JP2007027586A - 積層インダクタ - Google Patents

積層インダクタ Download PDF

Info

Publication number
JP2007027586A
JP2007027586A JP2005210635A JP2005210635A JP2007027586A JP 2007027586 A JP2007027586 A JP 2007027586A JP 2005210635 A JP2005210635 A JP 2005210635A JP 2005210635 A JP2005210635 A JP 2005210635A JP 2007027586 A JP2007027586 A JP 2007027586A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
conductor pattern
layer
conductor
positions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005210635A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4721269B2 (ja
Inventor
Yoshinari Oba
佳成 大場
Takahiro Hori
貴弘 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FDK Corp
Original Assignee
FDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FDK Corp filed Critical FDK Corp
Priority to JP2005210635A priority Critical patent/JP4721269B2/ja
Publication of JP2007027586A publication Critical patent/JP2007027586A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4721269B2 publication Critical patent/JP4721269B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

【課題】 導体パターンのにじみを防止でき、そして導体パターンを不良なく安定に形成でき、積層面の平坦化に有利性があってレーザ加工などの特別工程は必要なく、小型化および高インダクタンス値にし得る積層インダクタを提供すること
【解決手段】 絶縁層と導体パターンを適宜な順に積層し、当該内部に導体パターンが螺旋状に繋がったコイルを形成する。コイル形成には各層において導体パターンの端部を順次に接続していく。導体パターンは略1/2ターンを単位パターンとし、その接続位置を対角の2位置とし、該当絶縁層45は下層側単位パターン25の終端のごく近辺に縁部が達する設定とする。当該層の導体パターン23の始端部は下層側の導体パターン25の終端に段差なく重ね合わせに形成できる。単位パターンの接続位置は、重畳する積層方向で位置ズレ関係にある2位置を設定し、それら2位置を1層おきに交互に繰り返す。
【選択図】 図6

