JP2012054696A - 信号伝送装置、フィルタ、ならびに基板間通信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1の基板10に形成された複数の第1の1/4波長共振器11,12と、第2の基板20に形成された複数の第2の1/4波長共振器21,22とで第1の共振器1を構成する。また、第1の基板10に形成された複数の第3の1/4波長共振器31,32と、第2の基板20に形成された複数の第4の1/4波長共振器41,42とで第2の共振器2を構成する。第1の共振器1において、互いに最も近い位置にある第1の1/4波長共振器11と第2の1/4波長共振器21とを互いの開放端同士および互いの短絡端同士が互いに対向するように配置し、第2の共振器において、互いに最も近い位置にある第3の1/4波長共振器31と第4の1/4波長共振器41とを互いの開放端同士および互いの短絡端同士が互いに対向するように配置する。
【選択図】図1
Description
そして、第1の共振器において、互いに最も近い位置にある第1の1/4波長共振器と第2の1/4波長共振器とを、互いの開放端同士および互いの短絡端同士が互いに対向するように配置するようにしたものである。
そして、第2の共振器を、複数の第3の1/4波長共振器と1または複数の第4の1/4波長共振器とによって形成し、第2の共振器において、互いに最も近い位置にある第3の1/4波長共振器と第4の1/4波長共振器とが、互いの開放端同士および互いの短絡端同士が互いに対向するように配置されていても良い。
この構成の場合、第1の基板と第2の基板とが互いに電磁結合しないよう十分に離間した状態での周波数特性と第1の基板と第2の基板とが互いに電磁結合している状態での周波数特性とが異なる状態となる。このため、例えば第1の基板と第2の基板とを互いに電磁結合している状態では第1の共振周波数で信号伝送するが、第1の基板と第2の基板とが互いに電磁結合しないよう十分に離間した状態では第1の共振周波数で信号伝送しない状態となる。これにより、第1の基板と第2の基板とを十分に離した状態では信号の漏洩を防ぐことができる。
[信号伝送装置の構成例]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る信号伝送装置(基板間通信装置またはフィルタ)の全体構成例を示している。図2は、図1に示した信号伝送装置をY方向から見た一断面の構造を示している。本実施の形態に係る信号伝送装置は、第1の方向(図のZ方向)に互いに対向配置された第1の基板10および第2の基板20を備えている。第1の基板10および第2の基板20は誘電体基板であり、基板材料とは異なる材料による層(誘電率の異なる層、例えば空気層)を挟んで、間隔(基板間距離Da)を空けて互いに対向配置されている。第1の基板10および第2の基板20には、第1の共振器1と、第1の共振器1に対して第2の方向(図のY方向)に並列配置されると共に、第1の共振器1に電磁結合されて第1の共振器1との間で信号伝送を行う第2の共振器2とが形成されている。第1の共振器1は、第1の基板10に形成された複数の第1の1/4波長共振器11,12と、第2の基板20に形成された複数の第2の1/4波長共振器21,22とを有している。第2の共振器2は、第1の基板10に形成された複数の第3の1/4波長共振器31,32と、第2の基板20に形成された複数の第4の1/4波長共振器41,42とを有している。
この信号伝送装置では、第1の基板10と第2の基板20との間で、互いに最も近い位置にある第1の1/4波長共振器11と第2の1/4波長共振器21とが、主として磁界成分による電磁結合した状態となる。この状態では、図5に示したように、第1の1/4波長共振器11と第2の1/4波長共振器21とが同電位になるため、それらの共振器間には電界が発生しない。第1の1/4波長共振器11と第2の1/4波長共振器21は、ほぼ磁気結合のみによる結合がなされる。これにより、第1の共振器1において、第1の基板10と第2の基板20との間の空気層等における電界分布がほとんど無くなり、第1の基板10と第2の基板10との間で空気層等の基板間距離Daに変動があったとしても、第1の共振器1における共振周波数の変動が抑えられる。同様に、第1の基板10と第2の基板20との間で、互いに最も近い位置にある第3の1/4波長共振器31と第4の1/4波長共振器41とが、主として磁界成分による電磁結合した状態となることで、第2の共振器2において、第1の基板10と第2の基板20との間の空気層等における電界分布がほとんど無くなる。第3の1/4波長共振器31と第4の1/4波長共振器41は、ほぼ磁気結合のみによる結合がなされる。これにより、第1の基板10と第2の基板20との間で空気層等の基板間距離Daに変動があったとしても、第2の共振器2における共振周波数の変動が抑えられる。結果として、基板間距離Daの変動による通過周波数および通過帯域の変動が抑えられる。
ここで、上述の混成共振モードによる信号伝送の原理について説明する。説明を簡単にするために、比較例の共振器構造として、図7に示したように第1の基板110の内部に1つの共振器111が形成されているものを考える。この比較例の共振器構造では、図9(A)に示したように、1つの共振周波数f0で共振するような共振モードとなる。これに対して、図8に示したように、図7に示した比較例の共振器構造と同様の構造を有する第2の基板120を、基板間距離Daを空けて第1の基板110に対向配置して電磁結合した場合について考える。第2の基板120の内部には1つの共振器121が形成されている。第2の基板120における共振器121についても、第1の基板110における共振器111と構造的には同じなので、第1の基板110に電磁結合していない単独の状態では、図9(A)に示したように、1つの共振周波数f0で共振するような単独の共振モードとなる。しかしながら、図8に示した2つの共振器を電磁結合した状態では、電波の飛び移り効果により、単独での共振周波数f0で共振するのではなく、単独での共振周波数f0よりも低い第1の共振周波数f1となる第1の共振モードと、単独での共振周波数f0よりも高い第2の共振周波数f2となる第2の共振モードを形成して共振する。
次に、本実施の形態に係る信号伝送装置の具体的な設計例およびその特性を、比較例の共振器構造の特性と比較して説明する。図11は、比較例の共振器構造201の具体的な設計例を示している。図12は、図11に示した共振器構造201における共振周波数特性を示している。この比較例の共振器構造201では、第1の1/4波長共振器11と第2の1/4波長共振器21とが、互いの開放端同士および互いの短絡端同士が互いに対向するような配置ではなく、インターディジタル結合されており、また、第1の基板10の表面側、および第2の基板の裏面側にはグランド層としてのグランド電極91,92が配置されている。第1の基板10および第2の基板20の平面サイズはそれぞれ2mm角で、基板厚は100μm、比誘電率は3.85となっている。基板上の各電極(第1の1/4波長共振器11,12および第2の1/4波長共振器21,22)の平面サイズは、X方向の長さが1.5mm、Y方向の長さ(幅)が0.2mmとなっている。このような構成で、基板間の空気層の厚み(基板間距離Da)を10μm〜100μmまで変化させた場合の共振周波数を計算した結果が、図12である。この比較例の共振器構造201では、図12から分かるように、空気層の厚みの変化に対して共振周波数が最大で約70%変動している。これは、空気層の厚みの変化によって、第1の基板10および第2の基板20の間で実効比誘電率が変化するためである。
本実施の形態に係る信号伝送装置によれば、第1の基板10と第2の基板20との間で、互いに最も近い位置にある1/4波長共振器同士を主として磁界成分によって電磁結合するようにしたので、第1の共振器1および第2の共振器2において、第1の基板10と第2の基板20との間の空気層等における電界分布(電界成分)がほとんど無くなる。これにより、第1の基板10と第2の基板20との間で空気層等の基板間距離Daに変動があったとしても、第1の共振器1および第2の共振器2における共振周波数の変動が抑えられる。結果として、基板間距離Daの変動による通過周波数および通過帯域の変動が抑えられる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る信号伝送装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態に係る信号伝送装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る信号伝送装置について説明する。なお、上記第1または第2の実施の形態に係る信号伝送装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る信号伝送装置について説明する。なお、上記第1ないし第3の実施の形態に係る信号伝送装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
