JP6778411B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、フィルムガイドの定着フィルムとの摺動表面には、潤滑部材である潤滑剤が塗布されており、定着フィルムの移動方向に対して適宜の傾斜角度をなして直線状に延在し、複数条にわたって形成された流動案内溝が、定着フィルムの移動方向でヒータの下流側に設けられている。
この複数条の流動案内溝のうち、フィルムガイドの長手方向両端部側に設けられた流動案内溝は、定着フィルムの移動方向に沿って各流動案内溝の端部が定着フィルムの幅方向内側に向かうように、傾斜角度が設定されている。これにより、定着フィルムの回転に伴って定着フィルムの中央部に向かって潤滑剤を移動させることができ、フィルムガイド及び定着フィルムの両端領域から中央領域にかけての全領域にわたって潤滑剤が良好に拡散されて均一分散せることができるとしている。
前記ニップ形成部材は、前記ニップ部を形成し、前記回転体の内周面に摺接する第一の面と、前記第一の面における前記回転体の回転方向の上流側端部側に位置し、前記回転体の回転軸方向から見たときに前記第一の面に対して所定の角度をもつ第二の面と、前記第一の面と第二の面とを接続する曲げ部とを有し、前記第二の面が前記回転体の内周面と非接触で対向するとともに、前記曲げ部で前記回転体の内周面と接触するように、前記回転体に対して配置されるものであり、
前記回転方向において前記内周面との接触が開始される前記曲げ部の接触開始縁部が前記回転方向と直交する方向に直線的に延在するよう前記曲げ部を形成し、
前記回転軸方向における前記ニップ形成部材の端部側よりも前記回転軸方向における中央部側で、前記内周面から前記第二の面までの距離が大きくなるよう前記第二の面の前記所定の角度を前記回転軸方向で異ならせたこと特徴とするものである。
図1は、本実施形態に係るプリンタ100の概略構成図である。
図1に示したプリンタ100は、複数の色画像を形成する作像部が中間転写体としての転写ベルト11の展張方向に沿って並置されたタンデム方式のカラープリンタである。しかし、本実施形態の定着装置が適用可能な画像形成装置は、この方式に限られず、またプリンタだけではなく複写機やファクシミリ装置等の画像形成装置にも適用することも可能である。
プリンタ100では、各感光体ドラム20Y,C,M,Bkに形成されたトナー像からなる可視像が、各感光体ドラムに対峙しながら矢印A1方向に移動可能な無端ベルトである転写ベルト11に対して一次転写される。この一次転写行程の実行によってそれぞれの色の画像が重畳転写され、その後、シート状の記録材である用紙Pに対して二次転写行程を実行することで一括転写される。
従動ローラ73は、転写ベルト11に対する張力付勢手段としての機能も備えており、従動ローラ73には、バネなどを用いた付勢手段が設けられている。このような転写ベルトユニット10と、一次転写ローラ12Y,C,M,Bkと、二次転写ローラ5と、ベルトクリーニング装置13とで転写装置71が構成されている。
用紙給送装置61は、プリンタ100の本体下部に配設されており、最上位の用紙Pの上面に当接する給送ローラ3を有している。給送ローラ3が図中反時計回りに回転駆動されることにより、最上位の用紙Pをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
また、ベルトクリーニング装置13は、転写ベルト11から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための排出手段を有している。
図2は、定着装置200の概要説明図である。
定着装置200は、図2に示すように、回転可能な無端状の回転体である定着部材としての定着ベルト201と、これに対向配置されて定着ベルト201の外周面と接触する接触部材である回転可能な加圧部材としての加圧ローラ203とを有している。また、定着ベルト201を非ニップ部で加熱する加熱手段としての複数の定着熱源である第一ハロゲンヒータ202Aと第二ハロゲンヒータ202Bの2本のハロゲンヒータ202により、定着ベルト201が内周側から輻射熱で直接加熱される構成となっている。
また、図2に示す定着装置200の定着ベルト201内には、定着ベルト201を介して加圧ローラ203との間でニップ部を形成するニップ形成部材206があり、定着ベルト201内面と、熱移動補助部材216を介して摺動するようになっている。そして、用紙P上のトナー像はニップ部Nにおいて、加熱・加圧により定着されることとなる。