Description

本発明は、積層インダクタに関するもので、より具体的には、略矩形状のチップ(本体)に内蔵する導体パターンについて、積層の重なり状態の改良に関する。
周知のように、チップ部品と呼ばれる電子部品は、面実装に使用するためリード端子を廃して小片形状に小型化しており、その一つにインダクタンス素子である積層インダクタがある。
積層インダクタは、例えば特許文献1などに見られるように、絶縁膜と導体パターンを適宜な順に積層することで当該内部に導体パターンが螺旋状に繋がったコイルを内蔵する略矩形状のチップ(本体)を形成し、さらにそのチップ本体の対向2面に、内蔵コイルの両端とそれぞれ接続する外部電極を設けた構成になっている。
絶縁膜としては例えばセラミック材料を用い、チップ本体は積層を完了した後に所定温度で焼き固める。外部電極は例えばディッピングにより形成する。つまり、銀等の導体ペーストの中にチップ本体の該当部分を浸けることで形成し、これにより外部電極としては電極面に隣接する4面にも導電膜が所定に覆い被さる状態に成膜し、隣接4面に回り込む周縁部を有する形態となる。これは隣接4面の何れの面が下でも面実装するためであり、チップ本体が横倒しになって取り付け面が変わっても基板に取り付けできるので、自動化実装において部品を挿入するフィード工程を簡略化できる。
チップ本体(積層体)を形成する方法には、絶縁シートに導体パターンを形成して積み重ねていくシート積層法や、絶縁ペーストと導電ペーストとを交互に塗り重ねていく印刷積層法などがあり、何れにしても積層体の内部に、螺旋状に繋がったコイルパターンおよびそれの引き出しパターンを形成することになる。
また、外部電極はチップ本体の対向2面に設けるので内蔵コイルとの関係に方向性を有し、その内蔵コイルの軸線に沿う対向2面に形成する縦巻き型と、コイル軸に対立する対向2面に形成する横巻き型があり、縦巻き型では実装時にコイル軸が基板に対して縦に向き、横巻き型はコイル軸が横に向くことになる。なお、縦巻き型ではチップ本体を横倒しにするとコイル軸も倒れて横に向くので、磁場の向きに関して基板上で制限がある実装には注意を要する。
重畳するコイルパターンは、各層(各ターン)をなす導体パターンの端部を順次に接続していくことで螺旋状に繋ぐことになる。これには図1に示すように、下層側の導体パターン2の始端側領域にマスク層4を形成し、そのマスク層4上に導体パターン2を引き回して次層のパターン形成を行い、このとき導体パターン2の始端部は下層側の導体パターン2の終端に重ね合わせに形成し、絶縁層は分割して形成していく構成となる。あるいはまた図2に示すように、各絶縁層4においてビア7を形成して導体パターン2を接続していく構成もあり、この場合は絶縁層4は当該面の全域に対して一時に成膜させ、下層側の導体パターン2の終端にめがけてレーザ照射することにより穴加工してビア7を形成する。
特開平11−354324号公報
しかしながら、そうした従来の積層インダクタでは以下に示すような問題がある。
(小型化と大値化)
最近は、積層インダクタにはチップ本体の小型化とともに大きなインダクタンス値が求められており、相反する2つを達成するために、コイルとなる導体パターンはいわゆるファイン印刷により細幅にライン形成し、極小パターン面でもコイルパターンの外形サイズを最大限に得るようにしている。また、巻きターンもできる限り多数回を巻くことが求められている。
(積層面の平坦度)
コイルパターンの積層形成では、各層で見ると導体パターン2の接続部分が重ね合わせのため厚く膨らみ、このため積層が進むに連れて積層面の平坦度が崩れてゆき、重なりがいびつになっていく問題がある。その結果、積層数が多いもの、つまり巻きターンを増すようなコイル形成に困難がある。
(導体パターンの短絡)
導体パターン2の接続は順に連ねる互いの端部を重ね合わせることから、図1(B)および図3に示すように、当該接続部分は厚みが2倍になり、当該部分がいびつに盛り上がるために絶縁層の膜厚が当該部分で薄くなってしまい、上下の層間で短絡を起こす問題がある。
(導体パターンのにじみ)
パターン形成に際しては、マスク層4による段差部分でにじみが発生し、導体パターン2が幅方向に広がる問題がある。これは導体層版を用いて刷り出す導体ペーストが段差に押し当たることで横にはみ出し、あるいは段差部分では導体層版に浮きが生じることに起因し、にじみを起こすものであり、にじみの広がりが大きいと近接パターンとショートする原因になる。
(ビア形成の欠点)
ビア7を形成する構成では、絶縁層4は当該面の全域に対して一時に成膜させるので、各層を平坦化し得るメリットがあり、巻きターンを増す多層化に有利性があるものの、ビア形成のためにレーザ装置が必要となり、レーザ加工を行うことは工程数が増え、コスト高になる問題がある。
