JP7047622B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。より特定的には、本発明は、押圧部材と定着ベルトとの間に摺動シートを適切な状態で設けることのできる定着装置および画像形成装置に関する。
電子写真式の画像形成装置には、スキャナー機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンターとしての機能、データ通信機能、およびサーバー機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンターなどがある。
画像形成装置は一般に、像担持体上に形成した静電潜像を現像装置によって現像してトナー像を形成し、このトナー像を記録媒体へ転写した後、定着装置によってトナー像を用紙に定着させることにより、記録媒体に画像を形成する。また、画像形成装置の中には、感光体上に形成した静電潜像を現像装置によって現像してトナー像を形成し、一次転写ローラーを用いてトナー像を中間転写ベルトに転写し、二次転写ローラーを用いて中間転写ベルト上のトナー像を記録媒体へ二次転写するものも存在する。
定着装置の中には、回転する無端状の定着ベルトと、定着ベルトの内側から定着ベルトを押圧する押圧部材と、押圧部材を保持する保持部材と、定着ベルトの外側から定着ベルトを押圧することにより定着ベルトとの間で定着ニップを形成する加圧部材とを備えた定着装置が存在する。この種の定着装置に関して、下記特許文献1~4には、押圧部材と定着ベルトとの摺動性を向上させることを目的として、押圧部材の摺接面に摩擦係数の小さい摺動シートを設ける技術が開示されている。
下記特許文献1には、定着ベルトの回転走行方向に沿った摺動シートの前端部および後端部の各々が、一対の板金により挟み止めされた定着装置が開示されている。この定着装置において、保持部材であるホルダの対向する両側面の各々にはフレームが設けられており、フレームと一対の板金とはバネ部材によって連結されている。これにより、摺動シートの前後端部がばね部材を介して保持部材に引っ張り止めされる。
下記特許文献2には、摺動シートの先端部と後端部都の各々を保持フレームに対して位置決め部材によって固定した定着装置が開示されている。この定着装置では、摺動シートの先端部が定着ニップから離れた位置にある保持フレームの部分に固定されている。
下記特許文献3には、ニップ形成部材の定着ベルトと摺動接触する表面に、潤滑剤を含有したシート状の摺動部材が貼り付けられた定着装置が開示されている。
下記特許文献4には、摺動シートをニップ形成部材の周囲に巻き付けて、ニップ形成部材における定着ニップと反対側の面にネジ留めした定着装置が開示されている。
特開2013-214039号公報 特開2009-204924号公報 特開2014-178523号公報 特開2017-207535号公報
摺動シートは、回転駆動される定着ベルトからの摩擦力と、定着ベルトから供給される熱とにより、通紙幅方向に変形(膜厚が薄くなり定着ベルトとの接触面積が増えるように変形)しやすい。その結果、定着ニップ出入口付近の摺動シートには、しわ、たるみ、または波打ち(通紙幅方向の凹凸変形)が発生しやすい。摺動シートの凹凸は定着ベルトの外周面の凹凸の原因となる。定着ベルトの外周面の凹凸は、特に定着ニップの出口側端部において定着ベルトと用紙との距離のムラを発生させる。定着ベルトの用紙との距離のムラは、用紙に形成された画像への熱供給量のムラを引き起こし、用紙幅方向のスジ状のムラ(光沢ムラ)の発生の原因となる。
摺動シートの波打ち変形をしにくくするためには、加圧部材が定着ベルトに圧接した状態において、摺動シートを押圧部材と定着ベルトとの間において、押圧部材に対してたるみがない状態にする必要がある。しかし、近年、定着ニップ幅の確保や、搬送性向上などの目的で、押圧部材における定着ベルトの押圧面には用紙の搬送方向に沿って凹凸が設けられている。従来の技術では、押圧部材の押圧面に凹凸が存在する場合に、押圧部材と定着ベルトとの間に摺動シートを適切な状態で設けることができなかった。
特許文献1の技術では、摺動シートが過剰な張力により破損する事態を回避するために、加圧ローラーと定着ベルトとが離間し、摺動シートの張力を緩めた状態から、加圧ローラーと定着ベルトとが圧接する状態に移行させる必要があった。このため、押圧部材の表面に凹凸が存在する場合に、押圧部材の表面の凹部に摺動シートを沿わせることができなかった。
特許文献2の技術では、摺動シートの先端部が定着ニップから離れた位置に固定されるため、定着ベルトの回転方向上流側において定着ベルトの回転力に起因して摺動シートに加わる引張り力が大きくなり、摺動シートが破損しやすいという問題があった。
特許文献3の技術では、ニップ形成部材の押圧面に対して両面テープで摺動部材を貼り付ける必要があり、貼り付けの際に両面テープに気泡ができやすく、摺動部材の貼り付け力の低下を招いていた。
特許文献4の技術では、定着ベルトの回転方向下流側において摺動シートに加わる引張り力が小さく、押圧部材の表面に凹凸が存在する場合に、押圧部材の表面の凹部に摺動シートを沿わせることができなかった。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、押圧部材と定着ベルトとの間に摺動シートを適切な状態で設けることのできる定着装置および画像形成装置を提供することである。
