JP3439973B2 - 誘電体導波管線路の分岐構造 - Google Patents

誘電体導波管線路の分岐構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波帯やミ
リ波帯等の高周波信号を伝送するための誘電体導波管線
路の分岐構造に関し、特に誘電体導波管線路を平行な2
本の誘電体導波管線路に分岐し、しかも分岐後の電力比
を任意に設定しうる誘電体導波管線路の分岐構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波帯やミリ波帯等の高周波信号
を扱う高周波回路において高周波信号を伝送するための
伝送線路には小型で伝送損失が小さいことが求められて
おり、特に回路を構成する基板上または基板内に形成で
きると小型化の面で有利となることから、従来、そのよ
うな伝送線路としてストリップ線路やマイクロストリッ
プ線路・コプレーナ線路・誘電体導波管線路などが用い
られてきた。
【0003】これらのうちストリップ線路・マイクロス
トリップ線路・コプレーナ線路は誘電体基板と導体層か
ら成る信号線路およびグランド導体層とで構成されてお
り、信号線路とグランド導体層の周囲の空間および誘電
体中を高周波信号の電磁波が伝播するものであるが、こ
れらの線路は30GHz帯域までの信号伝送に対しては問
題ないが、30GHz以上では伝送損失が生じやすい。
【0004】これに対して導波管型の線路は30GHz以
上のミリ波帯域においても伝送損失が小さい点で有利で
あり、このような導波管の優れた伝送特性を活かし、多
層基板内に形成可能な線路も提案されている。
【0005】例えば特開平6−53711 号公報によれば、
誘電体基板を一対の導体層で挟み、さらに導体層間を接
続する2列の複数の貫通導体、例えばビアホールによっ
て側壁を形成した導波管線路が提案されている。この導
波管線路によれば、誘電体材料の四方を導体層とビアホ
ールによる疑似的な導体壁で囲むことによって導体壁内
の領域を信号伝送用の線路としたものであり、構成がい
たって簡単となって装置全体の小型化も図り得るという
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、高周波回路を
構成する場合、特にアレイアンテナの給電線等を形成す
る場合等には伝送線路の配線回路において分岐を設ける
ことが必要となる。
【0007】しかしながら、ストリップ線路やマイクロ
ストリップ線路・コプレーナ線路は信号線路がグランド
導体層で完全に覆われていないため、伝送線路の途中に
分岐を設けるとその分岐から電磁波の放射が起こり、伝
送損失が大きくなるという問題点があった。
【0008】また、誘電体導波管線路としては、例えば
誘電体線路を2枚のグランド導体板で挟持し、グランド
導体板間の誘電体線路以外の部分に空気が満たされた構
造のNRDガイドがあり、これに分岐を設けるためには
屈曲した2本の線路を結合させて方向性結合器を形成す
る方法が用いられるが、線路に屈曲部がある場合はその
形状によっては異なる伝播モードが発生して伝送損失が
大きくなることがあるため、設計上の制約が大きいとい
う問題点があった。また、誘電体線路は通常はフッ素樹
脂等で作製されているが、特に高周波領域で使用するも
のは線路の寸法が小さくなるため、屈曲部等の加工が困
難であり量産が難しいという問題点もあり、さらに、高
周波回路の配線として誘電体基板上または基板内に形成
することが困難であるという問題点もあった。
【0009】また、通常の導波管は金属の壁で囲まれた
空間を電磁波が伝播する構造となっており、誘電体によ
る損失がないため高周波での損失が小さく、分岐があっ
ても放射損失はないが、誘電体を利用した伝送線路と比
較して寸法が大きくなるという問題点があった。これに
対し、導波管内に比誘電率がεr の誘電体を充填した誘
電体導波管は通常の1/√εr の寸法で作製できるが、
これも誘電体基板上または基板内に形成することが困難
であるという問題点があった。
【0010】さらに、特開平6−53711 号公報に提案さ
れたような誘電体導波管線路において、その一対の導体
層と2列のビアホールによる疑似的な導体壁で囲まれた
信号伝送用の線路に単純に分岐を設けた場合、電磁界に
乱れが生じることから伝送損失が大きくなるという問題
点があった。
【0011】従って、誘電体基板内にアレーアンテナの
給電線等を形成するための分岐を設けた伝送線路の配線
回路を作製して高周波回路を構成するために、誘電体基
板内に形成でき、電磁波の放射が無く伝送損失が小さい
誘電体導波管線路の分岐構造が求められていた。
【0012】本発明は上記事情に鑑みて案出されたもの
であり、その目的は、誘電体基板内に形成でき、高周波
信号の電磁波の放射・漏洩が無く、分岐後の電力比を任
意に設定可能で伝送損失が小さい良好な伝送特性を有す
る誘電体導波管線路の分岐構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題点に対して検討を重ねた結果、誘電体導波管線路につ
いて、誘電体基板中に2列の貫通導体群およびこの貫通
