JP2007079067A - 画像加熱装置、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シートを搬送するベルトの片寄りを修正されても、シートを円滑に循環するようにして、シートに対するトナー画像の定着を確実に行えるようにする。
【解決手段】 定着器114は、ローラ14,15に懸架されて循環し、シート上の画像をニップ部にて加熱するためのエンドレスベルト13と、ベルトをその幅方向へ揺動させる修正機構と、ベルトに当接するオイル塗布ローラ16とを有している。オイル塗布ローラ16は、ベルト13とともに変位するようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ベルトの片寄りを修正しながらベルトを搬送するベルト搬送装置によって記録材を搬送しながら記録材にトナー画像を定着する画像加熱装置と、この画像加熱装置を備えた画像形成装置とに関する。
電子写真方式を用いたプリンタ、複写機等の画像形成装置は、記録材としてのシートにトナー画像を転写する転写器や、そのトナー画像をシートに定着する画像加熱装置等を備えている。そして、シートを搬送するのにベルト搬送装置を使用されることがある(特許文献1)。
その従来のベルト搬送装置を説明する。
図16は、特許文献1に記載のベルト搬送装置の概略図である。このベルト搬送装置6は、懸架部材としての複数のローラ2,3,4に懸架された無端状のエンドレスベルト(以下、単に「ベルト」と言う)1を駆動ローラ3によって循環させている。ベルト1は、画像形成装置の中間転写ベルトとして使用されている。
ベルト1の内面や、ローラ2,3,4の周面には、トナー、紙粉、塵埃等の異物が付着することがある。ベルト搬送装置6は、ベルト1に異物が付着すると、ベルト1とローラ2,3,4との間に異物が入り込み、ベルト1とローラ2,3,4との間の摩擦係数が低下して、ベルトを一定の循環速度で循環させることが困難になる。
また、このように、ベルト搬送装置6のベルト1の循環速度にむらが生じると、画像形成装置は、色ずれを起こしたり、ジターやバンディング等により書込み画像を不均一にしたりして、シートに高品質の画像を形成するのが困難になる。
そこで、特許文献1に記載のベルト搬送装置は、ベルト1に付着した異物を除去するクリーナである当接部材としての回転体5を備えて、ベルトの循環速度にむらが生じないようにしている。
また、ベルト搬送装置によっては、ベルトが懸架されるものとしてローラの他に、ベルトに面接触している回転しない固定の接触部材を備えたものもある。このベルト搬送装置は、ベルトを接触部材に擦らせて循環させるため、ベルトにシリコンオイルなどの潤滑剤を当接部材としての塗布部材で塗布して、ベルトと接触部材との摩擦抵抗を少なくし、ベルトが円滑に循環できるようにしている。
さらに、ベルトは片側に寄って循環することがある。このため、ベルト搬送装置によっては、ローラの両端にフランジを備えて、ベルトが所定量以上、片寄らないようにしているものもある。また、所定のローラを他のローラに対して傾斜させて、例えば、図16において、符号3で示すローラを符号2で示すローラに対して傾斜させて、ベルトの循環位置を修正して、ベルトに片寄りが生じないようにしているベルト搬送装置もある。
特開2003−84639号公報
しかし、従来のベルト搬送装置は、ベルトの循環位置を修正すため、所定のローラ3を傾斜させて、ベルトを多少捩じったとき、クリーナとしての回転体5にベルトの片側が強く接触して、ベルトの全幅が回転体5に均一の押圧力で接触しなくなる。すなわち、従来のベルト搬送装置は、回転体5に対するベルトの接触状態が変わることがあった。このため、従来のベルト搬送装置は、ベルトに付着した異物を回転体5で確実に除去することができないで、ベルトに循環速度むらを生じさせて、ベルトを円滑に循環させることができなかった。
また、従来のベルト搬送装置は、ベルトの循環位置を修正すため、所定のローラ3を傾斜させたとき、塗布部材に対してもベルトの全幅が均一の押圧力で接触しなくなることがあった。すなわち、この場合においても、塗布部材に対するベルトの接触状態が変わることがあった。この場合のベルト搬送装置は、塗布部材がベルト全幅に潤滑剤を均一に塗布することができないで、接触部材に対するベルトの摩擦抵抗が増大し、ベルトに循環速度むらが生じて、ベルトを円滑に循環させることができなかった。
また、以上の回転体5と塗布部材が、ベルトを案内する案内部材であっても、案内部材にベルトの片側が強く接触するので、ベルトが円滑に循環することができない。