定着ベルト201の内側には、加圧ローラ203に対向して配置されたニップ形成部材206と、ニップ形成部材206の両端部に一体に設けられた、定着ベルト201をニップ部で加熱する端部熱源としての2つの端部ヒータ226を有している。また、ニップ形成部材206と各端部ヒータ226の定着ベルト201の内面に対向する面を覆う熱移動補助部材216と、ニップ形成部材206とを加圧ローラ203からの加圧力に対抗して保持する保持部材であるステー207も有している。
熱移動補助部材216は、各端部ヒータ226の熱が局所的に留まることを防止し、積極的に長手方向に熱を移動させて長手方向の温度不均一性を低減するために設けられている。
本実例では、熱移動補助部材216の定着ベルト201の内面に対向する面は、定着ベルト201に直接接触する面であり、ニップ形成面となる。
定着ベルト201の表層はPFAまたはPTFE層などの離型層を有し、トナーが付着しないように離型性を持たせている。
定着ベルト201の基材とPFAまたはPTFE層の間にはシリコーンゴムの層などで形成された弾性層があっても良い。シリコーンゴム層がない場合は熱容量が小さくなり、定着性が向上するが、未定着画像を押し潰して定着させるときに、定着ベルト201表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部にユズ肌状の光沢ムラ(ユズ肌画像)が残るという不具合が生じ得る。これを改善するにはシリコーンゴム層を100[μm]以上設ける必要があり、このシリコーンゴム層の変形によって、微小な凹凸が吸収されユズ肌画像が改善する。
そして、定着ベルト201は、これら2つのハロゲンヒータ202により内面側から輻射熱で直接加熱される。
また、各ハロゲンヒータ202を、定着ベルト201の内周側に配置することで、回転可能な無端状の定着ベルト201を備えた定着装置200をコンパクトに構成することが容易になる。
ステー207は、両端部で保持部材としてのフランジに保持固定され位置決めされている。また、2本のハロゲンヒータ202とステー207の間に反射部材209を備え、各ハロゲンヒータ202からの輻射熱などによりステー207が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギー消費を抑制している。
ここで、反射部材209を備える代わりに、ステー207表面に断熱もしくは鏡面処理を行っても同様の効果を得ることが可能となる。
弾性ゴム層204はソリッドゴムでも良いが、加圧ローラ203内部にヒータが無い場合は、スポンジゴムを用いても良い。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト201の熱が奪われにくくなるので、より望ましい。
上述したような構成により、安価で、ウォームアップが速い定着装置200を実現することが可能となる。
図3は、定着装置200に設けたニップ形成部の従来例の斜視説明図である。なお、図2に基づいて説明した定着装置200と同様の構成については同じ符号を付し説明を省略する。
図3に示す従来例の定着装置200は、ニップ形成部材206の定着ベルト201と反対側の面が、ステー207の加圧ローラ203側の側面と接触し、一体化される。このように構成するとき、ボスとピンなどの形状を備えて組み合わせるようにしても良い。
熱移動補助部材216は、直方体状のニップ形成部材206の定着ベルト201の内面に対向する面を覆うように嵌合されて一体化されている。ここで、熱移動補助部材216とニップ形成部材206との一体構成は爪などを設けて噛み合わせれば良いが、接着等の手段を用いても良い。
また、熱移動補助部材216の加圧ローラ203に対向する対向面216aはニップ形成面となるが、機械的強度上、実質的にニップ形成面となるのはニップ形成部材206の加圧ローラ203に対向する対向基準面206cである。
図4に示すように、潤滑剤301は図中矢印で示す定着ベルト201の回転軌道に追従して、上流側から、定着ベルト201を介して加圧ローラ203とニップ形成部材206との間に形成されるニップ部(以下、単に「ニップ部」という)内へと侵入する。しかし、ニップ入り口近辺では、定着ベルト201の内面と、後述する熱移動補助部材216の入り口曲げ部216cとが接触しているか、または、定着ベルト201の内面と熱移動補助部材216の入り口曲げ部216cとの隙間が急激に小さくなっている。このため、定着ベルト201の回転軌道に追従していた潤滑剤301は、熱移動補助部材216の入り口曲げ部216cで殆どが塞き止められ、一部がニップ内へと進入する。
