JP2007215933A - 椅子の座の回転支持機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】取付剛性の確保を容易にする。座の回転トルクの独立した調整を可能にする。製造コストを安くする。
【解決手段】脚1の外周面1aから径方向に突出し座側取付部2が載せられる支持部3と、支持部3との間に座側取付部2を回転可能に挟み込む押さえ部4と、支持部3と座側取付部2との間に設けられた第1の摺動部材5と、座側取付部2と押さえ部4との間に設けられた第2の摺動部材6と、押さえ部4から第2の摺動部材6又は支持部3から第1の摺動部材5に向けて突出し、その突出量を増減することで第2の摺動部材6又は第1の摺動部材5と座側取付部2との間に生じる摩擦力を調整する調整機構7を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、椅子の座の回転支持機構に関する。更に詳しくは、本発明は、脚に対して、1本の軸を中心に回転可能に座を取り付けるタイプの椅子の座の回転支持機構に関するものである。
椅子の座の回転支持機構として、例えば実用新案登録第3055804号公報に開示されたものがある。この回転支持機構を図5〜図7に示す。座部101の座板102の底面には上支柱保持部103が形成されており、上支柱保持部103の収容部104と締付部105との間には、筒状圧着部材106が配置されている。筒状圧着部材106にはすり割部107が設けられており、すり割部107に上支柱108の上端部を挿入し、締め付けねじ109,110によって収容部104と締付部105との間の間隔を狭めることで、座部101が上支柱108に取り付けられている。
筒状圧着部材106はナイロン等の合成樹脂やゴム等、適度な弾性を有する材料によって形成されている。したがって、締め付けねじ109,110によって収容部104と締付部105とを締め付けても筒状圧着部材106を上支柱108に対して摺動させることができ、座部101を上支柱108に対して回転させることができる。
実用新案登録第3055804号
しかしながら、上述の回転支持機構では、上支柱108を径方向から挟み付けるようにして座部101を取り付けているので、挟み付けることができる面積が狭く、取付剛性が弱かった。
また、上支柱108に対する座部101の回転トルクを調整するには締め付けねじ109,110の締め付け量を変化させる必要があり、締め付けねじ109,110の締め付け量を変化させると座部101の取付剛性も変化してしまうので、座部101の取り付けとは別に回転トルクのみを独立して調整することができなかった。
さらに、設計通りの座部101の取付剛性や回転トルクを得るためには、複雑な形状を成す筒状圧着部材106や上支柱保持部103を精度良く加工する必要があり、製造コストの増加を招いていた。
本発明は、取付剛性の確保が容易で、座の回転トルクの独立した調整が可能で、しかも製造コストを低減することができる椅子の座の回転支持機構を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために請求項1記載の椅子の座の回転支持機構は、脚の外周面から径方向に突出し座側取付部が載せられる支持部と、支持部との間に座側取付部を回転可能に挟み込む押さえ部と、支持部と座側取付部との間に設けられた第1の摺動部材と、座側取付部と押さえ部との間に設けられた第2の摺動部材と、押さえ部から第2の摺動部材又は支持部から第1の摺動部材に向けて突出し、その突出量を増減することで第2の摺動部材又は第1の摺動部材と座側取付部との間に生じる摩擦力を調整する調整機構を備えるものである。
したがって、椅子の座が取り付けられる座側取付部は支持部と押さえ部との間に挟み込まれた状態で脚に取り付けられる。座側取付部は支持部の上に載せられており、座側取付部から入力する荷重を広い面積で受けることができる。また、支持部と押さえ部とで座側取付部を挟み付ける構造であるので、しっかりと座側取付部を挟み付けることができる。支持部と座側取付部との間には第1の摺動部が設けられており、且つ座側取付部と押さえ部との間には第2の摺動部材が設けられているので、支持部及び押さえ部に対して座側取付部を良好に回転させることができる。