以上のベルト搬送装置によって搬送されるシートにトナー画像を定着する画像加熱装置は、トナー画像を転写されたシートが、循環速度むらが生じるベルトによって搬送されるため、シートにトナー画像を均一に定着することができなかった。また、速度むらによって、トナー画像に光沢むらが生じて画質の低下原因になっていた。
さらに、以上のような画像加熱装置を備えた画像形成装置は、シートに形成されたトナー画像の品質を向上させるのが困難であった。
なお、以上説明したベルト搬送装置は、中間転写ベルトを循環させるようになっているが、トナー画像をシートに定着する定着器におけるベルトも循環させることができる。この場合においても、ベルトを円滑に循環させることができなかった。さらに、一般の、駆動力伝達ベルトや、搬送ベルトなども循環させることができるが、その場合においても、ベルトを円滑に循環させることができなかった。
本発明は、エンドレスベルトを懸架される懸架部材を傾斜させてベルトの片寄りを修正しても、ベルトを円滑に循環できるベルト搬送装置によって転写材を搬送させて転写材にトナー画像を均一に定着する画像加熱装置を提供することにある。
さらに、転写材にトナー画像を均一に定着する画像加熱装置を備えて品質のよいトナー画像を転写材に形成できる転写材転写材画像形成装置を提供することにある。
本発明の画像加熱装置は、記録材上の画像をニップ部にて加熱するためのエンドレスベルトと、このベルトを懸架する懸架部材と、この懸架部材の長手方向一端側を変位させることによりベルトをその幅方向へ揺動させる揺動手段と、を有する画像加熱装置において、ベルトに当接する当接部材を有し、この当接部材が懸架部材とともに変位するよう構成したことを特徴としている。
本発明の画像形成装置は、トナー画像を形成される像担持体と、前記像担持体の画像を記録材に転写する転写部と、前記記録材に前記画像を定着する画像加熱装置と、を備え、前記画像加熱装置が、上記の画像加熱装置であることを特徴としている。
本発明の画像加熱装置は、転写材を搬送するエンドレスの片寄りを修正したとき、ベルトがねじれても、当接部材がベルトのねじれに追従して傾くので、ベルトが一定の循環速度で円滑に循環するようになっている。従って、本発明の画像加熱装置は、一定の速度で循環するベルトでシートを搬送することができて、シートにトナー画像を均一に定着することができる。
本発明の画像形成装置は、転写材にトナー画像を均一に定着する画像加熱装置を備えているので、品質のよいトナー画像を転写材に形成することができる。
以下、本発明の実施形態の画像加熱装置、及び画像形成装置を図に基づいて説明する。
(画像形成装置)
図9は、本発明の実施形態における電子写真方式を採用した画像形成装置としてのプリンタの概略断面図である。なお、画像形成装置には、プリンタ、複写機、ファクシミリ、及びこれらの複合機等があり、本発明の画像形成装置は、プリンタに限定されるものではない。また、本発明の実施形態の説明において、示している数値は参考数値であって、本発明を限定するものではない。
画像形成装置としてのプリンタ100は、主に、転写材としてのシートにトナー画像を形成する画像形成部120と、シートに形成されたトナー画像を加熱、加圧して定着する定着器114と、プリンタ全体を制御する制御部117とを備えている。なお、プリンタ100が備えている画像加熱装置114は、第1実施形態の画像加熱装置であるが、第2実施形態の画像加熱装置115に置き換えてもよい。
画像形成部120は、像担持体としての感光体ドラム102の傍に帯電器103が設けられている。感光体ドラム102の表面は、帯電器103によって一様に帯電処理される。そして、感光ドラム102は、露光器104から画像に応じた光Lを照射されて、表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器106によって現像されてトナー画像となる。
一方、装置下部の給送カセット109には、シートPが収納されている。シートPは、給送ローラ110によって給送カセット109からレジストローラ対111に送られる。レジストローラ対111は、シートの斜行を修正した後、感光体ドラム102のトナー画像にタイミングを合わせて、感光体ドラム102と転写部としての転写ローラ107との間にシートを送り込む。
感光体ドラム102上のトナー画像は、転写ローラ107によってシート上に静電転写される。トナー画像が転写されたシートは、画像加熱装置としての定着器114に搬送される。感光体ドラム102上に残留したトナーは、クリーニング装置108によって除去される。
そして、シートは、定着器114において加熱、加圧されて、トナー画像を定着される。その後、トナー画像が定着されたシートPは、排出ローラ対112によって装置上部の排出トレイ113に搬送されて排出される。