導体群の各列を形成する貫通導体同士をそれら貫通導体
の途中で電気的に接続する補助導体層の上下をこれら貫
通導体群と電気的に導通した一対の導体層で完全に覆っ
て形成される構造の誘電体導波管線路から成る伝送線路
を設け、第1の伝送線路と平行に配置した第2および第
3の伝送線路とを高周波信号の伝送方向が互いに平行と
なるように接続した分岐において、貫通導体群の貫通導
体の配列を所定の配列構造とすることにより高周波信号
の電磁波の放射・漏洩がほとんど無く分岐後の電力比を
任意に設定可能で低伝送損失の良好な伝送特性を有する
伝送線路の分岐構造とできることを見いだした。
【0014】請求項1に係る発明の誘電体導波管線路の
分岐構造は、誘電体基板を挟持する一対の導体層と、高
周波信号の伝送方向に前記高周波信号の遮断波長の2分
の1以下の繰り返し間隔で、かつ前記伝送方向と直交す
る方向に一定の幅dで前記導体層間を電気的に接続する
よう形成された2列の貫通導体群と、前記一対の導体層
間の前記2列の貫通導体群から外側に形成され、これら
貫通導体群の各列を形成する貫通導体同士をそれら貫通
導体の途中で電気的に接続する補助導体層とを具備し、
前記導体層、前記貫通導体群および前記補助導体層に囲
まれた領域によって高周波信号を伝送する第1乃至第3
の誘電体導波管線路を、これら第2および第3の誘電体
導波管線路を一方の列の貫通導体群を共有させて配置
し、かつその先端と前記第1の誘電体導波管線路の先端
とを各誘電体導波管線路の高周波信号の伝送方向が平行
となるように対向させて、前記第1の誘電体導波管線路
の先端と前記第2および第3の誘電体導波管線路の先端
の両端との間を接続用貫通導体群で接続したことを特徴
とするものである。
【0015】また、請求項2に係る発明の誘電体導波管
線路の分岐構造は、誘電体基板を挟持する一対の導体層
と、高周波信号の伝送方向に前記高周波信号の遮断波長
の2分の1以下の繰り返し間隔で、かつ前記伝送方向と
直交する方向に一定の幅dで前記導体層間を電気的に接
続するよう形成された2列の貫通導体群と、前記一対の
導体層間の前記2列の貫通導体群から外側に形成され、
これら貫通導体群の各列を形成する貫通導体同士をそれ
ら貫通導体の途中で電気的に接続する補助導体層とを具
備し、前記導体層、前記貫通導体群および前記補助導体
層に囲まれた領域によって高周波信号を伝送する第1乃
至第3の誘電体導波管線路を、これら第2および第3の
誘電体導波管線路を先端を揃えて外側の前記貫通導体群
同士の間隔wが前記一定の幅dに対して2d<w≦3d
となるように平行に配置するとともに隣り合う列の貫通
導体群の先端間を補助接続用貫通導体群で接続し、かつ
その先端と前記第1の誘電体導波管線路の先端とを各誘
電体導波管線路の高周波信号の伝送方向が平行となるよ
うに対向させて、前記第1の誘電体導波管線路の先端と
前記第2および第3の誘電体導波管線路の先端の両端と
の間を接続用貫通導体群で接続したことを特徴とするも
のである。
【0016】また、請求項3に係る発明の誘電体導波管
線路の分岐構造は、上記の請求項1または請求項2に係
る発明の誘電体導波管線路の分岐構造において、前記第
2および第3の誘電体導波管線路の少なくとも一方の前
記2列の貫通導体群の間に分岐後の電力比調整用の貫通
導体を形成したことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照しなが
ら説明する。図l(a)および(b)は、それぞれ本発
明の誘電体導波管線路の分岐構造に係る誘電体導波管線
路の構成例を説明するための概略斜視図である。図1に
おいて、1は誘電体基板、2は誘電体基板1を挟持する
一対の導体層、3は一対の導体層2間を電気的に接続す
るよう形成された貫通導体であり、4は高周波信号の伝
送方向にその高周波信号の遮断波長の2分の1以下の繰
り返し間隔pで、かつその伝送方向と直交する方向に一
定の幅dで貫通導体3を配設することにより形成された
2列の貫通導体群である。
【0018】図1によれば、所定の厚みaの平板状の誘
電体基板1を挟持する位置に一対の導体層2・2が形成
されている。導体層2・2は誘電体基板1の少なくとも
伝送線路形成位置を挟む上下面に形成されている。ま
た、導体層2・2間には導体層2・2間を電気的に接続
する貫通導体3が多数設けられている。これら貫通導体
3は、図示するように、高周波信号の伝送方向すなわち
線路形成方向にこの線路により伝送される高周波信号の
遮断波長の2分の1以下の所定の繰り返し間隔pで、か
つ前記伝送方向と直交する方向に所定の一定の間隔
(幅)dをもって2列に形成されることにより、伝送線
路となる貫通導体群4を形成している。
【0019】平行に配置された一対の導体層2・2間に
はTEM波が伝播できるため、貫通導体群4の各列にお
ける貫通導体3の間隔pが遮断波長の2分の1よりも大
きいと、この線路に電磁波を給電してもここで作られる
疑似的な導波管に沿って伝播しなくなる。しかし、貫通
導体3の間隔pが遮断波長の2分の1以下であると電気
的な側壁を形成することとなって、電磁波は伝送線路に
対して垂直方向に伝播することができず、反射しながら
