JP2007096210A - 太陽電池用裏面保護シートおよびその裏面保護シートを用いた太陽電池モジュール、その太陽電池用裏面保護シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】太陽電池に使用する裏面保護シートであって、前記裏面保護シートが、無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムに、少なくとも、アクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化樹脂層を積層してなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シートおよびその裏面保護シートを用いた太陽電池モジュール、その太陽電池用裏面保護シートの製造方法である。
【選択図】図1
Description
蒸着膜を設けたバリア性裏面保護シ−トの金属または金属酸化物の蒸着膜側の面に、耐候性樹脂層を設け、更に、上記の耐候性樹脂層の面に、不飽和基含有アクリレ−ト系共重合体を含む硬化性樹脂組成物による耐候性最外層を設けたことを特徴とする太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−トおよびそれを使用した太陽電池モジュ−ルが提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、上記の裏面保護シ−トは、耐候性樹脂層と不飽和基含有アクリレ−ト系共重合体を含む硬化性樹脂組成物による耐候性最外層との接着性や最外層のアクリレ−ト系共重合体の耐候性などに問題があった。
請求項1に係る発明は、
太陽電池に使用する裏面保護シートであって、
前記裏面保護シートが、無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムに、少なくとも、アクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化樹脂層を積層してなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シートである。
前記裏面保護シートが、無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムの蒸着層側の面に、アクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化樹脂層を積層してなることを特徴とする請求項1記載の太陽電池用裏面保護シートである。
前記裏面保護シートが、無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムの蒸着面側に、片面にコロナ処理または易接着処理が施されたプラスチック基材の未処理面と、前記プラスチック基材の処理面に、アクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化樹脂層とを順次積層してなることを特徴とする請求項1記載の太陽電池用裏面保護シートである。
前記裏面保護シートが、透明もしくは着色されたプラスチック基材に、無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムの基材面と、そのガスバリア性蒸着フィルムの蒸着層側の面に、予め、硬化されたアクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよ
び/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化樹脂フィルムを順次積層したことを特徴とする請求項1記載の太陽電池用裏面保護シートである。
前記無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムの蒸着層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、あるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シートである。
請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シートを用いたことを特徴とする太陽電池モジュールである。
請求項2記載の裏面保護シートの製造方法であって、
無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムの蒸着層側の面に、アクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂材料を塗布する塗布工程と、塗布形成されたその放射線硬化型樹脂層を介して放射線を照射して、前記放射線硬化型樹脂層を硬化させると同時に前記ガスバリア性蒸着フィルムに接着させて積層する硬化・積層工程からなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シートの製造方法である。
請求項3記載の裏面保護シートの製造方法であって、
予め、プラスチック基材の片面にコロナ処理または易接着処理を施す工程と、無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムの蒸着面側に、前記コロナ処理または易接着処理を施されたプラスチック基材の未処理面とを接着剤を介して積層する工程と、前記プラスチック基材の処理面にアクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂材料を塗布する塗布工程と、塗布形成されたその放射線硬化型樹脂層を介して放射線を照射して、前記放射線硬化型樹脂層を硬化させると同時に前記プラスチック基材の処理面に接着させて積層する硬化・積層工程からなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シートの製造方法である。
請求項4記載の裏面保護シートの製造方法であって、
