JP3464116B2 - 高周波用伝送線路の結合構造およびそれを具備する多層配線基板 - Google Patents

高周波用伝送線路の結合構造およびそれを具備する多層配線基板

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JP3464116B2
JP3464116B2 JP10490897A JP10490897A JP3464116B2 JP 3464116 B2 JP3464116 B2 JP 3464116B2 JP 10490897 A JP10490897 A JP 10490897A JP 10490897 A JP10490897 A JP 10490897A JP 3464116 B2 JP3464116 B2 JP 3464116B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にマイクロ波及
びミリ波等高周波の信号を伝達するための誘電体導波管
線路と、コプレーナ線路やマイクロストリップ線路など
の他の高周波用伝送線路との結合構造およびそれを具備
する多層配線基板や半導体パッケージなどの多層配線基
板に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、情報通信技術等の発達に伴い、マイ
クロ波やミリ波などの高周波信号を取り扱う電子機器の
開発が進められている。このようなマイクロ波やミリ波
の高周波信号を伝達するための線路としては、導波管、
誘電体導波管、ストリップ線路、マイクロストリップ線
路等が知られている。とりわけ、これらの高周波用伝送
線路の中でも、誘電体導波管線路は、最も高周波領域に
おける伝送損失が小さいことから、特に注目されてい
る。
【0003】この誘電体導波管線路として、例えば、生
産性の向上に優れた線路が特開平6−53711号に開
示されている。これは、図5に示すように、誘電体基板
21を一対の導体層22、23で挟み、さらに導体層2
2、23間を接続する二列の複数のバイアホール導体群
24によって側壁を形成したもので、誘電体材料の四方
を導体層22、23と側壁用バイアホール導体群24に
よる疑似的な導体壁で囲むことによって、導体壁内領域
25を信号伝達用の線路としたものである。
【0004】また、実際に、上記のような線路を配線基
板内に配設した場合、必然的に、コプレーナ線路、マイ
クロストリップ線路などの他の高周波用伝送線路と伝送
損失を抑制しながら結合させるための技術も必要とな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高周波領域で用いられ
る伝送線路に対しては、優れた伝送特性が要求され、特
に、伝送損失が少ないことが要求される。一般に、伝送
損失は、導体、誘電体および放射による損失の和で表せ
られる。図3の従来の誘電体導波管線路の場合、導体層
22、23と側壁用バイアホール導体群24による疑似
的な導体壁により囲まれているため、放射による損失は
ないものの、誘電体および導体による損失が必然的に存
在する。この構造を、例えば、誘電体基板としてセラミ
ック材料を用いて作製した場合、誘電体としては非常に
損失の小さい材料も開発されているために、このような
低損失の誘電体を用いれば誘電体による損失は低く抑え
ることができる。
【0006】しかしながら、導体は一般にメタライズ印
刷された後に同時焼成により作製されるので、導体の抵
抗は、純粋な金属に比べ大きくなり、その結果、導体損
失による伝送特性の劣化が生じると言う問題があった。
【0007】一方、高いQ値が要求される共振器系にお
いては、導体による損失を低減するために、共振器の中
央部に高誘電率材料を挿入し、電磁界を高誘電率部に集
中させることにより、導体による損失を低減できること
が知られている。この考えをそのまま応用すると、伝送
線路に対しても同様の効果が期待できる。しかしなが
ら、誘電体導波管線路に対して、コプレーナ線路等の他
の高周波用伝送線路とを結合させる場合、電磁界を中央
部に集中させると、伝送線路との結合が十分に行われに
くくなる場合があった。
【0008】従って、本発明は、回路基板あるいは半導
体パッケージなどの多層配線基板用の伝送線路として利
用可能であり、積層化技術を用いて容易に作製可能な誘
電体導波管線路を具備し、しかも導体による損失が小さ
く、他の伝送線路と効率良く結合できる高周波用伝送線
路の結合構造と、それを具備する多層配線基板を提供す
ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記の問題点