伝送線路方向に伝播されることとなる。その結果、この
ような構造の導体層2と貫通導体構4とにより囲まれる
断面積がa×dのサイズの領域により、誘電体導波管と
非常によく類似した良好な伝送特性が得られる。
【0020】ここで、誘電体基板1の厚みaに対する制
限は特にないが、シングルモードで用いる場合には前記
一定の幅dに対して2分の1程度または2倍程度とする
ことが良く、図1の例では誘電体導波管のH面とE面に
当たる部分が各々導体層2と貫通導体群4で形成され、
図1(a)のように幅dに対して厚みaを2分の1程度
とすれば、誘電体導波管のH面とE面に当たる部分が各
々導体層2と貫通導体群4で形成されることとなり、図
1(b)のように幅dに対して厚みaを2倍程度とすれ
ば、誘電体導波管のE面とH面に当たる部分が各々導体
層2と貫通導体群4で形成されることとなる。
【0021】なお、5は貫通導体群4の各列を形成する
貫通導体3同士を電気的に接続する補助導体層である。
このような補助導体層5を形成することによって、導波
管線路内部から見ると線路の側壁は貫通導体群4と補助
導体層5とによって細かな格子状になり、線路からの電
磁波の遮蔽効果をより高めることができる。また、この
図1の例では貫通導体群4は2列に形成したが、この貫
通導体群4を4列あるいは6列に配設して貫通導体群4
による疑似的な導体壁を2重あるいは3重に形成するこ
とにより、導体壁からの電磁波の漏れをより効果的に防
止することもできる。
【0022】このような導波管線路構造によれば、誘電
体基板1の比誘電率をεr とすると導波管サイズは通常
の導波管の1/√εr の大きさになる。従って、誘電体
基板1を構成する材料を比誘電率の大きいものとするほ
ど導波管サイズを小さくすることができて高周波回路の
小型化を図ることができ、高密度に配線が形成される多
層配線基板または半導体素子収納用パッケージの伝送線
路としても利用可能な大きさとなる。
【0023】なお、貫通導体群4を構成する貫通導体3
は前述のように遮断波長の2分の1以下の繰り返し間隔
pで配設されており、この繰り返し間隔pは良好な伝送
特性を実現するためには一定の繰り返し間隔とすること
が望ましいが、遮断波長の2分の1以下の間隔であれば
適宜変化させたりいくつかの値を組み合わせたりしても
よい。
【0024】また誘電体基板1としては、誘電体として
機能し高周波信号の伝送を妨げることのない特性を有す
るものであればとりわけ限定するものではないが、伝送
線路を形成する際の精度および製造の容易性の点から
は、誘電体基板1はセラミックスからなることが望まし
い。
【0025】このようなセラミックスとしてはこれまで
様々な比誘電率を持つセラミックスが知られているが、
本発明に係る誘電体導波管線路によって高周波信号を伝
送するためには常誘電体であることが望ましい。これ
は、一般に強誘電体セラミックスは高周波領域では誘電
損失が大きく伝送損失が大きくなるためである。従っ
て、誘電体基板1の比誘電率εr は4〜100 程度が適当
である。
【0026】また、一般に多層配線基板や半導体素子収
納用パッケージに形成される配線層の線幅は最大でも1
mmであることから、比誘電率が100 の材料を用い、上
部がH面すなわち磁界が上側の面に平行に巻く電磁界分
布になるように用いた場合、用いることのできる最小の
周波数は約15GHzと算出され、マイクロ波帯の領域で
も利用可能となる。一方、一般的に誘電体基板1として
用いられる樹脂からなる誘電体は、比誘電率εr が2程
度であるため、線幅が1mmの場合、約100 GHz以上
でないと利用することができないものとなる。
【0027】また、このような常誘電体セラミックスの
中にはアルミナやシリカ等のように誘電正接が非常に小
さなものが多いが、全ての常誘電体セラミックスが利用
可能であるわけではない。誘電体導波管線路の場合は導
体による損失はほとんどなく、信号伝送時の損失のほと
んどは誘電体による損失であり、誘電体による損失α
(dB/m)は下記のように表わされる。 α=27.3×tanδ/λ/{1−(λ/λc 2 1/2 式中、tanδは誘電体の誘電正接、λは誘電体中の波
長、λc は遮断波長であり、規格化された矩形導波管
(WRJシリーズ)形状に準ずると、上式中の{1−
(λ/λc 2 1/2 は0.75程度である。
【0028】従って、実用に供し得る伝送損失である−
100 (dB/m)以下にするには、下記の関係が成立す
るように誘電体を選択することが必要である。 f×εr 1/2 ×tanδ≦0.8 式中、fは使用する周波数(GHz)である。
【0029】このような誘電体基板1としては、例えば
アルミナセラミックスやガラスセラミックス・窒化アル
ミニウムセラミックス等があり、例えばセラミックス原
料粉末に適当な有機溶剤や溶媒を添加混合して泥漿状と
なすとともにこれを従来周知のドクターブレード法やカ
レンダーロール法等を採用してシート状となすことによ
って複数枚のセラミックグリーンシートを得、しかる
後、これらセラミックグリーンシートの各々に適当な打
ち抜き加工を施すとともにこれらを積層し、アルミナセ
