JP4726715B2 - 電子写真感光体、画像形成装置、フルカラー画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
このような欠陥は主に感光体の局部的な電位リークに基づく現象であることがほとんどであり、感光体の耐圧性の向上、帯電均一性の向上、電位保持均一性の向上が主たる課題になっている。この点に鑑み、導電性支持体と感光層の間に中間層(下引き層)を設ける試みがなされてきた。この結果、感光体の耐圧性が向上し、前記地肌汚れ等の画像欠陥は減少する方向に進んだ。
例えば、摩耗量が小さくなったため、感光体の繰り返し使用時に表面に堆積する物質が増加し、その結果、画像ボケ等の異常画像が発生するようになった。この点に関しては、保護層の改良や感光体の使用方法(例えば、ドラムヒーターの採用等)により解決される。
このような更なる表面保護層の改良、感光体の使いこなし技術の開発により、感光体の耐摩耗性は更に向上し、感光体の寿命は明らかに延びた。この結果、保護層を用いない状況下では考えられないような長い期間、感光体が使用されるようになり、感光体摩耗・電荷リークに基づく画像欠陥等の範疇では、予測の付かなかった感光体の静電疲労が律速の寿命を迎えるようになってきた。
感光体の静電特性とは、画像形成装置内で言えば未露光部電位と露光部電位であり、これらが如何に安定して推移するかと言うことになる。前者は感光体の帯電性及び帯電保持性により決まり、後者は感光体の光感度及び残留電位によって決まる。これらは、適切な表面保護層を設けることにより、感光体静電容量の変化が小さくなり、変化量が小さくなることを見いだした。但し、その一方で新たな課題(例えば、感光体の1周目の未露光部帯電電位が低下する)が発生し、これが感光体の寿命を律する新たな課題になり得ることが分かった。本発明者らは、感光層及び/又は中間層に特定の電子輸送剤を含有させることによりこれらを安定に維持できることを見いだした。
(1)導電性支持体上に、少なくとも感光層と表面保護層を有する電子写真感光体であって、該感光層が下記式(2)〜(8)で表される電子輸送剤の群から選ばれる少なくとも1つの電子輸送剤を含有し、表面保護層が水素を含有するダイヤモンド状カーボン及び/又は非晶質カーボン構造であることを特徴とする電子写真感光体。
(5)前記感光層に含有される電荷発生物質が、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の電子写真感光体。
(6)前記チタニルフタロシアニンの平均粒子サイズが0.25μm以下であることを特徴とする前記第(5)項に記載の電子写真感光体。
(8)少なくとも感光体と、この感光体の表面を一様に帯電する帯電装置と、一様帯電後に像露光を行い静電潜像を形成する像露光装置と、前記静電潜像にトナーを現像する現像装置とを具備してなる画像形成要素を複数配列したフルカラー画像形成装置において、前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の電子写真感光体が搭載されたことを特徴とするフルカラー画像形成装置。
(10)前記第(9)項に記載のプロセスカートリッジが搭載されたことを特徴とする画像形成装置。
(11)前記第(9)項に記載のプロセスカートリッジが搭載されたことを特徴とするフルカラー画像形成装置。
第1図は、本発明の電子写真感光体の構成を表わす断面図であり、導電性支持体31上に、感光層33と保護層39が設けられている。
第2図は、本発明の電子写真感光体の別の構成例を示す断面図であり、導電性支持体31上に、電荷発生層35、電荷輸送層37と保護層39が設けられている。
第3図は、本発明の更に別の構成を表す断面図であり、導電性支持体31上に、中間層41、電荷発生層35、電荷輸送層37と保護層39が設けられている。
また、これらの中でも陽極酸化皮膜処理を簡便に行うことのできるアルミニウムからなる円筒状支持体が最も良好に使用できる。ここでいうアルミニウムとは、純アルミニウム系あるいはアルミニウム合金のいずれをも含むものである。具体的には、JIS 1000番台、3000番台、6000番台のアルミニウムあるいはアルミニウム合金が最も適している。陽極酸化皮膜は各種金属、各種合金を電解質溶液中において陽極酸化処理したものであるが、中でもアルミニウムもしくはアルミニウム合金を電解質溶液中で陽極酸化処理を行ったアルマイトと呼ばれる被膜が本発明に用いる感光体には最も適している。特に、反転現像(ネガ及びポジ現像)に用いた際に発生する点欠陥(黒ポチ、地汚れ)を防止する点で優れている。
また、整流性のある導電性高分子や、帯電極性に合わせてアクセプター(ドナー)性の樹脂・化合物などを加えて、基体からの電荷注入を制抑するなどの機能を持たせても良い。
バインダー樹脂としては、熱硬化型樹脂が良好に使用される。特に、アルキッド/メラミン樹脂の混合物が最も良好に使用される。この際、アルキッド/メラミン樹脂の混合比は、モアレ防止層の構造及び特性を決定する重要な因子である。両者の比(重量比)が5/5〜8/2の範囲が良好な混合比の範囲として挙げることが出来る。5/5よりもメラミン樹脂がリッチであると、熱硬化の際に体積収縮が大きくなり塗膜欠陥を生じやすくなったり、感光体の残留電位を大きくする方向にあり望ましくない。また、8/2よりもアルキッド樹脂がリッチであると、感光体の残留電位低減には効果があるものの、バルク抵抗が低くなりすぎて地汚れが悪くなる方向になり望ましくない。
また、2種の酸化チタンの混合比率(重量比)も重要な因子である。T2/(T1+T2)が0.2よりも小さい場合には、酸化チタンの充填率がそれほど大きくなく、地汚れ抑制効果が十分に発揮出来ない。一方、0.8よりも大きな場合には、隠蔽力が低下し、モアレを発生させる場合がある。従って、0.2≦T2/(T1+T2)≦0.8であることが重要である。
また、モアレ防止層の膜厚は1〜10μm、好ましくは2〜5μmとするのが適当である。膜厚が1μm未満では効果の発現性が小さく、10μmを越えると残留電位の蓄積を生じるので望ましくない。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生物質としては、特に限定はなく、公知の材料を用いることが出来る。中でも、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンは有用に用いることが出来る。特に、特開2001−19871号公報に記載の結晶型、CuKαの特性X線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶が良好に用いられ、更に26.3°にピークを有さない結晶は有効に使用できる。更に、上記結晶型を有し、結晶合成時あるいは分散濾過処理により、平均粒子サイズを0.25μm以下にし、粗大粒子の存在しないチタニルフタロシアン結晶(特開2004−83859号公報、特開2004−78141号公報)は最も有用に使用できる。
