JP5251603B2 - 信号伝達用通信体及びカプラ - Google Patents

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Description

この発明は、近接状態で通信を行う信号伝達装置用の通信体及び近接状態で互いに結合するカプラに関するものである。
この発明の背景技術として下記の先行技術文献を挙げる。
[特許文献1]
図1は特許文献1に示されている通信装置の斜視図である。絶縁体のスペーサ109の上下の各表面に結合用電極108と折り畳み状のスタブ103が形成され、結合用電極108はスペーサ109内のスルーホール110を介してスタブ103の中央部分に接続されている。プリント基板101上には、送受信回路モジュール105から引き出された信号線パターンと、プリント基板101内のスルーホール106を介してグランド導体102と接続した導体パターン112が形成されている。スペーサ109をプリント基板101上に実装すると、スタブ103の両端は信号線パターン111と導体パターン112にそれぞれ接続される。
特開2008−154267号公報
ところが、図1に示したような従来の通信装置においては次のような問題がある。
(a)通信範囲が中心周波数の約半波長程度しかなく、ミリ波等の高い周波数では通信可能距離が数mm程度に限定される。
(b)周波数調整のためにプリント基板上に折り畳み状のスタブを形成する必要があり、プリント基板上にその分のスペースが必要である。
そこで、この発明の目的は、例えばミリ波帯といった高い周波数帯で広帯域・大容量のデータ伝送を行うのに適し、通信可能距離が大きく、また通信面上にスペースが不要な信号伝達用通信体及びカプラを提供することにある。
この発明の信号伝達用通信体は、互いに平行な第1主面及び第2主面を有し、内部に空洞部を備えた外導体と、前記空洞部内に前記外導体とは絶縁状態で配置された内導体と、前記空洞部内で前記内導体が占める領域以外に満たされる内部誘電体層と、前記外導体の前記第1主面側に配置された外部誘電体層と、を備え、
前記空洞部は、前記第1主面に垂直な直線を回転中心軸とする回転面を側面(内面)とし、前記第1主面を下底面、前記第2主面を前記下底面より径の小さな上底面とする回転台形状であり、
前記内導体は、前記直線を回転中心軸とする回転面を側面(外面)とし、前記第1主面を下底面、前記第2主面を前記下底面より径の小さな上底面とする回転台形状であり、
前記外部誘電体層の外面を通信用電磁波の入出力面とし、前記内導体の上底面に相当する位置を信号入出力部とする。
なお、前記「回転台形状」は、[回転台][形状]の意味ではなく、[回転][台形][状]の意味で用いている。
前記内導体の高さに対する下底面の直径の比は4以下とする。または前記回転台形状空洞部の高さに対する前記回転台形状空洞部の下底面の直径の比は4以下とする。
前記外部誘電体層の厚みは、通信に用いる周波数で、例えば約0.2波長に相当する寸法より薄くする。
前記内導体及び前記外導体は、例えば多層基板の複数の層に形成された導体で構成され、前記内部誘電体層は前記多層基板の誘電体層で構成されたものとする。
また、この発明のカプラは、前記信号伝達用通信体を送信側と受信側にそれぞれ少なくとも一つずつ備え、前記外導体及び前記内導体の下底面同士を対向させて構成する。
前記送信側または前記受信側の少なくとも一方の前記信号伝達用通信体は、ほぼ半波長以上のピッチで三つ以上配置されたものとする。
この発明によれば、次のような効果を奏する。
(a)通信体の基本構造が信号線である内導体と接地導体である外導体が共に回転台形状であるので自己相似形を維持した同軸構造となり、単一モードの電磁波が伝搬されて広帯域特性を有するものとなる。
(b)通信体の基本構造が回転台形状内導体の中心軸に沿った回転対称構造であるため,前記中心軸に沿った回転自由度が確保される。
(c)内導体と外導体との間に内部誘電体層、外導体の第1主面側に外部誘電体層がそれぞれ装荷された構造であるので、波長短縮効果による通信体形状の小型化が可能である。