本実施形態に係る熱移動補助部材の第一の実施例(以下、実施例1という)について説明する。
図5(a)は、実施例1に係る熱移動補助部材216について説明図、図5(b)は、図5(a)に示す熱移動補助部材216のA−A断面図、図5(c)は、図5(a)の熱移動補助部材216のB−B断面図である。なお、図3に基づいて説明した従来例の定着装置200と同様の構成については同じ符号を付し説明を省略する。
このように熱移動補助部材216を形成することで、定着ベルト201と入り口曲げ部216cの接触点から、所定距離までの定着ベルト201と入り口曲げ面216bの隙間面積が次のようになる。すなわち、図5(b)に示す、熱移動補助部材216における長手方向端部の隙間面積の断面積301aよりも、図5(c)に示す、熱移動補助部材216における長手方向中央部の隙間面積の断面積301bの方が大きくなる。
定着ベルト201の直径に対してニップ形成部材206の幅が小さい場合は、図6に示すように、定着ベルト201の張りが弱く、入り口曲げ部216cと定着ベルト201の内周面が接触しない場合もあり得る。
この場合においても、定着ベルト201と入り口曲げ面216bとの隙間は、入り口曲げ部216cにおいて最小距離となる。このため、入り口曲げ部216cが定着ベルト201の内周面に接触する場合よりもニップ部内への潤滑剤の進入量は増加するが、入り口曲げ部216cに塞き止められて、大半は定着ベルト201と入り口曲げ面216bとの間に堆積する。このため、定着ベルト201と入り口曲げ部216cの接触点から、所定距離までの定着ベルト201と入り口曲げ面216bの隙間面積を、熱移動補助部材216における長手方向端部よりも、熱移動補助部材216における長手方向中央部の方が大きくなるようにすることで、上記と同様の理由で、潤滑剤を中央へ移動させることができる。
本実施形態に係る熱移動補助部材の第二の実施例(以下、実施例2という)について説明する。
図7は、実施例2に係る熱移動補助部材316について説明する断面説明図である。図7(a)は、熱移動補助部材の長手方向端部の断面図であり、図7(b)は、熱移動補助部材の長手方向中央部の断面図である。なお、図5に基づいて説明した実施例1の熱移動補助部材216と同様の構成については同じ符号を付し説明を省略する。本実施例の熱移動補助部材316は、入り口曲げ部316cが曲線形状となっている点が、実施例1の熱移動補助部材216と異なっている。
そこで、本実施例の熱移動補助部材316では、入り口曲げ部316cの曲線形状を除変することで、定着ベルト201の内周面の法線と入り口曲げ部316cにおける非接触領域とが交わる点から定着ベルト201の内周面まで距離を次のようにした。すなわち、熱移動補助部材316上の定着ベルト201の回転軸方向における任意の位置を最大距離として、該任意の点から熱移動補助部材316の該回転軸方向の端部に向かうにつれて小さくなるようにした。
このように、潤滑部材堆積空間300内で堆積する潤滑剤の容積を、熱移動補助部材316の長手方向端部から中央部に向かうにつれて大きくすることができ、実施例1について説明した理由と同様の理由で、回転体の端部からの潤滑部材漏れを抑制することができる。
本実施形態に係る熱移動補助部材の第三の実施例(以下、実施例3という)について説明する。
図8(a)は、実施例3に係る熱移動補助部材416についての説明図、図8(b)は、図8(a)に示す熱移動補助部材416のA−A断面図、図8(c)は、図8(a)に示す熱移動補助部材416のB−B断面図である。なお、図5に基づいて説明した実施例1の熱移動補助部材216と同様の構成については同じ符号を付し説明を省略する。本実施例の熱移動補助部材416は、入り口曲げ部416cの曲げ開始位置が熱移動補助部材416の長手方向で異なる点が、図5に基づき説明した実施例1の熱移動補助部材216と異なっている。
このように入り口曲げ部416cの曲げ開始位置を定着ベルト201の図中矢印aで示す回転軸方向にずらすことで、熱移動補助部材416の長手方向において、入り口曲げ部416cの稜線が長手方向中央部に向かって傾斜する。これにより、図9に示すように、定着ベルト201の内周面と熱移動補助部材416とによる潤滑剤の塞き止め位置が、熱移動補助部材416の長手方向(定着ベルトの回転軸軸方向)中央部に向かって傾斜する。このため、潤滑剤に掛かる塞き止め時の抵抗力を図中矢印bで示すように端部から中央向きに生じさせ、潤滑剤の移動方向を図中矢印cに示す中央向きにすることができる。
