JP2014179442A - 電解コンデンサ用セパレータおよびそれを使用した電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用セパレータおよびそれを使用した電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】強度に優れ、電解液の蒸散抑制効果を持つ、長寿命で高信頼性の電解コンデンサ用セパレータを提供することにある。
【解決手段】電解液の主成分がγ−ブチロラクトンである電解コンデンサに用いられる電解コンデンサ用セパレータにおいて、20質量%以上70質量%以下のフィブリル化耐熱性繊維、1質量%以上20質量%以下のフィブリル化セルロース繊維、10質量%以上50質量%以下のアクリル、ポリエステル、ナイロンから選択される少なくとも1種の非フィブリル化合成繊維、15質量%以上30質量%以下の熱融着性合成繊維を含むことを特徴とする電解コンデンサ用セパレータ。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解液を用いる電解コンデンサ用セパレータおよびそれを使用した電解コンデンサに関する。
電解コンデンサは、陽極と陰極との間に電解液を含浸したセパレータを介した構造をとっており、電解液は真の陰極として機能している。高温下で長時間使用可能な電解コンデンサが求められているが、高温長時間の使用は電解液の蒸散を早める。電解液の蒸散は寿命に対する支配的な要因とされており、電解液の蒸散を防ぎ電解コンデンサを長寿命化するために、電解液組成の変更(例えば、特許文献1〜2参照)や容器の改良(例えば、特許文献3参照)が行われている。一方で、ポリピロールやポリチオフェンなどの導電性を有する機能性高分子を電解質として用いた固体電解コンデンサ(例えば、特許文献4参照)は、電解液を使用した電解コンデンサに比べ長寿命とされる。
電解コンデンサのセパレータとして現在広く使用されているのは再生セルロースや溶剤紡糸を主体とする紙製セパレータであるが、これらは強度が弱いといった問題があった。
高温下で長時間使用するにはセパレータの耐熱性も重要となるため、耐熱性繊維を用いたセパレータが提案されている(例えば、特許文献5〜7参照)。しかし、耐熱性繊維の配合量が多くなると、充分な強度が得られない問題があった。セルロース系繊維とフィブリル繊維を含む繊維を不織布上に積層したセパレータ(例えば、特許文献8参照)や、マニラ麻と耐熱性繊維を混抄したセパレータ(例えば、特許文献9参照)は、耐熱性と強度を両立するものの、電解液蒸散抑制効果は充分でなかった。また、フィブリル化耐熱繊維、非フィブリル化耐熱繊維、フィブリル化セルロースの3成分を必須成分とするセパレータ(例えば、特許文献10参照)も、電解液蒸散抑制効果としては充分でない場合があった。
特開平10−233340号公報 特開2006−339345号公報 特開平08−138981号公報 特許第2571941号公報 特開平01−278713号公報 特公平07−95501号公報 特開2002−252147号公報 特開2010−238640号公報 特開2002−367863号公報 特開2006−245550号公報
本発明の課題は、強度に優れ、電解液の蒸散抑制効果を持つ、長寿命で高信頼性の電解コンデンサ用セパレータを提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意研究した結果、
(1)電解液の主成分がγ−ブチロラクトンである電解コンデンサに用いられる電解コンデンサ用セパレータにおいて、20質量%以上70質量%以下のフィブリル化耐熱性繊維、1質量%以上20質量%以下のフィブリル化セルロース繊維、10質量%以上50質量%以下のアクリル、ポリエステル、ナイロンから選択される少なくとも1種の非フィブリル化合成繊維、15質量%以上30質量%以下の熱融着性合成繊維を含むことを特徴とする電解コンデンサ用セパレータ、
(2)フィブリル化耐熱性繊維が、フィブリル化パラ系全芳香族ポリアミド繊維である上記(1)の電解コンデンサ用セパレータ、
(3)上記(1)または(2)の電解コンデンサ用セパレータを用い、電解液の主成分がγ−ブチロラクトンである電解コンデンサ、
を見出した。
本発明の電解コンデンサ用セパレータを用いることによって、フィブリル化耐熱性繊維による耐熱性の向上だけでなく、フィブリル化セルロース繊維を含むことによる電解液との親和性の向上が実現される。また、フィブリル化耐熱性繊維と非フィブリル化合成繊維を含むことで、電解液溶媒の蒸散が抑えられる効果がある。
以下、本発明の電解コンデンサ用セパレータについて詳説する。
電解コンデンサとは、対向する2つの電極間に誘電体を挟んだ形で構成されてなる蓄電機能を有するアルミ電解コンデンサであり、蓄電機能の他にノイズ吸収、共振などの機能も持つ。電解液には、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン(DMM)、スルホラン(SL)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたものが挙げられるが、本発明の電解コンデンサ用セパレータは、電解液の主成分がγ−ブチロラクトンである電解コンデンサに適用される。本発明において、「主成分」とは、電解液の媒体中に占める割合が、質量基準で50%以上であることである。電解液の主成分がγ−ブチロラクトンである場合、本発明のセパレータにおいて電解液蒸散抑制効果が最も発揮される。