(d)二つの信号伝達用通信体を略平行に配置すれば通信が行え、面内方向の配置の自由度が高まる。
(e)二つの通信体の平面方向及び間隔方向の結合範囲が所望の範囲となるように、信号伝達用通信体の各寸法を調整することで周辺の他システムへの電波干渉が軽減できる。
特許文献1に示されている通信装置の斜視図である。 図2(A)は第1の実施形態に係る信号伝達用通信体の斜視図、図2(B)はその上面図、図2(C)は図2(B)におけるA−A部分の断面図、図2(D)は信号伝達用通信体201の下面図である。 図2(C)に示した信号伝達用通信体201の断面図における中央部の拡大図である。 第2の実施形態に係るカプラ301の斜視図である。 2つの信号伝達用通信体201,202の内導体12の下底面の直径φLbの大きさによる特性の違いを示す図である。 2つの信号伝達用通信体201,202の回転台形状空洞部の下底面の直径φLaの大きさによる特性の違いを示す図である。 信号伝達用通信体201,202の外導体11の高さ(厚み)寸法cの大きさによる特性の違いを示す図である。 2つの信号伝達用通信体201,202の外部誘電体層14の厚み寸法dの変化による特性変化を示す図である。 図4に示した2つの信号伝達用通信体201,202の相対的な位置関係による特性変化を示す図である。 図10(A)は第3の実施形態に係る信号伝達用通信体203の断面図、図10(B)はその下面図である。 図11(A)は第4の実施形態に係る信号伝達用通信体204の透視斜視図、図11(B)はその上面図、図11(C)はその正面図である。 第5の実施形態に係るカプラ302の斜視図である。 第6の実施形態に係るカプラ303の斜視図である。
《第1の実施形態》
図2(A)は第1の実施形態に係る信号伝達用通信体の斜視図、図2(B)はその上面図、図2(C)は図2(B)におけるA−A部分の断面図、図2(D)は信号伝達用通信体201の下面図である。
この信号伝達用通信体201は、内部に回転台形状空洞部TCVを備えた円板状の外導体11を備えている。また信号伝達用通信体201は外導体11の回転台形状空洞部TCV内に外導体11とは絶縁状態で配置された回転台形状の内導体12を備えている。この回転台形状の内導体12と回転台形状空洞部TCVとはそれぞれの中心軸が一致している。この回転台形状の内導体12の下底面(面積の大きな側の平面)は外導体11の第1主面(図2(A)の向きで上面)と一致する。すなわち同一面を共有する。外導体11の回転台形状空洞部TCV内で内導体12が占める領域以外には内部誘電体層13が設けられている。すなわち、外導体11と内導体12との間は内部誘電体層13で充填されている。また、外導体11の第1主面側には外部誘電体層14が備えられている。
外導体11、内導体12及び内部誘電体層13は同軸線路構造を保ったまま外導体の内径(回転台形状空洞部TCVの外径)及び内導体の外径が次第に変化する構造を成している。
ここで回転台形状空洞部TCVの下底面の直径をφLa、回転台形状空洞部TCVの上底面(面積の小さな側の平面)の直径をφUa、内導体12の下底面の直径をφLb、内導体12の上底面の直径をφUb、外導体11及び内導体12の高さをcとすると、こられは次のような関係にある。
φLa/φLb≧φUa/φUb
すなわち、外導体11に形成された回転台形状空洞部TCVと内導体12の共通の中心軸上に沿って見たとき、外導体11の内径と内導体12の外径との比は一定であるか、または回転台形状空洞部TCVの広がり方の変化の方が大きい。すなわち、外導体の回転台形状空洞部TCVと内導体12とは相似形または略相似形である。そのため、外導体の回転台形状空洞部TCVの下底面(図3における上方の面)の直径を大きく広げることができ、且つ同軸線路の特性インピーダンスが急激に変化しないので、広帯域に亘って透過特性及び反射特性の安定した特性を得ることができる。
また、次の関係もある。
φLb/c≦4