必要に応じて電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等があげられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。中でも、環境への負荷低減等の意図から、非ハロゲン系溶媒の使用は望ましいものである。具体的には、テトラヒドロフランやジオキソラン、ジオキサン等の環状エーテルやトルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、及びそれらの誘導体が良好に用いられる。
更に電荷輸送層の構成として、架橋構造からなる電荷輸送層も有効に使用される。架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、3次元の網目構造を形成するものである。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発現するものである。
このような網目構造を有する電荷輸送層は、耐摩耗性が高い反面、架橋反応時に体積収縮が大きく、あまり厚膜化するとクラックなどを生じる場合がある。このような場合には、電荷輸送層を積層構造として、下層(電荷発生層側)には低分子分散ポリマーの電荷輸送層を使用し、上層(表面側)に架橋構造を有する電荷輸送層を形成しても良い。
その他の電子供与性基を有する重合体としては、公知単量体の共重合体や、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマーや、また、例えば特開平3―109406号公報、特開2000―206723号公報、特開2001―34001号公報等に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることも可能である。
該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
ナフタレンカルボン酸は公知の合成方法(例えば、米国特許6794102号公報、Industrial Organic Pigments 2nd edition, VCH, 485 (1997) など)に従い、下記反応式より合成される。
一方例えばnが1の場合はナフタレンカルボン酸の三量体であるが、R1、R2の置換基を適切に選択することにより、オリゴマーでも優れた電子移動特性が得られる。このように繰り返し単位nの数により、オリゴマーからポリマーまで幅広い範囲のナフタレンカルボン酸誘導体が合成される。
オリゴマー領域の分子量が小さい範囲では、段階的に合成することで、単分散の化合物を得ることができる。分子量が大きい化合物の場合は、分子量に分布をもった化合物が得られる。
感光層が単層構成の場合、感光層中で発生した電子正孔の両方を移動させる必要があるため、電荷輸送物質として電子輸送物質と正孔輸送物質を併用することが好ましい。この場合式(1)又は式(A)の電子輸送剤は電子輸送物質として使用される。
式(1)又は式(A)の電子輸送剤は結着樹脂100重量部に対して5〜300重量部、好ましくは10〜150重量部が適当である。また正孔輸送材料は、バインダー樹脂成分100重量部に対して5〜300重量部、好ましくは20〜150重量部が適当である。電子輸送材料と正孔輸送材料を併用する場合は、電子輸送材料と正孔輸送材料の総量が、バインダー樹脂成分100重量部に対して20〜300重量部、好ましくは30〜200重量部が適当である。
電荷発生層中に添加される場合には帯電極性にかかわらず電子輸送物質として使用される。この場合、式(1)又は式(A)の電子輸送剤の添加量は、電荷発生物質に対し1〜100重量%好ましくは5〜50重量%が適当である。
本発明においては式(1)又は式(A)の電子輸送剤が、感光層と中間層の両方に含有されていてもよい。
式(B)で表される電子輸送剤は、式(1)及び式(A)で表される電子輸送剤に対して1〜50重量%が適当である。少なすぎると所望の効果が得られず、また、式(B)で表される電子輸送剤は式(1)及び式(A)で表される電子輸送剤に比べ電子輸送能が劣るため、多すぎる場合には感度が低下してしまう。
本発明で使用できる保護層としては、水素を含有するダイヤモンド状カーボン若しくは非晶質カーボン構造を有する。表面保護層は、好ましくはSP3軌道を有するダイヤモンドと類似のC−C結合を有する方が望ましい。なお、SP2軌道を有するグラファイトと類似の構造を持つ膜でも構わないし、更に非晶質性のものでも構わない。また窒素、フッ素、硼素、リン、塩素、臭素、沃素等の添加物元素が含有されていてもかまわない。表面保護層の体積抵抗は、好ましくは109〜1012Ω・cm、さらにさらに好ましくは1010〜1011Ω・cmである。表面保護層のヌープ硬度は、400kg/mm2以上であることが望ましく、また、表面保護層の光透過率は、露光される光の波長に対して、50%以上であることが望ましい。表面保護層の膜厚は、好ましくは0.5〜5μmである。
図4は、本発明の画像形成プロセスおよび画像形成装置を説明するための概略図であり、下記に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図4において、感光体1は導電性支持体上に少なくとも感光層と特定の保護層、又は中間層と感光層と特定の保護層が設けられてなり、感光層及び/又は中間層には前記式(1)又は式(A)で表される電子輸送剤を含有してなる。感光体はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電ローラ3、転写前チャージャ7、転写チャージャ10、分離チャージャ11、クリーニング前チャージャ13には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラ、転写ローラを始めとする公知の手段が用いられる。
