JP2007060618A - 電子デバイスおよびフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化しやすく、かつ平衡信号をバランス特性に優れた状態で伝送することができるようにした電子デバイスおよびフィルタを提供する。
【解決手段】インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器41,42に、一対の平衡端子200A,200Bを接続する。この電子デバイスは、インターディジタル結合していないときの各1/4波長共振器41,42の単体での共振周波数をf0としたとき、単体での共振周波数f0よりも高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと単体での共振周波数f0よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとを有している。そして、この電子デバイスは、周波数の低い第2の共振周波数f2が動作周波数として設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、平衡端子を備えた電子デバイスおよびフィルタに関する。
平衡端子を備えた電子デバイスとしてフィルタやアンテナがある。平衡端子を備えたフィルタとしては、例えば不平衡入力−平衡出力型のバンドパスフィルタが知られている。このようなフィルタとして、バランを使用するものがある。バランは、不平衡信号(アンバランス信号)と平衡信号(バランス信号)とを相互変換するものである。携帯電話機等の無線通信機器では、フィルタとして小型化および薄型化への要求がある。
なお、不平衡信号を伝送する線路では、グランド電位に対する1本の信号線の電位により信号が伝送される。平衡信号を伝送する線路では、一対の信号線間の電位差により信号が伝送される。平衡信号は、一対の信号線間を伝送する各信号の位相が互いに180°異なり、かつ振幅がほぼ等しければ、一般にバランス特性に優れた状態といえる。
図34は、バランの一般的な構造を示している。このバランは、1/2波長(λ/2)共振器101と、第1および第2の1/4波長共振器102,103とを備えている。1/2波長共振器101は、両端が開放(オープン)端とされ、一方の開放端に不平衡入力端子111が接続されている。第1および第2の1/4波長共振器102,103のそれぞれの短絡(ショート)端が、1/2波長共振器101の各開放端に対向するように1/2波長共振器101に対向して配置されている。第1および第2の1/4波長共振器102,103のそれぞれの開放端には、平衡出力端子112,113が接続され、一対の平衡出力端子が形成されている。
この構造を有するバランとして、特許文献1および特許文献2に記載の積層型バラントランスがある。特許文献1および特許文献2では、各共振器をスパイラル状の導体の線路パターンで形成し、その導体の線路パターンを複数の誘電体基板上に形成して積層構造にすることで、小型化を図っている。また、特許文献3および特許文献4には、平衡出力型のバンドパスフィルタとして、1/2波長共振器を用いた積層型バンドパスフィルタが記載されている。
また、平衡入力もしくは平衡出力を行うアンテナとして、従来、1/2波長共振器を用いるダイポールアンテナが知られている。これは、図35に示したように、両端が開放端とされた1/2波長共振器300に、一対の平衡端子301,302を接続したものである。両端開放型の1/2波長共振器300における基本共振モードでの電界分布は、図36に示したように、長手方向の中心部分において電界がゼロとなり、両端部において電界は最大となる。そして、長手方向の中心部分の右側半分と左側半分とで位相が180°反転している。従って、位相が180°反転する左右対称的な位置に一対の平衡端子301,302を接続すれば、平衡信号の入出力を行うことができる。そのほか、1つの1/4波長共振器とバランとを組み合わせて平衡入出力を行うアンテナが知られている。これは、不平衡端子を備えた1/4波長共振器にバランを接続することで不平衡信号と平衡信号とを相互変換し、バランを介して平衡入出力を行うものである。また、特許文献5には、平衡入出力を行うダイポールアンテナに関する発明が開示されている。特許文献5には、2つの1/4波長共振器のそれぞれに1つの端子を接続して平衡入出力を行う構成例が開示されている。その構成例では、1/4波長共振器の大きさは、動作周波数の1/4波長で決まる。
特開2002−190413号公報 特開2003−007537号公報 特開2005−045447号公報 特開2005−080248号公報 特表2002−532929号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の積層型バラントランスでは、全体の大きさが1/2波長共振器の大きさ(動作周波数の1/2波長の大きさ)によって制限されてしまい、小型化が困難である。また特許文献1および特許文献2には、各共振器をスパイラル構造にすることも開示されているが、その場合には線路間の不要な結合や物理的な配置のバランスが理想状態から崩れる等の理由で、平衡出力したときの振幅バランスや位相バランスが崩れ、所望の特性が得られないという問題もある。特許文献3および特許文献4に記載の積層型バンドパスフィルタについても同様に、基本的に1/2波長共振器を用いているので、全体の大きさが1/2波長共振器の大きさによって制限されてしまい、小型化が困難である。
また、従来のアンテナにおいても、両端開放型の1/2波長共振器を用いた構成では、アンテナの大きさは動作周波数の1/2波長に依存するので、装置全体を小型化できない。また、1つの1/4波長共振器とバランとを組み合わせた構成では、アンテナの大きさは動作周波数の1/4波長に依存するので、1/2波長共振器を用いた場合に比べれば小型化はできるものの、バランが必要になるので装置全体としてはやはり小型化できない。さらに、特許文献5に開示されているような1/4波長共振器を2つ用いた構成でも、単に2つの1/4波長共振器を用いただけでは、アンテナの大きさは動作周波数の1/4波長に依存し、小型化という点では不十分である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、小型化しやすく、かつ平衡信号をバランス特性に優れた状態で伝送することができるようにした電子デバイスおよびフィルタを提供することにある。
本発明による電子デバイスは、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器と、前記一対の1/4波長共振器の一方に一方の端子が接続されると共に、前記一対の1/4波長共振器の他方に他方の端子が接続された一対の平衡端子とを備えたものである。
なお、本発明による電子デバイスにおいて、「インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器」とは、一方の1/4波長共振器の開放端と他方の1/4波長共振器の短絡端とが対向すると共に、一方の1/4波長共振器の短絡端と他方の1/4波長共振器の開放端とが対向するように配置されることで、互いに電磁結合された共振器のことをいう。
本発明による電子デバイスにおいて、一対の1/4波長共振器は、インターディジタル結合していないときの各1/4波長共振器の単体での共振周波数をf0としたとき、単体での共振周波数f0よりも高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと単体での共振周波数f0よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとを有し、その動作周波数が、第2の共振周波数f2となっていることが好ましい。
本発明による電子デバイスでは、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器に一対の平衡端子が接続されていることで、1/2波長共振器を用いた場合や、単に(インターディジタル結合されていない)1/4波長共振器を2つ用いた場合に比べて、小型化が容易となり、平衡信号がバランス特性に優れた状態で伝送される。
一対の1/4波長共振器をインターディジタル型で、かつ強く結合させると、物理的な1/4波長の長さで決まる共振周波数f0(インターディジタル結合させていないときの各1/4波長共振器単体での共振周波数)に対し周波数が高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと、第1の共振周波数f1よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとの2つのモードが現れ、共振周波数が2つに分離する。この場合において、物理的な長さに対応する共振周波数f0よりも周波数の低い第2の共振周波数f2を、デバイスとしての動作周波数に設定することで、デバイスとしての動作周波数を共振周波数f0に設定した場合よりも小型化が図られる。例えば2.4GHz帯を動作周波数としたデバイスを設計する場合、物理的な長さを例えば8GHzに対応させた1/4波長共振器を用いることができる。これは、物理的な長さを2.4GHz帯に対応させた1/4波長共振器とした場合よりも小型のものとなる。また、周波数の低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードは、一対の1/4波長共振器で互いに逆相となる励振モードなので、バランス特性に優れたものとなる。
本発明による電子デバイスにおいて、一対の1/4波長共振器が回転対称軸を有し、全体として回転対称な構造とされ、一対の平衡端子が、回転対称軸に対して互いに回転対称となる位置において一対の1/4波長共振器に接続されていても良い。
この構成の場合には、バランス特性がより優れた状態で平衡信号が伝送される。
また、本発明による電子デバイスは、一対の1/4波長共振器で受信した電波を一対の平衡端子から平衡信号として出力する受信アンテナ、または一対の平衡端子から入力された平衡信号を一対の1/4波長共振器から電波として送信する送信アンテナとして構成されていても良い。
これにより、小型で、かつ平衡信号をバランス特性に優れた状態で送受信可能なアンテナが実現される。
本発明によるフィルタは、入力端側または出力端側においてインターディジタル結合された一対の1/4波長共振器と、一対の1/4波長共振器の一方に一方の端子が接続されると共に、一対の1/4波長共振器の他方に他方の端子が接続された一対の平衡端子と、一対の1/4波長共振器に電磁結合された他の共振器とを備えているものである。そして、一対の1/4波長共振器が、インターディジタル結合していないときの各1/4波長共振器の単体での共振周波数をf0としたとき、単体での共振周波数f0よりも高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと単体での共振周波数f0よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとを有し、かつ、他の共振器と一対の1/4波長共振器とが第2の共振周波数で電磁結合されているものである。