すなわち、内導体12の高さcに対する下底面の直径φLbの比(すなわち形状比)は約4以下である。この構造により、第2の実施形態で具体例を示すように、低反射で透過特性の良好な周波数帯域を定めることができる。
なお、φLa/c≦4、すなわち、外導体11の回転台形状空洞部TCVの高さcに対する下底面の直径φLaの比を約4以下としてもよい。その場合も低反射で透過特性の良好な周波数帯域を調整できる。
図3は、図2(C)に示した信号伝達用通信体201の断面図における中央部の拡大図である。図中の各部の寸法と例えば次のとおりである。
φLa=5.0mm
φLb=2.0mm
φUa=1.1mm
φUb=0.5mm
d=0.3mm
c=1.0mm
e=0.1mm
また、内部誘電体層13及び外部誘電体層14はそれぞれ比誘電率が2.2の誘電体(例えばフッ素系樹脂材料やポリエチレン等によるもの)である。
図3に表れているように、厚み寸法eで示す部分では回転台形状空洞部TCVの直径(外導体11の内径)及び内導体12の外径寸法が一定であり、同軸線路として作用する。外導体11の回転台形状空洞部TCVによる開口部は第2主面(図3の向きで下面)の位置で非常に鋭角となり、加工及びその後の扱いが困難になるので、このように外導体11の内径寸法及び内導体12の外径寸法が一定の部分を設けている。
前記外導体11の第2主面は同軸線路系の信号入出力部として用いられる。また外部誘電体層14の外面が通信用電磁波の入出力面として用いられる。
《第2の実施形態》
第2の実施形態に係る信号伝達用通信体及びカプラの構成を図4〜図9を参照して説明する。
図4は第2の実施形態に係るカプラ301の斜視図である。このカプラ301は、第1の信号伝達用通信体201及び第2の信号伝達用通信体202で構成されている。第1の信号伝達用通信体201及び第2の信号伝達用通信体202の構成は、第1の実施形態として図2・図3に示したものと同様である。但し、図4に示す例では、第2の信号伝達用通信体202の外導体11の外径が第2の信号伝達用通信体201の外導体11の外径より小さく構成されている。なお、第2の実施形態では各部の寸法を示す符号については図3を参照する。
第2の信号伝達用通信体202は、その外部誘電体層14が第1の信号伝達用通信体201の外部誘電体層14に対面するように、第1の信号伝達用通信体201に近接される。
図4では、第2の信号伝達用通信体202の中心軸が第1の信号伝達用通信体201のZ軸(中心軸)からX−Y平面に沿ってdrだけずれている。また第2の信号伝達用通信体202の外部誘電体層14の外面と第1の信号伝達用通信体201の外部誘電体層14の外面とは間隔dzだけ生じている。
第1の信号伝達用通信体201及び第2の信号伝達用通信体202には同軸ケーブルと同様にTEMモードの信号が伝搬する。一方、第1の信号伝達用通信体201と第2の信号伝達用通信体202とが対向することによって、それぞれの外導体11−11による平行平板構造が生じ、その平行平板構造部に平行平板モードの電磁界が伝搬する。従って、2つの信号伝達用通信体201,202によって、TEMモード→平行平板モード→TEMモードの順に信号の伝搬モードが変換されて信号が伝達される。これにより、近接状態で通信を行うカプラとして作用する。
図5は2つの信号伝達用通信体201,202の内導体12の下底面の直径φLbの大きさによる特性の違いを示す図である。図5(A)は、前記直径φLbをパラメータとした使用周波数帯を含む周波数範囲(50GHz〜70GHz)での反射特性、図5(B)は、同じく前記直径φLbをパラメータとした使用周波数帯を含む周波数範囲(50GHz〜70GHz)での透過特性である。いずれも、前記回転台形状空洞部TCVの下底面の直径は、前記内導体の下底面の直径φLbに比例する値とし、その他の寸法は第1の実施形態で示した値である。また、図4に示した水平方向のずれdrは0、間隙dzは0である。
図5(A)に示されるように、内導体12の下底面の直径φLbが小さくなるほど、最も低反射になる周波数が上昇する傾向があることが分かる。また図5(B)に示されるように、前記下底面の直径φLbが小さくなるほど透過特性のピークの周波数(最も低挿入損失となる周波数)が上昇することが分かる。従って、用いる周波数帯に応じて前記内導体12の下底面の直径φLbの寸法を定めればよい。
図6は2つの信号伝達用通信体201,202の回転台形状空洞部TCVの下底面の直径φLaの大きさによる特性の違いを示す図である。図6(A)は、前記直径φLaをパラメータとした使用周波数帯を含む周波数範囲(50GHz〜70GHz)での反射特性、図6(B)は、同じく前記直径φLaをパラメータとした使用周波数帯を含む周波数範囲(50GHz〜70GHz)での透過特性である。いずれも、前記内導体12の下底面の直径は、前記回転台形状空洞部TCVの直径φLaに比例する値とし、その他の寸法は第1の実施形態で示した値である。また、図4に示した水平方向のずれdrは0、間隙dzは0である。
図6(A)に示されるように、回転台形状空洞部TCVの下底面の直径φLaが小さくなるほど、最も低反射になる周波数が上昇する傾向があることが分かる。また図6(B)に示されるように、前記下底面の直径φLaが小さくなるほど透過特性のピークの周波数(最も低挿入損失となる周波数)が上昇することが分かる。従って、用いる周波数帯に応じて前記回転台形状空洞部TCVの下底面の直径φLaの寸法を定めればよい。
図7は信号伝達用通信体201,202の外導体11の高さ(厚み)寸法cの大きさによる特性の違いを示す図である。図7(A)は、前記高さ寸法cをパラメータとした使用周波数帯を含む周波数範囲(50GHz〜70GHz)での反射特性、図7(B)は、同じく前記高さ寸法cをパラメータとした使用周波数帯を含む周波数範囲(50GHz〜70GHz)での透過特性である。いずれも図4に示した水平方向のずれdrは0、間隙dzは1mmである。
図7(A)に示されるように、前記高さ寸法cが高くなるほど、反射損失の最も低くなる周波数帯が低下することが分かる。また図7(B)に示されるように、前記高さ寸法cが高くなるほど透過損失が最も低くなる周波数が低下することが分かる。
このようにして内導体12の下底面の直径及び外導体11の高さ寸法cを適宜設計することによって使用周波数帯で低反射特性、低挿入損失特性のカプラが構成できる。
図8は、2つの信号伝達用通信体201,202の外部誘電体層14の厚み寸法dの変化による特性変化を示す図である。図8(A)は、前記厚み寸法dをパラメータとした使用周波数帯を含む周波数範囲(50GHz〜70GHz)での反射特性、図8(B)は、同じく前記厚み寸法dをパラメータとした使用周波数帯を含む周波数範囲(50GHz〜70GHz)での透過特性である。
図8(A)に表れているように、外部誘電体層14の厚み寸法dを厚くするほど低反射特性が得られる周波数が低下する。但し、厚くしすぎると(この例ではd=0.7mm)外部誘電体層14部分に表面波が生じるので反射特性は乱れることになる。
図8(B)に表れているように、前記厚み寸法dを厚くするほど透過損失が最も低くなる周波数が低下することが分かる。
したがって外部誘電体層14に表面波が生じない範囲で外部誘電体層14の厚み寸法dを適宜定めることによって、使用周波数で低反射特性、低挿入損失特性のカプラが構成できる。図8(A)(B)に示した例では、使用周波数は60GHzであり、その波長は外部誘電体層14内で2〜3.5mmであって、d=0.5mm以下で低反射特性、低挿入損失特性が得られている。したがって、前記外部誘電体層14の厚みdは、通信に用いる周波数で、前記外部誘電体層内での波長で、約0.2波長に相当する寸法より薄くすればよい。
図9は、図4に示した2つの信号伝達用通信体201,202の相対的な位置関係による特性変化を示す図である。図9(A)は、2つの信号伝達用通信体201−202間の間隙寸法dzをパラメータとした透過特性を示す図である。また図9(B)は2つの信号伝達用通信体201−202間の中心軸間の水平方向のずれdrをパラメータとした透過特性を示す図である。
なお、図9(A)は信号伝達用通信体201−202の中心軸間の水平方向のずれdrを0とした場合の特性、図9(B)は2つの信号伝達用通信体201−202間の間隙寸法dzを1mmとした場合の特性である。
図9(A)に示されるように、間隙dzが0mmまたは1mmのとき、広い周波数帯(50〜70GHz)に亘って−5dBの透過特性が得られることが分かる。また、間隙dzが2mmを超えると透過特性は急激に悪化することが分かる。この例では1mm以内に近接する2つの信号伝達用通信体同士で通信可能なカプラが構成される。また、5mm以上に離れると信号伝達用通信体同士は互いに影響を与えない。
図9(B)に示されるように、半径方向のずれdrが増大するほど透過特性は全体に低下する。この例では、drが2つの信号伝達用通信体201,202の外導体に形成されている回転台形状空洞部TCVの下底面の直径に等しい10mmで透過特性は−20dBである。しかし、このように大きくずれても広い周波数帯に亘って平坦な特性が維持される。従って2つの信号伝達用通信体201,202の外導体に形成されている回転台形状空洞部TCVの下底面同士が僅かでも対向する位置関係にあれば通信が可能であることが分かる。
《第3の実施形態》
図10(A)は第3の実施形態に係る信号伝達用通信体203の断面図である。図10(B)はその下面図である。
この信号伝達用通信体203は、図2・図3に示した信号伝達用通信体201に対して信号入出力部を備えたものである。信号伝達用通信体203の主要部には、外導体11、内導体12、内部誘電体層13及び外部誘電体層14が設けられている。これらの部分は図2に示した信号伝達用通信体201で示したものと同じである。
板状の外導体11の下面には誘電体基板20を備えている。この誘電体基板20の図における上面(外導体11に接する側)には外導体11と接する部分に上面グランド導体21が形成されている。誘電体基板20の図における下面には図10(B)に表れているように中心導体22及び下面グランド導体23が形成されている。
誘電体基板20の内部には、内導体12の端部と中心導体22の端部との間を導通させる内導体用ビア26が形成されている。また中心導体22を取り囲むように下面グランド導体23と上面グランド導体21との間を導通させる外導体用ビア25が配列形成されている。誘電体基板20の内部に構成される内導体用ビア26及び外導体用ビア25によって等価的な同軸線路が構成される。
また中心導体22、下面グランド導体23及び上面グランド導体21によってグランデッドコプレーナ線路が構成されている。従って誘電体基板20に形成された前記各種導体パターンによってグランデッドコプレーナ線路と同軸線路との線路変換が行われ、この信号伝達用通信体203を用いる電子機器の高周波回路との間はグランデッドコプレーナ線路で接続することができる。
なお、下面グランド導体23を設けなければ、図10における上面グランド導体21と中心導体22とによってマイクロストリップラインが構成される。したがって、前記高周波回路との間はマイクロストリップラインで接続することも可能である。
このようにして、外導体11、内導体12、内部誘電体層13、及び外部誘電体層14で構成された信号伝達用通信体の主要部とともに誘電体基板も薄型に構成できるので、全体に平板状の信号伝達用通信体203が構成できる。
《第4の実施形態》
図11(A)は第4の実施形態に係る信号伝達用通信体204の透視斜視図、図11(B)はその上面図、図11(C)はその正面図である。
第4の実施形態に係る信号伝達用通信体は多層基板によって構成されたものである。多層基板30は所定パターンの導体及びビアが形成された複数のセラミックグリーンシートが積層されて焼成されたものである。各層には、それぞれ円形の領域を除いて外導体31が形成されている。但し、何層目であるかの位置に応じて前記円形部分の直径は異なる。なお、セラミックグリーンシートの誘電体部分に開口があるのではなく、外導体31が円形の開口を備えている。また、厚み方向に隣接する外導体31同士を導通させる外導体用ビア35が形成されている。この構造により、全体として「回転台形状空洞部」を備えた外導体が構成されている。
同様に多層基板30の複数の層にはそれぞれ円形パターンの内導体32が形成されていて、厚み方向に隣接する内導体32同士を導通させる内導体用ビア36が形成されている。この構造により、回転台形状の内導体が構成されている。
図11(C)において、多層基板30の層領域DWに前記「回転台形状空洞部」及び前記回転台形状の内導体が構成されている。また、図11(C)に現れているように、多層基板30の表面付近には、所定厚みの誘電体層のみの層領域EDで外部誘電体層が構成されている。さらに、図11(C)に現れているように、多層基板30の下面付近の層領域CWには、前記「回転台形状空洞部」の最も狭い内径に等しい内径の内導体と、前記回転台形状の内導体の最も狭い外径に等しい外径の外導体とが構成されている。この層領域CWは同軸線路として作用する。
前記層領域CWに構成された同軸線路部に対して信号を入出力するマイクロストリップラインやグランデッドコプレーナ線路を多層基板30内に構成してもよい。
《第5の実施形態》
図12は第5の実施形態に係るカプラ302の斜視図である。このカプラ302は信号伝達用通信体の集合体210と信号伝達用通信体201とで構成されている。信号伝達用通信体の集合体210には信号伝達用通信体211,212,213,214が構成されている。
信号伝達用通信体の集合体210は、概略的には板状の外導体11と誘電体基板20とが積層されて構成されている。また、信号伝達用通信体211〜214の各々の構成は図10に示した信号伝達用通信体203と同様である。
誘電体基板20の図における上面(外導体11に接する側)には外導体11と接する部分に上面グランド導体が形成されている。誘電体基板20の図における下面には線路導体24が形成され、この線路導体24と前記上面グランド導体とによってマイクロストリップラインが構成されている。
前記線路導体24は図12に示されているように分岐されて、信号伝達用通信体211〜214の各々の内導体に導通する。これにより、信号伝達用通信体211〜214の各々に給電される。
一方、信号伝達用通信体201の構造は図2・図3に示した信号伝達用通信体と同じである。この信号伝達用通信体201が信号伝達用通信体の集合体210に対面状態で近接することによって、両者間で通信がなされる。信号伝達用通信体の集合体210に対する信号伝達用通信体201のX−Y面に平行な水平面方向の位置に応じて、両者間の結合度が変化し、透過量・反射量が変化するが、どの位置にあっても、所定の透過量・反射量の範囲内に収まるように、信号伝達用通信体211〜214の配置ピッチを定めておく。
《第6の実施形態》
図13は第6の実施形態に係るカプラ303の斜視図である。このカプラ303は信号伝達用通信体の集合体220と信号伝達用通信体201とで構成されている。信号伝達用通信体の集合体220には信号伝達用通信体221,222,223,224が構成されている。
信号伝達用通信体の集合体220は、概略的には板状の外導体11と誘電体基板20とが積層されて構成されている。信号伝達用通信体221〜224の各々の構成は図10に示した信号伝達用通信体203と同様である。また、図12に示した例とは信号伝達用通信体221〜224の配置パターンが異なる。
誘電体基板20の図における上面(外導体11に接する側)には外導体11と接する部分に上面グランド導体が形成されている。誘電体基板20の図における下面には線路導体24が形成され、この線路導体24と前記上面グランド導体とによってマイクロストリップラインが構成されている。
前記線路導体24は図13に示されているように分岐されて、信号伝達用通信体221〜224の各々の内導体に導通する。これにより、信号伝達用通信体221〜224の各々に給電される。
信号伝達用通信体201の構造は図2・図3に示した信号伝達用通信体と同じである。この信号伝達用通信体201が信号伝達用通信体の集合体220に対面状態で近接することによって、両者間で通信がなされる。図12に示したカプラの場合と同様に、信号伝達用通信体の集合体220に対する信号伝達用通信体201のX−Y面に平行な水平面方向の位置に応じて、両者間の結合度が変化し、透過量・反射量が変化する。したがって、どの位置にあっても、所定の透過量・反射量の範囲内に収まるように、信号伝達用通信体221〜224の配置ピッチを予め定めておく。
