JP7267736B2 - 像加熱装置および、それを備える画像形成装置 - Google Patents

像加熱装置および、それを備える画像形成装置 Download PDF

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本発明は、電子写真方式や静電記録方式を利用した複写機、プリンタなどの画像形成装置において、記録材上に形成担持させた未定着トナー像を加熱定着するための定着手段としての像加熱装置に関するものである。
従来、例えば像加熱装置は、所定の温度に維持された加熱体としての熱ローラと、熱ローラに圧接する加圧体としての加圧ローラとによって形成されるニップ部で被加熱材としての記録材を挟持搬送しつつ加熱する熱ローラ方式が多用されている。
また熱ローラ方式以外に、フィルム加熱方式の像加熱装置が考案されている(例えば、特許文献1)。フィルム加熱方式の像加熱装置は、熱源であるヒータと、ヒータの支持部材(ヒーターホルダ)と、ヒータと対向して接触する無端状の耐熱性フィルム(以下、フィルム)と、フィルムを介して記録材をヒータに密着させる加圧ローラと、を有する。フィルム加熱方式の像加熱装置では、ヒータと加圧ローラにより形成されるニップ部においてフィルムを介してヒータの熱を記録材へ付与することで記録材面に形成担持されている未定着画像を記録材面に加熱定着する。
このようなフィルム加熱方式の像加熱装置においては、ヒータとして低熱容量のものを用いることができる。このため、熱ローラ方式等の装置に比べ省電力及びウェイトタイムの短縮(ファーストプリントアウトタイムの短縮)が可能になる。
一方でフィルム加熱方式の像加熱装置では、定着ニップにおいてフィルムの内周面とヒータ(ニップ形成部材)の摺動性を確保し、像加熱装置の回転トルクを上昇させない構成とする構成が求められる。そこで、セラミックヒータの表面にフッ素系グリースやシリコーンオイル等の潤滑剤をあらかじめ塗布しておく構成が提案されている。
特開平5-27619
近年、像加熱装置は、高い耐久性が求められている。そのためには、像加熱装置の製品寿命を通して、潤滑剤が枯渇しないように供給することが必要であり、かつ、フィルムの内周面の記録材の幅方向(ヒータの長手方向)において、局所的な潤滑剤不足が発生しないように塗布することが必要ある。
本発明では、像加熱装置の製品寿命を通して、潤滑剤を安定的に、長手方向においてムラなく潤滑剤をフィルムの内周面に供給することのできる像加熱装置を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明の像加熱装置は、回転体と、前記回転体との間でニップ部を形成するニップ形成部材と、前記ニップ形成部材を支持する支持部材と、前記支持部材の周りを回転した際に前記ニップ部で内周面が前記ニップ形成部材と摺動する無端状のフィルムと、前記回転体または前記フィルムに熱を供給する加熱体と、を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送しつつ加熱することでトナー像を定着する像加熱装置であって、潤滑剤を貯蔵する貯蔵部を前記フィルムの母線方向において異なる位置に複数有し、各々の貯蔵部の開口には前記フィルムと接触するように前記潤滑剤を供給する供給部材が設けられており、一の供給部材が前記母線方向において隣り合う他の供給部材と、前記母線方向における一部でオーバーラップするように複数の前記供給部材が配置されており、前記フィルムの前記母線方向における一部の領域は、前記フィルムが回転したとき、前記一の前記供給部材と他の前記供給部材の両方に接触することを特徴とする。
上記したように、本発明によれば、像加熱装置の製品寿命を通して、潤滑剤を安定的に、長手方向においてムラなく潤滑剤をフィルムの内周面に供給することができる。
実施例1に係る画像形成装置の断面図 実施例1に係る像加熱装置の断面図 実施例1に係る像加熱装置の断面図 実施例1に係る供給部材の配置を示す図 変形例に係る像加熱装置の断面図 変形例に係る供給部材の配置を示す図 変形例に係る供給部材の配置を示す図 変形例に係る供給部材の配置を示す図 変形例に係る供給部材の配置を示す図 変形例に係る供給部材の配置を示す図 変形例に係る供給部材の配置を示す図 変形例に係る供給部材の配置を示す図 変形例に係る像加熱装置の断面図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
(1)画像形成装置
まず初めに、図1を用いて画像形成装置100の構成について説明を行う。図1は、本実施例に係る画像形成装置100の概略断面図である。画像形成装置100は、電子写真方式を利用して記録材P上に画像を形成するレーザビームプリンターである。