なお、本発明によるフィルタにおいて、「インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器」とは、一方の1/4波長共振器の開放端と他方の1/4波長共振器の短絡端とが対向すると共に、一方の1/4波長共振器の短絡端と他方の1/4波長共振器の開放端とが対向するように配置されることで、互いに電磁結合された共振器のことをいう。
本発明によるフィルタでは、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器に一対の平衡端子が接続され、かつ、他の共振器と一対の1/4波長共振器とが周波数の低い第2の共振周波数で電磁結合されていることで、小型化が容易となり、平衡信号がバランス特性に優れた状態で伝送される。
一対の1/4波長共振器をインターディジタル型で、かつ強く結合させると、物理的な1/4波長の長さで決まる共振周波数f0(インターディジタル結合させていないときの各1/4波長共振器単体での共振周波数)に対し周波数が高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと、第1の共振周波数f1よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとの2つのモードが現れ、共振周波数が2つに分離する。この場合において、物理的な長さに対応する共振周波数f0よりも周波数の低い第2の共振周波数f2を、フィルタとしての通過周波数(動作周波数)に設定することで、フィルタとしての通過周波数を共振周波数f0に設定した場合よりも小型化が図られる。例えば2.4GHz帯を通過周波数としたフィルタを設計する場合、物理的な長さを例えば8GHzに対応させた1/4波長共振器を用いることができる。これは、物理的な長さを2.4GHz帯に対応させた1/4波長共振器とした場合よりも小型のものとなる。また、周波数の低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードは、一対の1/4波長共振器で互いに逆相となる励振モードなので、バランス特性に優れたものとなる。
本発明によるフィルタにおいて、一対の1/4波長共振器が回転対称軸を有し、全体として回転対称な構造とされ、一対の平衡端子が、回転対称軸に対して互いに回転対称な位置に接続されていても良い。
この構成の場合には、バランス特性がより優れた状態で平衡信号が伝送される。
また、本発明によるフィルタにおいて、一対の1/4波長共振器が、誘電体多層基板内において誘電体層を挟んで互いに対向して積層された構造とされ、一対の1/4波長共振器に挟まれた領域にある誘電体層の比誘電率が、他の領域にある誘電体層の比誘電率よりも大きい構成とされていても良い。
この構成の場合には、一対の1/4波長共振器間の結合の相互容量を大きくし、外部Qを小さくすることができ、フィルタの周波数特性やバランス特性がより優れた状態で平衡信号が伝送される。
また、本発明によるフィルタにおいて、第1の共振周波数は、入力信号の周波数帯域よりも高いことが好ましい。
さらに、第1の共振周波数をf1、第2の共振周波数をf2としたとき、
1>3f2
の条件を満たすことが好ましい。
本発明によるフィルタでは、周波数の低い第2の共振周波数f2をフィルタとしての通過周波数に設定しているので、入力信号の周波数帯域が第1の共振周波数f1に重なると周波数特性が悪化する。第1の共振周波数f1を入力信号の周波数帯域よりも高く設定することで、これが防止される。
また、本発明によるフィルタにおいて、一対の平衡端子のそれぞれが、一端が短絡された線路で構成され、一対の平衡端子と一対の1/4波長共振器とが磁界結合により接続されていても良い。
この構成の場合には、線路の長さや、線路と1/4波長共振器との間隔を調整することで、一対の平衡端子と一対の1/4波長共振器との結合調整が容易となる。
また、本発明によるフィルタにおいて、一対の平衡端子のそれぞれの一端部がコンデンサ電極で構成され、一対の平衡端子がコンデンサ電極による容量結合により一対の1/4波長共振器に接続されていても良い。
この構成の場合には、コンデンサ容量を調整することで、一対の平衡端子と一対の1/4波長共振器との結合調整が容易となる。
また、本発明によるフィルタにおいて、一対の1/4波長共振器のそれぞれの開放端側に対向するように、一端が短絡されたコンデンサ電極が設けられていても良い。
この構成の場合には、一対の1/4波長共振器にコンデンサ容量が並列に加わることで、動作周波数としての第2の共振周波数f2がさらに下がり、より小型化しやすくなる。また、コンデンサ電極の物理的な大きさを変えることでコンデンサ容量の調整ができるので、共振周波数の微調整を行いやすい。
また、本発明によるフィルタにおいて、他の共振器に接続された不平衡端子をさらに備え、かつ、他の共振器が、インターディジタル結合された他の一対の1/4波長共振器で構成され、不平衡端子が、他の一対の1/4波長共振器の一方に接続されていても良い。
この構成の場合には、不平衡−平衡型のフィルタが構成される。平衡端子に接続される一対の1/4波長共振器と共に、不平衡端子に接続される他の共振器も一対の1/4波長共振器で構成されることで、全体としてより小型化が可能となる。
また、本発明によるフィルタにおいて、他の共振器に接続された他の一対の平衡端子をさらに備え、かつ、他の共振器が、インターディジタル結合された他の一対の1/4波長共振器で構成され、他の一対の平衡端子の一方の端子が、他の一対の1/4波長共振器の一方に接続され、他方の端子が、他の一対の1/4波長共振器の他方に接続されていても良い。
この構成の場合には、平衡−平衡型のフィルタが構成される。平衡端子に接続される一対の1/4波長共振器と共に、他の一対の平衡端子に接続される他の共振器も一対の1/4波長共振器で構成されることで、全体としてより小型化が可能となる。
また、本発明によるフィルタにおいて、入力端側または出力端側において、偶数個の複数の1/4波長共振器を備えていても良い。そして、複数の1/4波長共振器の隣接する1/4波長共振器がそれぞれインターディジタル結合され、隣接する1/4波長共振器によって一対の1/4波長共振器が複数組形成されていても良い。
この構成の場合には、一対の1/4波長共振器の物理的な長さをより短く設計することができ、より小型化が可能となる。また、小型化とバランス特性の調整とがさらに容易となる。
また、本発明によるフィルタにおいて、入力端側または出力端側において、奇数個の複数の1/4波長共振器を備えていても良い。そして、複数の1/4波長共振器の隣接する1/4波長共振器がそれぞれインターディジタル結合され、隣接する1/4波長共振器によって一対の1/4波長共振器が複数組形成されていても良い。
この構成の場合には、一対の1/4波長共振器の物理的な長さをより短く設計することができ、より小型化が可能となる。
奇数個の複数の1/4波長共振器を備えた構成の場合、一対の平衡端子の一方の端子の接続位置から一方の端子が接続された一方の1/4波長共振器の短絡端までの距離と、一対の平衡端子の他方の端子の接続位置から他方の端子が接続された他方の1/4波長共振器の短絡端までの距離とが異なっていることが好ましい。
また、複数段の一対の1/4波長共振器の少なくとも1つの開放端に、振幅バランス調整用のキャパシタが接続されていても良い。
このような構成とすることで、全体として奇数個の1/4波長共振器の組み合わせで構成されているにも関わらず、バランス特性の調整が容易となる。
本発明の電子デバイスによれば、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器に一対の平衡端子を接続するようにしたので、小型化しやすく、かつ平衡信号をバランス特性に優れた状態で伝送することができる。
本発明のフィルタによれば、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器に一対の平衡端子を接続し、かつ、他の共振器と一対の1/4波長共振器とを周波数の低い第2の共振周波数で電磁結合するようにしたので、小型化しやすく、かつ平衡信号をバランス特性に優れた状態で伝送することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態に係る電子デバイスについて説明する。
図1は、本実施の形態に係る電子デバイスの基本構成を示している。この電子デバイスは、共振器40と、共振器40に接続された一対の平衡端子200A,200Bとを備えている。これらの各構成要素は、TEM線路により構成されている。TEM線路は、例えばストリップラインなどの導体パターンや誘電体基板内部に形成された貫通導体などで構成することができる。なお、TEM線路とは、電界および磁界が共に電磁波の進行方向に垂直な断面内にのみ存在する電磁波(TEM波)を伝送する伝送線路である。
共振器40は、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器41,42で構成されている。一対の1/4波長共振器41,42のうち、一方の1/4波長共振器41には一方の平衡端子200Aが接続され、他方の1/4波長共振器42には他方の平衡端子200Bが接続されている。一対の1/4波長共振器41,42はそれぞれ、一端が短絡端とされ、他端が開放端とされている。一対の1/4波長共振器41,42は、回転対称軸40Cを有し、全体的に回転対称な構造とされている。一対の平衡端子200A,200Bは、回転対称軸40Cに対して互いに回転対称な位置において一対の1/4波長共振器41,42に接続されていることが好ましい。これにより、バランス特性に優れた状態にすることができる。
一対の1/4波長共振器41,42は、後述するように、強いインターディジタル結合がなされていることで、第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと第1の共振周波数f1よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとを有している。より詳しくは、インターディジタル結合していないときの各1/4波長共振器41,42の単体での共振周波数をf0としたとき、単体での共振周波数f0よりも高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと単体での共振周波数f0よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとを有している。そして、この電子デバイスは、周波数の低い第2の共振周波数f2が動作周波数として設定されている。