なお、第5の実施形態及び第6の実施形態のいずれも場合も、隣接する二つの信号伝達用通信体の配置ピッチが半波長であると、その二つの信号伝達用通信体の中間位置に相手側の信号伝達用通信体が対向したとき、結合量が0になってしまうので、前記信号伝達用通信体211〜214の配置ピッチは半波長以上のピッチで配置すればよい。
第5の実施形態及び第6の実施形態のいずれも場合も、互いに対向する信号伝達用通信体の一方が送信側である場合に他方は受信側となるが、この送信側と受信側の両方の信号伝達用通信体が、複数の信号伝達用通信体の集合体であってもよい。
また、以上に示した各実施形態では、回転台形状内導体及び回転台形状空洞部が共に円錐台状である例を示したが、第1主面に垂直な直線を回転中心軸とする回転面は必ずしも円錐の側面である必要はない。
すなわち、同軸入出力部と回転台形状の下底面の間でインピーダンスマッチングがとれるように回転台形状の内導体12と回転台形状空洞部TCVの断面形状の変化でインピーダンスが徐々に変換されればよいので、回転面は必ずしも円錐の側面である必要はなく、例えば湾曲したホーン状等であってもよい。
11…外導体
12…内導体
13…内部誘電体層
14…外部誘電体層
20…誘電体基板
21…上面グランド導体
22…中心導体
23…下面グランド導体
24…線路導体
25…外導体用ビア
26…内導体用ビア
30…多層基板
31…外導体
32…内導体
35…外導体用ビア
36…内導体用ビア
201,202,203,204…信号伝達用通信体
210,220…信号伝達用通信体の集合体
211,212,213,214…信号伝達用通信体
221,222,223,224…信号伝達用通信体
301,302,303…カプラ
TCV…回転台形状空洞部

Claims (6)

  1. 互いに平行な第1主面及び第2主面を有し、内部に空洞部を備えた外導体と、前記空洞部内に前記外導体とは絶縁状態で配置された内導体と、前記空洞部内で前記内導体が占める領域以外に満たされる内部誘電体層と、前記外導体の前記第1主面側に配置された外部誘電体層と、を備え、
    前記空洞部は、前記第1主面に垂直な直線を回転中心軸とする回転面を側面とし、前記第1主面を下底面、前記第2主面を前記下底面より径の小さな上底面とする回転台形状であり、
    前記内導体は、前記直線を回転中心軸とする回転面を側面とし、前記第1主面を下底面、前記第2主面を前記下底面より径の小さな上底面とする回転台形状であり、
    前記外部誘電体層の外面を通信用電磁波の入出力面とし、前記内導体の上底面に相当する位置を信号入出力部とする信号伝達用通信体。
  2. 前記内導体の高さに対する下底面の直径の比が4以下である、または前記回転台形状空洞部の高さに対する前記回転台形状空洞部の下底面の直径の比が4以下である、請求項1に記載の信号伝達用通信体。
  3. 前記外部誘電体層の厚みは、通信に用いる周波数で、約0.2波長に相当する寸法より薄い、請求項1または2に記載の信号伝達用通信体。
  4. 前記内導体及び前記外導体は多層基板の複数の層に形成された導体で構成され、前記内部誘電体層は前記多層基板の誘電体層で構成された、請求項1〜3のいずれかに記載の信号伝達用通信体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の前記信号伝達用通信体を送信側と受信側にそれぞれ少なくとも一つずつ備え、前記外導体及び前記内導体の下底面同士を対向させたカプラ。
  6. 前記送信側または前記受信側の少なくとも一方の前記信号伝達用通信体は、ほぼ半波長以上のピッチで三つ以上配置された、請求項5に記載のカプラ。
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