以上のプリンタ100は、後述する、シートにトナー画像を均一に定着する定着器114(又は115)を備えているので、品質の良いトナー画像をシートに形成することができる。
(第1実施形態の画像加熱装置としての定着器)
(構造の説明)
図1乃至図8に基づいて第1実施形態の画像加熱装置としての定着器を説明する。定着器114は、加熱ローラ11と、ベルト搬送装置121とで構成されている。
ベルト搬送装置121は、無端状のエンドレスベルト(以下、単に「ベルト」と言う)13、加圧ローラ14、ステアリングローラ15、オイル塗布ローラ16、アーム部材17a,17b(図1、図7参照)、加圧パッド18、付勢ばね19a,19b、修正機構116等を備えている。
加熱ローラ11は、内部にハロゲンヒータ12を備えている。加熱ローラ11は、ハロゲンヒータ12が発する熱をシートP上のトナー画像Tに付与するとともに、ベルト13とでシートPを強く挟んで、回転しながら搬送するようになっている。図2乃至図4に示すように、加熱ローラ11の端部には、プリンタ100の本体側からの回転力を受ける駆動入力ギヤ70が設けられている。
加熱ローラ11は、例えば、外径56mm、内径50mmのアルミニウム円筒管からなる金属性コア11aを有している。この金属性コア11a内にはハロゲンヒータ12を内蔵させてある。金属製コア11aの表面には、例えば、厚さ2mm、硬度(アスカC)45゜のシリコンゴムからなる弾性層11bを、さらに弾性層11bの表層にPFAもしくはPTFE耐熱離型層11cを被覆してある。
懸架部材としての加圧ローラ14とステアリングローラ15とには、ベルト13が循環できるように所定の張力(例えば、196N)で懸架されている。
加圧ローラ14は、例えば、直径が20mmの中実ステンレス製のローラである。加圧ローラ14は、加熱ローラ11とベルト13とのニップ域の出口側に配設されて、加熱ローラ11の弾性層11bを弾性的に歪ませるように、所定の押圧力で加熱ローラ11に押圧されている。図2、図8に示すように、加圧ローラ14の軸14cは、軸受14a,14bによって側板20a,20bに設けられている。
ステアリングローラ15は、例えば、外径が20mm、内径が18mmのステンレス製の中空ローラである。ステアリングローラ15は、ベルトが両ローラ14,15の軸に沿った方向に移動して片寄って循環しているとき、あるいは蛇行しているとき、後述する修正機構116によって加圧ローラ14に対して傾斜させられて、ベルトの循環位置を修正するようになっている。また、ステアリングローラ15は、ベルト13にテンションを付与するようになっている。
ベルト13は、耐熱性を具備したものであれば適宜選定して使用してよい。ベルト13は、例えば、厚さ75μm、幅380mm、周長200mmのポリイミドフィルムに、例えば、厚さ300μmのシリコンゴムをコーティングしてある無端状のベルトである。
加熱ローラ11とベルト13とのニップ域の入口側(加圧ローラ14の上流側)に対応するベルト13の内側には、例えば、シリコンゴムで形成された加圧パッド18が配設されている。加圧パッド18は、所定圧(例えば、400N)で加熱ローラ11に押し当てられており、加圧ローラ14とともにニップを形成している。
ステアリングローラ15と加圧パッド18との間には、ベルト13の内面13aに潤滑剤を塗布する塗布部材としてのオイル塗布ローラ16が配置されている。オイル塗布ローラ16は、支持部材であるアーム部材17a,17b(図1、図4参照)によってステアリングローラ15に接続されている。アーム部材17a,17bは、ステアリングローラ15上の軸受15a,15bに回転自在に設けられている。アーム部材17a,17bの回転端部には、オイル塗布ローラ16の軸受16a,16b((図4、図7参照)が設けられている。オイル塗布ローラ16の軸16c(図4、図7参照)の両端は、軸受16a,16bに支持されている。したがって、オイル塗布ローラ16は、両端を軸受16a,16bによってアーム部材17a,17bに回転(自転)自在に設けられ、かつアーム部材17a,17bによって、ステアリングローラ15を中心にして公転するようになっている。
図4,5に示すように、オイル塗布ローラ16の内部は、1000CS程度の粘度を有する耐熱シリコンオイルを含浸した耐熱アラミドフェルト41で形成されている。耐熱アラミドフェルト41の表層は、多孔質PTFE層よりなるシート状のオイル塗布制御膜40により被覆されている。オイル塗布制御膜40は、回転方向後端部40aを前端部40bの表面側に重ねて耐熱フッ素系接着剤で接着、固定されることによりベルト13との摺擦時に端部がめくれることはない。オイル塗布ローラ16は、このような構造によって、ベルト13内面にシリコンオイルを安定供給できる機能を備えている。