なお、図2に示したように、共振器40における一対の1/4波長共振器41,42を複数組備え、複数段の1/4波長共振器41,42,43,…4n(nは4以上の偶数)で構成されていても良い。この場合、隣接する1/4波長共振器がそれぞれインターディジタル結合され、その結果、隣接する1/4波長共振器によって一対の1/4波長共振器が複数組形成される。例えば、1/4波長共振器41、42によって第1の一対の1/4波長共振器が形成され、1/4波長共振器42、43によって第2の一対の1/4波長共振器が形成される。このように複数段にすることで、各1/4波長共振器の物理的な長さをより短く設計することができ、より小型化が可能となる。また、全体として偶数個の1/4波長共振器の組み合わせで構成されていることで、バランス特性の調整も容易となる。
なお、複数段の構成とした場合、回転対称軸を有し、全体として回転対称な構造とされていることが好ましい。そして、一対の平衡端子200A,200Bは、その回転対称軸に対して互いに回転対称な位置に接続されていることが好ましい。これにより、バランス特性に優れた状態にすることができる。
図3(A),図3(B)は、この電子デバイスの具体的な構成例を示している。
なお、図3(B)は、図3(A)の斜視図においてZ方向の側面(XY面)から見た状態を示している。この電子デバイスは、誘電体材料よりなる誘電体基板201を備えている。誘電体基板201は多層構造とされ、その内部に導体の線路パターン(ストリップライン)が形成されている。内部の線路パターンにより、一対の1/4波長共振器41,42と、一対の平衡端子200A,200Bとが形成されている。このような構造は、例えば、シート状の誘電体基板を複数用意し、各共振器および各端子部分をそのシート状の誘電体基板上に導体の線路パターンで形成して、そのシート状の誘電体基板を重ね合わせた積層構造にすることで実現できる。一対の1/4波長共振器41,42は、回転対称軸40Cを有し、全体的に回転対称な構造とされている。一対の平衡端子200A,200Bは、回転対称軸40Cに対して互いに回転対称となる位置において、一対の1/4波長共振器41,42に接続されている。
この電子デバイスはさらに、誘電体基板201の底面に積層された接地層202と、一対の1/4波長共振器41,42の短絡端を接地層202に導通する導通体203,204とを備えている。導通体203,204は、例えば内面がメタライズされたスルーホールで構成されている。なお、接地層202を設ける位置は、誘電体基板201の上面であっても良いし、誘電体基板201の内部であっても良い。
図3(A),図3(B)に示した電子デバイスは、例えばアンテナとして使用することができる。アンテナとして構成する場合、一対の1/4波長共振器41,42で受信した電波を一対の平衡端子200A,200Bから平衡信号として出力する受信アンテナとして用いることができる。また、一対の平衡端子200A,200Bから入力された平衡信号を一対の1/4波長共振器41,42から電波として送信する送信アンテナとして用いることもできる。
次に、本実施の形態に係る電子デバイスの作用を説明する。
この電子デバイスでは、一対の平衡端子200A,200Bに平衡信号が入力される。もしくは、一対の平衡端子200A,200Bから平衡信号が出力される。例えばアンテナとして構成した場合には、一対の平衡端子200A,200Bに平衡な送信信号が入力される。もしくは、一対の平衡端子200A,200Bから平衡な受信信号が出力される。図4は、図3(A),図3(B)に示した電子デバイスをアンテナとして用いた場合の放射パターンを示している。図4において放射方向の軸は電界強度(dB)を示す。放射周波数帯は1.2GHzとなっている。符号211を付した実線の放射パターンは、図3(A)のYZ平面内の放射パターンを示している。符号212を付した破線の放射パターンは、図3(A)のXZ平面内の放射パターンを示している。このように、アンテナとしてバランス特性の優れた良好な放射パターンが得られている。
ここで、本実施の形態に係る電子デバイスでは、インターディジタル結合した一対の1/4波長共振器41,42における周波数の低い第2の共振周波数f2を動作周波数としていることで、小型化が容易となり、平衡信号をバランス特性に優れた状態で伝送することができる。以下、この原理について説明する。
TEM線路からなる2つの共振器を結合させる手法として、一般にコムライン結合とインターディジタル結合との2種類を挙げることができる。このうち、インターディジタル結合は、非常に強い結合が得られることが知られている。インターディジタル結合とは、一方の共振器の開放端と他方の共振器の短絡端とが対向し、一方の共振器の短絡端と他方の共振器の開放端とが対向するように2つの共振器が対向配置された構造となる結合方法である。
インターディジタル結合した一対の1/4波長共振器41,42では、共振状態を2つの固有な共振モードに分けることができる。図5は、一対の1/4波長共振器41,42における第1の共振モードを示し、図6は、その第2の共振モードを示している。なお、図5および図6において、破線で示した曲線は、各共振器における電界Eの分布を示している。
第1の共振モードでは、一対の1/4波長共振器41,42のそれぞれにおいて開放端側から短絡端側に電流iが流れ、それぞれに流れる電流iの向きが逆方向となる。この第1の共振モードでは、一対の1/4波長共振器41,42で電磁波が同相に励振されている。
一方、第2の共振モードでは、一方の1/4波長共振器41では開放端側から短絡端側に電流iが流れると共に、他方の1/4波長共振器42では短絡端側から開放端側に電流iが流れ、それぞれに流れる電流iの向きが同方向となる。すなわち、この第2の共振モードでは、電界Eの分布を見ても分かるように、一対の1/4波長共振器41,42で電磁波が逆相に励振されている。この第2の共振モードでは、一対の1/4波長共振器41,42全体の物理的な回転対称軸40Cに対して互いに回転対称な位置で、電界Eの位相が180°異なる。
ここで、第1の共振モードの共振周波数は、以下の式(1A)のf1で表され、第2の共振モードの共振周波数は、以下の式(1B)のf2で表される。式(1A),(1B)において、cは光速、εrは実効比誘電率、lは共振器の長さを表す
Figure 2007060618
また、Zeは偶モードの特性インピーダンス、ZOは奇モードの特性インピーダンスを表す。左右対称型のカップリング伝送線路において、その伝送線路に伝搬する伝送モードは、偶モードと奇モードとの2種類の独立なモード(互いに干渉しない)に分解される。
図7(A)は、そのカップリング伝送線路の奇モードでの電界Eの分布を示し、図7(B)は偶モードでの電界Eの分布を示している。なお、図7(A),図7(B)において、外周部分はグランド層50、内部には左右対称の導体線路51,52が形成されている。図7(A),図7(B)では、カップリング伝送線路の伝送方向に直交する断面内での電界分布を示しており、信号の伝送方向は紙面に対して直交する方向である。
図7(A)に示したように、奇モードでは、導体線路51,52の対称面に対して電界が垂直に交わり、対称面が仮想的な電気壁53Eとなる。図8(A)は、図7(A)と等価な伝送線路を示している。図8(A)に示したように、対称面を実際の電気壁53E(ゼロ電位の壁、グランド)に置き換えることで、1つの導体線路51だけの線路と等価な構造にすることができる。図8(A)に示した線路での特性インピーダンスが、上記式(1A),(1B)での奇モードの特性インピーダンスZOとなる。
一方、偶モードでは、図7(B)に示したように導体線路51,52の対称面に対して電界が平衡になり、磁界が対称面に対して垂直に交わる。偶モードでは、対称面が仮想的な磁気壁53Hとなる。図8(B)は、図7(B)と等価な伝送線路を示している。図8(B)に示したように、対称面を実際の磁気壁53H(インピーダンス無限大の壁)に置き換えることで、1つの導体線路51だけの線路と等価な構造にすることができる。図8(B)に示した線路での特性インピーダンスが、上記式(1A),(1B)での偶モードの特性インピーダンスZeとなる。
ここで、一般的に伝送線路の特性インピーダンスZは、信号ラインの単位長さ当たりのグランドに対する容量Cと、信号ラインの単位長さ当たりのインダクタンス成分Lとの比で表現される。すなわち、
Z=√(L/C) ……(2)
なお、√は、(L/C)全体の平方根を取ることを示す。
奇モードでの特性インピーダンスZOは、図8(A)の線路構造から、対称面がグランド(電気壁53E)となりグランドに対する容量Cが大きくなるので、(2)式から、ZOの値が小さくなる。一方、偶モードでの特性インピーダンスZeは、図8(B)の線路構造から、対称面が磁気壁53Hとなるので容量Cが小さくなり、(2)式から、Zeの値が大きくなる。
このことを踏まえてインターディジタル結合した一対の1/4波長共振器41,42の共振モードの共振周波数である式(1A),(1B)を検討する。アークタンジェントの関数は単調増加の関数であるので、式(1A),(1B)においてtan-1に係る部分が大きくなればなるほど共振周波数は大きくなるし、小さくなればなるほど共振周波数は小さくなる。すなわち、奇モードでの特性インピーダンスZOの値が小さくなり、偶モードでの特性インピーダンスZeの値が大きくなって、それらの差が大きくなればなるほど、式(1A)から第1の共振モードの共振周波数f1は大きくなり、式(1B)から第2の共振モードの共振周波数f2は小さくなる。
従って、結合する伝送路の対称面の比率を大きくしてやれば、第1の共振周波数f1と第2の共振周波数f2は、図9に示したように互いに離れていくことになる。なお、図9は、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器41,42における共振周波数の分布状態を示している。第1の共振周波数f1と第2の共振周波数f2の中間の共振周波数f0は、線路の物理的な長さによって決まる1/4波長で共振した場合の周波数(インターディジタル結合していないときの各1/4波長共振器単体での共振周波数)となる。ここで、伝送路の対称面の比率を大きくするということは、(2)式から奇モードでの容量Cを大きくすることに対応する。容量Cを大きくすることは、線路の結合の度合いを強くすることに対応する。従って、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器41,42において、共振器間の結合を強くすればするほど、第1の共振周波数f1と第2の共振周波数f2とが大きく分離していくことになる。
一対の1/4波長共振器41,42をインターディジタル型で、かつ強く結合させることにより、以下の利点がある。一対の1/4波長共振器41,42を強く結合させることで、物理的な1/4波長の長さで決まる共振周波数f0が2つに分離する。すなわち、共振周波数f0よりも高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと、共振周波数f0よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとの2つのモードが現れる。
