JP6033120B2 - 画像加熱装置、潤滑剤塗布方法及び潤滑剤塗布容器 - Google Patents

画像加熱装置、潤滑剤塗布方法及び潤滑剤塗布容器 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置に用いられ得る画像加熱装置、この画像加熱装置の押圧部材に対して潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布方法、並びに、押圧部材等の塗布対象物に対して潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布容器に関する。
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、及びこれらの機能を複数備えた複合機等の画像形成装置が知られている。このような画像形成装置には、電子写真プロセス、静電記録プロセス、磁気記録プロセス等の適宜の画像形成プロセス手段を有するものがある。
この画像形成装置として、記録材に転写方式又は直接方式で形成し担持させた画像情報の未定着画像(未定着トナー画像)を、記録材を加熱及び加圧することによって定着する画像加熱装置としての定着装置を備えたものが知られている。この定着装置として、発熱体を有する定着部材と、この定着部材に押し当てられる加圧部材とを有するものがある。なお、記録材としては、転写シート、エレクトロファックスシート、静電記録紙、OHPシート、印刷用紙、フォーマット紙などが挙げられる。
近年では、熱伝達効率が高くて装置の立ち上がりが速いクイックスタートや、省エネルギ等の観点から、定着ベルト(エンドレスベルト)を用いたベルト加熱方式の定着装置が実用化されている。この定着装置では、例えば、セラミックヒータ(押圧部材)と加圧ローラとの間に、定着ベルトを挟み込んで定着ニップ部を形成している。そして、定着ニップ部の定着ベルトと加圧ローラとの間に、未定着トナー画像を形成し担持させた記録材を導入して、未定着トナー画像を記録材に定着する。
この定着ベルトは定着装置の他の部品よりも寿命が短いため、定着ベルトを定着装置から取り出すことにより、画像形成装置の保証利用期間の間に数回程度交換され得る。
ここで、定着ベルトのみを交換可能にした定着装置を備えた画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。この定着装置では、装置の中でも寿命が短い定着ベルトだけを交換可能に構成したことにより、その他の未だ寿命に達しない部品をそのまま使用することが可能になった。その結果、定着装置の定着ベルトに内包される部品コストを抑えることが可能になると共に、省資源という点からも効率の良い使い方ができるようになった。
特開平10−171276号公報
ところで、上述の定着装置では、定着ベルトを定着装置に組み込む製造時や定着ベルト交換時に、定着ベルトとの摺動抵抗を低減するために、セラミックヒータの摺動面にその長手方向に亘りグリス(潤滑剤)を塗布することが求められる。その際、製造者や交換者にとって、容易にグリスを塗布できるようにすることが求められている。
本発明は、エンドレスベルトを押圧する押圧部材にその延設方向に亘り潤滑剤を容易に塗布することができる画像加熱装置、潤滑剤塗布方法及び潤滑剤塗布容器を提供することを目的とする。
本発明は、画像加熱装置において、シート上のトナー像をニップ部にて加熱するエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトとの間で前記ニップ部を形成するとともに前記エンドレスベルトを回転駆動する駆動回転体と、前記エンドレスベルトの幅方向に延設され前記エンドレスベルトを前記駆動回転体に向けて押圧するための押圧部材と、前記エンドレスベルトが取り外された状態のとき前記押圧部材の前記エンドレスベルトとの摺動面に潤滑剤を塗布するための潤滑剤塗布容器のスライド移動をガイドするレール部と、を有することを特徴とする。
本発明は、前記画像加熱装置の前記押圧部材の前記エンドレスベルトとの摺動面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布方法において、前記エンドレスベルトを引き抜いて前記押圧部材から離脱させる第1工程と、前記潤滑剤塗布容器の潤滑剤排出口を前記押圧部材に向けた状態で、前記潤滑剤塗布容器を前記レール部に係合させて移動させ、前記押圧部材に潤滑剤を塗布する第2工程と、潤滑剤を塗布した前記押圧部材に対し、新たなエンドレスベルトを装着する第3工程と、を有することを特徴とする。
本発明は、塗布対象物に対して潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布容器において、潤滑剤を収容する潤滑剤収容部と、前記塗布対象物の延設方向に沿うように設けられたレール部に摺動自在に係合される被案内部と、前記被案内部が前記レール部にスライド移動をガイドされた状態で、前記塗布対象物に対して潤滑剤を塗布可能に排出する潤滑剤排出口と、前記潤滑剤収容部に着脱自在に装着されて前記潤滑剤排出口を閉止するキャップ部材と、を有することを特徴とする。
本発明によると、画像加熱装置において、エンドレスベルトの交換時に、作業者が押圧部材の延設方向に所望の潤滑剤量(グリス量)を正確に塗布することが可能になり、エンドレスベルトの交換作業を効率的に行うことができる。
本発明によると、潤滑剤塗布方法において、エンドレスベルトの交換時に、作業者が押圧部材の延設方向に所望の潤滑剤量(グリス量)を正確に塗布することが可能になり、エンドレスベルトの交換作業を効率的に行うことができる。