この発明は上記した課題を解決するもので、その目的は、導体パターンのにじみを防止でき、そして導体パターンを不良なく安定に形成でき、積層面の平坦化に有利性があってレーザ加工などの特別工程は必要なく、小型化および高インダクタンス値にし得る積層インダクタを提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明に係る積層インダクタは、セラミック等の絶縁膜と導体パターンを適宜な順に積層することで当該内部に前記導体パターンが螺旋状に繋がったコイルを内蔵する略矩形状の本体を備えて、当該本体の対向2面に、前記コイルの両端とそれぞれ接続する外部電極を設ける積層インダクタにおいて、前記導体パターンは略1/2ターンを単位パターンとし、そしてそれら各単位パターンの接続位置を対角の2位置とし、重畳する上下のコイルパターンの間に位置する前記絶縁膜は下層側単位パターンの終端のごく近辺に縁部が達する設定とする。
また、前記接続位置は、重畳する積層方向で位置ズレ関係にある2位置を設定し、それら2位置を1層おきに交互に繰り返す設定とするとよい。さらにまた、前記絶縁膜および前記導体パターンの積層に際して、接続のため下層側に位置させる前記導体パターンの始端部は当該導体パターン全長の略10%以下にするとよい。
係る構成にすることにより本発明では、各層において単位パターンの終端に対して直上側の絶縁層の縁部がごく接近し、当該縁部に接近したそのパターン終端がコイルパターンの接続位置となる。この接続位置は直上側絶縁層の縁部にごく近い位置なので、その直上側についてのパターン印刷では導体層版が傾げて浮くことを防止でき、上層側パターンは段差なく下層側パターンに連なる状態に形成できる。つまり、直上側絶縁層の縁部から下る下層側パターンとの接続位置はごく接近した位置になるので、当該位置での導体パターンは上層側パターンの高さに一致し、平坦化した状態にパターン形成することができる。
そして、単位パターンの接続位置ではパターン端縁を互いに重ねるので厚みが増して盛り上がり当該積層面にゆがみを生じるが、ここでは接続位置を対角の2位置にするので、積層における盛り上がり位置が最大限に遠く離れることになる。したがって、接続位置が対角の2位置に離れて両者間の距離が長い分は当該積層面のゆがみを緩和でき、各層を比較的に平坦化することができることから積層数を増すことに有利になる。
また、単位パターンの接続位置は重畳する積層方向で位置ズレ関係にある2位置とし、それら2位置を1層おきに交互に繰り返す積層を行うので、各接続位置での盛り上がりが低減し、これは積層面を平坦化することに有利である。
すなわち、1層おき交互に接続位置をずらすので、積層の盛り上がりを低減できて平坦化でき、積層面の平坦化によりパターン形成を安定に行えるので、導体パターンの短絡を防止できて信頼性を向上できる。
以上のように、本発明に係る積層インダクタでは、直上側絶縁層の縁部から下る下層側パターンとの接続位置はごく接近した位置になるので、当該位置での導体パターンは上層側パターンの高さに一致し、平坦化した状態にパターン形成することができる。したがって、段差なくパターン形成することができるので、導体パターンのにじみを防止できる。
そして、接続位置が対角の2位置に離れて両者間の距離が長い分は当該積層面のゆがみを緩和でき、各層を比較的に平坦化することができることから積層数を増すことができる。また、1層おき交互に接続位置をずらすようにした場合には、積層の盛り上がりを低減できて平坦化でき、積層面の平坦化によりパターン形成を安定に行えるので、導体パターンの短絡を防止できて信頼性を向上できる。そしてこの場合、レーザ加工などの特別工程は必要なく、通常の設備により製造することができ、コスト面に優れている。
また、積層面の平坦性が良好になるので、パターン幅を極細に引き回すいわゆるファイン印刷が行えるようになる。その結果、巻き数を増やすことができ、小型化および高インダクタンス値にし得る有利性がある。
図4は、本発明の好適な一実施の形態を示している。本形態において、積層インダクタは、略矩形状の小片(チップ)に形成した本体1にコイル20を内蔵するとともに、その本体1の対向2面に、内蔵コイル20の端部とそれぞれ接続する外部電極3を設けた構成であり、外部電極3は内蔵コイル20の軸線に沿う対向2面に形成し、いわゆる縦巻き型を採る。
本体1は、セラミック等の絶縁層4と導体パターン2を適宜な順に積層し、これにより当該内部に導体パターン2が螺旋状に繋がったコイル20を形成し、積層を完了した後に所定温度で焼き固める。
外部電極3はディッピングにより形成し、つまり銀等の導体ペーストの中に本体1の該当部分を浸けることで形成し、外部電極3としては電極面に隣接する4面にも導電膜が所定に覆い被さる状態に成膜し、隣接4面に回り込む周縁部30を有する形態となる。このため、隣接4面の何れの面が下になっても面実装することができ、取り付け姿勢には基本的には制限がないが、縦巻き型では横倒しにするとコイル軸も倒れて横に向くので、磁場の向きに関して基板上で制限がある実装には注意を要する。
コイル20の形成には、各層において導体パターン2の端部を順次に接続していき、螺旋状に繋ぐ。これには該当各層では、下層側の導体パターン2の始端側領域にマスク層4を形成し、そのマスク層4上に導体パターン2を引き回して次層のパターン形成を行い、このとき導体パターン2の始端部は下層側の導体パターン2の終端に重ね合わせに形成し、絶縁層は分割して形成していく構成となる。