ラミックスの場合は1500〜1700℃、ガラスセラミックス
の場合は850 〜1000℃、窒化アルミニウムセラミックス
の場合は1600〜1900℃の温度で焼成することによって製
作される。
【0030】また、一対の導体層2としては、例えば誘
電体基板1がアルミナセラミックスから成る場合、タン
グステン等の金属粉末に適当なアルミナ・シリカ・マグ
ネシア等の酸化物や有機溶剤・溶媒等を添加混合してペ
一スト状にしたものを厚膜印刷法により少なくとも伝送
線路を完全に覆うようにセラミックグリーンシート上に
印刷し、しかる後、約1600℃の高温で焼成し、厚み10〜
15μm以上となるようにして形成する。
【0031】なお、金属粉末としては、ガラスセラミッ
クスの場合は銅・金・銀が、窒化アルミニウムセラミッ
クスの場合はタングステン・モリブデンが好適である。
また、導体層2の厚みは一般的に5〜50μm程度とされ
る。
【0032】また、貫通導体3としては、例えばビアホ
ール導体やスルーホール導体等により形成すればよく、
その断面形状も製作が容易な円形の他、矩形や菱形等の
多角形であってもよい。これら貫通導体3は、例えばセ
ラミックグリーンシートに打ち抜き加工を施して作製し
た貫通孔に前記導体層2と同様の金属ペーストを埋め込
み、しかる後、誘電体基板1と同時に焼成し形成する。
なお、貫通導体3は直径50〜300 μmが適当である。
【0033】このような誘電体導波管線路による請求項
1に係る発明の誘電体導波管線路の分岐構造の実施の形
態の一例を図2に平面図で示す。図2において、3は誘
電体基板(図示せず)中に高周波信号の伝送方向に高周
波信号の遮断波長の2分の1以下の繰り返し間隔pで、
かつその伝送方向と直交する方向に一定の幅dで、誘電
体基板を挟持する一対の導体層(図示せず)間を電気的
に接続するよう形成された貫通導体、4a・4b・4c
・4dはそのような貫通導体3により構成された貫通導
体群であり、6は一対の導体層と2列の貫通導体群4a
とにより構成される第1の誘電体導波管線路を、7は一
対の導体層と2列の貫通導体群4b・4dとにより構成
される第2の誘電体導波管線路を、また8は一対の導体
層と2列の貫通導体群4c・4dとにより構成される第
3の誘電体導波管線路を示しており、第2の誘電体導波
管線路7と第3の誘電体導波管線路8とは互いに一方の
列の貫通導体群4dを共有させて配置されている。
【0034】また、4eは第1の誘電体導波管線路6の
先端と第2および第3の誘電体導波管線路7・8の先端
の両端との間を接続する接続用貫通導体群であり、この
例では第1の誘電体導波管線路6の先端の貫通導体6a
に対して伝送方向と直角方向に配設された貫通導体群と
貫通導体群4bおよび4cを延長するように配設された
貫通導体群とにより階段状に形成した例を示しており、
9はこの接続用貫通導体群により構成される接続用誘電
体導波管線路を示している。
【0035】図2に示した請求項1の発明に係る誘電体
導波管線路の分岐構造では、2列の貫通導体群4aによ
り構成される第1の誘電体導波管線路6と、同様に2列
の貫通導体群4b・4dにより構成される第2の誘電体
導波管線路7および2列の貫通導体群4c・4dにより
構成される第3の誘電体導波管線路8とを設けるととも
に、第2および第3の誘電体導波管線路7・8を一方の
列の貫通導体群4dを共有させて配置し、その先端と第
1の誘電体導波管線路6の先端とを互いの高周波信号の
伝送方向が平行となるように対向させて、第1の誘電体
導波管線路6の先端の貫通導体6aと第2および第3の
誘電体導波管線路7・8の先端の両端の貫通導体群4b
・4cとを接続用貫通導体群4eにより接続している。
【0036】このような構成によれば、分岐前の第1の
誘電体導波管線路6の幅dを接続用貫通導体群4eを介
して広げて第2の誘電体導波管線路7および第3の誘電
体導波管線路8に高周波信号の伝送方向が平行となるよ
うに接続し、第1の誘電体導波管線路6から第2の誘電
体導波管線路7と第3の誘電体導波管線路8とに高周波
信号を分岐することにより、誘電体導波管線路の幅aは
第1の誘電体導波管線路6の幅dから接続用誘電体導波
管線路9の幅2dに変化するので、単純なT分岐におい
て誘電体導波管線路の幅aが第1の誘電体導波管線路6
の幅dから接続用誘電体導波管線路9の幅2d≪a<∞
に変化するのに比較して分岐部における特性インピーダ
ンスの不整合を小さくでき、分岐前後で同位相の電界の
面の向きが変化しないため、分岐部での高周波信号の反
射が小さくなり、その結果、伝送損失の小さいものとな
る。
【0037】また、図2では第1の誘電体導波管線路6
の中心線と第2および第3の誘電体導波管線路7・8の
中心線すなわち共有している貫通導体群4dを通る直線
とを一致させた例を示しており、このような場合は、第
1の誘電体導波管線路6から接続用貫通導体群4e(接
続用誘電体導波管線路9)を介しての第2および第3の
誘電体導波管線路7・8への電磁波の伝播のし易さはほ
ぼ同じとなる。従って、分岐前の第1の誘電体導波管線
路6から第2の誘電体導波管線路7および第3の誘電体
導波管線路8に分岐したときの分岐後の電力比はほぼ