画像形成装置100は、像担持体としての感光体ドラム19、帯電手段としての帯電ローラ16、現像手段としての現像ローラ17、クリーニング手段としてのクリーニングブレード18を有するカートリッジ15を備えている。本実施例では、感光体ドラム19、帯電ローラ16、現像ローラ17を含む現像ユニット、クリーニングブレード18を含むクリーニングユニットが、プロセスカートリッジ15として画像形成装置100の装置本体に対して着脱可能に構成している。
感光体ドラム19は、反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。帯電ローラ16は、感光体ドラム19の周面を所定の極性・電位に一様に帯電処理(一次帯電)する。一次帯電された感光体ドラム19は、帯電処理面にレーザスキャナ21から出射されたレーザ光が走査露光(照射)される。画像露光手段としてのレーザスキャナ21は、不図示のイメージスキャナ・コンピュータ等の外部機器から入力する目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応してオン/オフ変調したレーザ光を出力する。これにより感光体ドラム19は、この走査露光により感光体ドラム19の周面の露光明部の電荷が除電され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
現像ローラ17は、現像剤(トナー)を表面に担持して感光体ドラム19の周面に現像剤を供給して、感光体ドラム19の周面に形成された静電潜像をトナー像として順次に現像する。レーザプリンタの場合、一般的に、静電潜像の露光明部にトナーを付着させて現像する反転現像方式が用いられる。
記録材Pは、画像形成装置100に対して着脱可能とされた給紙カセット11に積載され、収納されている。画像形成装置100は、記録材Pを一枚ずつ分離給送する給紙ローラ12、記録材Pを搬送する搬送ローラ13、記録材Pの給送タイミングを調整するレジストローラ14等を備える。給紙カセット11内の記録材Pは、給紙スタート信号に基づいて給紙ローラ12が駆動されることで一枚ずつ分離給送され、搬送ローラ13を介してレジストローラ14で感光体ドラム19と転写ローラ20(転写部材)との転写部に所定のタイミングで導入される。すなわち、感光体ドラム19上のトナー像の先端部が転写部に到達したとき、記録材Pの先端部もちょうど転写部に到達するタイミングとなるようにレジストローラ14で記録材Pの搬送が制御される。なお、手差しトレイ28に載置された記録材Pを給紙ローラ29で一枚ずつ分離給送し、レジストローラ14で感光体ドラム19と転写ローラ20との転写部に所定のタイミングで導入する構成としてもよい。
転写部に導入された記録材Pはこの転写部位を挟持搬送され、その間、転写ローラ20には不図示の転写バイアス印加電源から所定に制御された転写電圧(転写バイアス)が印加される。転写ローラ20は、一般にFe等の芯金上にカーボン、イオン導電性フィラー等で1×10~1×1010Ω程度の抵抗に調整された半導電性のスポンジ弾性層を形成した弾性スポンジローラが用いられる。本実施例では、芯金の外回りに同心一体に、NBRゴムと界面活性剤等を反応させ、導電性を有する弾性層をローラ状に成形具備させてなるイオン導電系の転写ローラを用いた。抵抗値は1×10~5×10Ωの範囲のものを用いた。
転写ローラ20は、トナーと逆極性の転写バイアスが印加されることで転写部において感光体ドラム19の周面に形成されたトナー像が記録材Pの表面に静電的に転写される。トナー像が転写された記録材Pは、転写部から像加熱装置200へ搬送導入され、トナー像を加熱・加圧する定着処理が行われる。そして像加熱装置200でトナー像が定着させられた記録材Pは、記録材Pを搬送する搬送ローラ26、記録材Pを排出する排紙ローラ27を通って画像形成装置100上の排紙トレイ上に排出され、画像形成が完了する。
一方、感光体ドラム19の周面は、記録材Pへトナー像を転写後、クリーニングブレード18で転写残トナーや紙粉等が除去され、再び一次帯電されることで次の画像形成に用いられる。
(2)像加熱装置
次に、本実施例におけるフィルム加熱方式の像加熱装置200について説明する。図2は本実施例に係る像加熱装置200の短手方向における概略断面図であり、像加熱装置200は、フィルムユニット(ベルトユニット)205と、加圧部材としての加圧ローラ(回転体)208と、を有する。