透明もしくは着色されたプラスチック基材に、無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムの基材面とを接着剤を介して積層する工程と、予め、アクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂を放射線を照射して硬化されてなる放射線硬化樹脂フィルムを作製する工程と、前記ガスバリア性蒸着フィルムの蒸着面側に接着剤層を介して前記放射線硬化樹脂フィルムを積層する工程からなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シートの製造方法である。
本発明により、太陽電池用裏面保護シートとして、無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムに、少なくとも、アクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化樹脂層を積層してなる構成であるから、ガスバリア性蒸着フィルム上にアクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂材料を塗布形成されたその放射線硬化型樹脂層を介して放射線を照射して、前記放射線硬化型樹脂層を硬化させると同時に接着させて積層することで、極めて強固に接着積層することができる。そして、アクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはア
クリル系オリゴマーからなる放射線硬化物(樹脂層)は耐候性に優れるものである。
わせ、さらに、プラスチックフィルム4の処理面にはアクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂を塗布形成し、放射線を照射して、放射線硬化樹脂層2を積層した構成の太陽電池用裏面保護シートである。
挙げられる。
亜鉛華、硫化亜鉛、リトポン、三酸化アンチモン、アナタス形酸化チタン、ルチル形酸化チタン、その他等の白色顔料の1種ないし2種以上を使用することができる。その使用量としては、プラスチックフィルムに対して、0.1重量%〜30重量%位、好ましくは、0.5重量%〜10重量%位添加して使用することが望ましい。
れるもので主に架橋剤もしくは硬化剤として作用する。前記機能を発揮するイソシアネート化合物の具体例としては、芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、脂肪族系のキシレンジイソシアネート(XDI)やヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などのモノマー類、これらの重合体、もしくは誘導体の1種、またはこれらの2種以上用いることができる。
異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は無機酸化物薄膜層にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、無機酸化物薄膜層に亀裂を生じる危惧がある。好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
耐久性に富み、さらに、光起電力素子としての太陽電池素子の保護ということから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。上記の表面保護シ−トとしては、具体的には、公知のガラス板等、さらに、例えば、ポリアミド系樹脂(各種のナイロン)、ポリエステル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、アセタ−ル系樹脂、その他等の各種の高分子フィルムないしシ−トを使用することもできる。
射線硬化型樹脂層を積層した下記構成の本発明の太陽電池用裏面保護シートを作成した。放射線硬化型樹脂層(50μm)/ガスバリア性蒸着フィルム(12μm)
<ガスバリア性蒸着フィルム>
プラスチック基材1aとして、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、プライマー層1bとしてプライマー剤Aをグラビアコート法により厚さ0.2μm(乾燥膜厚)形成した。次いで、プライマー層1b上に電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを導入し、酸化アルミニウム(アルミナ)を蒸着して厚さ20nmの無機酸化物薄膜層1cを形成した。さらに、その上に下記組成のコーティング剤をグラビアコーターで塗布し乾燥機で100℃、1分間乾燥させ、厚さ0.3μmの被膜層1dを形成したガスバリア性蒸着フィルムを得た。コーティング剤の組成は、(1)液と(2)液を配合比(wt%)で60/40に混合したものを用いた。ここで、(1)液はテトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO2換算)の加水分解溶液、(2)液はポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)である。
希釈溶媒(酢酸エチル)中、γ−イソシアネートプロピルトリメチルシラン1重量部に対し、アクリルポリオールを5重量部混合し、攪拌する。ついでイソシアネート化合物としてトリイジルイソシアネート(TDI)をアクリルポリオールのOH基に対しNCO基が等量となるように加えた混合溶液を2%の濃度に希釈したものをプライマー剤Aとする。
放射線硬化型樹脂層(50μm)/ガスバリア性蒸着フィルム(12μm)/白色顔料練り込みPETフィルム(50μm)
放射線硬化型樹脂層(50μm)/〈処理面側〉PETフィルム(50μm)/ガスバリア性蒸着フィルム(12μm)
ネーション法によりポリウレタン系接着剤層(塗布量5g/m2)を介して、上記ガスバリア性蒸着フィルムの蒸着面側に積層して下記構成の本発明の太陽電池用裏面保護シートを作成した。
放射線硬化型樹脂層(50μm)/ガスバリア性蒸着フィルム(12μm)/白色顔料練り込みPETフィルム(50μm)
実施例1と同様のダイセルUCB社製「KRM7842」の無溶剤型のウレタンアクリレート系放射線硬化塗料を用いて、実施例1と同様の条件で電子線を照射して硬化させて、厚さ50μmの放射線硬化樹脂フィルムを作製し、この放射線硬化樹脂フィルム自体を太陽電池用裏面保護シートとして用いた。