1:1の等分岐となる。
【0038】これに対し、分岐後の電力比を不等分岐と
できる、請求項1に係る発明の誘電体導波管線路の分岐
構造の他の例を図3に図2と同様の平面図で示す。
【0039】図3の例においては、図2と同様の箇所に
は同じ符号を付してあり、第1の誘電体導波管線路6の
中心線10を第2の誘電体導波管線路7および第3の誘電
体導波管線路8の中心線すなわち共有している貫通導体
群4dを通る直線11と一致した位置から第2の誘電体導
波管線路7寄りに信号伝送方向に直角に距離h(0<h
<d/2)だけ移動させたことを除き図2と同様であ
る。
【0040】このような構成によれば、第1の誘電体導
波管線路6から接続用貫通導体群4e(接続用誘電体導
波管線路9)を介しての第2の誘電体導波管線路7およ
び第3の誘電体導波管線路8への特性インピーダンス
は、中心線10と中心線(貫通導体群4dを通る直線)11
とが一致している場合に比べてほとんど変化しないが、
電磁波は距離hの大きさに応じて第2の誘電体導波管線
路7の方により伝播し易くなる。従って、分岐前の第1
の誘電体導波管線路6から第2の誘電体導波管線路7と
第3の誘電体導波管線路8に分岐したときの分岐後の電
力比が1:1の等分岐ではなくなり、第1の誘電体導波
管線路6の中心線10を移動させる距離hを適当に選ぶこ
とにより任意の電力比とすることができる。
【0041】なお、図2および図3中にLで示した接続
用貫通導体群4e(接続用誘電体導波管線路9)の信号
伝送方向の長さは、0<L≦dが好適である。この長さ
Lを一定の幅dの値を超えて長くしても、特性インピー
ダンスの不整合を小さくし分岐部での高周波信号の反射
を小さくする効果は小さいものとなる。
【0042】また、接続用貫通導体群4e(接続用誘電
体導波管線路9)における貫通導体の繰り返し間隔は、
高周波信号の遮断波長の2分の1以下とすることが望ま
しく、それにより電気的な側壁が形成されることとな
る。
【0043】さらに、図2および図3では接続用貫通導
体群4eを階段状に配設した例を示したが、接続用貫通
導体群4eは第1の誘電体導波管線路6の先端と第2お
よび第3の誘電体導波管線路7・8の先端の両端とを直
線状に接続するように配設してもよく、あるいは円弧状
に接続するように配設してもよい。
【0044】次に、請求項2に係る発明の誘電体導波管
線路の分岐構造の実施の形態の一例を図4に図2と同様
の平面図で示す。図4において、図2と同様の箇所には
同じ符号を付してあり、3は貫通導体、4a・4b・4
c・4d2・4d3はそのような貫通導体3により構成
された貫通導体群であり、6は一対の導体層と2列の貫
通導体群4aとにより構成される第1の誘電体導波管線
路を、7は一対の導体層と2列の貫通導体群4b・4d
2とにより構成される第2の誘電体導波管線路を、また
8は一対の導体層と2列の貫通導体群4c・4d3とに
より構成される第3の誘電体導波管線路を示しており、
第2の誘電体導波管線路7と第3の誘電体導波管線路8
とは、先端を揃えて外側の貫通導体群4b・4c同士の
間隔wが一定の幅dに対して2d<w≦3dとなるよう
に平行に配置され、隣り合う列の貫通導体群4d2・4
d3の先端間を補助接続用貫通導体群4fで接続されて
いる。なお、補助接続用貫通導体群4fは、間隔wが大
きくなった場合には複数個の貫通導体により構成すれば
よいことはいうまでもない。
【0045】また、4eは第1の誘電体導波管線路6の
先端と第2および第3の誘電体導波管線路7・8の先端
の両端との間を接続する接続用貫通導体群であり、この
例でも第1の誘電体導波管線路6の先端の貫通導体6a
に対して伝送方向と直角方向に配設された貫通導体群と
貫通導体群4bおよび4cを延長するように配設された
貫通導体群とにより階段状に形成した例を示しており、
9はこの接続用貫通導体群により構成される接続用誘電
体導波管線路を示している。
【0046】図4に示した請求項2の発明に係る誘電体
導波管線路の分岐構造では、2列の貫通導体群4aによ
り構成される第1の誘電体導波管線路6と、同様に2列
の貫通導体群4b・4d2により構成される第2の誘電
体導波管線路7および2列の貫通導体群4c・4d3に
より構成される第3の誘電体導波管線路8とを設けると
ともに、第2および第3の誘電体導波管線路7・8を先
端を揃えて外側の貫通導体群4b・4c同士の間隔wが
一定の幅dに対して2d<w≦3dとなるように平行に
配置するとともに隣り合う列の貫通導体群4d2・4d
3の先端間を補助接続用貫通導体群4fで接続し、その
先端と第1の誘電体導波管線路6の先端とを互いの高周
波信号の伝送方向が平行となるように対向させて、第1
の誘電体導波管線路6の先端の貫通導体6aと第2およ
び第3の誘電体導波管線路7・8の先端の両端の貫通導
体群4b・4cとを接続用貫通導体群4eにより接続し
ている。
【0047】このような構成によれば、分岐前の第1の
誘電体導波管線路6の幅dを接続用貫通導体群4eを介
して2d<w≦3dである間隔wに広げて、両端の貫通
導体群4b・4cの間隔がその間隔wとなるように互い