次に、本発明の第5の実施の形態に係る信号伝送装置について説明する。なお、上記第1ないし第4の実施の形態に係る信号伝送装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
次に、本発明の第6の実施の形態に係る信号伝送装置について説明する。なお、上記第1ないし第5の実施の形態に係る信号伝送装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
次に、本発明の第7の実施の形態に係る信号伝送装置について説明する。なお、上記第1ないし第6の実施の形態に係る信号伝送装置と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
本発明は、上記各実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。
例えば、上記第1の実施の形態では、第1の共振器1と第2の共振器2との双方を、図2に示したように実質的に同一の共振機器構造で構成したが、例えば第2の共振器2の方を別の共振機器構造で構成しても良く、異なる基板間で互いに最も近い位置にある共振器のそれぞれに流れる電流の向きが同方向となるように構成されていれば良い。また、上記第1の実施の形態では、第1の共振器1と第2の共振器2との2つの共振器が並列配置されていたが、3つ以上の共振器が並列配置されていても良い。さらに、上記第1の実施の形態では、誘電体基板にλ/4波長共振器を形成した例を挙げたが、これに限らず、λ/2波長共振器、3λ/4波長共振器、λ波長共振器でも良く、共振器単独の共振周波数がf0である線路型共振器であれば良い。また、上記第1の実施の形態では、第1の基板10と第2の基板20の比誘電率を等しくしていたが、第1の基板10と第2の基板20のそれぞれの比誘電率が異なっていても良く、第1の基板10と第2の基板20の少なくとも一方の比誘電率とは異なる比誘電率を有する層を挟んでいれば良い。また、上記第1の実施の形態では、第1の基板10または第2の基板20にインターディジタル結合した共振器のみが形成されていたが、少なくとも1対のインターディジタル結合した共振器が基板内に形成されていれば、一部の共振器がコムライン結合するように共振器が形成されていても良い。他の実施の形態についても同様である。また、本発明の信号伝送装置としては、アナログ信号やデジタル信号等の送信/受信のための信号伝送装置のみならず、電力の送電/受電のための信号伝送装置をも含む。
Claims (7)
- 間隔を空けて第1の方向に互いに対向配置された第1および第2の基板と、
前記第1の基板における第1の領域に形成され、前記第1の方向に互いにインターディジタル結合された複数の第1の1/4波長共振器と、
前記第2の基板における前記第1の領域に対応する領域において、1つまたは前記第1の方向に互いにインターディジタル結合するように複数形成された第2の1/4波長共振器と、
複数の前記第1の1/4波長共振器と1または複数の前記第2の1/4波長共振器とによって形成された第1の共振器と、
前記第1の共振器に電磁結合されて前記第1の共振器との間で信号伝送を行う第2の共振器と
を備え、
前記第1の共振器において、互いに最も近い位置にある前記第1の1/4波長共振器と前記第2の1/4波長共振器とが、互いの開放端同士および互いの短絡端同士が互いに対向するように配置されている
信号伝送装置。 - 前記第1の基板における第2の領域に形成され、前記第1の方向に互いにインターディジタル結合された複数の第3の1/4波長共振器と、
前記第2の基板における前記第2の領域に対応する領域において、1つまたは前記第1の方向に互いにインターディジタル結合するように複数形成された第4の1/4波長共振器とをさらに備え、
前記第2の共振器は、複数の前記第3の1/4波長共振器と1または複数の前記第4の1/4波長共振器とによって形成され、
前記第2の共振器において、互いに最も近い位置にある前記第3の1/4波長共振器と前記第4の1/4波長共振器とが、互いの開放端同士および互いの短絡端同士が互いに対向するように配置されている
請求項1に記載の信号伝送装置。 - 前記第1の基板に形成されると共に、前記第1の1/4波長共振器に物理的に直接接続、または前記第1の共振器に対して間隔を空けて電磁結合された第1の信号引き出し電極と、
前記第2の基板に形成されると共に、前記第4の1/4波長共振器に物理的に直接接続、または前記第2の共振器に対して間隔を空けて電磁結合された第2の信号引き出し電極と
をさらに備え、