アーム付勢ばね19a,19b(図1、図4)は、アーム部材17a,17bと、側板20a,20b(図3、図7参照)とに張り渡されている。アーム付勢ばね19a,19bは、オイル塗布ローラ16をベルト13に密着させて、オイル塗布ローラ16がシリコンオイルをベルト13の内面13aに確実に塗布できるようにするとともに、ベルト13にテンションを加えている。
図2、図3に示すように、側板20bの外側に突設された軸55bには、ステアリングローラ15を支持するステアリングローラ支持アーム54aが回転自在に設けられている。ステアリングローラ支持アーム54bの外周には、扇形ギヤ52が形成されている。この扇形ギヤ52には、ステッピングモータ50によって回転するウォーム51が噛合している。したがって、ステアリングローラ支持アーム54bは、軸55bを中心にしてステッピングモータ50によって回転するようになっている。
図8に示すように、側板20aの外側には、ステアリングローラ15を支持するステアリングローラ支持アーム54aが側板20bに突設された軸55aによって固定されている。
図2において、ステアリングローラ支持アーム54b、扇形ギヤ52、ウォーム51、ステッピングモータ50等は、ステアリングローラ15を加圧ローラ14に対して傾斜させて、ベルトの循環位置を修正する揺動手段としての修正機構116を構成している。
図2、図8に示すように、ステアリングローラ支持アーム54a,54bは、ステアリングローラ軸受53a,53bを保持している。ステアリングローラ軸受53a,53bは、ステアリングローラ15の軸15cを回転自在に支持して、ベルトテンション方向にスライド可能にステアリングローラ支持アーム54a,54bに保持されている。さらに、ステアリングローラ支持アーム54a,54bは、ステアリングローラ軸受53a,53bをベルトテンション方向に付勢するテンションばね56a,56bも保持している。
図2に示すように、ベルト13の側端13b近傍には、ベルト13の側端13bを検知するフォトセンサ59が配設されている。
(動作説明)
定着器114には、トナー画像Tが転写されたシートPが搬送されてくる。ベルト13は、加熱ローラ11とパッド18、並びに加熱ローラ11と加圧ローラ14とに挟まれている。シートは、ベルト13と駆動回転している加熱ローラ11とのニップに挟まれて搬送される。加熱ローラ11は、ハロゲンヒータ12によって加熱されている。したがって、定着器114は、シートを加圧加熱して、シートにトナー画像を定着しながら送り出す。
図2において、定着器114の動作中、ベルト13が、図の右側に寄ってくると、ベルト13の側端13bがフォトセンサ59の検知領域に入る。すると、それまでOFF信号を発していたフォトセンサ59は、ベルト13の側端13bを検知してON信号を制御部117に送る。制御部117は、ステッピングモータ50を回転制御して、扇形ギヤ52が形成されたステアリングローラ支持アーム54bを、軸55bを中心にして図の上方に回転させる。これによって、ステアリングローラ15の一端は上昇するが、他端は図8に示すようにステアリングローラ支持アーム54aが側板20aの外側に固定されているため位置が変化しない。
このため、ステアリングローラ15は、図2,3,4において右側が上昇して、傾くことになる。この結果、ベルト13は多少ねじれた状態になって、逆方向すなわち図2,3,4において左側に寄っていく。
ステアリングローラ15が図2,3,4において右側が上昇して傾いたとき、ベルトアーム部材17bに連結されているオイル塗布ローラ16も、ステアリングローラ15とほぼ同じように傾く。ベルト13は多少ねじれた状態になっているが、オイル塗布ローラ16は、ベルトアーム部材17a,17bによってステアリングローラ15に回転自在に連結されているため、付勢ばね19a,19bに抗して、ベルト13の捩じれた状態に合わせて傾くことができる。
このように、ベルトのねじれに追従して、ステアリングローラ15とオイル塗布ローラ16の平行度が崩れることができるので、オイル塗布ローラ16はベルト13の内面13aに密着している状態が維持されている。このため、オイル塗布ローラ16は、ベルトの内面にシリコンオイルを確実に塗布することができる。
その後、ベルト13の側端13bがフォトセンサ59の検知領域から外れると、フォトセンサ59はOFF信号を制御部117に送る。
制御部117は、ステッピングモータ50を回転制御して、ウォーム51、扇形ギヤ52を介して、ステアリングローラ支持アーム54bを、軸55bを中心にして図の下方に回転させる。すると、ステアリングローラ15の一端は下降するが、他端は図8に示すようにステアリングローラ支持アーム54aが側板20aの外側に固定されているため位置が変化しない。