キセノンアーク式耐候試験機180W/m2、85℃×50%の条件下で裏面保護シートを500時間保存し、初期の色相Labに対して試験後の色相を測色し変退色を3段階評価した。
○(優れる)・・・・変退色(色差△E3以下)
△(やや劣る)・・・変退色(色差△E3〜10以下)
×(劣る)・・・・・変退色(色差△E10以上)
<ガスバリア性蒸着フィルムと放射線硬化樹脂層との基材間接着強度の測定方法>
85℃×85%RH×1000時間の高温高湿下にフィルムを保存後測定した。
して放射線を照射して、前記放射線硬化型樹脂層を硬化させると同時に接着させて積層することができるので、極めて強固に接着積層することができる。そして、アクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化物(樹脂層)は耐候性に優れるものである。
1a、4・・・プラスチックフィルム基材
1b・・・プライマー層
1c・・・無機酸化物蒸着層
1d・・・ガスバリア性皮膜層
2・・・放射線硬化樹脂層
3・・・(着色)プラスチックフィルム
5・・・コロナ処理もしくは易接着処理層
6・・・放射線硬化樹脂フィルム
10、20、30、40・・・太陽電池用裏面保護シート
50・・・太陽電池モジュール
51・・・太陽電池素子
52・・・充填剤
53・・・配線
54・・・表面保護シート
55・・・スペーサー
Claims (9)
- 太陽電池に使用する裏面保護シートであって、
前記裏面保護シートが、無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムに、少なくとも、アクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化樹脂層を積層してなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シート。 - 前記裏面保護シートが、無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムの蒸着層側の面に、アクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化樹脂層を積層してなることを特徴とする請求項1記載の太陽電池用裏面保護シート。
- 前記裏面保護シートが、無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムの蒸着面側に、片面にコロナ処理または易接着処理が施されたプラスチック基材の未処理面と、前記プラスチック基材の処理面に、アクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化樹脂層とを順次積層してなることを特徴とする請求項1記載の太陽電池用裏面保護シート。
- 前記裏面保護シートが、透明もしくは着色されたプラスチック基材に、無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムの基材面と、そのガスバリア性蒸着フィルムの蒸着層側の面に、予め、硬化されたアクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化樹脂フィルムを順次積層したことを特徴とする請求項1記載の太陽電池用裏面保護シート。
- 前記無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムの蒸着層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、あるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シートを用いたことを特徴とする太陽電池モジュール。
- 請求項2記載の裏面保護シートの製造方法であって、
無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムの蒸着層側の面に、アクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂材料を塗布する塗布工程と、塗布形成されたその放射線硬化型樹脂層を介して放射線を照射して、前記放射線硬化型樹脂層を硬化させると同時に前記ガスバリア性蒸着フィルムに接着させて積層する硬化・積層工程からなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シートの製造方法。 - 請求項3記載の裏面保護シートの製造方法であって、
予め、プラスチック基材の片面にコロナ処理または易接着処理を施す工程と、無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムの蒸着面側に、前記コロナ処理または易接着処理を施されたプラスチック基材の未処理面とを接着剤を介して積層する工程と、前記プラスチック基材の処理面にアクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂材料を塗布する塗布工程と、塗布形成されたその放射線硬化型樹脂層を介して放射線を照射して、前記放射線硬化型樹脂層を硬化させると同時に前記プラスチック基材の処理面に接着させて積層する硬化・積層工程からなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シートの製造方法。 - 請求項4記載の裏面保護シートの製造方法であって、
透明もしくは着色されたプラスチック基材に、無機酸化物からなるガスバリア性蒸着フィルムの基材面とを接着剤を介して積層する工程と、予め、アクリルポリオール系樹脂からなる熱可塑性樹脂バインダーおよび/またはアクリル系オリゴマーからなる放射線硬化型樹脂を放射線を照射して硬化されてなる放射線硬化樹脂フィルムを作製する工程と、前記ガスバリア性蒸着フィルムの蒸着面側に接着剤層を介して前記放射線硬化樹脂フィルムを積層する工程からなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シートの製造方法。
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