また、導体パターン2は後述するように、略1/2ターンを単位パターンとし、そしてそれら各単位パターンの接続位置を対角の2位置とし、重畳する上下のコイルパターンの間に位置する絶縁膜は下層側単位パターンの終端のごく近辺に縁部が達する設定としている。そして、単位パターンの接続位置は、重畳する積層方向で位置ズレ関係にある2位置を設定し、それら2位置を1層おきに交互に繰り返す設定としている。
導体パターン2の形成において、最初と最後の層ではコイルパターンの端部から引き出し導体5を該当側の縁に延長して形成し、この引き出し導体5を介して外部電極3に対する電気的な接続を行う構成である。
(製造方法)
本体1の形成は印刷積層法で行なう。すなわち、セラミック材料からなる絶縁ペーストと、導電材料からなる導電ペーストとを交互にスクリーン印刷していくもので、それらペーストは1回刷り出す(塗る)と厚みが例えば10μmになり、これを塗っては乾燥させて積み重ねていく。チップ部品の製造は、ワークとしては生産性の面から複数個分の大きさのワーク積層体を製作し、そのワーク積層体を十分に乾燥させた後に各単体(チップ)に切断して焼成する。
セラミック材料には、例えばガラスを添加して低温焼結化した誘電体セラミックスを使用する。例えば、ホウケイ酸ガラスをアルミナに体積で70:30の比率に混合した誘電体材料を使用し、これにビヒクルとしてエチルセルロースとテレピネールと分散剤,可塑剤を混合したものを配合して混練し、印刷用の絶縁ぺーストとすることができる。セラミック材料としては、他にも例えばフェライト等の磁性セラミックスを使用してもよい。バインダはエチルセルロース以外でもよく、PVB,メチルセルロースやアクリル樹脂とすることができる。そして、分散剤,可塑剤は、印刷性の向上や生産時の取り扱いを考慮して適宜に添加する。導体ペーストには銀ペーストを使用し、上記したビヒクルに混合する。また、導体ペーストは銀パラジウムでもよい。
具体的には図5に示す工程手順を採り、まず、絶縁ペーストを刷り出し塗っては乾燥させて積み重ねていくスクリーン印刷を行い、これにより最外層となる絶縁層4を所定の厚さに形成する(図5(1))。そして、略1/2ターンのコイルパターンおよび当該パターンから一方の縁に延びる延長部パターンを有する導体層版を用いて導体ペーストを塗り、L字状パターン22と、その延長部をなす引き出し導体5を形成する(図5(2))。L字状パターン22は始端が一方の対角にあり終端が他方の対角に位置する設定になっている。
次に、当該L字状パターン22との対称位置にL字状の島部パターンを有する絶縁層版を用いて絶縁ペーストを塗り、引き出し導体5を覆うマスク層43を形成する(図5(3))。
そして、略1/2ターンのコイルパターンを有する導体層版を用いて導体ペーストを塗り、マスク層43の上に次層の導体パターン24を形成する(図5(4))。この導体パターン24は、L字状パターン22の終端に接続して始端側に回り戻って1ターンが完了し、さらにL字状パターン24との対称位置にL字状の島部パターンを有する絶縁層版を用いて絶縁ペーストを塗り、下層の導体パターン22を覆ってマスク層43と連なるマスク層45を形成し、該当面を平坦に覆う(図5(5))。
次に、略1/2ターンのコイルパターンを有する導体層版を用いて導体ペーストを塗り、マスク層45の上に次層の導体パターン26を形成する(図5(6))。この導体パターン26は、始端側が折り曲げ部27になっていてL字状パターン24の終端から少しずれた位置に重なり接続し、終端が他方の対角に位置する。さらにL字状パターン26との対称位置にL字状の島部パターンを有する絶縁層版を用いて絶縁ペーストを塗り、下層の導体パターン24を覆ってマスク層45と連なるマスク層43を形成し、該当面を平坦に覆う(図5(7))。
そして、略1/2ターンのコイルパターンを有する導体層版を用いて導体ペーストを塗り、マスク層43の上に次層の導体パターン25を形成する(図5(8))。この導体パターン25も、始端側が折り曲げ部27になっていてL字状パターン26の終端から少しずれた位置に重なり接続し、終端が一方の対角に回り戻って当該1ターンが完了する。さらにL字状パターン25との対称位置にL字状の島部パターンを有する絶縁層版を用いて絶縁ペーストを塗り、下層の導体パターン26を覆ってマスク層43と連なるマスク層45を形成し、該当面を平坦に覆う(図5(9))。
次に、略1/2ターンのコイルパターンを有する導体層版を用いて導体ペーストを塗り、マスク層45の上に次層の導体パターン23を形成する(図5(10))。この導体パターン23は始端側が真っ直ぐに形成してありL字状パターン25の終端位置に重なり接続し、そして終端は他方の対角に位置する。
