JP3517143B2 - 誘電体導波管線路と高周波用線路導体との接続構造 - Google Patents

誘電体導波管線路と高周波用線路導体との接続構造

Info

Publication number
JP3517143B2
JP3517143B2 JP01300499A JP1300499A JP3517143B2 JP 3517143 B2 JP3517143 B2 JP 3517143B2 JP 01300499 A JP01300499 A JP 01300499A JP 1300499 A JP1300499 A JP 1300499A JP 3517143 B2 JP3517143 B2 JP 3517143B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor
line
frequency
dielectric waveguide
dielectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP01300499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000216605A (ja
Inventor
敏史 清原
弘志 内村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP01300499A priority Critical patent/JP3517143B2/ja
Publication of JP2000216605A publication Critical patent/JP2000216605A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3517143B2 publication Critical patent/JP3517143B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波帯やミ
リ波帯等の高周波信号を伝送する伝送線路である誘電体
導波管線路と、マイクロストリップ線路等の高周波用線
路導体とを低損失で接続できる、誘電体導波管線路と高
周波用線路導体との接続構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、マイクロ波帯やミリ波帯等の高周
波信号を用いた移動体通信および車間レーダ等の研究が
盛んに進められている。これらの高周波回路において高
周波信号を伝送するための高周波用伝送線路としては、
従来より、同軸線路や導波管・誘電体導波管線路・マイ
クロストリップ線路やストリップ線路等の高周波用線路
導体などが知られている。 【0003】最近では、高周波回路を構成する配線回路
内には種類の異なる高周波線路が複数配置されるため
に、これら高周波線路相互間の接続技術が重要となって
おり、その接続構造について様々な構造が提案されてい
る。 【0004】例えば、導波管または誘電体導波管と同軸
線路との接続構造では、同軸線路の信号線を導波管内に
挿入して高周波的に結合することによって接続される。 【0005】また、導波管とマイクロストリップ線路と
の接続構造では、導波管とマイクロストリップ線路とを
直交させて接続する場合には、マイクロストリップ線路
が形成された誘電体基板を導波管内に挿入する構造が用
いられる。また、導波管とマイクロストリップ線路とを
平行な方向で接続する場合には、マイクロストリップ線
路の線路導体を、接続する端部へ向かって曲線状に狭く
したいわゆるリッジ導波管の内部に挿入する構造が知ら
れている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】最近に至り、高周波線
路を高周波回路が構成される基板上または基板内に形成
すると小型化の点で有利となることから、多層構造の配
線基板内に誘電体導波管線路を積層技術によって形成す
ることが望まれるようになっている。例えば、特開平6
−53711 号においては、誘電体基板を一対の主導体層で
挟み、さらに導体層間を接続する2列に配設されたビア
ホール群によって側壁を形成した導波管線路が提案され
ている。この導波管線路は、誘電体材料の四方を一対の
主導体層とビアホール群による擬似的な導体壁で囲むこ
とによって導体壁内の領域を信号伝送用の線路としたも
のである。 【0007】このような多層配線基板の内部に配設され