に平行に配置された第2の誘電体導波管線路7および第
3の誘電体導波管線路8に高周波信号の伝送方向が平行
となるように接続し、第1の誘電体導波管線路6から第
2の誘電体導波管線路7と第3の誘電体導波管線路8と
に高周波信号を分岐することにより、誘電体導波管線路
の幅aは第1の誘電体導波管線路6の幅dから接続用誘
電体導波管線路9の幅wに変化するので、単純なT分岐
において誘電体導波管線路の幅aが第1の誘電体導波管
線路6の幅dから接続用誘電体導波管線路9の幅2d≪
a<∞に変化するのに比較して分岐部における特性イン
ピーダンスの不整合を小さくでき、分岐前後で同位相の
電界の面の向きが変化しないため、分岐部での高周波信
号の反射が小さくなり、その結果、伝送損失の小さいも
のとなる。
【0048】またこの場合は、第2の誘電体導波管線路
7と第3の誘電体導波管線路8とをw−2dの間隔で離
して配置することにより、SパラメータのうちS11は幾
分劣化することとなるが、配線の自由度が高くなり、ア
イソレーション性も向上することとなる。
【0049】また、図4では図2の例と同様に第1の誘
電体導波管線路6の中心線と第2および第3の誘電体導
波管線路7・8の中心線とを一致させた例を示してお
り、このような場合は、第1の誘電体導波管線路6から
接続用貫通導体群4e(接続用誘電体導波管線路9)を
介しての第2および第3の誘電体導波管線路7・8への
電磁波の伝播のし易さはほぼ同じとなり、分岐後の電力
比はほぼ1:1の等分岐となる。
【0050】これに対し、分岐後の電力比を不等分岐と
できる、請求項2に係る発明の誘電体導波管線路の分岐
構造の他の例を図5に図3と同様の平面図で示す。
【0051】図5の例においては、図3および図4と同
様の箇所には同じ符号を付してあり、第1の誘電体導波
管線路6の中心線10を第2の誘電体導波管線路7および
第3の誘電体導波管線路8の中心線11’と一致した位置
から第2の誘電体導波管線路7寄りに信号伝送方向に直
角に距離h(0<h<d/2)だけ移動させたことを除
き図4と同様である。
【0052】このような構成によれば、第1の誘電体導
波管線路6から接続用貫通導体群4e(接続用誘電体導
波管線路9)を介しての第2の誘電体導波管線路7およ
び第3の誘電体導波管線路8への特性インピーダンス
は、中心線10と中心線11’とが一致している場合に比べ
てほとんど変化しないが、電磁波は距離hの大きさに応
じて第2の誘電体導波管線路7の方により伝播し易くな
る。従って、分岐前の第1の誘電体導波管線路6から第
2の誘電体導波管線路7と第3の誘電体導波管線路8に
分岐したときの分岐後の電力比が1:1の等分岐ではな
くなり、第1の誘電体導波管線路6の中心線10を移動さ
せる距離hを適当に選ぶことにより任意の電力比とする
ことができる。
【0053】なお、図4および図5中にLで示した接続
用貫通導体群4e(接続用誘電体導波管線路9)の信号
伝送方向の長さも0<L≦dが好適であり、接続用貫通
導体群4e(接続用誘電体導波管線路9)における貫通
導体の繰り返し間隔も高周波信号の遮断波長の2分の1
以下とすることが望ましい。また、接続用貫通導体群4
eは第1の誘電体導波管線路6の先端と第2および第3
の誘電体導波管線路7・8の先端の両端とを直線状に接
続するように配設してもよく、あるいは円弧状に接続す
るように配設してもよい。
【0054】次に、請求項3に係る発明の誘電体導波管
線路の分岐構造の実施の形態の一例を図6に平面図で示
す。図6の構成は第3の誘電体導波管線路8の中、すな
わち2列の貫通導体群4c・4dの間に貫通導体12を設
けたことを除き図2と同様であり、図2と同様の箇所に
は同じ符号を付してある。
【0055】このような構成によれば、第3の誘電体導
波管線路8の特性インピーダンスが第1の誘電体導波管
線路6および第2の誘電体導波管線路7と比較して大き
くなり、第3の誘電体導波管線路8の遮断周波数が高く
なる。そのため、導波管の最低次のTE10モードについ
て考えると第1の誘電体導波管線路6から伝播してきた
電磁波は第2の誘電体導波管線路7の遮断周波数から第
3の誘電体導波管線路8の遮断周波数までの周波数では
第2の誘電体導波管線路7のみに伝播し、また第3の誘
電体導波管線路8の遮断周波数以上では第2の誘電体導
波管線路7と第3の誘電体導波管線路8の両方に電磁波
が伝播することとなり、高次モードが発生する周波数以
下では高周波数になるほど第3の誘電体導波管線路8に
電磁波が伝播し易くなる。従って、分岐前の第1の誘電
体導波管線路6を第2の誘電体導波管線路7と第3の誘
電体導波管線路8に分岐したとき分岐後の電力比が1:
1の等分岐ではなくなり、第3の誘電体導波管線路8に
設ける貫通導体12の位置と本数を適当に選ぶことにより
任意の電力比とすることができる。
【0056】また、請求項3に係る発明の誘電体導波管
線路の分岐構造の実施の形態の他の例を図7に平面図で
示す。図7の構成は、第3の誘電体導波管線路8の中に
貫通導体12を設けたことを除き図4と同様であり、図4
と同様の箇所には同じ符号を付してある。
【0057】このような構成によれば、第3の誘電体導
