JP4740034B2 - 電気化学素子用セパレータ - Google Patents

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Description

本発明は、電気化学素子用セパレータに関するものであり、特に電気二重層キャパシタ用のセパレータに関する。
比較的大容量を有し、長寿命かつ、急速充放電が可能であることを特長とする電気二重層キャパシタなどの電気化学素子は、その特長を活かして、回生エネルギーの蓄電を目的とした車載用途や、複写機の定着ローラーの急速ウォームアップなど、様々な用途への適用が検討されている。電気二重層キャパシタとしては、例えば、一対の電極と、その電極間に配置されたセパレータとを備え、セパレータに非水系電解液が含浸されたものが知られている。近年の電気二重層キャパシタの容量アップや内部抵抗の低減化に伴い、セパレータには、さらなる低抵抗化が求められると同時に、セパレータ本来の役割である、高い絶縁性を備えることが要望されている。電気二重層キャパシタの容量アップの一つとして、電極層の厚さを増すことが挙げられる。しかし、電極層を厚くすると電気二重層キャパシタの体積も増えてしまうため、電極層が厚くなる分、セパレータをより薄くすることが求められる。また、電気二重層キャパシタの内部抵抗を低減する目的からもセパレータはより薄くすることが望ましく、さらには、イオン透過性に優れることも求められる。ところが、紙などからなるセパレータを単に薄くすると絶縁性が損なわれ、機械的強度が低下しやすくなる。その結果、電気二重層キャパシタの製造の際に欠陥を生じて、自己放電したり、電極同士が直接接触し短絡を起こす場合がある。従って、電気二重層キャパシタの内部抵抗を低減化するとともに、自己放電や短絡の発生を防ぐことのできる、より薄くて丈夫でありかつ、緻密で均一な構造を有することによりイオン透過性に優れる、セパレータが求められている。
このような観点から、種々のセパレータが検討されている。例えば、特許文献1では湿式不織布を用いた電気二重層キャパシタ用セパレータが提案されている。該セパレータでは、用いる繊維の繊維径を小さくし、更には、フィブリル状にした繊維を併用し、開口径を小さくして、電気二重層キャパシタの自己放電性を抑制するなどの工夫がなされている。
特開2002−270471号公報
しかしながら、特許文献1に記載のセパレータでは、孔径を小さくすることはできるが、製造プロセスにおいて機械的強度が低くなり連続生産ができない場合があり、それゆえに孔径が均一な抄紙ができにくい。従って、生産性を考慮した場合、膜厚を薄くし、しかも孔径を均一に制御したセパレータを得ることは、困難であった。
また、上記のような機械的強度の課題を回避する目的として、機械的強度が十分な高密度の繊維層を有する第1の層上に、抵抗が低い低密度の別の繊維層を抄き合わせで重ねる方法もある。しかし、この方法では、高密度な繊維層を有する第1の層があることで電気二重層キャパシタの低抵抗化が果たせなくなり、製造装置系も複雑であった。
さらに、予め強度に優れる不織布を準備し、該不織布上に繊維を抄造する方法もある。しかし、この方法では、電気二重層キャパシタの抵抗を下げる目的で不織布の目開きを大きくすると、該不織布上の繊維層の孔径も不織布の目開き以上に大きくする必要があるため、得られるセパレータを用いた電気二重層キャパシタは非常に短絡が発生しやすく、自己放電も起こりやすかった。
このように、従来の抄造方法では、膜厚が薄く、繊維の孔径が均一で、電気二重層キャパシタとした際の短絡や自己放電の問題を回避でき、しかも生産性にも問題のないセパレータを得ることは難しかった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、電気二重層キャパシタなどの電子化学素子の内部抵抗を低減させ、自己放電や短絡を防ぐべく、薄膜で、イオン透過性や機械的強度に優れた電気化学素子用セパレータを提供することを目的とする。
本発明の電気化学素子用セパレータは、不織布上に、セルロース系繊維とフィブリル繊維とを含む繊維層を積層してなる電気化学素子用セパレータであって、該セルロース系繊維のろ水度が500ml以下であり、該セルロース系繊維とフィブリル繊維の平均繊維径の比(セルロース系繊維の平均繊維径/フィブリル繊維の平均繊維径)が2〜40、平均繊維長の比(セルロース系繊維の平均繊維長/フィブリル繊維の平均繊維長)が3〜12であることを特徴とする。