加圧ローラ208は、図示しない駆動ギアに制御部(エンジンコントローラ)400で制御されるモータ30の駆動力が伝達されることで、加圧ローラ208が駆動回転体として図2において矢印R1の方向に駆動可能とされている。加圧ローラ208は、芯金209、弾性体層210、最外層の表層211、から構成される。本実施例では、芯金209はアルミ芯金を、弾性体層210はシリコーンゴムを、表層211は厚さ約50μmのPFAのチューブを用いた。加圧ローラ208の外径は25mm、弾性体層210の厚さは約3mmとした。
フィルムユニット205は、ヒータ(加熱体)300と、支持部材201と、フィルム202と、ステー(補強部材)204と、を有する。フィルム202の内部には、ヒータ300と、ヒータ300を保持すると共にフィルムの回転をガイドする支持部材(ガイド部材)201と、支持部材を保持し、補強するステー204とが内部アセンブリとして配設されている。
ヒータ300は、具体的には細長い形状のセラミックヒータが用いられ、抵抗発熱体及び絶縁保護層が形成された基板の表面側と反対側の面がフィルム202に対向するように上向きとした状態とされている。ヒータ300は、検温素子(サーミスタ)212で温度が検知可能とされている。本実施例では、検温素子212としてヒータ300から分離した外部当接型のサーミスタを用いている。
支持部材201は、耐熱性及び剛性を有し、下面において長手方向に沿ってヒータ300を保持する支持機能と、フィルム202の回動をガイドするフィルムガイド機能と、を有する部材である。支持部材201は、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PPS、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材料等で構成できる。本実施例では液晶ポリマーを用いた。支持部材201は、さらに剛性を有するステー204によって支持される。本実施例では金属で形成されたステー204を用いた。
フィルム202は、ヒータ300が保持された、フィルムガイド部材として機能する支持部材201に外嵌され、内周面がヒータ300に接触しつつ支持部材201の周囲を回転可能な構成としている。フィルム202は、熱容量を小さくしてウェイトタイム(ファーストプリントアウトタイム)を短縮させるために、フィルム膜厚は、450μm以下20μm以上の厚みとすることが好ましい。またフィルム202としては、耐熱性のあるPTFE、PFA、FEP等の単層フィルム、或いはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムにPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複層フィルムを用いることができる。本実施例では、膜厚約60μmのポリイミドフィルムの外周面にPFAをコーティングしたものを用いた。PFAコート層の厚さは約15μmとした。フィルム202の外径は24mmとした。フィルム202の基層は上記の樹脂材料だけでなく、SUS等の金属材料を用いることもできる。なお画質を向上させるために、基層とコート層の間にシリコーンゴム等の耐熱ゴムを弾性層として形成してもよい。
そして、ヒータ300、支持部材201、ステー204は何れも長さがフィルム202の幅(長さ)よりも長い部材であり、一端側(左側)と他端側(右側)がそれぞれフィルム202の両端部から外方に突出している。そして、ヒータ300を備えた支持部材201と加圧ローラ208とが加圧ローラ208の弾性層26bの弾性に抗してフィルム202を挟んで所定の加圧力をもって圧接させられている。本実施例の像加熱装置200においては、ヒータ300がニップ部形成部材として、また支持部材201がフィルム202の内周面に接触する当接する摺動部材(バックアップ部材)として機能している。そのため、フィルム202と加圧ローラ208との間に用紙搬送方向に関して所定幅のニップ部Nが形成されている。
像加熱装置200では、PC等の外部入力機器からのプリント信号が入力されると、加圧ローラ208が制御部400で制御されたモータ30により矢印R1方向(時計回り)に回転駆動させられる。フィルム202は、ニップ部Nにおける加圧ローラ208とフィルム202の外周面との摩擦力で加圧ローラ208からフィルム202に回転力が伝達され、ニップ部Nにおいてフィルム202の内周面がヒータ300に摺動させられつつ、従動回転させられる。このようにしてフィルム202は、加圧ローラ208の周面の移動速度とほぼ同じ速度で、支持部材201の周囲を矢印R2方向(反時計回り)に移動し、回転させられる。
一方でヒータ300は、ヒータ300の給電用電極に交流電源(コンセント)401に接続された駆動手段としての制御部400からヒータ300(抵抗発熱体)に電力が供給されることによりヒータ300が発熱させられる。制御部400は、サーミスタ212から出力されたヒータ300の温度に関する情報に基づいて制御部400に設けられた図示しないトライアックでヒータ300への通電を制御することにより、ヒータ300の温度制御がなされる。即ち、ヒータ300は、制御部400でサーミスタ212の出力が、設定温度に比べ低い温度に応じた出力のときは昇温するように、他方、設定温度に比べ高い温度に応じた出力のときは降温するように、通電を制御されることで定着時に一定の温度に保たれる。
ヒータ300を所定温度に立ち上げ、加圧ローラ208によりフィルム202が従動回転した状態とされた後、フィルム202を介してヒータ300と加圧ローラ208とで形成されたニップ部Nにトナー像が転写された記録材Pが転写部から搬送される。そして、記録材Pがフィルム202と一緒にニップ部Nを挟持搬送されることにより、ヒータ300の熱がフィルム202を介して記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像が加熱・加圧され、記録材Pに定着される。ニップ部Nを通った記録材Pは、フィルム202から分離され、さらに搬送される。
(3)貯蔵部と供給部材
以下、図2から図4を用いて、貯蔵部501と供給部材500を説明する。
図2及び図3は本実施例の像加熱装置の断面図であり、図4は貯蔵部501及び供給部材500の配置図である。図2は、図4においてX-X’で示した面での断面を示す図であり、図3はY-Y’断面を示す図である。
本実施例では、図2に示すように支持部材201の定着フィルム202の回転方向におけるヒータ300の上流側に、貯蔵部501(501a)が形成され、その中に潤滑剤が貯蔵されている。貯蔵部501(501a)の開口部を覆うようにシート状の供給部材500(500a)が接着配置されており、この供給部材500は、潤滑剤を供給するように定着フィルム202に接触している。ここで、図4に示すように、本実施例の貯蔵部501は支持部材201に3ヶ所形成され、それぞれの貯蔵部501上に供給部材500が設けられている。以下の説明では、貯蔵部に共通する内容の説明の場合には、貯蔵部501と記載し、3つの貯蔵部を個別で説明する場合には、貯蔵部501a、501b、501cと記載する。供給部材に関しても同様、供給部材に共通する内容の説明の場合には、供給部材500と記載し、3つの供給部材を個別で説明する場合には、供給部材500a、500b、500cと記載する。
図4に示すように長手方向において、貯蔵部501a及び供給部材500aを一端に、また貯蔵部501c及び供給部材500cを他端に、そして貯蔵部501b及び供給部材500bを中央部に設置している。一方で定着フィルム202の回転方向においては、貯蔵部501a、501c及び供給部材500a、500cは、貯蔵部501b及び供給部材500bに対して下流側に設置している。ここで本実施例では、長手端部に配置された貯蔵部501a、501c及び供給部材500a、500cは、長手中央部に配置された貯蔵部501b及び供給部材500bが設けられた領域にも設けられている。つまり、定着フィルム202の回転方向に沿って見たとき、長手中央部に配置された供給部材500bの長手方向一端側の端部は供給部材500aと重なるように、また長手方向他端側の端部は供給部材500cと重なるように構成されている。このように定着フィルム202は、定着フィルム202が回転したとき、定着フィルム202の内周面が供給部材500bと供給部材500aの両方、または供給部材500bと供給部材500cの両方と接触するオーバーラップ領域を備えている。オーバーラップ領域では、定着フィルム202が回転することで、供給部材500bの一部と接触した定着フィルム202の内周面は、供給部材500cの一部と接触する他、供給部材500bの一部と接触した定着フィルム202の内周面は、供給部材500aの一部と接触する(図3)。
供給部材500は、フェルト等の繊維層が好ましく、材質としては、アラミド繊維、ガラス繊維、カーボン繊維などが挙げられる。また、供給部材500の密度は、厚さ1mmにおいて30~700g/m程度が好ましい。本実施例では、供給部材500として、密度が厚さ1mmにおいて200g/mのアラミド繊維のシート状フェルトを用いた。
潤滑剤としては、パーフロロポリエーテル基油をフッ素樹脂で増ちょうしたグリース、ジメチルシリコンをはじめとするシリコーンオイル等、耐熱性のあるものであれば良い。本実施例では、JIS K 2220に規定された方法で測定した1/2スケールの混和稠度が280であるグリースを用いた。
貯蔵部501に貯蔵されている潤滑剤は、自重によって開口部側へ流れるため、開口部において供給部材500に含浸、浸透される。一方で供給部材500は、定着フィルム202に接触している。このため、定着フィルム202が回転する場合には、供給部材500に含浸された潤滑剤が定着フィルム202の内周面に塗布され、定着ニップ部Nにおける定着フィルム202とヒータ300との摺動性が確保されている。
フェルトパッドに潤滑剤を含浸させただけの構成の場合には、フェルトパッドに含浸されている潤滑剤の量が、像加熱装置の耐久が進むにつれて減少していく。この結果、定着フィルムの内周面に塗布される潤滑剤の量も減少していき、像加熱装置の耐久末期では、定着フィルム内周面の潤滑剤量が不足する場合があった。その点、本実施例では貯蔵部と供給部材を備えた構成とすることで、貯蔵部の開口部に設けられた供給部材を通して、像加熱装置の寿命を通して一定量の潤滑剤を定着フィルム202の内周面に塗布することができるようにしている。
本実施例においては、長手方向において、外方側に位置する供給部材500a及び500cの端部位置は、定着ニップ部Nの端部よりも外側で、定着フィルム202の端部よりも内側にするのが良い。このようにすることで、長手方向において、定着ニップ部Nの端部よりも外側まで潤滑剤を塗布することができる一方、定着フィルム202の端部から潤滑剤が定着フィルム表面に漏れ出てくることを防止できる。
長手方向中央近傍に位置する供給部材500bの端部位置と供給部材500a、500cの中央側端部位置は、定着フィルム202の回転方向に沿って見たとき、重なって見えるオーバーラップ領域を持つような位置関係となっている。このようなオーバーラップ領域を備えた構成とできるため、供給部材を分割したとしても、定着フィルムの回転時には、長手方向で切れ目なく潤滑剤を塗布することができる。この結果、長手方向における局所的に潤滑剤が不足することを防止し、定着フィルムとヒータ表面との摺擦によって、ヒータ表面や定着フィルム内周面が削れてスジ画像として顕在化することを抑制することができる。
ここで、長手方向で切れ目なく潤滑剤を塗布する構成として、供給部材を分割せずに、長手方向で1本の連続した構成とすることが考えられる。しかしながら、本実施例のように、A3幅の記録材まで通紙可能な像加熱装置の場合、供給部材を1本の連続した構成とする場合には、その長さは330mm程度必要となる。このような長さのシート状部材を長手方向にわたって精度よく接着設置することは、像加熱装置の組み立て容易性の観点で困難であった。たとえば、供給部材の一部が浮いたり、しわが寄った状態で貯蔵部を覆うように設置されたりしてしまい、貯蔵部から直接外部へ潤滑剤が漏れ出てしまう場合もあった。
この点、本実施例では供給部材500を長手方向で複数に分けた構成とすることによって、それぞれの供給部材の長さを短くすることができ、比較的容易にかつ精度よく組み付けることを可能としている。
以上のように本実施例では、供給部材を複数有し、定着フィルムが回転したとき、一の供給部材と他の供給部材との両方に接触するオーバーラップ領域を定着フィルム202に備える構成とした。これにより、長手方向で切れ目なく潤滑剤を塗布できる構成として局所的な潤滑剤不足による画像不良や定着フィルム破損などの不具合を防止しつつ、供給部材の組み立て性を容易とすることができる。
(4)比較実験
表1は、本実施例の構成の像加熱装置を使用した場合と、比較例とで、像加熱装置の耐久試験を行い、スジ画像の発生の有無をまとめた結果である。比較例として、3つの供給部材の配列方向が一直線とされ、供給部材間に一定の間隔を有する構成とし、定着フィルムがオーバーラップ領域を持たず、長手方向で局所的に潤滑剤が塗布されない領域がある像加熱装置を用いた。なお、像加熱装置の耐久試験は、Xerox社のXerox Vitality紙(坪量75g/m)を使用した。また本耐久試験では、表1にある所定枚数通紙時点で、光沢紙であるHP社のHP Laser Glossy Brochure Paper(坪量 200g/m)を通紙して、スジ画像の発生有無を確認した。
Figure 0007267736000001
表1からわかるように、本実施例の像加熱装置を使用した場合には、400,000枚通紙した後でもスジ画像の発生はなかった。しかしながら、比較例の像加熱装置では、300,000枚通紙時点の確認でスジ画像の発生が認められた。この結果から、本実施例のように定着フィルム202はオーバーラップ領域を有することで、局所的な潤滑剤不足が発生せず、像加熱装置の耐久を通して、スジ画像等の画像不良が発生しないことが確認された。
本実施例1では、支持部材201上にすべての供給部材500と貯蔵部501を設ける場合を示したが、これに限定されるものではない。例えば、図5に示すように、供給部材500bを例えばステー204上に設け、定着フィルム202の内周面に接する構成としてもよい。定着フィルム202は、定着フィルム202が回転したとき、ステー204に設置された供給部材500bの端部と、支持部材上に設置された供給部材500a、500cの中央側端部と、の両方に接触するオーバーラップ領域を備える構成とした(図6)。このようにオーバーラップする領域を持つように設置することで、定着フィルム202が一回転する間に、定着ニップの長手方向全幅領域において不足なく潤滑剤を塗布することができる。
また図7に示すように定着フィルム回転方向において、供給部材500a、500cを支持部材201におけるヒータ300の設置部よりも下流側に、供給部材500bを支持部材201におけるヒータ300の設置部よりも上流側に設けてもよい。定着フィルム202は、定着フィルム202が回転したとき、供給部材500bの端部と、供給部材500a、500cの中央側端部と、の両方に接触するオーバーラップ領域を備える構成とすればよい。
さらに、本実施例1では、供給部材500を長手方向で3つに分けた例を示したが、分割数はこれに限定されるものではない。また、供給部材500a、500b、500cのうち、供給部材500bを定着フィルム202の回転方向において上流側に配置する例を示したが、これに限定されるものではない。それぞれの供給部材の定着フィルム202の回転方向における位置は、適宜決定すればよい。
[変形例]
実施例1の変形例について説明する。実施例1では各供給部材500は長方形形状を有するものとしたが、本実施例は各供給部材500の形状を変えた点で実施例1と異なる。本変形例における、画像形成装置の構成、像加熱装置200の基本構成は、実施例1と同様であるため、説明を省略する。
図8に、本実施例における貯蔵部501と供給部材500の長手方向の配置を示す。本変形例の供給部材500(500a、500b、500c)は、同一形状の平行四辺形形状としている。これにより供給部材500の配列方向を一直線とすることで、定着フィルム202は、定着フィルム202が回転したとき、供給部材500bの端部と、供給部材500a、500cの中央側端部と、の両方に接触するオーバーラップ領域を備えた構成にできる。
この結果、実施例1同様、貯蔵部と供給部材を備えた構成とすることで、貯蔵部の開口部に設けられた供給部材を通して、像加熱装置の寿命を通して一定量の潤滑剤を定着フィルム202の内周面に塗布することができる。さらには定着フィルム202にオーバーラップ領域を備えた構成とできるため、供給部材を分割したとしても、定着フィルムの回転時には、長手方向で切れ目なく潤滑剤を塗布することができる。この結果、長手方向における局所的に潤滑剤が不足することを防止し、定着フィルムとヒータ表面との摺擦によって、ヒータ表面や定着フィルム内周面が削れてスジ画像として顕在化することを抑制することができる。
なお、本変形例では、長手方向において、外方側に位置する供給部材500a及び500cは、端部に向うにつれて、定着フィルム202回転方向の幅が狭くし、中央部に比べて端部での潤滑剤供給量が少なくなるように構成されている。これにより、長手方向において、定着ニップ部Nの端部よりも外側まで潤滑剤を塗布することができる一方、定着フィルム202の端部から潤滑剤が定着フィルム表面に漏れ出てくることを防止できる。
なお上記変形例では、各供給部材500の形状を平行四辺形とし、長手方向に一列に並べて設置する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば各供給部材500を台形形状(図9)や三角形形状(図10)、さらにはT字形状(図11)とし、供給部材500を交互に上下反転させたものを一直線に並べて設置してもよい。さらには図8~図11では、供給部材500をすべて同一形状とする例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、図12に示すように、長手方向の端部の形状を変化させ、供給部材500の全体形状として長方形となるようにしても良い。
実施例1及び変形例では、セラミックヒータで定着フィルムを加熱し、定着フィルムを介して、ヒータと加圧ローラが定着ニップを形成する、セラミックヒータを用いたフィルム加熱方式の像加熱装置とした。しかし、像加熱装置の例としては、これに限定されるものではない。例えばニップ形成部材である摺動板と定着フィルム内周面が定着ニップで摺動するハロゲンヒータを用いた輻射式フィルム加熱方式の像加熱装置、さらにはニップ形成部材と定着フィルム内周面が定着ニップ部で摺動する誘導加熱方式の像加熱装置等としてもよい。