本発明によると、潤滑剤塗布容器において、エンドレスベルトの交換時に、作業者が押圧部材の延設方向に所望の潤滑剤量(グリス量)を正確に塗布することが可能になり、エンドレスベルトの交換作業を効率的に行うことができる。
本発明に係る第1の実施形態における定着装置を示す断面図。 (a)は第1の実施形態における図4のA−A線で断面したフィルムガイドを示す断面図、(b)は第1の実施形態における定着装置を示す側面図。 第1の実施形態におけるフィルムユニットから定着フィルム及び一方の定着フランジを取り外した状態を示す斜視図。 (a)は第1の実施形態におけるグリス塗布容器、セラミックヒータ及びフィルムガイドを長手方向に見た状態で示す断面図、(b)は凹状レール部及び凸状被案内部の部位を拡大して示す断面図。 (a)は第1の実施形態におけるグリス塗布容器の正面図、(b)はグリス塗布容器から容器キャップを取り外した状態を示す概略断面図。 (a)〜(c)は第1の実施形態における定着フィルムの交換手順を示す側面図。 (a)〜(c)は第1の実施形態における定着フィルムの交換手順を示す側面図。 第1の実施形態におけるグリス塗布時の様子を示す斜視図。 第1の実施形態における画像形成装置全体の概略構成を示す断面図。 (a)は本発明に係る第2の実施形態におけるグリス塗布容器等を示す断面図、(b)は第2の実施形態における(a)のB−B線で断面したフィルムガイドを示す断面図。
<第1の実施形態>
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態では、本発明の画像加熱装置を、未定着トナー画像を記録材に定着する定着装置に関して説明するが、この画像加熱装置は定着済み画像又は半定着画像を担持した記録材を加熱加圧して画像の表面性状を調整する加熱処理装置としても実施できる。
まず、画像形成装置1について図9を参照して説明する。なお、図9は、画像加熱装置として機能する定着装置40を搭載した画像形成装置1を記録材(シート)の搬送方向に沿って断面した概略構成図である。この画像形成装置1は、中間転写ベルト31の移動方向に沿って第1、第2、第3、第4の画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdが配置されたタンデム型フルカラーレーザプリンタ(カラー電子写真プリンタ)である。
[画像形成装置]
図9に示すように、画像形成装置1の装置本体1a内には、第1、第2、第3、第4の画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdが併設され、各々異なった色のトナー像が潜像、現像、転写のプロセスを経て形成される。これら画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdは、それぞれ専用の電子写真感光体(本例では感光ドラム11)を具備し、各感光ドラム11上に各色のトナー像が形成される。
各感光ドラム11に接するように中間転写ベルト31が設置され、感光ドラム11上にそれぞれ形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト31上に1次転写され、2次転写部33で記録材P上(シート上)に転写される。さらに、トナー像が転写された記録材Pは、定着装置40で加熱及び加圧によりトナー像が定着された後、記録画像として装置外に排出される。
なお、画像形成部Pa〜Pd及び中間転写ベルト31により、記録材上にトナー画像を形成する画像形成部が構成されている。上記定着装置40は、この画像形成部により記録材上に形成されたトナー像を記録材に定着させる。また、記録材の具体例としては、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート状のもの、厚紙、オーバーヘッドプロジェクター用のものなどが挙げられる。
感光ドラム11の各外周には、それぞれ帯電器12、現像装置14、1次転写ブレード17、及びクリーニング装置15が設けられている。また、画像形成装置1の上方部には、露光手段であるレーザスキャナ13が設置されている。
レーザスキャナ13は、不図示の光源装置から発せられたレーザ光を走査しその走査光の光束を偏向させ、fθレンズ(不図示)で感光ドラム11の母線上に集光して露光することで、帯電した感光ドラム上に、画像信号に応じた静電潜像を書き込む。
各現像装置14には、現像剤としてそれぞれY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)のトナーが、図示しない供給装置により所定量充填されている。現像装置14は、それぞれ感光ドラム11上の潜像を現像して、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像として可視化する。
中間転写ベルト31は、図9中の矢印Eで示す方向に、感光ドラム11と同じ周速度をもって回転駆動されている。感光ドラム上に形成担持された第1色のイエロートナー画像は、感光ドラム11と中間転写ベルト31とのニップ部を通過する過程で、中間転写ベルトに印加される1次転写バイアスにより形成される電界と圧力で、中間転写ベルト外周面に中間転写されていく。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー像、第3色のシアントナー像、第4色のブラックトナー像が順次中間転写ベルト31上に重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。合成カラートナー画像は、記録材Pの4辺端部より一定の余白部を残して形成される。