電解コンデンサの電極には、アルミニウム箔を電気化学的にエッチング処理した陰極と、アルミニウム箔をエッチング処理した後誘電体となる酸化被膜を形成させた陽極とを使用される。
電解液の電解質としては、ホウ酸、蓚酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン酸、2−メチルアゼライン酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸、これら酸の塩(例えば、アジピン酸アンモニウム、マレイン酸水素アンモニウムジメチルアミン、2−ブチルオクタン二酸アンモニア、フタル酸水素1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムなど)、水酸化テトラメチルアンモニウム、エチルメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルメチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、炭素数1〜11のアルキル基またはアリールアルキル基で四級化されたイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、脂環式アミジン化合物などが用いられる。
本発明の電解コンデンサ用セパレータは、電解液の主成分がγ−ブチロラクトンである電解コンデンサに用いられる電解コンデンサ用セパレータにおいて、20質量%以上70質量%以下のフィブリル化耐熱性繊維、1質量%以上20質量%以下のフィブリル化セルロース繊維、10質量%以上50質量%以下のアクリル、ポリエステル、ナイロンから選択される少なくとも1種の非フィブリル化合成繊維、15質量%以上30質量%以下の熱融着性合成繊維を含む。この条件を満たさない場合はセパレータ強度が低く、電解液蒸散抑制効果が低くなるために、高信頼性の電解コンデンサが得られない。
耐熱性繊維とは、軟化点、融点、熱分解温度の何れもが250℃以上、700℃以下である繊維を指す。具体的には、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、全芳香族ポリエーテル、全芳香族ポリカーボネート、全芳香族ポリアゾメチン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ(パラ−フェニレンベンゾビスチアゾール)(PBZT)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ(パラ−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)(PBO)からなる繊維が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上の組み合わせで使用しても良い。PBZTはトランス型、シス型の何れでも良い。ここで、「軟化点、融点、熱分解温度の何れも250℃以上、700℃以下」の範疇には、軟化点や融点が明瞭ではないが、熱分解温度が250℃以上、700℃以下であるものも含まれる。全芳香族ポリアミドやPBOなどはその例である。これらの繊維の中でも、液晶性のため均一に細くフィブリル化されやすいパラ系全芳香族ポリアミド繊維が好ましい。均一に細くフィブリル化されることで、電解液蒸散抑制効果が高まるため好ましい。
パラ系全芳香族ポリアミドとは、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドとの重縮合で得られるポリマー、前述のモノマーに対して共重合率40%以下でメタ配向芳香族ジアミン、メタ配向芳香族ジハライド、脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸などを重縮合して得られるポリマーであって、アミド結合が芳香環のパラ位またはそれに準じた配向位で結合した繰り返し単位からなるポリマーである。また、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドにおける芳香環の一部の水素原子は、アミド結合を形成しない置換基で置換されていても良く、芳香環は多環でも良い。アミド結合を形成しない置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、スルフォニル基、ニトロ基、フェニル基、その他が挙げられる。アルキル基とアルコキシ基は、炭素数が長いと重縮合を阻害しやすくなるため、炭素数は1〜4が好ましい。