JP2007067155A - 電気化学素子用セパレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】低抵抗且つ高耐圧で長寿命の電気化学素子を実現する電気化学素子用セパレータを提供する。
【解決手段】2層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第1層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が第2層よりも多く、且つ、何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して7.5〜67質量%である電気化学素子用セパレータ。3層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が、第1層と第3層よりも多く、且つ、少なくとも第1層と第2層の何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して5〜65質量%である電気化学素子用セパレータ。
【選択図】なし
【解決手段】2層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第1層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が第2層よりも多く、且つ、何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して7.5〜67質量%である電気化学素子用セパレータ。3層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が、第1層と第3層よりも多く、且つ、少なくとも第1層と第2層の何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して5〜65質量%である電気化学素子用セパレータ。
【選択図】なし
Description
本発明は、低抵抗且つ高耐圧で長寿命の電気化学素子用セパレータに関する。
従来、電解コンデンサや電気二重層キャパシタのセパレータとしては、溶剤紡糸セルロース繊維や再生セルロース繊維を主体とする紙製セパレータが使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。本発明者らは、リフロー耐熱性に優れ、内部抵抗が低く、自己放電特性と特性保持力に優れる電気化学素子用セパレータを開示している(例えば、特許文献4参照)。
従来、電気二重層キャパシタの電極としては、活性炭からなる電極が使用されてきたが、用途によっては、エネルギー密度と出力密度が不充分であった。そのため、電極材料の改良が活発になされており、例えば、非多孔性炭素からなる電極(例えば、特許文献5参照)やポリアセン系材料からなる電極(例えば、特許文献6参照)が高いエネルギー密度と出力密度を示すことがわかっている。従来の活性炭電極が上限2.5V〜2.7V程度で作動するのに対し、非多孔性炭素電極は3V以上で作動し、上限は3.7V〜4V程度にまでなる。
セルロースを主体とするセパレータは、セルロース分子内に物理吸着水や化学結合型吸着水を有しており、そのまま使用すると正極と接している側で、これら吸着水が電気分解し、気泡が発生し、気泡が炭素の細孔や層間に入り込むなどして電極の静電容量が低下する問題や、内部抵抗が増大する問題がある。そのため、従来の紙製セパレータは、長時間乾燥後に使用されている。しかし、これら吸着水を完全に除去することは難しく、2.5Vまでは比較的安定して使用することができるが、2.7V以上、特に3V以上になると完全には除去しきれていなかった吸着水が電気分解し、さらにはセルロース自体が酸化されて脱水し、生成された水分がまた電気分解されるため電気化学素子の性能劣化は留まることなく進行し、セルロースは著しい強度劣化を起こすことが最近明らかになってきた。
本発明者らが特許文献4で開示した電気化学素子用セパレータは、2.7V以下であれば問題なく使用できるが、必ずしも3V以上の高電圧に耐えられるものではなかった。
特開平5−267103号公報
特開平11−168033号公報
特開2000−3834号公報
特開2004−335281号公報
特開2002−25867号公報
特開平6−203833号公報
本発明は、上記実情を鑑みたものであって、低抵抗且つ高電圧に耐えられる(以下、高耐圧と表記する)ものであり、長寿命の電気化学素子用セパレータを提供するものである。
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意研究を行った結果、低抵抗、高耐圧であり、長寿命の電気化学素子用セパレータを実現できることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明の第1は、2層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第1層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が第2層よりも多く、且つ、何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して7.5〜67質量%である電気化学素子用セパレータである。
本発明の第1の電気化学素子用セパレータにおいては、第1層のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が多孔質シート全体に対して10〜50質量%で、第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が多孔質シート全体に対して0〜30質量%であることが好ましい。
本発明の第2は、3層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が、第1層と第3層よりも多く、且つ、少なくとも第1層と第2層の何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して5〜65質量%である電気化学素子用セパレータである。
本発明の第2の電気化学素子用セパレータにおいては、第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が多孔質シート全体に対して7.5〜35質量%で、第1層と第3層のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が多孔質シート全体に対して0〜15質量%であることが好ましい。
本発明の第1及び第2の電気化学素子用セパレータにおいては、フィブリル化耐熱性繊維が、パラ系アラミド繊維であることが好ましい。
本発明の第1及び第2の電気化学素子用セパレータにおいては、フィブリル化耐熱性繊維が、全芳香族ポリエステル繊維であることが好ましい。
本発明の第1及び第2の電気化学素子用セパレータにおいては、セルロースが、フィブリル化セルロースであることが好ましい。
本発明の第1及び第2の電気化学素子用セパレータにおいては、多孔質シートが、メタ系アラミドフィブリッドを含有することが好ましい。
本発明の第1及び第2の電気化学素子用セパレータにおいては、メタ系アラミドフィブリッドが、ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)であることが好ましい。
本発明の第1及び第2の電気化学素子用セパレータにおいては、多孔質シートが、非フィブリル化合成繊維を含有することが好ましい。
本発明においては、電気化学素子が、3V以上の電圧で作動する電気二重層キャパシタであることが好ましい。