この場合において、周波数の低い第2の共振周波数f2を、電子デバイスとしての動作周波数に設定することで、第1の利点としてまず、電子デバイスとしての動作周波数を共振周波数f0に設定した場合よりも小型化することができる。例えば2.4GHz帯を動作周波数とした電子デバイスを設計する場合、物理的な長さを例えば8GHzに対応させた1/4波長共振器を用いることができる。これは、物理的な長さを2.4GHz帯に対応させた1/4波長共振器とした場合よりも小型のものとなる。
また、第2の利点として、平衡端子を結合させた場合に優れたバランス特性が得られる。図5および図6を参照して説明したように、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器41,42では、第1の共振モードでは同相に励振され、第2の共振モードでは逆相に励振されている。従って、一対の1/4波長共振器41,42をインターディジタル型に強く結合させて第1の共振周波数f1を十分に高く設定し、第2の共振周波数f2とは十分に分離させることで、デバイスの動作周波数(=第2の共振周波数f2)に対しては同相成分を励振させずに逆相成分だけにすることができる。これによりバランス特性を良好なものとすることができる。この観点から、第1の共振周波数f1は、伝送する信号の周波数帯域よりも十分に高いことが好ましい。例えば、第1の共振周波数f1が第2の共振周波数f2に対し3倍を超える程度であることが好ましい。すなわち、
1>3f2
の条件を満たすことが好ましい。
周波数の低い第2の共振周波数f2をデバイスとしての動作周波数に設定する場合、伝送する信号の周波数帯域が第1の共振周波数f1に重なると周波数特性が悪化する。第1の共振周波数f1を伝送する信号の周波数帯域よりも高く設定することで、これが防止される。
さらに、第3の利点として、導体損失を少なくすることができる。図10(A),図10(B)は、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器41,42における磁界Hの分布を模式的に示している。なお、図10(A),図10(B)では、図6に示した一対の1/4波長共振器41,42における第2の共振モードでの電流iの流れる方向に直交する断面内での磁界分布を示している。電流iの流れる方向は紙面に対して直交する方向である。第2の共振モードでは、図10(A)に示したように、一対の1/4波長共振器41,42において、断面内で同一方向に(例えば反時計回りに)、磁界Hが分布する。この場合、強くインターディジタル結合させると(共振器同士を近づけると)、図10(B)に示したように、一対の1/4波長共振器41,42を仮想的に1つの導体とみなした状態と同等の磁界分布となる。すなわち、仮想的に導体厚が厚くなるので、導体損失が少なくなる。
以上説明したように、本実施の形態に係る電子デバイスによれば、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器41,42に一対の平衡端子200A,200Bを接続し、周波数の低い第2の共振周波数f2で動作させるようにしたので、1/2波長共振器を用いた場合や、単に(インターディジタル結合されていない)1/4波長共振器を2つ用いた場合に比べて、小型化しやすく、かつ平衡信号をバランス特性に優れた状態で伝送することができる。さらに、導体損失の少ない信号伝送を行うことができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る電子デバイスについて説明する。本実施の形態は、電子デバイスとしてフィルタを構成したものであり、入力端または出力端の少なくとも一方に平衡端子を備え、かつ、少なくとも平衡端子を備えた側の共振器が、上記第1のの実施の形態と同様に、インターディジタル結合された少なくとも一対の1/4波長共振器で構成されているものである。平衡端子を備えたフィルタの態様としては、不平衡入力−平衡出力型、平衡入力−不平衡出力型、および平衡入力−平衡出力型の3つがある。
図11(A)は、本実施の形態に係るフィルタを不平衡入力−平衡出力型に適用した場合の第1の基本構成を示している。この不平衡入力−平衡出力型フィルタは、入力端側に設けられた入力用共振器1と、出力端側に設けられた出力用共振器2と、入力用共振器1に接続された不平衡入力端子3と、出力用共振器2に接続された一対の平衡出力端子4A,4Bとを備えている。これらの各構成要素は、TEM線路により構成されている。TEM線路は、例えばストリップラインなどの導体パターンや誘電体基板内部に形成された貫通導体などで構成することができる。なお、TEM線路とは、電界および磁界が共に電磁波の進行方向に垂直な断面内にのみ存在する電磁波(TEM波)を伝送する伝送線路である。
出力用共振器2は、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器21,22で構成されている。一対の1/4波長共振器21,22のうち、一方の1/4波長共振器21には一方の平衡出力端子4Aが接続され、他方の1/4波長共振器22には他方の平衡出力端子4Bが接続されている。一対の1/4波長共振器21,22はそれぞれ、一端が短絡端とされ、他端が開放端とされている。一対の1/4波長共振器21,22は、回転対称軸5を有し、全体的に回転対称な構造とされている。一対の平衡出力端子4A,4Bは、回転対称軸5に対して互いに回転対称となる位置において、一対の1/4波長共振器21,22に接続されていることが好ましい。これにより、バランス特性に優れた状態にすることができる。
入力用共振器1も、インターディジタル結合された他の一対の1/4波長共振器11,12で構成されている。一対の1/4波長共振器11,12はそれぞれ、一端が短絡端とされ、他端が開放端とされている。一対の1/4波長共振器11,12のうち、一方の1/4波長共振器11に不平衡入力端子3が接続されている。一対の1/4波長共振器11,12は、回転対称軸6を有し、全体的に回転対称な構造とされている。
一対の1/4波長共振器21,22は、上記第1の実施の形態における一対の1/4波長共振器41,42と同様、強いインターディジタル結合がなされていることで、第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと第1の共振周波数f1よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとを有している。より詳しくは、インターディジタル結合していないときの各1/4波長共振器21,22の単体での共振周波数をf0としたとき、単体での共振周波数f0よりも高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと単体での共振周波数f0よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとを有している。他の一対の1/4波長共振器11,12も同様に、2つの共振モードを有している。このフィルタは、入力用共振器1と出力用共振器2とが、インターディジタル結合した一対の1/4波長共振器21,22における周波数の低い第2の共振周波数f2で共振し、電磁結合するように構成されている。これにより、第2の共振周波数f2を通過帯域とした、不平衡入力−平衡出力型のバンドパスフィルタが構成されている。
なお、入力用共振器1と出力用共振器2との間の中間段に共振器が設けられ、その中間段の共振器を含めて、入力用共振器1と出力用共振器2とが第2の共振周波数f2で共振し、電磁結合されていても良い。
図11(B)は、不平衡入力−平衡出力型の第2の基本構成を示している。この不平衡入力−平衡出力型フィルタは図11(A)の構成に対し、1/4波長共振器10で構成された入力用共振器1Aを備えたものである。入力用共振器1Aは、TEM線路により構成されている。1/4波長共振器10の一端は短絡端とされ、他端は開放端とされている。この例では、不平衡入力端子3は1/4波長共振器10を構成するTEM線路の任意の位置に接続されている。図11(A)と同様、入力用共振器1Aと出力用共振器2とが、インターディジタル結合した一対の1/4波長共振器21,22における第2の共振周波数f2で共振し、電磁結合するように構成されている。その他の構成は、図11(A)と同様である。なお、小型化の点では図11(A)の構成とすることが好ましい。
図11(A),図11(B)の構成例において、平衡出力端子4A,4Bに接続された一対の1/4波長共振器21,22が、本発明のフィルタにおける「一対の1/4波長共振器」の一具体例に対応する。また、不平衡入力端子3に接続された入力用共振器1,1Aが、本発明のフィルタにおける「他の共振器」の一具体例に対応し、入力用共振器1における他の一対の1/4波長共振器11,12が、本発明のフィルタにおける「他の一対の1/4波長共振器」の一具体例に対応する。
図12(A)は、本実施の形態に係るフィルタを平衡入力−不平衡出力型に適用した場合の第1の基本構成を示している。この平衡入力−不平衡出力型フィルタは、入力用共振器1と、出力用共振器2と、入力用共振器1に接続された一対の平衡入力端子3A,3Bと、出力用共振器2に接続された不平衡出力端子4とを備えている。入力用共振器1と出力用共振器2の構成自体は、図11(A)に示したフィルタと同様であるが、端子の接続関係が入出力逆となっている。
すなわち、入力用共振器1における一対の1/4波長共振器11,12のうち、一方の1/4波長共振器11には一方の平衡入力端子3Aが接続され、他方の1/4波長共振器12には他方の平衡入力端子3Bが接続されている。一対の平衡入力端子3A,3Bは、回転対称軸6に対して互いに回転対称となるような位置において、一対の1/4波長共振器11,12に接続されていることが好ましい。これにより、バランス特性に優れた状態にすることができる。
また、出力用共振器2における一対の1/4波長共振器21,22のうち、他方の1/4波長共振器22に不平衡入力端子4が接続されている。
このフィルタも図11(A)のフィルタと同様、入力用共振器1と出力用共振器2とが、インターディジタル結合された共振器における周波数の低い第2の共振周波数f2で共振し、電磁結合するように構成されている。これにより、第2の共振周波数f2を通過帯域とした、平衡入力−不平衡出力型のバンドパスフィルタが構成されている。
