JP4740062B2 - 電気化学素子用セパレータおよびその製造装置と製造方法 - Google Patents

電気化学素子用セパレータおよびその製造装置と製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4740062B2
JP4740062B2 JP2006211922A JP2006211922A JP4740062B2 JP 4740062 B2 JP4740062 B2 JP 4740062B2 JP 2006211922 A JP2006211922 A JP 2006211922A JP 2006211922 A JP2006211922 A JP 2006211922A JP 4740062 B2 JP4740062 B2 JP 4740062B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separator
nonwoven fabric
fibril
fiber
electrochemical element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006211922A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008041809A (ja
Inventor
正則 高畑
博己 戸塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tomoegawa Paper Co Ltd filed Critical Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority to JP2006211922A priority Critical patent/JP4740062B2/ja
Publication of JP2008041809A publication Critical patent/JP2008041809A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4740062B2 publication Critical patent/JP4740062B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors

Landscapes

  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

本発明は、電気化学素子用セパレータおよびその製造装置と製造方法に関するものであり、特に電気二重層キャパシタ用のセパレータに関する。
比較的大容量を有し、長寿命かつ、急速充放電が可能であることを特長とする電気二重層キャパシタなどの電気化学素子は、その特長を活かして、回生エネルギーの蓄電を目的とした車載用途や、複写機の定着ローラーの急速ウォームアップなど、様々な用途への適用が検討されている。電気二重層キャパシタとしては、例えば、一対の電極と、その電極間に配置されたセパレータとを備え、セパレータに非水系電解液が含浸されたものが知られている。
近年の電気二重層キャパシタの容量アップや内部抵抗の低減化に伴い、セパレータにはさらなる低抵抗化が求められると同時に、セパレータ本来の役割である高い絶縁性を備えることが要望されている。電気二重層キャパシタの容量アップの一つとして、電極層の厚さを増すことが挙げられる。しかし、電極層を厚くすると電気二重層キャパシタの体積も増えてしまうため、電極層が厚くなる分、セパレータをより薄くすることが求められる。また、電気二重層キャパシタの内部抵抗を低減する目的からもセパレータはより薄くすることが望ましく、さらには、イオン透過性に優れることも求められる。
ところが、紙などからなるセパレータを単に薄くすると絶縁性が損なわれ、機械的強度が低下しやすくなる。その結果、電気二重層キャパシタの製造の際に欠陥を生じて、自己放電したり、電極同士が直接接触し短絡を起こす場合がある。
従って、電気二重層キャパシタの内部抵抗を低減化するとともに、自己放電や短絡の発生を防ぐことのできる、より薄くて丈夫でありかつ、緻密で均一な構造を有することによりイオン透過性に優れる、セパレータが求められている。
このような観点から、種々のセパレータが検討されている。例えば、湿式不織布を用いた電気二重層キャパシタ用セパレータが提案されている(特許文献1参照)。該セパレータでは、用いる繊維の繊維径を小さくし、更には、フィブリル状にした繊維を併用し、開口径を小さくして、電気二重層キャパシタの自己放電性を抑制するなどの工夫がなされている。
しかし、特許文献1に記載のセパレータでは、孔径を小さくすることはできるが、製造プロセスにおいて機械的強度が低くなり連続生産ができない場合があり、それゆえに孔径が均一な抄紙ができにくい。従って、生産性を考慮した場合、膜厚を薄くし、しかも孔径を均一に制御したセパレータを得ることは、困難であった。
そこで、上記のような機械的強度の課題を回避する目的として、機械的強度が十分な高密度の繊維層を有する第1の層上に、抵抗が低い低密度の別の繊維層を抄き合わせで重ねたものもある(手段1)。
また、予め強度に優れる不織布を準備し、該不織布上に繊維を抄造したものもある(手段2)。
さらに、手段1のように繊維層を複数重ねるための製造方法も提案されている(特許文献2参照)。
特開2002−270471号公報 特開平9−223492号公報
しかしながら、手段1では、高密度な繊維層を有する第1の層があることで電気二重層キャパシタの低抵抗化が果たせなくなり、製造装置系も複雑であった。
また手段2では、電気二重層キャパシタの抵抗を下げる目的で不織布の目開きを大きくすると、該不織布上の繊維層の孔径も不織布の目開き以上に大きくする必要があるため、得られるセパレータを用いた電気二重層キャパシタは非常に短絡が発生しやすく、自己放電も起こりやすかった。
このように、従来の技術では、膜厚が薄く、繊維の孔径が均一で、電気二重層キャパシタとした際の短絡や自己放電の問題を回避でき、しかも生産性にも問題のないセパレータを得ることは難しかった。
さらに、特許文献2に記載の製造方法では、乾式不織布の両面に湿式不織布からなる繊維層を積層した3層構造の積層体を製造することができるが、乾式不織布の片面に湿式不織布からなる繊維層を複数積層することは困難であった。さらに、4層以上の構造の積層体を製造する場合は、製造装置系が複雑であった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、電気二重層キャパシタなどの電子化学素子の内部抵抗を低減させ、自己放電や短絡を防ぎ、かつ、薄膜で、イオン透過性や機械的強度に優れた電気化学素子用セパレータおよびその製造装置と製造方法を提供することを目的とする。