1次転写が終了した感光ドラム11は、それぞれのクリーニング装置15により転写残トナーをクリーニング、除去されて、引き続き次の潜像の形成以下に備えられる。中間転写ベルト31上に残留したトナー及びその他の異物は、ベルトクリーニング装置37の不図示のクリーニングウエブ(不織布)が中間転写ベルト表面に当接されることで拭い取られる。
符号38は2次転写ローラを示し、この2次転写ローラ38は、中間転写ベルト31に対応し平行に軸受させて下面部に接触させて配設されている。2次転写ローラ38は、中間転写ベルト31を懸回張設させた3本のローラ32,34,35のうちのローラ34に対して中間転写ベルト31を挟ませて圧接させることで、中間転写ベルト31との間に2次転写ニップ部を形成している。2次転写ローラ38には、2次転写バイアス源によって所望の2次転写バイアスが印加されている。
中間転写ベルト31上に重畳転写された合成カラートナー画像の記録材Pへの転写は、以下のように行われる。つまり、給紙カセット20又はマルチ給紙トレイ25から、1枚ずつ送り出されてレジストローラ対23に送り込まれる。レジストローラ対23は、記録材Pを一旦受け止めて、記録材Pが斜行している場合、斜行を補正する。
そして、レジストローラ対23により中間転写ベルト31上のトナー画像と同期を取って送り出された記録材Pは、転写前ガイド36を通過して、2次転写ニップ部に所定のタイミングで送り込まれる。同時に、2次転写バイアスが2次転写バイアス電源から印加され、この2次転写バイアスにより、中間転写ベルト31から記録材Pへ合成カラートナー画像が転写される。トナー画像の転写を受けた記録材Pは、定着前ガイド2を介して定着装置40へ順次導入され、熱と圧力を加えられることによってトナー画像を定着される。
記録材Pの片面だけにトナー画像を形成する場合、記録材Pは、切換え部材(フラッパ)61の切り換えで排紙ローラ63を介して装置本体1a側面の排紙トレイ64に排出されるか、装置本体1a上面の排紙トレイ65に排出される。記録材Pは、切換え部材61の切換え状態により、フェイスアップ(トナー画像が上側)で排紙トレイ64上に排出されるか、フェイスダウン(トナー画像が下側)で排紙トレイ65上に排出される。
一方、記録材Pの両面にトナー画像を形成する場合、定着装置40でトナー画像を定着された記録材Pは、切換え部材61の切換え状態により上方へ案内され、後端が反転ポイントRに達したとき、搬送路73でスイッチバック搬送されて表裏反転される。その後、この記録材Pは、両面搬送路70を搬送され、片面画像形成と同様の過程を経て他方の面にトナー画像を形成されて、排紙トレイ64又は排紙トレイ65上に排出される。なお、切換え部材61、搬送路73等で構成される部分は、反転手段の一例である。
[定着装置]
次に、画像加熱装置として機能する定着装置40の構成について、図を用いて詳細に説明する。前述のように画像形成装置1は定着装置40を備えており、本発明に係る画像加熱装置はこの定着装置40として適用されている。本定着装置40は、円筒状の薄肉金属の基層上に弾性層が形成された定着フィルム(ベルト)101を用いたフィルム加熱方式、加圧ローラ駆動方式の定着装置である。
まず、図1、図2(a),(b)及び図3を用いて定着装置40の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態における定着装置40の概略構成図である。図2(a)は、図4(a)におけるA−A線で断面したフィルムガイド103を示す断面図であり、図2(b)は、図9におけるC−C線の矢視方向に見た状態で示す定着装置40の側面図である。図3は、本実施形態におけるフィルムユニット111から定着フィルム101と一方の定着フランジ104を取り外した状態で示す斜視図である。
図1に示すように、定着装置40は、定着ニップ部Nを通過する(挟持搬送される)記録材上に担持した未定着トナー画像を加熱する回転可能なエンドレスベルトとしての定着フィルム101により加熱する機能を担っている。この定着装置40は、定着フィルム101、及び加圧ローラ106等を収容する不図示のケーシングを備えている。
加圧ローラ106は、定着フィルム101に圧接して定着ニップ部Nを形成する回転可能な加圧回転体として設けられている。加圧ローラ106は、定着フィルム101の外側面に当接して定着フィルム101を回転(従動回転)させる機能を有し、定着フィルム101との間で定着ニップ部Nを形成するとともに定着フィルム101を回転駆動する駆動回転体を構成する。
図1、図2及び図3に示すように、定着装置40は、加圧ローラ106と、押圧部材としてのセラミックヒータ110と、エンドレスベルトとしての円筒状の定着フィルム101と、定着フランジ104とを有している。この定着フランジ104は、フィルム101の回転軸方向(幅方向)である長手方向(図2(a)の矢印X方向)の移動量を規制するために、円筒状の定着フィルム101の両端部に装着されている。なお、セラミックヒータ(押圧部材)110は、定着フィルム101の内側に保持されて定着フィルム101を内側から加熱する発熱体を構成する。
定着装置40は、定着フィルム101を挟んで加圧ローラ106との間に定着ニップ部Nを形成するフィルムガイド103と、フィルムガイド103の強度を確保するため定着フィルム内面側に配置されるステー102とを有している。セラミックヒータ110は、定着フィルム101の幅方向(つまり、回転体としての定着フィルム101の回転軸方向)に延設されて定着フィルム101を加圧ローラ106に向けて押圧する。フィルムガイド103は、セラミックヒータ110と共に定着フィルム101の内側面に摺擦して加圧ローラ(駆動回転体)106との間に定着フィルム101を挟み込む。