このため、ステアリングローラ15は、図2,3,4において右側が下降して、傾くことになる。この結果、ベルト13は多少ねじれた状態になって、逆方向すなわち図2,3,4において右側に寄っていく。
ステアリングローラ15が、図2,3,4において右側が下降して傾いたとき、ベルトアーム部材17a,17bに連結されているオイル塗布ローラ16も、ステアリングローラ15とほぼ同じように傾く。ベルト13は多少ねじれた状態になっているが、オイル塗布ローラ16は、ステアリングローラ15にベルトアーム部材17a,17bによって回転自在に連結されているため、付勢ばね19a,19bに抗して、ベルト13の捩じれた状態に合わせて傾く。したがって、この場合においても、ベルト13のねじれに追従して、オイル塗布ローラ16は、ベルト13の内面13aに密着している状態が維持されて、ベルトの内面にシリコンオイルを確実に塗布することができる。
この一連の繰り返しの制御動作によって、ベルト13は長手方向に蛇行を続けることになり、ベルト13が片寄りして循環するのが防止される。
以上の構成により、ステアリングローラ15の片側端部(図1の奥側端部)をベルトステアリング(位置修正)のため、矢印B方向に変位させると、ステアリングローラ15とオイル塗布ローラ16の平行度が崩れることがある。しかし、オイル塗布ローラ16はベルト13内面の位置変異に追随して常に安定して当接されている。
また、ベルト13の周長精度誤差や、テンションばね56a、56bの付勢力のバラツキなどの諸部品の誤差要因によってステアリングローラ15とオイル塗布ローラ16の平行度だけでなく軸間距離もまた変動することがある。このような場合においても、オイル塗布ローラ16は、ベルト13の内面13aの位置変異に追随するので、常に安定して内面13aに当接していることができる。
したがって、オイル塗布ローラ16のオイル塗布機能も安定し、結果としてベルト13の内面13aと加圧パッド18との間の摩擦抵抗が軽減して、ベルト13を長期間、安定して状態で搬送することができる。
このように、第1実施形態の定着器は、長期間安定して搬送されるベルトによってシートを搬送してトナー画像をシートに定着するので、トナー画像をシートに均一に、かつ確実に定着することができる。
(第2実施形態の定着器としての画像加熱装置)
(構造の説明)
図10乃至図15に基づいて第2実施形態の画像加熱装置としての定着器を説明する。ベルト13周辺の構成は、第1実施形態の定着器114と同様な構成であるので、その部分については、第1実施形態の定着器114と同一の符号を付して、説明を省略する。
定着器115は、誘導加熱コイル35、第2実施形態のベルト搬送装置122、及び第1実施形態の定着器に組み込まれているベルト搬送装置121と同様なベルト搬送装置122で構成されている。
ベルト搬送装置122は、エンドレスベルトとしての加熱ベルト30、駆動ローラ31、ステアリングローラ32、クリーニングローラ33、アーム部材34a,34b(図12乃至図14参照)、パッドステー37、付勢ばね36a,19b、修正機構118等を備えている。
加熱ベルト30は、懸架部材としての駆動ローラ31と、ベルトステアリング機能及びベルトテンションを付与する機能を有する懸架部材としてのステアリングローラ32とに循環回転可能に、かつ、所定の張力(例えば、196N)で掛け渡されている。
駆動ローラ31は、例えば、外形が18mmの中実ステンレスによって形成された芯金の表層に耐熱シリコンゴム弾性層が一体成型されたローラである。駆動ローラ31は、加熱ベルト30とベルト13とのニップ域の出口側に配設されている。駆動ローラ31の耐熱シリコンゴム弾性層は、加圧ローラ14の圧接により所定量弾性的に歪むようになっている。駆動ローラ31は、図11、図15に示す側板64a,64bに軸31cが支持されている。
ステアリングローラ32は、例えば、外径が20mm、内径が18mmのステンレス製の中空ローラであり、加熱ベルト30の移動方向に直交する幅方向の蛇行を調整するステアリングローラとしての機能と、ベルト張架ローラとしての機能とを備えている。
加熱ベルト30は、誘導加熱コイル35により発熱させられるとともに耐熱性を具備したものであれば適宜選定して使用してもよい。加熱ベルト30は、例えば、厚さ75μm、幅380mm、周長200mmのニッケル金属層、もしくはステンレス層などの磁性金属層に、例えば、厚さ300μmのシリコンゴムをコーティングしてある無端状のベルトである。