前記第1の基板と前記第2の基板との間で信号伝送を行う
請求項2に記載の信号伝送装置。 - 前記第2の基板に形成されると共に、前記第2の1/4波長共振器に物理的に直接接続、または前記第1の共振器に対して間隔を空けて電磁結合された第1の信号引き出し電極と、
前記第2の基板に形成されると共に、前記第4の1/4波長共振器に物理的に直接接続、または前記第2の共振器に対して間隔を空けて電磁結合された第2の信号引き出し電極と
をさらに備え、
前記第2の基板内で信号伝送を行う
請求項2に記載の信号伝送装置。 - 前記第1の共振器は、複数の前記第1の1/4波長共振器と1または複数の前記第2の1/4波長共振器とが混成共振モードで電磁結合することにより全体として第1の共振周波数で共振する1つの結合共振器を構成し、かつ、前記第1および第2の基板が互いに電磁結合しないよう離間した状態では複数の前記第1の1/4波長共振器による単独の共振周波数と1または複数の前記第2の1/4波長共振器による単独の共振周波数とがそれぞれ、前記第1の共振周波数とは異なる周波数とされ、
前記第2の共振器は、複数の前記第3の1/4波長共振器と1または複数の前記第4の1/4波長共振器とが混成共振モードで電磁結合することにより全体として前記第1の共振周波数で共振する1つの結合共振器を構成し、かつ、前記第1および第2の基板が互いに電磁結合しないよう離間した状態では複数の前記第3の1/4波長共振器による単独の共振周波数と1または複数の前記第4の1/4波長共振器による単独の共振周波数とがそれぞれ、前記第1の共振周波数とは異なる周波数とされている
請求項2ないし4のいずれか1項に記載の信号伝送装置。 - 間隔を空けて第1の方向に互いに対向配置された第1および第2の基板と、
前記第1の基板における第1の領域に形成され、前記第1の方向に互いにインターディジタル結合された複数の第1の1/4波長共振器と、
前記第2の基板における前記第1の領域に対応する領域において、1つまたは前記第1の方向に互いにインターディジタル結合するように複数形成された第2の1/4波長共振器と、
複数の前記第1の1/4波長共振器と1または複数の前記第2の1/4波長共振器とによって形成された第1の共振器と、
前記第1の共振器に電磁結合されて前記第1の共振器との間で信号伝送を行う第2の共振器と
を備え、
前記第1の共振器において、互いに最も近い位置にある前記第1の1/4波長共振器と前記第2の1/4波長共振器とが、互いの開放端同士および互いの短絡端同士が互いに対向するように配置されている
フィルタ。 - 間隔を空けて第1の方向に互いに対向配置された第1および第2の基板と、
前記第1の基板における第1の領域に形成され、前記第1の方向に互いにインターディジタル結合された複数の第1の1/4波長共振器と、
前記第2の基板における前記第1の領域に対応する領域において、1つまたは前記第1の方向に互いにインターディジタル結合するように複数形成された第2の1/4波長共振器と、
前記第1の基板における第2の領域に形成され、前記第1の方向に互いにインターディジタル結合された複数の第3の1/4波長共振器と、
前記第2の基板における前記第2の領域に対応する領域において、1つまたは前記第1の方向に互いにインターディジタル結合するように複数形成された第4の1/4波長共振器と、
複数の前記第1の1/4波長共振器と1または複数の前記第2の1/4波長共振器とによって形成された第1の共振器と、
複数の前記第3の1/4波長共振器と1または複数の前記第4の1/4波長共振器とによって形成されると共に、前記第1の共振器に電磁結合されて前記第1の共振器との間で信号伝送を行う第2の共振器と、
前記第1の基板に形成され前記第1の1/4波長共振器に物理的に直接接続、または電磁結合により間隔を空けて結合された第1の信号引き出し電極と、
前記第2の基板に形成され前記第4の1/4波長共振器に物理的に直接接続、または電磁結合により間隔を空けて結合された第2の信号引き出し電極と
備え、
前記第1の共振器において、互いに最も近い位置にある前記第1の1/4波長共振器と前記第2の1/4波長共振器とが、互いの開放端同士および互いの短絡端同士が互いに対向するように配置され、
前記第2の共振器において、互いに最も近い位置にある前記第3の1/4波長共振器と前記第4の1/4波長共振器とが、互いの開放端同士および互いの短絡端同士が互いに対向するように配置され、
前記第1の基板と前記第2の基板との間で信号伝送を行う
基板間通信装置。
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