また他の変形例として、図13に示すように加熱回転体8と、この加熱回転体8と接触して加熱ニップ部N2を形成する定着回転体9と、定着回転体9と接触して定着ニップ部N1を形成する加圧回転体10とを有する像加熱装置としてもよい。加熱回転体8は、支持部材201aに支持されたヒータ300の周囲を回転する無端状のフィルムが用いられる。定着回転体9は、弾性ローラが用いられる。加圧回転体10は、支持部材201bの周囲を回転する無端状のフィルムが用いられる。この像加熱装置では、加熱回転体8はヒータ300で加熱され、加熱ニップ部N2で加熱された回転体8によって定着回転体9の表面が加熱される。そして加圧回転体10は、定着回転体9との定着ニップ部N1でトナー像を担持する記録材を挟持搬送しつつ、トナー像を記録材上に加熱定着する。このような画像形成装置においては、支持部材201aに設けた貯蔵部501と供給部500のレイアウトに、また支持部材201bに設けた貯蔵部501と供給部500のレイアウトに、本発明を適用してもよい。
11 給紙カセット
12 給紙ローラ
13 搬送ローラ対
14 レジストローラ対
15 プロセスカートリッジ
16 帯電ローラ
17 現像ローラ
18 クリーニングブレード
19 感光体ドラム
20 転写ローラ
21 レーザスキャナ
26 搬送ローラ
27 排紙ローラ
30 モータ
100 画像形成装置
200 像加熱装置
201 支持部材
202 定着フィルム
204 ステー
208 加圧ローラ
212 検温素子
300 ヒータ
400 制御部
500 供給部材
501 貯蔵部
N 定着ニップ
P 記録材

Claims (7)

  1. 回転体と、
    前記回転体との間でニップ部を形成するニップ形成部材と、
    前記ニップ形成部材を支持する支持部材と、
    前記支持部材の周りを回転した際に前記ニップ部で内周面が前記ニップ形成部材と摺動する無端状のフィルムと、
    前記回転体または前記フィルムに熱を供給する加熱体と、
    を有し、前記ニップ部で画像を担持した記録材を挟持搬送しつつ加熱することでトナー像を定着する像加熱装置であって、
    潤滑剤を貯蔵する貯蔵部を前記フィルムの母線方向において異なる位置に複数有し、各々の貯蔵部の開口には前記フィルムと接触するように前記潤滑剤を供給する供給部材が設けられており、
    一の供給部材が前記母線方向において隣り合う他の供給部材と、前記母線方向における一部でオーバーラップするように複数の前記供給部材が配置されており、
    前記フィルムの前記母線方向における一部の領域は、前記フィルムが回転したとき、前記一の前記供給部材と他の前記供給部材の両方に接触する
    ことを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記支持部材は、前記貯蔵部を有している
    ことを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記ニップ形成部材は、前記加熱体を兼用しており、前記加熱体と前記回転体との間に前記フィルムを介して前記ニップ部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の像加熱装置。
  4. さらに前記支持部材を補強する補強部材を備え、
    前記補強部材は、前記貯蔵部を有している
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の像加熱装置。
  5. 前記ニップ形成部材は、細長い形状を有し、
    前記複数の供給部材は、前記支持部材の長手方向において、前記支持部材の端部に配置された第1供給部材と、前記支持部材の中央部に配置された第2供給部材と、を備え、
    前記フィルムの回転方向において、前記第1供給部材と前記第2供給部材の一方が上流側に、前記第1供給部材と前記第2供給部材の他方が下流側に配置されている
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  6. 前記複数の供給部材は、同一形状を有し、配列方向が一直線とされている
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の像加熱装置。
  7. 前記ニップ形成部材は、前記加熱体を兼用しており、前記加熱体と前記回転体との間に前記フィルムを介して前記ニップ部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の像加熱装置。
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