波管線路8の特性インピーダンスが第1の誘電体導波管
線路6および第2の誘電体導波管線路7と比較して大き
くなり、第3の誘電体導波管線路8の遮断周波数が高く
なるため、第1の誘電体導波管線路6から伝播してきた
電磁波は第2の誘電体導波管線路7の遮断周波数から第
3の誘電体導波管線路8の遮断周波数までの周波数では
第2の誘電体導波管線路7のみに伝播し、また第3の誘
電体導波管線路8の遮断周波数以上では第2の誘電体導
波管線路7と第3の誘電体導波管線路8の両方に電磁波
が伝播することとなり、高周波数になるほど第3の誘電
体導波管線路8に電磁波が伝播し易くなる。従って、分
岐前の第1の誘電体導波管線路6を第2の誘電体導波管
線路7と第3の誘電体導波管線路8に分岐したとき、分
岐後の電力比が1:1の等分岐ではなくなり、第3の誘
電体導波管線路8中に設ける貫通導体12の位置と本数を
適当に選ぶことにより任意の電力比とすることができ
る。
【0058】なお、図6および図7の構成において、貫
通導体12は第3の誘電体導波管線路8のより内部の位置
に設けてもよく、第2の誘電体導波管線路7の中、すな
わち2列の貫通導体群4b・4dの間に設けてもよく、
第2および第3の誘電体導波管線路7・8の両方の中に
設けてもよい。また、第1の誘電体導波管線路6の中心
線と第2および第3の誘電体導波管線路7・8の中心線
とをずらせることと組み合わせて、任意の電力比とする
ようにしてもよい。
【0059】
【実施例】〔例1〕図2に示した構成の請求項1に係る
発明の誘電体導波管線路の分岐構造について、中心線を
一致させた分岐を含む伝送線路の伝送特性を有限要素法
により計算した。導体層2および貫通導体3の材料には
導電率が5.8 ×107 (1/Ωm)の純銅を用い、誘電体
基板1には比誘電率が5で誘電正接が0.001 のホウ珪酸
ガラス75重量%とアルミナ25重量%とを焼成して作製し
たガラスセラミックス焼結体を用い、誘電体基板1の厚
みa=0.62mm、貫通導体3の直径を0.1 mm、貫通導
体群4の繰り返し間隔p=0.25mm、貫通導体群4の一
定の幅d=1.2 mmとし、第1〜第3の誘電体導波管線
路6〜8の長さはそれぞれ2.25mmとして、Sパラメー
タの周波数特性を算出した。
【0060】その結果を図8に線図で示す。図8におい
て横軸は周波数(GHz)、縦軸はSパラメータのうち
S11・S21・S31の値(dB)を示し、図中の特性曲線
は各Sパラメータの周波数特性を表している。この結果
より、遮断周波数は理論値とほぼ同じ約42GHzとな
り、それ以上の周波数では信号が良好に透過することが
分かる。また、S21とS31の比率は計算した周波数範囲
内でほぼ一定で1:1となっている。
【0061】〔例2〕図3に示した構成の請求項1に係
る発明の誘電体導波管線路の分岐構造について、中心線
をずらせた分岐を含む伝送線路の伝送特性を有限要素法
により計算した。導体層2および貫通導体3の材料には
導電率が5.8 ×107 (1/Ωm)の純銅を用い、誘電体
基板1には比誘電率が5で誘電正接が0.001 のホウ珪酸
ガラス75重量%とアルミナ25重量%とを焼成して作製し
たガラスセラミックス焼結体を用い、誘電体基板1の厚
みa=0.62mm、貫通導体3の直径を0.1 mm、貫通導
体群4の繰り返し間隔p=0.25mm、貫通導体群4の一
定の幅d=1.2 mm、中心線の移動の距離h=0.15mm
とし、線路の長さは2.25mmとしてSパラメータの周波
数特性を算出した。
【0062】その結果を図9に線図で示す。図9におい
て横軸は周波数(GHz)、縦軸はSパラメータのうち
S11・S21・S31の値(dB)を示し、図中の特性曲線
は各Sパラメータの周波数特性を表している。
【0063】この結果より、遮断周波数は理論値とほぼ
同じ約42GHzとなり、それ以上の周波数では信号が良
好に透過することが分かる。また、S21とS31の比率は
計算した周波数範囲内でほぼ一定で5:1となってい
る。
【0064】なお、各請求項に係る発明は以上の実施の
形態の例に限定されるものではなく、各発明の要旨を逸
脱しない範囲で種々の変更や改良を加えることは何ら差
し支えない。例えば、第1・第2および第3の誘電体導
波管線路の幅をそれぞれ別の値としてもよい。
【0065】
【発明の効果】以上詳述した通り、各請求項に係る発明
の誘電体導波管線路の分岐構造によれば、いずれの構成
によっても分岐部前後の誘電体導波管線路の特性インピ
ーダンスの不整合を小さくできるため分岐部での高周波
信号の反射が小さくなり、しかも高周波信号の分岐部に
おける伝播モードに乱れが生じることがないため、伝送
損失の小さい誘電体導波管線路路の分岐構造とすること
ができた。
【0066】以上により、各請求項に係る発明によれ
ば、誘電体基板内に形成でき、高周波信号の電磁波の放
射・漏洩が無く、伝送損失が小さい良好な伝送特性を有
する誘電体導波管線路の分岐構造を提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)はそれぞれ本発明に係る誘
電体導波管線路の例を説明するための概略斜視図であ
る。