例えば、芳香環の一部の水素原子がアルキル基で置換されたパラ配向芳香族ジアミンとしては、N,N′−ジメチルパラフェニレンジアミン、N,N′−ジエチルパラフェニレンジアミン、2−メチル−5−エチルパラフェニレンジアミン、2−メチル−4−エチル−5−プロピルパラフェニレンジアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、芳香環の一部の水素原子がアルコキシ基で置換されたパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドとしては、ジメトキシテレフタル酸クロライド、ジエトキシテレフタル酸クロライド、2−メトキシ−4−エトキシテレフタル酸クロライドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、芳香環が多環なパラ配向芳香族ジアミンとしては、4,4′−オキシジフェニルジアミン、4,4′−スルフォニルジフェニルジアミン、4,4′−ジフェニルジアミン、3,3′−オキシジフェニルジアミン、3,3′−スルフォニルジフェニルジアミン、3,3′−ジフェニルジアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに、これらの芳香環の一部の水素原子が、前述したように、アミド結合を形成しない置換基で置換されていても良い。例えば、芳香環が多環なパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドとしては、4,4′−オキシジベンゾイルクロライド、4,4′−スルフォニルジベンゾイルクロライド、4,4′−ジベンゾイルクロライド、3,3′−オキシジベンゾイルクロライド、3,3′−スルフォニルジベンゾイルクロライド、3,3′−ジベンゾイルクロライドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらにこれらの芳香環の一部の水素原子が、前述したように、アミド結合を形成しない置換基で置換されていても良い。
パラ系全芳香族ポリアミドとしては、上記したポリマーの中でも、特に耐熱性に優れ、強度も強いポリ(パラ−フェニレンテレフタルアミド)やコポリ(パラ−フェニレン−3,4′−オキシジフェニレンテレフタルアミド)が好ましい。
フィブリルとは、フィルム状ではなく、主に繊維軸と平行な方向に非常に細かく分割された部分を有する繊維状で、少なくとも一部が繊維径1μm以下になっている繊維を指し、フィブリッドとは製法、形状が異なる。長さと巾のアスペクト比は約20〜約100000の範囲に分布し、カナディアンスタンダードフリーネスは0〜500mlの範囲にあることが好ましく、0〜300mlの範囲にあることがより好ましい。さらに質量平均繊維長が0.1〜2mmの範囲にあるものが好ましい。
フィブリル化は、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃により剪断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも20MPaの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維に剪断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いて行うが、特に高圧ホモジナイザーで処理すると細かいフィブリルが得られるため好ましい。
電解コンデンサ用セパレータにおいて、フィブリル化耐熱性繊維の含有量は20質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上65質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以上60質量%以下である。フィブリル化耐熱性繊維の含有量が20質量%未満の場合、電解液蒸散抑制効果が低くなる。フィブリル化耐熱性繊維の含有量が70質量%超の場合、セパレータとしての充分な強度が得にくくなる。
フィブリル化セルロース繊維は、バクテリアセルロースや機械的にフィブリル化したセルロースを指す。前者は微生物が産生するバクテリアセルロースのことを指す。このバクテリアセルロースは、セルロースおよびセルロースを主鎖とするヘテロ多糖を含むものおよびβ−1,3、β−1,2等のグルカンを含むものである。ヘテロ多糖の場合のセルロース以外の構成成分はマンノース、フラクトース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸等の六炭糖、五炭糖および有機酸等である。これらの多糖は単一物質で構成される場合もあるが、2種以上の多糖が水素結合などで結合して構成されている場合もあり、何れも利用できる。後者は、リンターをはじめとする各種パルプ、リントなどを原料とし、上記フィブリル化耐熱性繊維と同様にフィブリル化されたものを指す。
電解コンデンサ用セパレータにおいて、フィブリル化セルロース繊維の含有量は1質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上15質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以上10質量%以下である。フィブリル化セルロース繊維の含有量が1質量%未満の場合、セパレータとしての充分な強度が得られなくなる。フィブリル化セルロース繊維の含有量が20質量%超の場合、セパレータ表面が被膜化し、電解液のしみこみが悪くなる。