調整機構が押さえ部から第2の摺動部材に向けて突出するものである場合、その突出量を増加させると第2の摺動部材が押さえ部から離れる方向に移動して座側取付部の上面により強く押し付けられ、第2の摺動部材と座側取付部との間に生じる摩擦力が増加する。したがって、支持部及び押さえ部に対して座側取付部を回転させるのに必要なトルクが増加する。一方、調整機構の突出量を減少させると第2の摺動部材を座側取付部に押し付ける力が弱まるので、第2の摺動部材と座側取付部との間に生じる摩擦力が減少する。したがって、支持部及び押さえ部に対して座側取付部を回転させるのに必要なトルクが減少する。
また、調整機構が支持部から第1の摺動部材に向けて突出するものである場合、その突出量を増加させると第1の摺動部材が支持部から離れる方向に移動して座側取付部の底面により強く押し付けられ、第1の摺動部材と座側取付部との間に生じる摩擦力が増加する。したがって、支持部及び押さえ部に対して座側取付部を回転させるのに必要なトルクが増加する。一方、調整機構の突出量を減少させると第1の摺動部材を座側取付部に押し付ける力が弱まるので、第1の摺動部材と座側取付部との間に生じる摩擦力が減少する。したがって、支持部及び押さえ部に対して座側取付部を回転させるのに必要なトルクが減少する。
また、請求項2記載の椅子の座の回転支持機構は、座側取付部の第1の摺動部材と第2の摺動部材との間に挟み込まれる部分は板状を成す共に、当該板状を成す部分には孔が設けられており、孔に脚の上端を通すことで座側取付部の板状を成す部分は支持部の上に載置され、押さえ部は脚の上端にねじ止めされるものである。
したがって、支持部を正確な位置、即ち脚の上端から所定長離れた位置に設けておくことで、押さえ部を脚の上端に固定した場合に支持部と押さえ部との間隔を正確なものにすることができる。このため、支持部と押さえ部とで座側取付部をしっかりと挟み付けることができる。しかも、押さえ部は脚の上端にねじ止めされるものであり、ねじ込み量を変えることで押さえ部の位置も脚の軸方向に変化するので、支持部と押さえ部とによる座側取付部の挟み付けの調整が容易である。
また、請求項3記載の椅子の座の回転支持機構は、孔の周面と脚の外周面との間には隙間が設けられており、第1の摺動部材と第2の摺動部材の少なくともいずれか一方に、隙間に挿入される円筒状摺動部を設けたものである。したがって、座側取付部に水平方向の力が作用した場合であっても、座側取付部が脚の外周面に直接接触することがなく、座側取付部を良好に回転させることができる。
また、請求項4記載の椅子の座の回転支持機構は、調整機構は押さえ部に上からねじ込まれ、その先端が押さえ部の底面から突出する調整ねじである。したがって、調整ねじのねじ込み量を変えることで、その突出量を変化させて第2の摺動部材と座側取付部との間に生じる摩擦力を調整することができる。
さらに、請求項5記載の椅子の座の回転支持機構は、調整機構は支持部に下からねじ込まれ、その先端が支持部の上面から突出する調整ねじである。したがって、調整ねじのねじ込み量を変えることで、その突出量を変化させて第1の摺動部材と座側取付部との間に生じる摩擦力を調整することができる。
請求項1記載の椅子の座の回転支持機構では、脚の外周面から径方向に突出し座側取付部が載せられる支持部と、支持部との間に座側取付部を回転可能に挟み込む押さえ部と、支持部と座側取付部との間に設けられた第1の摺動部材と、座側取付部と押さえ部との間に設けられた第2の摺動部材を備えているので、椅子の座が取り付けられる座側取付部から入力する荷重を広い面積で受けることができると共に、座側取付部をその上下から支持部と押さえ部とでしっかりと挟み付けることができる。これらのため、脚に対する座側取付部の取付剛性を大きくすることができ、座り心地を向上させることができる。
また、押さえ部から第2の摺動部材又は支持部から第1の摺動部材に向けて突出し、その突出量を増減することで第2の摺動部材又は第1の摺動部材と座側取付部との間に生じる摩擦力を調整する調整機構を備えているので、支持部及び押さえ部に対して座側取付部を回転させるのに必要なトルク(回転トルク)を、座側取付部の取り付けとは別に調整することができる。このため、座側取付部の回転トルクの調整が容易であり、特に微調整するの適している。また、調整機構によって第1の摺動部材と座側取付部との間に生じる摩擦力、又は第2の摺動部材と座側取付部との間に生じる摩擦力を調整することができるので、部品の加工精度を高めることで摩擦力を設計値通りに出す必要がなくなり、部品の加工精度をある程度落とすことが可能になる。即ち、部品の加工精度をある程度落としても、調整機構による調整で第1の摺動部材又は第2の摺動部材と座側取付部との間に生じる摩擦力を設計値通りに出すことができる。このため、部品の製造コストを下げることができ、回転支持機構を安価に提供することができる。
また、請求項2記載の椅子の座の回転支持機構では、座側取付部の第1の摺動部材と第2の摺動部材との間に挟み込まれる部分は板状を成す共に、当該板状を成す部分には孔が設けられており、孔に脚の上端を通すことで座側取付部の板状を成す部分は支持部の上に載置され、押さえ部は脚の上端にねじ止めされているので、支持部を正確な位置に設けておくことで、支持部と押さえ部とで座側取付部をしっかりと挟み付けることができる。ここで、支持部は脚の外周面に設けられるものであり、支持部を正確な位置に設けるのは容易である。また、脚の上端に押さえ部をねじ止めするのも容易である。これらのため、取付剛性の大きな椅子の座の回転支持機構を安い製造コストで提供することができる。
また、請求項3記載の椅子の座の回転支持機構では、孔の周面と脚の外周面との間に隙間を設け、第1の摺動部材と第2の摺動部材の少なくともいずれか一方に、隙間に挿入される円筒状摺動部を設けているので、座側取付部に水平方向の力が作用した場合であっても、座側取付部を良好に回転させることができる。また、円筒状摺動部は第1の摺動部材と第2の摺動部材の少なくともいずれか一方に設けられているので、部品点数を増加させることがなく、製造コストの増加を抑えることができる。
また、請求項4記載の椅子の座の回転支持機構では、調整機構が押さえ部に上からねじ込まれ、その先端が押さえ部の底面から突出する調整ねじであるので、調整ねじのねじ込み量を変えることで、その突出量を変化させて第2の摺動部材と座側取付部との間に生じる摩擦力を調整することができる。即ち、簡単な構成で調整機構を実現することができる。
さらに、請求項5記載の椅子の座の回転支持機構では、調整機構が支持部に下からねじ込まれ、その先端が支持部の上面から突出する調整ねじであるので、調整ねじのねじ込み量を変えることで、その突出量を変化させて第1の摺動部材と座側取付部との間に生じる摩擦力を調整することができる。即ち、簡単な構成で調整機構を実現することができる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4に、本発明の椅子の座の回転支持機構の実施形態の一例を示す。なお、図1は図3のI−I線に沿う位置の断面図、図2は図3のII−II線に沿う位置の断面図である。椅子の座の回転支持機構は、脚1の外周面1aから径方向に突出し座側取付部2が載せられる支持部3と、支持部3との間に座側取付部2を回転可能に挟み込む押さえ部4と、支持部3と座側取付部2との間に設けられた第1の摺動部材5と、座側取付部2と押さえ部4との間に設けられた第2の摺動部材6と、押さえ部4から第2の摺動部材6又は支持部3から第1の摺動部材5に向けて突出し、その突出量を増減することで第2の摺動部材6又は第1の摺動部材5と座側取付部2との間に生じる摩擦力を調整する調整機構7を備えるものである。本実施形態の調整機構7は、押さえ部4から第2の摺動部材6に向けて突出し、第2の摺動部材6と座側取付部2との間に生じる摩擦力を調整するものである。
脚1は、例えば4本の支柱8の上部を一纏めにして鞘管9で覆った構造を成している。支柱8は、例えば横断面形状が円形を成す棒材で、例えばステンレススチール製のものである。支柱8の上端面にはねじ孔8aが形成されている。4本の支柱8の上部は例えば上から見て正方形の四隅に配置されるように並べられ、高さを揃えてスペーサ10の側面に例えば溶接等の手段によって固着されている。4本の支柱8の外周面には段部8bが設けられており、段部8bよりも上の部分は若干細くなっている。
4本の支柱8の段部8bよりも上の部分(以下、細径部8cという)は鞘管9で覆われている。鞘管9は、例えばステンレススチール製の管状部材で、細径部8cの長さと同じ長さに形成されている。鞘管9を4本の支柱8の細径部8cに被せると、鞘管9と支柱8との間に若干の隙間が生じる。鞘管9の下端は4本の支柱8の段部8bに当接している。鞘管9の上端は4本の支柱8の上端に例えば溶接等の手段によって固着されている。本実施形態では、鞘管9が脚1の外周部分を構成する部材であるので、鞘管9の外周面が脚1の外周面1aである。
支柱8の細径部8cを鞘管9で覆うことで、支柱8とスペーサ10との溶接部分を隠すことができる。このため、脚1の外観が良くなり、商品価値を向上させることができる。また、溶接部分が露出する場合には溶接部分の見た目が比較的綺麗なTIG溶接等の高価な溶接手段を使用する必要があるが、鞘管9によって溶接部分を隠すことができるので溶接部分の見た目を気にする必要がなくなり、例えばCO溶接等の安価な溶接手段を使用することができる。さらに、脚1に荷重がかかると4本の支柱8の下端が開こうとするが、細径部8cを鞘管9で覆うことで4本の支柱8が大きく開くのを防止することができる。このため、溶接部分に過大な力が作用するのを防止することができ、脚1の剛性を向上させることができる。
支持部3は、例えばステンレススチール製の円板で、中央に鞘管9の外径とほぼ同じ直径の孔3aが設けられている。支持部3は、脚1の外周面1aに例えば溶接等の手段によって固着されている。なお、図1及び図2の符号11は溶接のビードである。
座側取付部2には、図示しない椅子の座が取り付けられる。座側取付部2の第1の摺動部材5と第2の摺動部材6との間に挟み込まれる部分は板状を成し、当該板状を成す部分には孔2aが設けられており、孔2aに脚1の上端を通すことで座側取付部2の板状を成す部分は支持部3の上に載置される。本実施形態では、座側取付部2は、例えばステンレススチール製の板材であり、座側取付部2全体が板状を成している。座側取付部2の中央には、上述の孔2a、即ち鞘管9よりも大径で、隙間12を生じさせる孔2aが設けられている。座側取付部2は平面形状が長方形の板材で、その四隅には図示しない椅子の座を取り付けるための孔2cが設けられている。
押さえ部4は、例えばステンレススチール製の円板で、4本の支柱8のねじ孔8aに対向する位置には締め付けねじ13を通す貫通孔4aが設けられている。また、第2の摺動部材6に対向する位置には2つのねじ孔4b,4c、具体的には調整機構7を通す調整ねじ孔4bと、結合ねじ14を通す結合ねじ孔4cが設けられている。押さえ部4は脚1の上端に、例えば4本の締め付けねじ13によってねじ止めされる。
第1の摺動部材5は、支持部3と同じ大きさの円板で、その中央には支持部3の孔3aと同じ直径の孔5aが設けられている。第2の摺動部材6は、押さえ部4と同じ大きさの円板で、その中央には支持部3の孔3aと同じ直径、即ち鞘管9の外径とほぼ同じ直径の孔6aが設けられている。本実施形態では、座側取付部2の孔2aの周面2bと脚1の外周面1aとの間には隙間12が設けられており、第2の摺動部材6に、隙間12に挿入される円筒状摺動部15が一体成形されている。第1及び第2の摺動部材5,6は、例えばポリアセタール、ガラス繊維入りナイロン、ガラス繊維の入っていないナイロン等の摩擦抵抗が少ない材料で形成されている。
第2の摺動部材6の結合ねじ孔4cに対向する位置には、孔6bが設けられている。押さえ部4の結合ねじ孔4cに結合ねじ14をねじ込み、結合ねじ14の先端を孔6b内に突出させることで、押さえ部4と第2の摺動部材6との相対回転を不能にする一方、押さえ部4に対する第2の摺動部材6の軸方向への変位を可能にする。これにより、調整機構7の先端が第2の摺動部材6の上面に対して摺動して摩耗させるのを防止することができると共に、調整機構7による調整を可能にしている。
調整機構7は、例えば押さえ部4に上からねじ込まれ、その先端7aが押さえ部4の底面4dから突出する調整ねじ(以下、調整ねじ7という)である。
次に、椅子の座の回転支持機構の組み立てについて説明する。先ず最初に、4本の支柱8をスペーサ10に固着して一纏めにした後、支持部3が固着されている鞘管9を4本の支柱8の細径部8cに被せてこれらの上端を固着する。そして、支持部3の上に第1の摺動部材5と座側取付部2と第2の摺動部材6をこの順番で重ねる。この時、第2の摺動部材6の円筒状摺動部15を座側取付部2の孔2aの内側の隙間12に嵌め込む。
この状態で押さえ部4を脚1の上端にねじ止めする。4本の締め付けねじ13を押さえ部4の貫通孔4aに挿入し、支柱8のねじ孔8aにねじ込むことで、押さえ部4を脚1の上端に固定することができる。次に、押さえ部4の結合ねじ孔4cに結合ねじ14をねじ込み、その先端を第2の摺動部材6の孔6b内に突出させる。また、押さえ部4の調整ねじ孔4bに調整ねじ7をねじ込み、第2の摺動部材6と座側取付部2との間の摩擦力を調整して支持部3及び押さえ部4に対して座側取付部2を回転させるのに必要なトルク(回転トルク)を調整する。その後、座側取付部2に座を取り付ける。
調整ねじ7による座側取付部2の回転トルクの調整は、次のようにして行われる。調整ねじ7の押さえ部4の底面からの突出量を増加させると、第2の摺動部材6が押さえ部4から離れる方向に移動して座側取付部2の上面により強く押し付けられる。このため、第2の摺動部材6と座側取付部2との間に生じる摩擦力が増加し、座側取付部2の回転トルクを増加させることができる。一方、調整ねじ7の突出量を減少させると、第2の摺動部材6を座側取付部2に押し付ける力が弱まるので、第2の摺動部材6と座側取付部2との間に生じる摩擦力が減少する。このため、座側取付部2の回転トルクを減少させることができる。なお、座側取付部2ががた付いている場合には、調整ねじ7の突出量を増加させることで、座側取付部2のがた付きを解消することもできる。
座側取付部2の回転トルクの調整は椅子の組み付け時に行うことも可能であるが、椅子の使用によって再調整が必要になった場合にも、座側取付部2から座を外すことで調整ねじ7を露出させることができるので、簡単に再調整することができる。
本発明の椅子の座の回転支持機構では、座側取付部2は支持部3と押さえ部4との間に挟み込まれた状態で脚1に取り付けられている。座側取付部2は支持部3の上に載せられており、座側取付部2から入力する荷重を広い面積で受けることができる。また、支持部3と押さえ部4とで座側取付部2を挟み付ける構造であり、しっかりと座側取付部2を挟み付けることができる。これらのため、脚1に対する座側取付部2の取付剛性を大きくすることができ、座り心地を向上させることができる。
また、支持部3と座側取付部2との間には第1の摺動部材5が設けられており、座側取付部2と押さえ部4との間には第2の摺動部材6が設けられているので、支持部3及び押さえ部4に対して座側取付部2を良好に回転させることができる。
また、押さえ部4の取り付け後、調整ねじ7によって座側取付部2の回転トルクの調整を行うことができるので、先ず最初に押さえ部4をしっかりと固定して座側取付部2の取付剛性を確保した後、座側取付部2の取り付けとは別に座側取付部2の回転トルクの調整を行うことができる。このため、座側取付部2の回転トルクの調整が容易である。
また、調整ねじ7によって第2の摺動部材6と座側取付部2との間に生じる摩擦力を調整することができるので、部品の加工精度を高めることで摩擦力を設計値通りに出す必要がなくなり、部品の加工精度をある程度落とすことが可能になる。このため、部品の製造コストを下げることができ、座の回転支持機構を安価に提供することができる。
また、支持部3を正確な位置、即ち脚1の上端から所定長離れた位置に設けておくことで、押さえ部4を脚1の上端に固定した場合に支持部3と押さえ部4との間隔を正確なものにすることができる。このため、支持部3と押さえ部4とで座側取付部2をしっかりと挟み付けることができる。ここで、支持部3は脚1の外周面1aに設けられるものであり、支持部3を正確な位置に設けるのは容易である。また、脚1の上端に押さえ部4をねじ止めするのも容易である。これらのため、座側取付部2をしっかりと挟み付けることができる椅子の座の回転支持機構を安い製造コストで提供することができる。しかも、押さえ部4は脚1の上端にねじ止めされるものであり、ねじ込み量を変えることで押さえ部4の位置も脚1の軸方向に変化するので、支持部3と押さえ部4とによる座側取付部2の挟み付けの調整が容易である。
また、円筒状摺動部15を設けているので、座側取付部2に水平方向の力が作用した場合であっても、座側取付部2が脚1の外周面1aに直接接触することがなく、座側取付部2を良好に回転させることができる。また、円筒状摺動部15は第2の摺動部材6に一体成形されているので、部品点数を増加させることがなく、製造コストの増加を抑えることができる。
さらに、調整機構7を調整ねじによって構成しているので、簡単な構成で調整機構7を実現することができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の説明では、支持部3を鞘管9とは別部材で構成し、鞘管9の外周面(脚1の外周面1a)に支持部3を固着していたが、必ずしもこの構成に限るものではなく、例えば鞘管9の外周面に支持部3を一体成形しても良い。
また、上述の説明では、支柱8は中実の棒部材であったが、中空のパイプによって支柱8を構成しても良い。この場合には、支柱8の上端面にねじ孔が設けられた板材を固着することで、脚1の上端に押さえ部4をねじ止めできるようにすることが好ましい。また、パイプ内の孔に雌ねじを形成しても良い。
また、上述の説明では、支柱8に段部8bを設けていたが、段部8bを省略しても良い。
また、上述の説明では、円筒状摺動部15を第2の摺動部材6に設けていたが、第1の摺動部材5に設けても良く、第1の摺動部材5と第2の摺動部材6の両方に円筒状摺動部15を設けても良い。また、円筒状摺動部15は必ずしも必要ではなく、円筒状摺動部15を省略しても良い。
また、上述の説明では、押さえ部4から第2の摺動部材6に向けて突出し、その突出量を増減することで第2の摺動部材6と座側取付部2との間に生じる摩擦力を調整する調整機構7を備えていたが、これに代えて、支持部3から第1の摺動部材5に向けて突出し、その突出量を増減することで第1の摺動部材5と座側取付部2との間に生じる摩擦力を調整する調整機構7を備えるようにしても良い。この場合、調整機構7は支持部3に下からねじ込まれ、その先端が支持部3の上面から突出する調整ねじであることが好ましい。この場合には、調整ねじ7のねじ込み量を変えることで、支持部3からの突出量を変化させて第1の摺動部材5と座側取付部2との間に生じる摩擦力を調整することができる。即ち、簡単な構成で調整機構7を実現することができる。
また、上述の説明では、4本の支柱8を一纏めにして脚1を構成していたが、一纏めにする支柱8の数は4本に限るものではなく、2本、3本又は5本以上でも良い。また、1本の支柱8によって脚1を構成しても良い。要するに、座側取付部2を取り付ける部分が一の軸となっている脚1であれば良い。
本発明の椅子の座の回転支持機構の実施形態の一例を示す断面図である。 同回転支持機構の別の位置における断面図である。 同回転支持機構の押さえ部を外した状態の平面図である。 同回転支持機構の押さえ部の平面図である。 従来の椅子の座の回転支持機構を採用した椅子の側面図である。 図5の椅子の座の回転支持機構の横断面図である。 図6のVII−VII線に沿う上支柱保持部の断面図である。
符号の説明
1 脚
1a 脚の外周面
2 座側取付部
2a 座側取付部の孔
2b 孔の周面
3 支持部
4 押さえ部
5 第1の摺動部材
6 第2の摺動部材
7 調整ねじ(調整機構)
12 隙間
15 円筒状摺動部

Claims (5)

  1. 脚の外周面から径方向に突出し座側取付部が載せられる支持部と、前記支持部との間に前記座側取付部を回転可能に挟み込む押さえ部と、前記支持部と前記座側取付部との間に設けられた第1の摺動部材と、前記座側取付部と前記押さえ部との間に設けられた第2の摺動部材と、前記押さえ部から前記第2の摺動部材又は前記支持部から前記第1の摺動部材に向けて突出し、その突出量を増減することで前記第2の摺動部材又は前記第1の摺動部材と前記座側取付部との間に生じる摩擦力を調整する調整機構を備えることを特徴とする椅子の座の回転支持機構。
  2. 前記座側取付部の前記第1の摺動部材と前記第2の摺動部材との間に挟み込まれる部分は板状を成す共に、当該板状を成す部分には孔が設けられており、前記孔に前記脚の上端を通すことで前記座側取付部の板状を成す部分は前記支持部の上に載置され、前記押さえ部は前記脚の上端にねじ止めされることを特徴とする請求項1記載の椅子の座の回転支持機構。
  3. 前記孔の周面と前記脚の外周面との間には隙間が設けられており、前記第1の摺動部材と前記第2の摺動部材の少なくともいずれか一方に、前記隙間に挿入される円筒状摺動部を設けたことを特徴とする請求項2記載の椅子の座の回転支持機構。
  4. 前記調整機構は前記押さえ部に上からねじ込まれ、その先端が前記押さえ部の底面から突出する調整ねじであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の椅子の座の回転支持機構。
  5. 前記調整機構は前記支持部に下からねじ込まれ、その先端が前記支持部の上面から突出する調整ねじであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の椅子の座の回転支持機構。

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