に関して検討を重ねた結果、複数の誘電体層との積層体
からなる誘電体基板と、その一表面に形成された主導体
層と側壁用バイアホール導体群によって形成される誘電
体導波管線路に対して、主導体層または主導体層側から
他の高周波伝送線路と結合させる場合において、主導体
層と直接接する誘電体層を他の誘電体層よりも高誘電率
化することにより、他の高周波伝送線路形成側に電磁界
を集中させることができる結果、他の高周波伝送線路と
の結合性が良くなり、しかも、従来の誘電体導波管線路
における他方の主導体層が不要となるために主導体層に
よる導体損を低減でき、伝送特性をも向上できることを
見いだし、本発明に至った。
【0010】即ち、本発明の高周波伝送線路の結合構造
は、2層以上の誘電体層の積層体からなる誘電体基板
と、該誘電体基板の線路方向の一方の表面に形成された
主導体層と、該導体層から前記誘電体基板の積層方向に
伸び、且つ線路方向に遮断波長の1/2以下の間隔をも
って二列に配列された側壁用バイアホール導体群と、該
側壁用バイアホール導体群の端部を電気的に接続し、線
路の両側に前記主導体層と平行に形成された副導体層を
具備する誘電体導波管線路と、前記主導体層または主導
体層側に形成された他の高周波伝送線路との結合構造で
あって、前記主導体層側と直接接する誘電体層を他の誘
電体層よりも高誘電率化したことを特徴とするものであ
る。
【0011】具体的な構造としては、前記他の高周波伝
送線路が、前記主導体層と同一面内に形成されたコプレ
ーナ線路であり、該コプレーナ線路の終端部から伝送用
バイアホール導体を延設し、該伝送用バイアホール導体
の他端部を前記誘電体導波管線路内に挿入するか、ある
いは、前記他の高周波伝送線路が、前記主導体層の上層
に形成されたストリップ線路であり、該ストリップ線路
の終端部から伝送用バイアホール導体を延設し、該伝送
用バイアホール導体の他端部を前記誘電体導波管線路内
に挿入して、両線路を結合したものである。
【0012】なお、前記誘電体基板は、高誘電率層と低
誘電率層との積層体からなることが望ましく、その場
合、前記側壁用バイアホール導体群の列間隔をc、前記
高誘電率層の比誘電率をεH 、前記低誘電率層の比誘電
率をεL 、真空中の信号波長をλ0 としたとき、下記数
【0013】
【数1】
【0014】の関係を満足することが望ましい。
【0015】さらには、前記主導体層と前記副導体層間
に形成され、前記側壁用バイアホール導体群と電気的に
接続され、線路の両側に前記主導体層と平行に形成され
た側壁用導体層を具備することにより、線路の信頼性を
高めることができる。
【0016】また、本発明によれば、上記の結合構造を
内蔵する多層配線基板を提供するものである。
【0017】これにより従来の多層化技術により作製可
能であり、また高誘電率層形成部に電磁界が集中するこ
とにより、他方の主導体層を形成しなくても電磁波の放
射はおこらず、伝送損失を小さくできる。さらに、他の
高周波伝送線路が形成される主導体層側に電磁界が集中
するので、他の高周波伝送線路との結合性が高まる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明における誘電体導
波管線路の基本構造を説明するための概略斜視図であ
る。図1において、1は誘電体基板、2は主導体層、3
は副導体層4は側壁用バイアホール導体、5はこの構造
による誘電体導波管線路、6は側壁用導体層である。
【0019】図1の構造によれば、誘電体基板1は、所
定の厚みからなる複数の誘電体層(図1では、3層構造
からなり、1A、1B、1Cからなる)の積層体からな
り全体厚みaを有する。誘電体基板1の線路方向の上面
には、主導体層2が形成されている。また、誘電体基板
1内には、主導体層2から誘電体基板1の積層方向に伸
び、且つ線路方向に遮断波長の1/2以下の間隔bで、
列間隔cをもって二列に配列された側壁用バイアホール
導体4群が形成されている。また、側壁用バイアホール
導体4群の端部には、副導体層3が形成されている。こ
の副導体層3は、各列の側壁用バイアホール導体4群の
端部を各列単位で電気的に接続しており、誘電体導波管
線路の線路の両側に前記主導体層と平行に形成されてい
る。
【0020】かかる線路構造においては、導体層2、3
にはTEM波が伝播できるため、側壁用バイアホール
導体4の間隔bが遮断波長λcの1/2よりも大きい
と、この線路に電磁波を給電しても信号はこの線路に沿
って伝播しないが、側壁用バイアホール導体4の間隔b