る積層型の誘電体導波管線路を、主にマイクロ波および
ミリ波用のセラミック多層配線基板あるいは高周波用半
導体パッケージの伝送線路として用いる上では、他の高
周波回路との接続が必要になる。 【0008】これに対し、積層型の誘電体導波管線路と
マイクロストリップ線路との接続構造としては、図4に
斜視図で概略構成を示すような、誘電体導波管線路の主
導体層に設けたスロット孔による電磁的な結合を用いた
接続構造が提案されている。 【0009】図4によれば、誘電体基板1を一対の主導
体層2・3で挟み、さらに主導体層2・3間を接続する
2列に配設されたビアホール群等の貫通導体群によって
形成された側壁4とで構成される前述の積層型の誘電体
導波管線路5に対し、その一方の主導体層2に電磁結合
用のスロット孔6を形成し、これによって、多層配線基
板7等の上に形成されたマイクロストリップ線路等の高
周波線路の線路導体8と誘電体導波管線路5とを電磁的
に結合して接続するものである。 【0010】この接続構造によれば、主導体層2の一部
にスロット孔6を形成することにより容易に他の高周波
用線路導体と電磁結合することができる。しかも、かか
る接続構造を有する高周波用線路導体8を形成した多層
配線基板7ならびに誘電体導波管線路5は、いずれも従
来のセラミック積層技術を応用して容易に作製すること
ができる。 【0011】しかしながら、このような積層型の誘電体
導波管線路5と高周波用線路導体8との接続構造では、
誘電体導波管線路5の上部に高周波用線路導体8が形成
された多層配線基板7を積層しているため、接続部全体
の厚みが増すこととなってしまい、接続構造全体を小型
化することが困難であるという問題点があった。 【0012】しかも、誘電体導波管線路5と、スロット
孔6を介して誘電体導波管線路5に接続される高周波用
線路導体8との特性インピーダンスは一般には一致しな
いため、接続部において特性インピーダンスの不一致に
よる高周波信号の反射が発生し、同時に透過特性も劣化
することとなるという問題点があった。 【0013】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みて案
出されたものであり、その目的は、積層型の誘電体導波
管線路と、他のマイクロストリップ線路やストリップ線
路・高周波線路等の高周波用線路導体とを、両者の特性
インピーダンスが異なるものであっても良好な特性で接
続することができる誘電体導波管線路と高周波用線路導
体との接続構造を提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
に対して検討を重ねた結果、誘電体導波管線路と高周波
用線路導体とを接続する構造において、高周波用線路導
体を誘電体導波管線路の端部に挿入し、その挿入部から
接続用貫通導体と接続用線路導体とによって階段状を成
すようにして高周波用線路導体の端部を誘電体導波管線
路の主導体層に電気的に接続することにより、接続部の
厚みが薄い構造で、しかも優れた透過特性が得られるこ
とを見出した。 【0015】本発明の誘電体導波管線路と高周波用線路
導体との接続構造は、誘電体基板を上下から挟持する一
対の主導体層と、高周波信号の伝送方向に信号波長の2
分の1未満の繰り返し間隔で、かつ前記伝送方向と直交
する方向に所定の幅で前記主導体層間を電気的に接続し
て形成された2列の側壁用貫通導体群と、前記主導体層
間に主導体層と平行に形成され、前記側壁用貫通導体群
と電気的に接続された副導体層とを具備して成り、前記
主導体層、側壁用貫通導体群および副導体層に囲まれた
領域によって高周波信号を伝送する誘電体導波管線路の
開口端に、前記高周波信号を伝送する高周波用線路導体
の端部を挿入するとともに、この高周波用線路導体の端
部と前記主導体層の一方とを、前記高周波用線路導体と
同じ伝送方向で平行に配設された、前記高周波用線路導
体の前記端部の前記開口端に挿入された長さと同じ長さ
の接続用線路導体と、この接続用線路導体の端部に直交
して配設された接続用貫通導体とにより階段状を成すよ
うに電気的に接続したことを特徴とするものである。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の誘電体導波管線路
と高周波用線路導体との接続構造について図面を参照し
ながら説明する。 【0017】図1は、本発明の誘電体導波管線路と高周
波用線路導体との接続構造の実施の形態の一例を示す部