本発明者らはアラミド繊維の酸化による電気的特性への影響はほとんど無視できる程度であり、透気度や電極活物質バリア性などの因子が電気的特性に大きく影響することを新たに見出した。本発明によれば、抵抗低減機能と電極活物質バリア機能を両立させることができるため、低抵抗且つ高耐圧で長寿命の電気化学素子用セパレータが得られる。
本発明における電気化学素子とは、マンガン乾電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、リチウム電池、鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池、ニッケル−亜鉛蓄電池、酸化銀−亜鉛蓄電池、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、各種のゲル電解質電池、亜鉛−空気蓄電池、鉄−空気蓄電池、アルミニウム−空気蓄電池、燃料電池、太陽電池、ナトリウム硫黄電池、ポリアセン電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタなどを指す。電気二重層キャパシタの電極としては、一対の電気二重層型電極、一方が電気二重層型電極でもう片方が酸化還元型電極の組み合わせの何れでも良い。電気二重層型電極としては、活性炭からなる電極が使えるが、3V以上の高電圧が取り出せる非多孔性炭素からなる電極が特に好ましい。ここで、非多孔性炭素とは、活性炭とは製法が異なり、黒鉛に類似の微結晶炭素を有する炭素を指す。活性炭の場合は、充放電に伴って細孔にイオンが入ったり出たりするが、非多孔性炭素の場合は、微結晶炭素の層間にイオンが入ったり出たりする。酸化還元型電極としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、インドール三量体、ポリフェニルキノキサリン、これらの誘導体などの導電性高分子、酸化ルテニウム、酸化インジウム、酸化タングステンなどの金属酸化物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電気化学素子の電解液には、イオン解離性の塩を溶解させた水溶液、プロピレンカーボネート(略称PC)、エチレンカーボネート(略称EC)、ジメチルカーボネート(略称DMC)、ジエチルカーボネート(略称DEC)、アセトニトリル(略称AN)、プロピオニトリル、γ−ブチロラクトン(略称BL)、ジメチルホルムアミド(略称DMF)、テトラヒドロフラン(略称THF)、ジメトキシエタン(略称DME)、ジメトキシメタン(略称DMM)、スルホラン(略称SL)、ジメチルスルホキシド(略称DMSO)、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルソルブなどの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。水溶液系と有機溶媒系の何れも利用できる電気化学素子の場合は、水溶液系は耐電圧が低いため、有機溶媒系の方が好ましい。電解液の代わりにポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、これらの誘導体などの導電性高分子膜を用いても良い。
本発明におけるフィブリル化耐熱性繊維とは、耐熱性繊維をフィブリル化したものを指す。ここで、耐熱性繊維とは、軟化点、融点、熱分解温度の何れも250℃以上、700℃以下の繊維を指す。軟化点、融点、熱分解温度の何れも250℃以上、700℃以下の耐熱性繊維としては、メタ系アラミド、パラ系アラミド、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、全芳香族ポリエーテル、全芳香族ポリカーボネート、全芳香族ポリアゾメチン、ポリフェニレンスルフィド(略称PPS)、ポリ(パラ−フェニレンベンゾビスチアゾール)(略称PBZT)、ポリベンゾイミダゾール(略称PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(略称PEEK)、ポリアミドイミド(略称PAI)、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(略称PTFE)、ポリ(パラ−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)(略称PBO)などが挙げられ、これら単独でも良いし、2種類以上の組み合わせでも良い。PBZTはトランス型、シス型の何れでも良い。ここで、「軟化点、融点、熱分解温度の何れも250℃以上、700℃以下」の範疇には、軟化点や融点が明瞭ではないが、熱分解温度が250℃以上、700℃以下であるものも含まれる。パラ系アラミドやPBOなどはその例である。これらの繊維の中でも、液晶性のため均一にフィブリル化されやすいパラ系アラミドと全芳香族ポリエステルが好ましい。本発明におけるアラミドとは、アミド結合の85モル%以上が直接2個の芳香環に結合している全芳香族ポリアミドを意味する。
パラ系アラミドとしては、ポリ(パラ−フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラ−ベンズアミド)、ポリ(パラ−アミドヒドラジド)、ポリ(パラ−フェニレンテレフタルアミド−3,4−ジフェニルエーテルテレフタルアミド)、ポリ(4,4′−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラ−フェニレン−4,4′−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラ−フェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラ−フェニレンテレフタルアミド)、コポリパラフェニレン−3,4′−オキシジフェニレンテレフタルアミドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
全芳香族ポリエステルは、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸などのモノマーを組み合わせて、組成比を変えて合成される。例えば、p−ヒドロキシ安息香酸と2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸との共重合体が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明におけるフィブリルとは、フィルム状ではなく、主に繊維軸と平行な方向に非常に細かく分割された部分を有する繊維状で、少なくとも一部が繊維径1μm以下になっている繊維を指す。長さと巾のアスペクト比は約20〜約100000の範囲に分布し、カナディアンフリーネスは0ml以上、500ml以下の範囲にあることが好ましく、0ml以上、200ml以下の範囲にあることがより好ましい。さらに重量平均繊維長が0.1mm以上、2mm以下の範囲にあるものが好ましい。
本発明におけるフィブリル化は、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃によりせん断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも3000psiの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維に剪断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いて行うが、特に高圧ホモジナイザーで処理すると細かいフィブリルが得られるため好ましい。