加熱ベルト30とベルト13とのニップ域の入口側(駆動ローラ31の上流側)に対応する加熱ベルト30の内側には、例えば、ステンレス鋼(SUS材)で形成されたパッドステー37が配設されている。パッドステー37は、所定圧(例えば、400N)で加圧パッド18に押し当てられており、駆動ローラ31とともにニップを形成している。
ステアリングローラ32とパッドステー37との間には、加熱ベルト30の内面を清掃する清掃部材としてのクリーニングローラ33が配置されている。クリーニングローラ33は、支持部材であるアーム部材34a,34b(図13、図14参照)によってステアリングローラ32に接続されている。アーム部材34a,34bは、ステアリングローラ32上の軸受32a,32bに回転自在に設けられている。アーム部材34a,34bの回転端部には、クリーニングローラ33の軸受33a,33b((図10、図13参照)が設けられている。クリーニングローラ33の軸33c(図4、図7参照)の両端は、軸受33a,33bに支持されている。したがって、クリーニングローラ33は、両端を軸受33a,33bによってアーム部材34a,34bに回転(自転)自在に設けられ、かつアーム部材34a,34bによって、ステアリングローラ32を中心にして公転するようになっている。クリーニングローラ33は、ステンレス鋼の芯金表層に耐熱アラミドフェルトを接着固定して形成されている。
アーム付勢ばね36a,36b(図12乃至図14)は、アーム部材34a,34bと、側板64a,64b(図12乃至図14)とに張り渡されている。アーム付勢ばね36a,36bは、クリーニングローラ33を加熱ベルト30に密着させて、クリーニングローラ33が加熱ベルト30の内面30aに付着した異物を確実に除去できるようにするとともに、加熱ベルト30にテンションを加えている。
図11、図15に示すように、側板64bの外側に突設された軸73bには、ステアリングローラ32を支持するステアリングローラ支持アーム71bが回転自在に設けられている。ステアリングローラ支持アーム71bの外周には、扇形ギヤ62が形成されている。この扇形ギヤ62には、ステッピングモータ60によって回転するウォーム61が噛合している。したがって、ステアリングローラ支持アーム71bは、軸73bを中心にしてステッピングモータ60によって回転するようになっている。
図15に示すように、側板64aの外側には、ステアリングローラ32を支持するステアリングローラ支持アーム71aが側板64bに突設された軸73aによって固定されている。
図11において、ステアリングローラ支持アーム71b、扇形ギヤ62、ウォーム61、ステッピングモータ60等は、ステアリングローラ32を駆動ローラ31に対して傾斜させて、ベルトの循環位置を修正する揺動手段としての修正機構118を構成している。
図11、図15に示すように、ステアリングローラ支持アーム71a,71bは、ステアリングローラ軸受63a,63bを保持している。ステアリングローラ軸受63a,63bは、ステアリングローラ32の軸32cを回転自在に支持して、ベルトテンション方向にスライド可能にステアリングローラ支持アーム71a,71bに保持されている。さらに、ステアリングローラ支持アーム71a,71bは、ステアリングローラ軸受63a,63bをベルトテンション方向に付勢するテンションばね72a,72bも保持している。
図11に示すように、加熱ベルト30の側端30b近傍には、加熱ベルト30の側端30bを検知するフォトセンサ65が配設されている。
(動作説明)
定着器115は、トナー画像Tが転写されたシートPが搬送されてくると、循環しているベルト13,30のニップでシートを挟んで搬送して、通過させる。このとき、ベルト13,30は、パッドステー37とパッド18、並びに駆動ローラ31と加圧ローラ14とに挟まれているので、シートを挟圧する。また、加熱ベルト30は、誘導加熱コイル35によって加熱されている。したがって、定着器115は、シートを加圧加熱して、シートにトナー画像を定着しながら送り出す。
図11において、定着器115の動作中、加熱ベルト30が、図において右側に寄ってくると、加熱ベルト30の側端30bがフォトセンサ65の検知領域に入る。すると、それまでOFF信号を発していたフォトセンサ65は、加熱ベルト30の側端30bを検知してON信号を制御部117に送る。制御部117は、ステッピングモータ60を回転制御して、扇形ギヤ62が形成されたステアリングローラ支持アーム71bを、軸73bを中心にして図の上方に回転させる。これにより、ステアリングローラ32の一端は上昇するが、他端は図15に示すようにステアリングローラ支持アーム71aが側板64aの外側に固定されているため位置が変化しない。