また、近接配置した帯電部材とは、感光体表面と帯電部材表面の間に200μm以下の空隙(ギャップ)を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。空隙の距離から、コロトロン、スコロトロンに代表される公知の帯電器とは区別されるものである。本発明において使用される近接配置された帯電部材は、感光体表面との空隙を適切に制御できる機構のものであればいかなる形状のものでも良い。例えば、感光体の回転軸と帯電部材の回転軸を機械的に固定して、適正ギャップを有するような配置にすればよい。中でも、帯電ローラの形状の帯電部材を用い、帯電部材の非画像形成部両端にギャップ形成部材を配置して、この部分のみを感光体表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させる、あるいは感光体非画像形成部両端ギャップ形成部材を配置して、この部分のみを帯電部材表面に当接させ、画像形成領域を非接触配置させる様な方法が、簡便な方法でギャップを安定して維持できる方法である。特に特開2002−148904号、特開2002−148905号に記載された方法は良好に使用できる。帯電部材側にギャップ形成部材を配置した近接帯電機構の一例を図5に示す。前記方式を用いることで、帯電効率が高くオゾン発生量が少ない、装置の小型化が可能、さらには、トナー等による汚れが生じない、接触による機械的摩耗が発生しない等の利点を有していることから良好に使用される。さらに印加方式としては、交流重畳を用いることでより帯電ムラが生じにくい等の利点を有し、良好に使用できる。
また、画像露光部5には、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度を確保できる光源が使用される。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザーは照射エネルギーが高く、また600〜800nmの長波長光を有するため、前述の電荷発生材料であるフタロシアニン顔料が高感度を示すことから良好に使用される。かかる光源等は、図4に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られ、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
以上の図示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図6において支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは感光層側から行ってもよいし、また、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。
一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
図8において、符号1C,1M,1Y,1Kはドラム状の感光体であり、感光体1は導電性支持体上に少なくとも感光層と特定の保護層、又は中間層と感光層と特定の保護層が設けられてなり、感光層及び/又は中間層には前記式(1)又は式(A)で表される電子輸送剤を含有してなる。
この感光体1C,1M,1Y,1Kは図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材2C,2M,2Y,2K、現像部材4C,4M,4Y,4K、クリーニング部材5C,5M,5Y,5Kが配置されている。帯電部材2C,2M,2Y,2Kは、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。この帯電部材2C,2M,2Y,2Kと現像部材4C,4M,4Y,4Kの間の感光体表面側より、図示しない露光部材からのレーザー光3C,3M,3Y,3Kが照射され、感光体1C,1M,1Y,1Kに静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体1C,1M,1Y,1Kを中心とした4つの画像形成要素6C,6M,6Y,6Kが、転写材搬送手段である転写搬送ベルト10に沿って並置されている。転写搬送ベルト10は各画像形成ユニット6C,6M,6Y,6Kの現像部材4C,4M,4Y,4Kとクリーニング部材5C,5M,5Y,5Kの間で感光体1C,1M,1Y,1Kに当接しており、転写搬送ベルト10の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写ブラシ11C,11M,11Y,11Kが配置されている。各画像形成要素6C,6M,6Y,6Kは現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
(電子輸送剤1の合成)
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.0g(18.6mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン2.14g(18.6mmol)とDMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。さらに回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、モノイミド体A 2.14g(収率31.5%)を得た。
第二工程
100ml4つ口フラスコに、モノイミド体A 2.0g(5.47mmol)と、ヒドラジン一水和物0.137g(2.73mmol)、p−トルエンスルホン酸10mg、トルエン50mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。さらに回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、電子輸送剤1を0.668g(収率33.7%)を得た。
質量分析(FD−MS)において、M/z=726のピークが観測されたことにより目的物であると同定した。元素分析は計算値、炭素69.41%、水素5.27%、窒素7.71%に対し、実測値で炭素69.52%、水素5.09%、窒素7.93%あった。
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.0g(18.6mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノプロパン1.10g(18.6mmol)とDMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。さらに回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、モノイミド体B 2.08g(収率36.1%)を得た。
第二工程
100ml4つ口フラスコに、モノイミド体B 2.0g(6.47mmol)と、ヒドラジン一水和物0.162g(3.23mmol)、p−トルエンスルホン酸10mg、トルエン50mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。さらに回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、電子輸送剤2を0.810g(収率37.4%)を得た。
質量分析(FD−MS)において、M/z=614のピークが観測されたことにより目的物であると同定した。元素分析は計算値、炭素66.45%、水素3.61%、窒素9.12%に対し、実測値で炭素66.28%、水素3.45%、窒素9.33%あった。
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物10g(37.3mmol)とヒドラジン一水和物0.931g(18.6mmol)、p−トルエンスルホン酸20mg、トルエン100mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。さらに回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、二量体C 2.84g(収率28.7%)を得た。
第二工程
100ml4つ口フラスコに、二量体C 2.5g(4.67mmol)、DMF30mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノプロパン0.278g(4.67mmol)とDMF10mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、モノイミド体C 0.556g(収率38.5%)を得た。
第三工程
50ml4つ口フラスコに、モノイミド体C 0.50g(1.62mmol)、DMF10mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノヘプタン0.186g(1.62mmol)とDMF5mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、反応容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。さらに回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、電子輸送剤3を0.243g(収率22.4%)を得た。
質量分析(FD−MS)において、M/z=670のピークが観測されたことにより目的物であると同定した。元素分析は計算値、炭素68.05%、水素4.51%、窒素8.35%に対し、実測値で炭素68.29%、水素4.72%、窒素8.33%あった。
200ml4つ口フラスコに、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.0g(18.6mmol)、DMF50mlを入れ、加熱還流させた。これに、2−アミノペンタン1.62g(18.6mmol)とDMF25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣にトルエンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に回収品をトルエン/ヘキサンにより再結晶し、モノイミド体E 3.49g(収率45.8%)を得た。
第二工程
100ml4つ口フラスコに、モノイミド体E 3.0g(7.33mmol)と、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物0.983g(3.66mmol)、ヒドラジン一水和物0.368g(7.33mmol)、p−トルエンスルホン酸10mg、トルエン50mlを入れ、5時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて2回精製した。更に回収品をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、電子輸送剤4を0.939g(収率13.7%)得た。質量分析(FD−MS)において、M/z=934のピークが観測されたことにより目的物であると同定した。元素分析は計算値、炭素66.81%、水素3.67%、窒素8.99%に対し、実測値で炭素66.92%、水素3.74%、窒素9.05%であった。
(顔料合成例1)
特開2001−19871号公報に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン29.2gとスルホラン200mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド20.4gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後、析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、次にメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過し、次いで、洗浄液が中性になるまでイオン交換水(pH:7.0、比伝導度:1.0μS/cm)により水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8、比伝導度は2.6μS/cmであった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40gをテトラヒドロフラン200gに投入し、4時間攪拌を行った後、濾過を行い、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た。これを顔料1とする。
前記ウェットケーキの固形分濃度は、15質量%であった。結晶変換溶媒は、前記ウェットケーキに対する質量比で33倍の量を用いた。なお、顔料合成例1の原材料には、ハロゲン含有化合物を使用していない。
得られたチタニルフタロシアニン粉末を、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークと最低角7.3±0.2°にピークを有し、9.4°、9.6°、24.0°に主要なピークを有し、かつ7.3°のピークと9.4°のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン粉末を得られた。その結果を図9に示す。
また、顔料合成例1で得られた水ペーストの一部を80℃の減圧下(5mmHg)で、2日間乾燥して、低結晶性チタニルフタロシアニン粉末を得た。水ペーストの乾燥粉末のX線回折スペクトルを図10に示す。
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