分破断斜視図である。 【0018】図1において、11は誘電体基板、12および
13は誘電体基板11を上下から挟持する一対の主導体層、
14は信号伝送方向に信号波長の2分の1未満の繰り返し
間隔で、かつ信号伝送方向と直交する方向に所定の幅で
一対の主導体層12・13間を電気的に接続するようにして
形成された2列の側壁用貫通導体群である。また、15は
側壁用貫通導体群14の各列を形成する貫通導体同士を電
気的に接続する、主導体層12・13と平行に形成された副
導体層である。これら主導体層12・13と側壁用貫通導体
群14および副導体層15に囲まれた領域によって、高周波
信号を伝送する誘電体導波管線路16を構成する。 【0019】一方、20はマイクロストリップ線路やスト
リップ線路・高周波線路等の高周波用線路導体であり、
図示しない誘電体基板上や多層配線基板内に形成されて
誘電体導波管線路16と接続される。その誘電体基板や多
層配線基板等は、その一部を誘電体導波管線路16の誘電
体基板11の一部と共有させてもよい。 【0020】そして、17は接続用貫通導体、18は接続用
線路導体であり、接続用線路導体18は高周波用線路導体
20と同じ伝送方向で平行に配設され、接続用貫通導体17
は接続用線路導体18の端部に直交して配設されており、
これら接続用貫通導体17と接続用線路導体18とによって
階段状を成すようにして、誘電体導波管線路16の開口端
に挿入した高周波用線路導体20の端部と誘電体導波管線
路16の一方の主導体層12とを電気的に接続している。 【0021】また、この接続部分の接続用貫通導体17と
接続用線路導体18とで階段状の変換器19を構成してい
る。これにより、接続部の誘電体導波管線路16において
上下の主導体層12・13間の間隔を狭くしたいわゆるリッ
ジ導波管を階段状に構成することとなり、誘電体導波管
線路16と高周波用線路導体20との特性インピーダンスが
異なる場合に、変換器19が両者の特性インピーダンス整
合を行なうインピーダンス変換器として機能するため、
接続部における高周波信号の反射損失を低減し、良好な
透過特性の接続構造となる。 【0022】すなわち、高周波用線路導体20の端部は誘
電体導波管線路16の開口端からその内部に挿入されてお
り、挿入された高周波用線路導体20の端部は、接続用貫
通導体17および接続用線路導体18によって構成された階
段状の変換器19とともにリッジ導波管として働き、高周
波信号の反射を低減させる作用をなす。このような変換
器19を用いて特性インピーダンスの異なる誘電体導波管
線路16と高周波用線路導体20とを低反射の状態で接続さ
せるための特性インピーダンス調整は、変換器19を構成
する誘電体基板の厚みや、接続用貫通導体17および接続
用線路導体18の長さ等で調整可能である。 【0023】図1の例では、誘電体基板11を3層構造の
ものとして誘電体導波管線路16を構成し、接続用線路導
体18は1層の線路導体で形成されているが、誘電体基板
11をより多層構成とすることにより、変換部19の段数を
2段・3段・4段・5段…と増すことも可能である。こ
のように変換部19の段数を増すと、より効果的にインピ
ーダンスのマッチングをとることができる。 【0024】また、接続用貫通導体17は、その間隔を信
号波長の2分の1より小さくしていくと電磁波の漏れは
なくなるため、接続用貫通導体17同士の間隔は信号波長
の2分の1未満であることが望ましい。接続用貫通導体
17は図1の例では1列に配設したが、複数列であっても
良い。また、いわゆる千鳥状に配置しても良い。 【0025】なお、図1においては、表示の都合上、誘
電体基板11は省略して図示しているが、これらの構造は
通常は誘電体基板11中に形成されるものである。また、
誘電体導波管線路16の内部の構造が分かるように、主導
体層12の一部は破断して示している。 【0026】図1に示すように、所定の厚みCの誘電体
基板11を挟持する位置に一対の主導体層12・13が形成さ
れており、主導体層12・13は誘電体基板11の少なくとも
伝送線路形成位置を挟む上下面に形成されている。ま
た、主導体層12・13間には主導体層12と13とを電気的に
接続するスルーホール導体やビア導体等の貫通導体が多
数設けられ、これら多数の貫通導体により2列の側壁用
貫通導体群14を形成している。 【0027】2列の側壁用貫通導体群14は、高周波信号
の伝送方向すなわち線路形成方向に信号波長の2分の1
未満(望ましくは4分の1以下)の所定の繰り返し間隔