図12(B)は、平衡入力−不平衡出力型の第2の基本構成を示している。この平衡入力−不平衡出力型フィルタは図12(A)の構成に対し、1/4波長共振器20で構成された出力用共振器2Aを備えたものである。出力用共振器2Aは、TEM線路により構成されている。1/4波長共振器20の一端は短絡端とされ、他端は開放端とされている。この例では、不平衡出力端子4は1/4波長共振器20を構成するTEM線路の任意の位置に接続されている。図12(A)と同様、入力用共振器1と出力用共振器2Aとが、インターディジタル結合した一対の1/4波長共振器11,12における第2の共振周波数f2で共振し、電磁結合するように構成されている。その他の構成は、図12(A)と同様である。なお、小型化の点では図12(A)の構成とすることが好ましい。
図12(A),図12(B)の構成例において、平衡入力端子3A,3Bに接続された一対の1/4波長共振器11,12が、本発明のフィルタにおける「一対の1/4波長共振器」の一具体例に対応する。また、不平衡出力端子4に接続された出力用共振器2,2Aが、本発明のフィルタにおける「他の共振器」の一具体例に対応し、出力用共振器2における一対の1/4波長共振器21,22が、本発明のフィルタにおける「他の一対の1/4波長共振器」の一具体例に対応する。
図13は、本実施の形態に係るフィルタを平衡入力−平衡出力型に適用した場合の基本構成を示している。この平衡入力−平衡出力型フィルタは、入力用共振器1と、出力用共振器2と、入力用共振器1に接続された一対の平衡入力端子3A,3Bと、出力用共振器2に接続された一対の平衡出力端子4A,4Bとを備えている。
このフィルタの入力側の構成(入力用共振器1および平衡入力端子3A,3B)は、図12(A)と同様である。また、出力側の構成(出力用共振器2および平衡出力端子4A,4B)は、図11(A)と同様である。このフィルタも図11(A)のフィルタと同様、入力用共振器1と出力用共振器2とが、インターディジタル結合された共振器における周波数の低い第2の共振周波数f2で共振し、電磁結合するように構成されている。これにより、第2の共振周波数f2を通過帯域とした、平衡入力−平衡出力型のバンドパスフィルタが構成されている。
図13の構成例において、平衡出力端子4A,4Bに接続された一対の1/4波長共振器21,22が、本発明のフィルタにおける「一対の1/4波長共振器」の一具体例に対応する。また、平衡入力端子3A,3Bに接続された入力用共振器1が、本発明のフィルタにおける「他の共振器」の一具体例に対応し、入力用共振器1における他の一対の1/4波長共振器11,12が、本発明のフィルタにおける「他の一対の1/4波長共振器」の一具体例に対応する。
なお、以上の本実施の形態における各構成例において、図14に示したように、入力用共振器1における一対の1/4波長共振器11,12、または出力用共振器2における一対の1/4波長共振器21,22を複数組備え、複数段の1/4波長共振器11,12,13,…1n(または1/4波長共振器21,22,23,…2n;nは4以上の偶数)で構成されていても良い。この場合、隣接する1/4波長共振器がそれぞれインターディジタル結合され、その結果、隣接する1/4波長共振器によって一対の1/4波長共振器が複数組形成される。例えば、1/4波長共振器11、12によって第1の一対の1/4波長共振器が形成され、1/4波長共振器12、13によって第2の一対の1/4波長共振器が形成される。このように複数段にすることで、各1/4波長共振器の物理的な長さをより短く設計することができ、より小型化が可能となる。また、全体として偶数個の1/4波長共振器の組み合わせで構成されていることで、バランス特性の調整も容易となる。
なお、複数段の構成とした場合、回転対称軸を有し、全体として回転対称な構造とされていることが好ましい。そして、一対の平衡入力端子3A,3B(または平衡出力端子4A,4B)は、その回転対称軸に対して互いに回転対称な位置に接続されていることが好ましい。これにより、バランス特性に優れた状態にすることができる。
次に、本実施の形態に係るフィルタの作用を説明する。
図11(A),図11(B)の不平衡入力−平衡出力型フィルタでは、不平衡入力端子3から入力された不平衡信号が、入力端と出力端との間の各共振器の作用により、第2の共振周波数f2を通過帯域としてフィルタリングされ、平衡信号として一対の平衡出力端子4A,4Bから出力される。図12(A),図12(B)の平衡入力−不平衡出力型フィルタでは、一対の平衡入力端子3A,3Bから入力された平衡信号が、入力端と出力端との間の各共振器の作用により、第2の共振周波数f2を通過帯域としてフィルタリングされ、不平衡信号として不平衡出力端子4から出力される。図13の平衡入力−平衡出力型フィルタでは、平衡入力端子3A,3Bから入力された平衡信号が、入力端と出力端との間の各共振器の作用により、第2の共振周波数f2を通過帯域としてフィルタリングされ、平衡信号として一対の平衡出力端子4A,4Bから出力される。
ここで、本実施の形態に係るフィルタでは、上記したいずれの構成例においても、インターディジタル結合した一対の1/4波長共振器における周波数の低い第2の共振周波数f2を通過帯域としていることで、小型化が容易となり、平衡信号をバランス特性に優れた状態で伝送することができる。このインターディジタル結合した一対の1/4波長共振器によって小型化と良好なバランス特性の効果が得られる理由については、上記第1の実施の形態において図5等を参照して説明したとおりである。
本実施の形態に係るフィルタにおいても、上記第1の実施の形態に係る電子デバイスと同様、一対の1/4波長共振器をインターディジタル型で、かつ強く結合させることにより、以下の利点がある。一対の1/4波長共振器を強く結合させることで、物理的な1/4波長の長さで決まる共振周波数f0が2つに分離する。すなわち、共振周波数f0よりも高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと、共振周波数f0よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとの2つのモードが現れる。
この場合において、周波数の低い第2の共振周波数f2を、フィルタとしての通過周波数(動作周波数)に設定することで、第1の利点としてまず、フィルタとしての通過周波数を共振周波数f0に設定した場合よりも小型化することができる。例えば2.4GHz帯を通過周波数としたフィルタを設計する場合、物理的な長さを例えば8GHzに対応させた1/4波長共振器を用いることができる。これは、物理的な長さを2.4GHz帯に対応させた1/4波長共振器とした場合よりも小型のものとなる。
また、第2の利点として、平衡端子を結合させた場合に優れたバランス特性が得られる。図5および図6を参照して説明したように、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器では、第1の共振モードでは同相に励振され、第2の共振モードでは逆相に励振されている。従って、一対の1/4波長共振器をインターディジタル型に強く結合させて第1の共振周波数f1を十分に高く設定し、第2の共振周波数f2とは十分に分離させることで、フィルタ通過周波数(=第2の共振周波数f2)に対しては同相成分を励振させずに逆相成分だけにすることができる。これによりバランス特性を良好なものとすることができる。この観点から、第1の共振周波数f1は、入力信号の周波数帯域よりも十分に高いことが好ましい。例えば、第1の共振周波数f1が第2の共振周波数f2に対し3倍を超える程度であることが好ましい。すなわち、
1>3f2
の条件を満たすことが好ましい。
周波数の低い第2の共振周波数f2をフィルタとしての通過周波数に設定する場合、入力信号の周波数帯域が第1の共振周波数f1に重なると周波数特性が悪化する。第1の共振周波数f1を入力信号の周波数帯域よりも高く設定することで、これが防止される。
さらに、第3の利点として、上記第1の実施の形態に係る電子デバイスと同様、強くインターディジタル結合させることで仮想的に導体厚が厚くなるので、導体損失を少なくすることができる。
以上説明したように、本実施の形態に係るフィルタによれば、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器に一対の平衡端子を接続し、かつ、他の共振器と一対の1/4波長共振器とを周波数の低い第2の共振周波数f2で電磁結合するようにしたので、小型化しやすく、かつ平衡信号をバランス特性に優れた状態で伝送することができる。さらに、導体損失の少ない信号伝送を行うことができる。
[第2の実施の形態の具体的な構成例]
以下、本実施の形態に係るフィルタの具体的な構成例を説明する。以下では図11(A)の不平衡入力−平衡出力型フィルタに対応した構成例を基本に説明するが、他の態様のフィルタも同様に構成できる。また、以下の構成例において、上記した基本構成に対応する部分には同一の符号を付す。
<第1の具体的な構成例>
図15(A),図15(B)は、本実施の形態に係るフィルタの第1の具体的な構成例を示している。図15(B)は、出力端側の側面方向から見た状態を示している。このフィルタは、誘電体材料よりなる誘電体基板61を備えている。誘電体基板61は多層構造とされ、その内部に導体の線路パターン(ストリップライン)が形成されている。内部の線路パターンにより、一対の1/4波長共振器11,12からなる入力用共振器1と、一対の1/4波長共振器21,22からなる出力用共振器2と、不平衡入力端子3と、一対の平衡出力端子4A,4Bとが形成されている。このような構造は、例えば、シート状の誘電体基板を複数用意し、各共振器および各端子部分をそのシート状の誘電体基板上に導体の線路パターンで形成して、そのシート状の誘電体基板を重ね合わせた積層構造にすることで実現できる。一対の1/4波長共振器21,22は、回転対称軸5を有し、全体的に回転対称な構造とされている。一対の平衡出力端子4A,4Bは、回転対称軸5に対して互いに回転対称な位置に接続されている。
誘電体基板61の上面および底面は接地層とされている。誘電体基板61において、一対の1/4波長共振器11,12の長手方向に対向する両側面には、一対の1/4波長共振器11,12を接地層に接続するための接続用導体パターン62A,62Bが設けられている。一方の1/4波長共振器11の短絡端は、接続用導体パターン62Aに接続され、他方の1/4波長共振器12の短絡端は、接続用導体パターン62Bに接続されている。同様に、誘電体基板61において、一対の1/4波長共振器21,22の長手方向に対向する両側面には、一対の1/4波長共振器21,22を接地層に接続するための接続用導体パターン63A,63Bが設けられている。一方の1/4波長共振器21の短絡端は、接続用導体パターン63Aに接続され、他方の1/4波長共振器22の短絡端は、接続用導体パターン63Bに接続されている。
なお、各共振器の長手方向に対向する両側面部分を全面導体として接地層とし、各共振器の短絡端をその接地層に直接短絡するようにしても良い。また、誘電体基板61の内部に全面導体パターンの接地層を設け、各共振器の短絡端をその内部の接地層に短絡するようにしても良い。