本実施形態に係る熱移動補助部材の第四の実施例(以下、実施例4という)について説明する。
図10(a)は、実施例4に係る熱移動補助部材516について説明図、図10(b)は、図10(a)に示す熱移動補助部材516のA−A断面図、図10(c)は、図10(a)に示す熱移動補助部材516のB−B断面図である。なお、図8に基づいて説明した実施例3の熱移動補助部材416と同様の構成については同じ符号を付し説明を省略する。本実施例の熱移動補助部材516は、入り口曲げ部516cが曲線形状となっている点が、実施例3の熱移動補助部材416と異なっている。
対向面516aに対する入り口曲げ面516bの角度が、熱移動補助部材516の長手方向でずれている場合、熱移動補助部材516をニップ形成部材206に精度良く嵌合するために、ニップ形成部材206も熱移動補助部材516と同様に入り口部形状を長手方向で変化させる必要がある。このため、加工が複雑になってしまう。しかし、本実施例の熱移動補助部材516によれば、入り口曲げ面516bの角度が熱移動補助部材516の長手方向でずれることがないので、一平面で形成することができ、ニップ形成部材206を容易な加工形状のまま熱移動補助部材516に嵌合することができる。
(態様A)
回転可能な無端状の定着ベルト201などの回転体と、前記回転体の外周面と接触する加圧ローラ203などの接触部材と、前記回転体の内側に配置されて前記回転体を介して前記接触部材と当接しニップ部Nなどのニップ部を形成するニップ形成部材206および熱移動補助部材216などのニップ形成部材と、前記回転体の内周面と前記ニップ形成部材との間に介在する潤滑部材と、を備えた定着装置において、前記ニップ形成部材が、前記ニップ部を形成し、前記回転体の内周面に摺接する対向面216aなどの第一の面と、前記第一の面における前記回転体の回転方向の上流側端部側に配置され、前記第一の面に対して所定の角度をもつ入り口曲げ面216bなどの第二の面と、前記第一の面と第二の面とを接続する入り口曲げ部216cなどの曲げ部とを有し、前記第二の面、前記曲げ部、及び、前記回転体の内周面で形成される潤滑部材堆積空間300などの空間に堆積する前記潤滑部材の量が、前記回転体の回転軸方向における前記ニップ形成部材の端部側よりも中央部側の方が多くなるように前記第一の面、前記第二の面、及び前記曲げ部を形成したこと特徴とする。
態様Aの定着装置において、前記回転体内部に存在する第一ハロゲンヒータ202A、第二ハロゲンヒータ202Bなどの発熱体と、前記第一の面に対して反対側に位置する前記ニップ形成部材の面と接触して前記ニップ形成部材を保持するステー207などの保持部材とを備え、
前記ニップ形成部材が、ニップ形成部材206などの基材と、前記基材に対して前記回転体の内周面側に配置されて前記基材より大きな熱伝導率を有し、前記第一の面、前記第二の面、及び、前記曲げ部を有する熱移動補助部材216などの熱伝導部材とを備え、
前記回転体の内周面の法線と前記第二の面とが交わる点から前記回転体の内周面までの距離Lなどの距離が、前記回転軸方向における任意の位置を最大距離として、該任意の位置から前記ニップ形成部材の該回転軸方向の端部に向かうにつれて小さくなるように前記第一の面、前記第二の面、及び前記曲げ部を形成した。
態様A又は態様Bの定着装置において、入り口曲げ面216bなどの前記曲げ部が定着ベルト201などの前記回転体の内周面と接触し、前記回転体の内周面の法線と前記第二の面とが交わる点から前記回転体の内周面までの距離が、前記曲げ部から前記回転方向の上流側に向かうにつれて大きくなるように前記第一の面、前記第二の面、及び前記曲げ部を形成したことを特徴とする。
本態様においては、楔効果によって、ニップ形成部材と回転体との間を、潤滑部材がすり抜けやすくすることができる。
態様A又は態様Bの定着装置において、前記曲げ部が前記回転体の内周面と非接触であり、前記回転体の内周面の法線と前記第二の面とが交わる点から前記回転体の内周面までの距離が、前記回転方向で前記曲げ部を最小値として、前記曲げ部から前記回転方向の上流側に向かうにつれて大きくなるように前記第一の面、前記第二の面、及び前記曲げ部を形成した。
態様A〜態様Dいずれかの定着装置において、入り口曲げ部316cなどの前記曲げ部が、曲線形状であることを特徴とする。
本態様においては、上記実施例2について説明したように、曲げ部が、曲線形状であることで、回転体に対して曲げ部が点接触する場合と比べて、回転体の内面への負荷を減らすことができる。
態様Eの定着装置において、入り口曲げ部316cなどの前記曲げ部と定着ベルト201などの前記回転体の内周面との間に、前記曲げ部の対向面316aなどの前記第一の面側であって前記回転体の内周面と接触する接触領域317aなどの接触領域と、前記曲げ部の前記第二の面側であって前記回転体の内周面と非接触となる非接触領域317bなどの非接触領域とを有し、前記回転体の内周面の法線と前記曲げ部における前記非接触領域とが交わる点から前記回転体の内周面まで距離が、前記回転軸方向における任意の位置を最大距離として、該任意の点から前記ニップ形成部材の該回転軸方向の端部に向かうにつれて小さくなるように前記第一の面、前記第二の面、及び前記曲げ部を形成した。
態様Fの定着装置において、前記回転体の内周面の法線と前記曲げ部における前記非接触領域とが交わる点から前記回転体の内周面まで距離が、前記曲げ部における前記接触領域から前記回転方向の上流側に向かうにつれて大きくなるように前記第一の面、前記第二の面、及び前記曲げ部を形成した。
態様A〜態様Gいずれか一の定着装置において、熱移動補助部材416などの前記ニップ形成部材における入り口曲げ部416cなどの前記曲げ部の曲げ開始位置が、前記回転軸方向における任意の位置から前記ニップ形成部材の該回転軸方向端部に向かうにつれて、前記回転方向上流側にずれるように前記第一の面、前記第二の面、及び前記曲げ部を形成した。
本態様においては、上記実施例3について説明したように、曲げ部の稜線を、回転体の軸方向におけるニップ形成部材の端部から中央部に向かって傾斜させることが可能となる。これにより、回転体の内周面と曲げ部とによる潤滑部材の塞き止め位置が、回転軸方向におけるニップ形成部材の中央部に向かって傾斜する。したがって、潤滑剤に掛かる塞き止め時の抵抗力がニップ形成部材の端部から中央向きに生じ、潤滑剤をさらに中央向きに移動させやすくできる。
態様Aの定着装置において、前記回転体内部に存在する発熱体と、前記第一の面に対して反対側に位置する前記ニップ形成部材の面と接触して前記ニップ形成部材を保持する保持部材とを備え、
前記ニップ形成部材が、基材と、前記基材に対して前記回転体の内周面側に配置されて前記基材より大きな熱伝導率を有し、前記第一の面、前記第二の面、及び、前記曲げ部を有する熱伝導部材とを備え、
前記曲げ部が曲線形状であり、前記曲げ部の前記第一の面側であって前記回転体の内周面と接触する接触領域と、前記曲げ部の前記第二の面側であって前記回転体の内周面と非接触となる被接触領域とを有し、前記非接触領域において、前記回転体の内周面の法線と前記曲げ部における前記非接触領域とが交わる点から前記回転体の内周面まで距離が、前記回転軸方向における任意の位置を最大距離として、該任意の点から前記ニップ形成部材の該回転軸方向の端部に向かうにつれて小さくなるように前記第一の面、前記第二の面、及び前記曲げ部を形成した。
態様Jの定着装置において、前記曲げ部の曲率半径が、前記回転軸方向における任意の位置を最大距離として、該任意の位置から前記ニップ形成部材の該回転軸方向の端部に向かって小さくなるように前記第一の面、前記第二の面、及び前記曲げ部を形成した。
態様J又はKの定着装置において、前記ニップ形成部材における前記曲げ部の曲げ開始位置が、前記回転軸方向における任意の位置から前記ニップ形成部材の該回転軸方向の端部に向かって、前記回転方向の上流側にずれるように前記第一の面、前記第二の面、及び前記曲げ部を形成した。
記録材上に形成したトナー像を、前記記録材上に定着する定着装置を備えた画像形成装置において、前記定着装置として、態様A〜態様Lいずれか一の定着装置を備えることを特徴とする。
本態様においては、潤滑部材が回転軸方向に移動することで生じる、回転体の端部からの潤滑部材漏れを抑制することができるので、次のことができる。すなわち、回転体の外表面に潤滑部材が付着して記録材の離型性を低下させたり、記録材の表面に潤滑剤が付着してその付着跡が画像として形成されてしまったりするなど、画像品質の低下を抑制することができる。
30Bk 帯電装置
40Bk 現像装置
50Bk クリーニング装置
100 プリンタ
200 定着装置
201 定着ベルト
202 ハロゲンヒータ
203 加圧ローラ
206 ニップ形成部材
216 実施例1に係る熱移動補助部材
216a 対向面
216b 入り口曲げ面
216c 入り口曲げ部
300 潤滑部材堆積空間
301 潤滑剤