(ピッチ)Bで、かつ伝送方向と直交する方向に所定の
間隔(幅)Aをもって形成されている。これにより、こ
の誘電体導波管線路16における電気的な側壁を形成して
いる。 【0028】ここで、誘電体基板11の厚みすなわち一対
の主導体層12・13間の間隔Cに対する制限は特にない
が、シングルモードで用いる場合には側壁用貫通導体群
14の幅Aに対して2分の1程度または2倍程度とするこ
とがよい。図1の例では誘電体導波管16のH面に当たる
部分が主導体層12・13で、E面に当たる部分が側壁用貫
通導体群14および副導体層15でそれぞれ形成される。ま
た、側壁用貫通導体群14の幅Bに対して誘電体基板11の
厚みを2倍程度とすれば、誘電体導波管線路16のE面に
当たる部分が主導体層12・13で、H面に当たる部分が側
壁用貫通導体群14および副導体層15でそれぞれ形成され
ることとなる。 【0029】また、貫通導体の繰り返し間隔Bが信号波
長の2分の1未満の間隔に設定されることで、側壁用貫
通導体群14により電気的な壁が形成できる。この間隔B
は、望ましくは信号波長の4分の1以下である。 【0030】平行に配置された一対の主導体層12・13間
にはTEM波が伝播できるため、側壁用貫通導体群14の
各列における貫通導体の繰り返し間隔Bが信号波長λの
2分の1(λ/2)よりも大きいと、その隙間がスロッ
トとして作用して電磁波が漏れるので、この誘電体導波
管線路16に電磁波を給電しても電磁波は側壁用貫通導体
群14の間から漏れてしまい、ここで作られる疑似的な導
波管線路に沿って伝播しない。しかし、その間隔Bがλ
/2より小さいと、電気的な側壁を形成することとなっ
て電磁波は誘電体導波管線路16に対して垂直方向に伝播
することができず、反射しながら誘電体導波管線路16の
信号伝送方向に伝播される。その結果、図1のような構
成によれば、一対の主導体層12・13と2列の側壁用貫通
導体群14および副導体層16とによって囲まれる断面積が
A×Cのサイズの領域が誘電体導波管線路16となる。 【0031】なお、図1に示した例では側壁用貫通導体
群14は2列に形成したが、この側壁用貫通導体群14を4
列あるいは6列に配設して、側壁用貫通導体群14による
疑似的な導体壁を2重・3重に形成することにより、導
体壁からの電磁波の漏れをより効果的に防止することも
できる。 【0032】このような誘電体導波管線路16によれば、
誘電体導波管による伝送線路となるので、誘電体基板11
の比誘電率をεr とするとその導波管サイズは通常の導
波管の1/√εr の大きさになる。従って、誘電体基板
11を構成する材料の比誘電率εr を大きいものとするほ
ど導波管サイズを小さくすることができて高周波回路の
小型化を図ることができ、高密度に配線が形成される多
層配線基板または半導体素子収納用パッケージあるいは
車間レーダの伝送線路としても利用可能な大きさの誘電
体導波管線路16とすることができる。 【0033】なお、側壁用貫通導体群14を構成する貫通
導体は前述のように信号波長の2分の1未満の繰り返し
間隔で配設されており、この繰り返し間隔は良好な伝送
特性を実現するためには一定の繰り返し間隔とすること
が望ましいが、信号波長の2分の1未満の間隔であれ
ば、適宜変化させたりいくつかの値を組み合わせたりし
てもよい。 【0034】このような誘電体導波管線路16を構成する
誘電体基板11としては、誘電体として機能し高周波信号
の伝送を妨げることのない特性を有するものであればと
りわけ限定するものではないが、伝送線路を形成する際
の精度および製造の容易性の点からは、誘電体基板11は
セラミックスから成ることが望ましい。 【0035】このようなセラミックスとしてはこれまで
様々な比誘電率を持つセラミックスが知られているが、
本発明に係る誘電体導波管線路によって高周波信号を伝
送するためには常誘電体であることが望ましい。これ
は、一般に強誘電体セラミックスは高周波領域では誘電
損失が大きく伝送損失が大きくなるためである。従っ
て、誘電体基板11の比誘電率εr は4〜100 程度が適当
である。 【0036】また、一般に多層配線基板や半導体素子収
納用パッケージあるいは車間レーダに形成される配線層
の線幅は最大でも1mm程度であることから、比誘電率
が100 の材料を用い、上部がH面すなわち磁界が上側の
面に平行に巻く電磁界分布になるように用いた場合は、
用いることのできる最小の周波数は15GHzと算出さ