本発明の一の局面に従う定着装置は、トナー像が形成された用紙を定着ニップで把持しながら搬送することにより、用紙にトナー像を定着する定着装置であって、回転する無端状の定着ベルトと、定着ベルトの内側に配置され、内側から定着ベルトを押圧する押圧部材と、押圧部材を支持する支持部材と、定着ベルトと押圧部材との間に設けられた摺動シートと、定着ベルトの外側に配置され、定着ベルトの外側から定着ベルトにおける押圧部材に押圧された部分を押圧することにより、定着ベルトとの間で定着ニップを形成する加圧部材とを備え、定着ベルトの回転方向を摺動シートに沿って延長した方向を摺動シートの延在方向とした場合に、摺動シートにおける定着ベルトと押圧部材とに接触する部分である接触部分よりも摺動シートの延在方向上流側に存在する上流側部分の一部は、支持部材における加圧部材と対向する対向面と、押圧部材との間に挟み込まれており、摺動シートにおける接触部分よりも摺動シートの延在方向下流側に存在する下流側部分の一部は、支持部材における対向面以外の面に固定される。
上記定着装置において好ましくは、摺動シートは、下流側部分に形成された穴を含む。
上記定着装置において好ましくは、摺動シートは、下流側部分に設けられ、支持部材が存在する側とは反対側に折り曲げられた折曲げ部を含む。
上記定着装置において好ましくは、下流側部分の一部は、支持部材における対向面以外の面に接着により固定される。
上記定着装置において好ましくは、支持部材における対向面以外の面との間で摺動シートを挟み込むことにより、下流側部分の一部を支持部材に固定する固定部材をさらに備える。
上記定着装置において好ましくは、押圧部材における定着ニップを形成する定着ベルトの部分を押圧する押圧面は、加圧部材に対して凸形状を有し、定着ニップの入口側端部の定着ベルトを押圧する入口側押圧面と、加圧部材に対して凸形状を有し、定着ニップの出口側端部の定着ベルトを押圧する出口側押圧面とを含む。
上記定着装置において好ましくは、摺動シートにおける加圧部材が存在する側の面から摺動シートを押圧する弾性部材をさらに備える。
上記定着装置において好ましくは、支持部材に支持され、弾性部材を保持する保持部材をさらに備える。
上記定着装置において好ましくは、弾性部材は定着ベルトと接触し、定着ベルトに対して潤滑剤を供給する。
上記定着装置において好ましくは、摺動シートは、0.5GPa以上2GPa以下の曲げ弾性率を有する。
本発明のさらに他の局面に従う画像形成装置は、トナー像を用紙に形成する画像形成部と、上記定着装置とを備える。
本発明によれば、押圧部材と定着ベルトとの間に摺動シートを適切な状態で設けることのできる定着装置および画像形成装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態における画像形成装置1の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における定着装置30の全体の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における定着装置30の主要部の構成を示す断面図である。 第1の比較例の定着装置における定着ニップNP付近の構成を示す断面図である。 第2の比較例の定着装置における定着ニップNP付近の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態における摺動シート34の下流側部分PT3の固定位置の変形例を模式的に示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態における定着装置30の主要部の構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態における定着装置30の主要部の構成を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態における定着装置30の主要部の構成を示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態における定着装置30の主要部の構成を示す断面図である。 本発明の第6の実施の形態における定着装置30の主要部の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図面において、図1中左側から右側へ向かう方向をx軸方向とし、図1中紙面の表側から裏側へ向かう方向をy軸とし、図1中上に向かう方向をz軸方向としている。x軸方向、y軸方向、およびz軸方向は互いに直交している。
以下の実施の形態では、定着装置が搭載される画像形成装置がMFPである場合について説明する。定着装置が搭載される画像形成装置はMFPの他、ファクシミリ装置、複写機、またはプリンターなどであってもよいし、モノクロ用およびカラー用のいずれであってもよい。
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置1の構成を模式的に示す断面図である。
図1を参照して、本実施の形態における画像形成装置1(画像形成装置の一例)は、MFPであり、用紙搬送部10と、トナー像形成部20(画像形成部の一例)と、定着装置30(定着装置の一例)とを主に備えている。