前記フィブリル繊維は、その平均繊維径が3μm以下、平均繊維長が3mm以下であることが好ましく、その材質として、セルロース、アラミド、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレートから選ばれる少なくとも1つが用いられていることが好ましい。
また、前記不織布は、融点200℃以上の樹脂からなる繊維を含むことが好ましく、さらに、該融点200℃以上の樹脂からなる繊維として、ポリエステル、アラミド、ポリアリレートから選ばれる少なくとも1つが用いられていることが好ましい。
本発明の電気化学素子用セパレータにおいては、厚さが30μm以下であり、密度が0.25g/cm〜0.75g/cmであることが好ましい。
本発明の電気化学素子用セパレータにおいては、荷重100(g/28.3mm)を膜厚方向にかけたときの膜厚A(μm)と、荷重1000(g/28.3mm)を膜厚方向にかけたときの膜厚B(μm)の比である圧縮率(A/B)が1.05〜1.95であることが好ましい。
本発明の電気化学素子用セパレータは、薄膜で、イオン透過性や機械的強度に優れるので、電気化学素子、特に電気二重層キャパシタに用いると、内部抵抗を低減し、自己放電や短絡を防ぐことができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電気化学素子用セパレータ(以下、「セパレータ」という。)は、不織布上にセルロース系繊維とフィブリル繊維を含む繊維層が積層されている。
<繊維層>
(セルロース系繊維)
本発明のセパレータを構成するセルロース系繊維としては、針葉樹又は広葉樹のパルプを用い、叩解を上げてろ水度を調整する。その値は500ml以下である。ろ水度が上記範囲内であると、セパレータにした際、電解液を多量に含浸することができる。ろ水度が上記範囲より大きいと、繊維が均一に不織布上に形成されず、さらには、後述するフィブリル繊維と組み合わせて積層しても、十分に孔径を小さくできないため、電気化学素子に用いても、自己放電の抑制や短絡防止に劣る。そのため、セルロース系繊維はできるだけ叩解を上げて繊維を細かくして用いるのが好ましいが、叩解を上げ過ぎると、ろ水性が悪くなり生産効率を低下させてしまう恐れがある。従って、セルロース系繊維のろ水度としては、30ml〜350mlが好ましく、50ml〜150mlがより好ましい。
ここで、ろ水度とは、繊維の水切れの程度を表す指標(数値)であり、繊維の叩解の度合いを示す。ろ水度が小さいほど、水切れが悪いことを示し、叩解の度合いが大きい。本発明において、ろ水度の試験方法はJIS P 8121に規定されているカナダ標準ろ水度試験方法を採用する。
(フィブリル繊維)
本発明のセパレータを構成するフィブリル繊維は、上記の高叩解度のセルロース系繊維と混合して用いる。これにより、セルロース系繊維で形成される孔にフィブリル繊維が埋まるため、形成される繊維層の孔径を極めて均一に、かつ、小さくできるとともに、内部構造が極めて多孔性に富んだ繊維層とすることができる。そのため、セパレータにした際、電解液の含浸量を多くすることができ、電気化学素子の低抵抗化とともに大容量化が可能となる。
また、セパレータの膜厚方向に適度な弾力性を持たせることができるため、セパレータと電極とをより密着させることが可能になり、両者間の界面抵抗が下がるので、より良好な電気化学特性を示す電気化学素子が得られる。
尚、高叩解度のセルロース系繊維のみを用いた場合は、繊維層の孔径は小さくならず、セパレータに適度な弾力を持たせることができなかった。
フィブリル繊維の材質は、酸化還元雰囲気下において、電気化学的に安定であり、絶縁性を有するものであれば、いずれの材質も用いることができる。セルロース系繊維との絡み合いを強固にしたり、抄紙工程における乾燥工程で絡み合い部分を融着させて、セパレータの膜強度を向上させるためには、セルロース、アラミド、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレートから選ばれる少なくとも1つが用いられていることが好ましい。特に、電気二重層キャパシタに含まれる電極表面の凹凸が大きい場合には、熱融着性があるフィブリル繊維を用いるのが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンがより好ましい。