れ、マイクロ波帯の領域でも利用可能となる。 【0037】一方、一般的に誘電体基板11として用いら
れる樹脂からなる誘電体は、比誘電率εr が2程度であ
るため、線幅が1mmの場合は約100 GHz以上でない
と利用することができないものとなる。 【0038】また、このような常誘電体セラミックスの
中にはアルミナやシリカ等のように誘電正接が非常に小
さなものが多いが、全ての常誘電体セラミックスが利用
可能であるわけではない。誘電体導波管線路の場合は導
体による損失はほとんどなく、信号伝送時の損失のほと
んどは誘電体による損失である。その誘電体による損失
α(dB/m)は次のように表わされる。 α=27.3×tanδ/〔λ/{1−(λ/λc )2
1/2 〕 式中、tanδ:誘電体の誘電正接 λ :誘電体中の波長 λc :遮断波長 規格化された矩形導波管(WRJシリーズ)形状に準ず
ると、上式中の{1−(λ/λc )2 1/2 は0.75程度
である。 【0039】従って、実用に供し得る伝送損失である−
100 dB/m以下にするには、次の関係が成立するよう
に誘電体を選択することが必要である。 f×εr 1/2 ×tanδ≦0.8 式中、fは使用する高周波信号の周波数(GHz)であ
る。 【0040】このような誘電体基板11としては、例えば
アルミナセラミックスや窒化アルミニウムセラミックス
・ガラスセラミックス等がある。これらによる誘電体基
板11は、例えばセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤
・溶媒を添加混合して泥漿状になすとともに、これを従
来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等を
採用してシート状となすことによって複数枚のセラミッ
クグリーンシートを得て、しかる後、これらセラミック
グリーンシートの各々に適当な打ち抜き加工を施すとと
もにこれらを積層し、アルミナセラミックスの場合は15
00〜1700℃、ガラスセラミックスの場合は850 〜1000
℃、窒化アルミニウムセラミックスの場合は1600〜1900
℃の温度で焼成することによって製作される。 【0041】また、一対の主導体層12・13および副導体
層15、ならびに高周波用線路導体20および接続用線路導
体18は、例えば誘電体基板11がアルミナセラミックスか
ら成る場合には、タングステン等の金属粉末に適当なア
ルミナ・シリカ・マグネシア等の酸化物や有機溶剤・溶
媒等を添加混合してペースト状にしたものを用いて厚膜
印刷法により少なくとも伝送線路を完全に覆うようにセ
ラミックグリーンシート上に印刷し、しかる後、約1600
℃の高温で焼成し、厚み5〜15μm程度となるようにし
て形成する。なお、金属粉末としては、ガラスセラミッ
クスの場合は銅・金・銀が、窒化アルミニウムセラミッ
クスの場合はタングステン・モリブデンが好適である。
また、主導体層12・13および副導体層15の厚みは一般的
に5〜50μm程度とされる。 【0042】また、側壁用貫通導体群14ならびに接続
用貫通導体17を構成する貫通導体は、例えばビアホール
導体やスルーホール導体等により形成すればよい。その
断面形状は製作が容易な円形の他、矩形や菱形等の多角
形であってもよい。これら貫通導体は、例えばセラミッ
クグリーンシートに打ち抜き加工を施して作製した貫通
孔に主導体層12・13等と同様の金属ペーストを埋め込
み、しかる後、誘電体基板11等と同時に焼成して形成す
る。なお、貫通導体は直径50〜300 μmが適当である。 【0043】 【実施例】次に、本発明の誘電体導波管線路と高周波用
線路導体との接続構造の具体例について説明する。 【0044】図2は本発明の誘電体導波管線路と高周波
用線路導体との接続構造の実施の形態の一例の概略構成
を示す斜視図であり、図1と同様の箇所には同じ符号を
付してあり、誘電体基板11は表示を省略してある。ま
た、理解を容易にするために側壁を形成するための側壁
用貫通導体群14および副導体層15については等価的な側
壁で表現し、誘電体導波管線路16は輪郭で表示してい
る。 【0045】この例の場合は、誘電体基板に比誘電率ε
r が4.8 のセラミックス材料を用い、誘電体導波管線路
16の断面のサイズを1.5 mm×0.6 mm、高周波用線路
導体20としてのマイクロストリップ線路の線路幅を0.26
7 mmとした。また、誘電体導波管線路16は厚みが0.15