このため、ステアリングローラ32は、図11,12,13において右側が上昇して、傾くことになる。この結果、加熱ベルト30は多少ねじれた状態になって、逆方向すなわち図11,12,13において左側に寄っていく。
ステアリングローラ32が図11,12,13において右側が上昇して傾いたとき、ベルトアーム部材34bに連結されているクリーニングローラ33も、ステアリングローラ32とほぼ同じように傾く。加熱ベルト30は多少ねじれた状態になっているが、クリーニングローラ33は、ベルトアーム部材34a,34bによってステアリングローラ32に回転自在に連結されているため、付勢ばね36a,36bに抗して、加熱ベルト30の捩じれた状態に合わせて傾くことができる。
このように、ベルトのねじれに追従して、ステアリングローラ32とクリーニングローラ33の平行度が崩れることができるので、クリーニングローラ33は加熱ベルト30の内面30aに密着している状態が維持されている。このため、クリーニングローラ33は、ベルトの内面の異物を確実に除去することができる。
その後、加熱ベルト30の側端30bがフォトセンサ65の検知領域から外れると、フォトセンサ65はOFF信号を制御部117に送る。
制御部117は、ステッピングモータ60を回転制御して、ウォーム61、扇形ギヤ62を介して、ステアリングローラ支持アーム71bを、軸73bを中心にして図の下方に回転させる。すると、ステアリングローラ32の一端は下降するが、他端は図15に示すようにステアリングローラ支持アーム71aが側板64aの外側に固定されているため位置が変化しない。
このため、ステアリングローラ32は、図11,12,13において右側が下降して、傾くことになる。この結果、加熱ベルト30は多少ねじれた状態になって、逆方向すなわち図11,12,13において右側に寄っていく。
ステアリングローラ32が図11,12,13において右側が下降して傾いたとき、ベルトアーム部材34a,34bに連結されているクリーニングローラ33も、ステアリングローラ32とほぼ同じように傾く。加熱ベルト30は多少ねじれた状態になっているが、クリーニングローラ33は、ステアリングローラ32にベルトアーム部材34a,34bによって回転自在に連結されているため、付勢ばね36a,36bに抗して、加熱ベルト30の捩じれた状態に合わせて傾く。したがって、この場合においても、加熱ベルト30のねじれに追従して、クリーニングローラ33は、加熱ベルト30の内面30aに密着している状態が維持されて、ベルトの内面に付着した異物を確実に除去することができる。
この一連の繰り返しの制御動作によって、加熱ベルト30は長手方向に蛇行を続けることになり、加熱ベルト30が片寄りして循環するのが防止される。
以上の構成により、ステアリングローラ32の片側端部(図10の奥側端部)をベルトステアリング(位置修正)のため、矢印B方向に変位させるとステアリングローラ32とクリーニングローラ33の平行度が崩れることがある。しかし、クリーニングローラ33は加熱ベルト30内面の位置変異に追随して常に安定して当接されている。
また、加熱ベルト30の周長精度誤差や、テンションばね72a、72bの付勢力のバラツキなど、諸部品の誤差要因によってステアリングローラ32とクリーニングローラ33の平行度だけでなく軸間距離もまた変動することがある。このような場合においても、クリーニングローラ33は、加熱ベルト30の内面30aの位置変異に追随するので、常に安定して内面30aに当接していることができる。
したがって、クリーニングローラ33のクリーニング機能も安定し、結果として加熱ベルト30の内面30aとパッドステー37との間の摩擦抵抗が軽減して、加熱ベルト30を長期間、安定して状態で搬送することができる。
このように、第2実施形態の定着器は、長期間安定して搬送されるベルトによってシートを搬送してトナー画像をシートに定着するので、トナー画像をシートに均一に、かつ確実に定着することができる。
なお、ベルトアーム部材17a,17b,34a,34bは、ステアリングローラ15,32に回転自在に連結されているが、不図示の固定部材に回転自在に設けられてよい。しかし、ベルトアーム部材17a,17b,34a,34bは、ステアリングローラ15,32に設けられていた方が、ステアリングローラ15,32の傾斜に合わせて、オイル塗布ローラ16、クリーニングローラ33を傾斜させて、ベルト13,30のねじれに追従させやすい。
また、ベルトを支持するのは、全てローラである必要がない。一部、ベルトが摺動する固定部材であってもよい。
さら、ステアリングローラ15,32は、図1、図10において奥側が上下動して傾斜するようになっているが、手前側が上下動して傾斜するようになっていてもよい。