316 実施例2に係る熱移動補助部材
317a 接触領域
317b 非接触領域
416 実施例3に係る熱移動補助部材
516 実施例4に係る熱移動補助部材
N ニップ部
Claims (7)
- 回転可能な無端状の回転体と、前記回転体の外周面と接触する接触部材と、前記回転体の内側に配置されて前記回転体を介して前記接触部材と当接しニップ部を形成するニップ形成部材と、前記回転体の内周面と前記ニップ形成部材との間に介在する潤滑部材と、を備えた定着装置において、
前記ニップ形成部材は、前記ニップ部を形成し、前記回転体の内周面に摺接する第一の面と、前記第一の面における前記回転体の回転方向の上流側端部側に位置し、前記回転体の回転軸方向から見たときに前記第一の面に対して所定の角度をもつ第二の面と、前記第一の面と第二の面とを接続する曲げ部とを有し、前記第二の面が前記回転体の内周面と非接触で対向するとともに、前記曲げ部で前記回転体の内周面と接触するように、前記回転体に対して配置されるものであり、
前記回転方向において前記内周面との接触が開始される前記曲げ部の接触開始縁部が前記回転方向と直交する方向に直線的に延在するよう前記曲げ部を形成し、
前記回転軸方向における前記ニップ形成部材の端部側よりも前記回転軸方向における中央部側で、前記内周面から前記第二の面までの距離が大きくなるよう前記第二の面の前記所定の角度を前記回転軸方向で異ならせたこと特徴とする定着装置。 - 回転可能な無端状の回転体と、前記回転体の外周面と接触する接触部材と、前記回転体の内側に配置されて前記回転体を介して前記接触部材と当接しニップ部を形成するニップ形成部材と、前記回転体の内周面と前記ニップ形成部材との間に介在する潤滑部材と、を備えた定着装置において、
前記ニップ形成部材は、前記ニップ部を形成し、前記回転体の内周面に摺接する第一の面と、前記第一の面における前記回転体の回転方向の上流側端部側に位置し、前記回転体の回転軸方向から見たときに前記第一の面に対して所定の角度をもつ第二の面と、前記第一の面と第二の面とを接続する曲げ部とを有し、前記第二の面が前記回転体の内周面と非接触で対向するとともに、前記曲げ部で前記回転体の内周面と接触するように、前記回転体に対して配置されるものであり、
前記回転方向において前記内周面との接触が開始される前記曲げ部の接触開始縁部が、前記回転軸方向における前記ニップ形成部材の端部側よりも前記回転軸方向における中央部側で、前記回転方向の下流側に位置するよう前記曲げ部を形成したこと特徴とする定着装置。 - 請求項2に記載の定着装置において、前記回転軸方向における前記ニップ形成部材の端部側よりも前記回転軸方向における中央部側で、前記内周面から前記第二の面までの距離が大きくなるよう前記第二の面の前記所定の角度を前記回転軸方向で異ならせたこと特徴とする定着装置。
- 請求項1乃至3のいずれか一に記載の定着装置において、前記回転体の内周面に付着して移動し前記接触開始縁部で塞き止められた前記潤滑部材を堆積させる、前記曲げ部におれる前記接触開始縁部よりも前記回転方向で上流側の非接触領域と、前記第二の面とが、前記回転体の内周面との間で形成する空間において、前記内周面から前記非接触領域や前記第二の面までの距離は、前記回転方向において、前記接触開始縁部から前記回転方向の上流側に向かうにつれて大きくなるように前記第一の面、前記第二の面、及び前記曲げ部を形成したことを特徴とする定着装置。
- 請求項1乃至4のいずれか一に記載の定着装置において、前記曲げ部が、前記回転体の回転軸方向から見たときに曲線形状の領域を有することを特徴とする定着装置。
- 請求項2に記載の定着装置において、前記曲げ部が、前記回転体の回転軸方向から見たときに曲線形状の領域を有し、前記第一の面と前記第二の面とが平面であり、前記曲げ部は互いに平行な第一の面の辺と第二の面の辺とを接続し、前記曲線形状の曲率半径が、前記回転軸方向における前記ニップ形成部材の中央側で最大になり、この最大になる箇所から前記回転軸方向における前記ニップ形成部材の端部に向かって小さくなるように前記第一の面、前記第二の面、及び前記曲げ部を形成したことを特徴とする定着装置。
- 記録材上に形成したトナー像を、前記記録材上に定着する定着装置を備えた画像形成装置において、前記定着装置として、請求項1乃至5のいずれか一に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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