設けられるカム溝91〜93により案内されて移動するシフタ81〜83とを備え、シフタ81〜83は、第1,第2変速部で選択位置および中立位置に移動可能であり、カム溝91〜93は、シフトドラム90の1つの所定回転位置P3〜P6に対して第1および第2変速部でシフタ81〜83を選択位置に案内することにより、変速段をそれぞれ設定する第1,第2変速部への内燃機関Eの動力の伝達および遮断を行う第1,第2変速クラッチ41,42により変速段が切り換えられる変速機Mにおいて、1つのシフトドラム90により第1,第2変速部での変速段を同時に選択できるので、複数のシフトドラムが不要になり、しかもシフトドラム90を駆動する駆動手段も1つで済ますことができる。そして、選択された2つの変速段での変速の切換えが第1,第2変速クラッチ41,42による動力の伝達経路の切換えのみで行われる。この結果、第1,第2変速部での変速段が1つのシフトドラム90により選択されるので、部品点数が削減されて、コンパクト化が可能であると共に安価な変速機Mが得られる。
第1変速部は、変速段をそれぞれ設定する第1の歯車列である5速歯車列G5および第2の歯車列である3速歯車列G3を含み、カム溝91,92は、駆動歯車47(第1シフタ81)が中立位置にあると共に被動歯車55(第2シフタ82)が被動歯車57と係合する選択位置にあるとき、5速歯車列G5による5速変速段が選択され、被動歯車55(第2シフタ82)が中立位置にあると共に駆動歯車47(第1シフタ81)が駆動歯車45と係合する選択位置にあるとき、3速歯車列G3による3速変速段が選択されるように、第1,第2シフタ81,82を案内することにより、第1変速部で変速段を設定する5速,3速歯車列の構成要素である駆動歯車47および被動歯車55がそれぞれ第1,第2シフタ81,82を兼ねるので、歯車列間に歯車列とは別個のシフタを設ける必要がない。この結果、5速,3速歯車列G5,G3が第1,第2シフタ81,82を兼ねるため、軸方向でシフトドラム90をコンパクトにすることができ、さらにシフトドラム90を収納するクランクケース2の軸方向での幅を小さくできるので、変速機Mが軸方向でコンパクト化される。
メイン軸30の軸長を規定すると共に第1変速部が設けられる第1メイン軸31は、第2変速部が設けられる第2メイン軸32よりも長いことにより、メイン軸30において、第1メイン軸31に設けられる第1変速部においては、5速,3速歯車列が第1,第2シフタ81,82を兼ねることから、第2メイン軸32よりも長い第1メイン軸31をより短くできるので、変速機Mが軸方向でコンパクト化される。
選択機構M2は、1つの電動モータ120 と、電動モータ120 により回転駆動されるシフトスピンドル101 と、シフトスピンドル101 の回転に応じてシフトドラム90を間欠的に回転させる間欠送り機構100 とを備えることにより、マニュアル式の選択機構に従来から使用されているシフトスピンドル101 および間欠送り機構100 をそのまま流用できる。この結果、電動モータ120 の採用による選択機構M2の自動化が、低コストで可能になる。そして、変速機Mが不整地走行用鞍乗型車両をはじめ、自動二輪車として使用される場合にも、従来の足による変速切換機構(ギヤチェンジ機構)と同じ位置にシフトドラム90やシフトスピンドル101 を配置できるので、変速機Mをマニュアル変速機付の車両の構造を大きく変えることなく自動変速機付の車両のパワーユニットとして搭載可能である。
カム溝91,93により案内されるシフタ81,83により、低速側から連続する3つの変速段である2速〜4速変速段のうちで、2速変速段および3速変速段のそれぞれは、第3カム溝93および第1カム溝91に案内される第3シフタ83および第1シフタ81により、シフトドラム90の隣接する2つの所定回転位置P3,P4および隣接する2つの所定回転位置P4,P5で選択され、同様に、低速側から連続する3つの変速段である3速〜5速変速段のうちで、3速変速段および4速変速段のそれぞれは、第1カム溝91および第3カム溝93に案内される第1シフタ81および第3シフタ83により、シフトドラム90の隣接する2つの所定回転位置P4,P5および隣接する2つの所定回転位置P5,P6で選択されることにより、3速変速段と、該3速変速段を挟む2速,4速変速段との間の変速が、第1,第2変速クラッチ41,42の切換えにより行われ、同様に4速変速段と、該4速変速段を挟む3速,5速変速段との間の変速が、第1,第2変速クラッチ41,42の切換えにより行われる。この結果、変速時にシフトドラム90を回転させることなく、第1,第2変速クラッチ41,42を切り換えることにより、隣接する変速段に切り換えることができるので、スムーズな加減速およびショックの小さい変速を行うことができて、乗り心地が向上する。