また、以上の説明は、ベルト搬送装置は、画像加熱装置に適用されている。しかし、無端状のベルトは、加熱定着ベルト30や加圧ベルト13に限らず、従来技術で説明した中間転写ベルトのようなものでもよい。また、像担持体をベルト状としたときその像担持体ベルトのようなものであってもよい。さらに、画像形成装置に限らず、無端状ベルトの高精度な移動を必要とする作像装置や表示装置などにも、同様に適用することができる。例えば、電子黒板の表示ボードのフィルム状ベルト駆動装置、スキャナの原稿搬送ベルトの駆動装置などに適用することができる。
本発明の第1実施形態における画像加熱装置としての定着器、及びベルト搬送装置の概略図である。 図1の定着器に組み込まれたベルト搬送装置の外観斜視図である。 図1の定着器に組み込まれたベルト搬送装置の外観斜視図である。 図1の定着器に組み込まれたベルト搬送装置の外観斜視図であり、一部分省略した図である。 図1の定着器に組み込まれたベルト搬送装置における、オイル塗布ローラ周辺を示す図である。 図1の定着器に組み込まれたベルト搬送装置における、オイル塗布ローラの断面図である。 図1の定着器に組み込まれたベルト搬送装置の外観斜視図であり、一部分省略した図である。 図1の定着器に組み込まれたベルト搬送装置の外観斜視図であり、一部分省略した図である。 本発明の第1実施形態における定着器、及びベルト搬送装置を備えた画像形成装置の概略図である。 本発明の第2実施形態における定着器、及びベルト搬送装置の概略図である。 図10の定着器に組み込まれたベルト搬送装置の外観斜視図である。 図10の定着器に組み込まれたベルト搬送装置の外観斜視図である。 図10の定着器に組み込まれたベルト搬送装置の外観斜視図であり、一部分省略した図である。 図10の定着器に組み込まれたベルト搬送装置の外観斜視図であり、一部分省略した図である。 図10の定着器に組み込まれたベルト搬送装置の外観斜視図であり、一部分省略した図である。 従来例の定着器に組み込まれたベルト搬送装置の概略図である。
符号の説明
S シート(転写材)
T トナー画像
11 加熱ローラ
12 ハロゲンヒータ
13 ベルト(エンドレスベルト)
14 加圧ローラ(懸架部材)
15 ステアリングローラ(懸架部材)
16 オイル塗布ローラ(塗布部材)
17a アーム部材
17b アーム部材
18 加圧パッド
20a,20b 側板
30 加熱ベルト(エンドレスベルト)
31 駆動ローラ(懸架部材)
32 ステアリングローラ(懸架部材)
33 クリーニングローラ(清掃部材)
34a アーム部材
34b アーム部材
35 誘導加熱コイル
36a アーム付勢ばね
36b アーム付勢ばね
37 パッドステー
50 ステッピングモータ
59 フォトセンサ
60 ステッピングモータ
61 ウォーム
62 扇形ギヤ
65 フォトセンサ
100 プリンタ(画像形成装置)
102 感光体ドラム(像担持体)
107 転写ローラ(転写部)
114 定着器(第1実施形態の画像加熱装置)
115 定着器(第2実施形態の画像加熱装置)
116 修正機構(揺動手段)
117 制御部
118 修正機構(揺動手段)
120 画像形成部
121 第1実施形態の定着器に組み込まれたベルト搬送装置
122 第2実施形態の定着器に組み込まれたベルト搬送装置

Claims (4)

  1. 記録材上の画像をニップ部にて加熱するためのエンドレスベルトと、
    このベルトを懸架する懸架部材と、
    この懸架部材の長手方向一端側を変位させることによりベルトをその幅方向へ揺動させる揺動手段と、を有する画像加熱装置において、
    ベルトに当接する当接部材を有し、この当接部材が懸架部材とともに変位するよう構成したことを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記ベルトをニップ部にて加圧する加圧パッドを有し、前記当接部材が前記ベルト内面に潤滑剤を塗布する塗布部材を有することを特徴とする請求項1記載の画像加熱装置。
  3. 前記当接部材が前記ベルト内面を清掃する清掃部材を有することを特徴とする請求項1記載の画像加熱装置。
  4. トナー画像を形成される像担持体と、
    前記像担持体の画像を記録材に転写する転写部と、
    前記記録材に前記画像を定着する画像加熱装置と、を備え、
    前記画像加熱装置が、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
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