が遮断波長λcの1/2以下では、電磁波は伝送線路に
対して垂直方向に伝播することができず、反射しながら
伝送線路方向に伝播される。その結果、見かけ上、断面
がa×cの誘電体導波管線路5が形成されることにな
る。
【0021】また、誘電体導波管線路5の側壁には、側
壁用バイアホール導体4群ととともに、バイアホール導
体4群と電気的に接続され、且つ主導体層2と平行に線
路の両側に前記主導体層と平行に側壁用導体層6を形成
してもよい。この側壁用導体層6の形成により、誘電体
導波管線路の側壁が、側壁用バイアホール導体4群と側
壁用導体層とが格子状に配列されるために、線路からの
電磁波のもれをより確実に防止することができる。
【0022】また、本発明によれば、図2(a)の平面
図および(b)X−X’断面図に示すように、主導体層
2には、コプレーナ線路7が形成されている。このコプ
レーナ線路7は、主導体層2の一部に形成された溝8内
に主導体層2とは電気的に非接触状態で形成される。そ
して、コプレーナ線路7の終端部には、伝送用バイアホ
ール導体9が延設され、伝送用バイアホール導体9の他
端部は誘電体導波管線路5内に挿入される。この伝送用
バイアホール導体9の誘電体導波管線路5内に信号波長
の1/4の長さで挿入することにより、この伝送用バイ
アホール導体9が1/4波長のモノポールアンテナとし
て作用し、電磁波が放射される。ここで放射された電磁
波と誘電体導波管線路を伝播するモードがうまく結合す
るため、結果として、コプレーナ線路と本発明の誘電体
導波管線路とが電磁気的に良好に結合させることができ
るのである。
【0023】図1、図2における誘電体導波管線路にお
いて、伝送損失は、誘電体基板1による損失と、主導体
層2や側壁用バイアホール導体4群による導体損失に分
けられる。この誘電体導波管線路を、積層面をH面とす
るTE10モードで用いる場合、信号の周波数をfとす
ると、H面を流れる電流はfには依存しないが、表皮抵
抗はf1/2 に比例するため、H面の損失はf1/2 に比例
して増大する。一方、電界と平行なE面を流れる電流は
2 に反比例するため、E面の損失はf-3/2となり、周
波数が高くなるにつれて減少する性質がある。したがっ
て、導体損失の寄与の大きいH面を取り除くことによ
り、伝送特性の向上を図ることができるになる。
【0024】そこで、本発明では、図2に示すように、
コプレーナ線路7が形成された主導体層2が、直接接す
る誘電体層を他の誘電体層よりも高誘電率化することに
より伝送特性の向上を図ることができる。即ち、誘電体
基板1を図2に示すように、誘電体層1A,1B,1C
の3層により構成した場合、誘電体層1Aを高誘電体材
料からなる高誘電体層とし、誘電体層1B,1Cを高誘
電体層よりも低誘電体材料からなる低誘電体層によって
それぞれ形成することにより、電磁界を主導体層2近傍
に集中させることができる。その結果、図5に示した従
来の誘電体導波管線路における主導体層23を必要とす
ることなく、その結果、導体層23の存在による導体損
失をなくすることができる結果、伝送特性の劣化を低減
することができ、しかも、他の高周波伝送線路との結合
性をも高めることができる。
【0025】また、誘電体基板を、上記のように高誘電
体層と低誘電体層との積層体から構成する場合、高誘電
体層と低誘電体層との界面では電磁波の反射が起こる
が、この反射は高誘電体層側の比誘電率が理想的には無
限大のときである。実際には、ある有限な値を持つの
で、指数関数的に減少するものの、電磁界は低誘電体層
にも存在する。このため、低誘電体層における電気的な
壁(バイアホールと副導体層で構成された部分)の長さ
(1B層と1C層との合計厚み)がある程度必要とな
る。
【0026】この長さを低減するために次の方法を採る
ことができる。一般に、2枚の金属平板があると、電磁
波は反射して伝播するが、遮断周波数0の特殊な伝播モ
ードを除けば、金属平板間の距離が、誘電体を伝播する
波長の1/2以下であると電磁波は伝播できない。ま
た、誘電体中を伝播する電磁波はその比誘電率の1/2
乗に反比例して波長が短縮されるので、高誘電体層およ
び低誘電体層における側壁用バイアホール導体4の列間
隔c(導波管線路幅に相当)が同じでも、比誘電率が異
なるため、誘電体中の波長は異なる。
【0027】そこで、側壁用バイアホール導体4の列間
隔cが、高誘電体層の比誘電率をεH 、低誘電体層の比
誘電率をεL 、真空中の信号波長をλ0 としたとき、
【0028】
【数1】
【0029】の関係を満足すると、この条件を満足する
