JP2007092979A - クリップナット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属薄板がU字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、該第1片部と該第2片部とで板材を挟持するクリップナットにおいて、上記第1片部の先端部に、第1片部の板厚と直角な方向に回転可能にナット保持板材が取り付けられ、該ナット保持板材にナットが固定されている。
【選択図】 図1
Description
この特許文献1に開示されたクリップナットは、板材に設けたボルト挿通孔に若干の位置ずれがある場合に、ナットの位置をボルト挿通孔の軸線に対して調整できるというものである。
この特許文献2のクリップナットは、金属薄板をU字形に折曲して形成され、相対向する上片部と下片部とが折曲部に連設されているクリップの前記上片部に長手方向へ延びる案内長孔が設けられ、かつ、前記上片部にナットが摺動可能に設けられている摺動式クリップナットであって、前記ナットは、その座面に固着した座板を介して前記上片部に長手方向へ摺動可能に組み付けられ、前記座板には、前記ナットのネジ孔と同心状に形成された位置決め筒部が突設され、上片部の折曲部側に位置する前記座板の端部に上方に起こして形成した摘み片が設けられた構成であり、ボルト挿通孔にナットの位置決め筒部を挿通して、ナットをボルト挿通孔に位置決めさせた後で、クリップを板材に対して摺動させて押し込んでいるものである。
元来、ボルト挿通孔の位置が異なる場合には、それぞれの位置に合ったクリップナットを用意する必要がある。
また、ナットを板材に設けられたボルト挿通孔に対向する所定位置に位置決めする手段を備えていないので、実際の使用に際して、前記ボルト挿通孔に挿通したボルトのねじ軸が、摺動変位した前記ナットの座面に当接してそのネジ孔に正しく嵌合しないことがあり、作業性の点で問題がある。
しかし、ナットは、クリップの第1片部に対して自由にスライドできる状態であり、お互いの相対位置関係が決められてない状態にあり、作業性が悪い。また、ナットを摺動させるために構造が複雑であり、高コストである。ナットを摺動させる際の抵抗が大きいと、セットに時間がかかったり、セットできなかったりすることがあり、作業者への負担も大きい。
上記第1片部の先端部に、第1片部の板厚と直角な方向に回転可能にナット保持板材が取り付けられ、該ナット保持板材にナットが固定されている構成である。
簡単な構成であり、材料費を削減できる。
(実施形態1)
図1ないし図3は、本発明によるクリップナット1を示している。図1及び図2に示すように、クリップナット1は、金属薄板を断面略U字形又は略コ字に折曲して形成されたクリップ部2を備える。このクリップ部2は、相対向する第1片部3と第2片部4とが折曲部5に連設されて構成されている。クリップ部2の第1片部3の先端にナット保持部材10がステンレス製リベット等の軸部材17によって相対回転可能に係合されている。クリップ部2は、第1片部3と第2片部4とで板材21を挟持するために、第1片部3と第2片部4とを同じ長さか、第2片部4を第1片部3より少し長い長さとしている。クリップ部2はバネ材のステンレス鋼材からなり、ナット保持部材10は非バネ鋼のステンレス鋼材からなり、高価なバネ鋼材の使用を低減している。ナット保持部材10の先端には、外側に少し折り曲げて形成されたガイド部11が設けられ、第2片部4の先端には、外側に少し折り曲げて形成されたガイド部41が設けられ、これらのガイド部11、41は、板材21に外挿する際のガイドとなっており、挿入し易くしている。また、第2片部4は、自由状態で折曲部5から少し内側(第1片部3に近接する方向)に向かって伸びて形成されており、第1片部3との間隔が徐々に狭くなっている。これによって、板材21を挟持した際にバネ力を作用できると共に板材21の厚みが少し異なるものでも共用使用できるようになっている。
ステンレス製のリベット17は、貫通孔13、31に外側から挿入され、頭部19が第1片部3の突出形成部32の上面に重なり、リベット17の下端部は両貫通孔13、31から第1片部3の内側に突出した状態となっている。そして、この下端部を押し潰すことによって拡大部18を形成し、ナット保持部材10と第1片部3とを相対回転可能に係合する。拡大部18を形成することによって、この拡大部18がナット保持部材10の凹所16に収納され、拡大部18がナット保持部材10の内面よりも内側に飛び出ることが防止される。このことによって、クリップナット1を板材21に外挿する際に、リベット内側への出っ張りを無くして挿入作業性を良くしている。
図4及び図5は、クリップナット1を板材21に装着した状態を示している。板材20の1例として、道路の遮音壁に適用した例を示す。断面H型の支柱51が所定間隔で立設されている。通常では、隣接する支柱51の溝間に遮音板(図示せず)が配設されている。また、この支柱51の道路側に別の遮音材52を取り付けることもある。この遮音材52を支柱51に固定する際に、クリップナット1を用いた例である。
図4に示すように、位置決め部12は、内径がナット20のネジ孔20aより大きく形成され、外径が前記クリップナット1を装着する板材21に設けられたボルト挿通孔22の孔径より小さく形成されている。この位置決め部12を板材21のボルト挿通孔22に合わせることによって、ナット20を正常な位置に簡単にセットできる。
クリップナット1を辺部51aに外挿して、ボルト挿通孔22にクリップナット1の位置決め部12を合わせて、ナット20をボルト挿通孔22にセットする。そして、クリップ部2が辺部51aを挟持するように、クリップ部2を辺部51aに押し込む。
この状態で、遮音材52が辺部51aに重ねてセットされ、遮音材52の貫通孔及び辺部51aのボルト挿通孔22にボルト24を挿入する。そして、ボルト24を締め付けてナット20と締結する。この締結に伴って、ナット20及びナット保持部材10が、図5に示すように、一緒に(紙面上反時計方向に)回転する。この回転によって、クリップナット1のナット保持部材10と係合する第1片部3は上方に移動して、第1片部3が辺部51a(21)に密着して固定される位置になる。この状態で、さらにボルト24を回転すると、今度はナット20は空回転することなくボルト24と締結される。このボルトの締め付けによって、支柱51の辺部51aに遮音板52が締結される。
なお、図5では、説明の便宜上、上段、下段を含めて、ボルト挿通孔22が3タイプ設けられたものとして説明した。これは、ボルト挿通孔22に位置が異なっていた場合に、ナット保持部材10の回転状態が異なることを説明し、ボルト挿通孔22に位置が異なっていても、同じクリップナット1を使用できることを解かりやすく説明するために、図5のような構造としたものである。基本的には、それぞれ支柱51によって、ボルト挿通孔22の位置は異なっているものであって、1つの支柱に3タイプのボルト挿通孔22が開口されているものではない。
なお、第2片部4(104)は、第1片部3(103)とほぼ同じ長さとしたが、板材21に組付ける別部材52の長さが辺部51aと同じ長さとなっている場合には、第2片部4(104)をナット保持部材10(110)の近傍まで伸ばして、辺部51aと別部材52との間に挟むように長い形状としても良い。
また、リベットの端部又は頭部を支持する際に、第2片部4が妨げになるのであれば、上記のように第2片部を後から折り曲げること、或は、第2片部に、リベットの端部又は頭部を支持するための開口や切欠けを設けるようにしても良い。
2 クリップ部
3 第1片部
31 貫通孔
32 突出形成部
33 回転案内部
34 凹所
4 第2片部
41 ガイド部
5 折曲部
10 ナット保持板材
11 ガイド部
12 位置決め部
13 貫通孔
14 突出形成部
15 回転案内部
16 凹所
17 軸部材
18 拡大部
19 頭部
20 ナット
21 板材
22 ボルト挿通孔
24 ボルト
Claims (10)
- 金属薄板が断面略コ字形に折曲して形成され、相対向する第1片部と第2片部とが折曲部に連設され、該第1片部と該第2片部とで板材を挟持するクリップナットにおいて、
上記第1片部の先端部に、第1片部の板厚と直角な方向に回転可能にナット保持板材が取り付けられ、該ナット保持板材にナットが固定されていることを特徴とする。 - 請求項1記載のクリップナットにおいて、該第1片部とナット保持板材には貫通孔が形成され、該貫通孔に軸支された軸部材によって、該第1片部とナット保持板材とが相対回転可能に支持されていることを特徴とする。
- 請求項2記載のクリップナットにおいて、該第1片部と該ナット保持板材との該貫通孔の周囲部分には外側方向に椀状又は台形状に変形して形成された突出形成部を備え、該突出形成部には相対回転時のガイド部を有することを特徴とする。
- 請求項3記載のクリップナットにおいて、該第1片部の内側に該ナット保持板材が配設され、該ナット保持板材の該突出形成部の内面側の凹所に、軸部材の内側端部に形成された拡大部が、該ナット保持板材より内側に突出することなく、収納配設されていることを特徴とする。
- 請求項1又は4記載のクリップナットにおいて、該第1片部及び該第2片部はバネ材からなり、該ナット保持板材は非バネ材からなることを特徴とする。
- 請求項1ないし5のいずれか記載のクリップナットにおいて、該ナット保持板材の先端部には、外側に折り曲げて形成されたガイド部を備えることを特徴とする。
- 請求項1ないし6のいずれか記載のクリップナットにおいて、該該第2片部の先端部には、外側に折り曲げて形成されたガイド部を備えることを特徴とする。
- 請求項1ないし7のいずれか記載のクリップナットにおいて、該第1片部の長さに対して該第2片部の長さは、同じか僅かに長く形成されていることを特徴とする。
- 請求項1ないし8のいずれか記載のクリップナットにおいて、該ナット保持板材には、前記ナットのネジ孔と同心状に形成された位置決め部が該ナット保持板材から内方に突設して設けられ、該位置決め部は、外径が前記クリップナットを装着する板材に設けられたボルト挿通孔の孔径より小さく形成されていることを特徴とする。
- 請求項9記載のクリップナットにおいて、位置決め部がバーリング加工によって形成されていることを特徴とする。
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