図16は、図15(A),図15(B)の構成例によるフィルタの損失特性を示している。符号121を付した曲線は一方の平衡出力端子4Aから出力される信号の通過損失特性を示し、符号122を付した曲線は他方の平衡出力端子4Bから出力される信号の通過損失特性を示している。符号123を付した曲線は不平衡入力端子3から見た反射損失特性を示す。図示したように、このフィルタでは、2.4GHz帯を通過帯域とした良好なバンドパスフィルタが実現できている。特に、一対の平衡出力端子4A,4Bの減衰損失特性が互いにほぼ等しく、振幅バランスに優れたバンドパスフィルタが実現できている。
図17は、図15(A),図15(B)の構成例によるフィルタの位相特性を示している。符号131を付した曲線は一方の平衡出力端子4Aから出力される信号の位相特性を示し、符号132を付した曲線は他方の平衡出力端子4Bから出力される信号の位相特性を示している。図示したように、このフィルタでは、一対の平衡出力信号間の位相が互いにほぼ180°異なり、位相バランスにも優れている。
<第2の具体的な構成例>
図18(A),図18(B)は、第2の具体的な構成例を示している。図18(B)は、出力端側の側面方向から見た状態を示している。このフィルタは、出力用共振器2が多段の構成とされていること以外は、図15(A),図15(B)に示したフィルタの構成と同様である。このフィルタは、出力用共振器2が、複数段の1/4波長共振器21,22,23,24を有している。1/4波長共振器21,23の短絡端は、接続用導体パターン63Aに接続され、1/4波長共振器22,24の短絡端は、接続用導体パターン63Bに接続されており、これにより隣接する1/4波長共振器がそれぞれインターディジタル結合され、その結果、隣接する1/4波長共振器によって一対の1/4波長共振器が複数組形成されている。具体的には、1/4波長共振器21、22によって第1の一対の1/4波長共振器が形成され、1/4波長共振器22、23によって第2の一対の1/4波長共振器が形成され、1/4波長共振器23、24によって第3の一対の1/4波長共振器が形成されている。
複数段の1/4波長共振器21,22,23,24は、回転対称軸5を有し、全体的に回転対称な構造とされている。一対の平衡出力端子4A,4Bは、回転対称軸5に対して互いに回転対称な位置に接続されている。図18(A),図18(B)の構成例では、最も下段の1/4波長共振器21に一方の平衡出力端子4Aが接続され、最も上段の1/4波長共振器24に他方の平衡出力端子4Bが接続されることにより、回転対称軸5に対して互いに回転対称な位置に接続されている。
ここで、図15(A),図15(B)および図18(A),図18(B)の各構成例では、一対の平衡出力端子4A,4Bが1/4波長共振器に直接接続されているが、次に図19を参照して、共振器に端子が直接接続された場合の結合調整方法について説明する。図19に示したように、1/4波長共振器71において、短絡端から距離xの位置に出力端子72が直接接続されているものとする。この場合、距離xが小さくなれば1/4波長共振器71と出力端子72との結合が弱くなり、逆に大きくなれば結合が強くなる。図15(A),図15(B)および図18(A),図18(B)の各構成例のように、出力用共振器2が全体的に回転対称な構造とされている場合、一対の平衡出力端子4A,4Bの直接の接続点を互いに回転対称な位置にすることにより、振幅バランスを良くすることができる。
次に、平衡出力端子の結合方法を変えた他の具体的な構成例を説明する。
<第3の具体的な構成例>
図20(A),図20(B)は、第3の具体的な構成例を示している。図20(B)は、出力端側の側面方向から見た状態を示している。この構成例は、図15(A),図15(B)の構成例に対し、一対の平衡出力端子4A,4Bの接続構造が異なる。他の部分は図15(A),図15(B)の構成例と同様である。この構成例では、一対の平衡出力端子4A,4Bのそれぞれの一端部がコンデンサ電極81A,81Bで構成されている。そして、一対の平衡出力端子4A,4Bが、コンデンサ電極81A,81Bによる容量結合により一対の1/4波長共振器21,22に結合され、容量結合により平衡信号が出力されるようになされている。図21は、その結合部分の等価回路を示している。
一方の平衡出力端子4Aのコンデンサ電極81Aは、開放端側において、一方の1/4波長共振器21に対し所定間隔を空けて互いに対向するように配置されている。コンデンサ電極81Aと1/4波長共振器21との間は誘電体層となっている。同様に、他方の平衡出力端子4Bのコンデンサ電極81Bは、開放端側において、他方の1/4波長共振器22に対し所定間隔を空けて互いに対向するように配置されている。コンデンサ電極81Bと1/4波長共振器22との間は誘電体層となっている。
この構成の場合には、結合部分のコンデンサ容量Cinを調整することで、一対の平衡出力端子4A,4Bと一対の1/4波長共振器21,22との間の結合調整を容易に行うことができる。コンデンサ容量Cinの調整は、コンデンサ電極81A,81Bの大きさや1/4波長共振器21,22との間隔などを変えることで行うことができる。この場合、コンデンサ容量Cinを大きくすれば、結合が強くなり、逆に小さくすれば結合が弱くなる。出力用共振器2が全体的に回転対称な構造とされている場合、次の条件を満たすと良好なバランス特性で信号を取り出すことができる。すなわち、第1に、一方の平衡出力端子4Aと他方の平衡出力端子4Bとで、コンデンサ容量Cinが同じであること。第2に、コンデンサ電極81A,81Bの物理的な構造が、回転対称軸5に対し回転対称構造となっていることである。
<第4の具体的な構成例>
図22(A),図22(B)は、第4の具体的な構成例を示している。図22(B)は、出力端側の側面方向から見た状態を示している。この構成例は、図15(A),図15(B)の構成例に対し、一対の平衡出力端子4A,4Bの接続構造が異なる。他の部分は図15(A),図15(B)の構成例と同様である。この構成例では、一対の平衡出力端子4A,4Bのそれぞれの一端部が磁界結合用線路91A,91Bで構成されている。そして、一対の平衡出力端子4A,4Bが、磁界結合用線路91A,91Bによる磁界結合により一対の1/4波長共振器21,22に結合され、磁界結合により平衡信号が出力されるようになされている。
磁界結合用線路91A,91Bは、一端が短絡された線路で構成されている。一方の平衡出力端子4Aの磁界結合用線路91Aは、一方の1/4波長共振器21の短絡端側において、一方の1/4波長共振器21に対し所定間隔を空けて互いに対向するように配置されている。磁界結合用線路91Aは、一方の1/4波長共振器21と共に接続用導体パターン63Aに接続されることで、短絡されている。同様に、他方の平衡出力端子4Bの磁界結合用線路91Bは、他方の1/4波長共振器22の短絡端側において、他方の1/4波長共振器22に対し所定間隔を空けて互いに対向するように配置されている。磁界結合用線路91Bは、他方の1/4波長共振器22と共に接続用導体パターン63Bに接続されることで、短絡されている。
この構成の場合には、磁界結合の度合いを調整することで、一対の平衡出力端子4A,4Bと一対の1/4波長共振器21,22との間の結合調整を容易に行うことができる。図24は、結合部分の等価的な構造を示している。結合の強さは、磁界結合用線路91A,91Bと1/4波長共振器21,22との距離dを短くすれば強くなり、逆に距離dを大きくすれば弱くなる。また、磁界結合用線路91A,91Bの長さxを長くすれば結合が強くなり、逆に長さxを短くすれば結合が弱くなる。出力用共振器2が全体的に回転対称な構造とされている場合、磁界結合用線路91A,91Bを含めて平衡出力端子4A,4Bの物理的な構造が回転対称軸5に対し回転対称構造となっていれば、良好なバランス特性で信号を取り出すことができる。
<第5の具体的な構成例>
図23(A),図23(B)は、第5の具体的な構成例を示している。図23(B)は、出力端側の側面方向から見た状態を示している。この構成例は、図22(A),図22(B)の構成例と同様、一対の平衡出力端子4A,4Bを、磁界結合用線路91A,91Bによる磁界結合により一対の1/4波長共振器21,22に結合したものであるが、磁界結合する位置が異なる。図22(A),図22(B)の構成例では、一対の1/4波長共振器21,22の短絡端側において磁界結合させる構造にしたが、この構成例では開放端側において磁界結合させている。
すなわち、一方の平衡出力端子4Aの磁界結合用線路91Aは、一方の1/4波長共振器21の開放端側において、一方の1/4波長共振器21に対し所定間隔を空けて互いに対向するように配置されている。磁界結合用線路91Aは、接続用導体パターン63Bに接続されることで、短絡されている。同様に、他方の平衡出力端子4Bの磁界結合用線路91Bは、他方の1/4波長共振器22の開放端側において、他方の1/4波長共振器22に対し所定間隔を空けて互いに対向するように配置されている。磁界結合用線路91Bは、接続用導体パターン63Aに接続されることで、短絡されている。
この構成の場合における結合調整は、図22(A),図22(B)の構成例と同様である。
<第6の具体的な構成例>
図25は、第6の具体的な構成例を示している。この構成例は、図18(A),図18(B)の構成例に対し、誘電体基板61内の誘電体層の比誘電率を最適化したものである。この構成例では、1/4波長共振器21,22,23,24のそれぞれに挟まれた領域にある誘電体層211の比誘電率εr1が、他の領域にある誘電体層212,213の比誘電率εr2,εr3よりも大きい構成とされているものである。すなわち、
εr1>εr2,εr3
を満たす。なお、誘電体基板61の上面および底面にグランド層が形成されているものとする。
本実施の形態に係るフィルタにおいて、共振器部分の構造を小型にし、かつ平衡出力端子4A,4Bから取り出す信号バランスを良くするためには、1/4波長共振器間の相互容量を大きくすれば良い。相互容量を大きくするためには、誘電体層の材料を比誘電率の大きい材料にすることが考えられる。しかしながら、フィルタ全体の誘電体層を比誘電率の大きい材料で構成してしまうと、共振器のグランドに対する容量も増えてしまう。一般に、フィルタを構成する上で重要なパラメータである外部Qは、共振器のグランドに対する容量が大きくなってしまうと値が大きくなってしまう。一方で、周波数を広帯域に通過するフィルタを作るには、より小さい外部Qが必要である。これを避けるために、共振器部分とグランド層との間にある誘電体層212,213の比誘電率εr2,εr3を、共振器部分の誘電体層211の比誘電率εr1よりも小さくすれば、フィルタ全体の誘電体層を比誘電率の大きい材料で構成することなく、共振器のグランドに対する容量を小さくすることができる。これにより、外部Qを小さくすることができ、フィルタの周波数特性やバランス特性をより優れた状態にすることができる。