用紙搬送部10は、搬送経路(搬送方向)TRに沿って用紙を搬送する。用紙搬送部10は、給紙トレイ11と、給紙ローラー12と、レジストローラー13と、排紙ローラー14と、排紙トレイ15とを含んでいる。給紙トレイ11は、画像を形成するための用紙を収容する。給紙トレイ11は複数であってもよい。給紙ローラー12は、給紙トレイ11と搬送経路TRとの間に設けられている。レジストローラー13は、搬送経路TRにおける二次転写ローラー28よりも下流側に設けられている。排紙ローラー14は、搬送経路TRの最も下流の部分に設けられている。排紙トレイ15は画像形成装置本体1aの最上部に設けられている。
トナー像形成部20は、いわゆるタンデム方式でY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(ブラック)の4色の画像を合成し、搬送される用紙にトナー像を形成する。トナー像形成部20は、露光装置21と、YMCK各色についての画像形成ユニット20Aと、中間転写ベルト26と、YMCK各色についての一次転写ローラー27と、二次転写ローラー28と、クリーニング装置29とを含んでいる。
YMCK各色の画像形成ユニット20Aは、露光装置21と中間転写ベルト26との間に設けられている。YMCK各色の画像形成ユニット20Aは、感光体ドラム22と、帯電ローラー23と、現像装置24と、クリーニング装置25などを含んでいる。感光体ドラム22は、図1中矢印αで示す方向に回転駆動される。感光体ドラム22の周囲には、帯電ローラー23、現像装置24、およびクリーニング装置25が設けられている。帯電ローラー23は、感光体ドラム22に近接して設けられている。
中間転写ベルト26は、YMCK各色の画像形成ユニット20Aの上部に設けられている。中間転写ベルト26は、環状であり、回転ローラー26aに架け渡されている。中間転写ベルト26は、図1中矢印βで示す方向に回転駆動される。YMCK各色についての一次転写ローラー27の各々は、中間転写ベルト26を挟んで感光体ドラム22の各々と対向している。二次転写ローラー28は、搬送経路TRにおいて中間転写ベルト26と接触している。クリーニング装置29は、中間転写ベルト26の表面と接触している。
定着装置30は、トナー像が形成された用紙を定着ニップで把持しながら搬送経路TRに沿って搬送することにより、用紙にトナー像を定着する。
画像形成装置1は、感光体ドラム22を回転させて、感光体ドラム22の表面を帯電ローラー23によって帯電させる。画像形成装置1は、帯電された感光体ドラム22の表面に対して、露光装置21により画像形成情報に従った露光を行い、感光体ドラム22の表面に静電潜像を形成する。
次に画像形成装置1は、静電潜像が形成された感光体ドラム22に対して、現像装置24からトナーを供給して現像を行い、感光体ドラム22の表面にトナー像を形成する。
次に画像形成装置1は、一次転写ローラー27を用いて、感光体ドラム22に形成されたトナー像を、中間転写ベルト26の表面に順次転写する(一次転写)。フルカラー画像の場合、中間転写ベルト26の表面には、YMCK各色のトナー像が合成されたトナー像が形成される。
画像形成装置1は、中間転写ベルト26に転写されずに感光体ドラム22に残留したトナーを、クリーニング装置25により除去する。
続いて画像形成装置1は、中間転写ベルト26の表面に形成されたトナー像を、回転ローラー26aによって二次転写ローラー28と対向する位置まで搬送する。
一方、画像形成装置1は、給紙トレイ11に収容された用紙を、給紙ローラー12により一枚ずつ搬送経路TRに給紙し、レジストローラー13により所定のタイミングで中間転写ベルト26と二次転写ローラー28との間に導く。そして画像形成装置1は、中間転写ベルト26の表面に形成されたトナー像を、二次転写ローラー28により用紙に転写する。
画像形成装置1は、用紙に転写されずに中間転写ベルト26の表面に残留したトナーを、クリーニング装置29により除去する。
画像形成装置1は、トナー像が転写された用紙を定着装置30に導き、定着装置30によりトナー像を用紙に定着する。その後画像形成装置1は、トナー像が定着された用紙を、排紙ローラー14により排紙トレイ15に排紙する。
図2は、本発明の第1の実施の形態における定着装置30の全体の構成を模式的に示す断面図である。
図2を参照して、定着装置30は、定着ベルト31(定着ベルトの一例)と、押圧パッド32(押圧部材の一例)と、支持部材33(支持部材の一例)と、摺動シート34(摺動シートの一例)と、加熱ローラー35と、加圧ローラー36(加圧部材の一例)とを含んでいる。
定着ベルト31は無端状のベルトである。定着ベルト31は、軸方向の両端部において図示しないガイド部材(側板)によって挟持されることで、加圧ローラー36に圧接して定着ニップNPを形成する位置で支持されている。定着ベルト31は、押圧パッド32および加熱ローラー35に張架されている。定着ベルト31には付勢手段(図示せず)によってテンションが与えられている。定着ベルト31は、基層と、基層の表面に形成された弾性層と、弾性層の表面に形成された離型層とを含んでいる。基層は、PI(ポリイミド)またはNi(ニッケル)などからなっている。弾性層は、シリコンゴムなどからなっている。離型層は、フッ素系の物質などからなっている。
押圧パッド32は、液晶ポリマー樹脂などよりなっており、定着ベルト31の内側に配置されている。押圧パッド32は、加圧ローラー36の中心軸Rの延在方向に対して平行に延在している。押圧パッド32は定着ベルト31の内側から定着ベルト31を押圧する。押圧パッド32は、耐熱性の樹脂などよりなっている。押圧パッド32の厚さ(図2中縦方向の長さ)は、3mm以上7mm以下であることが好ましい。押圧パッド32の厚さを3mm以上とすることにより、定着ベルト31からの熱が支持部材33に奪われる事態を回避することができる。押圧パッド32の厚さを7mm以下とすることにより、押圧パッド32の熱容量の増加を抑止することができ、定着装置30のウォームアップに要する時間を短縮することができる。
支持部材33は、定着ベルト31の内側に設けられている。支持部材33は、加圧ローラー36の中心軸Rの延在方向に対して平行に延在している。支持部材33は、押圧パッド32を支持している。押圧パッド32は、支持部材33に対してピンやねじなどを用いて固定されている。
摺動シート34は、定着ベルト31と押圧パッド32との間に設けられており、定着ベルト31の回転方向(矢印AR12で示す方向)に沿って押圧パッド32の外周面に巻き回されている。定着ベルト31と押圧パッド32との間に摺動シート34を挟み込んだ状態で定着ベルト31が回転することで、定着ベルト31と押圧パッド32との間の抵抗を低減することができ、定着ベルト31を安定して回転させることができる。摺動シート34は、0.5GPa以上2GPa以下の曲げ弾性率を有していることが好ましく、たとえばPTFE(Polytetrafluoroethylene)などよりなっている。
加熱ローラー35は、円筒形状を有しており、定着ベルト31の内側に設けられている。加熱ローラー35は、加熱源であるハロゲンヒーター35aを含んでおり、ハロゲンヒーター35aの熱を定着ベルト31に伝えるとともに、定着ベルト31の回転に従動する。定着ベルト31における加熱ローラー35によって加熱された部分の熱は、定着ベルト31の回転により定着ニップNPに搬送され、定着に用いられる。加熱ローラー35は、加圧ローラー36の中心軸Rの延在方向に対して平行な回転軸を有している。加熱ローラー35は、Al(アルミニウム)またはSUS(ステンレス鋼)などからなり、0.2mm~0.5mm程度の厚さを有している。
加圧ローラー36は、定着ベルト31の外側における定着ベルト31を介して押圧パッド32と対向する位置に配置されている。加圧ローラー36は、定着ベルト31の外側から定着ベルト31における押圧パッド32に押圧された部分を押圧することにより、定着ベルト31との間で定着ニップNPを形成する。加圧ローラー36は回転体であり、中心軸Rを中心として矢印AR11で示す方向に回転駆動される。定着ベルト31は、加圧ローラー36の回転に従動して矢印AR12で示す方向に回転する。加圧ローラー36は、弾性層と、弾性層の表面に形成された離型層とを含んでいる。弾性層は、シリコンゴムよりなり、20mm~40mm程度の直径を有している。離型層は、離型性を上げるためにフッ素系の材料のチューブなどよりなっている。
以降の説明では、定着ベルト31の回転方向(矢印AR12で示す方向)を摺動シート34に沿って延長した方向を摺動シートの延在方向AR1とする。
図3は、本発明の第1の実施の形態における定着装置30の主要部の構成を示す断面図である。図3(a)は、定着装置30の定着ニップNP付近の構成を示す図である。図3(b)は、押圧パッド32に巻き回された状態の摺動シート34の構成を示す図である。
図3を参照して、押圧パッド32における定着ニップNPを形成する定着ベルト31の部分を押圧する押圧面は、入口側押圧面32a(入口側押圧面の一例)と、中央押圧面32bと、出口側押圧面32c(出口側押圧面の一例)とを含んでいる。入口側押圧面32aは、加圧ローラー36に対して凸形状を有しており、定着ニップNPの入口側端部(定着ニップNPにおける搬送経路TRの上流側端部)の定着ベルト31を押圧する押圧面である。中央押圧面32bは、加圧ローラー36に対して凹形状を有しており、定着ニップNPの搬送経路TRに沿った入口側押圧面32aと出口側押圧面32cとの間の定着ベルト31を押圧する押圧面である。出口側押圧面32cは加圧ローラー36に対して凸形状を有しており、定着ニップNPの出口側端部(定着ニップNPにおける搬送経路TRの下流側端部)の定着ベルト31を押圧する押圧面である。入口側押圧面32aおよび出口側押圧面32cの各々のコーナー部は、5mm程度の曲率半径を有している。
支持部材33は、略矩形の断面形状を有しており、下面33aと、上面33bと、側面33cおよび33dとを含んでいる。下面33aと上面33bとは互いに平行な平面であり、側面33cと側面33dとは互いに平行な平面である。下面33aは、加圧ローラー36と対向する(加圧ローラー36側を向いた)対向面である。支持部材33は下面33aにおいて押圧パッド32を支持している。