本発明の第1の電気化学素子用セパレータは、2層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第1層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が第2層よりも多く、且つ、何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して7.5〜67質量%であるため、ピンホールを抑制し、且つ内部抵抗を低くすることができ、従来の製法ではピンホール抑制と低内部抵抗を両立することが困難だったレベルまで薄膜化できる。本発明の第1の電気化学素子用セパレータにおいては、セルロースを含有する層を負極に接するように配置して用いることによって、セルロースの酸化劣化を防ぎ、内部抵抗を低くすることができる。本発明の第1の電気化学素子用セパレータにおけるセルロースの含有率が多孔質シート全体に対して7.5質量%未満では、多孔質シートの電解液親和性が不十分になり、電気化学素子の内部抵抗が高くなる場合があり、67質量%より多いと多孔質シートの耐熱性が不十分になる場合や、電解液含浸状態での多孔質シートの強度が不十分になり、電気化学素子の不良率が高くなる場合がある。ここで、本発明における「含有量」とは、対象とする繊維が所定の層に含有される量そのものを意味し、「含有率」とは、対象とする繊維が所定の層に占める割合を意味する。
本発明においては、比表面積が大きく、電気化学素子の内部抵抗を低減する効果が大きいフィブリル化セルロースを用いることが好ましい。
本発明の第1の電気化学素子用セパレータにおけるフィブリル化セルロースの多孔質シート全体に対する含有率は、7.5〜67質量%が好ましく、7.5〜40質量%がより好ましい。7.5質量%未満では、多孔質シートの電解液親和性が不十分になり、電気化学素子の内部抵抗が高くなる場合があり、67質量%より多いと不織布の耐熱性が不十分になる場合や、電解液含浸状態での多孔質シートの強度が不十分になり、電気化学素子の不良率が高くなる場合がある。
本発明におけるセルロースとしては、溶剤紡糸セルロース、木材繊維や木材パルプ、リンター、リント、麻、柔細胞繊維などの非木材繊維や非木材パルプ、バクテリアセルロースなどが挙げられる。柔細胞繊維とは、植物の茎、葉、根、果実等に存在する柔細胞を主体とした部分を、アルカリで処理する等して得られるセルロースを主成分とし、水に不溶な繊維を指す。柔細胞繊維としては、例えば、サトウキビやサトウダイコンから得られる柔細胞繊維が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明のセルロースは、アセチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体であっても良いが、これらに限定されるものではない。カルボキシメチルセルロースは、Na、K、Ca、Al、NH4などの塩型であっても良い。
本発明の第1の電気化学素子用セパレータは、第1層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が第2層よりも多く、且つ、何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して7.5〜67質量%であり、そのときの第1層のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が多孔質シート全体に対して15〜50質量%で、第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が多孔質シート全体に対して0〜30質量%であることが好ましい。例えば、第1層のフィブリル化耐熱性繊維含有率が多孔質シート全体に対して15%で、第2層の該繊維含有率が多孔質シート全体に対して0質量%、第1層のフィブリル化耐熱性繊維含有率が多孔質シート全体に対して40質量%で、第2層の該繊維含有率が多孔質シート全体に対して30質量%といった具合である。第1層のフィブリル化耐熱性繊維含有率が多孔質シート全体に対して15質量%未満ではピンホールができる場合があり、50質量%より多いと多孔質シートの取り扱い時にフィブリル化耐熱性繊維が毛羽立つ場合や脱落する場合がある。一方、第2層のフィブリル化耐熱性繊維含有率が多孔質シート全体に対して30質量%より多いと、電解液がしみ込みにくくなり、内部抵抗が高めになる場合がある。ここで、多孔質シート全体とは、第1層から第2層まで全てを含む。
本発明の第2の電気化学素子用セパレータは、3層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が、第1層と第3層よりも多く、且つ、少なくとも第1層と第2層の何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して5〜65質量%であるため、ピンホールを抑制し、且つ内部抵抗を低くすることができる。本発明の第2の電気化学素子用セパレータは、第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が、第1層より多く、且つ、第3層より多いことを意味し、必ず第1層と第3層の合計より多いという意味ではない。第1層と第3層のフィブリル化耐熱性繊維含有量は同じであっても良く、異なっていても良い。第1層にセルロースを含有する場合は、セルロースを含有する層を負極に接するように配置して用いることによってセルロースの酸化劣化を防ぎ、内部抵抗を低くすることができる。ここで、少なくとも第1層と第2層の何れか一方の層にセルロースを含有するとは、例えば、第3層にはセルロースを含有せず、第1層と第2層にセルロースを含有する場合も該当する。一方、第2層にのみセルロースを含有する場合は、正極、負極の区別なく該セパレータを配置して使用することができる。本発明の第2の電気化学素子用セパレータにおけるセルロースの含有率が多孔質シート全体に対して5質量%未満では、多孔質シートの電解液親和性が不十分になり、電気化学素子の内部抵抗が高くなる場合があり、65質量%より多いと多孔質シートの耐熱性が不十分になりやすく、電解液含浸状態での多孔質シートの強度が不十分になり、電気化学素子の不良率が高くなる場合がある。
本発明の第2の電気化学素子用セパレータにおけるフィブリル化セルロースの含有率は、多孔質シート全体に対して5〜65質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。5質量%未満では、多孔質シートの電解液親和性が不十分になり、電気化学素子の内部抵抗が高くなる場合があり、65質量%より多いと不織布の耐熱性が不十分になりやすく、電解液含浸状態での多孔質シートの強度が不十分になり、電気化学素子の不良率が高くなる場合がある。
本発明の第2の電気化学素子用セパレータは、3層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が、第1層と第3層よりも多く、且つ、少なくとも第1層と第2層の何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して5〜65質量%であり、そのときの第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が多孔質シート全体に対して7.5〜35質量%で、第1層と第3層のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が多孔質シート全体に対して0〜15質量%であることが好ましい。ここで、第1層と第3層の該繊維含有率が多孔質シート全体に対して15質量%以下というのは、第1層と第3層の何れも15質量%以下であることを意味し、第1層と第3層の該繊維含有率を合計したものではない。第2層のフィブリル化耐熱性繊維含有率が多孔質シート全体に対して7.5質量%未満では多孔質シート全体の耐熱性が不十分になる場合があり、35質量%より多いと層間強度が弱くなり、層間剥離する場合がある。一方、第1層と第3層のフィブリル化耐熱性繊維含有率が多孔質シート全体に対して15質量%より多いと、電解液がしみ込みにくくなり、内部抵抗が高めになる場合がある。
本発明の第1および第2の電気化学素子用セパレータは、多孔質シートがメタ系アラミドフィブリッドを含有することが好ましい。メタ系アラミドとは、メタ配向芳香族ジアミンとメタ配向芳香族ジカルボン酸ハライドとの重縮合で得られるポリマー、前述のモノマーに対して共重合率40%以下でパラ配向芳香族ジアミン、パラ配向芳香族ジハライド、脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸などを重縮合して得られるポリマーであって、アミド結合が芳香環のメタ位またはそれに準じた配向位で結合した繰り返し単位からなるポリマーである。また、メタ配向芳香族ジアミンとメタ配向芳香族ジカルボン酸ハライドの芳香環の一部の水素原子は、アミド結合を形成しない置換基で置換されていても良く、芳香環は多環でも良い。アミド結合を形成しない置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、スルフォニル基、ニトロ基、フェニル基などが挙げられる。アルキル基とアルコキシ基は、炭素数が長いと重縮合を阻害しやすくなるため、炭素数は1〜4が好ましい。例えば、芳香環の一部の水素原子がアルキル基で置換されたメタ配向芳香族ジアミンとしては、N,N´−ジメチルメタフェニレンジアミン、N,N´−ジエチルメタフェニレンジアミン、2−メチル−4−エチルメタフェニレンジアミン、2−メチル−4−エチル−5−プロピルメタフェニレンジアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、芳香環の一部の水素原子がアルコキシ基で置換されたメタ配向芳香族ジカルボン酸ハライドとしては、ジメトキシイソフタル酸クロライド、ジエトキシイソフタル酸クロライド、2−メトキシ−4−エトキシイソフタル酸クロライドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、芳香環が多環なメタ配向芳香族ジアミンとしては、4,4´−オキシジフェニルジアミン、4,4´−スルフォニルジフェニルジアミン、4,4´−ジフェニルジアミン、3,3´−オキシジフェニルジアミン、3,3´−スルフォニルジフェニルジアミン、3,3´−ジフェニルジアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに、これらの芳香環の一部の水素原子が、前述したように、アミド結合を形成しない置換基で置換されていても良い。例えば、芳香環が多環なメタ配向芳香族ジカルボン酸ハライドとしては、4,4´−オキシジベンゾイルクロライド、4,4´−スルフォニルジベンゾイルクロライド、4,4´−ジベンゾイルクロライド、3,3´−オキシジベンゾイルクロライド、3,3´−スルフォニルジベンゾイルクロライド、3,3´−ジベンゾイルクロライドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらにこれらの芳香環の一部の水素原子が、前述したように、アミド結合を形成しない置換基で置換されていても良い。
本発明においては、メタ系アラミドの中でも、耐熱性に優れるポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)が好ましい。ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)は、メタフェニレンジアミンとイソフタル酸クロライドを重縮合して得られる。
本発明におけるフィブリッドとは、非顆粒状且つ非剛性のフィルム状微小粒子である。フィブリッドは、米国特許第2999788号明細書や米国特許第3018091号明細書に明示されているように、ポリマー溶液を貧溶媒(凝固浴)の中へ剪断沈殿させることによって製造することができる。メタ系アラミドフィブリッドも同様の方法で製造することができ、例えば、米国特許第3094511号明細書、米国特許第3756908号明細書に明示されている。通常のメタ系アラミド繊維は、ポリマー溶液を高温雰囲気中、あるいは凝固浴中に紡糸した後、高温で延伸して巻き取られるため結晶が配向し、一般的には300℃以上の高融点になる。しかし、上述した方法で製造されたメタ系アラミドフィブリッドは、延伸されないため非晶性であり、300℃よりもはるかに低い温度で熱融着性を発現する特徴を有している。
本発明者らは、メタ系アラミドフィブリッドは、熱融着する際に該フィブリッド同士が接触して皮膜を形成するため、電極から遊離した炭素微粒子が電気化学素子用セパレータを貫通するのを防ぎ、自己放電を抑制する機能、すなわち電極活物質バリア機能に優れていることを見出した。そのため、高い特性保持率が得られるのである。メタ系アラミドフィブリッドは皮膜を形成した後は、メタ系アラミドとしての耐熱性を発現する。
本発明の第1の電気化学素子用セパレータがメタ系アラミドフィブリッドを含有する場合、メタ系アラミドフィブリッドの含有率は多孔質シート全体に対して3〜40質量%が好ましい。3質量%未満では、熱融着で形成されるフィブリッドの皮膜面積が小さく、電極活物質バリア機能が十分に発揮できない場合がある。40質量%より多いと、熱融着で形成されるフィブリッドの皮膜面積が大きくなり、多孔質シートの空隙量が少なくなり、内部抵抗が高めになる場合がある。
本発明の第2の電気化学素子用セパレータがメタ系アラミドフィブリッドを含有する場合、メタ系アラミドフィブリッドの含有率は多孔質シート全体に対して2.5〜30質量%が好ましい。2.5質量%未満では、熱融着で形成されるフィブリッドの皮膜面積が小さく、電極活物質バリア機能が十分に発揮できない場合がある。30質量%より多いと、熱融着で形成されるフィブリッドの皮膜面積が大きくなり、多孔質シートの空隙量が少なくなり、内部抵抗が高めになる場合がある。
本発明の第1および第2の電気化学素子用セパレータにおいては、多孔質シートが非フィブリル化合成繊維を含有することが好ましい。本発明の多孔質シートは、非フィブリル化合成繊維を含有することにより、該繊維を含有しない場合よりも腰が強くなり、ハンドリング性や加工性が良くなる。本発明に用いられる非フィブリル化合成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、それらの誘導体などのポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、脂肪族ポリアミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルなどからなる単繊維や複合繊維、本発明でいうところの耐熱性繊維が挙げられ、これら1種類でも良いし、2種類以上混合して用いても良い。これらの中でも、ポリエステル、アクリル、脂肪族ポリアミドなどの非フィブリル化合成繊維は、多孔質シートの断裁性を向上させるため好ましい。
本発明に用いられる非フィブリル化合成繊維の繊維長は1mm〜15mmが好ましく、2mm〜10mmがより好ましい。繊維長が1mmより短いと多孔質シートから脱落しやすく、15mmより長いと、繊維がもつれてダマになりやすく、厚みむらが生じやすい。これら合成繊維の繊維径は、20μm以下または2dtex以下が好ましく、12μm以下または1dtex以下がより好ましく、7μm以下または0.5dtex以下が最も好ましい。繊維径が20μmまたは2dtexより太いと、多孔質シートの厚みむらやピンホールが生じる場合や断裁性が悪くなる場合がある。
本発明の第1の電気化学素子用セパレータが非フィブリル化合成繊維を含有する場合、非フィブリル化合成繊維の含有率は、多孔質シート全体に対して6〜50質量%が好ましい。6質量%未満では、多孔質シートの断裁性が低下する場合や電解液含浸状態での強度が不十分になり、電気化学素子の不良率が高めになる場合がある。50質量%より多いと、ピンホールができる場合がある。
本発明の第2の電気化学素子用セパレータが非フィブリル化合成繊維を含有する場合、非フィブリル化合成繊維の含有率は、多孔質シート全体に対して10〜60質量%が好ましい。10質量%未満では、多孔質シートの断裁性が低下する場合や電解液含浸状態での強度が不十分になり、電気化学素子の不良率が高めになる場合がある。60質量%より多いと、特に多孔質シートの厚みが薄い場合にピンホールができる場合がある。
本発明の第1の電気化学素子用セパレータ、すなわち2層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第1層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が第2層よりも多く、且つ、何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して7.5〜67質量%である電気化学素子用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維を含有するスラリー同士またはフィブリル化耐熱性繊維含有スラリーと該繊維を含有しないスラリーを抄合わせる方法、予め製造されたシートにフィブリル化耐熱性繊維含有スラリーを抄合わせる方法、1本または複数のノズルから吹き付ける方法、カーテン状に流し込む(または塗布)方法などによって製造される。吹き付ける際のノズルは揺動させても良いし、固定しても良い。吹き付けは、予め作製されたシートを抄紙網上に搬送しながら行っても良く、例えばカーテンコーターなど一般に用いられるコーターマシンを用いて行っても良い。流し込み(または塗布)は、湿紙または予め作製されたシートを抄紙網上に搬送しながら行っても良く、例えばカーテンコーターなど一般に用いられるコーターマシンを用いて行っても良い。何れにしても抄紙網上で行えば、水分を吸引除去してウェブ形成が速く均一にできるため好ましい。予め製造されたシートは、湿式不織布、乾式不織布、織布の何れでも良い。
本発明の第2の電気化学素子用セパレータ、すなわち3層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が、第1層と第3層よりも多く、且つ、少なくとも第1層と第2層の何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して5〜65質量%である電気化学素子用セパレータは、第2層のフィブリル化耐熱性繊維含有量が多くなるようにする以外は、第1の電気化学素子用セパレータと同様にして製造される。予め製造されたシートは、湿式不織布、乾式不織布、織布の何れでも良い。
抄合わせは、長網抄紙機、短網抄紙機、円網抄紙機、傾斜型抄紙機、これらの中から同種あるいは異種の抄紙機を2つ以上組み合わせたコンビネーションマシンなどを用いて湿式抄紙する。このようにして製造することにより、フィブリル化耐熱性繊維を偏在させることができる。該繊維は、少なくとも一部が繊維径1μm以下で、それ以下の細い部分も多いため、ウェブ形成時、プレスパートなどで該繊維が第1の電気化学素子用セパレータでは第1層または第2層から第2層または第1層に、第2の電気化学素子用セパレータでは第2層から第1層と第3層に向かってそれぞれ侵入し、他の繊維と絡むため、それぞれの厚み方向に向かって傾斜分布する。そのため、本発明の電気化学素子用セパレータは、層間剥離しにくい特徴を有する。
一方、予め作製された2つのシート、すなわちフィブリル化耐熱性繊維を含有するシート同士または該繊維を含有するシートと含有しないシートとを熱接着させた場合には、フィブリル化耐熱性繊維が相手シート内に入り込んで他の繊維と絡むことはなく、傾斜分布することはない。そのため、容易に層間剥離してしまう。層間剥離しにくくなるように熱接着条件を強めると繊維の熱融着が過度に進行して孔を塞ぎ、イオン透過性に悪影響を及ぼし、本発明の電気化学素子用セパレータと同等の性能は得られない。
本発明の電気化学素子用セパレータにおいて、フィブリル化耐熱性繊維が偏在する様子は、該セパレータの断面を電子顕微鏡やレーザー光学顕微鏡などを用いて観察することにより確認することができる。同時にフィブリル化耐熱性繊維が傾斜分布する様子も確認することができる。
本発明の電気化学素子用セパレータの厚みは特に制限はないが、10μm〜100μmが好ましく、15μm〜60μmがより好ましく、15μm〜30μmが最も好ましい。10μm未満では、十分な突刺強度が得られにくく、電気化学素子の不良率が高めになりやすい。100μmより厚いと、例えば二次電池や電気二重層キャパシタなどの電気化学素子に収納できる電極面積が小さくなり、電気化学素子の容量が小さくなってしまう。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<フィブリル化耐熱性繊維1>
パラ系アラミド繊維(帝人テクノプロダクツ製、トワロン1080)を初期濃度5質量%になるようにイオン交換水に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて、15回繰り返し叩解処理し、重量平均繊維長1.55mmのフィブリル化パラ系アラミド繊維を作製した。以下、これをフィブリル化耐熱性繊維1またはFB1と表記する。
パラ系アラミド繊維(帝人テクノプロダクツ製、トワロン1080)を初期濃度5質量%になるようにイオン交換水に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて、15回繰り返し叩解処理し、重量平均繊維長1.55mmのフィブリル化パラ系アラミド繊維を作製した。以下、これをフィブリル化耐熱性繊維1またはFB1と表記する。
<フィブリル化耐熱性繊維2>
フィブリル化耐熱性繊維1を、高圧ホモジナイザーで50MPaの条件で25回繰り返し処理し、重量平均繊維長0.61mmのフィブリル化パラ系アラミド繊維を作製した。以下、これをフィブリル化耐熱性繊維2またはFB2と表記する。
フィブリル化耐熱性繊維1を、高圧ホモジナイザーで50MPaの条件で25回繰り返し処理し、重量平均繊維長0.61mmのフィブリル化パラ系アラミド繊維を作製した。以下、これをフィブリル化耐熱性繊維2またはFB2と表記する。
<フィブリル化耐熱性繊維3>
全芳香族ポリエステル繊維(クラレ製、べクトランHHA、繊度1.7dtex、繊維長3mm)を初期濃度5質量%になるようにイオン交換水中に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて15回繰り返し叩解処理した後、高圧ホモジナイザーを用いて50MPaの条件で20回繰り返し処理し、重量平均繊維長0.35mmのフィブリル化全芳香族ポリエステル繊維を作製した。以下、これをフィブリル化耐熱性繊維3またはFB3と表記する。
全芳香族ポリエステル繊維(クラレ製、べクトランHHA、繊度1.7dtex、繊維長3mm)を初期濃度5質量%になるようにイオン交換水中に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて15回繰り返し叩解処理した後、高圧ホモジナイザーを用いて50MPaの条件で20回繰り返し処理し、重量平均繊維長0.35mmのフィブリル化全芳香族ポリエステル繊維を作製した。以下、これをフィブリル化耐熱性繊維3またはFB3と表記する。
<フィブリル化耐熱性繊維4>
PBO繊維(東洋紡績製、ザイロンAS、繊度1.7dtex、繊維長3mm)を初期濃度5質量%になるようにイオン交換水中に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて、25回繰り返し叩解処理した後、高圧ホモジナイザーを用いて50MPaの条件で20回繰り返し処理し、重量平均繊維長0.58mmのフィブリル化PBO繊維を作製した。以下、これをフィブリル化耐熱性繊維4またはFB4と表記する。
PBO繊維(東洋紡績製、ザイロンAS、繊度1.7dtex、繊維長3mm)を初期濃度5質量%になるようにイオン交換水中に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて、25回繰り返し叩解処理した後、高圧ホモジナイザーを用いて50MPaの条件で20回繰り返し処理し、重量平均繊維長0.58mmのフィブリル化PBO繊維を作製した。以下、これをフィブリル化耐熱性繊維4またはFB4と表記する。
<フィブリル化セルロース1>
リンターを初期濃度5質量%になるようにイオン交換水中に分散させ、高圧ホモジナイザーを用いて50MPaの圧力で20回繰り返し処理して、重量平均繊維長0.33mmのフィブリル化セルロースを作製した。以下、これをフィブリル化セルロース1またはFBC1と表記する。
リンターを初期濃度5質量%になるようにイオン交換水中に分散させ、高圧ホモジナイザーを用いて50MPaの圧力で20回繰り返し処理して、重量平均繊維長0.33mmのフィブリル化セルロースを作製した。以下、これをフィブリル化セルロース1またはFBC1と表記する。
<フィブリル化セルロース2>
繊度1.7dtex、繊維長5mmの溶剤紡糸セルロース(レンチング社製、テンセル)を初期濃度5質量%になるようにイオン交換水中に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて叩解処理し、重量平均繊維長0.64mm、カナディアンフリーネス10mlのフィブリル化セルロースを作製した。以下、これをフィブリル化セルロース2またはFBC2と表記する。
繊度1.7dtex、繊維長5mmの溶剤紡糸セルロース(レンチング社製、テンセル)を初期濃度5質量%になるようにイオン交換水中に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて叩解処理し、重量平均繊維長0.64mm、カナディアンフリーネス10mlのフィブリル化セルロースを作製した。以下、これをフィブリル化セルロース2またはFBC2と表記する。
<アラミドフィブリッド1>
ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)、トリエチルアミン、トリエチルアミンヒドロクロライドを所定量溶解させたメチレンクロライド溶液をワーリンブレンダーで撹拌しながら、イソフタル酸クロライドを溶解させたメチレンクロライド溶液を加えて重縮合反応させ、ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)を合成した。N,N´−ジメチルアセトアミド30%、水68%、塩化カルシウム2%の割合で混合した凝固浴をワーリンブレンダーで高速攪拌させ、これにポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)溶液を接触させ、アラミドフィブリッドを沈殿生成させた。得られたアラミドフィブリッドを水洗した。以下、これをアラミドフィブリッド1またはFD1と表記する。FD1のカナディアンフリーネスは5mlであった。
ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)、トリエチルアミン、トリエチルアミンヒドロクロライドを所定量溶解させたメチレンクロライド溶液をワーリンブレンダーで撹拌しながら、イソフタル酸クロライドを溶解させたメチレンクロライド溶液を加えて重縮合反応させ、ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)を合成した。N,N´−ジメチルアセトアミド30%、水68%、塩化カルシウム2%の割合で混合した凝固浴をワーリンブレンダーで高速攪拌させ、これにポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)溶液を接触させ、アラミドフィブリッドを沈殿生成させた。得られたアラミドフィブリッドを水洗した。以下、これをアラミドフィブリッド1またはFD1と表記する。FD1のカナディアンフリーネスは5mlであった。
<アラミドフィブリッド2>
4−メチルメタフェニレンジアミン、トリエチルアミン、トリエチルアミンヒドロクロライドを所定量溶解させたメチレンクロライド溶液をワーリンブレンダーで撹拌しながら、イソフタル酸クロライドを溶解させたメチレンクロライド溶液を加えて重縮合反応させ、ポリ(4−メチル−メタフェニレンイソフタルアミド)を合成した。<アラミドフィブリッド1>で用いた凝固浴と同組成で別の凝固浴を用意し、ワーリンブレンダーで高速攪拌させ、これにポリ(4−メチル−メタフェニレンイソフタルアミド)溶液を接触させてアラミドフィブリッドを沈殿生成させた。得られたアラミドフィブリッドを水洗した。以下、これをアラミドフィブリッド2またはFD2と表記する。FD2のカナディアンフリーネスは10mlであった。
4−メチルメタフェニレンジアミン、トリエチルアミン、トリエチルアミンヒドロクロライドを所定量溶解させたメチレンクロライド溶液をワーリンブレンダーで撹拌しながら、イソフタル酸クロライドを溶解させたメチレンクロライド溶液を加えて重縮合反応させ、ポリ(4−メチル−メタフェニレンイソフタルアミド)を合成した。<アラミドフィブリッド1>で用いた凝固浴と同組成で別の凝固浴を用意し、ワーリンブレンダーで高速攪拌させ、これにポリ(4−メチル−メタフェニレンイソフタルアミド)溶液を接触させてアラミドフィブリッドを沈殿生成させた。得られたアラミドフィブリッドを水洗した。以下、これをアラミドフィブリッド2またはFD2と表記する。FD2のカナディアンフリーネスは10mlであった。
表1に示した原料と含有率の通り、パルパーを用いて抄紙用スラリーを調製した。このときイオン交換水を用いた。表1中の「PET1」は、繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維(帝人ファイバー製、テイジンテトロン テピルスTM04PN SD0.1×3、商品名)、「PET2」は、繊度0.6dtex、繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート繊維(帝人ファイバー製、テイジンテトロン テピルスTA04N SD0.6×5、商品名)、「PET3」は、繊度1.1dtex、繊維長5mmのポリエステル芯鞘複合繊維(帝人ファイバー製、テイジンテトロンTJ04CN SD1.1×5、商品名、芯部:ポリエチレンテレフタレート、鞘部:ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートの共重合体、鞘部の融点110℃)、「PET4」は、繊度1.7dtex、繊維長5mmのポリエステル芯鞘複合繊維(帝人ファイバー製、テイジンテトロンTJ04CN SD1.7×5、商品名、芯部:ポリエチレンテレフタレート、鞘部:ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートの共重合体、鞘部の融点110℃)、「PET5」は、繊度1.7dtex、繊維長5mmの全芳香族ポリエステル繊維(クラレ製、ベクトランHHA、商品名)を意味する。「A1」は、繊度0.1dtex、繊維長3mmのアクリル繊維(三菱レイヨン製、ボンネルM.V.P、商品名、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸誘導体の3成分からなるアクリロニトリル系共重合体)、「PA1」は、繊度0.08dtex、繊維長3mmの芳香族ポリアミド繊維(クラレ製、ジェネスタ、商品名、融点255℃、軟化点230℃)、「PA2」は、繊度0.75dtex、繊維長5mmのパラ系アラミド繊維(帝人テクノプロダクツ製、テクノーラ、商品名、コポリパラフェニレン−3,4′−オキシジフェニレンテレフタルアミド)、 「PBO1」は、繊度1.7dtex、繊維長6mmのPBO繊維(東洋紡製、ザイロンAS、商品名)を意味する。「P1」は、カナディアンフリーネス520mlのマニラ麻パルプを意味する。
実施例1〜32
表2に示したスラリー、坪量、抄紙機の組み合わせで抄紙した。次いで、線圧196N/cmでスーパーカレンダー処理して厚みを調整し、表2に示した厚みの電気化学素子用セパレータ1〜32を作製した。表2中のスラリー組合せ「3/1」とはスラリー3とスラリー1を意味し、坪量の「5/10」とはスラリー3を5g/m2、スラリー1を10g/m2という意味である。抄紙機の番号は、「1」が円網抄紙機、「2」が長網抄紙機、「3」が傾斜短網抄紙機、「4」が円網抄紙機と円網抄紙機のコンビネーション抄紙機、「5」が円網抄紙機と傾斜短網抄紙機のコンビネーション抄紙機、「6」が円網抄紙機と長網抄紙機のコンビネーション抄紙機を意味する。
表2に示したスラリー、坪量、抄紙機の組み合わせで抄紙した。次いで、線圧196N/cmでスーパーカレンダー処理して厚みを調整し、表2に示した厚みの電気化学素子用セパレータ1〜32を作製した。表2中のスラリー組合せ「3/1」とはスラリー3とスラリー1を意味し、坪量の「5/10」とはスラリー3を5g/m2、スラリー1を10g/m2という意味である。抄紙機の番号は、「1」が円網抄紙機、「2」が長網抄紙機、「3」が傾斜短網抄紙機、「4」が円網抄紙機と円網抄紙機のコンビネーション抄紙機、「5」が円網抄紙機と傾斜短網抄紙機のコンビネーション抄紙機、「6」が円網抄紙機と長網抄紙機のコンビネーション抄紙機を意味する。
(比較例1〜3)
スラリー25のみ、26のみ、2のみを表2に示した坪量、抄紙機の組み合わせで抄紙した後、線圧196N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、表2に示した厚みの電気化学素子用セパレータ62〜64を作製した。
スラリー25のみ、26のみ、2のみを表2に示した坪量、抄紙機の組み合わせで抄紙した後、線圧196N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、表2に示した厚みの電気化学素子用セパレータ62〜64を作製した。
(比較例4〜7)
表2に示したスラリー、坪量、抄紙機の組み合わせで抄紙した。次いで、線圧196N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、表2に示した厚みの電気化学素子用セパレータ65〜68を作製した。
表2に示したスラリー、坪量、抄紙機の組み合わせで抄紙した。次いで、線圧196N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、表2に示した厚みの電気化学素子用セパレータ65〜68を作製した。
実施例33〜61
表3に示したスラリー、坪量、抄紙機の組み合わせで抄紙した。次いで、線圧196N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、表3に示した厚みの電気化学素子用セパレータ33〜61を作製した。表3中のスラリー組合せ「4/5/6」とはスラリー4を表面に、スラリー5を内部に、スラリー6を反対側表面になるようにしたことを意味し、坪量の「5/10/5」とはスラリー4と6を5g/m2、スラリー5を10g/m2という意味で、この場合、スラリー5から形成される層が第2層となる。抄紙機の番号は、「7」が3連式円網コンビネーション抄紙機、「8」が傾斜短網抄紙機と円網抄紙機と円網抄紙機からなるコンビネーション抄紙機を意味する。
表3に示したスラリー、坪量、抄紙機の組み合わせで抄紙した。次いで、線圧196N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、表3に示した厚みの電気化学素子用セパレータ33〜61を作製した。表3中のスラリー組合せ「4/5/6」とはスラリー4を表面に、スラリー5を内部に、スラリー6を反対側表面になるようにしたことを意味し、坪量の「5/10/5」とはスラリー4と6を5g/m2、スラリー5を10g/m2という意味で、この場合、スラリー5から形成される層が第2層となる。抄紙機の番号は、「7」が3連式円網コンビネーション抄紙機、「8」が傾斜短網抄紙機と円網抄紙機と円網抄紙機からなるコンビネーション抄紙機を意味する。
(比較例8〜13)
表3に示したスラリー、坪量、抄紙機の組み合わせで抄紙した。次いで、線圧196N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、表3に示した厚みの電気化学素子用セパレータ69〜74を作製した。
表3に示したスラリー、坪量、抄紙機の組み合わせで抄紙した。次いで、線圧196N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、表3に示した厚みの電気化学素子用セパレータ69〜74を作製した。
<電気二重層キャパシタの作製>
電極活物質として非多孔性炭素85%、導電材としてカーボンブラック10%、結着材としてポリテトラフルオロエチレン5%を混練して厚み0.2mmのシート状電極を作製した。これを厚み50μmのアルミニウム箔の両面に導電性接着剤を用いて接着させ、圧延して電極を作製した。この電極を正極および負極として用いた。電気化学素子用セパレータを負極と正極の間に介して積層し、巻回機を用いて渦巻き型に巻回して渦巻き型素子を作製した。このとき、電気化学素子用セパレータ1〜32、66〜68、74については、セルロースを含有する面を負極に接するように配置した。電気化学素子用セパレータ33〜61については、第2層にのみセルロースを含有する場合は、第1層と第3層のどちらを正極に接触させても良いとし、第1層にセルロースを含有する場合は、セルロースを含有する層を負極に接するように配置した。電気化学素子用セパレータ69〜73については、正極、負極に関係なく両極の間に配置した。正極側および負極側の最外層には何れも電気化学素子用セパレータを配した。この渦巻き型素子をアルミニウム製ケースに収納した。ケースに取り付けられた正極端子および負極端子に正極リードおよび負極リードを溶接した後、電解液注液口を残してケースを封口した。この素子を収納したケースごと240℃に15時間加熱し乾燥処理した。ただし、電気化学素子用セパレータ7、10、14、74は220℃に24時間、電気化学素子用セパレータ62、68は150℃に48時間加熱し乾燥処理した。これを室温まで放冷した後、ケース内に電解液を注入し、注液口を密栓して電気二重層キャパシタを作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C2H5)3(CH3)NBF4を溶解させたものを用いた。
電極活物質として非多孔性炭素85%、導電材としてカーボンブラック10%、結着材としてポリテトラフルオロエチレン5%を混練して厚み0.2mmのシート状電極を作製した。これを厚み50μmのアルミニウム箔の両面に導電性接着剤を用いて接着させ、圧延して電極を作製した。この電極を正極および負極として用いた。電気化学素子用セパレータを負極と正極の間に介して積層し、巻回機を用いて渦巻き型に巻回して渦巻き型素子を作製した。このとき、電気化学素子用セパレータ1〜32、66〜68、74については、セルロースを含有する面を負極に接するように配置した。電気化学素子用セパレータ33〜61については、第2層にのみセルロースを含有する場合は、第1層と第3層のどちらを正極に接触させても良いとし、第1層にセルロースを含有する場合は、セルロースを含有する層を負極に接するように配置した。電気化学素子用セパレータ69〜73については、正極、負極に関係なく両極の間に配置した。正極側および負極側の最外層には何れも電気化学素子用セパレータを配した。この渦巻き型素子をアルミニウム製ケースに収納した。ケースに取り付けられた正極端子および負極端子に正極リードおよび負極リードを溶接した後、電解液注液口を残してケースを封口した。この素子を収納したケースごと240℃に15時間加熱し乾燥処理した。ただし、電気化学素子用セパレータ7、10、14、74は220℃に24時間、電気化学素子用セパレータ62、68は150℃に48時間加熱し乾燥処理した。これを室温まで放冷した後、ケース内に電解液を注入し、注液口を密栓して電気二重層キャパシタを作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C2H5)3(CH3)NBF4を溶解させたものを用いた。
電気化学素子用セパレータ1〜74について、下記の試験方法により測定し、その結果を表4および表5に示した。
<厚み>
電気化学素子用セパレータ1〜74の厚みをJIS C2111に準拠して測定し、その結果を表2および表3に示した。
電気化学素子用セパレータ1〜74の厚みをJIS C2111に準拠して測定し、その結果を表2および表3に示した。
<セルロース含有率>
電気化学素子用セパレータ1〜74について、原料調製時のセルロースの投入量と多孔質シート全体の坪量から、多孔質シート全体に占めるセルロースの含有率を算出し、表4および表5に示した。
電気化学素子用セパレータ1〜74について、原料調製時のセルロースの投入量と多孔質シート全体の坪量から、多孔質シート全体に占めるセルロースの含有率を算出し、表4および表5に示した。
<内部抵抗>
電気二重層キャパシタを3.7Vで定電圧充電した後、30Aで定電流放電したときの放電開始直後の電圧低下より算出し、表4および表5に示した。
電気二重層キャパシタを3.7Vで定電圧充電した後、30Aで定電流放電したときの放電開始直後の電圧低下より算出し、表4および表5に示した。
<特性保持率>
電気二重層キャパシタを50℃で、2000時間3.7V印加し続けた後の静電容量を測定し、初期の静電容量に対する割合(%)、すなわち静電容量保持率を求め、これを特性保持率とし、表4および表5に示した。この値が大きい程、寿命が長く優れていることを意味する。
電気二重層キャパシタを50℃で、2000時間3.7V印加し続けた後の静電容量を測定し、初期の静電容量に対する割合(%)、すなわち静電容量保持率を求め、これを特性保持率とし、表4および表5に示した。この値が大きい程、寿命が長く優れていることを意味する。
表4に示した通り、実施例1〜32で作製した電気化学素子用セパレータは、2層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第1層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が第2層よりも多く、且つ、何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して7.5〜67質量%であるため、低抵抗で高耐圧を示した。特に実施例5〜7、11、15、16、18〜25、27、29〜32で作製した電気化学素子用セパレータは、メタ系アラミドフィブリッドを含有するため、電極活物質バリア性に優れており、高い特性保持率を示した。
比較例1で作製した電気化学素子用セパレータは、セルロースのみからなるため高温乾燥することができなかった。高電圧では酸化劣化してしまい、特性保持率が著しく低下した。
比較例2および4で作製した電気化学素子用セパレータは、セルロースを全く含まないため抵抗が高くなった。
比較例3で作製した電気化学素子用セパレータは、正極に接する面にセルロースを含有しているため、特性保持率が低くなった。
比較例5および6で作製した電気化学素子用セパレータは、セルロースの含有率が低いため抵抗がやや高めになった。
比較例7で作製した電気化学素子用セパレータは、セルロースの含有率が高いため特性保持率が低くなった。
表5に示した通り、実施例33〜61で作製した電気化学素子用セパレータは、3層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が、第1層と第3層よりも多く、且つ、少なくとも第1層と第2層の何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して5〜65質量%であるため、低抵抗で高耐圧を示した。特に実施例37〜40、43、45〜50、52、58〜61で作製した電気化学素子用セパレータは、メタ系アラミドフィブリッドを含有するため、電極活物質バリア性に優れており、高い特性保持率を示した。
比較例8で作製した電気化学素子用セパレータは、セルロースを全く含まないため抵抗が高くなった。
比較例9で作製した電気化学素子用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維の含有量が、第2層よりも第1層、第3層の方が多くなっているため、電解液がしみこみにくく、抵抗がやや高めになった。
比較例10〜12で作製した電気化学素子用セパレータは、セルロースの含有率が低いため抵抗がやや高めになった。
比較例13で作製した電気化学素子用セパレータは、セルロースの含有率が高いため特性保持率が低くなった。
本発明の活用例としては、例えば、3V以上の電圧で作動する電気二重層キャパシタ、電解コンデンサ、リチウム系二次電池などのセパレータが挙げられる。
Claims (11)
- 2層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第1層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が第2層よりも多く、且つ、何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して7.5〜67質量%である電気化学素子用セパレータ。
- 第1層のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が多孔質シート全体に対して10〜50質量%で、第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が多孔質シート全体に対して0〜30質量%である請求項1記載の電気化学素子用セパレータ。
- 3層である多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータであって、第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有量が、第1層と第3層よりも多く、且つ、少なくとも第1層と第2層の何れか一方の層にセルロースを含有し、セルロースの含有率が多孔質シート全体に対して5〜65質量%である電気化学素子用セパレータ。
- 第2層のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が多孔質シート全体に対して7.5〜35質量%で、第1層と第3層のフィブリル化耐熱性繊維の含有率が多孔質シート全体に対して0〜15質量%である請求項3記載の電気化学素子用セパレータ。
- フィブリル化耐熱性繊維が、パラ系アラミド繊維である請求項1〜4の何れかに記載の電気化学素子用セパレータ。
- フィブリル化耐熱性繊維が、全芳香族ポリエステル繊維である請求項1〜4の何れかに記載の電気化学素子用セパレータ。
- セルロースが、フィブリル化セルロースである請求項1〜6の何れかに記載の電気化学素子用セパレータ。
- 多孔質シートが、メタ系アラミドフィブリッドを含有する請求項1〜7の何れかに記載の電気化学素子用セパレータ。
- メタ系アラミドフィブリッドが、ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)である請求項8記載の電気化学素子用セパレータ。
- 多孔質シートが、非フィブリル化合成繊維を含有する請求項1〜9の何れかに記載の電気化学素子用セパレータ。
- 電気化学素子が、3V以上の電圧で作動する電気二重層キャパシタである請求項1〜10の何れかに記載の電気化学素子用セパレータ。
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