JP2006253264A - 太陽電池用裏面保護シートおよびそれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池用裏面保護シートおよびそれを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、特に電気絶縁性、耐熱性および寸法安定性に優れ、かつ、機械的強度、耐候性、耐水性、耐光性、防湿性等の諸特性に優れ、特に、水分、酸素等の侵入を防止する防湿性を著しく向上させ、その長期的な性能劣化を最小限に抑え、特に、加水分解劣化等を防止し、極めて耐久性に富み、その保護能力性に優れ、より低コストで安全な、太陽電池システム電圧1000Vに対応できる太陽電池モジュ−ルを構成する太陽電池用裏面保護シ−トおよびそれを使用した太陽電池モジュ−ルを提供することを目的とする。
【解決手段】太陽電池用裏面保護シートであって、基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムと、電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフィルムとを積層して一体化されてなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シートおよびそれを用いた太陽電池モジュ−ルである。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−トおよびそれを使用した太陽電池モジュ−ルに関するものであり、さららに詳しくは、特に電気絶縁性、耐熱性および寸法安定性に優れ、かつ、機械的強度、耐候性、耐水性、防湿性等の諸特性に優れ、極めて耐久性に富み、保護能力性に優れた太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−トおよびそれを用いた太陽電池モジュ−ルに関するものである。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリ−ンなエネルギ−源としての太陽電池が注目され、現在、種々の形態からなる太陽電池モジュ−ルが開発され、提案されている。一般に、上記の太陽電池モジュ−ルは、例えば、結晶シリコン太陽電池素子あるいはアモルファスシリコン太陽電池素子等を製造し、そのような太陽電池素子を使用し、表面保護シ−ト層、充填剤層、光起電力素子としての太陽電池素子、充填剤層、および、裏面保護シ−ト層等の順に積層し、真空吸引して加熱圧着するラミネ−ション法等を利用して製造されている。
上記の太陽電池モジュ−ルは、当初、電卓への適用を始めとし、その後、各種の電子機器等に応用され、民生用の利用として、その応用範囲は急速に広まりつつあり、さらに、今後、最も重要な課題として、大規模集中型太陽電池発電の実現があるとされている。ところで、上記の太陽電池モジュ−ルを構成する裏面保護シ−ト層としては、現在、強度に優れたプラスチック基材等が、最も一般的に使用されている。
一般に、太陽電池モジュ−ルを構成する裏面保護シ−ト層としては、例えば、強度に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐薬品性、光反射性、光拡散性等の諸特性に優れ、特に、水分、酸素等の侵入を防止する防湿性に優れ、さらに、表面硬度が高く、かつ、表面の汚れ、ゴミ等の蓄積を防止する防汚性に優れ、極めて耐久性に富み、その保護能力性が高いこと、その他等の条件を充足することが必要とされている。
従来、例えば、太陽電池用裏面保護シートとして、ポリフッ化ビニルフイルム(商品名:テドラー)でアルミニウム箔をサンドイッチした積層構造の裏面保護シートが多く用いられていた。
しかしながら、太陽電池モジュ−ルを構成する裏面保護シ−ト層として、現在、最も一般的に使用されているポリフッ化ビニルフイルム等のフッ素系樹脂フィルムとアルミニウム箔等の金属箔との複合フィルムを使用する場合には、このポリフッ化ビニルフイルムは耐加水分解性、機械的強度等の特性に劣り、太陽電池モジュール製造時に加えられる140℃〜150℃の熱プレスの熱により軟化し、太陽電池素子電極部の突起物が充填材層を貫通し、さらに裏面保護シートを構成する内面のポリフッ化ビニルフイルムを貫通し、裏面保護シート中のアルミニウム箔に接触することにより、太陽電池素子とアルミニウム箔が短絡して電池性能に悪影響を及ぼすという欠点があった。同時に、ポリフッ化ビニルフイルム等のフッ素系樹脂フィルムは、廃棄・処理方法によっては、環境への高負荷も懸念される材料を使用している点も、クリ−ンエネルギ−を標榜するシステムの部材として最適ではなく、また、その高コストである点で太陽電池モジュールの低価格化の点で一つの障害となっている。
そこで本発明者は、先に、固有粘度が0.6(dl/g)以上で、かつ、環状三量体含有量が0.5重量%以下のポリエステル樹脂からなる耐熱、耐候性プラスチックフイルム
の一方の面に無機酸化物薄膜層を設け、その薄膜層面に同一樹脂からなる他の耐熱、耐候性プラスチックフイルムを積層した積層体からなることを特徴とする太陽電池用裏面保護ートを提案した(特許文献1参照)。
しかしながら、上記で提案した太陽電池用裏面保護シ−トは、太陽電池モジュ−ルに用いた場合、太陽電池システム電圧1000Vに対応できる電気絶縁性の代表的特性である部分放電電圧を満たすには十分に満足し得るものではなく、さらに、電気絶縁性や寸法安定性の改善の余地があった。太陽電池システム電圧1000Vに対応できる電気絶縁性の代表的特性である部分放電電圧として1000V以上を満たす太陽電池用裏面保護シ−トが求められていた。
以下に、特許文献を記す。
特開2002−134771号公報
本発明は、上記の技術的背景に基づく問題点を解決するためになされたものであって、特に電気絶縁性、耐熱性および寸法安定性に優れ、かつ、機械的強度、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、防湿性等の諸特性に優れ、特に、水分、酸素等の侵入を防止する防湿性を著しく向上させ、その長期的な性能劣化を最小限に抑え、特に、加水分解劣化等を防止し、極めて耐久性に富み、その保護能力性に優れ、より低コストで安全な、太陽電池システム電圧1000Vに対応できる太陽電池モジュ−ルを構成する太陽電池用裏面保護シ−トおよびそれを用いた太陽電池モジュ−ルを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、すなわち、
請求項1に係る発明は、
太陽電池用裏面保護シートであって、
基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムと、電気絶縁性を有するポリエステルフィルムとを積層して一体化されてなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シートである。
請求項2に係る発明は、
太陽電池用裏面保護シートであって、
基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムと、電気絶縁性を有するポリエステルフィルムと、耐熱性を有するポリエステルフィルムとを積層して一体化されてなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シートである。
請求項3に係る発明は、
前記太陽電池用裏面保護シートが、基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムの片面に、裏面保護シートの太陽電池側に配設される白色に着色された電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフィルムを積層して一体化されてなることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池用裏面保護シートである。
請求項4に係る発明は、
前記太陽電池用裏面保護シートが、基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムを中間層として、その一方の面に裏面保護シートの太陽電池側に配設される白色に着色された電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有するポ