さらに再び工程(3)に戻り、上記した各工程(3)〜(10)を繰り返し行って所定の巻きターンに延長したコイル20を得る。所定の巻きターンを積層した次に、マスク層54を形成し(図5(9))、略1/4ターンのコイルパターンおよび当該パターンから他方の縁に延びる延長部パターンを有する導体層版を用いて導体ペーストを塗り、I字状パターン21と、その延長部をなす引き出し導体5を形成する(図5(11))。I字状パターン21は始端が一方の対角で導体パターン25の終端と接続し、終端側が引き出し導体5に連なっている。
さらには絶縁ペーストを塗り重ねて逆側の最外層となる絶縁層4を形成し(図5(12))、そして磁場の方向性を表示するマークパターン6を印刷して(図5(13))積層を完了する。
この後、乾燥させたワーク積層体を各単体(チップ)に切断し、脱脂した後に焼成し、バリを削る。そして焼成後の本体1の端面にディッピングを施して、隣接する4面にも導電膜が所定に覆い被さる状態に成膜させ、NiメッキおよびSnメッキを順次に施して外部電極3,3を形成し、積層インダクタを得る。
なお、各導体パターンは略1/2ターンを単位パターンとしており、接続のため下層側に位置させる導体パターンの始端部は当該導体パターン全長の略10%以下に設定している。
この場合、各層では図6に示すように、単位パターン25の終端に対して直上側の絶縁層45の縁部がごく接近し、当該縁部に接近したそのパターン終端がコイルパターンの接続位置となる。この接続位置は直上側絶縁層45の縁部にごく近い位置なので、その直上側についてのパターン印刷では導体層版が傾げて浮くことを防止でき、上層側パターンは段差なく下層側パターンに連なる状態に形成できる。つまり、直上側絶縁層45の縁部から下る下層側パターンとの接続位置はごく接近した位置になるので、当該位置での導体パターンは上層側パターンの高さに一致し、平坦化した状態にパターン形成することができる。したがって、段差なくパターン形成することができるので、導体パターンのにじみを防止できる。
そして、単位パターンの接続位置ではパターン端縁を互いに重ねるので厚みが増して盛り上がり当該積層面にゆがみを生じるが、ここでは接続位置を対角の2位置にするので、積層における盛り上がり位置が最大限に遠く離れることになる。つまり、接続位置が対角の2位置に離れて両者間の距離が長い分は当該積層面のゆがみを緩和でき、各層を比較的に平坦化することができることから積層数を増すことに有利になる。
単位パターンの接続位置は、図7(A)に示すように、重畳する積層方向で位置ズレ関係にある2位置とし、それら2位置を1層おきに交互に繰り返す積層を行うので、各接続位置での盛り上がりが低減し、これは積層面を平坦化することに有利である。すなわち、1層おき交互に接続位置をずらすので、積層の盛り上がりを低減できて平坦化でき、積層面の平坦化によりパターン形成を安定に行えるので、導体パターンの短絡を防止できて信頼性を向上できる。
なお、単位パターンの接続位置は、位置ズレ関係にある2位置とするものであり、例えば図7(B)に示すように、周回するコイルパターンにおける角位置および周回パターンの外側位置の2位置としたり、あるいは図7(C)に示すように、周回するコイルパターンにおける角の手前位置および周回パターンの外側位置の2位置とするなど、適宜に設定することができる。
また、絶縁膜をなすマスク層も適宜なパターンを採ることができ、例えば図6(C)に示すように、当該層を対角について2分割するような略台形形状とすることもよい。
そしてこの場合、レーザ加工などの特別工程は必要なく、通常の設備により製造することができ、コスト面に優れている。
また、積層面の平坦性が良好になるので、パターン幅を極細に引き回すいわゆるファイン印刷が行えるようになる。したがって、小型化および高インダクタンス値にし得る有利性がある。
本発明の効果を実証するため試料を製作した。そして、その試料および従来の構成による比較例とについて断面写真を撮影して評価した。図8(A)は本発明に係る試料(積層インダクタ)を示し、そして図8(B)は従来構成の比較例を示している。これらの断面写真から明らかなように、比較例にあっては導体パターンの接続位置が厚く膨らんでいる様子が認められる。その点、本発明に係る積層インダクタでは、各層(各ターン)において平坦化した状態にパターン形成することができており、その結果、各層を薄厚に構成でき、巻きターンを増す多層化が行えることを確認した。
積層インダクタの従来例を示す平面図(A)および断面図(B)である。 積層インダクタの従来例でありビアを形成する例の平面図である。 積層インダクタの従来例を示す断面図である。 本発明に係る積層インダクタの斜視図である。 積層インダクタの製造工程を順に示す平面図である。 マスク層の作用を説明する断面図(A)と平面図(B)を示し、平面図(C)はマスク層パターンの他例を示している。 接続位置の作用を説明する平面図(A)であり、そして平面図(B),(C)は接続位置の他例を示している。 本発明に係る試料(A)および比較例(B)の断面写真である。
符号の説明
1 本体
2 導体パターン
3 外部導体
4 絶縁層
5 引き出し導体
6 マークパターン
7 ビア
21,22,23,24,25,26 導体パターン
27 折り曲げ部
30 周縁部
43,45 マスク層