<第7の具体的な構成例>
図26(A),図26(B)は、第7の具体的な構成例を示している。図26(B)は、出力端側の側面方向から見た状態を示している。この構成例は、入力側の一対の1/4波長共振器11,12と出力側の一対の1/4波長共振器21,22とのそれぞれの開放端側に対向するように、一端が短絡されたコンデンサ電極251,252,253,254を設けたものである。コンデンサ電極251は、入力側の一方の1/4波長共振器11の開放端側において、一方の1/4波長共振器11に対し所定間隔を空けて互いに対向するように配置され、かつ、一端が接続用導体パターン62Bに接続されることで、短絡されている。コンデンサ電極252は、入力側の他方の1/4波長共振器12の開放端側において、他方の1/4波長共振器12に対し所定間隔を空けて互いに対向するように配置され、かつ、一端が接続用導体パターン62Aに接続されることで、短絡されている。コンデンサ電極253は、出力側の一方の1/4波長共振器21の開放端側において、一方の1/4波長共振器21に対し所定間隔を空けて互いに対向するように配置され、かつ、一端が接続用導体パターン63Bに接続されることで、短絡されている。コンデンサ電極254は、出力側の他方の1/4波長共振器22の開放端側において、他方の1/4波長共振器22に対し所定間隔を空けて互いに対向するように配置され、かつ、一端が接続用導体パターン63Aに接続されることで、短絡されている。
これにより、図27に示したように、各1/4波長共振器11,12,21,22の開放端側にコンデンサ容量Caが付加されている。図28は、各1/4波長共振器と各コンデンサ電極との等価回路を示している。この構成例によれば、各1/4波長共振器11,12,21,22でできるインダクタタンスL1とコンデンサ容量C1とに、さらにコンデンサ容量Caが並列に加わることで、動作周波数としての第2の共振周波数f2がさらに下がり、より小型化しやすくなる。また、コンデンサ電極251,252,253,254の物理的な大きさを変えることでコンデンサ容量Caの調整ができるので、共振周波数の微調整を行いやすい。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る電子デバイスとしてのフィルタについて説明する。上記第2の実施の形態では、少なくとも平衡端子を備えた側の共振器がインターディジタル結合された少なくとも一対の1/4波長共振器で構成され、かつ全体として1/4波長共振器を偶数個用いて回転対称な構造にした構成例について説明した。これに対し本実施の形態は、平衡端子を備えた側の共振器を、1/4波長共振器を全体として奇数個用いて構成したものである。以下、出力用共振器2が一対の平衡出力端子4A,4Bを備えた場合を例に説明する。なお、入力用共振器1が一対の平衡入力端子3A,3Bを備えた場合の構成も同様である。なお、上記第2の実施の形態に係るフィルタと同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図29は、本実施の形態に係るフィルタにおける出力用共振器2Bの基本構成を示している。なお、入力用共振器1側の構成は、上記第2の実施の形態に係るフィルタと同様である。この出力用共振器2Bは、隣接するもの同士が交互にインターディジタル結合された5つの1/4波長共振器21,22,23,24,25の組み合わせで構成されている。なお、全体として3つまたは7つ以上の1/4波長共振器の組み合わせで構成されていても良い。そして、隣接する1/4波長共振器がそれぞれインターディジタル結合され、隣接する1/4波長共振器によって一対の1/4波長共振器が複数組形成されている。図29の例では、第1および第2の1/4波長共振器21,22により第1の一対の1/4波長共振器221が形成され、第2および第3の1/4波長共振器22,23により第2の一対の1/4波長共振器222が形成され、第3および第4の1/4波長共振器23,24により第3の一対の1/4波長共振器223が形成され、第4および第5の1/4波長共振器24,25により第4の一対の1/4波長共振器224が形成されている。一方の平衡出力端子4Aは例えば第1の1/4波長共振器21に接続され、他方の平衡出力端子4Bは例えば第4の1/4波長共振器24に接続されている。
図30は、この出力用共振器2Bにおける電流の分布について示している。ここで、第1、第3および第5の1/4波長共振器21,23,25がプラス電極であり、第2および第4の1/4波長共振器22,24がマイナス電極であるものとする。この場合、プラス電極では短絡端側から開放端側に電流が流れ、マイナス電極では逆に、開放端側から短絡端側に電流が流れるので、位相は180°回転している。しかし、プラス電極とマイナス電極とに流れる電流は等しくならず、電極の数に応じたものとなる。図30の例では、プラス電極に流れる電流はi/3、マイナス電極に流れる電流はi/2となる。従ってこの場合、一対の平衡出力端子4A,4Bを構造的に回転対称な位置に接続したとしても、位相バランスは良いが、プラス側とマイナス側とで振幅バランスが揃わない。そこで、振幅バランスの調整を行う必要がある。
図31を参照して、振幅バランスの調整方法について説明する。図31に示したように、第1および第4の1/4波長共振器21,24において、短絡端から距離xの位置に平衡出力端子4A,4Bが直接接続されているものとする。各共振器の全体の長さはl0とする。この場合、短絡端からの距離xがゼロに近づけば近づくほど信号源に対する平衡出力端子4A,4Bの結合が弱くなる。逆に距離xがl0に近づくほど結合が強くなる。この性質を利用して、プラス電極側とマイナス電極側とで結合の強さが同じになるように調整すれば、振幅バランスを良くすることができる。この場合、一対の平衡出力端子4A,4Bの直接の接続点は、構造的には回転対称な位置にはならない。すなわち、第1の1/4波長共振器21の短絡端から一方の平衡出力端子4Aの接続点までの距離x1と、第4の1/4波長共振器24の短絡端から他方の平衡出力端子4Bの接続点までの距離x2とが異なることになる。
図32は、振幅バランスの調整方法の第2の例を示している。この構成例は、各共振器の開放端に振幅バランス調整用のキャパシタを接続したものである。ここでは、図示したように第1、第3および第5の1/4波長共振器21,23,25のプラス電極につながるキャパシタの容量をCb1とし、第2および第4の1/4波長共振器22,24のマイナス電極につながるキャパシタの容量をCa1とする。この構成の場合には、プラス電極側の容量Cb1とマイナス電極側の容量Ca1とを調整することで、振幅バランスの調整を行うことができる。
図33を参照して、容量による振幅バランスの調整方法について説明する。1/4波長共振器の開放端にコンデンサ容量Cinが設けられている場合、容量値を大きくすれば、信号源に対する結合が強くなり、逆に小さくすれば結合が弱くなる。この性質を利用して、図32の構成例においてプラス電極側とマイナス電極側とで結合の強さが同じになるように、容量Cb1と容量Ca1とを調整すれば、振幅バランスを良くすることができる。
なお、キャパシタの具体的な構成例としては、図20(A),図20(B)に示した構成例と同様に、一対の平衡出力端子4A,4Bのそれぞれの一端部をコンデンサ電極81A,81Bとする方法が考えられる。
このように、本実施の形態に係るフィルタによれば、全体として奇数個の1/4波長共振器の組み合わせで構成されているにも関わらず、容易にバランス特性の調整が可能となる。
[その他の実施の形態]
本発明は、上記各実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、上記第1の実施の形態に係る電子デバイスに、上記第2の実施の形態における具体的な構成例の構造を組み合わせることも可能である。例えば、図3(A),図3(B)で示した構成例において、一対の1/4波長共振器41,42のそれぞれの開放端に、図26(A),図26(B)で示した構成例と同様のコンデンサ電極を付加した構造等であっても良い。
また、上記各実施の形態では、平衡端子または不平衡端子を1つのみ設けるようにしたが、それぞれ複数個設けるようにしても良い。例えば、上記第2および第3の実施の形態では、一対の平衡入力端子3A,3Bまたは一対の平衡出力端子4A,4Bを1組のみ設ける例を示したが、それらを複数組設けるようにしても良い。例えば、図18(A),図18(B)に示した複数段の1/4波長共振器21,22,23,24を有する構成において、中間段の1/4波長共振器22,23にも一対の平衡出力端子4A,4Bを設けるようにしても良い。不平衡入力端子3または不平衡出力端子4についても、1つのみならず、複数個設けるようにしても良い。
本発明の第1の実施の形態に係る電子デバイスの基本構成を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電子デバイスの基本構成において、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器を多段にした例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る電子デバイスの具体的な構成例を示す斜視図(A)および側面図(B)である。 図3に示した電子デバイスをアンテナとして用いた場合の放射特性を示す特性図である。 インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器の第1の共振モードを示す説明図である。 インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器の第2の共振モードを示す説明図である。 左右対称型のカップリング伝送線路の伝送モードについての説明図であり、(A)は奇モードでの電界分布を示し、(B)は偶モードでの電界分布を示す説明図である。 左右対称型のカップリング伝送線路と等価な伝送線路の構造についての説明図であり、(A)はその等価な伝送線路における奇モードを示し、(B)は偶モードを示す説明図である。 インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器における共振周波数の分布状態を示す説明図である。 インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器における磁界分布を示す第1の説明図(A)および第2の説明図(B)である。 