非フィブリル化合成繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、それらの誘導体などのポリエステル、アクリロニトリル系共重合体(アクリル)、ナイロンから選択される少なくとも1種の非フィブリル化合成繊維が挙げられる。非フィブリル化合成繊維としては、単繊維を用いることが好ましく、また、融点220℃以上のものを用いることが好ましい。また、これらから1種類を選択して使用しも良いし、2種類以上混合して使用しても良い。
電解コンデンサ用セパレータにおいて、非フィブリル化合成繊維の含有量は10質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは15質量%以上45質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以上40質量%以下である。非フィブリル化合成繊維の含有量が10質量%未満の場合、セパレータとしての充分な強度が得られなくなる。非フィブリル化合成繊維の含有量が50質量%超の場合、電解液蒸散抑制効果が低くなる。
熱融着性合成繊維は、芯部がポリエチレンテレフタレートなど高融点の樹脂からなり、鞘部がポリエチレンイソフタレートなど低融点成分を含有する樹脂からなる芯鞘複合繊維、ポリオレフィンなど低融点の樹脂を使用した繊維、未延伸繊維などを指すが、これらに限定されるものではない。本発明において、高融点とは融点250℃以上、低融点とは融点200℃以下を意味する。熱融着性合成繊維は、これらから1種類を選択して使用しても良いし、2種類以上混合して使用しても良い。
電解コンデンサ用セパレータにおいて、熱融着性合成繊維の含有量は15質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上30質量%以下である。熱融着性合成繊維の含有量が15質量%未満の場合、セパレータとしての充分な強度が得られなくなる。熱融着性合成繊維の含有量が30質量%超の場合、充分な耐熱性が得られなくなる。
電解コンデンサ用セパレータは、長網、短網、円網、傾斜型等の抄紙網の中から選ばれる一種の抄紙網を有する抄紙機、これらの抄紙網の中から同種あるいは異種の抄紙網を2つ以上組み合わせたコンビネーションマシンなどを用いて、湿式抄紙して製造される。分散助剤やその他添加薬品、剥離剤などは、非イオン性のものが好ましいが、電解コンデンサの特性に影響を及ぼさない程度であれば、イオン性のものを適量用いても良い。
電解コンデンサ用セパレータの坪量は、特に制限はないが、5〜50g/mが好ましく、8〜35g/mがさらに好ましく用いられる。
電解コンデンサ用セパレータの厚みは、特に制限はないが、電解コンデンサが小型化できること、収容できる電極面積を大きくでき容量を稼げる点から薄い方が好ましい。具体的には、電解コンデンサ組立時に破断しない程度の強度を持ち、ピンホールがなく、高い均一性を備える厚みとして、10〜300μmが好ましく用いられ、20〜100μmがより好ましく、20〜60μmがさらに好ましい。10μm未満では、電解コンデンサの製造時の短絡不良率が増加することがある。一方、300μmより厚くなると、電解コンデンサに収納できる電極面積が減少するため、電解コンデンサの容量が低いものになる場合がある。
電解コンデンサ用セパレータは、必要に応じて、カレンダー処理、熱カレンダー処理、熱処理などの熱加工処理が施される。熱処理の場合は、150〜300℃の温度で処理することが好ましい。150℃未満では熱処理が不十分になりやすく、300℃より高いと熱収縮しやすい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
表1に示した繊維と配合量(質量%)に従って、抄紙用スラリーを調製した。ここで、表1中の記号を説明する。
<フィブリル化耐熱性繊維>
FB1:パラ系全芳香族ポリアミド繊維(帝人テクノプロダクツ製、商品名:トワロン(登録商標)1080)を初期濃度5質量%になるようにイオン交換水に分散させ、ダブルディスクリファイナーを用いて、15回繰り返し叩解処理し、質量平均繊維長1.35mm、カナディアンスタンダードフリーネス90mlのフィブリル化パラ系全芳香族ポリアミド繊維を作製した。
FB2:フィブリル化耐熱性繊維1をさらに高圧ホモジナイザーで50MPaの条件で25回繰り返し叩解処理し、質量平均繊維長0.58mm、カナディアンスタンダードフリーネス0mlのフィブリル化パラ系全芳香族ポリアミド繊維を作製した。
FB3:全芳香族ポリエステル繊維(繊度0.7dtex、繊維長3mm)を初期濃度5質量%になるようにイオン交換水中に分散させ、高圧ホモジナイザーを用いて50MPaの条件で15回繰り返し処理し、質量平均繊維長0.49mm、カナディアンスタンダードフリーネス30mlのフィブリル化全芳香族ポリエステル繊維を作製した。
<フィブリル化セルロース繊維>
FBC1:リンターを5質量%濃度になるようにイオン交換水中に分散させ、高圧ホモジナイザーを用いて50MPaの圧力で20回繰り返し処理して、質量平均繊維長0.33mm、カナディアンスタンダードフリーネス0mlのフィブリル化セルロース繊維を作製した。
FBC2:麻繊維をイオン交換水中に分散させ、ビーターで叩解した後、高圧ホモジナイザーを用いて50MPaの圧力で20回繰り返し処理して、質量平均繊維長0.45mm、カナディアンスタンダードフリーネス0mlのフィブリル化セルロース繊維を作製した。
FBC3:フィブリル化セルロース繊維(ダイセルファインケム社製、商品名:セリッシュ(登録商標)KY−100G)
<非フィブリル化合成繊維>
PET1:繊度0.1dtex、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維(帝人ファイバー製、商品名:テピルス(登録商標)TM04PN)
PET2:繊度0.6dtex、繊維長5mmのポリエチレンテレフタレート繊維(帝人ファイバー製、商品名:テピルス(登録商標)TM04PN)
A1:繊度0.1dtex、繊維長3mmのアクリル繊維(三菱レイヨン製、商品名:ボンネル(登録商標)M.V.P、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸誘導体の3成分からなるアクリロニトリル系共重合体)
A2:繊度0.4dtex、繊維長3mmのアクリル繊維(三菱レイヨン製、商品名:ボンネル(登録商標)M.V.P、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸誘導体の3成分からなるアクリロニトリル系共重合体)
N:繊度0.6dtex、繊維長5mmの6ナイロン繊維(ユニチカ製、商品名:0.6T×TOW−601、融点220℃)
<熱融着性合成繊維>
B1:繊度1.1dtex、繊維長5mmのポリエステル系芯鞘複合繊維(帝人ファイバー製、商品名:TJ04CN、芯部:融点255℃のポリエチレンテレフタレート、鞘部:ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートの共重合体、融点110℃)
B2:繊度0.5dtex、繊維長5mmの未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維(帝人ファイバー製、商品名:TK08PN)
B3:繊度0.4dtex、繊維長5mmのポリオレフィン系芯鞘複合繊維(帝人ファイバー製、商品名:PJ04CN BB、芯部:融点160℃のポリプロピレン、鞘部:融点125℃のポリエチレン)
B4:繊度1.1dtex、繊維長3mmのビニロンバインダー繊維(クラレ製、商品名:ビニロンVPB107−1)
<その他の繊維>
P1:カナディアンスタンダードフリーネス20mlになるまで叩解した溶剤紡糸セルロース(レンチング社製、商品名:テンセル(登録商標))
P2:カナディアンスタンダードフリーネス500mlのポリノジックレーヨン
P3:カナディアンスタンダードフリーネス640mlのマニラ麻
PA:ポリ(パラ−フェニレンテレフタルアミド)樹脂を液晶紡糸し、洗浄して繊度0.1dtexのトウを作製した。これを長さ3mmに切断してパラ系全芳香族ポリアミド繊維を作製した。
Figure 2014179442
円網と円網のコンビネーション抄紙機を用いてスラリー1〜16、19〜27を湿式抄紙し、線圧10〜500N/cmでカレンダー処理して、電解コンデンサ用セパレータ1〜16、19〜27を作製した。
長網抄紙機を用いてスラリー17、18を湿式抄紙し、線圧10〜500N/cmでカレンダー処理して、電解コンデンサ用セパレータ17、18を作製した。
電解コンデンサ用セパレータについて、下記の試験方法により測定し、その結果を下記表2に示した。
<厚み>
電解コンデンサ用セパレータの厚みをJIS C2111に準拠して測定し、その結果を表2に示した。
<密度>
電解コンデンサ用セパレータの密度をJIS C2111に準拠して測定し、その結果を表2に示した。
<耐熱性>
電解コンデンサ用セパレータを10cm角にカットし、MD方向の長さを0.1mm単位まで計測した後220℃で2時間処理した。下記式で熱収縮率を算出し、次の基準で評価して表2に示した。
熱収縮率(%)=[(220℃保存前のセパレータ長さ)−(220℃保存後のセパレータ長さ)]/(220℃保存前のセパレータ長さ)×100
○:熱収縮率が2.0%未満である。
△:熱収縮率が2.0%以上3.0%未満である。
×:熱収縮率が3.0%以上である。
<セパレータ強度>
先端に曲率1.6の丸みをつけた直径1mmの金属針を卓上型材料試験機(株式会社オリエンテック製、商品名:STA−1150)に装着し、試料面に対して直角に1mm/sの一定速度で貫通するまで降ろした。この時の最大荷重(N)を計測し、これをセパレータ強度とした上で、次の基準で評価し、表2に示した。
○:セパレータ強度が130g以上である。
△:セパレータ強度が70g以上130g未満である。
×:セパレータ強度が70g未満である。
<電解液蒸散抑制効果>
電解コンデンサ用セパレータを5cm角にカットしたものを20枚重ね、γ−ブチロラクトン5gとともにアルミラミネートセルに封入した。アルミラミネートセルには直径100μmの穴を空け、70℃で1週間保存した。下記式で質量減少率を算出し、次の基準で評価して表2に示した。
質量減少率(%)=[(70℃保存前のアルミラミネートセル全体の質量)−(70℃、1週間保存後のアルミラミネートセル全体の質量)]/(70℃保存前のアルミラミネートセル全体の質量)×100
◎:質量減少率が0.5%未満である。
○:質量減少率が0.5%以上1.0%未満である。
△:質量減少率が1.0%以上2.0%未満である。
×:質量減少率が2.0%以上である。
Figure 2014179442
表2に示した通り、実施例1〜16の電解コンデンサ用セパレータは、20質量%以上70質量%以下のフィブリル化耐熱性繊維、1質量%以上20質量%以下のフィブリル化セルロース繊維、10質量%以上50質量%以下のアクリル、ポリエステル、ナイロンから選択される少なくとも1種の非フィブリル化合成繊維、15質量%以上30質量%以下の熱融着性合成繊維を含んでいるため、セパレータ強度、電解液蒸散抑止性に優れていた。
実施例1の電解コンデンサ用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維がフィブリル化パラ系全芳香族ポリアミド繊維であるため、フィブリル化耐熱性繊維が全芳香族ポリエステル繊維である以外は同配合の実施例16の電解コンデンサ用セパレータに比べ、電解液蒸散防止抑止性により優れていた。
一方、比較例1および比較例2の電解コンデンサ用セパレータは、セルロースのみからなる紙セパレータであるため、セパレータ強度が低く、電解液蒸散抑制効果が低くなっていた。紙セパレータの電解液蒸散抑制効果が低い原因は定かではないが、一つの原因として、セパレータの水分率が考えられる。セパレータから電解液中に出た水分が電解液と混ざることで電解液の蒸気圧が上昇し、蒸散しやすくなると推測される。
比較例3の電解コンデンサ用セパレータは、熱融着性合成繊維の含有量が15質量%未満であるため、セパレータ強度が低くなっていた。
比較例4の電解コンデンサ用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維を70質量%より多く含んでおり、かつアクリル、ポリエステル、ナイロンから選択される少なくとも1種の非フィブリル化合成繊維の含有量が10質量%未満であるため、セパレータ強度が低くなっていた。
比較例5の電解コンデンサ用セパレータは、強度、電解液蒸散抑制効果については問題なかったが、フィブリル化セルロース繊維を20質量%より多く含んでいるため、セパレータが被膜化し、電解液をはじいていた。
比較例6の電解コンデンサ用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維を含んでいないため、電解液蒸散抑制効果が低くなっていた。
比較例7の電解コンデンサ用セパレータは、フィブリル化セルロース繊維を含んでいないため、セパレータ強度が低くなっていた。
比較例8の電解コンデンサ用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維を含んでおらず、かつアクリル、ポリエステル、ナイロンから選択される少なくとも1種の非フィブリル化合成繊維を含んでいないため、電解液蒸散抑制効果が低くなっていた。
比較例9の電解コンデンサ用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維の含有量が20質量%未満であり、かつアクリル、ポリエステル、ナイロンから選択される少なくとも1種の非フィブリル化合成繊維を50質量%より多く含んでいるため、電解液蒸散抑制効果が低くなっていた。
比較例10の電解コンデンサ用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維の含有量が20質量%未満であるため、電解液蒸散抑制効果が低くなっていた。
比較例11の電解コンデンサ用セパレータは、フィブリル化耐熱性繊維が含まれていないため、電解液蒸散抑制効果が低くなっていた。
本発明の活用例としては、電解液を含む電解コンデンサ用セパレータが好適である。

Claims (3)

  1. 電解液の主成分がγ−ブチロラクトンである電解コンデンサに用いられる電解コンデンサ用セパレータにおいて、20質量%以上70質量%以下のフィブリル化耐熱性繊維、1質量%以上20質量%以下のフィブリル化セルロース繊維、10質量%以上50質量%以下のアクリル、ポリエステル、ナイロンから選択される少なくとも1種の非フィブリル化合成繊維、15質量%以上30質量%以下の熱融着性合成繊維を含むことを特徴とする電解コンデンサ用セパレータ。
  2. フィブリル化耐熱性繊維が、フィブリル化パラ系全芳香族ポリアミド繊維である請求項1の電解コンデンサ用セパレータ。
  3. 請求項1または2の電解コンデンサ用セパレータを用い、電解液の主成分がγ−ブチロラクトンである電解コンデンサ。
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