摺動シート34は、接触部分PT1(接触部分の一例)と、上流側部分PT2(上流側部分の一例)と、下流側部分PT3(下流側部分PT3の一例)とに区分される。接触部分PT1は、定着ベルト31と押圧パッド32とに接触する部分である。上流側部分PT2は、摺動シート34における接触部分PT1よりも延在方向AR1の上流側に存在する部分である。下流側部分PT3は、摺動シート34における接触部分PT1よりも延在方向AR1の下流側に存在する部分である。上流側部分PT2の一部PT11は、押圧パッド32と支持部材33の下面33aとの間に挟まれることで固定されている。下流側部分PT3の一部PT12は、支持部材33の上面33bに接着により固定されている。
定着装置30の製造時などにおいて、摺動シート34は次の方法で押圧パッド32および支持部材33に対して固定される。摺動シート34の上流側部分PT2の一部PT11を、押圧パッド32と支持部材33の下面33aとの間に挟んで固定する。次に、押圧パッド32と定着ベルト31との間において、押圧パッド32の入口側押圧面32a、中央押圧面32b、および出口側押圧面32cに対してこの順序で摺動シート34を沿わせる。次に、定着ベルト31に冶具(加圧ローラー36と同様の形状を有するもの)を押圧して治具を回転させる。最後に、摺動シート34の下流側部分PT3を支持部材33の方へ引っ張り上げて、支持部材33の上面に固定する。
なお、摺動シート34の上流側部分PT2に穴343が設けられており、押圧パッド32における加圧ローラー36側の面とは反対側の面にピン(突起部)32dが設けられていてもよい。これにより、摺動シート34を固定する際に、ピン32dを穴343に挿入することで、摺動シート34における上流側部分PT2の位置決めを行うことができる。
続いて、本実施の形態の効果について説明する。
図4は、第1の比較例の定着装置における定着ニップNP付近の構成を示す断面図である。
図4を参照して、第1の比較例の定着装置では、特許文献4の定着装置と同様に、摺動シート134が押圧パッド132の周囲に巻き付けられている。摺動シート134の上流側部分および下流側部分の両方が、押圧パッド132と支持部材133の下面133aとの間に挟まれて固定されている。
第1の比較例の定着装置では、定着ニップNPの出口側端部から延在した摺動シート134が、押圧パッド132の厚みを隔ててすぐに折り曲げられて、押圧パッド132と支持部材133との間に挟み込まれている。定着ニップNPの出口側端部から摺動シート134の折り曲げ位置までの距離LGは短い。このため、摺動シート134における上方に引っ張られる部分の長さは短く、定着ベルト131の回転方向下流側において摺動シート134に加わる引張り力Fは小さい。その結果、押圧パッド132の表面に凹凸が存在する場合に、押圧パッド132の表面の凹部に摺動シート134を沿わせることができない。
図5は、第2の比較例の定着装置における定着ニップNP付近の構成を示す断面図である。
図5を参照して、第2の比較例の定着装置では、摺動シート134の上流側部分は、押圧パッド132と支持部材133の下面133aとの間に挟まれて固定されている。摺動シート134の下流側部分は固定されていない。
第2の比較例の定着装置では、定着ベルト131の回転方向下流側において摺動シート134に引張り力が加わらず、押圧パッド132の表面の凹部に摺動シート134を沿わせることができない。
図3を参照して、一方、本実施の形態によれば、定着ニップNPの出口側端部から延在した摺動シート34は、押圧パッド32および支持部材33の厚みを隔てて、支持部材33の上面33bの位置で折り曲げられて、支持部材33の上面33bに固定されている。定着ニップNPの出口側端部から摺動シート34の折り曲げ位置までの距離LGは長い。このため、摺動シート34における十分な長さの部分を上方に引っ張ることができ、定着ベルト31の回転方向下流側において摺動シート34に加わる引張り力Fを大きくすることができる。その結果、押圧パッド32の表面に凹凸が存在する場合であっても、押圧パッド32の表面の凹部に摺動シート34を沿わせることができ、定着ニップNPの出入口付近の摺動シートにしわ、たるみ、または波打ちの発生を抑止することができ、押圧パッド32と定着ベルト31との間に摺動シート34を適切な状態で設けることができる。また、押圧パッド32と定着ベルト31との間に摺動シート34を適切な状態で設けることができるので、用紙に形成された画像への熱供給量のムラの発生を抑止することができ、用紙幅方向のスジ状のムラ(光沢ムラ)の発生を抑止することができる。
加えて、摺動シート34の上流側部分PT2の一部が押圧パッド32と支持部材33の下面33aとの間に挟み込まれているので、定着ニップNPにおいて定着ベルト31の回転によって定着ベルト31の回転方向下流側に摺動シート34を引っ張る力に対する摺動シート34の強度および耐久性を確保することができる。また、摺動シート34が幅方向(加圧ローラー36の中心軸Rの延在方向)で一様に保持されるので、摺動シート34の通紙幅方向での変形差を生じにくくすることができる。
特に摺動シートに曲げ弾性率が0.5GPa以上である場合には、押圧パッドの押圧面の凹凸に沿って摺動シートが変形しにくく、摺動シートにはしわ、たるみ、または波打ちが発生しやすい。しかし、本実施の形態によれば、摺動シートに曲げ弾性率が高い場合であっても、定着ニップNPの出入口付近の摺動シートにしわ、たるみ、または波打ちの発生を抑止することができ、押圧パッド32と定着ベルト31との間に摺動シート34を適切な状態で設けることができる。
さらに、押圧パッド32における定着ニップNPを形成する定着ベルト31の部分を押圧する押圧面は、凸形状を有する入口側押圧面32aと、凹形状を有する中央押圧面32bと、凸形状を有する出口側押圧面32cとを含んでいるため、画像品質および用紙の搬送性を向上することができる。本実施の形態によれば、押圧パッド32がこのような複雑な形状を有している場合であっても、定着ニップNPの出入口付近の摺動シートにしわ、たるみ、または波打ちの発生を抑止することができ、押圧パッド32と定着ベルト31との間に摺動シート34を適切な状態で設けることができる。
なお、摺動シート34における下流側部分PT3の一部PT12は、支持部材33における加圧ローラー36と対向する対向面(下面33a)以外の面に固定されればよい。
図6は、本発明の第1の実施の形態における摺動シート34の下流側部分PT3の固定位置の変形例を模式的に示す断面図である。図6(a)は第1の変形例を示す図であり、図6(b)は第2の変形例を示す図である。
図6を参照して、図6(a)に示す第1の変形例では、摺動シート34における下流側部分PT3の一部PT12は、支持部材33における定着ベルト31の回転方向下流側に存在する側面33cに固定されている。この場合には、押圧パッド32の出口側端部から摺動シート34の固定位置までの距離を長くすることができる。図6(b)に示す第2の変形例では、摺動シート34における下流側部分PT3の一部PT12は、支持部材33における定着ベルト31の回転方向上流側に存在する側面33dに固定されている。
第1および第2の変形例においても、摺動シート34における十分な長さの部分を上方に引っ張ることができ、定着ベルト31の回転方向下流側において摺動シート34に加わる引張り力Fを大きくすることができる。
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態における定着装置30の主要部の構成を模式的に示す図である。図7(a)は、定着装置30の定着ニップNP付近の構成を示す図である。図7(b)は、摺動シート34における下流側部分PT3の形状を示す斜視図である。
図7を参照して、本実施の形態の定着装置30において、摺動シート34は、下流側部分PT3に形成された穴341(穴の一例)を含んでいる。穴341の個数は任意(好ましくは複数)であり、ここでは3つである。摺動シート34における下流側部分PT3の一部PT12は、支持部材33の側面33cに固定されている。
なお、本実施の形態における上述以外の画像形成装置および定着装置の構成は、第1の実施の形態における画像形成装置および定着装置の構成と同様であるため、その説明は繰り返さない。
本実施の形態によれば、定着装置30の製造時に、穴341に治具(図示無し)を引っかけることにより摺動シート34の下流側部分PT3を上方に引っ張った状態で、摺動シート34を固定することができる。これにより、作業性が向上し、定着ニップNPの出口側端部付近の摺動シート34へのしわ、たるみ、または波打ちの発生を抑止することができる。
[第3の実施の形態]
図8は、本発明の第3の実施の形態における定着装置30の主要部の構成を模式的に示す図である。図8(a)は、定着装置30の定着ニップNP付近の構成を示す図である。図8(b)は、摺動シート34における下流側部分PT3の形状を示す斜視図である。
図8を参照して、本実施の形態の定着装置30において、摺動シート34は、下流側部分PT3に設けられた折曲げ部342(折曲げ部の一例)を含んでいる。折曲げ部342は、支持部材33が存在する側とは反対側に折り曲げられている。摺動シート34における下流側部分PT3の一部PT12は、支持部材33の側面33cに固定されている。
なお、本実施の形態における上述以外の画像形成装置および定着装置の構成は、第1の実施の形態における画像形成装置および定着装置の構成と同様であるため、その説明は繰り返さない。
本実施の形態によれば、定着装置30の製造時に、人の手や冶具などで折曲げ部342を挟んで下流側部分PT3を上方に引っ張った状態で、摺動シート34を固定することができる。これにより、作業性が向上し、定着ニップNPの出口側端部付近の摺動シート34へのしわ、たるみ、または波打ちの発生を抑止することができる。
[第4の実施の形態]
図9は、本発明の第4の実施の形態における定着装置30の主要部の構成を模式的に示す図である。図9(a)は、定着装置30の定着ニップNP付近の構成を示す図である。図9(b)は、摺動シート34における下流側部分PT3の一部PT12と、両面テープ37との位置関係を示す斜視図である。
図9を参照して、本実施の形態の定着装置30において、摺動シート34の下流側部分PT3の一部PT12は、支持部材33の側面33cに対して両面テープ37により固定されている。
なお、本実施の形態における上述以外の画像形成装置および定着装置の構成は、第1の実施の形態における画像形成装置および定着装置の構成と同様であるため、その説明は繰り返さない。
本実施の形態によれば、両面テープ37を用いることにより、摺動シート34の下流側部分PT3の幅方向全面を均一に引っ張った状態で支持部材33に固定することが容易になる。これにより、摺動シート34が用紙幅方向D(加圧ローラー36の中心軸Rの延在方向)で一様に保持され、定着ニップNPの出口側端部における摺動シート34の用紙幅方向Dでの変形差を生じにくくすることができる。
[第5の実施の形態]
図10は、本発明の第5の実施の形態における定着装置30の主要部の構成を模式的に示す図である。図10(a)は、定着装置30の定着ニップNP付近の構成を示す図である。図10(b)は、摺動シート34における下流側部分PT3の一部PT12と、板材38との位置関係を示す斜視図である。
図10を参照して、本実施の形態における定着装置30は、板材38(固定部材の一例)をさらに備えている。板材38は、支持部材33の側面33cとの間で摺動シート34を挟み込むことにより、摺動シート34の下流側部分PT3の一部PT12を支持部材33に固定している。
具体的には、板材38は用紙幅方向Dに延在した形状を有しており、支持部材33と対向する平面を有している。板材38の用紙幅方向Dの幅は、摺動シート34の用紙幅方向Dの幅よりも大きい。板材38の中央部と支持部材33との間には摺動シート34が挿入されている。板材38の両端部における支持部材33が存在しない部分は、それぞれねじ39によって支持部材33の側面33cに固定されている。これにより、摺動シート34の下流側部分PT3の一部PT12は、支持部材33に固定されている。
なお、本実施の形態における上述以外の画像形成装置および定着装置の構成は、第1の実施の形態における画像形成装置および定着装置の構成と同様であるため、その説明は繰り返さない。
本実施の形態によれば、板材38を用いることにより、摺動シート34の下流側部分PT3の幅方向全面を均一に引っ張った状態で支持部材33に固定することが容易になる。これにより、摺動シート34が用紙幅方向D(加圧ローラー36の中心軸Rの延在方向)で一様に保持され、定着ニップNPの出口側端部における摺動シート34の用紙幅方向Dでの変形差を生じにくくすることができる。
[第6の実施の形態]
図11は、本発明の第6の実施の形態における定着装置30の主要部の構成を模式的に示す図である。図11(a)は、定着装置30の定着ニップNP付近の構成を示す図である。図11(b)は、摺動シート34における下流側部分PT3の一部PT12と、保持部材40および弾性部材41との位置関係を示す斜視図である。
図11を参照して、本実施の形態における定着装置30は、保持部材40(保持部材の一例)と、弾性部材41(弾性部材の一例)とをさらに備えている。保持部材40は支持部材33に支持されており、弾性部材41を保持している。ここでは、保持部材40は板材38と一体的に形成されることで、板材38を通じて支持部材33に支持されている。保持部材40の用紙幅方向Dの幅は、摺動シート34の用紙幅方向Dの幅よりも大きい。保持部材40は、板材38と接続され、支持部材33から離れる方向に突出する突出部40aと、突出部40aの先端から加圧ローラー36側に突出する突出部40bとを含んでいる。突出部40bは、押圧パッド32との間で弾性部材41を挟み込むことで、弾性部材41を保持する。
弾性部材41は、摺動シート34における加圧ローラー36が存在する側の面34aの側に設けられており、面34aから摺動シート34の下流側部分PT3を押圧する。弾性部材41は、ねじや両面テープなどを用いて突出部40bに固定されている。弾性部材41は、耐熱性のウレタンフォームなどよりなっている。なお、弾性部材41は定着ベルト31の内周面31aに接触しており、定着ベルト31の内周面31aに対して潤滑剤(オイルやグリス)を供給し、定着ベルト31の内周面31aの余分な潤滑剤を除去するものであってもよい。この場合、弾性部材41は、定着ベルト31の内周面31aと接触する位置に固定され、潤滑剤を含むスポンジ状の材料よりなっている。弾性部材41は、摺動シート34の上流側部分PT2を押圧してもよい。
なお、本実施の形態における上述以外の画像形成装置および定着装置の構成は、第5の実施の形態における画像形成装置および定着装置の構成と同様であるため、その説明は繰り返さない。
本実施の形態によれば、摺動シート34が弾性部材41によって押圧されるので、摺動シート34へのたるみやしわの発生を抑止することができる。また、定着ベルト31の内周面31aに塗布される潤滑剤の量を弾性部材41によって均一化することができる。
[その他]
本発明の対象となる定着装置は、定着ベルトが加熱ローラーによって張架されず、ヒーターによって定着ベルトが直接加熱される直接加熱方式のものであってもよいし、熱源としてIH(Induction Heating)方式や熱抵抗による発熱シートを用いたものであってもよい。また、本発明の対象となる定着装置は、定着ローラーを加圧する加圧部材側の構成として、ベルト、押圧部材、支持部材、およびシートを備えたものであってもよい。
上述の実施の形態および変形例は適宜組み合わせることが可能である。たとえば第2~第6の実施の形態において、図3(a)または図6(b)に示す固定位置で摺動シート34の下流側部分PT3の一部が固定されてもよい。
上述の実施の形態および変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像形成装置(画像形成装置の一例)
1a 画像形成装置本体
10 用紙搬送部
11 給紙トレイ
12 給紙ローラー
13 レジストローラー
14 排紙ローラー
15 排紙トレイ
20 トナー像形成部(画像形成部の一例)
20A 画像形成ユニット