本発明の第2の実施の形態に係る電子デバイスとしてのフィルタを不平衡入力−平衡出力型フィルタに適用した場合の第1の基本構成例(A)および第2の基本構成例(B)を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタを平衡入力−不平衡出力型フィルタに適用した場合の第1の基本構成例(A)および第2の基本構成例(B)を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタを平衡入力−平衡出力型フィルタに適用した場合の基本構成の説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの基本構成において、インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器を多段にした例を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの第1の具体的な構成例を示す斜視図(A)および側面図(B)である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの損失特性を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの位相特性を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの第2の具体的な構成例を示す斜視図(A)および側面図(B)である。 平衡出力端子と1/4波長共振器との結合関係を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの第3の具体的な構成例を示す斜視図(A)および側面図(B)である。 コンデンサ電極を介して平衡出力端子と1/4波長共振器とを結合する構造の等価回路を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの第4の具体的な構成例を示す斜視図(A)および側面図(B)である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの第5の具体的な構成例を示す斜視図(A)および側面図(B)である。 磁界結合により平衡出力端子と1/4波長共振器とを結合する構造の等価的な構造を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの第6の具体的な構成例を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの第7の具体的な構成例を示す斜視図(A)および側面図(B)である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの第7の具体的な構成例におけるコンデンサ電極部分の等価回路を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るフィルタの第7の具体的な構成例における各1/4波長共振器と各コンデンサ電極との等価回路図である。 本発明の第3の実施の形態に係る電子デバイスとしてのフィルタの基本構成を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係るフィルタにおける電流の分布について示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係るフィルタにおける振幅バランスの調整方法の第1の例を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係るフィルタの基本構成の他の例を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係るフィルタにおける振幅バランスの調整方法の第2の例を示す説明図である。 従来のバランの基本構造を示す説明図である。 従来のアンテナの一構成例を示す説明図である。 1/2波長共振器の電界分布を示す説明図である。
符号の説明
1,1A…入力用共振器、2,2A…出力用共振器、3…不平衡入力端子、3A,3B…平衡入力端子、4…不平衡出力端子、4A,4B…平衡出力端子、10,11,12,20,21,22,41,42…1/4波長共振器、200A,200B…平衡端子。

Claims (17)

  1. インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器と、
    前記一対の1/4波長共振器の一方に一方の端子が接続されると共に、前記一対の1/4波長共振器の他方に他方の端子が接続された一対の平衡端子と
    を備えたことを特徴とする電子デバイス。
  2. 前記一対の1/4波長共振器は、インターディジタル結合していないときの前記各1/4波長共振器の単体での共振周波数をf0としたとき、前記単体での共振周波数f0よりも高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと前記単体での共振周波数f0よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとを有し、
    動作周波数が、前記第2の共振周波数f2となっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
  3. 前記一対の1/4波長共振器が回転対称軸を有し、全体として回転対称な構造とされ、
    前記一対の平衡端子が、前記回転対称軸に対して互いに回転対称となる位置において前記一対の1/4波長共振器に接続されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子デバイス。
  4. 前記一対の1/4波長共振器で受信した電波を前記一対の平衡端子から平衡信号として出力する受信アンテナ、または前記一対の平衡端子から入力された平衡信号を前記一対の1/4波長共振器から電波として送信する送信アンテナとして構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子デバイス。
  5. 入力端側または出力端側においてインターディジタル結合された一対の1/4波長共振器と、
    前記一対の1/4波長共振器の一方に一方の端子が接続されると共に、前記一対の1/4波長共振器の他方に他方の端子が接続された一対の平衡端子と、
    前記一対の1/4波長共振器に電磁結合された他の共振器と
    を備え、
    前記一対の1/4波長共振器は、インターディジタル結合していないときの前記各1/4波長共振器の単体での共振周波数をf0としたとき、前記単体での共振周波数f0よりも高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと前記単体での共振周波数f0よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとを有し、
    かつ、前記他の共振器と前記一対の1/4波長共振器とが前記第2の共振周波数で電磁結合されている
    ことを特徴とするフィルタ。
  6. 前記一対の1/4波長共振器が回転対称軸を有し、全体として回転対称な構造とされ、
    前記一対の平衡端子が、前記回転対称軸に対して互いに回転対称となる位置において前記一対の1/4波長共振器に接続されている
    ことを特徴とする請求項5に記載のフィルタ。
  7. 前記一対の1/4波長共振器が、誘電体多層基板内において誘電体層を挟んで互いに対向して積層された構造とされ、
    前記一対の1/4波長共振器に挟まれた領域にある前記誘電体層の比誘電率が、他の領域にある誘電体層の比誘電率よりも大きい構成とされている
    ことを特徴とする請求項5または6に記載のフィルタ。
  8. 前記第1の共振周波数が、入力信号の周波数帯域よりも高い
    ことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載のフィルタ。
  9. 前記一対の平衡端子のそれぞれが、一端が短絡された線路で構成され、前記一対の平衡端子と前記一対の1/4波長共振器とが磁界結合により接続されている
    ことを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項に記載のフィルタ。
  10. 前記一対の平衡端子のそれぞれの一端部がコンデンサ電極で構成され、前記一対の平衡端子が前記コンデンサ電極による容量結合により前記一対の1/4波長共振器に接続されている
    ことを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項に記載のフィルタ。
  11. 前記一対の1/4波長共振器のそれぞれの開放端側に対向するように、一端が短絡されたコンデンサ電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項に記載のフィルタ。
  12. 前記他の共振器に接続された不平衡端子をさらに備え、かつ、前記他の共振器が、インターディジタル結合された他の一対の1/4波長共振器で構成され、
    前記不平衡端子が、前記他の一対の1/4波長共振器の一方に接続されている
    ことを特徴とする請求項5ないし11のいずれか1項に記載のフィルタ。
  13. 前記他の共振器に接続された他の一対の平衡端子をさらに備え、かつ、前記他の共振器が、インターディジタル結合された他の一対の1/4波長共振器で構成され、
    前記他の一対の平衡端子の一方の端子が、前記他の一対の1/4波長共振器の一方に接続され、他方の端子が、前記他の一対の1/4波長共振器の他方に接続されている
    ことを特徴とする請求項5ないし11のいずれか1項に記載のフィルタ。
  14. 入力端側または出力端側において、偶数個の複数の1/4波長共振器を備え、
    前記複数の1/4波長共振器の隣接する1/4波長共振器がそれぞれインターディジタル結合され、前記隣接する1/4波長共振器によって前記一対の1/4波長共振器が複数組形成されている
    ことを特徴とする請求項5ないし13のいずれか1項に記載のフィルタ。
  15. 入力端側または出力端側において、奇数個の複数の1/4波長共振器を備え、
    前記複数の1/4波長共振器の隣接する1/4波長共振器がそれぞれインターディジタル結合され、前記隣接する1/4波長共振器によって前記一対の1/4波長共振器が複数組形成されている
    ことを特徴とする請求項5、または請求項7ないし13のいずれか1項に記載のフィルタ。
  16. 前記複数の1/4波長共振器において、前記一対の平衡端子の一方の端子の接続位置から前記一方の端子が接続された一方の1/4波長共振器の短絡端までの距離と、前記一対の平衡端子の他方の端子の接続位置から前記他方の端子が接続された他方の1/4波長共振器の短絡端までの距離とが異なっている
    ことを特徴とする請求項15に記載のフィルタ。
  17. 前記複数の1/4波長共振器の少なくとも1つの開放端に、振幅バランス調整用のキャパシタが接続されている
    ことを特徴とする請求項15に記載のフィルタ。
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