JP2014058154A - ガスバリア性フィルム及び太陽電池モジュール用保護シート - Google Patents

ガスバリア性フィルム及び太陽電池モジュール用保護シート Download PDF

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Abstract

【課題】長期間にわたる過酷な自然環境に耐え得る、耐熱性、耐候性、耐加水分解性、防湿性、軽量性等の諸特性に優れ、水蒸気(水分)や酸素等の侵入を防止するガスバリア性を向上させ、太陽電池としての電力出力特性を長期にわたり維持することが可能な耐久性を有し、かつ、安価な太陽電池モジュール用保護シートを提供すること。
【解決手段】ポリエステル基材の少なくとも片面に、ウレタン結合を有するアンカーコート層と、無機化合物からなる無機蒸着層と、水酸基含有高分子化合物、金属アルコキシド、シランカップリング剤、又は加水分解物を含む金属アルコキシド、加水分解物を含むシランカップリング剤の一つ以上を含む複合被膜層と、が順次積層されたガスバリア性フィルムであって、前記ポリエステル基材とアンカーコート層の間に、水性ポリエステル樹脂からなる易接着層設けた複合被膜層を持つ。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリアフィルムと、ガスバリアフィルムを用いた太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュール用前面保護シートに関するものである。
近年、地球温暖化問題に対する内外各方面の関心が高まる中、二酸化炭素の排出抑制等、種々の努力が続けられている。化石燃料の消費量の増大は、大気中の二酸化炭素の増加をもたらし、二酸化炭素の持つ温室効果により地球の気温が上昇し、地球環境に重大な影響を及ぼす。化石燃料の代替エネルギーとしては、様々な検討がされているが、クリーンなエネルギー源として太陽光発電に対する期待が高まっている。
太陽電池は太陽光のエネルギーを直接電気に換える太陽光発電システムの心臓部を構成するものであり、シリコン、カドミウム‐テルル、ゲルマニウム‐ヒ素などの半導体が用いられる。現在、多用されているものに、単結晶、多結晶シリコン、アモルファスシリコンがある。
太陽電池は、素子単体をそのままの状態で使用することはなく、一般的に数枚〜数十枚の太陽電池素子を直列、並列に配線し、長期間(約20年)にわたって素子を保護するため、種々パーケージングが行われ、ユニット化されている。
このパッケージに組み込まれたユニットを太陽電池モジュールと呼び、一般的に太陽光が当たる面はガラスで覆い、太陽電池内の太陽電池モジュールの固定及び保護、電気絶縁の目的で熱可塑性プラスチックからなる充填材で間隙を埋め、さらに太陽電池モジュール裏面を裏面保護シートで保護された構成からなっている。
これらの太陽電池モジュールは屋外で使用されるため、その構成、材質構造などにおいて、長期間にわたる過酷な自然環境に耐え得る、耐熱性、耐候性、耐加水分解性、防湿性等の耐久性、紫外線耐性が要求されると共に、外部からの水蒸気(水分)や酸素の進入を遮断するためのガスバリア性が要求される。
これは水蒸気(水分)の透過により、充填材が剥離、変色、配線の腐蝕、を起こし、出力に影響を及ぼす恐れがあるためである。またアモルファスシリコンやカルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池は、太陽電池素子が水によって変質しやすく、特に高いバリア性を必要とする。
従来、太陽電池モジュールの前面板にはガラス、裏面保護シートにはポリフッ化ビニル等のフッ素系樹脂フィルムで太陽電池素子をサンドイッチしたものが多く用いられていた(特許文献1、2)。
しかしながら個人宅に設置するタイプの太陽電池モジュールは、簡単に設置可能な形に設計する必要がある。重機を用いず人手で設置するためには太陽電池モジュールの軽量化が重要であり、耐震性を考慮すると個人宅の屋根に設置するには軽量化が必要である。このような理由により、太陽電池モジュールの前面板に用いているガラスを、プラスチック素材へ切り替えることで軽量化が図られている。
また、太陽電池の裏面側に、保護シートとしてアルミニウム箔を用いると、劣化が進み貫通するようなことが発生すると、アルミ箔と電極が短絡して電池性能に悪影響を及ぼすという欠点がある。
そこで、上記の問題点を解消するために、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのフィルム基材の片面に、無機酸化物の蒸着膜を設けたガスバリアプラスチック基材を用いた裏面保護シートや前面保護シートが提案されている。(特許文献3、特許文献4)。
しかしながら上記で提案されている裏面保護シート及び前面保護シートでは、太陽電池素子の耐湿性が低いアモルファスシリコンやカルコパイライト系薄膜多結晶太陽電池では、バリア性能が足りず太陽電池素子が劣化して太陽電池の長期の耐久性維持が困難である。
また太陽電池以外のエレクトロニクス分野や、高品質なバリアフィルム性能が求められる包装材分野でも、水蒸気(水分)や酸素等の侵入を防止するガスバリア性を向上させたバリアフィルムが求められている。