いずれも比較的大径の遠心式クラッチC、第1,第2変速クラッチ41,42および被動ギヤ26のうち、比較的高い頻度でメンテナンスを行う必要がある発進クラッチ、すなわち遠心式クラッチCが、前収納室12において最前位置、または軸方向で前カバー10への最近接位置に配置されるので、そのメンテナンス作業が容易になる。
第1,第2変速クラッチ41,42には同一構造のクラッチが使用されるので、コストの削減ができる。また、被動ギヤ26には前記ダンパが組み込まれ、被動ギヤ26、両変速クラッチ41,42の各クラッチアウタ60および該ダンパは、第1,第2変速クラッチ41,42の断続状態に関わらず、一緒に回転しているので、これら被動ギヤ26、両変速クラッチ41,42の各クラッチアウタ60および該ダンパを集約化して、コンパクト化および軽量化が可能である。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
内燃機関は多気筒内燃機関であってもよい。エンジンは、往復動するピストンを備える内燃機関以外の内燃機関または原動機であってよい。
シフトドラムの案内部はカム溝以外の案内部、例えば凸条などであってもよい。
選択手段は、シフトドラムが運転者の直接の操作により回転駆動されるマニュアル式のものであってもよい。
内燃機関は多気筒内燃機関であってもよい。エンジンは、往復動するピストンを備える内燃機関以外の内燃機関または原動機であってよい。
シフトドラムの案内部はカム溝以外の案内部、例えば凸条などであってもよい。
選択手段は、シフトドラムが運転者の直接の操作により回転駆動されるマニュアル式のものであってもよい。
2…クランクケース、5…クランク軸、10…前カバー、11…後カバー、30…メイン軸、31…第1メイン軸、32…第2メイン軸、33…カウンタ軸、41,42…変速クラッチ、81,82,83…シフタ、90…シフトドラム、91〜93…カム溝、100 …間欠送り機構、M…変速機、E…内燃機関、C…遠心式クラッチ、G1〜G5,GR…歯車列、P1〜P6…所定回転位置。
Claims (5)
- エンジンの動力を変速する第1変速部および第2変速部と、前記第1変速部に対する前記動力の伝達および遮断を行う第1変速クラッチと、前記第2変速部に対する前記動力の伝達および遮断を行う第2変速クラッチと、前記第1および前記第2変速部での変速段を選択する選択機構とを備え、前記第1および前記第2変速クラッチにより前記第1変速部での変速段と前記第2変速部での変速段とが切り換えられる変速機において、
前記選択機構は、変速操作に基づいて回転する1つのシフトドラムと、前記シフトドラムの回転に応じて前記シフトドラムに設けられる案内部により案内されて移動するシフタとを備え、
前記シフタは、前記第1および前記第2変速部で、変速段を選択する選択位置および変速段を選択しない中立位置に移動可能であり、
前記案内部は、前記シフトドラムの1つの所定回転位置に対して前記第1および前記第2変速部で前記シフタを前記選択位置に案内し、
前記第1変速部は、変速段をそれぞれ設定する第1変速要素および第2変速要素を含み、
前記シフタは、前記第1変速要素により構成されて前記シフトドラムの軸方向に移動する第1シフタおよび前記第2変速要素により構成されて前記軸方向に移動する第2シフタを含み、
前記案内部は、前記第1シフタが前記中立位置にあると共に前記第2シフタが前記選択位置にあるとき、前記第1変速要素による変速段が選択され、前記第2シフタが前記中立位置にあると共に前記第1シフタが前記選択位置にあるとき、前記第2変速要素による変速段が選択されるように、前記第1および前記第2シフタを案内することを特徴とする変速機。 - 前記動力が伝達される第1入力軸および第2入力軸から構成される入力軸を備え、
前記入力軸の軸長を規定すると共に前記第1変速部が設けられる前記第1入力軸は、前記第2変速部が設けられる前記第2入力軸よりも長いことを特徴とする請求項1記載の変速機。 - 前記選択機構は、1つの電動モータと、前記電動モータにより回転駆動されて前記シフトドラムを回転させるシフトスピンドルとを備えることを特徴とする請求項1または2記載の変速機。
- 前記選択機構は、前記シフトスピンドルの回転に応じて前記シフトドラムを間欠的に回転させる間欠送り機構を備えることを特徴とする請求項3記載の変速機。
- 前記案内部は、低速側から連続する3つの変速段である第1変速段、第2変速段および第3変速段のうちで、前記第1および前記第2変速段のそれぞれが、前記シフトドラムの隣接する2つの所定回転位置で選択されるように、前記第1および前記第2変速部で前記シフタを前記選択位置に案内することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の変速機。
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