リエステルフィルムを積層し、もう一方の反対側の面に透明性の電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフィルムを積層して一体化されてなることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池用裏面保護シートである。
請求項5に係る発明は、
前記太陽電池用裏面保護シートが、基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムに、電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有する白色に着色されたポリエステル樹脂層を中間層として、その両面に電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有する透明ポリエステル樹脂層が積層されてなる、裏面保護シートの太陽電池側に配設される3層共押し出しフィルムを積層して一体化されてなることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池用裏面保護シートである。
請求項6に係る発明は、
前記太陽電池用裏面保護シートを構成する電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフィルムの総厚みが200μm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シートである。
請求項7に係る発明は、
前記電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフィルムの熱収縮率が、フィルム成膜方向(流方向)で0.6%以下、フィルム巾方向で0.6%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シートである。
請求項8に係る発明は、
前記電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有する白色に着色されたポリエステルフィルムが、白色着色剤を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シートである。
請求項9に係る発明は、
前記電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有する白色に着色されたポリエステルフィルムが、発泡層を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シートである。
請求項10に係る発明は、
前記ガスバリア性蒸着フィルムの蒸着層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種の無機酸化物からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シートである。
請求項11に係る発明は、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シートの部分放電電圧が1000V以上であることを特徴とする太陽電池用裏面保護シートである。
請求項12に係る発明は、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シートを使用したことを特徴とする太陽電池モジュールである。
本発明により、特に電気絶縁性、耐熱性および寸法安定性に優れ、かつ、機械的強度、耐候性、耐水性、耐光性、防湿性等の諸特性に優れ、特に、水分、酸素等の侵入を防止する防湿性を著しく向上させ、その長期的な性能劣化を最小限に抑え、特に、加水分解劣化
等を防止し、極めて耐久性に富み、その保護能力性に優れ、より低コストで安全な太陽電池モジュ−ルを構成する裏面保護シ−トおよびそれを使用した太陽電池モジュ−ルを提供することができる。
本発明の太陽電池用裏面保護シ−トは、高い電気絶縁性を有することで太陽電池システム電圧1000Vに対応できるものである。また、寸法安定性に優れることから太陽電池モジュ−ル製造時配線が曲がったり、電池のズレが生じない。
以下、本発明に係る太陽電池用裏面保護シートおよびそれを使用した太陽電池モジュールについてその層構成を図面を参照してさらに詳しく説明する。図1は、本発明の太陽電池用裏面保護シートの層構成の一例を示す断面図である。図2は、本発明の太陽電池用裏面保護シートの層構成の他の例を示す断面図である。図3は、本発明における無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムの層構成の一例を示す断面図である。図4は、本発明における無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムの層構成の他の例を示す断面図である。図5は、本発明の太陽電池用裏面保護シートを使用した太陽電池モジュールについてその層構成の一例を示す断面図である。
本発明の太陽電池用裏面保護シートは、基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムと、電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフィルムとを積層して一体化されてなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シートである。
具体的には、図1に示すように、一例としての太陽電池用裏面保護シート1は、基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルム10を中間層として、その一方の面に裏面保護シートの太陽電池側に配設される、電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有する白色に着色されたポリエステルフィルム20を積層し、もう一方の反対側の面に電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有する透明ポリエステルフィルム30を接着剤40を介して積層一体化されてなる太陽電池用裏面保護シートである。
また、図2に示すように、他の例としての太陽電池用裏面保護シート2は、基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルム10に、電気絶縁性および耐熱性を有する白色に着色されたポリエステル樹脂層52を中間層として、その両面に電気絶縁性および耐熱性を有する透明ポリエステル樹脂層51,53が積層されてなる、太陽電池側に配設される、3層共押し出しフィルム50を積層して接着剤4を介して積層一体化されてなる太陽電池用裏面保護シートである。
本発明において使用される電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフィルムとして、例えば、固相重合を施すことにより、重合度を上げ、エチレンテレフタレート環状三量体を減少させた、固有粘度が0.6(dl/g)以上で、かつ、環状三量体含有量が0.5重量%以下のポリエステル樹脂を溶融押し出し製膜して得られるポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用することができる。このポリエステルフィルムは、電気絶縁性および耐熱性に優れ、かつ、機械的強度、耐候性、耐加水分解性にも優れるものである。
具体的には、例えば、90mol%以上がエチレンテレフタレート単位からなり、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物から選ばれる重合触媒金属化合物をいずれか一種含むポリエステルであって、これらの重合触媒金属化合物量が、該ポリエステルに対し金属として0.2mol/ton以上1mol/ton以下であり、かつエチレンテレフタレ
ート環状三量体含有量がポリエステルに対し0.5重量%以下であるポリエステル組成物により達成される。
そして、ポリエステルは、エチレンテレフタレート成分がポリエステルに対し90mol%以上からなることが耐熱性、機械特性の点で好ましいが、その他共重合成分として各種ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールを10mol%以内の範囲で共重合してもよい。共重合しうるジカルボン酸成分としては、例えばイソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6− ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸などを挙げることができる。また、共重合しうる脂環族ジカルボン酸成分としては1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等の脂肪族、脂環族、芳香族ジオール等を挙げることができる。これらの成分は1種のみ用いてもよく、また2種以上併用しても良い。
本発明において使用されるポリエステルは従来公知のポリエステルの製造方法に従って製造することができる。すなわち、酸成分としてジアルキルエステルを用い、これとジオール成分とでエステル交換反応させた後、この反応の生成物を減圧下で加熱して、余剰のジオール成分を除去しつつ重縮合させることによって製造することができる。
こうして得られたポリエステルは、固相重合を施すことにより、さらに重合度を上げることができ、かつ環状三量体を低減させることができる。この固相重合を経て得られたポリエステルは、環状三量体量の充分少ない電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフイルムを得るためには、固有粘度0.6(dl/g)以上、エチレンテレフタレート環状三量体の含有量が0. 5重量%以下とする必要がある。
また、本発明の太陽電池用裏面保護シートを構成する上記ポリエステルフィルム、特にエチレンテレフタレート(PET)フィルムの総厚みを200μm以上とすることで、電気絶縁性がさらに向上し、太陽電池システム電圧1000Vに対応できる電気絶縁性の代表的特性である部分放電電圧として1000V以上を満たす太陽電池用裏面保護シ−トが得られる。基材総厚が200μm以上を満たさないと部分放電電圧1000Vクリアできないが、総厚があまり厚過ぎると太陽電池モジュール製造時の作業性が悪く、また充填剤、例えば、エチレン−酢酸ビニル樹脂との接着不良等の不具合を生じることなどから、好ましい基材総厚としては、電気絶縁性やモジュール製造条件の点から200μm以上300μm以下の範囲で設定するのがよい。
また、本発明で使用される電気絶縁性を有するポリエステルフィルムの熱収縮率が、フィルム成膜方向(流方向)で0.6%以下、フィルム巾方向で0.6%以下であることが好ましい。これにより、フィルムの寸法安定性が向上し、太陽電池モジュ−ル製造時配線が曲がったり、電池のズレが生じないという効果を奏する。
さらに、本発明で使用される白色に着色された電気絶縁性を有するポリエステルフィルムは、このフィルムに白色着色剤を練り込むか、もしくは、このフィルムに発泡層を形成することにより、白色に着色することができる。白色に着色することにより、太陽電池モジュールとして設置した場合、照り返す太陽光を光り反射あるいは光拡散させることで発
電効率を向上するという効果を奏する。
上記の白色着色剤としては、例えば、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性けい酸鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、リトポン、三酸化アンチモン、アナタス形酸化チタン、ルチル形酸化チタン、その他等の白色顔料の1種ないし2種以上を使用することができる。その使用量としては、電気絶縁性を有するポリエステルフィルムに対して、0.1重量%〜30重量%位、好ましくは、0.5重量%〜10重量%位添加して使用することが望ましい。
また、電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフィルムに発泡層を形成する方法としては、例えば、従来ポリエステルフィルムの発泡に用いられきた、ポロパンガス、ブタンのような飽和脂肪族炭化水素類、炭酸ガス、窒素のような不活性ガス、塩化メチルのようなハロゲン化炭化水素などを用い、押し出し発泡により形成することができる。ポリエステルフィルムに発泡層を形成することで、白色着色と同様の効果が得られると同時に絶縁性が向上し、上記のフィルムに白色着色剤を練り込んで得られる白色に着色されたポリエステルフィルムよりも電気絶縁性が優れるポリエステルフィルムが得られるので、白色着色剤を練り込む方法よりも発泡層を形成する方法が望ましい。
次ぎ、本発明で使用される基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムについて説明する。例えば、図3に示すように、プラスチック材料からなる基材フィルム11上に、有機官能基を有するシランカップリング剤あるいはシランカップリング剤の加水分解物と、ポリオールおよびイソシアネート化合物との複合物を含むプライマー層12、厚さ5〜300nmの無機酸化物からなる無機酸化物薄膜層13を順次積層したガスバリア性蒸着フィルム10aを使用することができる。または、図4に示すように、上記のガスバリア性蒸着フィルム10aの無機酸化物からなる無機酸化物薄膜層13上に、さらにガスバリア被膜層14を積層形成したガスバリア性蒸着フィルム10bを使用することもできる。
本発明におけるガスバリア性蒸着フィルムについて以下に詳細に説明する。
基材フィルム11はプラスチック材料からなるフィルムであり、無機酸化物薄膜層の透明性を生かすために透明なフィルムが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好適に用いられる。しかしながら、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いられ、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。特に二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。また、この基材フィルム11の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良い。
基材フィルム11の厚さはとくに制限を受けるものではないが、包装材料としての適性、他の層を積層する場合もあること、プライマー層12、無機酸化物薄膜層13、または被膜層14を形成する場合の加工性を考慮すると、6〜30μmとすることが好ましい。
プライマー層12は、プラスチックフィルムからなる基材フィルム上に設けられ、基材フィルムと無機酸化物からなる無機酸化物薄膜層との間の密着性を高め、デラミネーションの発生等を防止することを目的とする。上記目的達成のためにプライマー層として用いることができるのは、有機官能基を有するシランカップリング剤あるいはその加水分解物と、ポリオール及びイソシアネート化合物等との複合物である必要がある。
さらに、プライマー層12を構成する複合物について詳細に説明する。前記シランカップリング剤の例としては、任意の有機官能基を含むシランカップリング剤を用いることができ、例えばビニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のシランカップリング剤あるいはその加水分解物の1種ないしは2種以上を用いることができる。
さらに、これらのシランカップリング剤のうち、ポリオールの水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応する官能基を持つものが特に好ましい。例えばγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランのようなイソシアネート基を含むもの、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランのようなメルカプト基を含むものや、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N―β―(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―フェニルアミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノ基を含むものがある。さらにγ―グリシドオキシプロピルトリメトキシシランやβ―(3、4―エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のようにエポキシ基を含むものや、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β―メトキシエトキシ)シラン等のようなシランカップリング剤にアルコール等を付加し水酸基等を付加したものでも良く、これら1種ないしは2種以上を用いることができる。
これらのシランカップリング剤は、一端に存在する有機官能基がポリオールとイソシアネート化合物からなる複合物中で相互作用を示し、もしくはポリオールの水酸基またはイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応する官能基を含むシランカップリング剤を用いることで共有結合をもたせることによりさらに強固なプライマー層を形成し、他端のアルコキシ基またはアルコキシ基の加水分解によって生成したシラノール基が無機酸化物中の金属や、無機酸化物の表面の極性の高い水酸基等と強い相互作用により無機酸化物との高い密着性を発現し、目的の物性を得ることができるものである。よって上記プライマー層としてシランカップリング剤を金属アルコキシドとともに加水分解反応させたものを用いても構わない。また上記シランカップリング剤のアルコキシ基がクロロ基、アセトキシ基等になっていても何ら問題はなく、これらのアルコキシ基、クロロ基、アセトキシ基等が加水分解し、シラノール基を形成するものであればこの複合物に用いることができる。
また、ポリオールとは高分子末端に、2つ以上のヒドロキシル基をもつもので、後に加えるイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応させるものである。このポリオールとして、アクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られるポリオールもしくは、アクリル酸誘導体モノマーおよびその他のモノマーとを共重合させて得られるポリオールであるアクリルポリオールが好ましい。中でもエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートやヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのアクリル酸誘導体モノマーを重合させたアクリルポリオールや、前記アクリル酸誘導体とスチレン等のその他のモノマーを加え共重合させたアクリルポリオールが好ましく用いられる。またイソシアネート化合物との反応性、シランカップリング剤との相溶性を考慮すると前記アクリルポリオールのヒドロキシル価が5〜200(KOHmg/g)の間であることが好ましい。
さらに、イソシアネート化合物は、アクリルポリオールなどのポリオールと反応してできるウレタン結合によりプラスチック基材や無機酸化物との密着性を高めるために添加されるもので主に架橋剤もしくは硬化剤として作用する。前記機能を発揮するイソシアネート化合物の具体例としては、芳香族系のトリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニ
ルメタンジイソシアネート(MDI)、脂肪族系のキシレンジイソシアネート(XDI)やヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などのモノマー類、これらの重合体、もしくは誘導体の1種、またはこれらの2種以上用いることができる。
プライマー層12は、シランカップリング剤、ポリオール、イソシアネート化合物を任意の濃度で混合した複合溶液を製作し、プラスチック基材1にコーティング、乾燥硬化して形成する。前記プライマー層を形成するプライマー剤は具体的には、シランカップリング剤とポリオールを混合し、溶媒、希釈剤を加え任意の濃度に希釈した後、イソシアネート化合物と混合して作成する。前記方法以外にシランカップリング剤とポリオールを溶媒中混合しておき予めシランカップリング剤とポリオールを反応させたものを溶媒、希釈剤を加え任意の濃度に希釈した後、イソシアネート化合物加えて作製する方法などがある。
上記プライマー剤にさらに各種添加剤、例えば、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤や、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、架橋反応促進剤、充填剤等を添加することも可能である。
プライマー層12は、プライマー剤を例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いプラスチック基材1の上にコーティングし、その後コーティング膜を乾燥乾燥し溶媒等を除去し硬化させることによって形成する。
プライマー層12の厚さは、均一に塗膜が形成することができれば特に限定しないが、一般的に0.01〜2μmの範囲であることが好ましい。厚さが0.01μmより薄いと均一な塗膜が得られにくく密着性が低下する場合がある。また厚さが2μmを越える場合は厚いために塗膜にフレキシビリティを保持させることができず、外的要因により塗膜に亀裂を生じる恐れがあるため好ましくない。特に好ましいのは0.05〜0.5μmの範囲内にあることである。
次に、無機酸化物からなる無機酸化物薄膜層は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、あるいはそれらの混合物などの無機酸化物の蒸着膜からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよい。その中では、特に酸化アルミニウム及び酸化珪素が好ましい。ただし本発明の無機酸化物薄膜層13は、上述した無機酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることができる。
無機酸化物薄膜層13の厚さは、用いられる無機化合物の種類、構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は無機酸化物薄膜層にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、無機酸化物薄膜層に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
無機酸化物薄膜層13をプライマー層12上に形成する手段としては各種手段が可能であるが、真空蒸着法により形成することが一般的である。この真空蒸着法以外の手段としてスパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。この真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式、抵抗加熱方式、
誘導加熱方式のいずれかを適宜用いればよい。また無機酸化物薄膜層とプラスチック基材の密着性及び無機酸化物薄膜層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、無機酸化物薄膜層の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行っても一向に構わない。
図4に示した実施の形態の、無機酸化物薄膜層13上に設けられた被膜層14は、無機酸化物薄膜層13を保護するためのもので、さらに高いガスバリア性を付与するための層である。
上記被膜層14に関し、高いガスバリア性を付与する被膜層の形成材料としては、例えば、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシド及び/又はその加水分解物からなるもの、さらには前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウム、またはこれらの混合物のいずれかからなる溶液を塗布形成したものである。高いガスバリア性を付与する被膜層の他の例としては、水溶性高分子と塩化銀からなるもの、さらには前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールからなる溶液を塗布形成したものである。具体的には、水溶性高分子と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、或いは前記溶液に金属アルコキシドを直接、或いは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を無機酸化物薄膜層13にコーティング、加熱乾燥し形成したものである。被膜層14を形成する各成分についてさらに詳細に説明する。
被膜層14を形成するために用いられる水溶性高分子の具体例として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下、PVAという)がガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVAまでを含み、特に限定されない。
また、塩化錫は塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、或いはそれらの混合物であってもよく、無水物でも水和物でも用いることができる。
さらに、金属アルコキシドは、テトラエトキシシラン〔Si(OC254〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C373〕などの一般式、M(OR)n (M:Si、Ti、Al、Zr等の金属、R:CH3、C25等のアルキル基)で表せるものである。中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
上述した各成分を単独又はいくつかを組み合わせて被膜層を形成することができ、さらに被膜層のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの添加剤を加えてもよい。
例えば、被膜層14に加えられるイソシアネート化合物は、その分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものであり、例えばトリレンジイソシアネート(以下TDIという)、トリフェニルメタントリイソシアネート(以下TTIという)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(以下TMXDIという)などのモノマー類と、これらの重合体、または誘導体などがある。
被膜層14を形成するためのコーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法などの従来公知の手段を用いることができる。また被膜層の厚さは、被膜層を形成するコーティング剤の種類や加工条件によって異なるが、乾燥後の厚さが0.01μm以上あれば良いが、厚さが50μ
m以上では膜にクラックが生じ易くなるため、0.01〜50μmの範囲が好ましい。
本発明の太陽電池用裏面保護シートの積層方法としては、ドライラミネート法などの公知の積層方法で積層することができる。接着剤層40に使用する接着剤としては、電気絶縁性および耐熱性ポリエステルフイルム20,30とガスバリ性フィルム10との間の接着強度が長期間の屋外使用で劣化によるデラミネーションなどを生じないこと、さらに接着剤が黄変しないことなどが必要であり、例えば、ポリウレタン系接着剤などが使用できる。上記の接着剤は、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2(乾燥状態)位が望ましい。
本発明の太陽電池用裏面保護シートを使用して、太陽電池モジュールを作成した一例の概略側断面図を図2に示す。本発明の太陽電池用裏面保護シート10を使用して太陽電池モジュ−ルを製造する方法について説明すると、かかる製造法としては、公知の方法、例えば、太陽電池モジュ−ル用表面保護シ−ト90、充填剤層80、配線70を配設した光起電力素子としての太陽電池素子60、充填剤層80、および、本発明の太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−ト1を順次に積層し、更に、必要ならば、各層間に、その他の素材を任意に積層し、次いで、これらを、真空吸引等により一体化して加熱圧着するラミネ−ション法等の通常の成形法を利用し、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して、枠体100を装着して太陽電池モジュ−ルを製造することができる。
上記太陽電池モジュ−ルを構成する通常の太陽電池モジュ−ル用表面保護シ−ト90としては、太陽光の透過性、絶縁性等を有し、さらに、耐候性、耐熱性、耐光性、耐水性、防湿性、防汚性、その他等の諸特性を有し、物理的あるいは化学的強度性、強靱性等に優れ、極めて耐久性に富み、さらに、光起電力素子としての太陽電池素子の保護ということから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。上記の表面保護シ−トとしては、具体的には、公知のガラス板等、さらに、例えば、ポリアミド系樹脂(各種のナイロン)、ポリエステル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、アセタ−ル系樹脂、その他等の各種の樹脂フィルムないしシ−トを使用することもできる。
上記太陽電池モジュ−ルを構成する太陽電池モジュ−ル用表面保護シ−トの下に積層する充填剤層80としては、太陽光が入射し、これを透過して吸収することから透明性を有することが必要であり、また、表面保護シ−トおよび裏面保護シ−トとの接着性を有することも必要であり、光起電力素子としての太陽電池素子の表面の平滑性を保持する機能を果たすために熱可塑性を有すること、さらには、光起電力素子としての太陽電池素子の保護ということから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。具体的には、上記の充填剤層としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸、または、酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、シリコ−ン系樹脂、エポキシ系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、その他等の樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。なお、本発明においては、太陽光の入射側の充填剤としては、耐光性、耐熱性、耐水性等の耐候性を考慮すると、エチレン−酢酸ビニル系樹脂が望ましい素材である。
上記太陽電池モジュ−ルを構成する光起電力素子としての太陽電池素子60としては、従来公知のもの、例えば、単結晶シリコン型太陽電池素子、多結晶シリコン型太陽電池素子等の結晶シリコン太陽電子素子、シングル接合型あるいはタンデム構造型等からなるアモルファスシリコン太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電子素子、カドミウムテルル(CdTe)や銅インジウムセレナイド(CuInSe2)等のII−VI族化合物半導体太陽電子素子、有機太
陽電池素子、その他等を使用することができる。さらに、薄膜多結晶性シリコン太陽電池素子、薄膜微結晶性シリコン太陽電池素子、薄膜結晶シリコン太陽電池素子とアモルファスシリコン太陽電池素子とのハイブリット素子等も使用することができる。
上記太陽電池モジュ−ルを構成する光起電力素子の下に積層する充填剤層80としては、上記の太陽電池モジュ−ル用表面保護シ−トの下に積層する充填剤層と同材質のものが使用できる、裏面保護シ−トとの接着性を有することも必要であり、光起電力素子としての太陽電池素子の裏面の平滑性を保持する機能を果たすために熱可塑性を有すること、さらには、光起電力素子としての太陽電池素子の保護ということから、耐スクラッチ性、衝撃吸収性等に優れていることが必要である。
上記太陽電池モジュ−ルの枠体100としては、一般的にはアルミニウム型材が使用される。
以下に、本発明における具体的な実施例について説明する。
図1に示す構成からなる、本発明の太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。ポリエステルフィルムとして、固有粘度が0.67(dl/g)で、かつ、環状三量体含有量が0.5重量%以下であるポリエステル樹脂から製造された、裏面保護シ−ト外層となる厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色ポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムの片面に、下記の基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムと、裏面保護シ−ト内層となる上記と同種の厚さ188μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムとを、ドライラミネート法により、各々固形分30重量%の武田薬品工業(株)製の2液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて[塗布量5g/m2(乾燥状態)]順次積層して本発明の太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成する(PET)フイルム総厚は250μmである。
<ガスバリア性蒸着フィルム>
図4に示す構成からなる、基材フィルムとして、厚さ12μmの上記と同種のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、プライマー層として下記プライマー剤Aをグラビアコート法により厚さ0.2μm(乾燥膜厚)形成した。次いで、プライマー層上に電子線加熱方式による真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させそこに酸素ガスを導入し、酸化アルミニウムを蒸着して厚さ20nmの無機酸化物薄膜層を形成した。さらに、その上に下記組成のコーティング剤をグラビアコーターで塗布し乾燥機で100℃、1分間乾燥させ、厚さ0.3μmの被膜層を形成したガスバリア性蒸着フィルムを得た。
<プライマー剤A>
希釈溶媒(酢酸エチル)中、γ−イソシアネートプロピルトリメチルシラン1重量部に対し、アクリルポリオールを5重量部を量りとり混合し、攪拌する。ついでイソシアネート化合物としてトリイジルイソシアネート(以下TDIという)をアクリルポリオールのOH基に対しNCO基が等量となるように加えた混合溶液を2%の濃度に希釈したもの。<コーティング剤の組成>
(1)液と(2)液を配合比(wt%)で60/40に混合したものを用いた。ここで、(1)液はテトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO2換算)の加水分解溶液、(2)液はポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)である。
実施例1において、裏面保護シ−ト外層となる厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムの代わりに白色顔料練り込み電気絶縁性および耐熱性を有する白色PETフイルムを使用した以外は実施例1と同様にして本発明の本発明の太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成する(PET)フイルム総厚は250μmである。
実施例1において、裏面保護シ−ト外層となる厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムの代わりに厚さ100μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムを、一方、裏面保護シ−ト内層となる厚さ188μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムの代わりに厚さ125μmの電気絶縁性および耐熱性を有する耐熱性透明PETフイルム使用した以外は実施例1と同様にして本発明の太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成する(PET)フイルム総厚は237μmである。
実施例1において、裏面保護シ−ト外層となる厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムの代わりに厚さ250μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムを使用し、一方、裏面保護シ−ト内層となる電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムを積層していない以外は実施例1と同様にして本発明の本発明の太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成する(PET)フイルム総厚は262μmである。
実施例1において、裏面保護シ−ト外層となる厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムの代わりに厚さ125μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムを使用し、一方、裏面保護シ−ト内層となる厚さ188μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムの代わりに厚さ125μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルム使用した以外は実施例1と同様にして本発明の本発明の太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成する(PET)フイルム総厚は262μmである。
実施例1において、裏面保護シ−ト外層となる厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムの代わりに厚さ100μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムを使用した以外は実施例1と同様にして本発明の本発明の太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成する(PET)フイルム総厚は300μmである。
実施例1において、裏面保護シ−ト外層となる厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムの代わりに下記の3層共押し出しフィルムを使用し、一方、裏面保護シ−ト内層となる電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムを積層していない以外は実施例1と同様にして、図2に示す本発明の太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成する(PET)フイルム総厚は212μmである。
<3層共押し出しフィルム>
実施例1における同種のポリエステル樹脂から製造された、電気絶縁性および耐熱性PET樹脂を用いて、PET層/白色顔料練り込みPET層/PET層からなるPETフイルム層の総厚みが200μmの3層共押し出しフィルムである。
実施例1において、裏面保護シ−ト外層となる厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムの代わりに下記の3層共押し出しフィルムを使用し、一方、裏面保護シ−ト内層となる電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムを積層していない以外は実施例1と同様にして、図2に示す本発明の本発明の太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成するPETフイルム総厚は212μmである。
<3層共押し出しフィルム>
実施例1における同種のポリエステル樹脂から製造された、電気絶縁性および耐熱性を有するPET樹脂を用いて、PET層/発泡白色PET層/PET層からなるPETフイルム層PETフイルム層の総厚みが200μmの3層共押し出しフィルムである。
実施例1において、裏面保護シ−ト外層となる厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムの代わりに厚さ200μmの耐熱性発泡白色PETフイルムを使用し、一方、裏面保護シ−ト内層となる厚さ188μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムを積層していない以外は実施例1と同様にして本発明の本発明の太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成する(PET)フイルム総厚は212μmである。
本発明の太陽電池用裏面保護シ−トとその性能を比較するための比較例として、
実施例1において、裏面保護シ−ト外層となる厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムの代わりに厚さ50μmの汎用の白色PETフイルムを使用し、一方、裏面保護シ−ト内層となる電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムを積層していない以外は実施例1と同様にして本発明の本発明の太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成する(PET)フイルム総厚は62μmである。
本発明の太陽電池用裏面保護シ−トとその性能を比較するための比較例として、
実施例1において、裏面保護シ−ト外層となる厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムの代わりに厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムを使用し、一方、裏面保護シ−ト内層となる電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムを積層していない以外は実施例1と同様にして本発明の本発明の太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成する(PET)フイルム総厚は62μmである。
本発明の太陽電池用裏面保護シ−トとその性能を比較するための比較例として、
実施例1において、裏面保護シ−ト外層となる厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムの代わりに厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムを使用し、一方、裏面保護シ−ト内層となる厚さ188μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムの代わりに厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルム使用した以外は実施例1と同様にして太陽
電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成するPETフイルム総厚は112μmである。
本発明の太陽電池用裏面保護シ−トとその性能を比較するための比較例として、
実施例1において、裏面保護シ−ト内層となる厚さ188μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムの代わりに厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルム使用した以外は実施例1と同様にして太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成するPETフイルム総厚は112μmである。
本発明の太陽電池用裏面保護シ−トとその性能を比較するための比較例として、
実施例1において、裏面保護シ−ト外層となる厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムの代わりに厚さ125μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムを使用し、一方、裏面保護シ−ト内層となる電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムを積層していない以外は実施例1と同様にして太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成するPETフイルム総厚は137μmである。
本発明の太陽電池用裏面保護シ−トとその性能を比較するための比較例として、
実施例1において、裏面保護シ−ト外層となる厚さ50μmの電気絶縁性および耐熱性を有する発泡白色PETフイルムの代わりに厚さ75μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムを使用し、一方、裏面保護シ−ト内層となる厚さ188μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムの代わりに厚さ75μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルム使用した以外は実施例1と同様にして太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成するPETフイルム総厚は162μmである。
本発明の太陽電池用裏面保護シ−トとその性能を比較するための比較例として、
実施例1において、裏面保護シ−ト内層となる厚さ188μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルムの代わりに厚さ125μmの電気絶縁性および耐熱性を有する透明PETフイルム使用した以外は実施例1と同様にして太陽電池用裏面保護シ−トを作成した。なお、この太陽電池用裏面保護シ−トを構成するPETフイルム総厚は187μmである。
本発明の太陽電池用裏面保護シ−トとその性能を比較するための比較例として、
厚さ50μmの耐熱性透明PETフイルム単層からなる太陽電池用裏面保護シ−トである。
本発明の太陽電池用裏面保護シ−トとその性能を比較するための比較例として、
厚さ125μmの耐熱性透明PETフイルム単層からなる太陽電池用裏面保護シ−トである。
本発明の太陽電池用裏面保護シ−トとその性能を比較するための比較例として、
厚さ188μmの耐熱性透明PETフイルム単層からなる太陽電池用裏面保護シ−トである。
実施例1で得られた太陽電池用裏面保護シートを用いて、図5に示す構成の太陽電池モジュール60を作成した。ガラス板からなる太陽電池モジュ−ル用表面保護板90、充填剤層80を構成する100μmのエチレンー酢酸ビニルシートからなる充填材シート、予め配線70を配設した光起電力素子としての太陽電池素子60、充填剤層80を構成する上記同材質の充填材シート、および、本発明の太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−ト1を順次に積層し、上記の各層を真空吸引等により一体化して150℃、20分間熱プレスにより加熱圧着成形により一体成形体として、端部をアルミニウムからなる枠体100を装着して太陽電池モジュ−ルを作成した。
上記の実施例1〜19で得られた太陽電池用裏面保護シ−トについて下記の測定法に基づき部分放電電圧を測定して太陽電池用裏面保護シ−トの電気絶縁性を評価した。その結果を表1に示す。
<部分放電電圧の測定方法>
試験器: KPD2050(菊水電子工業製)
測定パターン: 図6(a)参照
最大印可電圧: 1.25倍
最大印可電圧時間:5秒
昇圧時間: 10秒
閾値: 開始電圧3pc
消滅電圧1pc
電極: 図6(b)参照
Figure 2006253264
表1より、実施例1〜9で得られた本発明の太陽電池用裏面保護シートは、いずれも部分放電電圧が1000V以上有する電気絶縁性を有するものである。このことは、電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフィルムとして、固相重合を施すことにより、重合度を上げ、エチレンテレフタレート環状三量体を減少させた、固有粘度が0.6(dl/g)以上で、かつ、環状三量体含有量が0.5重量%以下のポリエステル樹脂を溶融押し出し製膜して得られるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用し、かつ、本発明の太陽電池用裏面保護シートを構成するPETフィルムの総厚みを200μμm以上としたことによるものである。
また、実施例20で得られた本発明の太陽電池用裏面保護シートを使用し作成された太陽電池モジュールは、高い電気絶縁性を有することで太陽電池システム電圧1000Vに対応でき、また、寸法安定性に優れることから太陽電池モジュ−ル製造時配線が曲がったり、電池のズレが生じない。耐熱性、機械的強度、耐候性、耐水性、耐光性、防湿性等の諸特性に優れ、特に、水分、酸素等の侵入を防止する防湿性を著しく向上させ、その長期的な性能劣化を最小限に抑え、特に、加水分解劣化等を防止し、極めて耐久性に富み、その保護能力性に優れるものである。
本発明の太陽電池用裏面保護シートの層構成の一例を示す断面図である。 本発明の太陽電池用裏面保護シートの層構成の他の例を示す断面図である。 本発明における無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムの層構成の一例を示す断面図である。 本発明における無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムの層構成の他の例を示す断面図である。 本発明の太陽電池用裏面保護シートを使用した太陽電池モジュールについてその層構成の一例を示す断面図である。 本発明における太陽電池用裏面保護シートの部分放電電圧の測定方法を説明する説明図であって、(a)は測定パターン、(b)は電極である。
符号の説明
1、2・・・太陽電池用裏面保護シート
3・・・太陽電池モジュール
10・・・ガスバリア性蒸着フィルム層
20・・・電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性白色ポリエステルフィルム層
30・・・電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性透明ポリエステルフィルム層
40・・・接着剤層
50・・・3層共押し出し耐熱性白色ポリエステルフィルム
51、53・・・電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性透明ポリエステル樹脂層
52・・・電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性白色ポリエステル樹脂層
60・・・光起電力素子としての太陽電池素子
70・・・配線
80・・・充填剤層
90・・・太陽電池用表面保護シート
100・・・型枠

Claims (12)

  1. 太陽電池用裏面保護シートであって、
    基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムと、電気絶縁性を有するポリエステルフィルムとを積層して一体化されてなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シート。
  2. 太陽電池用裏面保護シートであって、
    基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムと、電気絶縁性を有するポリエステルフィルムと、耐熱性を有するポリエステルフィルムとを積層して一体化されてなることを特徴とする太陽電池用裏面保護シート。
  3. 前記太陽電池用裏面保護シートが、基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムの片面に、裏面保護シートの太陽電池側に配設される白色に着色された電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフィルムを積層して一体化されてなることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池用裏面保護シート。
  4. 前記太陽電池用裏面保護シートが、基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムを中間層として、その一方の面に裏面保護シートの太陽電池側に配設される白色に着色された電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフィルムを積層し、もう一方の反対側の面に透明性の電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフィルムを積層して一体化されてなることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池用裏面保護シート。
  5. 前記太陽電池用裏面保護シートが、基材フィルム上に無機酸化物からなる蒸着層を設けたガスバリア性蒸着フィルムに、電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有する白色に着色されたポリエステル樹脂層を中間層として、その両面に電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有する透明ポリエステル樹脂層が積層されてなる、裏面保護シートの太陽電池側に配設される3層共押し出しフィルムを積層して一体化されてなることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池用裏面保護シート。
  6. 前記太陽電池用裏面保護シートを構成する電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフィルムの総厚みが200μm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  7. 前記電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有するポリエステルフィルムの熱収縮率が、フィルム成膜方向(流方向)で0.6%以下、フィルム巾方向で0.6%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  8. 前記電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有する白色に着色されたポリエステルフィルムが、白色着色剤を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  9. 前記電気絶縁性、または電気絶縁性および耐熱性を有する白色に着色されたポリエステルフィルムが、発泡層を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  10. 前記ガスバリア性蒸着フィルムの蒸着層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種の無機酸化物からなることを特徴とする請
    求項1〜9のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シート。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シートの部分放電電圧が1000V以上であることを特徴とする太陽電池用裏面保護シート。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の太陽電池用裏面保護シートを使用したことを特徴とする太陽電池モジュール。
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