【図2】請求項1に係る発明の誘電体導波管線路の分岐
構造の実施の形態の一列を説明するための平面図であ
る。
【図3】請求項1に係る発明の誘電体導波管線路の分岐
構造の実施の形態の他の例を説明するための平面図であ
る。
【図4】請求項2に係る発明の誘電体導波管線路の分岐
構造の実施の形態の一例を説明するための平面図であ
る。
【図5】請求項2に係る発明の誘電体導波管線路の分岐
構造の実施の形態の他の例を説明するための平面図であ
る。
【図6】請求項3に係る発明の誘電体導波管線路の分岐
構造の実施の形態の一例を説明するための平面図であ
る。
【図7】請求項3に係る発明の誘電体導波管線路の分岐
構造の実施の形態の他の例を説明するための平面図であ
る。
【図8】請求項1に係る発明の誘電体導波管線路の分岐
構造におけるSパラメータの周波数特性を示す線図であ
る。
【図9】請求項1に係る発明の誘電体導波管線路の分岐
構造におけるSパラメータの周波数特性を示す線図であ
る。
【符号の説明】
1・・・・・誘電体基板 2・・・・・導体層 3・・・・・貫通導体 4、4a、4b、4c、4d、4d2、4d3・・・貫
通導体群 4e・・・・接続用貫通導体群 4f・・・・補助接続用貫通導体群 5・・・・・補助導体層 6・・・・・第1の誘電体導波管線路 7・・・・・第2の誘電体導波管線路 8・・・・・第3の誘電体導波管線路 12・・・・・貫通導体 d・・・・・一定の幅(貫通導体群間の幅) w・・・・・貫通導体群4b・4c同士の間隔
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−53711(JP,A) 特開 平8−139505(JP,A) 特開 平8−139504(JP,A) 特開 昭58−94202(JP,A) 欧州特許出願公開677885(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 3/12 H01P 5/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板を挟持する一対の導体層と、
    高周波信号の伝送方向に前記高周波信号の遮断波長の2
    分の1以下の繰り返し間隔で、かつ前記伝送方向と直交
    する方向に一定の幅dで前記導体層間を電気的に接続す
    るよう形成された2列の貫通導体群と、前記一対の導体
    層間の前記2列の貫通導体群から外側に形成され、該貫
    通導体群の各列を形成する貫通導体同士をそれら貫通導
    体の途中で電気的に接続する補助導体層とを具備し、前
    記導体層、前記貫通導体群および前記補助導体層に囲ま
    れた領域によって高周波信号を伝送する第1乃至第3の
    誘電体導波管線路を、該第2および第3の誘電体導波管
    線路を一方の列の貫通導体群を共有させて配置し、かつ
    その先端と前記第1の誘電体導波管線路の先端とを各誘
    電体導波管線路の高周波信号の伝送方向が平行となるよ
    うに対向させて、前記第1の誘電体導波管線路の先端と
    前記第2および第3の誘電体導波管線路の先端の両端と
    の間を接続用貫通導体群で接続したことを特徴とする誘
    電体導波管線路の分岐構造。
  2. 【請求項2】 誘電体基板を挟持する一対の導体層と、
    高周波信号の伝送方向に前記高周波信号の遮断波長の2
    分の1以下の繰り返し間隔で、かつ前記伝送方向と直交
    する方向に一定の幅dで前記導体層間を電気的に接続す
    るよう形成された2列の貫通導体群と、前記一対の導体
    層間の前記2列の貫通導体群から外側に形成され、該貫
    通導体群の各列を形成する貫通導体同士をそれら貫通導
    体の途中で電気的に接続する補助導体層とを具備し、前
    記導体層、前記貫通導体群および前記補助導体層に囲ま
    れた領域によって高周波信号を伝送する第1乃至第3の
    誘電体導波管線路を、該第2および第3の誘電体導波管
    線路を先端を揃えて外側の前記貫通導体群同士の間隔w
    が前記一定の幅dに対して2d<w≦3dとなるように
    平行に配置するとともに隣り合う列の貫通導体群の先端
    間を補助接続用貫通導体群で接続し、かつその先端と前
    記第1の誘電体導波管線路の先端とを各誘電体導波管線
    路の高周波信号の伝送方向が平行となるように対向させ
    て、前記第1の誘電体導波管線路の先端と前記第2およ
    び第3の誘電体導波管線路の先端の両端との間を接続用
    貫通導体群で接続したことを特徴とする誘電体導波管線
    路の分岐構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の誘電体導
    波管線路の分岐構造において、前記第2および第3の誘
    電体導波管線路の少なくとも一方の前記2列の貫通導体
    群の間に分岐後の電力比調整用の貫通導体を形成したこ
    とを特徴とする誘電体導波管線路の分岐構造。
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