21 露光装置
22 感光体ドラム
23 帯電ローラー
24 現像装置
25 クリーニング装置
26 中間転写ベルト
26a 回転ローラー
27 一次転写ローラー
28 二次転写ローラー
29 クリーニング装置
30 定着装置(定着装置の一例)
31,131 定着ベルト(定着ベルトの一例)
31a 定着ベルトの内周面
32,132 押圧パッド(押圧部材の一例)
32a 押圧パッドの入口側押圧面(入口側押圧面の一例)
32b 押圧パッドの中央押圧面
32c 押圧パッドの出口側押圧面(出口側押圧面の一例)
32d ピン
33,133 支持部材(支持部材の一例)
33a,133a 支持部材の下面
33b 支持部材の上面
33c,33d 支持部材の側面
34,134 摺動シート(摺動シートの一例)
34a 摺動シートの面
35 加熱ローラー
35a ハロゲンヒーター
36 加圧ローラー(加圧部材の一例)
37 両面テープ
38 板材(固定部材の一例)
40 保持部材(保持部材の一例)
40a,40b 保持部材の突出部
41 弾性部材(弾性部材の一例)
341,343 摺動シートの穴(穴の一例)
342 摺動シートの折曲げ部(折曲げ部の一例)
AR1 摺動シートの延在方向
NP 定着ニップ
PT1 摺動シートの接触部分(接触部分の一例)
PT2 摺動シートの上流側部分(上流側部分の一例)
PT3 摺動シートの下流側部分(下流側部分の一例)
PT11 摺動シートの上流側部分の一部
PT12 摺動シートの下流側部分の一部
R 加圧ローラーの中心軸
TR 搬送経路

Claims (11)

  1. トナー像が形成された用紙を定着ニップで把持しながら搬送することにより、前記用紙にトナー像を定着する定着装置であって、
    回転する無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの内側に配置され、内側から前記定着ベルトを押圧する押圧部材と、
    前記押圧部材を支持する支持部材と、
    前記定着ベルトと前記押圧部材との間に設けられた摺動シートと、
    前記定着ベルトの外側に配置され、前記定着ベルトの外側から前記定着ベルトにおける前記押圧部材に押圧された部分を押圧することにより、前記定着ベルトとの間で前記定着ニップを形成する加圧部材とを備え、
    前記定着ベルトの回転方向を前記摺動シートに沿って延長した方向を前記摺動シートの延在方向とした場合に、前記摺動シートにおける前記定着ベルトと前記押圧部材とに接触する部分である接触部分よりも前記摺動シートの延在方向上流側に存在する上流側部分の一部は、前記支持部材における前記加圧部材と対向する対向面と、前記押圧部材との間に挟み込まれており、前記摺動シートにおける前記接触部分よりも前記摺動シートの延在方向下流側に存在する下流側部分の一部は、前記支持部材における前記対向面以外の面に固定される、定着装置。
  2. 前記摺動シートは、前記下流側部分に形成された穴を含む、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記摺動シートは、前記下流側部分に設けられ、前記支持部材が存在する側とは反対側に折り曲げられた折曲げ部を含む、請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記下流側部分の一部は、前記支持部材における前記対向面以外の面に接着により固定される、請求項1~3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記支持部材における前記対向面以外の面との間で前記摺動シートを挟み込むことにより、前記下流側部分の一部を前記支持部材に固定する固定部材をさらに備えた、請求項1~4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記押圧部材における前記定着ニップを形成する前記定着ベルトの部分を押圧する押圧面は、前記加圧部材に対して凸形状を有し、前記定着ニップの入口側端部の前記定着ベルトを押圧する入口側押圧面と、前記加圧部材に対して凸形状を有し、前記定着ニップの出口側端部の前記定着ベルトを押圧する出口側押圧面とを含む、請求項1~5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記摺動シートにおける前記加圧部材が存在する側の面から前記摺動シートを押圧する弾性部材をさらに備えた、請求項1~6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 前記支持部材に支持され、前記弾性部材を保持する保持部材をさらに備えた、請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記弾性部材は前記定着ベルトと接触し、前記定着ベルトに対して潤滑剤を供給する、請求項7または8に記載の定着装置。
  10. 前記摺動シートは、0.5GPa以上2GPa以下の曲げ弾性率を有する、請求項1~9のいずれかに記載の定着装置。
  11. トナー像を前記用紙に形成する画像形成部と、
    請求項1~10のいずれかに記載の定着装置とを備えた、画像形成装置。
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