本発明の電気化学素子用セパレータは、不織布と、該不織布上に設けられたろ水度が500ml以下のセルロース系繊維を含むセルロース系繊維層とフィブリル繊維を含むフィブリル繊維層とを備えた積層体を有することを特徴とする。
ここで、前記積層体の不織布側の面とは反対側の面に、シリカと接着剤を含むシリカ層を有することが好ましい。
また、前記フィブリル繊維からなる繊維層の坪量が、3〜15g/mであることが好ましい。
さらに、前記フィブリル繊維の平均繊維径が3μm以下、平均繊維長が0.1〜2mmであることが好ましく、その融点が300℃以上であることが好ましく、その材質として、アラミド、ポリアリレートから選ばれる少なくとも1つが用いられていることが好ましい。
また、前記不織布が、融点300℃以上の樹脂からなる繊維を含むことが好ましく、さらに、該融点300℃以上の樹脂からなる繊維として、アラミド、ポリアリレートから選ばれる少なくとも1つが用いられていることが好ましい。
本発明の電気化学素子用セパレータにおいては、荷重100(g/28.3mm)を膜厚方向にかけたときの膜厚A(μm)と、荷重1000(g/28.3mm)を膜厚方向にかけたときの膜厚B(μm)の比である圧縮率(A/B)が1.05〜1.95であることが好ましい。
本発明の電気化学素子用セパレータの製造装置は、サクションベルト上に不織布を供給する供給手段と、該供給手段によりサクションベルト上に供給された不織布上にろ水度が500ml以下のセルロース系繊維を含むセルロース系分散液と、フィブリル繊維を含むフィブリル分散液とを塗工する塗工手段と、該塗工手段により形成された積層体を乾燥する乾燥手段とを有する電気化学素子用セパレータの製造装置であって、前記塗工手段はサクションベルト上に分散液の液溜めを形成するヘッドボックスを有し、該ヘッドボックスは内部が2槽以上に分割できることを特徴とする。
ここで、前記積層体の不織布側の面とは反対側の面に、シリカと接着剤を含むシリカ分散液を塗布する塗布手段を有することが好ましい。
本発明の電気化学素子用セパレータの製造方法は、サクションベルト上に不織布を供給する供給工程と、該不織布上にろ水度が500ml以下のセルロース系繊維を含むセルロース系分散液とフィブリル繊維を含むフィブリル分散液とを塗工する塗工工程と、該塗工工程により形成された積層体を乾燥する乾燥工程とを有することを特徴とする。
ここで、前記積層体の不織布側の面とは反対側の面にシリカと接着剤を含むシリカ分散液を塗布する塗布工程を有することが好ましい。
本発明の電気化学素子用セパレータの製造装置や製造方法によれば、電気二重層キャパシタなどの電子化学素子の内部抵抗を低減させ、自己放電や短絡を防ぎ、かつ、薄膜で、イオン透過性や機械的強度に優れた電気化学素子用セパレータを提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電気化学素子用セパレータ(以下、「セパレータ」という。)の一実施形態例について説明する。
図1に、本実施形態例のセパレータ10を示す。このセパレータ10は、不織布11上にろ水度が500ml以下のセルロース系繊維を含むセルロース系繊維層12とフィブリル繊維を含むフィブリル繊維層13が積層された積層体10aを有する。
また、セパレータ10は、図2に示すように、該積層体10aの不織布11側の面とは反対側の面に、シリカと接着剤を含むシリカ層21を有することが好ましい。
<セルロース系繊維層>
セルロース系繊維層12を構成するセルロース系繊維としては、針葉樹又は広葉樹のパルプを用い、叩解を上げてろ水度を調整する。ろ水度の値は500ml以下である。ろ水度が上記範囲内であると、セパレータにした際、電解液を多量に含浸することができ、電気化学素子の低抵抗化とともに大容量化が可能となる。ろ水度が上記範囲より大きいと、繊維が均一に不織布上に形成されないので、セルロース系繊維はできるだけ叩解を上げて繊維を細かくして用いるのが好ましいが、叩解を上げ過ぎると、ろ水性が悪くなり生産効率を低下させてしまう恐れがある。従って、セルロース系繊維のろ水度としては、30〜350mlが好ましく、50〜150mlがより好ましい。
ここで、ろ水度とは、繊維の水切れの程度を表す指標(数値)であり、繊維の叩解の度合いを示す。ろ水度が小さいほど、水切れが悪いことを示し、叩解の度合いが大きい。本発明において、ろ水度の試験方法はJIS P 8121に規定されているカナダ標準ろ水度試験方法を採用する。
なお、セルロース系繊維層12の坪量は1〜30g/mが好ましく、2〜20g/mがより好ましい。坪量を上記範囲より少なくすると電気化学素子は自己放電しやすくなり、また、多くすると電気化学素子の低抵抗化ができにくくなる。
<フィブリル繊維層>
フィブリル繊維層13はフィブリル繊維を含むことにより、孔径を極めて均一に、かつ、小さくできるとともに、内部構造が極めて多孔性に富んだフィブリル繊維層13とすることができる。そのため、セパレータ10にした際、電解液の含浸量を多くすることができ、電気化学素子の低抵抗化とともに大容量化が可能となる。
また、セパレータ10の膜厚方向に適度な弾力性を持たせることができるため、セパレータ10と電極とをより密着させることが可能になり、両者間の界面抵抗が下がるので、より良好な電気化学特性を示す電気化学素子が得られる。
フィブリル繊維層13の坪量は3〜15g/mが好ましく、5〜10g/mがより好ましい。坪量を上記範囲内とすることにより、セパレータ10にした際に膜厚を薄くすることができ、電気化学素子を低抵抗化し、かつ、自己放電を少なくすることができる。
フィブリル繊維の材質は、酸化還元雰囲気下において、電気化学的に安定であり、絶縁性を有するものであれば、いずれの材質も用いることができる。例えば、セルロース、アラミド、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアリレートなどの樹脂が挙げられる。中でも、融点が300℃以上、又は実質的に融点を示さない樹脂が好ましく、アラミド、ポリアリレートから選ばれる少なくとも1を用いることが特に好ましい。
セパレータ10は製造過程において150℃程度で乾燥したり、電気二重層キャパシタなどの電気化学素子に用いる場合は約260℃の高温でリフローするため、セパレータ10にはこれらの熱処理にも耐えられることが求められる。フィブリル繊維の材質としてアラミドやポリアリレートから選ばれる少なくとも1つを用いることにより、フィブリル繊維層13の耐熱性を上げることができるので、セパレータ10の耐熱性も上がり、上述した熱処理にも対応することができる。