mmの誘電体基板を4枚積層して構成した。 【0046】この例ではマイクロストリップ線路の上部
は空気とされ、その線路導体20の端部は誘電体導波管線
路16の開口端に0.279mm挿入されている。変換器19
は、0.15mm間隔で接続用線路導体18を2層形成し、各
線路導体18の端部同士および高周波用線路導体20の端部
ならびに誘電体導波管線路16の主導体層12との間を接続
用貫通導体17で電気的に接続した。このとき、1層目お
よび2層目の接続用線路導体18は、いずれも幅0.267m
m・長さ0.279mmとした。また、接続用貫通導体17は
直径0.1mm・長さ0.15mmとした。これにより、誘電
体導波管線路16の開口端に挿入された高周波用線路導体
20の端部は、複数の接続用貫通導体17および複数の接続
用線路導体18を経て誘電体導波管線路16の主導体層12と
電気的に接続されている。 【0047】そして、この例ならびに変換部19(接続用
貫通導体17および接続用線路導体18)を設けなかった比
較例につき、接続構造の反射係数S11をネットワーク・
アナライザにより測定して求めた。その結果を図3に示
す。 【0048】図3は誘電体導波管線路の高周波用線路導
体との接続構造における反射係数S11の周波数特性を示
す線図であり、横軸は周波数(単位:GHz)を、縦軸
は反射係数S11(単位:dB)を表わし、反射係数S11
の周波数特性を示す特性曲線のうちAは比較例の特性
を、Bは本発明の実施例の特性を示している。 【0049】図3の結果より、変換部が無い比較例の結
果Aにおいては反射係数S11は−6dB程度までにしか
ならなかったのに対し、本発明の接続構造の結果Bによ
れば、接続用貫通導体および接続用線路導体から成る変
換部を設けることにより、反射係数S11が−20dB以下
の良好な特性が得られたことが分かる。このことは、本
発明の接続構造にかかる変換部(接続用貫通導体および
接続用線路導体)により、誘電体導波管線路と高周波用
線路導体との特性インピーダンスのマッチングが行なわ
れていることを示すものである。 【0050】 【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の誘電体導波
管線路と高周波用線路導体との接続構造によれば、誘電
体導波管線路の開口端に高周波用線路導体の端部を挿入
し、その端部と誘電体導波管線路の主導体層の一方と
を、高周波用線路導体と同じ伝送方向で平行に配設され
た、高周波用線路導体の端部の誘電体導波管線路の開口
端に挿入された長さと同じ長さの接続用線路導体と、こ
の接続用線路導体の端部に直交して配設された接続用貫
通導体とにより階段状を成すように電気的に接続したこ
とから、接続部の厚みを薄い構造とすることができて小
型化を図ることができ、しかも、接続部における高周波
信号の反射損失が小さく優れた透過特性を得ることがで
きる。さらに、誘電体導波管線路と高周波用線路導体と
の特性インピーダンスが異なる場合であっても、特性イ
ンピーダンスのマッチングをとって良好な特性で接続さ
せることができる。 【0051】しかも、本発明の誘電体導波管線路と高周
波用線路導体との接続構造は、グリーンシート積層法等
のシート積層技術により容易に作製することができるの
で、生産性が高く安価に製造することができる。 【0052】以上により、本発明によれば、積層型の誘
電体導波管線路と、他のマイクロストリップ線路やスト
リップ線路・高周波線路等の高周波用線路導体とを、両
者の特性インピーダンスが異なるものであっても良好な
特性で接続することができる誘電体導波管線路と高周波
用線路導体との接続構造を提供することができた。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の誘電体導波管線路と高周波用線路導体
との接続構造の実施の形態の一例を示す部分破断斜視図
である。 【図2】本発明の誘電体導波管線路と高周波用線路導体
との接続構造の実施の形態の一例の概略構成を示す斜視
図である。 【図3】誘電体導波管線路と高周波用線路導体との接続
構造における反射損失の周波数特性を示す線図である。 【図4】従来の誘電体導波管線路と高周波用線路導体と
の接続構造の例の概略構成を示す斜視図である。 【符号の説明】 11・・・・・誘電体基板 12、13・・・主導体層 14・・・・・側壁用貫通導体群 15・・・・・副導体層 16・・・・・誘電体導波管線路 17・・・・・接続用貫通導体 18・・・・・接続用線路導体 20・・・・・高周波用線路導体