Claims (3)

  1. セラミック等の絶縁膜と導体パターンとを、適宜な順に積層することで当該内部に前記導体パターンが螺旋状に繋がったコイルを内蔵する略矩形状の本体を備え、当該本体の対向2面に、前記コイルの両端とそれぞれ接続する外部電極を設ける積層インダクタにおいて、
    前記導体パターンは略1/2ターンを単位パターンとし、
    それら各単位パターンの接続位置を対角の2位置とし、
    重畳する上下のコイルパターンの間に位置する前記絶縁膜は下層側単位パターンの終端のごく近辺に縁部が達する設定とすることを特徴とする積層インダクタ。
  2. 前記接続位置は、重畳する積層方向で位置ズレ関係にある2位置を設定し、
    それら2位置を1層おきに交互に繰り返す設定とすることを特徴とする請求項1に記載の積層インダクタ。
  3. 前記絶縁膜および前記導体パターンの積層に際して、接続のため下層側に位置させる前記導体パターンの始端部は当該導体パターン全長の略10%以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載の積層インダクタ。
JP2005210635A 2005-07-20 2005-07-20 積層インダクタ Expired - Fee Related JP4721269B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005210635A JP4721269B2 (ja) 2005-07-20 2005-07-20 積層インダクタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005210635A JP4721269B2 (ja) 2005-07-20 2005-07-20 積層インダクタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007027586A true JP2007027586A (ja) 2007-02-01
JP4721269B2 JP4721269B2 (ja) 2011-07-13

Family

ID=37787916

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005210635A Expired - Fee Related JP4721269B2 (ja) 2005-07-20 2005-07-20 積層インダクタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4721269B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010040966A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Fdk Corp 積層チップ部品およびその製造方法
JP2011165705A (ja) * 2010-02-04 2011-08-25 Fdk Corp 積層チップ部品
WO2015178061A1 (ja) * 2014-05-21 2015-11-26 株式会社 村田製作所 回路モジュール
JP2017188557A (ja) * 2016-04-05 2017-10-12 株式会社村田製作所 電子部品及び電子部品の製造方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55125712A (en) * 1979-03-23 1980-09-27 Hull Corp Suerlow electric delay line utilizing thin film inductor array by magnetic lift and coupling
JPH08138941A (ja) * 1994-09-12 1996-05-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層型セラミックチップインダクタおよびその製造方法
JPH09180939A (ja) * 1995-12-22 1997-07-11 Murata Mfg Co Ltd 積層型コイル部品
JPH11251148A (ja) * 1998-03-03 1999-09-17 Fuji Elelctrochem Co Ltd 積層インダクタ及びその製造方法
JP2001176725A (ja) * 1999-12-15 2001-06-29 Tdk Corp 積層電子部品
JP2003272921A (ja) * 2002-03-13 2003-09-26 Koa Corp 積層チップ部品及びその製造方法
JP2003338410A (ja) * 2002-05-22 2003-11-28 Fdk Corp 積層インダクタ
JP2004087596A (ja) * 2002-08-23 2004-03-18 Murata Mfg Co Ltd 積層電子部品

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55125712A (en) * 1979-03-23 1980-09-27 Hull Corp Suerlow electric delay line utilizing thin film inductor array by magnetic lift and coupling
JPH08138941A (ja) * 1994-09-12 1996-05-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層型セラミックチップインダクタおよびその製造方法
JPH09180939A (ja) * 1995-12-22 1997-07-11 Murata Mfg Co Ltd 積層型コイル部品
JPH11251148A (ja) * 1998-03-03 1999-09-17 Fuji Elelctrochem Co Ltd 積層インダクタ及びその製造方法
JP2001176725A (ja) * 1999-12-15 2001-06-29 Tdk Corp 積層電子部品
JP2003272921A (ja) * 2002-03-13 2003-09-26 Koa Corp 積層チップ部品及びその製造方法
JP2003338410A (ja) * 2002-05-22 2003-11-28 Fdk Corp 積層インダクタ
JP2004087596A (ja) * 2002-08-23 2004-03-18 Murata Mfg Co Ltd 積層電子部品

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010040966A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Fdk Corp 積層チップ部品およびその製造方法
JP2011165705A (ja) * 2010-02-04 2011-08-25 Fdk Corp 積層チップ部品
WO2015178061A1 (ja) * 2014-05-21 2015-11-26 株式会社 村田製作所 回路モジュール
JP6070901B2 (ja) * 2014-05-21 2017-02-01 株式会社村田製作所 回路モジュール
JPWO2015178061A1 (ja) * 2014-05-21 2017-04-20 株式会社村田製作所 回路モジュール
JP2017188557A (ja) * 2016-04-05 2017-10-12 株式会社村田製作所 電子部品及び電子部品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4721269B2 (ja) 2011-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6677228B2 (ja) コイル部品
JP2010258070A (ja) 積層型セラミック電子部品
JP2017092447A (ja) インダクタ及びその製造方法
JPWO2009125656A1 (ja) 電子部品
JP2015026825A (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP2021082685A (ja) セラミック電子部品およびその製造方法
JP4721269B2 (ja) 積層インダクタ
JP3132786B2 (ja) 積層チップインダクタおよびその製造方法
JP2010258069A (ja) 電子部品
JP2005045103A (ja) チップインダクタ
JP2002093623A (ja) 積層インダクタ
JPH11273950A (ja) 積層チップコイル部品
JP2009099827A (ja) コンデンサアレイおよびその製造方法
WO2010010799A1 (ja) 電子部品及びその製造方法
JP4400430B2 (ja) 積層型インダクタ
JP7444135B2 (ja) 電子部品及び電子機器
JP2019067954A (ja) 電子部品、電子装置、及び電子部品の製造方法
JP2013016727A (ja) 電子部品及びその製造方法
JP5343017B2 (ja) 積層チップ部品
JP2003243226A (ja) 巻線型電子部品とその製造方法
JPH06215948A (ja) 積層インダクタ
JPH0757935A (ja) 積層チップインダクタ
JP2008078232A (ja) 積層型電子部品
JP5207532B2 (ja) 積層チップ部品およびその製造方法
JP2003332131A (ja) 積層インダクタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100629

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110331

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110331

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees