JP2007317844A - 電気化学素子用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】厚みが薄くても機械的強度に優れ、かつ電気化学素子内に存在する添加剤に対する耐性に優れた電気化学素子用セパレータを提供する。特に電解液含浸時の機械的強度に優れた電気二重層キャパシタ用セパレータと、耐酸化性に優れた固体電解コンデンサ用セパレータを提供する。
【解決手段】少なくとも非接着性耐熱性繊維と接着性耐熱性繊維とを含有する多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータ。電気化学素子が、非水電解液又は固体電解質を用いる電気化学素子であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気化学素子用セパレータに関する。
各種電池、電気二重層キャパシタ、コンデンサなどの電気化学素子は、電気絶縁性及びイオン導電性を有するセパレータを正負電極間に配している。電気化学素子用セパレータとしては、微多孔膜、紙、不織布などの多孔性シートが用いられる。
従来、電気二重層キャパシタ用セパレータとしては、溶剤紡糸セルロース繊維や再生セルロース繊維を主体とする紙製セパレータが使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。この紙製セパレータは電解液を含浸すると脆くなる。電気二重層キャパシタのスタック型セルを作製する際には、セパレータに大きな圧力がかかるために、紙製セパレータが突き破れてしまい、不良率が高くなるという問題があった。この問題を解決するために、紙製セパレータを2重、4重などに重ねて使用すると、電気二重層キャパシタの内部抵抗が高くなりやすく、また静電容量が小さくなりやすいという問題がある。そのため、薄くても機械的強度に優れた電気二重層キャパシタ用セパレータが望まれていた。
固体電解コンデンサは、ポリピロールやポリチオフェンなどの導電性高分子を電解質として用いている電気化学素子である。固体電解コンデンサにおいては、導電性高分子のモノマー溶液をセパレータに含浸させた後に重合させることによって、セパレータを覆い尽くす導電性高分子膜が形成される。固体電解コンデンサ用セパレータにおいても、溶剤紡糸セルロース繊維や再生セルロース繊維を主体とする紙製セパレータが使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかし、紙製セパレータは、導電性高分子を重合するときに添加される酸化剤によって酸化されてしまい、導電性高分子の重合を阻害する問題があるため、紙製セパレータを炭化した後に導電性高分子を含浸・重合する必要がある。炭化によってセパレータの強度は著しく低下するため、紙製セパレータに固着させた導電性高分子膜が破れやすくなってしまい、固体電解コンデンサの不良率が高くなるという問題があった。そこで、炭化せずにそのまま使用できるセパレータが望まれている。
特開平5−267103号公報 特開平11−168033号公報 特開2000−3834号公報
本発明の課題は、薄くても機械的強度に優れ、かつ電気化学素子内に存在する添加剤に対する耐性に優れた電気化学素子用セパレータを提供することである。特に、電解液含浸時の機械的強度に優れた電気二重層キャパシタ用セパレータと、耐酸化性に優れた固体電解コンデンサ用セパレータを提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、特定の繊維材料を含有する多孔質シートを用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は少なくとも非接着性耐熱性繊維と接着性耐熱性繊維とを含有する多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータである。また、非水電解液又は固体電解質を用いる電気化学素子に好適に用いることができる電気化学素子用セパレータである。
非接着性耐熱性繊維と接着性耐熱性繊維は、耐酸化性と繊維の機械的強度に優れているため、薄くても機械的強度に優れた電気化学素子用セパレータとすることができる。また、セパレータの炭化処理においても機械的強度を保持することができるため、電気化学素子の不良率を低下させることが可能である。
本発明における電気化学素子としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、電解コンデンサ、固体電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ等の、非水電解液又は固体電解質を用いる電気化学素子を挙げることができる。固体電解質としては、液体を含むゲルも含まれる。また、マンガン乾電池、アルカリマンガン乾電池、酸化銀電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−亜鉛電池、酸化銀−亜鉛電池等も挙げられる。本発明の電気化学素子用セパレータは、特に電気二重層キャパシタ、固体電解コンデンサに好適に用いられる。
電気二重層キャパシタとは、対向する2つの電極間に電気二重層を挟んだ形で構成されてなる蓄電機能を有するものである。電気二重層キャパシタの電極としては、一対の電気二重層型電極、一方が電気二重層型電極でもう片方が酸化還元型電極の組み合わせの何れでも良い。電気二重層型電極としては、活性炭や非多孔性炭素からなる電極が挙げられる。ここで、非多孔性炭素とは、活性炭とは製法が異なり、黒鉛に類似の微結晶炭素を有する炭素を指す。活性炭の場合は、充放電に伴って細孔にイオンが入ったり出たりするが、非多孔性炭素の場合は、微結晶炭素の層間にイオンが入ったり出たりする。酸化還元型電極としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、インドール三量体、ポリフェニルキノキサリン、これらの誘導体などの導電性高分子、酸化ルテニウム、酸化インジウム、酸化タングステンなどの金属酸化物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電気二重層キャパシタの電解液には、イオン解離性の塩を溶解させた水溶液、プロピレンカーボネート(略称PC)、エチレンカーボネート(略称EC)、ジメチルカーボネート(略称DMC)、ジエチルカーボネート(略称DEC)、アセトニトリル(略称AN)、プロピオニトリル、γ−ブチロラクトン(略称BL)、ジメチルホルムアミド(略称DMF)、テトラヒドロフラン(略称THF)、ジメトキシエタン(略称DME)、ジメトキシメタン(略称DMM)、スルホラン(略称SL)、ジメチルスルホキシド(略称DMSO)、エチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルソルブなどの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。水溶液系と有機溶媒系の何れも利用できる電気二重層キャパシタの場合は、水溶液系は耐電圧が低いため、有機溶媒系の方が好ましい。電解液の代わりにポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、これらの誘導体などの導電性高分子膜を用いても良い。
本発明における固体電解コンデンサは、電解質として、導電性高分子を用いる固体電解コンデンサを指す。導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、これらの誘導体が挙げられる。本発明における固体電解コンデンサは、これらの導電性高分子と電解液を併用したものでも良い。電解液としては、イオン解離性の塩を溶解させた水溶液、プロピレンカーボネート(略称PC)、エチレンカーボネート(略称EC)、ジメチルカーボネート(略称DMC)、ジエチルカーボネート(略称DEC)、アセトニトリル(略称AN)、γ−ブチロラクトン(略称BL)、ジメチルホルムアミド(略称DMF)、テトラヒドロフラン(略称THF)、ジメトキシエタン(略称DME)、ジメトキシメタン(略称DMM)、スルホラン(略称SL)、ジメチルスルホキシド(略称DMSO)、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明における非接着性耐熱性繊維とは、溶融紡糸、溶液紡糸、液晶紡糸で紡糸して得られる耐熱性繊維を指す。具体的には、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、全芳香族ポリエーテル、全芳香族ポリカーボネート、全芳香族ポリアゾメチン、ポリフェニレンスルフィド(略称PPS)、ポリ(パラ−フェニレンベンゾビスチアゾール)(略称PBZT)、ポリベンゾイミダゾール(略称PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(略称PEEK)、ポリアミドイミド(略称PAI)、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(略称PTFE)、ポリ(パラ−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)(略称PBO)、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられ、これら単独でも良いし、2種類以上の組み合わせでも良い。PBZTはトランス型、シス型の何れでも良い。
全芳香族ポリアミドは、芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸ハライドとの重縮合で得られるポリマー、前述のモノマーに対して、脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸などを重縮合して得られるポリマーであって、アミド結合が芳香環のパラ位、メタ位、オルソ位で結合した繰り返し単位からなるポリマーである。パラ配向とメタ配向の共重合体であっても良い。パラ系全芳香族ポリアミドとしては、例えば、ポリ(パラ−フェニレンテレフタルアミド)やコポリ(パラ−フェニレン−3,4´−オキシジフェニレンテレフタルアミド)などが挙げられる。メタ系全芳香族ポリアミドとしては、例えば、ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)などが挙げられる。パラ配向とメタ配向の共重合体は、例えば、ポリ(メタ−キシレンテレフタルアミド)やポリ(パラ−フェニレンイソフタルアミド)などが挙げられる。
本発明における非接着性耐熱性繊維は、フィブリルであることが好ましい。フィブリルとは、フィルム状ではなく、主に繊維軸と平行な方向に非常に細かく分割された部分を有する繊維状で、少なくとも一部が繊維径1μm以下になっている繊維を指す。長さと巾のアスペクト比は約20〜約100000の範囲に分布し、カナディアンスタンダードフリーネスは0〜500mlの範囲にあることが好ましく、0〜200mlの範囲にあることがより好ましい。さらに重量平均繊維長が0.1〜2mmの範囲にあるものが好ましい。
フィブリル化は、リファイナー、ビーター、ミル、摩砕装置、高速の回転刃により剪断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、繊維懸濁液に少なくとも3000psiの圧力差を与えて小径のオリフィスを通過させて高速度とし、これを衝突させて急減速することにより繊維に剪断力、切断力を加える高圧ホモジナイザー等を用いて行うが、特に高圧ホモジナイザーで処理すると細かいフィブリルが得られるため好ましい。
本発明における接着性耐熱性繊維は、多孔質シートの製造工程に含まれる加熱工程において接着性を発現する性能をもつ繊維をいう。本発明における多孔質シートは、後述するように、好ましくは湿式抄造法で製造される。湿式抄造法では、抄造で得られたウェブから水分を除去するための乾燥工程がある。また、水分を除去した多孔質シートに対して行う真空乾燥や熱風乾燥などの熱処理や熱カレンダー処理を施すことも可能である。これらの水分除去乾燥工程、熱処理、熱カレンダー処理等の加熱工程において、接着性耐熱性繊維が接着性を発現し、多孔質シートの機械的強度を向上させることができる。このうち、湿式抄造法の水分除去乾燥工程において接着性を発現させることが好ましい。接着性耐熱性繊維における接着性とは、水素結合、接着性耐熱性繊維の形状を利用した物理的接着、溶融・軟化による接着、湿熱接着、加温とそれに伴う冷却工程によって接着性耐熱性繊維の寸法が変化することを利用した物理的接着等をいう。接着性耐熱性繊維の接着性を発現させるための加熱温度は、20℃〜炭化温度より低い温度、より好ましくは40℃〜300℃である。
本発明の接着性耐熱性繊維はフィブリッドであることが好ましい。フィブリッドとは、非顆粒状、非剛性の繊維状またはフィルム状微小片のことをいう。繊維状の場合は、径と長さがμmの範囲にあり、フィルム状の場合は厚み、巾、長さのうち何れか1つの大きさがμmの範囲にあるものを指す。フィブリッドは、極微小のフィブリル構造を表面に有しているため、物理的接着性を発現しやすい。また、表面積が大きいので、水素結合や湿熱接着を利用した接着性も発現しやすい。
フィブリッドは、繊維の原料である高分子溶液に剪断力を与えながらこの高分子用沈殿剤を付与しながら混合する方法、撹拌中の高分子用沈殿剤含有液に微小滴の高分子溶液を滴下する方法、高分子溶液をローター・ステーター方式の微小繊維化装置に通して剪断力を与えて繊維化する方法で製造することができる。
接着性耐熱性繊維の高分子原料としては、パラ系全芳香族ポリアミド、メタ系全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、全芳香族ポリエーテル、全芳香族ポリカーボネート、全芳香族ポリアゾメチン、ポリフェニレンスルフィド(略称PPS)、ポリ(パラ−フェニレンベンゾビスチアゾール)(略称PBZT)、ポリベンゾイミダゾール(略称PBI)、ポリエーテルエーテルケトン(略称PEEK)、ポリアミドイミド(略称PAI)、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン(略称PTFE)、ポリ(パラ−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)(略称PBO)などが挙げられ、これら単独でも良いし、2種類以上の組み合わせでも良い。PBZTはトランス型、シス型の何れでも良い。
非接着性耐熱性繊維と同じ原料を用いても、フィブリッドにすることで接着性耐熱性繊維とすることができる。特に、パラ系全芳香族ポリアミド、メタ系全芳香族ポリアミド、パラ系/メタ系共重合全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエステルを用いることが好ましい。パラ系全芳香族ポリアミドとしては、例えば、ポリ(パラ−フェニレンテレフタルアミド)やコポリ(パラ−フェニレン−3,4´−オキシジフェニレンテレフタルアミド)などが挙げられる。メタ系全芳香族ポリアミドとしては、例えば、ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)などが挙げられる。パラ配向とメタ配向の共重合体は、例えば、ポリ(メタ−キシレンテレフタルアミド)やポリ(パラ−フェニレンイソフタルアミド)などが挙げられる。これらの好ましい高分子原料に含まれているアミド結合、エステル結合、未反応のカルボン酸、水酸基、アミノ基等が湿熱接着性、水素結合による接着性に有効に寄与していると考えられる。
本発明の電気化学素子用セパレータは、電気化学素子の特性に悪影響を及ぼさない範囲で、非耐熱性繊維を含有させることができる。非耐熱性繊維としては、例えばセルロースやフィブリル化セルロースがある。セルロースとしては、溶剤紡糸セルロース、木材繊維や木材パルプ、リンター、リント、麻、柔細胞繊維などの非木材繊維や非木材パルプ、バクテリアセルロースなどが挙げられる。柔細胞繊維とは、植物の茎、葉、根、果実等に存在する柔細胞を主体とした部分を、アルカリで処理する等して得られるセルロースを主成分とし、水に不溶な繊維を指す。本発明に用いられるセルロースは、アセチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体であっても良いが、これらに限定されるものではない。カルボキシメチルセルロースは、Na、K、Ca、Al、NHなどの塩型であっても良い。
非耐熱性繊維を構成する高分子原料としては、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートやこれらの誘導体などのポリエステル、アクリル系樹脂、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、ポリエーテルスルホン(略称PES)、ポリウレタンなどからなる単繊維や複合繊維を使用することもできる。ここで、半芳香族ポリアミドとは、主鎖の一部に例えば、脂肪鎖などを有するものを指すが、これに限定されるものではない。これらの繊維の形状としては、単繊維や複合繊維が挙げられる。複合繊維の場合、全繊維の50%以上が非耐熱性繊維の高分子原料からなる場合、非耐熱性繊維とする。非耐熱性繊維は、1種類でも良いし、2種類以上混合して用いても良い。
本発明に用いることができる非耐熱性繊維の繊維長は、1〜15mmが好ましく、2〜6mmがより好ましい。繊維長が1mmより短いと多孔質シートから脱落しやすく、15mmより長いと、繊維がもつれてダマになりやすく、厚みむらが生じやすい。これら合成繊維の繊維径は、20μm以下または2dtex以下が好ましく、12μm以下または1dtex以下がより好ましく、7μm以下または0.5dtex以下が最も好ましい。繊維径が20μmまたは2dtexより太いと、多孔質シートの厚みむらが生じる場合や断裁性が悪くなる場合がある。
本発明における多孔質シートは、円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、傾斜型抄紙機、これらの中から同種または異種の抄紙機を組み合わせてなるコンビネーション抄紙機などを用いて湿式抄紙する方法によって製造することができる。原料スラリーには、繊維原料の他に必要に応じて分散剤、増粘剤、無機填料、有機填料、消泡剤などを適宜添加し、5〜0.001質量%程度の固形分濃度にスラリーを調整する。この原料スラリーをさらに所定濃度に希釈して抄紙し、水分を除去するために乾燥して多孔質シートを製造する。抄紙して得た多孔質シートは必要に応じて、カレンダー処理、熱カレンダー処理、熱処理などが施される。
本発明の電気化学素子用セパレータの厚みは特に制限はないが、10〜100μmが好ましく、15〜60μmがより好ましく、15〜40μmがさらに好ましい。10μm未満では、十分な機械的強度が得られにくいことがある。100μmより厚いと、電気化学素子の内部抵抗が高くなることがある。また、電気化学素子が固体電解コンデンサの場合には、ESRが高くなる場合がある。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<繊維>
表1に非接着性耐熱性繊維を、表2に接着性耐熱性繊維を示す。また、表3に非耐熱性繊維等を示す。
Figure 2007317844
Figure 2007317844
Figure 2007317844
実施例1〜38
表4に示したスラリー1〜38を湿式抄紙し、表5に示す密度の電気二重層キャパシタ用セパレータ1〜38および固体電解コンデンサ用セパレータ1〜38を作製した。具体的には円網抄紙機を用いて抄紙速度30m/minで湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度130℃で乾燥させて巻き取った。その後、室温、線圧10〜200N/cmでカレンダー処理して厚みを調整した。
Figure 2007317844
(比較例1〜2)
実施例と同様にして、スラリー39〜40を湿式抄紙し、室温、線圧10〜200N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、電気二重層キャパシタ用セパレータ39〜40および固体電解コンデンサ用セパレータ39〜40を作製した。
(比較例3)
溶剤紡糸セルロースの叩解物50質量%と麻パルプ50質量%からなる市販のセルロース100%セパレータを電気二重層キャパシタ用セパレータ41および固体電解コンデンサ用セパレータ41として用いた。
<電気二重層キャパシタ1〜40の作製>
正極及び負極として、黒鉛類似炭素からなる電極を用い、セパレータを負極と正極の間に介して積層し、これをアルミニウム製収納袋に収納してスタック型素子を形成した。この素子ごと200℃に15時間真空加熱し、電極およびセパレータに含まれる水分を除去した。これを真空中で室温まで放冷した後、素子内に電解液を注入し、注入口を密栓して、圧力19.6MPaで押さえつけて固定し、電気二重層キャパシタ1〜40を作製した。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C(CH)NBFを溶解させたものを用いた。
<電気二重層キャパシタ41の作製>
電気二重層キャパシタ1〜40と同様にして、電気二重層キャパシタ用セパレータ41を用いてスタック型素子を形成した。この素子ごと180℃に24時間真空乾燥し、電極およびセパレータに含まれる水分を除去した。これを真空中で室温まで放冷した後、素子内に電解液を注入し、注入口を密栓して圧力19.6MPaで押さえつけて固定し、電気二重層キャパシタ41を作製した。電解液は電気二重層キャパシタ1〜40と同様のものを用いた。
<固体電解コンデンサ1〜40の作製>
陽極には、表面をエッチング処理して粗面化した後、誘電体皮膜を形成させたアルミニウム箔を用い、陰極には、誘電体皮膜を形成させなかったアルミニウム箔を用いた。陽極、陰極、固体電解コンデンサ用セパレータは予め所定の巾にスリット加工しておき、陽極と陰極の間に固体電解コンデンサ用セパレータを配置して巻き取り、固体電解コンデンサ素子を作製した。3,4−エチレンジオキシチオフェン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):n−ブチルアルコール=34:33:33の質量比で混合した溶液を調製し、これに固体電解コンデンサ素子を浸漬した後、200℃で5分間熱処理してポリチオフェンを重合した。次いで、固体電解コンデンサ素子を所定の円筒ケースに収納して固体電解コンデンサ用セパレータ1〜40を具備した固体電解コンデンサ1〜40を作製した。
<固体電解コンデンサ41の作製>
固体電解コンデンサ1〜40の作製で用いたものと同じ陰極と陽極の間に固体電解コンデンサ用セパレータ41を配置して巻き取り、固体電解コンデンサ素子を作製した。これを260℃に加熱して固体電解コンデンサ用セパレータ41を炭化させた後、室温まで冷却した。3,4−エチレンジオキシチオフェン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):n−ブチルアルコール=34:33:33の質量比で混合した溶液を調製し、これに固体電解コンデンサ素子を浸漬した後、200℃で5分間熱処理してポリチオフェンを重合した。次いで、固体電解コンデンサ素子を所定の円筒ケースに収納して固体電解コンデンサ41を作製した。
電気二重層キャパシタ用セパレータ1〜41、固体電解コンデンサ用セパレータ1〜41、電気二重層キャパシタ1〜41、固体電解コンデンサ1〜41について、下記の試験方法により測定し、その結果を表5および表6に示した。
<厚み>
電気二重層キャパシタ用セパレータ1〜41および固体電解コンデンサ用セパレータ1〜41の厚みをJIS C2111に準拠して測定した。
<密度>
電気二重層キャパシタ用セパレータ1〜41および固体電解コンデンサ用セパレータ1〜41の密度をJIS C2111に準拠して測定した。
<不良率>
電気二重層キャパシタ1〜41をそれぞれ100個作製したときの不良率を求めた。
<内部抵抗>
電気二重層キャパシタ1〜41を電圧3.5Vまで充電した後、20Aで定電流放電したときの放電開始直後の電圧低下より内部抵抗を算出し、100個の平均値を求めた。
<漏れ電流>
固体電解コンデンサ1〜41に25V印加して60秒後の漏れ電流を測定し、その結果を表6に示した。
Figure 2007317844
Figure 2007317844
表5および表6に示した通り、実施例1〜37で作製した電気二重層キャパシタ用セパレータは、非接着性耐熱性繊維と接着性耐熱性繊維とを含有してなり、かつ非接着性耐熱性繊維としてフィブリル化繊維を含有しているため、厚みが薄くても丈夫であった。この該セパレータを具備してなる電気二重層キャパシタの耐久性は優れていた。実施例1〜37で作製した固体電解コンデンサ用セパレータは、少なくとも非接着性耐熱性繊維と接着性耐熱性繊維とを含有してなるため、炭化しなくてもそのまま使用することができた。
実施例38で作製した電気二重層キャパシタ用セパレータは、非接着性耐熱性繊維としてフィブリル化繊維を含有していないため、内部抵抗がやや高かった。実施例38で作製した固体電解コンデンサ用セパレータは、非接着性耐熱性繊維としてフィブリル化繊維を含有していないため、漏れ電流が大きめであった。
比較例1で作製した電気二重層キャパシタ用セパレータは、非接着性耐熱性繊維も接着性耐熱性繊維も含有しないため、ピンホールが発生し、不良率が高くなった。比較例1で作製した固体電解コンデンサ用セパレータは、非接着性耐熱性繊維も接着性耐熱性繊維も含有しないため、漏れ電流が大きかった。
比較例2で作製した電気二重層キャパシタ用セパレータは、接着性耐熱性繊維を含有しないため、耐久性がやや悪かった。比較例2で作製した固体電解コンデンサ用セパレータは、接着性耐熱性繊維を含有しないため、漏れ電流が大きめであった。
比較例3で作製した電気二重層キャパシタは、セルロース100%からなるセパレータを具備してなるため耐久性が悪かった。比較例3で作製した固体電解コンデンサは、セルロース100%セパレータを炭化して作製したため、漏れ電流が大きかった。
本発明の電気化学素子用セパレータの活用例としては、電気二重層キャパシタ、固体電解コンデンサの他に、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、電解コンデンサ、等の、非水電解液又は固体電解質を用いる電気化学素子を挙げることができる。固体電解質としては、液体を含むゲルも含まれる。また、マンガン乾電池、アルカリマンガン乾電池、酸化銀電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−亜鉛電池、酸化銀−亜鉛電池等も挙げられる。本発明の電気化学素子用セパレータは、特に電気二重層キャパシタ、固体電解コンデンサ等の電気化学素子が挙げられる。

Claims (2)

  1. 少なくとも非接着性耐熱性繊維と接着性耐熱性繊維とを含有する多孔質シートからなる電気化学素子用セパレータ。
  2. 電気化学素子が、非水電解液又は固体電解質を用いる電気化学素子である請求項1記載の電気化学素子用セパレータ。







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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009205956A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Teijin Ltd 非水電解質電池セパレータ及びその製造方法並びにそれを用いた非水電解質二次電池
JP2016178246A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 大福製紙株式会社 固体電解コンデンサ用セパレーター、固体電解コンデンサ、固体電解コンデンサ用セパレーターの製造方法

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