特表平8‐500214号公報 特表2002‐520820号公報 特開2001‐111077号公報 特開2006‐120972号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、長期間にわたる過酷な自然環境に耐え得る、耐熱性、耐候性、耐加水分解性、防湿性、軽量性等の諸特性に優れ、水蒸気(水分)や酸素等の侵入を防止するガスバリア性を向上させたガスバリアフィルム提供することにある。さらにはこのようなガスバリアフィルムを用いて、太陽電池としての電力出力特性を長期にわたり維持することが可能な耐久性を有し、かつ、安価な太陽電池モジュール用保護シートを提供することにある。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、 ポリエステル基材の少なくとも片面に、アンカーコート層と、無機化合物からなる無機蒸着層と、複合被膜層とが順次積層されたガスバリア性フィルムであって、前記複合被膜層が3種類の化合物を含む液を塗布して設けられたものであり、かつ前記3種類の化合物のうち、1種類目の化合物は水酸基含有高分子化合物であり、2種類目の化合物は金属アルコキシド又はその加水分解物であり、3種類目の化合物はシランカップリング剤又はその加水分解物であり、アンカーコート層がウレタン結合を有し、前記ポリエステル基材のポリエステル中の末端カルボキシル基濃度が25g当量/10g以下であり、ポリエステル基材と前記アンカーコート層の間に、水性ポリエステル樹脂からなる易接着層を設けたガスバリア性フィルムである。
また、請求項2に記載の発明は、前記ポリエステル基材が、分子量が55000以上であるポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1又は2記載のガスバリア性フィルムである。
また、請求項3に記載の発明は、前記易接着層が、前記ポリエステル基材の延伸工程中の、縦延伸後に塗布され、その後横延伸が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア性フィルムである。
また、請求項4に記載の発明は、前記易接着層の厚みが20nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性フィルムである。
また、請求項5に記載の発明は、前記無機蒸着層が酸化珪素からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルムである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルムの複合被膜層上に、さらに前記無機化合物からなる無機蒸着層と、複合被膜層とを積層したことを特徴とするガスバリア性フィルムである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルムの片面に着色フィルム、もう一方の面に耐候性フィルムを貼り合せたことを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シートである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルムの片面に、紫外線カットフィルム及び透明耐候性フィルムを貼り合せたことを特徴とする太陽電池モジュール用前面保護シートである。
本発明のガスバリアフィルムは、高いガスバリア性を示し、これを用いた太陽電池モジュール用前面保護シート及び裏面保護シートは、高温高湿環境下の促進評価試験条件においてもガスバリア性や密着を保持することができる。
本発明に使用するガスバリアフィルムの一例を示した断面概念図である。 本発明に使用するガスバリアフィルムの一例を示した断面概念図である。 本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シートの一例を示した断面概念図である。 本発明の太陽電池モジュール用前面保護シートの一例を示した断面概念図である。 本発明の太陽電池モジュール用保護シートを用いた太陽電池モジュールの一例を示した断面概念図である。 本発明のガスバリアフィルムを用いた波長変換シートの一例を示した断面概念図である。
以下本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の
ガスバリアフィルムの一例を示しており、ガスバリアフィルム100は、ポリエステル基材フィルム1の片面に易接着層2、アンカーコート層3、無機化合物からなる蒸着層4、複合被膜層5が順次積層されている。
ポリエステル基材1は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルムが用いられ、易接着層2は、ポリエステル基材の延伸工程中の、縦延伸後に塗布され、その後横延伸が施されている。
そして、長期間にわたる過酷な自然環境に耐え得るために、ポリエステル基材フィルムは、例えば、耐加水分解性を向上させるために末端カルボキシルキの濃度が減少しているポリエステル樹脂組成物からなるものが用いられる。
ポリエステル中の末端カルボキシル基の濃度は、ANALYTICL CHEMISTRY第26巻、1614ページに記載された方法にて測定されるが、この方法によって測定された末端カルボキシ基濃度が25当量/10gを超えると加水分解が起こりやすく、太陽電池モジュール用保護シートに用いた場合、高温・高湿環境下でバリア性の低下が起こり易くなるため好ましくない。したがって、ポリエステル基材1に用いるポリエステル中の末端カルボキシル基の濃度は、25当量/10g以下、より好ましくは20当量/10g以下が好ましい。
ポリエステルの末端カルボキシル基を減少させるため、加水分解性に優れるポリエステル基材フィルムを構成するポリエステル樹脂組成物にはエポキシ化合物を混合し、反応させることが有効である。エポキシ化合物としてはエチレンオキサイド、1,2‐プロピレンオキサイド、1,2‐ブチレンオキサイド、エビクールヒドリン、グリシドール、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2‐エチルへキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリフールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリフールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセワールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンジオキシド、1,2‐エポキシシクロデカン、2(3,4‐エバ中ジシクロヘキシル)エチルメトキシシラン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらの化合物の1種類又は2種類以上を混合し、反応させればよい。
また、ポリエステル樹脂組成物に、カルボジイミド化合物を混合し、反応させることも有効である。カルボジイミド化合物としては、N,N‐ジ‐p‐トリイルカルボジイミド、N,N‐ジフェニルカルボジイミド、N,N”‐ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N”‐ジ‐2,6‐ジメチルフエニルカルボジイミド、N‐トリイル‐N’‐シクロへキシルカルボジイミド、N,N‐ジ‐2,6‐ジイソプロピルフエニルカルボジイミド、N,N‐ジ‐2,6‐ジ‐tert‐ブチルフェニルカルボジイミド、N‐トリイル‐N‐フェニルカルボジイミド、N,N‐ジ‐p‐ニトロフェニルカルボジイミド、N,N‐ジ‐p‐アミノフェニルカルボジイミド、N,N‐ジ‐p‐ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N‐ジ‐シクロへキシルカルボジイミド、N,N‐ジ‐p‐トリイルカルボジイミド、p‐フェニレン‐ビス‐ジ‐o‐トリイルカルボジイミド、p‐フェニレン‐ビス‐ジシクロへキシルカルボジイミド、ヘキサメチレン‐ビス‐ジシクロへキシルカルボジイミド、エチレン‐ビス‐ジフェニルカルボジイミドなどが挙げられる。これらの化合物の1種類又は2種類以上を混合し、反応させるようにしてもよいし、上述のエポキシ化合物と混合して用いるようにしてもよい。
また耐加水分解性をより向上させるために、ポリエステル樹脂組成物の分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ法)による分子量測定において、重量平均分子量(MW)5万5千以上、より好ましくは6万以上が好ましい。
ポリエステル樹脂組成物の製造方法としては、溶融状態のポリエステルにエポキシ化合物又はカルボジイミド化合物を添加して攪拌・反応させる方法、あるいはエクストルーダなどで混練・反応させる方法などがある。また必要に応じて、組成物中には、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリン、ジルコニウム酸などの各種無機粒子や架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類の他、従来公知の抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐光剤、包接化合物、帯電防止剤、各種着色剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種フッ素化合物を添加してもよい。
ポリエステル基材1は、上述のポリエステル樹脂組成物を用いて溶融押出製膜方法にて成製膜し、フィルムとしたものを用いればよい。より具体的には、1軸若しくは2軸の溶融押出機にて押出し、逐次2軸延伸、次いで用途によって熱処理することにより作製され、この工程中に易接着層2が設けられる。
ポリエステル基材1の厚さは特に制限を受けるものではないが、後述する密着層、無機化合物層、複合被膜層を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましく、特に12〜100μmとすることがより好ましい。
次に、このようなポリエステル基材1上に積層して設けられている易接着層2について詳しく説明する。この層は耐加水分解性に優れるポリエステル基材1の表面と、次の密着層との密着性を高めることを目的として積層されているものである。
ポリエステル基材1は、上述の記載で詳しく述べたとおり、末端のカルボキシル基の量を減らしているため、表面の酸価が低く密着性に非常に乏しい。密着性を向上させるために、コロナ処理やプラズマ処理などが挙げられるが、これらの処理はフィルム表層の水酸基の量を挙げるため初期密着が向上する反面、耐加水分解性が落ち、耐湿試験後に剥離の原因となる。またポリエステル基材1と蒸着層4とを密着させるアンカーコート層3は、二つの層間の密着だけでなく、蒸着層4のバリア性も保持する必要があるため、密着とバリアの両方を保持することはできない。そこで、耐加水分解性に優れるポリエステル基材1と、アンカーコート層3とを密着させる易接着層2が必要である。
易接着層2の厚みは20nm以上、100nm以下である必要がある。20nm以下では薄すぎて耐加水分解性に優れるポリエステル基材1との密着が悪く、また100nm以上では易接着層2が厚すぎて易接着層2の凝集破壊による密着低下が起こる。
易接着層2はポリエステル基材1の製膜延伸時にインラインで塗工される。特に、2軸延伸時の延伸前に易接着層2を塗布し、延伸することで易接着層2とポリエステル基材1の層とが交じり合うことで、より強固な密着層が得られる。またオフラインで易接着層2を塗工するより、コストを低くおさえることができる。
易接着層2は、ポリエステルの群から選ばれた少なくとも一種の水溶性または水分散性樹脂からなる塗布層を有していることが好ましい。塗布層として用いるポリエステル系樹脂は、それを構成する成分として以下のような多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物を例示できる。すなわち、多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−カリウムスルホテレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリット酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩、及びそれらのエステル形成性誘導体等を用いることができ、多価ヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコール、ビスフェノールA−エチレングリコール付加物、ビスフェノールA−1,2−プロピレングリコール付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロピオン酸カリウム等を用いることができる。これらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上選択して、常法の重縮合反応によりポリエステル系樹脂を合成する。
次に、アンカーコート層3について説明する。この層は易接着層2と蒸着層4との密着性を高め、かつ蒸着層4のバリア性を発現させるための平滑層の目的として積層されているものである。
このアンカーコート層3の構成材料としては、エステル結合より耐加水分解性が高いウレタン結合を含んでいる必要がある。アンカーコート層3の構成材料中にウレタン結合を含むことで、アンカーコート層自身の耐加水分解性を挙げ凝集破壊による密着低下を防ぐと共に、易接着層2との密着を強固にする。ウレタン結合は、イソシアネートとアルコールとの付加反応によって生成する結合であり、特に、ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、アルキッドなどの水酸基を持つ化合物とイソシアネート基を持つイソシアネート化合物との2液反応複合物からなるアンカーコート層3は、水性のポリエステル易接着層2との密着性も良好で、かつ、蒸着層4を積層するために平滑な膜を作ることができるので好ましい。
このアンカーコート層3に各種添加剤、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩などの硬化促進剤や、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系などの酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、架橋反応促進剤、充填剤などを添加しておいても一向に構わない。
アンカーコート層3の形成方法としては、例えば、オフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法などの周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。乾燥条件については、一般的に使用される条件で構わない。また、反応を促進させるために、高温のエージング室などに数日放置して乾燥させる方法を用いてもよい。
次に、無機化合物からなる蒸着層4について詳しく説明する。前記蒸着層は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、あるいはそれらの混合物などの無機化合物からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する層であればよい。特に耐水性に優れる酸化珪素を用いることがより好ましい。
無機化合物からなる前記蒸着層4の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし、膜厚が5nm未満であると、均一な膜が得られないことや、膜厚が不十分でガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。
また、膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるので問題がある。生産性を加味すると、より好ましいのは10nmから200nmである。
前記無機化合物からなる蒸着層4をアンカーコート層3上に形成する方法としては種々あり、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることも可能である。
ただし、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いても良いが、蒸発材料の選択性の幅広さを考慮すると電子線加熱方式を用いることがより好ましい。
次いで、蒸着層4の上に設ける複合被膜層5について説明する。複合被膜層5は、加水分解物を含む金属アルコキシド/水酸基含有高分子化合物/シランカップリング剤からなり、金属アルコキシドとシランカップリング剤とそれらの加水分解物のうち少なくとも1種類以上と、水酸基含有高分子化合物とを含む必要がある。
前記複合被膜層4は、金属アルコキシドとシランカップリング剤とそれらの加水分解物のうち少なくとも1種類以上と、水酸基含有高分子化合物とを含む水溶液、あるいは、水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。
例えば、水溶性高分子を水系(水あるいは水/アルコール混合)溶媒で溶解させたものに金属アルコキシドとシランカップリング剤を直接、あるいは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液とする。
前記複合被膜層5に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)は単体でのガスバリア性が最も優れるので好ましい。
ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルを鹸化して得られるものである。PVAとしては例えば、酢酸基が数10%残存している、いわゆる部分鹸化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等用いることができ、これ以外のものを用いてもよい。
また、金属アルコキシドは、一般式、M(OR)(M:Si、Ti、Al、Zr等の金属、R:CH、C等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC)4〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O‐2’‐C〕などが挙げられ、中でもテトラエトキシシランが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
テトラエトキシシランと水溶性高分子と混合する際に、一部又は全部を加水分解して混合する。加水分解は一般的には酸又はアルカリの触媒を用いて、水/アルコール混合溶媒中で行うが、これに限定されるものではない。
また、シランカップリング剤は一般式、R1Si(OR2)(R1:有機官能基、R2:CH、C等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的には、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ‐クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ‐クロロプロピルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ‐メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3‐イソシアネートプロピルメトキシシラン、1,3,5‐トリス(3‐トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート等のシランカップリング剤などである。
選定するシランカップリング剤の種類によって、金属アルコキシドと同時に加水分解しても良いし、シランカップリング剤のみで加水分解を行っても良いし、また加水分解を行わなくても良い。
コーティング剤の塗布方法としては、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の方法を用いることが可能である。
前記複合被膜層5の厚さは、コーティング剤の種類や加工機や加工条件によって最適条件が異なり特に限定しない。ただし、乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一な塗膜が得られなく十分なガスバリア性を得られない場合があるので好ましくない。
また厚さが50μmを超える場合は膜にクラックが生じ易くなるため問題となる場合がある。好ましくは0.01〜50μmの範囲にあり、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にあることである。
図2は、本発明における、ガスバリアフィルムの他の例を示した断面図である。本例のガスバリアフィルム200は、図2のように、耐加水分解性に優れるポリエステル基材フィルム1の片面に易接着層2、密着層3、無機化合物からなる蒸着層4、複合被膜層5が順次積層し、さらに複合被膜層5の上に、再度、蒸着層4、複合被膜層5を順次積層させている。このようにすることによって、ガスバリアフィルム100よりガスバリア性を要する用途に、バリア性を向上させて対応することもできる。
図3は、本発明における、太陽電池モジュール用裏面保護シートの一例の断面図である。本例の太陽電池モジュール用裏面保護シート300は、ガスバリアフィルム200の片方の面に耐候性フィルム6を、ガスバリアフィルム200のもう片方の面に、着色フィルム7を貼り合せた太陽電池モジュール用裏面保護シートである。
前記耐候性フィルム6とは、耐加水分解性に優れたポリエチレンテレフタレートフィルム、若しくはフッ素樹脂フィルムである。フッ素樹脂フィルムは、フッ化ビニル樹脂(PVF)フィルム、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)フィルム、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)フィルム、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)フィルム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム、四フッ化エチレン‐パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)フィルムから選ばれるフッ素系フィルムが挙げられる。また反射率を挙げるために、酸化チタンなどの白色顔料をフィルム中に分散させ白色化してもよい。
また、前記着色フィルム7は、太陽電池モジュールの光利用効率を向上させ発電効率を向上させる機能があり、特に白色は反射率が高く好ましい。白色フィルムとしては、ポリエステルフィルムやエチレン‐酢酸ビニル(EVA)フィルムに白色顔料をフィルム表面に塗布する方法や、フィルム成形時に練り込む方法、フィルム樹脂中に発泡気泡を有することにより白色性を発現させるものなどがあり、どれを用いても良い。また意匠性の点から黒色フィルムを用いても構わない。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シート300を積層する方法としては、例えば、ドライラミネ‐ション方式を用いることができる。ドライラミネ‐ション用接着剤としては、接着強度が長期間の屋外使用で劣化によるデラミネーションなどを生じないこと、さらに接着剤が黄変しないことなどが必要であり、高耐熱性、耐湿熱性等に対応するために、接着剤を構成するビヒクルの主成分としての樹脂等が、架橋ないし硬化して三次元網目状の架橋構造等を形成し得るものを使用することが望ましい。
例えば、2液硬化型ポリウレタン系接着剤等、脂肪族系・脂環系イソシアネ‐ト、あるいは、芳香族系イソシアネ‐ト等のイソシアネ‐ト系の硬化剤又は架橋剤の存在下、熱、又は光からなる反応エネルギーによりラミネ‐ト用接着剤が架橋構造を形成するものが良い。
図4は、本発明の太陽電池モジュール用前面保護シート400における一例の断面図である。本例の太陽電池モジュール用前面保護シート400は、透明耐候性フィルム8、紫外線カットフィルム9、ガスバリアフィルム200を順次積層し、太陽電池モジュール用前面保護シート400が形成されている。
前記透明耐候性フィルム7は、耐候性フィルム5と材質は同様のものから選定されるが太陽電池の光発電領域では、フィルムに透明性が要求される。380nmから800nmの波長領域におけるフィルムの光線透過度は60%以上必要である。
一方で、太陽電池モジュール用前面保護シート400は、太陽電池モジュールの太陽電池素子の劣化を抑制するために紫外線カットフィルム9が用いられる。紫外線カットフィルム9は、紫外線カット機能を有するのが好ましく、紫外線吸収剤を含有させるのが好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えばサリチル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、及びベンゾオキサジノン系化合物、環状イミノエステル系化合物などを好ましく例示することができるが、380nm〜390nmでの紫外線カット性、色調などの点からベンゾオキサジノン系化合物が最も好ましい。
これらの化合物は1種で用いても良いし、2種以上併用しても良い。またHALS(ヒンダードアミン系光安定剤)や酸化防止剤などの安定剤の併用はより好ましい。
好ましい材料であるベンゾオキサジノン系化合物の例としては、2‐p‐ニトロフェニル‐3,1‐ベンゾオキサジン‐4‐オン、2‐(p‐ベイゾイルフェニル)‐3,1‐ベンゾオキサジン‐4‐オン、2‐(2‐ナフチル)‐3,1‐ベンゾオキサジン‐4‐オン、2‐2´‐p‐フェニレンビス(3,1‐ベンゾオキサジン‐4‐オン)、2,2´‐(2,6‐ナフチレン)ビス(3,1‐ベンゾオキサジン‐4‐オン)などを例示することができる。これらの化合物の添加量はフィルム中に0.05〜1.0重量%含有させるのが好ましい。
本発明の太陽電池モジュール用前面保護シート400を作製する方法も、太陽電池モジュール用裏面保護シート300で用いられる方法から選定できる。
図5は、本発明の太陽電池モジュール用前面保護シート400及び/又は太陽電池モジュール用裏面保護シート300を用いた太陽電池モジュールの一例の断面図である。太陽電池素子600は、アモルファスシリコン太陽電池、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池など種々の方式を採用することができ、特にこれらに限定されない。太陽電池素子600は、前面保護シート400と裏面保護シート300の間に配置される。図示していないが、各層の間他の機能層を配置積層しても良い。例えば、前面保護シート400と太陽電池素子600との間には、封止材、波長変換部材、接続配線等を配置しても良い。裏面保護シート300と太陽電池素子600との間にも、封止材、光反射・散乱層、接続配線等を配置することができる。
上記で得られる本発明の太陽電池モジュール用裏面保護シート300及び太陽電池モジュール用前面保護シート400を用いた、太陽電池モジュールは、長期間にわたる過酷な自然環境に耐え得る、耐熱性、耐候性、耐加水分解性、防湿性、軽量性等の諸特性に優れており、特に水蒸気(水分)や酸素等の侵入を防止するガスバリア性が著しく向上しかつ長期間維持されるため、太陽電池としての電気出力特性を長期にわたり保持することが可能である。
本発明に係るバリアフィルムは、太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュール用前面保護シートに限らず、太陽電池以外のエレクトロニクス製品や、高品質なバリアフィルム性能が求められる包装材においても好適に用いることができる。例えば、図6に示すバックライト用波長変換シートは、光源波長をバックライトに適した発光スペクトルに変換する蛍光体層11と、蛍光体層11を挟んで積層されたバリアフィルム12を備える。本発明のバリアフィルムで蛍光体層への酸素や水蒸気の浸入を防ぐことで、蛍光体の劣化を抑制することができる。この他、電気泳動方式の電子ペーパーの前面電極用基材、有機EL素子用バリアフィルムなどが挙げられる。
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。まず、下記の方法にてアンカーコート層3用組成物(液1)、複合被膜層5用組成物(液2)を調液した。
<アンカーコート層3用組成物(液1)>
アクリルポリオールとトリイジルイソシアネートをアクリルポリオールのOH基に対し、NCO基が等量となるように加え、全固形分が5w%になるよう酢酸エチルで希釈し(液1)を調製した。
<複合被膜層5用組成物(液2)>
A液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N(規定濃度))89.6gを加
え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3重量%(SiO換算)の加水分解溶

B液:ポリビニルアルコールの3重量%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロ
ピルアルコール重量比で90:10)
C液:γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.1N(規定濃度)塩酸/イソ
プロピルアルコール溶液の混合溶液(0.1N(規定濃度)塩酸:イソプロピルア
ルコール重量比で1:1)で3重量%に希釈した液
A液、B液、C液を配合比(重量%)で70/20/10に混合して複合被膜層組成物(液2)を調製した。
<実施例1>
(ガスバリアフィルムの作製)
酸価17g当量/10g、分子量6万の、ポリエステルフィルムからなる基材を、縦延伸し、片面に、アクリル樹脂を含む水性溶液を塗布し、乾燥し、次に横延伸を行うことで、易接着コート層を形成し、さらに、易接着面2に、液1をグラビアコート法により塗布し、乾燥し、厚み50μmのポリエステル基材1、厚み50nmの易接着コート層2、厚さ0.2μmのアンカーコート層3を形成した。
次いで、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、酸化ケイ素からなる膜厚30nmの蒸着層4を形成した。次に、上記蒸着面上に液2をグラビアコーターで塗布し、乾燥機で100℃、1分間乾燥させ、厚さ0.3μm(乾燥状態)の複合被膜層5を形成し、ガスバリアフィルム100を作製した。
(太陽電池裏面保護シートの作製)
作製したガスバリアフィルム100に、ウレタン系接着剤(塗布量10g/m)を介して、の基材面に耐候性フィルム6として、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製 X10S)を、複合被膜層4面に着色フィルム7として、厚さ50μmの白色ポリエステルフィルム(東レ社製 E20)を、積層しガスバリアフィルム100を用いた太陽電池裏面保護シートを作製した。
<実施例2>
実施例1におけるガスバリアフィルム100の複合被膜層5の上面に、厚さ25μmの紫外線カットフィルム9を、基材面に透明耐候性フィルム8として厚さ50μmのフッ素系FEPフィルムをウレタン系接着剤(塗布量10g/m)を介して積層し、ガスバリアフィルム100を用いた太陽電池前面保護シートを作製した。
<実施例3>
実施例1におけるガスバリアフィルム100の複合被膜層5の上面に、さらに電子線加熱方式による真空蒸着装置により、酸化ケイ素からなる膜厚30nmの蒸着層4を形成した。次に、上記蒸着面上に液2をグラビアコーターで塗布し、乾燥機で100℃、1分間乾燥させ、厚さ0.3μm(乾燥状態)の複合被膜層5を形成してガスバリアフィルム200を作製した。
作製したガスバリアフィルム200の基材面に耐候性フィルム6として、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製 X10S)を、複合被膜層5面に着色フィルム7として、厚さ50μmの白色ポリエステルフィルム(東レ社製 E20)を、積層し、ガスバリアフィルム200を用いた太陽電池裏面保護シートを作製した。
<実施例4>
実施例3と同様に、実施例1と同様の工程で作成したガスバリアフィルム100の複合被膜層5の上面に、さらに電子線加熱方式による真空蒸着装置により、酸化ケイ素からなる膜厚30nmの蒸着層4を形成した。次に、上記蒸着面上に液2をグラビアコーターで塗布し、乾燥機で100℃、1分間乾燥させ、厚さ0.3μm(乾燥状態)の複合被膜層5を形成してガスバリアフィルム200を作製した。
次にガスバリアフィルム200の複合被膜層5の上面に、厚さ25μmの紫外線カットフィルム9を、基材面に透明耐候性フィルム8として厚さ50μmのフッ素系FEPフィルムをウレタン系接着剤(塗布量10g/m)を介して積層し、ガスバリアフィルム100を用いた太陽電池前面保護シートを作製した。
<比較例1>
ポリエステル基材として、厚み50μm、酸価35g当量/10g、分子量5万の一般PETを用いて、易接着コート層を設けることなく、アンカーコート層、酸化ケイ素からなる蒸着層、複合被膜層を積層し、ガスバリアフィルム200を作製した。
さらに、実施例1と同様の工程で、作製したガスバリアフィルムの基材面に耐候性フィルム、複合被膜層面に着色フィルムをそれぞれ積層し比較例1の太陽電池裏面保護シートを作製した。
<比較例2>
縦延伸し、次に横延伸を行ったポリエステル基材に、易接着コート層を積層しないこと以外は実施例1と同様に、アンカーコート層、酸化ケイ素からなる蒸着層、複合被膜層を積層し、ガスバリアフィルムを作製した。
さらに実施例1と同様の工程で、作製したガスバリアフィルムの基材面に耐候性フィルム、複合被膜層面に着色フィルムをそれぞれ積層して比較例2の太陽電池裏面保護シートを作製した。
<比較例3>
ポリエステル基材として、厚み50μm、酸価35g当量/10g、分子量5万の一般PETを用いた以外は、実施例1と同様にアンカーコート層、酸化ケイ素からなる蒸着層、複合被膜層を順次積層し、ガスバリアフィルムを作製した。
さらに実施例1と同様の工程で、作製したガスバリアフィルムの基材面に耐候性フィルム、複合被膜層面に着色フィルムをそれぞれ積層して比較例3の太陽電池裏面保護シートを作製した。
<水蒸気ガスバリア性の評価>
実施例1の太陽電池裏面保護シート、実施例2の太陽電池表面保護シート、実施例3の
太陽電池裏面保護シート、実施例4の太陽電池表面保護シート、比較例1の太陽電池裏面保護シート、比較例2の太陽電池裏面保護シートの水蒸気ガスバリア性を、水蒸気透過度測定装置(商品名:パーマトラン モコン社製)により40℃90%RH雰囲気下で測定した。
<密着性の評価>
前記実施例1、3及び比較例1、2、3の太陽電池裏面保護シート、実施例2、4の太陽電池表面保護シートを10mm幅で切断してテンシロン(引っ張り試験機、オリエンテック社製)を用いて基材のポリエステルフィルムと、ガスバリア層と接着剤を介して貼りあわせたフィルムの層間の密着強度を、を測定した。剥離速度300mm/min、23℃、相対湿度65%の雰囲気で行い、剥離強度が1N/cm以上のものは○とし、1N/cm以下のものは×として強度を確認した。
次にガラス板、200μmのEVAシートからなる充填材シート、その上に10cm×10cmのPETフィルム(50μm)を配し、さらにその上に本発明で得られた太陽電池裏面保護シート、又は、太陽電池前面保護シートを配置した。太陽電池裏面保護シートは、白色ポリエステルフィルム側を充填材シートに向けて、前面保護シートはガスバリアフィルム側を充填材シートに向けて配置した。真空吸引等により一体化して150℃、20分間熱プレスにより加熱圧着成形し、一体成形体とした。
<温湿耐性の評価>
これを85℃85%RH環境下に3000h保存して促進評価試験を実施した。試験後、10cm×10cmのPETフィルムを挟んだ部分を切り出して、太陽電池裏面保護シート、又は、太陽電池前面保護シートのみを取り出し密着性を測定した。結果を以下の表1に記す。
<耐光性の評価>
実施例2、4の太陽電池前面保護シートについては、紫外線照射試験を下記のとおり実施した。ガラス板、200μmのEVAシートからなる充填材シート、その上に10cm×10cmのPETフィルム(50μm)を配し、さらにその上に本発明で得られた前面保護シートをガスバリアフィルム側が充填材シート側に向くように配置した。真空吸引等により一体化して150℃、20分間熱プレスにより加熱圧着成形し、一体成形体とした。
これにサンシャインウエザーメーターにより紫外線照射試験試験(JIS7350‐2)を実施した。試験は太陽電池前面保護シート側から紫外線を1000h照射して実施した。試験後、10cm×10cmのPETフィルムを挟んだ部分を切り出して、太陽電池前面保護シートのみを取り出し、密着性を測定した。その結果も表1に記す。
実験結果より、実施例1〜4、比較例1、4ともバリア性は同様に良好だが、比較例1及び2では易接着層2を設けていないため、密着性が初期から低い。
また実施例1〜3では85℃85%RH環境下に保存しても密着性を保持した。比較例3では基材として一般のPETを用いていたため、加水分解により脆化して密着性が低下することが確認された。
1・・・ポリエステル基材
2・・・易接着層
3・・・アンカーコート層
4・・・蒸着層
5・・・複合被膜層
6・・・耐候性フィルム
7・・・着色フィルム
8・・・透明耐候性フィルム
9・・・紫外線カットフィルム
100・・・ガスバリアフィルム
200・・・ガスバリアフィルム
300・・・太陽電池モジュール用裏面保護シート
400・・・太陽電池モジュール用前面保護シート
600・・・太陽電池素子
700・・・波長変換シート
11・・・蛍光体層
12・・・ガスバリアフィルム

Claims (8)

  1. ポリエステル基材の少なくとも片面に、アンカーコート層と、無機化合物からなる無機蒸着層と、複合被膜層とが順次積層されたガスバリア性フィルムであって、
    前記複合被膜層が3種類の化合物を含む液を塗布して設けられたものであり、かつ前記3種類の化合物のうち、1種類目の化合物は水酸基含有高分子化合物であり、2種類目の化合物は金属アルコキシド又はその加水分解物であり、3種類目の化合物はシランカップリング剤又はその加水分解物であり、
    前記アンカーコート層がウレタン結合を有し、
    前記ポリエステル基材のポリエステル中の末端カルボキシル基濃度が25g当量/10g以下であり、
    前記ポリエステル基材と前記アンカーコート層の間に、水性ポリエステル樹脂からなる易接着層を設けたガスバリア性フィルム。
  2. 前記ポリエステル基材が、分子量が55000以上であるポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1又は2記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記易接着層が、前記ポリエステル基材の延伸工程中の、縦延伸後に塗布され、その後横延伸が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア性フィルム。
  4. 前記易接着層の厚みが20nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  5. 前記無機蒸着層が酸化珪素からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルムの複合被膜層上に、さらに前記無機化合物からなる無機蒸着層と、複合被膜層とを積層したことを特徴とするガスバリア性フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルムの片面に着色フィルム、もう一方の面に耐候性フィルムを貼り合せたことを特徴とする太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のガスバリア性フィルムの片面に、紫外線カットフィルム及び透明耐候性フィルムを貼り合せたことを特徴とする太陽電池モジュール用前面保護シート。
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