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 誘電体基板を上下から挟持する一対の主
    導体層と、高周波信号の伝送方向に信号波長の2分の1
    未満の繰り返し間隔で、かつ前記伝送方向と直交する方
    向に所定の幅で前記主導体層間を電気的に接続して形成
    された2列の側壁用貫通導体群と、前記主導体層間に主
    導体層と平行に形成され、前記側壁用貫通導体群と電気
    的に接続された副導体層とを具備して成り、前記主導体
    層、側壁用貫通導体群および副導体層に囲まれた領域に
    よって高周波信号を伝送する誘電体導波管線路の開口端
    に、前記高周波信号を伝送する高周波用線路導体の端部
    を挿入するとともに、該高周波用線路導体の端部と前記
    主導体層の一方とを、前記高周波用線路導体と同じ伝送
    方向で平行に配設された、前記高周波用線路導体の前記
    端部の前記開口端に挿入された長さと同じ長さの接続用
    線路導体と、該接続用線路導体の端部に直交して配設さ
    れた接続用貫通導体とにより階段状を成すように電気的
    に接続したことを特徴とする誘電体導波管線路と高周波
    用線路導体との接続構造。
JP01300499A 1999-01-21 1999-01-21 誘電体導波管線路と高周波用線路導体との接続構造 Expired - Fee Related JP3517143B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01300499A JP3517143B2 (ja) 1999-01-21 1999-01-21 誘電体導波管線路と高周波用線路導体との接続構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01300499A JP3517143B2 (ja) 1999-01-21 1999-01-21 誘電体導波管線路と高周波用線路導体との接続構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000216605A JP2000216605A (ja) 2000-08-04
JP3517143B2 true JP3517143B2 (ja) 2004-04-05

Family

ID=11821044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01300499A Expired - Fee Related JP3517143B2 (ja) 1999-01-21 1999-01-21 誘電体導波管線路と高周波用線路導体との接続構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3517143B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104009272A (zh) * 2013-02-26 2014-08-27 台扬科技股份有限公司 具有屏蔽信号耦合结构的积层式波导双工器

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3902062B2 (ja) * 2002-04-26 2007-04-04 東光株式会社 誘電体導波管の入出力構造
JP2004153367A (ja) 2002-10-29 2004-05-27 Tdk Corp 高周波モジュール、ならびにモード変換構造および方法
JP3891918B2 (ja) 2002-10-29 2007-03-14 Tdk株式会社 高周波モジュール
JP3845394B2 (ja) 2003-06-24 2006-11-15 Tdk株式会社 高周波モジュール
JP3820234B2 (ja) 2003-07-08 2006-09-13 Tdk株式会社 高周波モジュール
JP2005217601A (ja) * 2004-01-28 2005-08-11 Tdk Corp 高周波モジュール
JP3891996B2 (ja) * 2004-04-30 2007-03-14 Tdk株式会社 導波管型導波路および高周波モジュール
JP4365852B2 (ja) 2006-11-30 2009-11-18 株式会社日立製作所 導波管構造