−チタニルフタロシアニン結晶の合成−
顔料合成例1の方法に従って、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを合成し、次のように結晶変換を行い、顔料合成例1よりも一次粒子の小さなフタロシアニン結晶を得た。
特開2004−83859号公報、実施例1に準じて、顔料合成例1で得られた結晶変換前の水ペースト60質量部にテトラヒドロフラン400質量部を加え、室温下でホモミキサー(ケニス、MARKIIfモデル)により強烈に撹拌(2000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行った。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキを得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶8.5質量部を得た。これを顔料2とする。顔料合成例1の原材料には、ハロゲン含有化合物を使用していない。前記ウェットケーキの固形分濃度は、15質量%であった。結晶変換溶媒は、前記ウェットケーキに対する質量比で44倍の量を用いた。
上述のように観察されたTEM像をTEM写真として撮影し、映し出されたチタニルフタロシアニン粒子(針状に近い形)を30個任意に選び出し、それぞれの長径の大きさを測定する。測定した30個体の長径の算術平均を求めて、平均粒子径とした。以上の方法により求められた顔料合成例1における水ペースト中の平均粒子径は、0.06μmであった。
また、顔料合成例1及び顔料合成例2における濾過直前の結晶変換後チタニルフタロシアニン結晶を、テトラヒドロフランでおよそ1質量%になるように希釈し、上の方法と同様に観察を行った。上記のようにして求めた平均粒子径を表1に示す。なお、顔料合成例1及び顔料合成例2で作製されたチタニルフタロシアニン結晶は、必ずしも全ての結晶の形が同一ではなかった(三角形に近い形、四角形に近い形など)。このため、結晶の最も大きな対角線の長さを長径として、計算を行った。
長さ340mm、直径30mmのアルミシリンダー(JIS1050)を導電性支持体とし、下記組成の中間層塗工液、感光層塗工液を塗布、乾燥し、0.9μmの中間層、20μmの感光層を形成した。引き続き、感光層上に下記の方法により、2.5μmの保護層を設けて感光体を得た(感光体1とする)。
◎中間層塗工液
アセチルアセトンジルコニウムブトキシド 20部
(オルガチックスZC540、松本製薬工業社製)
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 2部
(A1100、日本ユニカー社製)
ポリビニルブチラール樹脂 1.5部
(エスレックBM−S、積水化学(株)製)
n−ブチルアルコール 70部
まず、電荷発生材料として先に合成した顔料1を30重量部、シクロヘキサンノン970重量とともにボールミル装置にて2時間分散せしめ、電荷発生材料分散液とした。これとは別にテトラヒドロフラン340重量部に、Z型ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量;4万、帝人化成社製) 49重量部、先に合成した電子輸送剤1を20重量部、下記構造式の化合物29.5重量部、及びシリコーンオイル(KF50−100CS 信越化学工業社製)0.1重量部を溶解せしめ、これに前述の電荷発生材料分散液66.6重量部を添加し撹拌して感光層塗工液とした。
このようにして作製した有機感光層を図11〜図13に示すようなプラズマCVD装置にセットし、表面保護層を形成した。ここで図11中、107はプラズマCVD装置の真空槽であり、ゲート弁109によりロード/アンロード用予備室117と仕切られている。真空槽107内は排気系120(圧力調整バルブ121、ターボ分子ポンプ122、ロータリーポンプ123よりなる)により真空排気され、また一定圧力に保たれるようになっている。真空槽107内には反応槽150が設けられている。反応槽は図12、図13に示すような枠状構造体102(電極側より見て四角又は六角形状を有している)と、この両端の開口部を覆うようにしたフード108、118、更にこのフード108、118に配設された一対の同一形状を有する第一及び第二の電極103、113(アルミニウム等の金属メッシュを用いている)より構成されている。130は反応槽150内へ導入するガスラインを示しており、各種材料ガス容器が接続されており、それぞれ流量計129を経てノズル125より反応槽150の中へ導入される。
枠状構造体102中には、前記感光層を形成した支持体111(111−1、111−2…111−n)が図12、図13のように配置される。なおこのそれぞれの支持体は、後述するように第三の電極として配置される。電極103、113には、それぞれ第一の交番電圧を印加するための一対の電源115(115−1、115−2)が用意されている。第一の交番電圧の周波数は、1〜100MHzである。これらの電源は、それぞれマッチングトランス116−1、116−2とつながる。このマッチングトランスでの位相は位相調整器126により調整し、互いに180°又は0°ずれて供給できる。即ち、対称型又は同相型の出力を有している。マッチングトランスの一端104及び他端114は、それぞれ第一及び第二の電極103、113に連結されている。また、トランスの出力側中点105は接地レベルに保持されている。更に、この中点105と第三の電極、即ち支持体101(101−1、101−2…101−n+1)又はそれらに電気的に連結するホルダ102の間に第二の交番電圧を印加するための電源119が配設されている。この第二の交番電圧の周波数は、1〜500KHzである。この第一及び第二の電極に印加する第一の交番電圧の出力は、13.56MHzの周波数の場合0.1〜1KWであり、第三の電極即ち支持体に印加する第二の交番電圧の出力は、150KHzの周波数の場合約100Wである。
CH4流量:200sccm
H2流量:100sccm
反応圧力 :0.05torr
第一の交番電圧出力:100W 13.56MHz
バイアス電圧(直流分):−200V
実施例1において、使用した電子輸送剤1の代わりに電子輸送剤2を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体2とする)。
(実施例3)
実施例1において、使用した電子輸送剤1の代わりに電子輸送剤3を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体3とする)。
(実施例4)