高周波信号は、高誘電体層の領域では信号が伝播できる
が、低誘電体層の領域は伝播できない。したがって、こ
のような条件を満足するように、用いる誘電体の誘電率
および側壁用バイアホール導体の列間隔cを調整するこ
とにより電磁波の漏れが少なくなり、結果として、低誘
電体層における電気的な壁の長さ(1B層と1C層との
合計厚み)を短くすることができるのである。
【0030】次に、図3に、図2の誘電体導波管線路の
結合構造の製造方法を示す。この製造方法では誘電体基
板1としてセラミックスを用いた場合について説明する
もので、セラミックス多層化技術と同様な方法で容易に
作製できる。
【0031】図3によれば、まず、高誘電体層1Aおよ
び低誘電体層1B,1Cを形成し得るセラミック粉末組
成物をドクターブレード法や圧延法によってシート状成
形体(グリーンシート)を作製する。そして、図2に示
すように、グリーンシート10に対してそれぞれの層に
応じてメタライズインクを印刷塗布したり、ホールを形
成してメタライズインクを充填する。
【0032】具体的には、第1層目のグリーンシート1
0Aには、側壁用バイアホールを形成するために、列間
隔cの2列のバイアホールを間隔bをもって線路方向に
形成した後、メタライズインクを充填する。また、コプ
レーナ線路の終端部から延設する伝送用バイアホールを
形成し同様にメタライズインクを充填する。そして、線
路幅を含む線路形成部の上面全面に主導体層2を形成す
るとともに、コプレーナ線路7のパターンにメタライズ
インクを印刷する。
【0033】次に、第2層目のグリーンシート10Bに
は、側壁バイアホールを形成するためのホールを第1層
目と同様な位置に形成し、そのホール内にメタライズイ
ンクを充填する。そして、シート10Bの表面には、所
望により、側壁用導体層6を線路両側にメタライズイン
クを印刷する。
【0034】そして、第3層目のグリーンシート10C
には、グリーンシート10Bに形成したのと同様な位置
に側壁用バイアホールを形成し、メタライズインクを充
填し、さらに、シートの表面には側壁用導体層6を印刷
塗布する。また、裏面には、副導体層3を形成すべく線
路の両側にメタライズインクを印刷塗布する。
【0035】そして、上記のグリーンシート10A、1
0B、10Cのインクが充填された側壁用バイアホール
が整合するように位置合わせして積層した後、これらを
同時焼成する事により、本発明の誘電体導波管線路にお
ける結合構造を形成することができる。
【0036】この同時焼成技術によって製造する場合、
例えば、誘電体セラミックスが、アルミナである場合、
主導体層、副導体層、側壁用導体層、側壁用バイアホー
ル導体は、W、Mo等の高融点 金属によって形成し、
誘電体セラミックスがガラス−セラミックス等の場合に
は、各導体層はCu、Ag等によって形成すれば良い。
【0037】上記の図1〜3は、誘電体導波管線路とコ
プレーナ線路などの他の高周波伝送線路との結合構造の
みに着目して説明したが、かかる結合構造は、高周波信
号を取り扱う多層配線基板や半導体パッケージ等におけ
る信号伝達を担う一つの線路間の結合構造として、基板
内に配設できることができる。
【0038】また、図1〜図3では、他の高周波伝送線
路として、主導体層と同一面に形成されたコプレーナ線
路について説明したが、その他、図4に示すように、主
導体層2から誘電体層を介した更に上層に形成されたス
トリップ線路またはマイクロストリップ線路であっても
よく、例えば、マイクロストリップ線路の場合には、図
4に示すように、マイクロストリップ線路11の終端部
から伝送用バイアホール導体12を延設し、伝送用バイ
アホール導体12の他端部を主導体層2に形成された孔
13を通して前記誘電体導波管線路5内に、挿入して両
伝送線路を結合させることもできる。かかる構成におい
ても、誘電体導波管線路における主導体層2と直接接触
する誘電体層1Aを高誘電体層によって形成しても伝送
損失の小さい結合が可能となる。
【0039】
【実施例】図3に従い、誘電率30の高誘電体層と、誘
電率5の低誘電体層を形成する厚さ470μm(焼成後
の厚み400μm)のグリーンシートを作製し、各シー
トに図2に示したように、主導体層、コプレーナ線路、
側壁用バイアホール導体、側壁用導体層および伝送用バ
イアホール導体をCuを含むメタライズインクを用い
て、充填もしくは印刷して形成した後、それらを位置合
わせして積層圧着した。そして、それらを950℃の窒
素雰囲気中で焼成した。なお、作製した基板において、
誘電体導波管線路の寸法は、誘電体基板の厚みaは1.
2mm、側壁用バイアホール導体群の列間隔cは1.0
mm、バイアホール導体間間隔bは0.26mm,バイ
アホール径は0.1mmとした。
【0040】得られた基板に対して、コプレーナ線路と
誘電体導波管線路間の結合性について評価した。その結
果、80GHzの信号の伝送を行ったところ、反射は、
−15dBであった。
【0041】これに対して、誘電体導波管線路内の誘電
体層のシート1A及びシート1Cを前記低誘電体層によ
って形成し、シート1Bを前記高誘電体層によって形成
するとともに、図2におけるシート1Cの底面に、シー
ト1Aと同様な主導体層を形成する以外は、全く同様に
して基板を作成し、同様に評価を行った結果、反射は−
10dbとなった。これは、本発明よりも結合性が68
%低下したものと考えられ、本発明の構造の方が結合性
の高いことがわかった。
【0042】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の高周波用伝
送線路の結合構造は、誘電体導波管線路の一主導体層面
に他の高周波伝送線路が形成される場合、導波管線路が
形成される誘電体基板を高誘電体層と低誘電体層との積
層体により形成し、主導体層側を高誘電率化することに
より、他の伝送線路との結合性が改善されるとともに、
従来の多層化技術をもって製造することができ、それに
より、半導体素子を収納するパッケージなどの多層配線
基板の高周波伝送線路構造として採用することができ、
伝送信号の高周波化に十分に対応可能な結合構造および
配線基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波用伝送線路の基本構造を説明す
るための概略斜視図である。
【図2】本発明において、誘電体導波管線路とコプレー
ナ線路との結合構造を説明するための図であり、(a)
は平面図、(b)はX−X’断面図である。
【図3】図2の結合構造を製造するための概略斜視図で
ある。
【図4】本発明において、誘電体導波管線路とマイクロ
ストリップ線路との結合構造を説明するための図であ
り、(a)は平面図、(b)はY−Y’断面図である。
【図5】従来の誘電体導波管線路の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 誘電体基板 1A,1B,1C 誘電体層 2 主導体層 3 副導体層 4 側壁用バイアホール導体 5 誘電体導波管線路 6 側壁用導体層 7 コプレーナ線路 8 溝 9、12 伝送用バイアホール導体 10 グリーンシート 11 マイクロストリップ線路 13 孔

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2層以上の誘電体層の積層体からなる誘電
    体基板と、該誘電体基板の線路方向の一方の表面に形成
    された主導体層と、該主導体層から前記誘電体基板の積
    層方向に伸び、且つ線路方向に遮断波長の1/2以下の
    間隔をもって二列に配列された側壁用バイアホール導体
    群と、該側壁用バイアホール導体群の各列の端部を電気
    的に接続し、線路の両側に前記主導体層と平行に形成さ
    れた副導体層と、を具備する誘電体導波管線路と、前記
    主導体層または主導体層側に形成された他の高周波伝送
    線路との結合構造であって、前記線路内において前記主
    導体層と直接接する誘電体層を他の誘電体層よりも高誘
    電率化したことを特徴とする高周波用伝送線路の結合構
    造。
  2. 【請求項2】前記他の高周波伝送線路が、前記主導体層
    と同一面内に形成されたコプレーナ線路であり、該コプ
    レーナ線路の終端部から伝送用バイアホール導体を延設
    し、該伝送用バイアホール導体の他端部を前記誘電体導
    波管線路内に挿入してなる請求項1記載の高周波用伝送
    線路の結合構造。
  3. 【請求項3】前記他の高周波伝送線路が、前記主導体層
    の上層に形成されたマイクロストリップ線路であり、該
    線路の終端部から伝送用バイアホール導体を延設し、該
    伝送用バイアホール導体の他端部を前記誘電体導波管線
    路内に挿入してなる請求項1記載の高周波用伝送線路の
    結合構造。
  4. 【請求項4】前記誘電体基板が、高誘電率層と低誘電率
    層との積層体からなる請求項1記載の高周波用伝送線路
    の結合構造。
  5. 【請求項5】前記側壁用バイアホール導体群の列間隔を
    c、前記高誘電率層の比誘電率をεH 、前記低誘電率層
    の比誘電率をεL 、真空中の信号波長をλ0 としたと
    き、下記数1 【数1】 の関係を満足してなる請求項4記載の高周波用伝送線路
    の結合構造。
  6. 【請求項6】前記主導体層と前記副導体層間に、前記側
    壁用バイアホール導体群と電気的に接続され、且つ線路
    の両側に前記主導体層と平行に形成された側壁用導体層
    を具備する請求項1記載の高周波用伝送線路の結合構
    造。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項6のいずれか1つの高
    周波用伝送線路の結合構造を具備することを特徴とする
    多層配線基板。
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