セラミックヒータ110は、フィルムガイド103と共に定着フィルム101の内側面に摺擦し且つ定着フィルム101を内側から加熱する機能を持ち、定着フィルム101と加圧ローラ106との間に定着ニップ部Nを形成する。また、定着フィルム101、セラミックヒータ110、フィルムガイド103、ステー102及び定着フランジ104によって、フィルムユニット111が構成される。
図1に示すように、加圧ローラ106は、金属製の芯金106aと、この芯金106a周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂などの耐熱性を有する弾性層106bとにより構成されている。表層には、離型層106cが設けられている。この離型層106cとして、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、PTFE、FEP等の、離型性が良く耐熱性が良い材料を選択することができる。
芯金106aの両端部には、PEEK、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂からなる軸受部材113が、図2(b)に示すようにそれぞれ装着されている。芯金106aは、その軸方向両端部を、定着フレーム112の側板に軸受部材113を介して回転自在に支持されている。加圧ローラ106の芯金106aの長手方向の一端部には、駆動機構Mからの駆動回転を受ける入力ギヤ39が取り付けられている。
図1に示すように、エンドレスベルトとしての定着フィルム(ベルト)101は、記録材Pに熱を伝達する円筒状の耐熱性のフィルム(ベルト)で形成され、フィルムガイド103にルーズに外嵌されている。この定着フィルム101には、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、単層フィルムまたは複合層フィルムが用いられる。
単層フィルムとしては、フィルム膜厚が100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性を有するPTFE、PFA、FEPのものが挙げられる。複合層フィルムとしては、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等の外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングしたものが挙げられる。或いはこれらに代えて、金属製の定着フィルム101とすることも可能である。
定着フィルム101は、当接する加圧ローラ106の回転に従動回転して、セラミックヒータ110が配置されたフィルムガイド103の加熱面に密着して摺擦しながら、記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度で回転する。
フィルムガイド103としては、記録材搬送方向に交差(直交)する方向を長手方向とする横断面略半円弧状の、耐熱性及び断熱性を有する部材を用いることができる。この部材として、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、LCP樹脂等の絶縁性及び耐熱性の良い材料を挙げることができる。このようなフィルムガイド103は、定着フィルム101のバックアップ、加圧ローラ106と圧接することで形成される定着ニップ部Nの加圧、定着フィルム101の回転時の搬送安定性を図る役割を担っている。
加圧ローラ106は、定着フィルム101に当接して、記録材Pの搬送方向である図1の矢印D方向に、モータやギヤ機構を含む駆動機構Mによって所定の周速度で回転駆動される。加圧ローラ106の回転に伴い、定着ニップ部Nにおける加圧ローラ106と定着フィルム101との摩擦力で、定着フィルム101に図1の矢印E方向の回転力が作用する。これにより、定着フィルム101は、定着ニップ部Nにおいて内側面がセラミックヒータ110の下向き面に密着して摺動して、フィルムガイド103の回りを矢印E方向に回転する。
加圧ローラ106の回転に従って定着フィルム101が従動回転し、通電によってセラミックヒータ110が昇温して所定の目標温度に温調(温度調節)された状態で、定着ニップ部Nに記録材Pが導入される。定着フィルム101と加圧ローラ106との間に、未定着トナー画像を担持した記録材Pが導入されると、記録材Pのトナー像担持面が定着フィルム101の外側面に密着して定着フィルム101と共に定着ニップ部Nを通過する。このとき、セラミックヒータ110の熱が定着フィルム101を介して記録材Pに付与され、未定着トナー画像が記録材Pの面に加熱定着される。そして、定着ニップ部Nを通った記録材Pは、定着フィルム101の面から曲率分離されて排出搬送される。
図1及び図3に示すように、ステー102は、比較的柔軟な樹脂製のフィルムガイド103の裏面に当接することによって、フィルムガイド103に長手方向での強度を付与すると共にフィルムガイド103を矯正している。
図2(a)及び図3に示すように、定着フィルム101の長手方向(回転軸方向)の両端部には定着フランジ104がそれぞれ配置されている。これら定着フランジ104は、フィルムガイド103とステー102の組立体の両端部に嵌め込まれた状態で、定着フィルム101の回転を案内しつつ、定着フィルム101の長手方向への抜け出しを規制する。
図1、図2(a)及び図3に示すように、フィルムガイド103には、長尺なセラミックヒータ(押圧部材)110を嵌め込むために、底面103gが平坦な嵌め込み溝103cが長手方向(延設方向)に沿って形成されている。セラミックヒータ110は、細長薄板状のセラミック基板と、このセラミック基板面に設けられた通電発熱抵抗体層とを有している。この構成のセラミックヒータ110は、通電発熱抵抗体層への通電により全体的に急峻な立ち上がり特性で昇温可能な低熱容量のヒータであり、フィルムガイド103の下面に設けられた上記嵌め込み溝103c内に嵌め込まれて支持される。
図1及び図3に示すように、フィルムガイド103は、グリス塗布案内部Gを有している。グリス塗布案内部Gは、セラミックヒータ110(及びフィルムガイド103の一部)にグリスを塗布する際に、潤滑剤塗布容器としてのグリス塗布容器200がフィルムガイド103の短手方向(図2(a)の矢印Z方向)に外れ難くなる状態にしながら案内する。グリス塗布案内部Gは、フィルムガイド103の長手方向(延設方向)に延設された凹状のレール部103a,103bを有している。レール部103a,103bは、定着フィルム101が取り外された状態のときセラミックヒータ110の定着フィルム101との摺動面110a(図4(a)参照)にグリス(潤滑剤)を塗布するためのグリス塗布容器200のスライド移動をガイドする。レール部103a,103bは、塗布対象物であるセラミックヒータ110の摺動面(潤滑剤塗布面)110aの延設方向に沿うように設けられている。
レール部103a,103bは、定着装置40の使用時に定着フィルム101を接触させない位置に設けられており、グリス塗布容器200の被案内部203a,203bを、フィルムガイド103の延設方向に沿ってスライド移動するようにガイドする。グリス塗布容器200は、フィルムユニット111から定着フィルム101を取り外した状態でセラミックヒータ110に対してグリスを塗布する際に使用される。
ここで、図4(a)は、グリス塗布状態でのグリス塗布容器200、セラミックヒータ110及びフィルムガイド103を長手方向に見た状態で示す断面図である。図4(b)は、凹状のレール部103a(103b)と凸状の被案内部203a(203b)とが係合している部位を拡大して示す断面図である。
レール部103a,103bは、図4(a)では上方に単に開放された形状に描かれているが、実際には、図4(b)に示すように、対向する被案内部203a(203b)の基端部をそれぞれ包み込むように上端が絞られた形状に構成されている。つまり、グリス塗布容器200の被案内部203a,203bは、断面における中間部ないし先端部の少なくとも一部が基端部よりも、レール部103a,103bの幅方向(図4の左右方向)にサイズが大きくなる凸形状を有する。そしてレール部103a,103bは、この凸形状の被案内部203a,203bを夫々包み込むように係合し、被案内部203a,203bを図4上方に外れ難い状態に保った状態でガイド可能な、被案内部203a,203bの輪郭に沿った凹形状を有する。
なお、レール部103a,103bと被案内部203a,203bの凹凸形状は、これと逆の関係に構成することも可能である。つまり、レール部103a,103bを、フィルムガイド103の延設方向に沿って形成した凸状のレール部とし、被案内部203a,203bを、グリス塗布容器200に備えた凹状の被案内部として構成することもできる。この場合にも同様の効果を得ることができる。
グリス塗布容器200の被案内部203a,203bは、図3における定着フランジ104を外した側(図3では左端部)から、レール部103a,103bの各端部に押し付けられるようにして摺動可能に嵌め込まれる。このように、被案内部203a,203bがレール部103a,103bに嵌め込まれた状態で、グリス塗布容器200は、フィルムガイド103の短手方向(図2(a)矢印Z方向)に外れ難い状態に保持される。グリス塗布容器200は、この状態でフィルムガイド103上をその長手方向に沿って円滑に案内される。
レール部103a,103bの延設方向の両端部には、規定壁面103fがそれぞれ設けられている。これら規定壁面103fは、グリス塗布容器200をスライド方向で突き当てることで、フィルムガイド103への長手方向でのグリス塗布長さを所望の長さ(図2(a)のL)に規定する。両端の規定壁面103f,103fにより、セラミックヒータ110の長手方向における所望の長さだけグリスを塗布することができる。このため、規定壁面103fより長手方向外側にグリスが塗られることを防止することができる。
[グリス塗布容器の詳細な構成]
次に、定着装置40に対する定着フィルム101の交換時に使用するグリス塗布容器200の詳細な構成について、図4(a),(b)及び図5(a),(b)を用いて説明する。なお、図5(a)は、本実施形態におけるグリス塗布容器200の正面図であり、図5(b)は、グリス塗布容器200から容器キャップ204を取り外した状態を示す概略断面図である。
グリス塗布容器200は、塗布対象物であるセラミックヒータ(押圧部材)110に対してグリス(潤滑剤)を塗布する潤滑剤塗布容器を構成している。このグリス塗布容器200は、図4(a),(b)及び図5(a),(b)に示すように、グリスを収容する潤滑剤収容部である全体として略矩形状のグリス収容部材201と、被案内部203a,203bとを有している。被案内部203a,203bは、フィルムガイド103に押し当ててレール部103a,103bに摺動自在に係合した状態でスライド移動をガイドされる。グリス収容部材201は、グリスを収容する収容部201aを有している。
さらに、グリス塗布容器200は、グリス排出口201bと、グリス収容部材201に装着されて収容部201aに充填されたグリスの漏れを防止する容器キャップ204とを有している。この容器キャップ204は、収容部(潤滑剤収容部)201aに着脱自在に装着されてグリス排出口(潤滑剤排出口)201bを閉止するキャップ部材を構成する。
グリス排出口201bは、容器キャップ204がグリス収容部材201から取り外されると、収容部201a内に収容されたグリスを外部に排出することが可能になる。このグリス排出口201bは、被案内部203a,203bがレール部103a,103bにスライド移動をガイドされた状態で、セラミックヒータ110に対してグリスを塗布可能に排出する潤滑剤排出口を構成する。
本実施形態において、グリス収容部材201の収容部201aには、具体的に2[g]程度のグリスが充填されている。この2[g]の量とは、例えば図8においてグリス塗布容器200のグリス収容部材201を矢印T方向にスライドして塗布可能な片道で丁度使い切れる程度の量である。
なお、グリス塗布容器200のグリス収容部材201及び容器キャップ204の材質は、例えばポリプロピレンのような耐油、耐水性に優れたものであることが望ましい。また、グリスとしては、例えば、基油であるパーフロロポリエーテルや、増稠剤としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等から成る耐熱性の潤滑剤(耐熱性グリス)を使用することが可能である。
図5(a),(b)に示すように、グリス収容部材201から容器キャップ204を取り外すと被案内部203a,203bが露出するため、この状態の被案内部203a,203bをレール部103a,103bに押し当てて係合させることができる。この状態において、グリス排出口201bの幅(図4のL)は、グリス塗布面におけるフィルムガイド103の長手方向と直交する短手方向の幅(図4のL)と等しくなるように設定されている。
図4(a)に示すように、グリス排出口201bとセラミックヒータ110の摺動面110aとの隙間Δtは、次のように設定されている。即ち、セラミックヒータ110(及びフィルムガイド103の一部)に塗布する全グリス量をMとし、セラミックヒータ110(及びフィルムガイド103の一部)の表面積をSとすると、
Δt=M/S
となるように設計されている。
次に、本実施形態の定着装置40に対する定着フィルム101の交換手順について、図3、図6(a)〜(c)及び図7(a)〜(c)を参照して説明する。図6(a)〜(c)及び図7(a)〜(c)は、本実施形態における定着フィルム101の交換手順を示す側面図である。なお、図6(a)〜(c)及び図7(a)〜(c)では、便宜上、定着フランジ104を図3よりも小さく描いているが、いずれの定着フランジ104も同じ機能を有するものである。
本実施形態では、定着装置40のセラミックヒータ(押圧部材、塗布対象物)110に対してグリスとしての潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布方法として、大きく分けて以下のような工程を実施する。
まず、定着フィルム101を引き抜いてフィルムガイド103から離脱させる第1工程を実施する。さらに、グリス排出口201bをフィルムガイド103に向けた状態で、被案内部203a,203bをレール部103a,103bに係合させる。そして、グリス塗布容器200(グリス収容部材201)を延設方向に沿って移動させて、セラミックヒータ110にグリスを塗布する第2工程を実施する。引き続き、グリスを塗布したセラミックヒータ110に対し、新たな定着フィルム101を装着する第3工程を実施する。
以下、上記潤滑剤塗布方法について、より詳細に且つ具体的に説明する。
まず、定着フレーム112にフィルムユニット111と加圧ローラ106とが支持された状態(図6(a))から、定着フレーム112に支持されたフィルムユニット111を矢印F方向に持ち上げて定着フレーム112から取り外す(図6(b))。
そして、図6(c)に示すように、定着フレーム112から取り外して持ち上げた状態のフィルムユニット111から、その一端部に装着されている定着フランジ104を、矢印H方向に引っ張ることによって取り外す。
引き続き、図7(a)に示すように、一端部の定着フランジ104を取り外したフィルムユニット111から、定着フィルム101を矢印I方向に引っ張ることによって取り外す。この場合、定着装置40は図3に示すようになるが、この状態において、セラミックヒータ110(及びフィルムガイド103の一部)の定着フィルム101との接触部である破線で囲んだ領域Q(図3参照)には、使用後のグリスが付着して残っている場合がある。そのため、この使用後のグリスを適宜拭き取り、アルコール等で清掃する。
そして、清掃後のセラミックヒータ110(及びフィルムガイド103の一部)に新しいグリスを塗布し、グリス塗布の終了後、新たな定着フィルム101を、図7(a)で取り外した側から矢印J方向に挿入する。さらに、図7(b)において、図6(c)で取り外した一方の定着フランジ104を矢印J方向に挿入して、フィルムユニット111の一端部に装着する。
最後に、図7(c)に示すように、図6(b)の状態に組み立て直したフィルムユニット111を、定着フレーム112に向けて矢印K方向に押し下げることで図6(a)の状態に復元し、定着フィルム101の交換作業を終了させる。
ここで、図7(a)の状態で、グリス塗布容器200を用いたグリス塗布作業を行うための潤滑剤塗布方法について、図4(a),(b)、図5(a),(b)及び図8を参照して説明する。なお、図8は、本実施形態におけるグリス塗布時の様子を示す斜視図である。
まず、図5(a)に示すグリス塗布容器200から容器キャップ204を取外して、図5(b)に示す状態にする。そして、この状態のグリス収容部材201を、その被案内部203a,203bをフィルムガイド103のレール部103a,103bに合わせた状態で押し付ける。これにより、被案内部203a,203bとレール部103a,103bは、図8における定着フランジ104を外した側(図8では左端部)において、互いの弾性によって相互に係合する。
前述したように、グリス排出口201bの幅(L)は、フィルムガイド103におけるグリス塗布面の短手方向の幅(L)と等しくなるように設定されている。そのため、グリス収容部材201をフィルムガイド103に押し当てながら、グリス収容部材201内のグリスをグリス排出口201bから排出させつつ、長手方向(矢印X方向)における矢印T方向にスライドさせることができる。これにより、フィルムガイド103の長手方向に直交する矢印Y方向に外れることなく、矢印X方向に確実にスライド移動をガイドしながら、長手方向でグリスを均一の厚みに塗布することができる。
ここで、前述のようにグリス排出口201bとセラミックヒータ110との隙間ΔtがΔt=M/Sとなるように設計されるので、図8の矢印T方向にグリス収容部材201を移動させる際に、収容部201a内のグリスを丁度使い切ることができる。
本実施形態によれば、定着フィルム101の交換に際してグリスを塗布する場合、セラミックヒータ110の延設方向に作業者が所望のグリス量を正確に塗布することが可能になる。これにより、定着フィルム101の交換作業を極めて効率的に行うことができるようになる。
なお、本実施形態では、フィルムガイド103に嵌め込む押圧部材としてセラミックヒータ110を例に示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、定着フィルム101を加熱するヒータ機能の無い、SUS板のような加圧パッドを設ける例であっても良い。この場合、定着フィルム101を加熱する機構は別途設ければ良い。なお、この押圧部材としての加圧パッドは、セラミックヒータ110と同様に、定着フィルム101をその内側から加圧ローラ106に向けて押圧することにより、定着フィルムと加圧ローラとの間でニップ部を形成させるものである。このような構成であっても、本発明を同様に適用することが可能である。
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る第2の実施形態について、図10(a),(b)を参照して説明する。なお、図10(a)は、本実施形態におけるグリス塗布容器等を示す断面図であり、図10(b)は、図10(a)におけるB−B線で断面したフィルムガイド103を示す断面図である。
先の第1の実施形態では、セラミックヒータ110(及びフィルムガイド103の一部)に対し均一の厚みでグリスを塗布する場合について説明した。しかし、本実施形態では、セラミックヒータ110(及びフィルムガイド103の一部)の長手方向中央部に比べて長手方向端部に多くのグリスを塗布するように構成される。
例えば、フィルムガイド103と加圧ローラ106との長手方向の圧関係において、端部が中央部に比べて高圧である場合には、以下のようになる。つまり、セラミックヒータ110の長手方向中央部に塗布したグリスは、端部から、中央部又はフィルムガイド103と加圧ローラ106とのニップ部の外側に移動しやすくなる。その結果、セラミックヒータ110及びフィルムガイド103の長手方向でグリスの塗りムラが発生し、定着装置40の使用初期において画像品質を低下させる等の問題を生じる恐れがある。
そこで、あらかじめ長手方向の端部に、中央よりも多くのグリスを塗布しておくことで、前記問題を解決することができる。なお、本実施形態は、フィルムガイド103における長手方向のレール部103a,103bの形状のみが第1の実施形態と異なるので、それ以外の説明については省略する。
すなわち本実施形態では、フィルムガイド103は、第1の実施形態と同様に、その延設方向に沿って形成されてセラミックヒータ110を嵌め込む底面103gが平坦な嵌め込み溝103cを有している。レール部103a,103bは、嵌め込み溝103cに嵌め込まれたセラミックヒータ110の、定着フィルム内面側を向いた摺動面110a(図10(a))からの距離が、フィルムガイド103の延設方向での両端部よりも中央部で遠くなるように形成されている。
言い換えると、レール部103a,103bは、フィルムガイド103の長手方向にクラウン形状を有している。クラウン形状とは、長手方向中央部の外径が両端部の外径より大きい形状を意味するが、ここでいうクラウン形状は、図10(b)のレール部103a(103b)の長手方向で考えた際に、あたかも中央部外径が両端部外径より大きい形状に見えるからである。
グリス塗布容器200の被案内部203a,203bは、長手方向にクラウン形状を持ったレール部103a,103bに案内されて移動する。従って、長手方向にクラウン形状を有さないフィルムガイド103のグリス塗布面(図10(a)のL)と、フィルムガイド103に付けられたクラウン形状との矢印Z方向での距離は、上記ガイド103の長手方向中央から端部に向かうに従って次第に大きくなる。そのため、グリス塗布面であるセラミックヒータ110とグリス排出口201bとの間の隙間Δtが、長手方向中央から端部に行くに従って徐々に大きくなる。
このような本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、レール部103a,103bの両端部には規定壁面103fが設けられ、規定壁面103fによってフィルムガイド103への長手方向のグリス塗布長さ(L:図10(b))を規定している。
ここで、フィルムガイド103の長手方向に付与されたクラウンの凹形状を、ある関数Δt(x)とすると、セラミックヒータ110に塗布する全グリス量Mは、次式(1)となるように設計されている。
Figure 0006033120
一方、図10(a)で説明した構成とは逆に、フィルムガイド103に対して、その長手方向端部に比べて長手方向中央部に多くのグリスを塗布する場合の構成について説明する。
例えば、フィルムガイド103と加圧ローラ106との長手方向の圧関係において、中央部が端部に比べて高圧である場合には、以下のようになる。つまり、セラミックヒータ110の長手方向中央部に塗布したグリスは、中央部から端部に移動しやすくなる。その結果、セラミックヒータ110及びフィルムガイド103の長手方向でグリスの塗りムラが発生し、上記と同様に画像品質を低下させる等の問題を生じる恐れがある。
そこで、この構成例では、あらかじめ長手方向の中央部に端部よりも多くのグリスを塗布しておくことで、前記課題を解決することができる。この場合は、上述したクラウン形状とは逆のクラウン形状をレール部103a,103bに付与する。これにより、セラミックヒータ110の長手方向端部に比べて長手方向中央部に多くのグリスを塗布することができる。
即ち、この構成例では、フィルムガイド103は、上記と同様に底面103gが平坦な嵌め込み溝103cを有している。そして、レール部103a,103bは、嵌め込み溝103cに嵌め込まれたセラミックヒータ110の摺動面110aからの距離が、フィルムガイド103の延設方向での中央部よりも両端部で遠くなるように形成されている。
以上の本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができると共に、フィルムガイド103と加圧ローラ106との圧関係が長手方向で異なる場合でも、長手方向でのグリスの塗りムラを回避することができる。これにより、定着装置40の使用初期での画像品質の低下発生等の問題を解消することができる。
なお、レール部103a,103b及び被案内部203a,203bに代えて、グリス排出口201bの両端部の傾斜形状をフィルムガイド103全体の凸形状に対向させた状態で長手方向にスライド移動をガイドするように構成することも可能である。
40…画像加熱装置(定着装置)、101…エンドレスベルト(定着フィルム)、103…フィルムガイド、103a,103b…レール部、106…駆動回転体(加圧ローラ)、110…押圧部材,塗布対象物,発熱体(セラミックヒータ)、110a…摺動面、200…潤滑剤塗布容器(グリス塗布容器)、201a…潤滑剤収容部(収容部)、201b…潤滑剤排出口(グリス排出口)、203a,203b…被案内部、204…キャップ部材(容器キャップ)

Claims (8)

  1. シート上のトナー像をニップ部にて加熱するエンドレスベルトと、
    前記エンドレスベルトとの間で前記ニップ部を形成するとともに前記エンドレスベルトを回転駆動する駆動回転体と、
    前記エンドレスベルトの幅方向に延設され前記エンドレスベルトを前記駆動回転体に向けて押圧するための押圧部材と、
    前記エンドレスベルトが取り外された状態のとき前記押圧部材の前記エンドレスベルトとの摺動面に潤滑剤を塗布するための潤滑剤塗布容器のスライド移動をガイドするレール部と、
    を有することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記レール部は、前記押圧部材の延設方向に沿って形成された凹状又は凸状のレール部であり、前記潤滑剤塗布容器に備えた凸状又は凹状の被案内部を摺動可能に係合した状態で、前記押圧部材の延設方向に沿ってスライド移動をガイドすることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記潤滑剤塗布容器の被案内部は、中間部ないし先端部の少なくとも一部が基端部よりも、前記レール部の幅方向にサイズが大きくなる凸形状を有し、
    前記レール部は、凸形状の前記被案内部の輪郭に沿った凹形状を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像加熱装置。
  4. 前記レール部は、前記摺動面からの距離が前記押圧部材の延設方向での両端部よりも中央部で遠くなるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  5. 前記レール部は、前記摺動面からの距離が前記押圧部材の延設方向での中央部よりも両端部で遠くなるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  6. 前記押圧部材は、前記エンドレスベルトの内側に保持されて前記エンドレスベルトを内側から加熱する発熱体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像加熱装置の前記押圧部材の前記エンドレスベルトとの摺動面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布方法において、
    前記エンドレスベルトを引き抜いて前記押圧部材から離脱させる第1工程と、
    前記潤滑剤塗布容器の潤滑剤排出口を前記押圧部材に向けた状態で、前記潤滑剤塗布容器を前記レール部に係合させて移動させ、前記押圧部材に潤滑剤を塗布する第2工程と、
    潤滑剤を塗布した前記押圧部材に対し、新たなエンドレスベルトを装着する第3工程と、
    を有することを特徴とする潤滑剤塗布方法。
  8. 塗布対象物に対して潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布容器において、
    潤滑剤を収容する潤滑剤収容部と、
    前記塗布対象物の延設方向に沿うように設けられたレール部に摺動自在に係合される被案内部と、
    前記被案内部が前記レール部にスライド移動をガイドされた状態で、前記塗布対象物に対して潤滑剤を塗布可能に排出する潤滑剤排出口と、
    前記潤滑剤収容部に着脱自在に装着されて前記潤滑剤排出口を閉止するキャップ部材と、
    を有することを特徴とする潤滑剤塗布容器。
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