なお、上記アクリル系樹脂とは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルあるいは、アクリロニトリルのモノマーからなる重合体および、これらのモノマーからなる共重合体である。また、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、ブタジエンなどの、他のモノマーを共重合させたものでもよい。
フィブリル繊維の平均繊維径は3μm以下が好ましく、平均繊維径が0.1〜2μmのフィブリル繊維がより好ましい。また、平均繊維長は0.1〜2mmが好ましく、0.2〜1.5mmがより好ましい。平均繊維径や、平均繊維長を上記範囲内とすることにより、フィブリル繊維層13の孔径を小さくすることができるので、セパレータ10の孔径も小さくでき、結果、電気化学素子の短絡防止や自己放電の抑制ができる。
<シリカ層>
シリカ層21はシリカと接着剤を含む。シリカとしては、天然シリカ、合成シリカが挙げられる。粒径は0.01〜15μmが好ましく、0.015〜10μmがより好ましい。粒径を上記範囲内とすることにより、セパレータ10とした際に、各層を構成する繊維により形成される各孔にシリカが含浸しやすくなり、各層の孔径がより均一となるため、セパレータ10の孔径も均一にでき、結果、電気化学素子の短絡防止や自己放電の抑制ができる。
また、シリカの含有量は、シリカ層21中、5〜99.5質量%が好ましく、10〜99質量%がより好ましい。シリカの含有量を上記範囲内とすることにより、セパレータ10とした際に、各層を構成する繊維により形成される各孔に含浸するシリカの量が適度なものとなり、各層の孔径がより小さくなるため、セパレータ10の孔径も小さくでき、結果、電気化学素子の短絡防止や自己放電の抑制ができる。
接着剤の主成分となる樹脂としては特に制限されないが、電気絶縁性が高いことから、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリビニルアルコールなどから選ばれる1種が好ましい。これらの樹脂は、上述したようなセパレータ10に求められる機械的強度、耐熱性などに応じて適宜選択される。これらの樹脂の中でも、ポリフッ化ビニリデンは電解液との親和性に優れるため、より好ましい。
シリカ層21の塗布量は0.5〜20g/mが好ましく、1〜10g/mがより好ましい。塗布量を上記範囲より少なくすると電気化学素子は自己放電しやすくなり、また、多くすると電気化学素子の低抵抗化ができにくくなる。
<不織布>
本発明に使用される不織布11の材質は、酸化還元雰囲気下において、電気化学的に安定であるものであれば、いずれの材質も用いることができる。例えば、ポリエステル、アラミド、ポリアリレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミドなどの樹脂が挙げられる。中でも、融点が300℃以上、又は、実質的に融点を示さない樹脂が好ましく、融点が300〜350℃の樹脂がより好ましい。特にアラミド、ポリアリレートから選ばれる少なくとも1つを用いることが好ましい。
不織布11の材質としてアラミドやポリアリレートから選ばれる少なくとも1つを用いることにより、不織布11は耐熱性に優れるとともに、有機系の電解液に対して高い安定性を示す。また、セパレータ10に用いた場合でも、耐熱性に優れたセパレータ10が得られるため、上述したような熱処理にも耐えることができる。
不織布11は、繊維を加熱して融着させたものでも、繊維同士の絡み合いだけで不織布を構成するものでもよい。前者の場合は、薄くしても機械的強度に優れている。また、後者の場合においては、不織布11がその絡み合いだけで構成されているために、セパレータ10を低密度化することができ、電気化学素子の抵抗を低減できる。いずれを使用するかは、電気化学素子の設計思想によって変えればよい。前者は、機械的強度が必要とされる捲回方式で電気化学素子を作製する場合に好適である。また、後者は、捲回方式ほどの機械的強度が不要な、積層方式で電気化学素子を作製する場合に好適である。
不織布11は、セパレータ10の膜厚を薄くするために、不織布11の目開きを小さくし、できるだけ緻密にする必要があるため、細い繊維からなることが好ましい。不織布11を薄くすることで、不織布11の目開きが小さくなり、より緻密かつ、孔径が均一になるため、不織布11上に積層するセルロース系繊維層12やフィブリル繊維層13の目開きが制御されるので、セパレータ10の孔径を均一にするとともに、電気化学素子の抵抗を低減させやすくなる。
不織布11の目開きは、バブルポイント法で最大孔径が450μm以下であることが好ましく、目開きの最大孔径が100〜400μmの不織布11がより好ましい。最大孔径が上記範囲を超えると、セパレータとしての目開きが大きくなりすぎるために、電気化学素子の自己放電や短絡が生じやすくなる。また、不織布11とフィブリル繊維層13が接する場合、フィブリル繊維が、不織布11の隙間から抜け出しやすくなり、セパレータの連続し、安定した生産が難しくなりやすい。
不織布11の平均繊維径は、不織布11そのものの膜厚を薄くすること、また、不織布11上に積層するセルロース系繊維層12やフィブリル繊維層13の孔径を極めて小さくすることから、5μm以下であることが好ましく、平均繊維径が0.5〜4μmの不織布11がより好ましい。平均繊維径が上記範囲を超えると不織布11の目開きが粗くなるために、不織布11上に積層する両繊維層の孔径が大きくなり、その結果、セパレータの膜厚も厚くなりやすい。
不織布11の厚さは5〜60μmが好ましく、7〜25μmがより好ましい。厚さを上記範囲より薄くするとセパレータを製造する際に皺が入りやすく、また厚くすると電気化学素子の低抵抗化ができにくくなる。
<セパレータ>
本発明のセパレータ10は、上述した不織布11上にセルロース系繊維層12とフィブリル繊維層13が積層した積層体10aを有する。
積層体10aは、不織布11に接する層がセルロース系繊維層12であってもフィブリル繊維層13であってもよいが、セルロース系繊維層12と不織布11が接するのが好ましく、これにより、フィブリル繊維が不織布11から抜け落ちるのを防止することができるので望ましい。
さらに、積層体10aは、不織布11上にセルロース系繊維層12とフィブリル繊維層13を各々複数層設けた多層構造であってもよいが、セパレータ10の厚さを考慮した場合、両繊維層が各々1層ずつ設けたれた3層構造であることが望ましい。
本発明のセパレータ10によれば、図3に示すように、各層単独からなる単層構造では短絡が起きやすくなるとしても、これら各層が積層した多層構造となっているので、全体を貫く貫通孔31の形成が妨げられるので、結果、電気化学素子の短絡も防止できる。
また、本発明のセパレータ10は積層体10aの不織布11側の面とは反対側の面に、シリカ層21を有することが好ましい。これにより、積層体10aに含まれる各層を構成する繊維により形成される各孔にシリカが含浸しやすくなり、各層の孔径がより均一となるため、セパレータ10の孔径も均一にでき、結果、電気化学素子の短絡防止や自己放電の抑制ができる。
セパレータ10の厚さは、80μm以下であることが好ましく、厚さが10〜50μmのセパレータ10がより好ましい。セパレータ10の厚さが上記範囲を超えると、電気化学素子の薄型化が不利になるのと同時に、一定のセル体積に入れられる電極の量が減少し、抵抗が高くなりやすい。
セパレータ10の密度は、0.25〜0.75g/cmであることが好ましく、0.30〜0.60g/cmがより好ましく、0.40〜0.50g/cmが特に好ましい。密度が上記範囲より小さいと、セパレータ10の空隙部分が過多となり、機械的強度が弱まると共に、電気化学素子は自己放電や短絡の発生などの不具合を生ずる場合がある。一方、密度が上記範囲より大きいと、セパレータ10を構成する繊維が密に詰まりすぎるため、イオン透過性が低下する傾向にあり、電気化学素子の抵抗が高くなりやすい。
本発明のセパレータ10は、上述したように不織布11上に設けられたセルロース系繊維層12とフィブリル繊維層13とを備えた積層体10aを有しているが、フィブリル繊維層13を構成するフィブリル繊維によって、セパレータ10にクッション性を付与することができる。そのため、セパレータ10と電極との密着性が向上し、界面における抵抗が低下する。
クッション性を定量的に評価する場合、荷重100(g/28.3mm)をセパレータ10の膜厚方向にかけた時の膜厚A(μm)と、荷重1000(g/28.3mm)を膜厚方向にかけたときに膜厚B(μm)の比である圧縮率(A/B)は1.05〜1.95であることが好ましく、1.10〜1.80がより好ましく、1.20〜1.70が特に好ましい。圧縮率が上記範囲より大きいと、クッション性が過多となるため、捲回方式で電気化学素子を作製する際に、テンションが一定でないと皺が発生しやすく、組み立て時に不具合を生じる場合がある。一方、圧縮率が上記範囲より小さいと、電極との密着性が悪くなり、界面抵抗が高まる恐れがある。
以上説明したように、本発明のセパレータ10は、極めて緻密で強度の良好な不織布11を用いているため、機械的強度に優れる。また、セパレータ10を多層構造とすることにより、全体を貫く貫通孔の形成を防ぐことができるので、電気化学素子の短絡を防止できる。
さらに、フィブリル繊維によりフィブリル繊維層13の孔径は均一で、かつ小さくなるため、セパレータ10は多層構造であっても膜厚が非常に薄く緻密で均一な構造となり、イオン透過性にも優れる。また、フィブリル繊維によってセパレータ10にクッション性が付与されるため、セパレータ10と電極との密着性が向上し界面における抵抗が低下するので、不織布11の目開きを大きくする必要がなく、電気化学素子、特に電気二重層キャパシタの短絡や自己放電の発生を防ぐことができる。
また、セパレータ10がシリカ層を有することにより、積層体10aに含まれる各層を構成する繊維により形成される各孔にシリカが含浸しやすくなり、各層の孔径がより均一となるため、セパレータ10の孔径も均一にでき、結果、電気化学素子の短絡防止や自己放電の抑制ができる。
さらに、不織布11やフィブリル繊維の材質として、融点が300℃以上の樹脂を用いることにより、耐熱性にも優れたセパレータ10を得ることができる。
また、不織布11とフィブリル繊維層13が接する場合、不織布11を構成する繊維により形成される孔に、フィブリル繊維が含侵しやすいため、不織布11とフィブリル繊維層13の層間強度が高まったセパレータが得られる。
さらに、不織布11が緻密なため、フィブリル繊維の抜け落ちがなく、従って、連続生産においても極めて良好な生産安定性を得ることができる。それゆえに、比較的高価なフィブリル繊維も無駄にすることがなく、所望の特性向上を果たすとともに、工業生産上極めて有利である。
<セパレータの製造方法>
(製造方法1)
本発明のセパレータ10の製造方法は、サクションベルト上に不織布11を供給する供給工程と、該不織布11上にろ水度が500ml以下のセルロース系繊維を含むセルロース系分散液とフィブリル繊維を含むフィブリル分散液とを塗工する塗工工程と、該塗工工程により形成された積層体10aを乾燥する乾燥工程とを有する。
また、前記積層体10aの不織布11側の面とは反対側の面にシリカと接着剤を含むシリカ分散液を塗布する塗布工程を有することが好ましい。
セパレータ10の製造方法の一実施形態例について説明する。
予め上述した不織布11と各分散液を次のようにして作成しておく。
不織布11は、長網式、短網式、円網式、傾斜式などの湿式抄紙機を用いて通紙し作成する。
セルロース系分散液は、針葉樹又は、広葉樹のパルプをイオン交換水に適当な濃度で混ぜ、叩解することによって、ろ水度が500ml以下になるように調整する。叩解は、一般的な叩解機であるボールミル、ビーター、ランペルミル、PFIミル、SDR(シングルディスクリファイナー)、DDR(ダブルディスクリファイナー)、その他のリファイナーなどを使用して叩解することができる。
フィブリル分散液は、ローター・ステーター型の分散装置や、超音波分散装置を用いて、フィブリル繊維を水に分散させる。本発明に用いるフィブリル繊維は、通常の離解工程では均一に水に分散しにくいため、上記装置を用いることにより分散が良好となる。また、この分散に使用する水は、イオン性不純物をできるだけ少なくするために、イオン交換水を用いるのが好ましい。
シリカ分散液は、接着剤を該接着剤の良溶媒、必要に応じて貧溶媒を含む溶媒に添加し、さらにシリカを加えて調整する。
次いで、図4に示すような抄紙機100を用いて、セパレータ10を製造する。
ここで、本発明のセパレータ10の製造装置の一実施形態例について説明する。
この製造装置は、サクションベルト上に不織布11を供給する供給手段110と、該供給手段110によりサクションベルト上に供給された不織布11上にセルロース系分散液と、フィブリル分散液とを塗工する塗工手段120と、該塗工手段120により形成された積層体10aを乾燥する乾燥手段130とを有する。
また、本発明の製造装置は、前記積層体10aの不織布側の面とは反対側の面に、シリカ分散液を塗布する塗布手段140を有するのが好ましい。
供給手段110は、後述するサクションベルト122上に不織布11を供給するものである。供給手段110としては、不織布11をサクションベルト122上に供給できるものであれば、特に制限されない。
塗工手段120は、ヘッドボックス121と環状になっているサクションベルト122を有し、不織布11上にセルロース系分散液123とフィブリル分散液124を塗工するものである。
ヘッドボックス121とは、サクションベルト122の傾斜部分に対して、内部が不織布11上に積層する層数に応じて2槽以上に分割できるように仕切り125で仕切られたものであり、各槽には上記分散液を各々液溜めすることができる。
サクションベルト122とは、メッシュ状で、不織布11をヘッドボックス121から後述する乾燥機131まで搬送するものである。サクションベルト122としては、不織布11を搬送できるものであれば特に制限されない。
また、サクションベルト122の内側にはバキュームポンプ125が設置されており、塗工された分散液に含まれる水のみを吸引することができる。
乾燥手段130は、乾燥機131を有し、前記塗工手段120により形成された積層体10aを乾燥するものである。乾燥機131としては特に制限されないが、例えば、多筒式やヤンキー式ドライヤーなどが挙げられる。
上述した抄紙機100を用いてセパレータ10を製造する。なお、ヘッドボックス121は内部が2槽に分割しているものを用い、セルロース系分散液123が先に塗工されるように、予めセルロース系分散液123とフィブリル分散液124を各槽に入れておくが、各槽に入れる分散液は積層する順序に応じて入れ替えてもよい。
まず、供給工程では、供給手段110によって不織布11をサクションベルト122上に供給する。
次いで、塗工工程では、塗工手段120のサクションベルト122によって不織布11をヘッドボックス121から乾燥機131まで搬送する。不織布11がヘッドボックス121を通過する際に、セルロース系分散液123とフィブリル分散液124が順次不織布11上に塗工される。さらにバキュームポンプ125によって両分散液に含まれる水のみが吸引される。
そして、乾燥工程では、塗工手段120により形成した、不織布11上にセルロース系繊維層12とフィブリル繊維層13が積層した積層体10aが、乾燥手段130の乾燥機131によって乾燥温度100〜110℃で乾燥され、セパレータ10となる。
本発明のセパレータ10は、上述したように、積層体10aの不織布11側の面とは反対側の面にシリカ層21を有することが好ましい。シリカ層21を積層する方法としては、上記ヘッドボックス121の内部を3槽に分割にし、セルロース系分散液123とフィブリル分散液124とシリカ分散液とが順次塗工されるよう、各槽に各分散液を入れておいてもよいが、次のようにするのが好ましい。
図4に示すように、予め塗工手段120と乾燥手段130の間に塗布手段140を設ける。該塗布手段140は、スプレー141を有し、塗工手段120により形成した積層体10aの不織布11側の面とは反対側の面上にシリカ分散液142を塗布するものである。スプレー141としては特に制限されないが、エアスプレイ、エアレススプレイ、液体静電スプレイなどが挙げられる。
そして、上述した塗工工程に次いで、塗布工程により、積層体10aが塗布手段140のスプレー141の下を通過する際にシリカ分散液142が塗布され、積層体10a上にシリカ層21が形成される。
シリカ層21を積層する方法として、上述したようにヘッドボックス121の内部を3槽に分割する方法を用いた場合、不織布11上には既にセルロース系繊維層12とフィブリル繊維層13が積層しており、積層体10a全体としては孔径の小さいものとなっているため、水はけが悪く、さらにシリカ分散液142を塗工してもバキュームポンプ125による水の吸引は充分なものではなくなる可能性がある。しかし、スプレー141を用いることにより、積層体10aの水はけが悪くなったとしても、さらにシリカ分散液142を塗布することができ、水の吸引をすることなくシリカ層21を積層することができるので望ましい。
(製造方法2)
本発明のセパレータ10は、図5に示すような、抄紙機100aと抄紙機100bを連結させたセパレータ10の製造装置を用いて製造してもよい。
抄紙機100aは、サクションベルト122a上に不織布11を供給する供給手段110aと、該供給手段110aによりサクションベルト122a上に供給された不織布11上にセルロース系分散液123を塗工する塗工手段120aを有する。
供給手段110aは、サクションベルト122a上に不織布11を供給するものであり、供給手段110aとしては、不織布11をサクションベルト122a上に供給できるものであれば、特に制限されない。
塗工手段120aは、ヘッドボックス121aとサクションベルト122aを有し、不織布11上にセルロース系分散液123を塗工するものである。
ヘッドボックス121aとは、サクションベルト122aの傾斜部分に対して設けられたものであり、セルロース系分散液123を液溜めすることができる。なお、ヘッドボックス121aは、上述したように内部が2槽以上に分割することもできる。
サクションベルト122aとは、不織布11をヘッドボックス121aから後述する抄紙機100bの供給手段110bまで搬送するものである。サクションベルト122aとしては、不織布11を搬送できるものであれば特に制限されない。
また、サクションベルト122aの内側にはバキュームポンプ125aが設置されており、塗工されたセルロース系分散液123に含まれる水のみを吸引することができる。
一方、抄紙機100bは、後述する積層物126をサクションベルト122b上に供給する供給手段110bと、該供給手段110bによりサクションベルト122b上に供給された不織布11上にフィブリル分散液124を塗工する塗工手段120bと、該塗工手段120bにより形成された積層体10aを乾燥する乾燥手段130とを有する。
供給手段110bは、抄紙機100aで形成された積層物126をサクションベルト122b上に供給するものであり、供給手段110bとしては、積層物126をサクションベルト122b上に供給できるものであれば、特に制限されない。
なお、供給手段110bは、抄紙機100aと抄紙機100bを連結する役目も果たしており、乾燥機131を別途有してもよい。
塗工手段120bは、ヘッドボックス121bとサクションベルト122bを有し、積層物126のセルロース系繊維層12上にフィブリル分散液124を塗工するものである。
ヘッドボックス121bとは、サクションベルト122bの傾斜部分に対して設けられたものであり、フィブリル分散液124を液溜めすることができる。なお、ヘッドボックス121bは、上述したように内部が2槽以上に分割することもできる。
サクションベルト122bとは、積層物126をヘッドボックス121bから乾燥手段130まで搬送するものである。サクションベルト122bとしては、積層物126を搬送できるものであれば特に制限されない。
また、サクションベルト122bの内側にはバキュームポンプ125bが設置されており、塗工されたフィブリル分散液124に含まれる水のみを吸引することができる。
乾燥手段130は、乾燥機131を有し、前記塗工手段120bにより形成された積層体10aを乾燥するものである。乾燥機131としては特に制限されないが、例えば、多筒式やヤンキー式ドライヤーなどが挙げられる。
上述した抄紙機100aと抄紙機100bを用いて次のようにしてセパレータ10を製造してもよい。なお、抄紙機100aのヘッドボックス121aにはセルロース系分散液123を、抄紙機100bのヘッドボックス121bにはフィブリル分散液124を予め入れておく。
まず、抄紙機100aが有する供給手段110aによって不織布11をサクションベルト122a上に供給する。次いで、塗工手段120aのサクションベルト122aによって不織布11をヘッドボックス121aから抄紙機100bの供給手段110bまで搬送する。不織布11がヘッドボックス121aを通過する際に、セルロース系分散液123が不織布11の片面に塗工される。さらにバキュームポンプ125aによってセルロース系分散液123に含まれる水のみが吸引され、不織布11上にセルロース系繊維層12が積層した積層物126が形成される。
積層物126は、抄紙機100bが有する供給手段110bによってサクションベルト122b上に供給される。次いで、塗工手段120bのサクションベルト122bによって積層物126をヘッドボックス121bから乾燥手段130まで搬送する。積層物126がヘッドボックス121bを通過する際に、フィブリル分散液124が積層物126のセルロース系繊維層12上に塗工される。さらにバキュームポンプ125bによってフィブリル分散液124に含まれる水のみが吸引され、不織布11上にセルロース系繊維層12とフィブリル繊維層13が順次積層した積層体10aが形成される。該積層体10aは、乾燥手段130の乾燥機131によって乾燥温度100〜110℃で乾燥され、セパレータ10となる。
なお、ヘッドボックス121aと121bに入れるセルロース系分散液123とフィブリル分散液124は入れ替えてもよい。また、前記積層物126は、供給手段110bに別途設けた乾燥機131により予め乾燥された後に、抄紙機100bに供給されてもよい。
また、積層体10aの不織布11側の面とは反対側の面にシリカ層21を積層させる場合は、次のようにするのが好ましい。
図5に示すように、予め抄紙機100bの塗工手段120bと乾燥手段130の間に塗布手段140を設ける。該塗布手段140は、スプレー141を有し、塗工手段120bにより形成した積層体10aの不織布11側の面とは反対側の面上にシリカ分散液142を塗布するものである。スプレー141としては特に制限されないが、エアスプレイ、エアレススプレイ、液体静電スプレイなどが挙げられる。
そして、積層体10aが塗布手段140のスプレー141の下を通過する際にシリカ分散液142が塗布され、積層体10a上にシリカ層21が形成される。
(製造方法3)
さらに、本発明のセパレータ10は、図6に示すような、抄紙機200を用いて製造してもよい。抄紙機200は、両端が開口した筒体201と、該筒体201の一端に配置した漏斗202を有する。
抄紙機200を用いてセパレータ10を製造する方法は次の通りである。筒体201と漏斗202との間に上記不織布11を設け、筒体201の他端側より上記セルロース系分散液123を流し入れ、不織布11上にセルロース系繊維層12を積層する。次いで、上記フィブリル分散液124を流し入れ、セルロース系繊維層12上にフィブリル繊維層13を積層し、積層体10aを形成する。該積層体10aを抄紙機200から取り出し、多筒式やヤンキー式ドライヤーなどの乾燥機にて乾燥し、セパレータ10を得る。
なお、不織布11上に積層するセルロース系繊維層12とフィブリル繊維層13は順序を入れ替えて積層してもよい。
また、積層体10aの不織布11側の面とは反対側の面にシリカ層21を積層させる場合は、積層体10aを筒体201と漏斗202との間に設け、筒体201の他端側より上記シリカ分散液142を流し入れてもよいが、積層体10aの水はけを考慮すると、スプレーなどでシリカ分散液142を塗布してシリカ層21を形成するのが好ましい。
以下、本発明のセパレータを実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<実施例1>
イオン交換水で1質量%に希釈した針葉樹のパルプを、叩解装置を用いて叩解し、セルロース系繊維の分散体を得た。該分散体にイオン交換水を添加して、固形分濃度が0.01質量%となるように調整し、セルロース系分散液を得た。
一方、アラミド製のフィブリル繊維(商品名:ティアラ、ダイセル化学社製)1質量%をイオン交換水に分散した液を、超音波分散装置で10分間分散し、フィブリル繊維の分散体を作成した。該分散体にイオン交換水を添加して、固形分濃度が0.01質量%となるように調整し、フィブリル分散液を得た。
さらに、ポリビニルアルコール1gを水100mlに添加し、さらにシリカ(商品名:NAX50、日本アエロジル社製)10gを加えて、シリカ分散液を得た。
次に、不織布として、繊維径が3.5μmのポリアリレート繊維(融点350℃)からなる厚さ18μmの不織布(バブルポイント法による最大孔径:250μm)を用い、図4に示す抄紙機を用いて、不織布上に、上記セルロース系分散液とフィブリル分散液とを、乾燥後の坪量がそれぞれ3g/m、4g/mとなるように順次塗工して積層体を形成した。該積層体の不織布側の面とは反対側の面上にさらにシリカ分散液を、乾燥後の塗布量が1g/mとなるように塗布し、ヤンキー式ドライヤーにて100℃で乾燥して本発明のセパレータを得た。
不織布とセルロース系繊維とフィブリル繊維の材質などを表1に示す。
<実施例2〜5>
表1に示すように、使用する不織布とセルロース系繊維とフィブリル繊維の材質などを変化させた以外は、実施例1と同様にして、セパレータを製造した。
<実施例6>
表1に示すような材質などの不織布とセルロース系繊維とフィブリル繊維を使用し、不織布上に、セルロース系繊維層とフィブリル繊維層の坪量がそれぞれ1.5g/m、2g/mとなるようにセルロース系分散液とフィブリル分散液とを順次塗工し、その後、再度繰り返してセルロース系分散液とフィブリル分散液とを順次塗工し、セルロース系繊維層とフィブリル繊維層の合計坪量がそれぞれ3g/m、4g/mとなるようにした以外は、実施例1と同様にして、セパレータを製造した。
<比較例1、2>
表1に示すように、使用する不織布とセルロース系繊維とフィブリル繊維の材質などを変化させた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを製造した。
Figure 0004740062
<電気二重層キャパシタの組み立ておよびその評価>
実施例1〜6および比較例1、2で得られたセパレータについて、下記の特性を評価した。
実施例および比較例のセパレータと電極を用いて、電気二重層キャパシタを組み立てた。なお、電極としては電気二重層キャパシタ用の活性炭電極(宝泉社製)を用い、電解液としてはプロピレンカーボネートに、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレイトを1mol/Lとなるように溶解したものを用いた。
組み立てた電気二重層キャパシタについて、各々、交流インピーダンス法によって、20℃−1KHzでの抵抗を測定した。また、各々の電気二重層キャパシタを2.5Vに充電した後に、電気回路を15分間開放し、その後の保持電圧を調べた。
得られた結果を表2に示す。
Figure 0004740062
表2から明らかなように、本発明のセパレータを用いた電気二重層キャパシタは、抵抗値が十分に低く、また、保持電圧が高いことから自己放電を起こしにくいことが確認された。これに対して、比較例のセパレータを用いた電気二重層キャパシタは、抵抗値は低いものの、保持電圧も低く、即ち、自己放電を起こしやすく、実施例に比べて著しく劣るものであった。
以上の結果から、本発明のセパレータは薄膜で、イオン透過性や機械的強度に優れていることが分かった。従って、本発明のセパレータは、電気二重層キャパシタのような電気化学素子に好適に用いられ、内部抵抗の低減化、自己放電や電極間の短絡の発生の防止に優れるものであった。
本発明の電気化学素子用セパレータの一実施形態例を示す断面図である。 本発明の電気化学素子用セパレータの一実施形態例を示す断面図である。 本発明の電気化学素子用セパレータの一実施形態例を示す断面図である。 図1のセパレータの製造方法の一例を説明する図である。 図1のセパレータの製造方法の一例を説明する図である。 図1のセパレータの製造方法の一例を説明する図である。
符号の説明
10:電気化学素子用セパレータ、10a:積層体、11:不織布、12:セルロース系繊維層、13:フィブリル繊維層、21:シリカ層、110:供給手段、120:塗工手段、121:ヘッドボックス、122:サクションベルト、123:セルロース系分散液、124:フィブリル分散液、130:乾燥手段、140:塗布手段、142:シリカ分散液

Claims (13)

  1. 不織布と、該不織布上に設けられたろ水度が500ml以下のセルロース系繊維を含むセルロース系繊維層とフィブリル繊維を含むフィブリル繊維層とを備えた積層体を有することを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
  2. 前記積層体の不織布側の面とは反対側の面に、シリカと接着剤を含むシリカ層を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学素子用セパレータ。
  3. 前記フィブリル繊維からなる繊維層の坪量が、3〜15g/mであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気化学素子用セパレータ。
  4. 前記フィブリル繊維の平均繊維径が3μm以下、平均繊維長が0.1〜2mmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータ。
  5. 前記フィブリル繊維の融点が300℃以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータ。
  6. 前記フィブリル繊維の材質として、アラミド、ポリアリレートから選ばれる少なくとも1つが用いられていることを特徴とする請求項5に記載の電気化学素子用セパレータ。
  7. 前記不織布が、融点300℃以上の樹脂からなる繊維を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータ。
  8. 前記融点300℃以上の樹脂からなる繊維として、アラミド、ポリアリレートから選ばれる少なくとも1つが用いられていることを特徴とする請求項7に記載の電気化学素子用セパレータ。
  9. 荷重100(g/28.3mm)を膜厚方向にかけたときの膜厚A(μm)と、荷重1000(g/28.3mm)を膜厚方向にかけたときの膜厚B(μm)の比である圧縮率(A/B)が1.05〜1.95であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータ。
  10. サクションベルト上に不織布を供給する供給手段と、該供給手段によりサクションベルト上に供給された不織布上にろ水度が500ml以下のセルロース系繊維を含むセルロース系分散液と、フィブリル繊維を含むフィブリル分散液とを塗工する塗工手段と、該塗工手段により形成された積層体を乾燥する乾燥手段とを有する電気化学素子用セパレータの製造装置であって、
    前記塗工手段はサクションベルト上に分散液の液溜めを形成するヘッドボックスを有し、内部が2槽以上に分割できることを特徴とする電気化学素子用セパレータの製造装置。
  11. 前記積層体の不織布側の面とは反対側の面に、シリカと接着剤を含むシリカ分散液を塗布する塗布手段を有することを特徴とする請求項10に記載の電気化学素子用セパレータの製造装置。
  12. サクションベルト上に不織布を供給する供給工程と、該不織布上にろ水度が500ml以下のセルロース系繊維を含むセルロース系分散液とフィブリル繊維を含むフィブリル分散液とを塗工する塗工工程と、該塗工工程により形成された積層体を乾燥する乾燥工程とを有することを特徴とする電気化学素子用セパレータの製造方法。
  13. 前記積層体の不織布側の面とは反対側の面にシリカと接着剤を含むシリカ分散液を塗布する塗布工程を有することを特徴とする請求項12に記載の電気化学素子用セパレータの製造方法。

JP2006211922A 2006-08-03 2006-08-03 電気化学素子用セパレータおよびその製造装置と製造方法 Active JP4740062B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006211922A JP4740062B2 (ja) 2006-08-03 2006-08-03 電気化学素子用セパレータおよびその製造装置と製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006211922A JP4740062B2 (ja) 2006-08-03 2006-08-03 電気化学素子用セパレータおよびその製造装置と製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008041809A JP2008041809A (ja) 2008-02-21
JP4740062B2 true JP4740062B2 (ja) 2011-08-03

Family

ID=39176517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006211922A Active JP4740062B2 (ja) 2006-08-03 2006-08-03 電気化学素子用セパレータおよびその製造装置と製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4740062B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100947072B1 (ko) * 2008-03-27 2010-04-01 삼성에스디아이 주식회사 전극조립체 및 이를 구비하는 이차전지
JP5860604B2 (ja) * 2011-03-20 2016-02-16 国立大学法人信州大学 セパレーター製造装置
JP5860605B2 (ja) * 2011-03-20 2016-02-16 国立大学法人信州大学 セパレーター製造装置
CN105742551A (zh) * 2016-03-23 2016-07-06 上海恩捷新材料科技股份有限公司 一种电化学装置隔离膜及其制备方法和用途

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04326504A (ja) * 1991-04-25 1992-11-16 Elna Co Ltd 電気二重層コンデンサ
JPH1186826A (ja) * 1997-09-05 1999-03-30 Toyobo Co Ltd アルカリ電池用セパレータ
JPH11323764A (ja) * 1998-05-20 1999-11-26 Uni Charm Corp 多層紙の製造方法および製造装置
JP2005063684A (ja) * 2003-08-11 2005-03-10 Mitsubishi Paper Mills Ltd 電気化学素子用セパレーター

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04326504A (ja) * 1991-04-25 1992-11-16 Elna Co Ltd 電気二重層コンデンサ
JPH1186826A (ja) * 1997-09-05 1999-03-30 Toyobo Co Ltd アルカリ電池用セパレータ
JPH11323764A (ja) * 1998-05-20 1999-11-26 Uni Charm Corp 多層紙の製造方法および製造装置
JP2005063684A (ja) * 2003-08-11 2005-03-10 Mitsubishi Paper Mills Ltd 電気化学素子用セパレーター

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008041809A (ja) 2008-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2978785B2 (ja) アルカリ電池用セパレータ紙
WO2016010085A1 (ja) 蓄電デバイス用セパレータおよび該セパレータを用いた蓄電デバイス
JP2007067155A (ja) 電気化学素子用セパレータ
US20100316912A1 (en) Separator for power storage device
US20110206972A1 (en) Power storage device separator
WO2010106793A1 (ja) 蓄電デバイス用セパレータ及びその製造方法
US10964986B2 (en) Separator for electrochemical elements, and electrochemical element comprising same
JP4740062B2 (ja) 電気化学素子用セパレータおよびその製造装置と製造方法
JP2015088703A (ja) キャパシタ用セパレータおよび該セパレータを用いたキャパシタ
JP2014056953A (ja) キャパシタ用セパレータ及びキャパシタ
JP2009076486A (ja) 電気化学素子用セパレータ
JP2010219335A (ja) 蓄電デバイス用セパレータ及びその製造方法
JP4740034B2 (ja) 電気化学素子用セパレータ
JP2010238640A (ja) 蓄電デバイス用セパレータ
JP2005063684A (ja) 電気化学素子用セパレーター
JP2010239028A (ja) 蓄電デバイス用セパレータ
JP2010232202A (ja) 蓄電デバイス用セパレータ
WO2019102958A1 (ja) 電気化学素子用セパレータ及び電気化学素子
JP2008112827A (ja) 電気二重層キャパシタ用セパレータ
JP2008028095A (ja) 電気化学素子用セパレータおよびその製造方法
JP6913439B2 (ja) 電気化学素子用セパレータ及び電気化学素子
JP2010231897A (ja) 蓄電デバイス用セパレータ
JP2010239061A (ja) 蓄電デバイス用セパレータ
JP2013191780A (ja) 固体電解コンデンサ用セパレータおよびそれを用いてなる固体電解コンデンサ
JP2010231899A (ja) 蓄電デバイス用セパレータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110419

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4740062

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533