実施例1における感光層塗工液において、使用した顔料1の代わりに顔料2を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体4とする)。
実施例4において、使用した電子輸送剤1の代わりに電子輸送剤4を用いた以外は実施例4と同様にして感光体を作製した(感光体5とする)。
(実施例6)
実施例4において、使用した「電子輸送剤1:20重量部」を「電子輸送剤1:15重量部、下記構造の電子輸送剤:5重量部」に変更した以外は実施例4と同様にして感光体を作製した(感光体6とする)。
実施例1において、保護層を設けない以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体7とする)。
(比較例2)
実施例1において、感光層塗工液に電子輸送剤1を使用しない以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体8とする)。
実施例1において、使用した電子輸送剤1の代わりに下記構造の物質を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体9とする)。
実施例1において、使用した電子輸送剤1の代わりに下記構造の物質を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製した(感光体10とする)。
長さ340mm、直径30mmのアルミシリンダー(JIS1050)を導電性支持体とし、下記組成の中間層塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順次塗布、乾燥し、0.9μmの中間層、0.3μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成した。次いで、2.5μmの保護層を形成して感光体を得た(感光体11とする)。
◎中間層塗工液
アセチルアセトンジルコニウムブトキシド 20部
(オルガチックスZC540、松本製薬工業社製)
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 2部
(A1100、日本ユニカー社製)
ポリビニルブチラール樹脂 1.5部
(エスレックBM−S、積水化学(株)製)
n−ブチルアルコール 70部
◎電荷発生層塗工液
下記組成の分散液を下に示す条件のビーズミリングにより作製した。
顔料合成例1で作製したチタニルフタロシアニン顔料 15部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 10部
2−ブタノン 280部
市販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノンおよび顔料を全て投入し、ローター回転数1200r.p.m.にて30分間分散を行ない、分散液を作製した。
先に合成した電子輸送剤1 9部
Z型ポリカーボネート樹脂 10部
(帝人化成:パンライトTS2040)
テトラヒドロフラン 120部
シリコーンオイル 0.01部
(KF50−100CS 信越化学工業社製)
テトラヒドロフランにZ型ポリカーボネート樹脂を溶解し、次いで電子輸送剤1、シリコーンオイルの順に加えて、不溶部がなくなった時点で電荷輸送層塗工液とした。
◎保護層
実施例1と同じ条件で成膜した。
実施例7における電荷輸送層塗工液に使用した電子輸送剤1の代わりに、電子輸送剤4を用いた以外は実施例7と同様に感光体を作製した(感光体12とする)。
(実施例9)
実施例7における電荷輸送層塗工液に使用した「電子輸送剤1:9部」を、「電子輸送剤1:7部、下記構造の電子輸送剤:2部」に変更した以外は実施例7と同様に感光体を作製した(感光体13とする)。
実施例7において、保護層を設けない以外は、実施例7と同様に感光体を作製した(感光体14とする)。
(比較例6)
実施例7における電荷輸送層塗工液に使用した電子輸送剤1の代わりに、下記構造の物質を用いた以外は実施例7と同様に感光体を作製した(感光体15とする)。
実施例7における電荷輸送層塗工液に使用した使用した電子輸送剤1の代わりに、下記構造の物質を用いた以外は実施例7と同様に感光体を作製した(感光体16とする)。
以上のように作製した感光体1を図4に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として655nmLEDを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように帯電部材への印加バイアス、半導体レーザーの光量を設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続5万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位): +500V
現像バイアス: +350V
現像部位における露光部表面電位: +70V
実施例10において使用した感光体1の代わりに、感光体2〜16を用いた以外は実施例10と同様に評価を行った。プロセス条件として、感光体帯電電位(未露光部電位)は+500V、現像バイアスは+350Vになるように固定した。露光量は、実施例10における感光体初期状態において、露光部電位が70Vになる光量と同じ光量に設定し、疲労試験前後における露光部表面電位を測定した。結果を表2に示す。
長さ340mm、直径30mmのアルミシリンダー(JIS1050)を導電性支持体とし、下記組成の中間層塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を順次塗布、乾燥し、3.5μmの中間層、0.3μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成した。更に下記の条件にて、2.5μmの保護層を電荷輸送層上に設けて感光体を得た(感光体17とする)。
◎中間層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 84部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
◎電荷発生層塗工液
下記組成の分散液を下に示す条件のビーズミリングにより作製した。
顔料合成例1で作製したチタニルフタロシアニン顔料 15部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 10部
2−ブタノン 280部
先に合成した電子輸送剤1 1部
市販のビーズミル分散機に直径0.5mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラール及び電子輸送剤1を溶解した2−ブタノンおよび顔料を全て投入し、ローター回転数1200r.p.m.にて30分間分散を行ない、分散液を作製した。
下記構造の電荷輸送物質 7部
(帝人化成:パンライトTS2040)
テトラヒドロフラン 120部
シリコーンオイル 0.01部
(KF50−100CS 信越化学工業社製)
テトラヒドロフランにZ型ポリカーボネート樹脂を溶解し、次いで電荷輸送物質、シリコーンオイルの順に加えて、不溶部がなくなった時点で電荷輸送層塗工液とした。
◎保護層
実施例1と同じ条件で成膜した。
実施例19における中間層を、電荷ブロッキング層/モアレ防止層の積層構成とした以外は、実施例19と同様に感光体を作製した(感光体18とする)。下記組成の電荷ブロッキング層塗工液、モアレ防止層塗工液を塗布乾燥して、0.5μmの電荷ブロッキング層、3.5μmのモアレ防止層を形成した。
◎電荷ブロッキング層塗工液
N−メトキシメチル化ナイロン(FR101:鉛市製) 5部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
◎モアレ防止層塗工液
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm) 126部
アルキッド樹脂[ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、
大日本インキ化学工業製] 33.6部
メラミン樹脂[スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、
大日本インキ化学工業製] 18.7部
2−ブタノン 100部
実施例20における電荷発生層塗工液に使用した電子輸送剤1の代わりに、電子輸送剤4を用いた以外は実施例20と同様に感光体を作製した(感光体19とする)。
実施例20における電荷発生層塗工液、電荷ブロッキング層塗工液をそれぞれ下記の組成のものに変更した以外は、実施例20と同様に感光体を作製した(感光体20とする)。
◎電荷発生層塗工液
下記組成の分散液を下に示す条件のビーズミリングにより作製した。
顔料合成例1で作製したチタニルフタロシアニン顔料 15部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 10部
2−ブタノン 280部
◎電荷ブロッキング層塗工液
N−メトキシメチル化ナイロン(FR101:鉛市製) 5部
先に合成した電子輸送剤1 1部
メタノール 70部
n−ブタノール 30部
実施例22における電荷ブロッキング層塗工液に使用した電子輸送剤1の代わりに、電子輸送剤4を用いた以外は実施例22と同様に感光体を作製した(感光体21とする)。
実施例19における表面保護層の作製条件を以下の条件にすること以外は全て実施例19と同様にして作製した(感光体22とする)。
CH4流量 :100sccm
H2流量 :200sccm
N2流量 :35sccm
反応圧力 :0.02torr
第一の交番電圧出力 :100W 13.56MHz
バイアス電圧(直流分) :−150V
作製した表面保護層のXPS分析の結果、表面保護層中に窒素が含有していることが確認された。
実施例19における表面保護層の作製条件を以下の条件にすること以外は全て実施例19と同様にして作製した(感光体23とする)。
C2H4流量:100sccm
H2流量:50sccm
C2F6流量:100sccm
反応圧力:0.01torr
第一の交番電圧出力:100W 13.56MHz
バイアス電圧(直流分):−200V
作製した表面保護層のXPS分析の結果、表面保護層中にフッ素が含有していることが確認された。
実施例19における表面保護層の作製条件を以下の条件にすること以外は全て実施例19と同様にして作製した(感光体24とする)。
C2H4流量:90sccm
H2流量:200sccm
PH3流量:45sccm
反応圧力:0.02torr
第一の交番電圧出力:100W 13.56MHz
バイアス電圧(直流分):−150V
作製した表面保護層のXPS分析の結果、表面保護層中にリンが含有していることが確認された。
実施例19における表面保護層の作製条件を以下の条件にすること以外は全て実施例19と同様にして作製した(感光体25とする)。
C2H4流量:90sccm
H2流量:200sccm
CH3Cl流量:50sccm
反応圧力:0.01torr
第一の交番電圧出力:100W 13.56MHz
バイアス電圧(直流分):−150V
作製した表面保護層のXPS分析の結果、表面保護層中に塩素が含有していることが確認された。
実施例19における表面保護層の作製条件を以下の条件にすること以外は全て実施例19と同様にして作製した(感光体26とする)。
C2H4流量:90sccm
H2流量:200sccm
CH3Br流量:30sccm
反応圧力:0.02torr
第一の交番電圧出力:100W 13.56MHz
バイアス電圧(直流分):−150V
作製した表面保護層のXPS分析の結果、表面保護層中に臭素が含有していることが確認された。
実施例19において、保護層を設けない以外は実施例19と同様に感光体を作製した(感光体27とする)。
(比較例16)
実施例19における電荷発生層塗工液に使用した電子輸送剤1を使用しない以外は、実施例19と同様に感光体を作製した(感光体28とする)。
(比較例17)
実施例22における電荷ブロッキング層塗工液に使用した電子輸送剤1の代わりに、下記構造の物質を用いた以外は実施例22と同様に感光体を作製した(感光体29とする)。
実施例22における電荷ブロッキング層塗工液に使用した電子輸送剤1の代わりに、下記構造の物質を用いた以外は実施例22と同様に感光体を作製した(感光体30とする)。
以上のように作製した感光体17を図7に示すようなプロセスカートリッジに装着し、図4に示すような画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として655nmLEDを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように帯電部材への印加バイアス、半導体レーザーの光量を設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続5万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位): −900V
現像バイアス: −650V
現像部位における露光部表面電位: −130V
実施例29で使用した感光体17に代えて、感光体18〜30を用いた以外は実施例29と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
先に作製した感光体17を図7に示すようなプロセスカートリッジに装着し、図8に示すようなタンデム型フルカラー画像形成装置に搭載し、画像露光光源を780nmの半導体レーザー(ポリゴン・ミラーによる画像書き込み)、帯電部材としてスコロトロン帯電器、転写部材として転写ベルトを用い、除電光源として655nmLEDを用いた。試験前のプロセス条件が下記になるように設定し、書き込み率6%のチャート(A4全面に対して、画像面積として6%相当の文字が平均的に書かれている)を用い、連続5万枚印刷を行った。
感光体帯電電位(未露光部電位): −700V
現像バイアス: −500V
現像部位における露光部表面電位: −110V
評価は、5万枚の画像印刷前後において、図14に示す画像を出力し、ハーフトーン部における残像の程度を評価した。極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。
また、5万枚の画像印刷前後において、白ベタ画像を出力し、地肌汚れを評価した(黒ステーション)。極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。
また、5万枚の印刷後において、ISO/JIS−SCID画像N1(ポートレート)を出力して、カラー色の再現性について評価した。尚、色再現性評価は4段階にて行ない、極めて良好なものを◎、良好なものを○、やや劣るものを△、非常に悪いものを×で表わした。
以上の結果を表4に示す。
実施例39で使用した感光体17に代えて、感光体18〜30を用いた以外は実施例39と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
先に作製した感光体4について、オゾン濃度10ppmの環境に5日間放置するオゾン暴露試験を行った。オゾン暴露試験後に画像評価及び解像度の評価を行った。
評価は実施例10で用いた画像形成装置及びプロセス条件で行った。
(画像評価)
評価用画像を出力し、目視で地汚れ、かぶり、画像濃度等を総合的にランク評価した。
(解像度)
ハーフトーン画像を出力し、ドット形成状態(ドットの散り具合やドット再現性)を観察した。
いずれの場合も評価ランクは、以下の通りである。
◎:非常に良好
○:良好
△:やや劣る
×:非常に悪い
評価結果を表5に示す。
実施例49において使用した感光体4の代わりに、感光体6,11,13を用いた以外は実施例49と同様に評価を行った。
結果を表5に示す。
31 支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層
41 中間層
(図5)
1 感光体
3 帯電ローラ
21 ギャップ形成部材
22 金属シャフト
23 画像形成領域
24 非画像形成領域
(図7)
1 感光体
3 帯電ローラ
15 クリーニングブラシ
16 現像ローラ
17 転写ローラ
(図8)
1C、1M、1Y、1K 感光体
2C、2M、2Y、2K 帯電部材
3C、3M、3Y、3K レーザー光
4C、4M、4Y、4K 現像部材
5C、5M、5Y、5K クリーニング部材
6C、6M、6Y、6K 画像形成要素
10 転写搬送ベルト
11C、11M、11Y、11K 転写ブラシ
(図11〜図13)
101、111 支持体
102 枠状構造体
103、113 電極
107 真空槽
108、118 フード
109 ゲート弁
115、119 電源
120 排気系
130 ガスライン
150 反応槽
Claims (11)
- 導電性支持体上に、少なくとも感光層と表面保護層を有する電子写真感光体であって、該感光層が下記式(2)〜(8)で表される電子輸送剤の群から選ばれる少なくとも1つの電子輸送剤を含有し、表面保護層が水素を含有するダイヤモンド状カーボン及び/又は非晶質カーボン構造であることを特徴とする電子写真感光体。
- 導電性支持体上に、少なくとも中間層、感光層及び表面保護層を有する電子写真感光体であって、該中間層が下記式(2)〜(8)で表される電子輸送剤の群から選ばれる少なくとも1つの電子輸送剤を含有し、表面保護層が水素を含有するダイヤモンド状カーボン及び/又は非晶質カーボン構造であることを特徴とする電子写真感光体。
- 前記表面保護層が、更に窒素、フッ素、リン、塩素及び臭素よりなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層に含有される電荷発生物質が、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記感光層に含有される電荷発生物質が、CuKαの特性X線に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有し、更に9.4゜、9.6゜、24.0゜に主要なピークを有し、最も低角側の回折ピークとして7.3゜にピークを有し、該7.3°のピークと9.4゜のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン結晶であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 前記チタニルフタロシアニンの平均粒子サイズが0.25μm以下であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体が搭載されたことを特徴とする画像成形装置。
- 少なくとも感光体と、この感光体の表面を一様に帯電する帯電装置と、一様帯電後に像露光を行い静電潜像を形成する像露光装置と、前記静電潜像にトナーを現像する現像装置とを具備してなる画像形成要素を複数配列したフルカラー画像形成装置において、請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体が搭載されたことを特徴とするフルカラー画像形成装置。
- 装置本体に対して着脱可能であり、少なくとも、回転もしくは回動される電子写真感光体と、該電子写真感光体に形成される潜像を現像する現像部と、像転写後の像担持体表面を清浄面化するクリーニング部とを有する、画像形成装置用のプロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項9記載のプロセスカートリッジが搭載されたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項9記載のプロセスカートリッジが搭載されたことを特徴とするフルカラー画像形成装置。
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