JP4648292B2 (ja) 2006-11-30 2011-03-09 日立オートモティブシステムズ株式会社 ミリ波帯送受信機及びそれを用いた車載レーダ
WO2022004545A1 (ja) * 2020-06-30 2022-01-06 株式会社村田製作所 導波路
WO2024009339A1 (ja) * 2022-07-04 2024-01-11 三菱電機株式会社 マイクロストリップ線路-導波管変換器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104009272A (zh) * 2013-02-26 2014-08-27 台扬科技股份有限公司 具有屏蔽信号耦合结构的积层式波导双工器
CN104009272B (zh) * 2013-02-26 2017-04-12 台扬科技股份有限公司 具有屏蔽信号耦合结构的积层式波导双工器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000216605A (ja) 2000-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6515562B1 (en) Connection structure for overlapping dielectric waveguide lines
JP3996879B2 (ja) 誘電体導波管とマイクロストリップ線路の結合構造およびこの結合構造を具備するフィルタ基板
JPH11284409A (ja) 導波管型帯域通過フィルタ
JP3517143B2 (ja) 誘電体導波管線路と高周波用線路導体との接続構造
JP3464116B2 (ja) 高周波用伝送線路の結合構造およびそれを具備する多層配線基板
JP3493265B2 (ja) 誘電体導波管線路および配線基板
JP3686736B2 (ja) 誘電体導波管線路および配線基板
JPH10135714A (ja) 積層型導波管線路の結合構造
JP2001102861A (ja) 積層型開口面アレイアンテナ
JP3517148B2 (ja) 誘電体導波管線路と高周波線路導体との接続構造
JPH1174701A (ja) 誘電体導波管線路の接続構造
JP3981346B2 (ja) 誘電体導波管線路と導波管との接続構造並びにその構造を用いたアンテナ装置及びフィルター装置
JPH11308001A (ja) 誘電体導波管線路の接続構造
JP3522138B2 (ja) 誘電体導波管線路と方形導波管との接続構造
JPH11308025A (ja) 方向性結合器
JP3522120B2 (ja) 誘電体導波管線路の接続構造
JP3517140B2 (ja) 誘電体導波管線路と高周波線路との接続構造
JP3383542B2 (ja) 誘電体導波管線路の結合構造
JP3439973B2 (ja) 誘電体導波管線路の分岐構造
JP3439985B2 (ja) 導波管型帯域通過フィルタ
JP3517097B2 (ja) 誘電体導波管線路の分岐構造
JP4203404B2 (ja) 導波管構造体の分岐構造およびアンテナ基板
JP4803869B2 (ja) 誘電体導波管線路の接続構造
JP2004104816A (ja) 誘電体導波管線路および配線基板
JP3347626B2 (ja) 高周波伝送線路およびその製法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090130

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090130

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100130

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110130

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110130

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130130

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140130

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees