JP2007215934A - 脚の構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】脚の構造において、溶接部分への荷重の集中を防止する。部品点数を減少させる。
【解決手段】1本に束ねて溶接された複数の支柱8と、支柱8の束16の溶接部分を覆い且つ当該溶接部分における支柱8の広がりを防止する鞘管9を備えている。さらに前記支柱8の束の中心に配置され、各支柱8が溶接されるスペーサを備える。さらに前記支柱8の束と前記鞘管との間には隙間が設けられている。前記鞘管には椅子の座が取り付けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、脚の構造に関する。さらに詳しくは、本発明は、複数の支柱を束ねて溶接するタイプの脚の構造に関するものである。
従来、複数のパイプの上端を束ねて溶接する脚の構造として、例えば実公昭46−010914号公報に開示されたものがある。この脚構造を図12及び図13に示す。単脚軸101を支持する軸受管102に4本の支脚103が溶接されている。軸受管102の支脚103を溶接する部分は角管部102aとなっている。4本の支脚103はそれらの下端を四方に広げるように湾曲し、脚としての安定性を確保している。各支脚103の上部は支持部104となっており、支持部104の角管部102aに接触する部分を凹ますことで角管部102aとの接触面積を増加させ、溶接の強度の向上と作業性の向上が図られている。軸受管102にはプラスチック製の帽体105が被されており、支持部104と角管部102aの溶接部分を隠している。
実公昭46−10914号
しかしながら、上述の脚構造では4本の支脚103を軸受管102の角管部102aに溶接しただけであり、脚に鉛直方向の大きな荷重が作用して4本の支脚103が外側に広がろうとした場合、溶接部分に荷重が集中することになる。このため、強度的に不利な構造である。また、椅子の座を脚に取り付けるにはそのための取付機構が別個に必要になり、部品点数の増加を招いて製造コストが向上する。
本発明は、溶接部分への荷重の集中を防止することができる脚の構造を提供することを目的とする。また、本発明は、部品点数を減少させることができる脚の構造を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、請求項1記載の脚の構造は、1本に束ねて溶接された複数の支柱と、支柱の束の溶接部分を覆い且つ当該溶接部分における支柱の広がりを防止する鞘管を備えるものである。
したがって、支柱の溶接部分は鞘管によって覆い隠され、外部に露出することがない。1本に束ねられている支柱に鉛直方向の荷重が作用すると、各支柱は弾性変形して外側に広がろうとするが、広がろうとする各支柱は鞘管によって押さえられ外側に広がることがない。即ち、各支柱を外側に広げようとする荷重が溶接部分の他に鞘管にも分散される。
ここで、鞘管はその内周面が支柱の束の外周面に接触した状態で設けられていても良く、請求項3記載の脚の構造のように、鞘管はその内周面と支柱の束の外周面との間に隙間を生じさせた状態で設けられていても良い。後者の場合には、鉛直方向の荷重が作用すると先ず最初に各支柱が鞘管に当たるまで弾性変形し外側に広がる。そして、各支柱が鞘管に当たった後はそれ以上外側に広がることがない。一方、前者の場合には、無荷重のときにも支柱が鞘管によって押さえられているので、荷重が作用しても鞘管によって各支柱の広がりが防止される。
また、請求項2記載の脚の構造は、支柱の束の中心に配置され、各支柱が溶接されるスペーサを備えるものである。したがって、隣り合うもの同士の間隔をあけて各支柱を束ねることができる。
また、請求項3記載の脚の構造は、支柱の束と鞘管との間には隙間が設けられている。したがって、脚を組み立てる際、支柱が束ねられている部分に鞘管を被せるのが容易である。脚に鉛直方向の荷重が作用した場合、先ず最初に各支柱が鞘管に当たるまで弾性変形し外側に広がる。そして、各支柱が鞘管に当たった後はそれ以上外側に広がることがない。
さらに、請求項4記載の脚の構造は、支柱は椅子の脚を構成する支柱であり、鞘管には椅子の座が取り付けられるものである。したがって、椅子の脚の構造を提供することができる。また、鞘管を利用して椅子の座を取り付けることができる。
請求項1記載の脚の構造では、1本に束ねて溶接された複数の支柱と、支柱の束の溶接部分を覆い且つ当該溶接部分における支柱の広がりを防止する鞘管を備えているので、支柱の溶接部分を隠すことができる。このため、外観が良くなり、商品価値を向上させることができる。また、溶接部分が露出する場合には溶接部分の見た目が比較的綺麗なTIG溶接等の高価な溶接手段を使用する必要があるが、鞘管によって溶接部分を隠すことができるので溶接部分の見た目を気にする必要がなくなり、例えばCO溶接等の安価な溶接手段を使用することができる。このため、製造コストを低減することができる。さらに、束ねられている支柱に荷重がかかると各支柱は弾性変形して外側に広がろうとするが、鞘管で覆うことで各支柱の広がりを防止したり、又は各支柱の広がりが過大になるのを防止することができる。即ち、支柱を外側に広げようとする荷重を鞘管に分散させることができるため、溶接部分に過大な力が集中するのを防止でき、脚の耐久性を向上させることができる。
また、請求項2記載の脚の構造では、支柱の束の中心に配置され、各支柱が溶接されるスペーサを備えているので、隣り合うもの同士の間隔をあけて各支柱を束ねることができる。
また、請求項3記載の脚の構造では、支柱の束と鞘管との間には隙間が設けられているので、脚を組み立てる際、支柱が束ねられている部分に鞘管を被せるのが容易であり、作業性を向上させることができる。また、脚に鉛直方向の荷重が作用した場合、鞘管に当たるまで各支柱を弾性変形させることができるので、各支柱の過度の変形を防止しつつ各支柱の弾性変形によって衝撃を吸収することができる。このため、脚の耐久性の向上と使い心地の柔らかさを高レベルで両立させることができる。
さらに、請求項4記載の脚の構造では、支柱は椅子の脚を構成する支柱であり、鞘管には椅子の座が取り付けられるので、椅子の脚の構造を提供することができる。また、鞘管を利用して椅子の座を取り付けることができるので、部品点数が減少し、製造コストを低減することができる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図5に、本発明の脚の構造の実施形態の一例を示す。本実施形態では、例えば椅子の脚の構造を例に説明する。ただし、椅子の脚の構造に限るものではなく、テーブル、机、台等の脚の構造に適用しても良い。
脚1の構造は、1本に束ねて溶接された複数の支柱8と、支柱8の束16の溶接部分17を覆い且つ当該溶接部分17における支柱8の広がりを防止する鞘管9を備えるものである。本実施形態の支柱8は、例えば椅子の脚1を構成する支柱8であり、例えば4本設けられている。ただし、支柱8の数は4本に限るものではなく、2本、3本又は5本以上であっても良い。支柱8は、例えば横断面形状が円形を成す棒材で、例えばステンレススチール製のものである。支柱8の上端面にはねじ孔8aが形成されている。各支柱8の上部及び下部は鉛直になっており、中央部分は径方向外側に向けて傾斜している。各支柱8の形状をこのような形状にすることで、各支柱8の上部に対して下部を上から見て十字状に広げている。
支柱8の束16の中心には、各支柱8が溶接されるスペーサ10が配置されている。スペーサ10は上からみた形状が例えば十字形状をなし、間隔をあけて上下2箇所に配置されている。スペーサ10の支柱8に接触する部分の形状は、支柱8の外周面の形状に一致している。4本の支柱8の上部は例えば上から見て正方形の四隅に配置されるように並べられ、高さを揃えてスペーサ10の側面に溶接されている。
支柱8の束16の溶接部分17を覆う鞘管9は、例えばステンレススチール製の管状部材で、支柱8の束16の溶接部分17を覆うのに十分な長さを有している。ただし、鞘管9の材料はステンレススチールに限るものではない。鞘管9の外周面には支持部3が例えば溶接等の手段によって固着されている。支持部3は、例えばステンレススチール製の円板で、図示しない椅子の座を取り付けるための部材である。即ち、鞘管9に椅子の座を取り付けることができる。鞘管9を被せることで支柱8の束16を覆った状態では、支柱8の束16と鞘管9との間には隙間18が設けられている。即ち、支柱8の溶接部分17の外径よりも鞘管9の内径が若干大きくなっており、これらの間に隙間18が生じるようにしている。本実施形態では、例えば0.17mmの隙間18を設けている。ただし、隙間の寸法は0.17mmに限るものではない。なお、隙間18を例えば1mm以下にすることが好ましい。鞘管9の上端は支柱8の上端に溶接されている。なお、図2〜図5、図7の符号11で示す斜線部分は溶接のビードである。
脚1を組み立てる場合には、先ず最初に4本の支柱8をスペーサ10に溶接して束ねる(図4,図5)。そして、支持部3が固着されている鞘管9を4本の支柱8の溶接部分17に被せてこれらの上端を溶接すれば良い(図1、図2)。鞘管9と4本の支柱8の間には隙間18が設けられているが、ビード11を形成することで鞘管9と4本の支柱8の上端を溶接することができる。このように脚1の組み立ては簡単である。
支柱8の溶接部分17は鞘管9によって覆い隠され、外部に露出することがない。このため、脚1の外観が良くなり、商品価値を向上させることができる。また、溶接部分17が露出する場合には溶接部分17の見た目が比較的綺麗なTIG溶接等の高価な溶接手段を使用する必要があるが、鞘管9によって溶接部分17を隠すことができるので溶接部分17の見た目を気にする必要がなくなり、例えばCO溶接等の安価な溶接手段を使用することができる。このため、製造コストを低減することができる。
1本に束ねられている各支柱8に鉛直方向の荷重が作用すると、各支柱8は弾性変形して外側に広がろうとするが、各支柱8は隙間18の分だけ外側に広がった後、鞘管9に当たり、それ以上外側に広がることがない。このため、各支柱8が許容範囲を超えて外側に広がるのを防止することができる。また、各支柱8が鞘管9に当たった後は、各支柱8を外側に広げようとする荷重が各支柱8の溶接部分17の他に鞘管9にも分散されるので、溶接部分17に過大な力が集中するのを防止でき、脚1の耐久性を向上させることができる。
また、各支柱8の溶接部分17に支柱8の外周面形状に一致する形状のスペーサ10を設けているので、支柱8の外周面は曲面であるがその溶接は容易である。このため、作業性が向上する。また、溶接部分17の面積を増加させることができ、溶接の強度を向上させることもできる。さらに、スペーサ10の大きさを調節することで、支柱8を束ねた状態の外径寸法を調節することができる。さらに、たとえ細い支柱8を使用しても、支柱8を束ねた状態では外径をある程度太くすることができる。
支柱8の束16と鞘管9との間には隙間18が設けられているので、脚1を組み立てる際、支柱8が束ねられている部分に鞘管9を被せるのが容易である。このため、作業性を向上させることができる。また、また、隙間18を設けることで、鞘管9に当たるまで各支柱8を弾性変形させることができるので、各支柱8の過度の変形を防止しつつ各支柱8の弾性変形によって衝撃を吸収することができる。このため、脚1の耐久性の向上と使い心地の柔らかさを高レベルで両立させることができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の説明では、支柱8の溶接部分17にスペーサ10を設けていたが、必ずしもこの構成に限るものではなく、スペーサ10を省略し、支柱8同士を直接溶接するようにしても良い。
また、上述の説明では、支柱8の束16と鞘管9との間に隙間18を設けていたが、必ずしもこの構成に限るものではなく、隙間18を省略し、支柱8に鉛直荷重がかかっていない状態でも支柱8が鞘管9に当接しているようにしても良い。
また、図6及び図7に示すように、支柱8の束16の部分の長さを長くしても良い。
また、上述の説明では、各支柱8は、上部及び下部を鉛直にすると共に中央部分を径方向外側に向けて傾斜させる形状を成していたが、各支柱8の形状はかかる形状に限るものではない。各支柱8の束16の部分が鉛直又は鉛直に近い状態になっており、束16の部分よりも下側に径方向外側に広がる部分を有しているものであれば良い。
また、上述の説明では、支柱8は中実の棒部材であったが、中空のパイプによって支柱8を構成しても良い。
また、上述の説明では、支柱8にねじ孔8aを設けていたが、不要の場合にはねじ孔8aを省略しても良い。
また、上述の説明では、鞘管9に椅子の座を取り付けるようにしていたが、これに限るものではなく、鞘管9以外の別の部分に椅子の座を取り付けるようにしても良い。
また、椅子の座を回転可能に取り付けるための回転支持機構を設けても良い。図8〜図11に、椅子の座の回転支持機構の実施形態の一例を示す。なお、図8は図10のI−I線に沿う位置の断面図、図9は図10のII−II線に沿う位置の断面図である。椅子の座の回転支持機構は、脚1の外周面1aから径方向に突出し座側取付部2が載せられる支持部3と、支持部3との間に座側取付部2を回転可能に挟み込む押さえ部4と、支持部3と座側取付部2との間に設けられた第1の摺動部材5と、座側取付部2と押さえ部4との間に設けられた第2の摺動部材6と、押さえ部4から第2の摺動部材6又は支持部3から第1の摺動部材5に向けて突出し、その突出量を増減することで第2の摺動部材6又は第1の摺動部材5と座側取付部2との間に生じる摩擦力を調整する調整機構7を備えるものである。本実施形態の調整機構7は、押さえ部4から第2の摺動部材6に向けて突出し、第2の摺動部材6と座側取付部2との間に生じる摩擦力を調整するものである。
脚1は、例えば4本の支柱8の上部を一纏めにして鞘管9で覆った構造を成している。支柱8は、例えば横断面形状が円形を成す棒材で、例えばステンレススチール製のものである。支柱8の上端面にはねじ孔8aが形成されている。4本の支柱8の上部は例えば上から見て正方形の四隅に配置されるように並べられ、高さを揃えてスペーサ10の側面に例えば溶接等の手段によって固着されている。4本の支柱8の外周面には段部8bが設けられており、段部8bよりも上の部分は若干細くなっている。
4本の支柱8の段部8bよりも上の部分(以下、細径部8cという)は鞘管9で覆われている。鞘管9は、例えばステンレススチール製の管状部材で、細径部8cの長さと同じ長さに形成されている。鞘管9を4本の支柱8の細径部8cに被せると、鞘管9と支柱8との間に若干の隙間18が生じる。鞘管9の下端は4本の支柱8の段部8bに当接している。鞘管9の上端は4本の支柱8の上端に例えば溶接等の手段によって固着されている。本実施形態では、鞘管9が脚1の外周部分を構成する部材であるので、鞘管9の外周面が脚1の外周面1aである。
支持部3は、例えばステンレススチール製の円板で、中央に鞘管9の外径とほぼ同じ直径の孔3aが設けられている。支持部3は、脚1の外周面1aに例えば溶接等の手段によって固着されている。なお、図8及び図9の符号11は溶接のビードである。
座側取付部2には、図示しない椅子の座が取り付けられる。座側取付部2の第1の摺動部材5と第2の摺動部材6との間に挟み込まれる部分は板状を成し、当該板状を成す部分には孔2aが設けられており、孔2aに脚1の上端を通すことで座側取付部2の板状を成す部分は支持部3の上に載置される。本実施形態では、座側取付部2は、例えばステンレススチール製の板材であり、座側取付部2全体が板状を成している。座側取付部2の中央には、上述の孔2a、即ち鞘管9よりも大径で、隙間12を生じさせる孔2aが設けられている。座側取付部2は平面形状が長方形の板材で、その四隅には図示しない椅子の座を取り付けるための孔2cが設けられている。
押さえ部4は、例えばステンレススチール製の円板で、4本の支柱8のねじ孔8aに対向する位置には締め付けねじ13を通す貫通孔4aが設けられている。また、第2の摺動部材6に対向する位置には2つのねじ孔4b,4c、具体的には調整機構7を通す調整ねじ孔4bと、結合ねじ14を通す結合ねじ孔4cが設けられている。押さえ部4は脚1の上端に、例えば4本の締め付けねじ13によってねじ止めされる。
第1の摺動部材5は、支持部3と同じ大きさの円板で、その中央には支持部3の孔3aと同じ直径の孔5aが設けられている。第2の摺動部材6は、押さえ部4と同じ大きさの円板で、その中央には支持部3の孔3aと同じ直径、即ち鞘管9の外径とほぼ同じ直径の孔6aが設けられている。本実施形態では、座側取付部2の孔2aの周面2bと脚1の外周面1aとの間には隙間12が設けられており、第2の摺動部材6に、隙間12に挿入される円筒状摺動部15が一体成形されている。第1及び第2の摺動部材5,6は、例えばポリアセタール、ガラス繊維入りナイロン、ガラス繊維の入っていないナイロン等の摩擦抵抗が少ない材料で形成されている。
第2の摺動部材6の結合ねじ孔4cに対向する位置には、孔6bが設けられている。押さえ部4の結合ねじ孔4cに結合ねじ14をねじ込み、結合ねじ14の先端を孔6b内に突出させることで、押さえ部4と第2の摺動部材6との相対回転を不能にする一方、押さえ部4に対する第2の摺動部材6の軸方向への変位を可能にする。これにより、調整機構7の先端が第2の摺動部材6の上面に対して摺動して摩耗させるのを防止することができると共に、調整機構7による調整を可能にしている。
調整機構7は、例えば押さえ部4に上からねじ込まれ、その先端7aが押さえ部4の底面4dから突出する調整ねじ(以下、調整ねじ7という)である。
次に、椅子の座の回転支持機構の組み立てについて説明する。先ず最初に、4本の支柱8をスペーサ10に固着して一纏めにした後、支持部3が固着されている鞘管9を4本の支柱8の細径部8cに被せてこれらの上端を固着する。そして、支持部3の上に第1の摺動部材5と座側取付部2と第2の摺動部材6をこの順番で重ねる。この時、第2の摺動部材6の円筒状摺動部15を座側取付部2の孔2aの内側の隙間12に嵌め込む。
この状態で押さえ部4を脚1の上端にねじ止めする。4本の締め付けねじ13を押さえ部4の貫通孔4aに挿入し、支柱8のねじ孔8aにねじ込むことで、押さえ部4を脚1の上端に固定することができる。次に、押さえ部4の結合ねじ孔4cに結合ねじ14をねじ込み、その先端を第2の摺動部材6の孔6b内に突出させる。また、押さえ部4の調整ねじ孔4bに調整ねじ7をねじ込み、第2の摺動部材6と座側取付部2との間の摩擦力を調整して支持部3及び押さえ部4に対して座側取付部2を回転させるのに必要なトルク(回転トルク)を調整する。その後、座側取付部2に座を取り付ける。
調整ねじ7による座側取付部2の回転トルクの調整は、次のようにして行われる。調整ねじ7の押さえ部4の底面からの突出量を増加させると、第2の摺動部材6が押さえ部4から離れる方向に移動して座側取付部2の上面により強く押し付けられる。このため、第2の摺動部材6と座側取付部2との間に生じる摩擦力が増加し、座側取付部2の回転トルクを増加させることができる。一方、調整ねじ7の突出量を減少させると、第2の摺動部材6を座側取付部2に押し付ける力が弱まるので、第2の摺動部材6と座側取付部2との間に生じる摩擦力が減少する。このため、座側取付部2の回転トルクを減少させることができる。なお、座側取付部2ががた付いている場合には、調整ねじ7の突出量を増加させることで、座側取付部2のがた付きを解消することもできる。
座側取付部2の回転トルクの調整は椅子の組み付け時に行うことも可能であるが、椅子の使用によって再調整が必要になった場合にも、座側取付部2から座を外すことで調整ねじ7を露出させることができるので、簡単に再調整することができる。
本実施形態の椅子の座の回転支持機構では、座側取付部2は支持部3と押さえ部4との間に挟み込まれた状態で脚1に取り付けられている。座側取付部2は支持部3の上に載せられており、座側取付部2から入力する荷重を広い面積で受けることができる。また、支持部3と押さえ部4とで座側取付部2を挟み付ける構造であり、しっかりと座側取付部2を挟み付けることができる。これらのため、脚1に対する座側取付部2の取付剛性を大きくすることができ、座り心地を向上させることができる。
また、支持部3と座側取付部2との間には第1の摺動部材5が設けられており、座側取付部2と押さえ部4との間には第2の摺動部材6が設けられているので、支持部3及び押さえ部4に対して座側取付部2を良好に回転させることができる。
また、押さえ部4の取り付け後、調整ねじ7によって座側取付部2の回転トルクの調整を行うことができるので、先ず最初に押さえ部4をしっかりと固定して座側取付部2の取付剛性を確保した後、座側取付部2の取り付けとは別に座側取付部2の回転トルクの調整を行うことができる。このため、座側取付部2の回転トルクの調整が容易である。
また、調整ねじ7によって第2の摺動部材6と座側取付部2との間に生じる摩擦力を調整することができるので、部品の加工精度を高めることで摩擦力を設計値通りに出す必要がなくなり、部品の加工精度をある程度落とすことが可能になる。このため、部品の製造コストを下げることができ、座の回転支持機構を安価に提供することができる。
また、支持部3を正確な位置、即ち脚1の上端から所定長離れた位置に設けておくことで、押さえ部4を脚1の上端に固定した場合に支持部3と押さえ部4との間隔を正確なものにすることができる。このため、支持部3と押さえ部4とで座側取付部2をしっかりと挟み付けることができる。ここで、支持部3は脚1の外周面1aに設けられるものであり、支持部3を正確な位置に設けるのは容易である。また、脚1の上端に押さえ部4をねじ止めするのも容易である。これらのため、座側取付部2をしっかりと挟み付けることができる椅子の座の回転支持機構を安い製造コストで提供することができる。しかも、押さえ部4は脚1の上端にねじ止めされるものであり、ねじ込み量を変えることで押さえ部4の位置も脚1の軸方向に変化するので、支持部3と押さえ部4とによる座側取付部2の挟み付けの調整が容易である。
また、円筒状摺動部15を設けているので、座側取付部2に水平方向の力が作用した場合であっても、座側取付部2が脚1の外周面1aに直接接触することがなく、座側取付部2を良好に回転させることができる。また、円筒状摺動部15は第2の摺動部材6に一体成形されているので、部品点数を増加させることがなく、製造コストの増加を抑えることができる。
さらに、調整機構7を調整ねじによって構成しているので、簡単な構成で調整機構7を実現することができる。
なお、上述の回転支持機構の説明では、支持部3を鞘管9とは別部材で構成し、鞘管9の外周面(脚1の外周面1a)に支持部3を固着していたが、必ずしもこの構成に限るものではなく、例えば鞘管9の外周面に支持部3を一体成形しても良い。
また、上述の回転支持機構の説明では、支柱8は中実の棒部材であったが、中空のパイプによって支柱8を構成しても良い。この場合には、支柱8の上端面にねじ孔が設けられた板材を固着することで、脚1の上端に押さえ部4をねじ止めできるようにすることが好ましい。また、パイプ内の孔に雌ねじを形成しても良い。
また、上述の回転支持機構の説明では、支柱8に段部8bを設けていたが、段部8bを省略しても良い。
また、上述の回転支持機構の説明では、円筒状摺動部15を第2の摺動部材6に設けていたが、第1の摺動部材5に設けても良く、第1の摺動部材5と第2の摺動部材6の両方に円筒状摺動部15を設けても良い。また、円筒状摺動部15は必ずしも必要ではなく、円筒状摺動部15を省略しても良い。
また、上述の回転支持機構の説明では、押さえ部4から第2の摺動部材6に向けて突出し、その突出量を増減することで第2の摺動部材6と座側取付部2との間に生じる摩擦力を調整する調整機構7を備えていたが、これに代えて、支持部3から第1の摺動部材5に向けて突出し、その突出量を増減することで第1の摺動部材5と座側取付部2との間に生じる摩擦力を調整する調整機構7を備えるようにしても良い。この場合、調整機構7は支持部3に下からねじ込まれ、その先端が支持部3の上面から突出する調整ねじであることが好ましい。この場合には、調整ねじ7のねじ込み量を変えることで、支持部3からの突出量を変化させて第1の摺動部材5と座側取付部2との間に生じる摩擦力を調整することができる。即ち、簡単な構成で調整機構7を実現することができる。
本発明の脚の構造の実施形態の一例を示す側面図である。 同脚の構造の平面図である。 鞘管と支柱との間の隙間を拡大して示す平面図である。 鞘管を取り付ける前の状態の側面図である。 鞘管を取り付ける前の状態の平面図である。 本発明の脚の構造の他の実施形態を示す側面図である。 同脚の構造の鞘管を取り付ける前の状態の側面図である。 椅子の座の回転支持機構を設けた場合の一例を示す断面図である。 同回転支持機構の別の位置における断面図である。 同回転支持機構の押さえ部を外した状態の平面図である。 同回転支持機構の押さえ部の平面図である。 従来の脚の構造を示す側面図である。 図12のA−B線に沿う断面図である。
符号の説明
8 支柱
9 鞘管
10 スペーサ
16 支柱の束
17 溶接部分
18 隙間

Claims (4)

  1. 1本に束ねて溶接された複数の支柱と、前記支柱の束の溶接部分を覆い且つ当該溶接部分における支柱の広がりを防止する鞘管を備えることを特徴とする脚の構造。
  2. 前記支柱の束の中心に配置され、各支柱が溶接されるスペーサを備えることを特徴とする請求項1記載の脚の構造。
  3. 前記支柱の束と前記鞘管との間には隙間が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の脚の構造。
  4. 前記支柱は椅子の脚を構成する支柱であり、前記鞘管には椅子の座が取り付けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の脚の構造。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009025302A1 (ja) 2007-08-22 2009-02-26 Mitsubishi Kagaku Media Co., Ltd. 光記録媒体
JP2017064404A (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 株式会社イトーキ 家具用の脚装置
JP7117202B2 (ja) 2018-09-11 2022-08-12 コクヨ株式会社 椅子

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