ここで、上記アクリル系樹脂とは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルあるいは、アクリロニトリルのモノマーからなる重合体および、これらのモノマーからなる共重合体である。また、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、ブタジエンなどの、他のモノマーを共重合させたものでもよい。
本発明で使用されるセルロース系繊維とフィブリル繊維の平均繊維径の比(セルロース系繊維の平均繊維径/フィブリル繊維の平均繊維径)は、2〜40の範囲であり、2〜30が好ましく、3〜20がより好ましい。該比が上記範囲より大きいと、セルロース系繊維とフィブリル繊維の繊維径の差が大きすぎて、上述したような、セルロース系繊維で形成される孔をフィブリル繊維で埋める効果が小さくなるために、セパレータとした際に孔径を小さくすることができなくなる。一方、該比が上記範囲より小さいと、セパレータの孔径は小さくなるものの、セルロース系繊維とフィブリル繊維が密に詰まりすぎるため、セパレータの密度が高くなり、結果、電気化学素子の抵抗が高くなる。
また、セルロース系繊維とフィブリル繊維の平均繊維長の比(セルロース系繊維の平均繊維長/フィブリル繊維の平均繊維長)は、3〜12の範囲であり、3〜10が好ましく、3〜9がより好ましい。該比が上記範囲より大きいと、セルロース系繊維とフィブリル繊維の絡み合いが薄れ、セパレータの孔径を小さくすることができない。該比が上記範囲より小さいと、セルロース系繊維とフィブリル繊維の絡み合いが強くなりすぎて、セパレータの孔径は小さくなるものの、セルロース系繊維とフィブリル繊維を含む繊維層の密度が高くなりすぎるため、セパレータの密度も高くなり、結果、電気化学素子の抵抗が高くなる。
フィブリル繊維の平均繊維径および平均繊維長は、不織布上に積層する繊維層の孔径を小さくすることから、平均繊維径は3μm以下が好ましく、平均繊維径が0.1μm〜2μmのフィブリル繊維がより好ましい。また、平均繊維長は3mm以下が好ましく、平均繊維長が0.1mm〜2mmのフィブリル繊維がより好ましい。平均繊維径や、平均繊維長がこれらの範囲より大きいと、繊維層の孔径を小さくしきれず、セパレータの孔径も小さくできないので、結果、電気化学素子の短絡防止や自己放電の抑制ができにくくなる。
さらに、セルロース系繊維とフィブリル繊維の質量比(セルロース系繊維の質量/フィブリル繊維の質量)は、0.1〜10であることが好ましく、0.2〜5がより好ましく、0.5〜2が特に好ましい。該比が上記範囲より大きいと、繊維層の孔径を制御しにくくなるため、大きい孔径の孔が発生しやすい。また、該比が上記範囲より小さいと、繊維層の膜厚を制御しにくくなるため、膜厚が厚くなりすぎる恐れがある。
<不織布>
本発明に使用される不織布は、電気化学素子を組み立てる際の耐熱性を持たせるために、融点が200℃以上、又は、実質的に融点を示さない樹脂からなるものであれば、いずれも好適に使用することが可能であり、融点が250℃〜350℃の樹脂がより好ましい。具体的には、ポリエステル、アラミド、ポリアリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミドなどが挙げられる。特に、ポリエステル、アラミド、ポリアリレートから選ばれる少なくとも1つが用いられていることが好ましい。これらの樹脂からなる繊維は耐熱性に優れるとともに、電気化学的に安定となり、有機系の電解液に対して高い安定性を示す。また、これらの樹脂からなる繊維とセルロース系の繊維を混合した繊維を不織布として用いることもできる。
不織布は、繊維を加熱して融着させたものでも、繊維同士の絡み合いだけで不織布を構成するものでもよい。前者の場合は、薄くしても機械的強度に優れている。また、後者の場合においては、不織布がその絡み合いだけで構成されているために、セパレータを低密度化することができ、電気化学素子の抵抗を低減できる。いずれを使用するかは、電気化学素子の設計思想によって変えればよい。前者は、機械的強度が必要とされる捲回方式で電気化学素子を作製する場合に好適である。また、後者は、捲回方式ほどの機械的強度が不要な、積層方式で電気化学素子を作製する場合に好適である。
不織布は、セパレータの膜厚を薄くするために、不織布の目開きを小さくし、できるだけ緻密にする必要があるため、細い繊維からなることが好ましい。不織布を薄くすることで、不織布の目開きが小さくなり、より緻密かつ、孔径が均一になるため、不織布上に形成するセルロース系繊維とフィブリル繊維を含む繊維層の目開きが制御されるので、セパレータの孔径を均一にするとともに、電気化学素子の抵抗を低減させることができる。
不織布の目開きは、バブルポイント法で最大孔径が450μm以下であることが好ましく、目開きの最大孔径が100μm〜400μmの不織布がより好ましい。最大孔径が上記範囲を超えると、不織布上に積層する繊維層を構成するフィブリル繊維が、不織布の隙間から抜け出しやすくなり、セパレータの連続し、安定した生産が難しくなる。また、セパレータとしての目開きが大きくなりすぎるために、電気化学素子の自己放電や短絡が生じやすくなる。
不織布の平均繊維径は、不織布そのものの膜厚を薄くすること、また、不織布上に積層する繊維層の孔径を極めて小さくすることから、5μm以下であることが好ましく、平均繊維径が0.5μm〜4μmの不織布がより好ましい。平均繊維径が上記範囲を超えると、不織布の目開きが粗くなるために、不織布上に積層する繊維層の孔径が大きくなり、その結果、セパレータの膜厚も厚くなる。
<セパレータ>
本発明のセパレータは、上述した不織布上に繊維層が積層されおり、該積層の方法として湿式抄紙法を用いることにより、予め用意した不織布の上に、繊維層を好適に積層したセパレータを得ることができる。
不織布と繊維層の質量比(不織布の質量/繊維層の質量)は、0.5〜5であることが好ましく、1〜3がより好ましく、1.5〜2.5が特に好ましい。該比が上記範囲より大きいと、湿式抄紙の際に水が抜けにくいため、製造しにくくなる。また、該比が上記範囲より小さいと、湿式抄紙の際に皺が入りやすく、切れやすくもなる。
セパレータの厚さは、30μm以下であることが好ましく、厚さが10μm〜28μmのセパレータがより好ましい。セパレータの厚さが上記範囲を超えると、電気化学素子の薄型化が不利になるのと同時に、一定のセル体積に入れられる電極の量が減少し、抵抗が高くなる。
セパレータの密度は、0.25g/cm〜0.75g/cmであることが好ましく、0.30g/cm〜0.60g/cmがより好ましく、0.40g/cm〜0.50g/cmが特に好ましい。密度が上記範囲より小さいと、セパレータの空隙部分が過多となり、電気化学素子は自己放電や短絡の発生などの不具合を生ずる場合がある。一方、密度が上記範囲より大きいと、セパレータを構成する繊維が密に詰まりすぎるため、イオン透過性が低下する傾向にあり、電気化学素子の抵抗が高くなりやすい。
本発明のセパレータは、上述したようにセルロース系繊維とフィブリル繊維を含む繊維層を不織布上に積層させているが、該フィブリル繊維を混合することによって、セパレータにクッション性を付与することができる。そのため、セパレータと電極との密着性が向上し、界面における抵抗が低下する。
クッション性を定量的に評価する場合、荷重100(g/28.3mm)をセパレータの膜厚方向にかけた時の膜厚A(μm)と、荷重1000(g/28.3mm)を膜厚方向にかけたときに膜厚B(μm)の比である圧縮率(A/B)は1.05〜1.95であることが好ましく、1.10〜1.80がより好ましく、1.20〜1.70が特に好ましい。圧縮率が上記範囲より大きいと、クッション性が過多となるため、捲回方式で電気化学素子を作製する際に、テンションが一定でないと皺が発生しやすく、組み立て時に不具合を生じる場合がある。一方、圧縮率が上記範囲より小さいと、電極との密着性が悪くなり、界面抵抗が高まる恐れがある。
<セパレータの製造方法>
次に、本発明のセパレータの製造方法の一例について説明する。
先ず、ローター・ステーター型の分散装置や、超音波分散装置を用いて、フィブリル繊維を水に分散する。本発明に用いるフィブリル繊維は、通常の離解工程では均一に水に分散しにくいため、上記装置を用いることにより分散が良好となる。また、この分散工程で使用する水は、イオン性不純物をできるだけ少なくするために、イオン交換水を用いるのが好ましい。
一方、針葉樹又は、広葉樹のパルプをイオン交換水に適当な濃度で混ぜ、叩解することによって、ろ水度が500ml以下、フィブリル繊維との平均繊維径の比が2〜30の範囲、平均繊維長の比が3〜12の範囲になるように、セルロース系繊維を調整する。叩解は、一般的な叩解機であるボールミル、ビーター、ランペルミル、PFIミル、SDR(シングルディスクリファイナー)、DDR(ダブルディスクリファイナー)、その他のリファイナーなどを使用して叩解することができる。
得られたフィブリル繊維の分散体と高叩解度のセルロース系繊維を、通常のスクリュータイプの撹拌機で混合しながら離解し、抄紙用のスラリーに適用できるように、好ましくは固形分濃度が0.5%以下になるように濃度調整し、セルロース系繊維とフィブリル繊維からなる繊維層を作成する。次いで、長網式、短網式、円網式、傾斜式などの湿式抄紙機を用いて、予め通紙した不織布上に上記繊維層を積層し、連続したワイヤーメッシュ状の脱水パートで脱水して、多筒式やヤンキー式ドライヤーなどの乾燥パートを通して、セパレータを得る。
以上説明したように、本発明のセパレータは、極めて緻密な不織布の上にセルロース系繊維とフィブリル繊維を含む繊維層を積層しているので、イオン透過性や機械的強度に優れており、電気化学素子、特に、電気二重層キャパシタの内部抵抗の低減化や、短絡や自己放電の発生を防ぐことができる。また、セパレータは、不織布上に繊維層を積層した2層構造となるが、非常に薄膜で高性能を有する。さらに、不織布が緻密なため、フィブリル繊維の抜け落ちがなく、従って、連続生産においても極めて良好な生産安定性を得ることができる。それゆえに、比較的高価なフィブリル繊維も無駄にすることがなく、所望の特性向上を果たすとともに、工業生産上極めて有利である。
以下、本発明のセパレータを実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<実施例1>
アラミド製のフィブリル繊維(商品名:ティアラ、ダイセル化学社製)1質量%をイオン交換水に分散した液を、超音波分散装置で10分間分散し、フィブリル繊維の分散体を作成した。一方、イオン交換水で1質量%に希釈した針葉樹のパルプを、叩解装置を用いて叩解し、セルロース系繊維を得た。
得られた2種類の繊維の固形分比(セルロース系繊維の固形分/フィブリル繊維の固形分)が、1.5となるように、さらに、混合後のセルロース系繊維とフィブリル繊維の合計の固形分が、イオン交換水中で0.03質量%となるように混合した。その後、小型の投入型スクリューを用いて、混合物をステンレス容器中で10分離解した。離解後、トータルの固形分濃度が0.01質量%となるようにイオン交換水を添加して繊維層を得た。
次に、不織布として、繊維径が3μmのポリエステル繊維(融点260℃)からなる厚さ15μmの不織布(バブルポイント法による最大孔径:300μm)を用い、JIS P8222に規定する標準型手抄き装置を用いて、上記作成した繊維層を不織布上に積層し、湿体シートを得た。なお、繊維層は固形分の単位面積あたりの質量(坪量)が4g/mとなるように抄紙した。その後、得られた湿体シートを標準型手抄紙装置から取り出した後に、ヤンキー・ドライヤーにて100℃で乾燥して本発明のセパレータを得た。
不織布の材質および、セルロース系繊維のろ水度、繊維径、繊維長および、フィブリル繊維の材質、繊維径、繊維長および、繊維層の繊維径比(セルロース系繊維/フィブリル繊維)、繊維長比(セルロース系繊維/フィブリル繊維)を表1に示す。
また、得られたセパレータの物性を表2に示す。
<実施例2〜6>
表1に示すように、使用するフィブリル繊維の材質を変化させた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを製造した。
使用した各繊維、繊維層の物性などを表1に、得られたセパレータの物性を表2に示す。
<実施例7、8>
表1に示すように、使用する不織布の材質を変化させた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。ただし、実施例7では、繊維径が3.5μm、厚さが18μm、最大孔径が250μm、融点が300℃以上の不織布を、実施例8では、繊維径が2.5μm、厚さが15μm、最大孔径が300μm、融点が320℃の不織布をそれぞれ用いた。
使用した各繊維、繊維層の物性などを表1に、得られたセパレータの物性を表2に示す。
<実施例9、10および、比較例>
表1に示すように、使用するセルロース系繊維のろ水度を変化させた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
使用した各繊維、繊維層の物性などを表1に、得られたセパレータの物性を表2に示す。
Figure 0004740034
<電気二重層キャパシタの組み立ておよびその評価>
実施例1〜10および比較例で得られたセパレータについて、下記の特性を評価した。
実施例および比較例のセパレータと電極を用いて、電気二重層キャパシタを組み立てた。なお、電極としては電気二重層キャパシタ用の活性炭電極(宝泉社製)を用い、電解液としてはプロピレンカーボネートに、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレイトを1mol/Lとなるように溶解したものを用いた。
組み立てた電気二重層キャパシタについて、各々、交流インピーダンス法によって、20℃−1KHzでの抵抗を測定した。また、各々の電気二重層キャパシタを2.5Vに充電した後に、電気回路を15分間開放し、その後の保持電圧を調べた。
得られた結果を表2に示す。
Figure 0004740034
表2から明らかなように、本発明のセパレータを用いた電気二重層キャパシタは、抵抗値が十分に低く、また、保持電圧が高いことから自己放電を起こしにくいことが確認された。これに対して、比較例のセパレータを用いた電気二重層キャパシタは、抵抗値は低いものの、保持電圧も低く、即ち、自己放電を起こしやすく、実施例に比べて著しく劣るものであった。
以上の結果から、本発明のセパレータは薄膜で、イオン透過性や機械的強度に優れていることが分かった。従って、本発明のセパレータは、電気二重層キャパシタのような電気化学素子に好適に用いられ、内部抵抗の低減化、自己放電や電極間の短絡の発生の防止に優れるものであった。

Claims (7)

  1. 不織布上に、セルロース系繊維とフィブリル繊維とを含む繊維層を積層してなる電気化学素子用セパレータであって、
    該セルロース系繊維のろ水度が500ml以下であり、該セルロース系繊維と該フィブリル繊維の平均繊維径の比(セルロース系繊維の平均繊維径/フィブリル繊維の平均繊維径)が2〜40、平均繊維長の比(セルロース系繊維の平均繊維長/フィブリル繊維の平均繊維長)が3〜12であることを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
  2. 前記フィブリル繊維の平均繊維径が3μm以下、平均繊維長が3mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学素子用セパレータ。
  3. 前記フィブリル繊維の材質として、セルロース、アラミド、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレートから選ばれる少なくとも1つが用いられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気化学用セパレータ。
  4. 前記不織布が、融点200℃以上の樹脂からなる繊維を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータ。
  5. 前記融点200℃以上の樹脂からなる繊維として、ポリエステル、アラミド、ポリアリレートから選ばれる少なくとも1つが用いられていることを特徴とする請求項4に記載の電気化学素子用セパレータ。
  6. 厚さが30μm以下であり、密度が0.25g/cm〜0.75g/cmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータ。
  7. 荷重100(g/28.3mm)を膜厚方向にかけたときの膜厚A(μm)と、荷重1000(g/28.3mm)を膜厚方向にかけたときの膜厚B(μm)の比である圧縮率(A/B)が1.05〜1.95であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータ。


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