JP2007079498A - 感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
Description
(1)導電性支持体上に、少なくとも下引層及び感光層を有する感光体であって、該下引層は、有機金属化合物及びシランカップリング剤を含有し、該感光層は、式(1)で表される電子輸送剤及び電荷発生物質を含有することを特徴とする感光体。
(2)前記下引層は、前記有機金属化合物及びシランカップリング剤に相溶する結着樹脂をさらに含有することを特徴とする前記第(1)項に記載の感光体。
(3)前記有機金属化合物は、有機ジルコニウム化合物又は有機チタニウム化合物であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の感光体。
(4)前記感光層に含有される電荷発生物質は、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれか一項に記載の感光体。
(5)前記チタニルフタロシアニンは、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、9.4゜、9.6゜及び24.0゜にピークを有すると共に、7.3゜に最も低角側のピークを有し、該7.3°と9.4゜の間にピークを有さないと共に、26.3°にピークを有さないことを特徴とする前記第(4)項に記載の感光体。
(6)前記チタニルフタロシアニンの平均粒子サイズは、0.25μm以下であることを特徴とする前記第(5)項に記載の感光体。
(7)前記第(1)項乃至第(6)項のいずれか一項に記載の感光体を有することを特徴とする画像成形装置。
(8)前記感光体と、前記感光体を帯電する帯電装置と、該帯電された感光体に像露光を行い、静電潜像を形成する像露光装置と、該静電潜像を現像する現像装置とを少なくとも有する画像形成要素が複数配列されていることを特徴とする前記第(7)項に記載の画像形成装置。
(9)前記第(1)項乃至第(6)項のいずれか一項に記載の感光体と、該感光体に形成される静電潜像を現像する現像装置と、該感光体をクリーニングするクリーニング装置とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(10)前記第(9)項に記載のプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像成形装置。
Ti(L)qX4−q
(式中、Lは、キレート基、Xは、エステル基、qは、1〜4を表す。)また、配位子としては、オクチレングリコール、アセチルアセトン等のβ−ケトン、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸等のヒドロキシカルボン酸、アセト酢酸エステル等のケトエステル、およびジアセトンアルコール等のケトアルコール等があげられる。
−電子輸送剤の合成−
本発明に用いる式(1)で表される電子輸送剤は、下記に示す構造骨格を有する。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.0g(18.6mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン2.14g(18.6mmol)とDMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、モノイミド体Aを2.14g(収率31.5%)得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、2.0g(5.47mmol)のモノイミド体Aと、ヒドラジン一水和物0.137g(2.73mmol)、p−トルエンスルホン酸10mg、トルエン50mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。さらに回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、式(2)で表される電子輸送剤1を0.668g(収率33.7%)得た。質量分析(FD−MS)において、M/z=726のピークが観測されたことにより目的物であると同定した。元素分析は計算値、炭素69.41%、水素5.27%、窒素7.71%に対し、実測値で炭素69.52%、水素5.09%、窒素7.93%あった。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物10g(37.3mmol)とヒドラジン一水和物0.931g(18.6mmol)、p−トルエンスルホン酸20mg、トルエン100mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。さらに回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、二量体Cを2.84g(収率28.7%)得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、2.5g(4.67mmol)の二量体C、DMF30mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノプロパン0.278g(4.67mmol)とDMF10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、モノイミド体Cを0.556g(収率38.5%)得た。
(第三工程)
50ml4つ口フラスコに、0.50g(1.62mmol)のモノイミド体C、DMF10mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン0.186g(1.62mmol)とDMF5mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。さらに回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、式(3)で表される電子輸送剤2を0.243g(収率22.4%)得た。質量分析(FD−MS)において、M/z=670のピークが観測されたことにより目的物であると同定した。元素分析は計算値、炭素68.05%、水素4.51%、窒素8.35%に対し、実測値で炭素68.29%、水素4.72%、窒素8.33%あった。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.0g(18.6mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノプロパン1.10g(18.6mmol)とDMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、モノイミド体Bを2.08g(収率36.1%)得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、2.0g(6.47mmol)のモノイミド体Bと、ヒドラジン一水和物0.162g(3.23mmol)、p−トルエンスルホン酸10mg、トルエン50mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。さらに回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、式(4)で表される電子輸送剤3を0.810g(収率37.4%)得た。質量分析(FD−MS)において、M/z=614のピークが観測されたことにより目的物であると同定した。元素分析は計算値、炭素66.45%、水素3.61%、窒素9.12%に対し、実測値で炭素66.28%、水素3.45%、窒素9.33%あった。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、5.0g(9.39mmol)の二量体C、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン1.08g(9.39mmol)DMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、モノイミド体Dを1.66g(収率28.1%)得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、1.5g(2.38mmol)のモノイミド体D、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノオクタン0.308g(2.38mmol)とDMF10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、式(5)で表される電子輸送剤0.328g(収率18.6%)を得た。質量分析(FD−MS)において、M/z=740のピークが観測されたことにより目的物であると同定した。元素分析は計算値、炭素69.72%、水素5.44%、窒素7.56%に対し、実測値で炭素69.55%、水素5.26%、窒素7.33%あった。
(第一工程)
200ml4つ口フラスコに、5.0g(9.39mmol)の二量体C、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン1.08g(9.39mmol)DMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、モノイミド体Dを1.66g(収率28.1%)得た。
(第二工程)
100ml4つ口フラスコに、1.5g(2.38mmol)モノイミド体D、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、6−アミノウンデカン0.408g(2.38mmol)とDMF10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、式(6)で表される電子輸送剤0.276g(収率14.8%)を得た。質量分析(FD−MS)において、M/z=782のピークが観測されたことにより目的物であると同定した。元素分析は計算値、炭素70.57%、水素5.92%、窒素7.16%に対し、実測値で炭素70.77%、水素6.11%、窒素7.02%あった。
−チタニルフタロシアニン結晶の合成−
(顔料合成例1)
特開2001−19871号公報に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後、析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、次にメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過し、次いで、洗浄液が中性になるまでイオン交換水(pH:7.0、比伝導度:1.0μS/cm)により水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8、比伝導度は2.6μS/cmであった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40gをテトラヒドロフラン200gに投入し、4時間攪拌を行った後、濾過を行い、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。これを顔料1とする。
(X線回折スペクトルの測定条件)
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3〜40°
時定数:2秒
(顔料合成例2)
−チタニルフタロシアニン結晶の合成−
顔料合成例1の方法に従って、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを合成し、次のように結晶変換を行い、顔料合成例1よりも一次粒子径の小さいチタニルフタロシアニン結晶を得た。
(実施例1)
長さ340mm、直径30mmのアルミシリンダー(JIS1050)を導電性支持体とし、下記組成の下引層塗工液、感光層塗工液を塗布、乾燥し、0.9μmの下引層、20μmの感光層を形成して感光体を得た(感光体1とする)。
(下引層塗工液)
アセチルアセトンジルコニウムブトキシド 20部
(オルガチックスZC540、松本製薬工業社製)
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 2部
(A1100、日本ユニカー社製)
ポリビニルブチラール樹脂 1.5部
(エスレックBM−S、積水化学社製)
n−ブチルアルコール 70部
上記塗工液を用い、浸漬塗工法により塗布し、150℃において10分間加熱乾燥することにより、下引層を形成した。
(感光層塗工液)
まず、電荷発生材料として先に合成した顔料1を30部、シクロヘキサンノン970部と共に、ボールミル装置を用いて2時間分散させ、電荷発生材料分散液とした。これとは別にテトラヒドロフラン340部に、Z型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量4万、帝人化成社製)49部、先に合成した電子輸送剤1を20部、下記構造式の化合物29.5部及びシリコーンオイル(KF50−100CS、信越化学工業社製)0.1部を溶解させ、これに前述の電荷発生材料分散液66.6部を添加し撹拌して感光層塗工液とした。
下引層塗工液を下記組成のものに変更した以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体2とする)。
(下引層塗工液)
チタンアセチルアセトネート 10部
(オルガチックスTC100、松本製薬工業社製)
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 1部
ポリビニルブチラール樹脂
(エスレックBM−1、積水化学社製) 1.5部
イソプロピルアルコール 70部
(実施例3)
電子輸送剤1の代わりに電子輸送剤2を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体3とする)。
(実施例4)
電子輸送剤1の代わりに電子輸送剤3を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体4とする)。
(実施例5)
顔料1の代わりに顔料2を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体5とする)。
(比較例1)
下引層を設けない以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体6とする)。
(比較例2)
下記組成の下引層塗工液を用い、0.3μmの下引層を設けた以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体7とする)。
(下引層塗工液)
アルコール可溶性ナイロン 4部
(アミランCM8000、東レ社製)
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
(比較例3)
電子輸送剤1を使用しない以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体8とする)。
(比較例4)
電子輸送剤1の代わりに下記構造の物質を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体9とする)。
長さ340mm、直径30mmのアルミシリンダー(JIS1050)を導電性支持体とし、下記組成の下引層塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順次塗布、乾燥し、0.9μmの下引層、0.3μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成して感光体を得た(感光体11とする)。
(下引層塗工液)
アセチルアセトンジルコニウムブトキシド 20部
(オルガチックスZC540、松本製薬工業社製)
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 2部
(A1100、日本ユニカー社製)
ポリビニルブチラール樹脂 1.5部
(エスレックBM−S、積水化学社製)
n−ブチルアルコール 70部
(電荷発生層塗工液)
下記組成の分散液を下に示す条件のビーズミリングにより作製した。
ポリビニルブチラール 10部
(BX−1、積水化学社製)
2−ブタノン 280部
市販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解させた2−ブタノン及び顔料を全て投入し、ローター回転数1200rpmで30分間分散を行い、分散液を作製した。この分散液中の顔料粒子の粒度分布を、CAPA−700(堀場製作所社製)を用いて測定した。その結果、平均粒径0.30μm、標準偏差0.19μmであった。
(電荷輸送層塗工液)
電子輸送剤1 9部
Z型ポリカーボネート樹脂 10部
(パンライトTS2040、帝人化成社製)
テトラヒドロフラン 120部
シリコーンオイル 0.01部
(KF50−100CS、信越化学工業社製)
テトラヒドロフランにZ型ポリカーボネート樹脂を溶解させた後、電子輸送剤1、シリコーンオイルの順に加えて、不溶部がなくなった時点で電荷輸送層塗工液とした。
(比較例6)
下引層を設けなかった以外は、実施例6と同様に感光体を作製した(感光体12とする)。
(比較例7)
電子輸送剤1の代わりに、下記構造の物質を用いた以外は、実施例6と同様に感光体を作製した(感光体13とする)。
図4に示す画像形成装置に感光体1を搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として655nmLEDを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように帯電部材への印加バイアス、半導体レーザーの光量を設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続1万枚印刷を行った。
現像バイアス:+350V
現像部位における露光部の表面電位:+70V
評価は、1万枚の画像印刷前後における感光体の露光部の電位を測定することにより行った。具体的には、図4に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を+500Vに帯電させた後、半導体レーザーでベタ書き込みを行い、現像部位における未露光部の表面電位及び露光部電位を測定した。また、1万枚後において白ベタ画像を出力し、地肌部の汚れを評価した。なお、地汚れ画像評価は4段階で行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。評価結果を表2に示す。
感光体1の代わりに、感光体2〜14を用いた以外は、実施例9と同様に評価を行った。プロセス条件として、感光体の帯電電位(未露光部の電位)は+500V、現像バイアスは+350Vになるように固定した。露光量は、実施例7における感光体初期状態において、露光部電位が70Vになる光量と同じ光量に設定し、疲労試験前後における露光部の表面電位を測定した。
(実施例13)
長さ340mm、直径30mmのアルミシリンダー(JIS1050)を導電性支持体とし、下記組成の下引層塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順次塗布、乾燥し、0.9μmの下引層、0.3μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成して感光体を得た(感光体15とする)。
(下引層塗工液)
アセチルアセトンジルコニウムブトキシド 20部
(オルガチックスZC540、松本製薬工業社製)
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 2部
(A1100、日本ユニカー社製)
ポリビニルブチラール樹脂 1.5部
(エスレックBM−S、積水化学社製)
n−ブチルアルコール 70部
(電荷発生層塗工液)
下記組成の分散液を下に示す条件のビーズミリングにより作製した。
ポリビニルブチラール 10部
(BX−1、積水化学社製)
2−ブタノン 280部
電子輸送剤1 1部
市販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラール及び電子輸送剤1を溶解させた2−ブタノン及び顔料を全て投入し、ローター回転数1200rpmで30分間分散を行い、分散液を作製した。
(電荷輸送層塗工液)
下記構造の電荷輸送物質 7部
(パンライトTS2040、帝人化成社製)
テトラヒドロフラン 120部
シリコーンオイル 0.01部
(KF50−100CS、信越化学工業社製)
テトラヒドロフランにZ型ポリカーボネート樹脂を溶解させた後、電荷輸送物質、シリコーンオイルの順に加えて、不溶部がなくなった時点で電荷輸送層塗工液とした。
(比較例17)
電子輸送剤1を使用しない以外は、実施例13と同様に感光体を作製した(感光体16とする)。
(実施例14)
図4に示す画像形成装置に感光体15を搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として655nmLEDを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように帯電部材への印加バイアス、半導体レーザーの光量を設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続1万枚印刷を行った。
現像バイアス:−650V
現像部位における露光部の表面電位:−110V
評価は、1万枚の画像印刷前後における感光体の未露光部の電位を測定することにより行った。具体的には、図4に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体15が初期状態で−900Vに帯電される印加バイアスに固定し、現像部位における未露光部の表面電位を測定した。この際、感光体1周目と2周目について評価を行った。評価結果を表3に示す。
感光体15の代わりに、感光体16を用いた以外は、実施例14と同様に評価を行った。(実施例15)
図7に示すプロセスカートリッジに感光体1を装着し、図8に示すタンデム型フルカラー画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材として図5に示す非接触ローラー帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として655nmLEDを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続1万枚印刷を行った。
現像バイアス:+350V(ネガ・ポジ現像)
除電後の表面電位(書き込み光未露光部):+80V
評価は、1万枚の画像印刷前後における感光体の露光部の電位を測定することにより行った(黒ステーション)。具体的には、図8に示す現像部位置に、表面電位計を搭載し、感光体を+500Vに帯電した後、半導体レーザーでベタ書込みを行い、現像部位における露光部の電位を測定した。また、1万枚の印刷後において、ISO/JIS−SCID画像N1(ポートレート)を出力して、カラー色の再現性について評価した。なお、色再現性評価は4段階で行い、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表した。さらに、1万枚の印刷後において、白ベタ画像を出力し、地肌汚れ評価を行った。評価結果を表4に示す。
1 感光体
3 帯電ローラ
21 ギャップ形成部材
22 金属シャフト
23 画像形成領域
24 非画像形成領域
図7
1 感光体
3 帯電ローラ
5 画像露光部
15 クリーニングブラシ
16 現像ローラ
17 転写ローラ
図8
1C、1M、1Y、1K 感光体
2C、2M、2Y、2K 帯電部材
3C、3M、3Y、3K レーザー光
4C、4M、4Y、4K 現像部材
5C、5M、5Y、5K クリーニング部材
6C、6M、6Y、6K 画像形成要素
10 転写搬送ベルト
11C、11M、11Y、11K 転写ブラシ
12 定着装置
Claims (10)
- 導電性支持体上に、少なくとも下引層及び感光層を有する感光体であって、
該下引層は、有機金属化合物及びシランカップリング剤を含有し、
該感光層は、式(1)で表される電子輸送剤及び電荷発生物質を含有することを特徴とする感光体。
- 前記下引層は、前記有機金属化合物及びシランカップリング剤に相溶する結着樹脂をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の感光体。
- 前記有機金属化合物は、有機ジルコニウム化合物又は有機チタニウム化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光体。
- 前記電荷発生物質は、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の感光体。
- 前記チタニルフタロシアニンは、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、9.4゜、9.6゜及び24.0゜にピークを有すると共に、7.3゜に最も低角側のピークを有し、
該7.3°と9.4゜の間にピークを有さないと共に、26.3°にピークを有さないことを特徴とする請求項4に記載の感光体。 - 前記チタニルフタロシアニンの平均粒子サイズは、0.25μm以下であることを特徴とする請求項5に記載の感光体。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の感光体を有することを特徴とする画像成形装置。
- 前記感光体と、前記感光体を帯電する帯電装置と、該帯電された感光体に像露光を行い、静電潜像を形成する像露光装置と、該静電潜像を現像する現像装置とを少なくとも有する画像形成要素が複数配列されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の感光体と、該感光体に形成される静電潜像を現像する現像装置と、該感光体をクリーニングするクリーニング装置とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項9に記載のプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像成形装置。
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