JP2003338410A - 積層インダクタ - Google Patents

積層インダクタ

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JP2003338410A
JP2003338410A JP2002147245A JP2002147245A JP2003338410A JP 2003338410 A JP2003338410 A JP 2003338410A JP 2002147245 A JP2002147245 A JP 2002147245A JP 2002147245 A JP2002147245 A JP 2002147245A JP 2003338410 A JP2003338410 A JP 2003338410A
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pattern
coil
conductor pattern
interlayer
laminated inductor
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JP2002147245A
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Yasuo Suzuki
靖生 鈴木
Yoshinari Oba
佳成 大場
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FDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チップ本体をいびつになることなく多層に積
層でき、巻きターンが多いコイルパターンを不良なく安
定に形成でき、小型化とともに大きなインダクタンス値
の積層インダクタを提供すること 【解決手段】 セラミック等の絶縁膜1と導体パターン
2を適宜な順に積層し、当該内部に導体パターン2が螺
旋状に繋がった内蔵コイル20を内蔵する矩形状のチッ
プ本体3を形成する。コイル軸線に沿う対向2面に外部
電極4,4を形成して縦巻き型の積層インダクタ10と
する。絶縁膜1は該当面にはその全面を均一に覆う状態
に形成し、上下の導体パターン2に挟まれた絶縁膜1
に、空孔に導体を充填した層間接続部5xを設けてスル
ーホールとする。層間接続部5xは導体パターン2の角
部を外れた3ヶ所とし、それらの3ヶ所は3種類の導体
パターンにより並びの次を飛び越した2つ目を連ねて移
り巡る構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層インダクタに
関するもので、より具体的には、チップ本体内に導体パ
ターンが螺旋状に繋がったコイルを内蔵する積層インダ
クタの導体パターンの改良に関する。
【0002】
【発明の背景】周知のように、チップ部品と呼ばれる電
子部品は、面実装に使用するためリード端子を廃して小
片形状に小型化しており、その一つにインダクタンス素
子である積層インダクタがある。
【0003】積層インダクタは、絶縁膜と導体パターン
を適宜な順に積層することで当該内部に導体パターンが
螺旋状に繋がったコイルを内蔵する矩形状のチップ本体
を形成し、さらにそのチップ本体の対向2面に、内蔵コ
イルの両端とそれぞれ接続する外部電極を設けた構成に
なっている。
【0004】絶縁膜としては、例えばセラミック材料を
用い、チップ本体は積層を完了した後に所定温度で焼結
させる。外部電極は、例えばディッピングにより形成す
る。つまり、銀等の導体ペーストの中にチップ本体の該
当部分を浸けることで形成する。これにより、外部電極
としては電極面に隣接する4面にも導電膜が所定に覆い
被さる状態に成膜し、隣接4面に回り込む周縁部を有す
る形態となる。
【0005】チップ本体(積層体)を形成する方法に
は、絶縁シートに導体パターンを形成して積み重ねてい
くシート積層法や、絶縁ペーストと導電ペーストとを交
互に塗り重ねていく印刷積層法などがあり、何れにして
も積層体の内部に、螺旋状に繋がったコイルパターン及
びそれの引き出しパターンを形成することになる。
【0006】例えば、図1は印刷積層法による積層イン
ダクタの製造手順を説明する平面図であり、コイルパタ
ーンの形成では、所定形状の第1パターン21を形成し
た該当層(図1(c))の半面に絶縁ペーストを塗って
マスク層11を形成し(図1(d))、これにより第1
パターン21の接続側だけを露出させて、これに次層の
第2パターン22を重ねて形成し(図1(e))、さら
に逆半面にマスク層12を形成し(図1(f))、これ
らの工程(c)〜(f)を繰り返すことにより螺旋状に
繋がるコイルパターンを順次に形成していく。なお、前
工程(a),(b)により、まず一方の引き出しパター
ンを形成し、後工程(g),(h)では他方の引き出し
パターンを形成する。
【0007】また、外部電極はチップ本体の対向2面に
設けるので内蔵コイルとの関係に方向性を有し、その内
蔵コイルの軸線に沿う対向2面に形成する縦巻き型と、
コイル軸に対立する対向2面に形成する横巻き型があ
り、縦巻き型では実装時にコイル軸が基板に対して縦に
向き、横巻き型はコイル軸が横に向くことになる。な
お、縦巻き型ではチップ本体を横倒しにするとコイル軸
も倒れて横に向くので、磁場の向きに関して基板上で制
限がある実装には注意を要する。
【0008】ところが、そうした積層インダクタでは、
以下に示す種々の問題を有している。すなわち、最近
は、積層インダクタにはチップ本体の小型化とともに大
きなインダクタンス値が求められており、相反する要求
の達成に、コイルとなる導体パターンの外形サイズを可
能な限り大サイズにしていて、巻きターンも多くの数回
を巻くことが求められている。
【0009】また、印刷積層法によるコイルパターンの
形成では、半面を覆うマスク層11,12による段差が
あり、その段差を越えて導体パターンが前層と次層とで
連なり導体パターンの接続部分が膨らむことなどがあ
る。そのため、段差の部分でにじみが発生し、積層が進
むに連れて重なりがいびつになっていく問題がある。こ
のため、積層数が多いもの、つまりコイルの巻きターン
を増すようなコイル形成に困難があり、チップ本体の形
成が不良になる。
【0010】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、チップ本体をいびつになることなく多層に積層で
き、巻きターンが多いコイルパターンを不良なく安定に
形成でき、小型化とともにインダクタンス値の大値化が
行える積層インダクタを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る積層インダクタでは、セラミック
等の絶縁膜と導体パターンを適宜な順に積層することで
当該内部に前記導体パターンが螺旋状に繋がったコイル
を内蔵する矩形状のチップ本体を備えて、当該チップ本
体の対向2面に、前記コイルの両端とそれぞれ接続する
外部電極を設ける積層インダクタにおいて、上層の導体
パターン端部と下層の導体パターン端部とを重畳する位
置関係とし、両パターンの上下層間となる前記絶縁膜に
は、空孔に導体を充填した層間接続部を前記重畳位置に
設けて前記両端部を電気接続するが、当該層間接続部の
位置は互いに重畳しない複数の設定点を順次に移り巡る
設定にした。
【0012】また、好ましくは、前記設定点は少なくと
も3ヶ所であるとともに、前記導体パターンの角部には
位置しない設定にすることである。さらに、前記設定点
は3ヶ所であり、前記導体パターンは第1層間接続部か
ら第2層間接続部側を通過して第3層間接続部に至る第
1パターンと、第3層間接続部から第1層間接続部側を
通過して第2層間接続部に至る第3パターンと、第2層
間接続部から第3層間接続部側を通過して第1層間接続
部に至る第2パターンとを順次に形成して、当該導体パ
ターンの形成を2層分でコイル1ターンよりも多くする
とよい。
【0013】また、前記空孔の外形を、前記導体パター
ン幅よりも大サイズ値に設定すると好ましい。さらにま
た、前記積層インダクタは前記外部電極を、前記コイル
の軸線に沿う対向2面に設けた構成としたり、あるいは
前記コイルの軸線に対立する対向2面に設けた構成とす
ると良い。
【0014】したがって本発明では、層間接続部は上下
の導体パターンを繋ぐ位置でいわゆるスルーホールとし
て機能し、これを設ける絶縁膜は該当面にはその全面を
均一に覆う状態に積層することになる。このため、当該
層は積層がいびつにならず、そして層間接続部の位置
(設定点)が、積層体としては互いに重畳しない設定点
を順次に移り巡る構成なので、積層面が凹凸になること
を防止できる。
【0015】また、層間接続部の位置(設定点)が、導
体パターンの角部を外れた略正三角形の頂点3ヶ所なの
で、ある程度はそれぞれの外形サイズを大きくしても干
渉がなく、外形サイズを大きくできることは、スクリー
ン印刷において空孔が絶縁ペーストで埋まるにじみ込み
不良の防止につながり、導体ペーストの刷り出し充填を
不良なく行えることにつながる。
【0016】そして、複数の層間接続部は、互いに重畳
しない位置関係なので積層の上下間で干渉がなく、導体
パターンの角部を外れた位置なので、外部電極とは接
近,重畳しない位置関係にできる。このため、外部電極
との間に生じる分布容量を低値に抑えることができる。
【0017】さらに、層間接続部の位置(設定点)を、
導体パターンの角部を外れた略正三角形の頂点3ヶ所と
し、それらの3ヶ所は3種類の導体パターンを順次連な
って回り巡る構成とした場合に、当該導体パターンの形
成は2層分でコイル1ターンよりも多くなる。
【0018】
【発明の実施の形態】図2は、本発明の第1の実施の形
態を示している。本実施の形態では、積層インダクタ1
0は、略矩形状に形成したチップ本体3に内蔵コイル2
0を内蔵するとともに、そのチップ本体3の対向2面
に、内蔵コイル20の両端とそれぞれ接続する外部電極
4,4を設けた構成であり、外部電極4,4は内蔵コイ
ル20の軸線に沿う対向2面に形成し、いわゆる縦巻き
型を採る。
【0019】チップ本体3は、セラミック等の絶縁膜1
と導体パターン2を適宜な順に積層し、これにより当該
内部に導体パターン2が螺旋状に繋がった内蔵コイル2
0を形成し、積層を完了した後に所定温度で焼結させ
る。
【0020】外部電極4,4は、ディッピングにより形
成している。つまり、銀等の導体ペーストの中にチップ
本体3の該当部分を浸けることで形成し、外部電極4,
4としては電極面に隣接する4面にも導電膜が所定に覆
い被さる状態に成膜し、隣接4面に回り込む周縁部40
を有する形態となる。このため、前述したように、隣接
4面の何れの面が下になっても面実装することができ、
取り付け姿勢には基本的には制限がないが、縦巻き型で
は横倒しにするとコイル軸も倒れて横に向くので、磁場
の向きに関して基板上で制限がある実装には注意を要す
る。
【0021】絶縁膜1は、該当面にはその全面を均一に
覆う状態に形成し、従来のような該当面の半面を覆うマ
スク層は設けない。そして、上下の導体パターン2に挟
まれた絶縁膜1に、空孔に導体を充填した層間接続部5
xを設け、これにより上下両パターンを電気的に接続す
る構成である。
【0022】つまり、上層の導体パターン端部と下層の
導体パターン端部とを重畳する位置関係とし、層間接続
部5xは両パターン層間にある絶縁膜1の対応位置に設
けて上下の導体パターンを繋ぎ、いわゆるスルーホール
として機能する。この層間接続部5xの位置は積層体と
しては複数を設定し、互いに重畳しない設定点を順次に
移り巡る構成である。また、空孔は略円形とし、その外
形サイズを導体パターン2の幅よりも大きなサイズ値に
設定している。これはスクリーン印刷におけるパターン
形成の不良を防止するための設定である。
【0023】層間接続部5xの設定点は、例えば3ヶ所
とすることが好ましく、導体パターン2の角部には位置
しない設定とする。本実施の形態では、設定点は導体パ
ターン2の角部を外れた略正三角形の頂点3ヶ所であ
り、導体パターン2は、第1層間接続部51から第2層
間接続部52側を通過して第3層間接続部53に至る第
1パターン21と、第3層間接続部53から第1層間接
続部51側を通過して第2層間接続部52に至る第3パ
ターン23と、第2層間接続部52から第3層間接続部
53側を通過して第1層間接続部51に至る第2パター
ン22とを順次に形成して、当該導体パターンの形成を
2層分でコイル1ターンよりも多くしている。
【0024】また、チップ本体3の内部に形成する導体
パターンとしては、最初と最後の層ではコイルパターン
26の端部から引き出し導体6を該当側の縁に延長して
形成し、この引き出し導体6を介して外部電極4に対す
る電気的な接続を行う構成である。
【0025】(製造方法)積層体であるチップ本体3の
形成は印刷積層法では、セラミック材料からなる絶縁ペ
ーストと、導電材料からなる導電ペーストとを交互にス
クリーン印刷していくもので、それらペーストは1回刷
り出す(塗る)と例えば10μm厚になり、これを塗っ
ては乾燥させて積み重ねていく。チップ部品の製造で
は、ワークとしては生産性の面からチップ部品複数枚分
の大きさのワーク積層体を製作し、そのワーク積層体を
十分に乾燥させた後に各単体に切断して焼成する。
【0026】セラミック材料には、例えばガラスを添加
した低温焼結化した誘電体セラミックス(非磁性セラミ
ックス)を使用する。例えば、ホウケイ酸ガラスをアル
ミナに体積で70:30の比率に混合した誘電体材料を
使用し、これにビヒクルとしてエチルセルロースとテレ
ピネールと分散剤,可塑剤を混合したものを配合して混
練し、印刷用の絶縁ぺーストとすることができる。セラ
ミック材料としては、他にも例えばフェライト等の磁性
セラミックスを使用してもよい。また、バインダーもエ
チルセルロース以外でもよく、PVB,メチルセルロー
スやアクリル樹脂とすることができる。
【0027】導体ペーストには銀ペーストを使用し、上
述したビヒクルに混合する。また、導体ペーストは銀パ
ラジウムでもよい。そして、分散剤や可塑剤は、印刷性
の向上や生産時の取り扱いを考慮して適宜に添加する。
【0028】具体的には図3に示す工程手順を採る。す
なわち、まず、絶縁ペーストを刷り出し塗っては乾燥さ
せて積み重ねていくスクリーン印刷を行い、これにより
ダミー層(絶縁膜1)を所定の厚さに形成する(図3
(a))。次に、一方の縁に延びる延長部を有するコイ
ルパターンの版を用いて導体ペーストを塗って引き出し
導体6とコイルパターン26を形成する(図3
(b))。
【0029】そして、第1設定点(51)に空孔となる
島部を有するパターンの版を用いて絶縁ペーストを塗
り、当該第1設定点(51)に空孔50を形成し(図3
(c))、さらにパターンを反転させた版である逆相版
を用いて導体ペーストを塗って当該空孔50を埋めて第
1層間接続部51を形成する(図3(d))。次に、導
体ペーストを塗って第1パターン21を形成し、これは
第1層間接続部51から延びて2つ角を折れ曲がる略コ
字形状とする(図3(e))。つまり、第1パターン2
1は、第1層間接続部51から第2層間接続部52側を
通過して第3層間接続部53に至るパターンに形成す
る。
【0030】そして、第3設定点(53)に空孔となる
島部を有するパターンの版を用いて絶縁ペーストを塗
り、当該第3設定点(53)に空孔50を形成し(図3
(f))、さらにパターンを反転させた逆相版を用いて
導体ペーストを塗って当該空孔50を埋めて第3層間接
続部53を形成する(図3(g))。次に、導体ペース
トを塗って第3パターン23を形成し、これは第3層間
接続部53から延びて2つ角を折れ曲がる略コ字形状と
する(図3(h))。つまり、第3パターン23は、第
3層間接続部から第1層間接続部側を通過して第2層間
接続部に至るパターンに形成する。
【0031】そして、第2設定点(52)に空孔となる
島部を有するパターンの版を用いて絶縁ペーストを塗
り、当該第2設定点(52)に空孔50を形成し(図3
(i))、さらにパターンを反転させた逆相版を用いて
導体ペーストを塗って当該空孔50を埋めて第2層間接
続部52を形成する(図3(j))。次に、導体ペース
トを塗って第2パターン22を形成し、これは第2層間
接続部52から延びて4つ角を折れ曲がる略C字形状と
する(図3(k))。つまり、第2パターン22は、第
2層間接続部から第3層間接続部側を通過して第1層間
接続部に至るパターンに形成する。さらに再び工程
(c)に戻りこれら各工程(c)〜(k)を繰り返し行
って所定巻きターンに延長した内蔵コイル20を得る。
【0032】そして、今度は内蔵コイル20の逆側につ
いて同様に各層を形成し、つまり、第1層間接続部51
を形成した後に(図3(d))、他方の縁に延びる延長
部を有するコイルパターンの版を用いて導体ペーストを
塗って引き出し導体6とコイルパターン26を形成する
(図3(l))。さらには絶縁ペーストを塗り重ねてダ
ミー層(絶縁膜1)を形成する(図3(m))。
【0033】この後、乾燥させたワーク積層体を各単体
チップに切断し、脱脂した後に焼成し、バリを削る。そ
して次に、焼成後のチップ本体3の端面にディッピング
を施して、隣接する4面にも導電膜が所定に覆い被さる
状態に成膜させ、Niメッキ及びSuメッキを順次に施
して外部電極4,4を形成し、積層インダクタ10を得
る。
【0034】このように、層間接続部5xは上下の導体
パターンを繋ぐ位置でいわゆるスルーホールとして機能
し、これを設ける絶縁膜1は該当面にはその全面を均一
に覆う状態に積層するので、当該層は積層がいびつにな
らず、そして層間接続部5xの位置(設定点)が、積層
体としては互いに重畳しない設定点を順次に移り巡る構
成なので、積層面が凹凸になることを防止でき、その結
果、チップ本体3をいびつになることなく多層に積層で
きる。
【0035】また、層間接続部5xの位置(設定点)
が、導体パターン2の角部を外れた略正三角形の頂点3
ヶ所なので、ある程度はそれぞれの外形サイズを大きく
しても干渉がなく、外形サイズを大きくできることは、
スクリーン印刷において空孔50が絶縁ペーストで埋ま
るにじみ込み不良の防止につながり、導体ペーストの刷
り出し充填を不良なく行えることにつながる。したがっ
て、細かいメッシュのスクリーン版を用いるファイン印
刷できわめて有利になり、印刷積層を安定に行えてコイ
ルパターンが安定するのでインダクタンス値のばらつき
を防止でき、その結果、歩留まりを向上し得る。
【0036】そして、複数の層間接続部5xは、互いに
重畳しない位置関係なので積層の上下間で干渉がなく、
導体パターン2の角部を外れた位置なので、外部電極
4,4とは接近しない位置関係にすることができ、周縁
部40とは重畳しない位置関係にできる。このため、外
部電極4の周縁部40との間に生じる分布容量を低値に
抑えることができ、これにより共振周波数が低減する不
良を防止できる。
【0037】さらに、層間接続部5xの位置(設定点)
を、導体パターン2の角部を外れた略正三角形の頂点3
ヶ所とし、それらの3ヶ所は3種類の導体パターン2
1,22,23により並びの次を飛び越した2つ目が連
なって回り巡る構成であることから、当該導体パターン
の形成は2層分でコイル1ターンよりも多くなる。した
がって、積層数は抑えつつ多くの巻きターンを得ること
ができる。
【0038】すなわち本発明によれば、チップ本体3を
いびつになることなく多層に積層でき、積層数は抑えつ
つ多くの巻きターンを得ることができることから、巻き
ターンが多いコイルパターンを不良なく安定に形成で
き、その結果、小型化とともにインダクタンス値の大値
化が行える。
【0039】図4は、本発明の第2の実施の形態を示し
ている。この第2の実施の形態において、積層インダク
タ10は、外部電極4,4を内蔵コイル20の軸線に対
立する対向2面に形成し、いわゆる横巻き型の構成を採
る。このため、引き出し導体7を積層方向に延長させて
形成するが、他の構成要素は第1形態のものと略同様に
なっている。
【0040】つまり、この場合も絶縁膜1は、該当面に
はその全面を均一に覆う状態に積層し、従来のような該
当面の半面を覆うマスク層は設けなく、上層の導体パタ
ーン端部と下層の導体パターン端部とを重畳する位置関
係とし、層間接続部5xは両パターン層間にある絶縁膜
1の対応位置に設けて上下の導体パターンを繋ぎ、いわ
ゆるスルーホールとして機能する。層間接続部5xの位
置(設定点)は積層体としては、導体パターン2の角部
を外れた略正三角形の頂点3ヶ所を設定し、互いに重畳
しない設定点を順次に移り巡る構成である。
【0041】また、具体的には図5に示す工程手順を採
り、これは引き出し導体7を積層方向に延長させて形成
する工程が相違するものの、他の工程手順は第1形態の
ものと略同様である。
【0042】ここでは、引き出し導体7は、第2設定点
(52),第1設定点(51)に形成し、第2層間接続
部52,第1層間接続部51の形成を繰り返すことで積
層方向に延長させる。つまり、所定パターンの版を用い
て絶縁ペーストを塗って第2設定点(52)に空孔50
を形成し(図5(a))、さらにパターンを反転させた
逆相版を用いて導体ペーストを塗って当該空孔50を埋
めて第2層間接続部52を形成し(図5(b))、これ
らを繰り返し行って所定長さに延長した引き出し導体7
を得る。他方の端部でも同様であり、空孔50の形成
(図5(m)),第1層間接続部51の形成(図5
(n))を繰り返し行って所定長さに延長した引き出し
導体7を得る。
【0043】導体パターン2の形成では、第2層間接続
部52から延びて4つ角を折れ曲がる略C字形状の第2
パターン22を形成し(図5(c))、第1層間接続部
51から延びて2つ角を折れ曲がる略コ字形状の第1パ
ターン21を形成し(図5(f))、第3層間接続部5
3から延びて2つ角を折れ曲がる略コ字形状の第3パタ
ーン23を形成し(図5(i))、各工程(c)〜
(k)を繰り返し行って所定巻きターンに延長した内蔵
コイル20を得る。
【0044】この場合も作用は第1の実施の形態と同様
であり、層間接続部5xは上下の導体パターンを繋ぐ位
置でいわゆるスルーホールとして機能し、これを設ける
絶縁膜1は該当面にはその全面を均一に覆う状態に積層
するので、同様な効果を得ることができる。
【0045】すなわち、チップ本体3をいびつになるこ
となく多層に積層でき、積層数は抑えつつ多くの巻きタ
ーンを得ることができることから、巻きターンが多いコ
イルパターンを不良なく安定に形成でき、その結果、小
型化とともにインダクタンス値の大値化が行える。
【0046】また本発明としては、層間接続部5xの設
定点は3ヶ所に限定されるものではなく、図6に示すよ
うに、設定点を2ヶ所にしてもよい。すなわち、第3の
実施の形態である図6に示す積層インダクタ10は、一
方の対角について2ヶ所を設定し、それら設定点を順次
に移り巡る構成であり、また外部電極を内蔵コイルの軸
線に対立する対向2面に形成し、いわゆる横巻き型の構
成を採る。
【0047】横巻き型であるので、引き出し導体7は、
所定パターンの版を用いて絶縁ペーストを塗って第1設
定点(51)に空孔50を形成し(図6(a))、さら
にパターンを反転させた逆相版を用いて導体ペーストを
塗って当該空孔50を埋めて第1層間接続部51を形成
し(図6(b))、これを繰り返し行って所定長さに延
長した引き出し導体7を得る。他方の端部でも同様であ
り、空孔50の形成(図6(d)),第2層間接続部5
2の形成(図6(e))を繰り返し行って所定長さに延
長した引き出し導体7を得る。
【0048】導体パターン2の形成では、第1層間接続
部51から延びて角を折れ曲がる略鉤形状の第1パター
ン21を形成し(図6(c))、第2層間接続部52か
ら延びて角を折れ曲がる略鉤形状の第2パターン22を
形成し(図6(f))、各工程(a)〜(f)を繰り返
し行って所定巻きターンに延長したコイルを得る。
【0049】この場合、層間接続部5xの設定点は2ヶ
所であるが作用は第1の実施の形態と同様であり、層間
接続部5xは上下の導体パターンを繋ぐ位置でいわゆる
スルーホールとして機能し、これを設ける絶縁膜1は該
当面にはその全面を均一に覆う状態に積層するので、同
様な効果を得ることができる。
【0050】すなわち、チップ本体3をいびつになるこ
となく多層に積層でき、積層数は抑えつつ多くの巻きタ
ーンを得ることができることから、巻きターンが多いコ
イルパターンを不良なく安定に形成でき、その結果、小
型化とともにインダクタンス値の大値化が行える。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る積層インダ
クタでは、層間接続部は上下の導体パターンを繋ぐ位置
でいわゆるスルーホールとして機能し、これを設ける絶
縁膜は該当面にはその全面を均一に覆う状態に積層する
ことになる。このため、当該層は積層がいびつになら
ず、そして層間接続部の位置(設定点)が、積層体とし
ては互いに重畳しない設定点を順次に移り巡る構成なの
で、積層面が凹凸になることを防止でき、その結果、チ
ップ本体をいびつになることなく多層に積層できる。
【0052】また、層間接続部の位置(設定点)が、導
体パターンの角部を外れた略正三角形の頂点3ヶ所なの
で、ある程度はそれぞれの外形サイズを大きくしても干
渉がなく、外形サイズを大きくできることから、細かい
メッシュのスクリーン版を用いるファイン印刷できわめ
て有利になり、印刷積層を安定に行えてコイルパターン
が安定するのでインダクタンス値のばらつきを防止で
き、その結果、歩留まりを向上し得る。
【0053】そして、複数の層間接続部は、互いに重畳
しない位置関係なので積層の上下間で干渉がなく、導体
パターンの角部を外れた位置なので、外部電極とは接
近,重畳しない位置関係にでき、外部電極との間に生じ
る分布容量を低値に抑えることができ、これにより共振
周波数が低減する不良を防止できる。
【0054】さらに、層間接続部の位置(設定点)を、
導体パターンの角部を外れた略正三角形の頂点3ヶ所と
し、それらの3ヶ所は3種類の導体パターンにより並び
の次を飛び越した2つ目が連なって回り巡る構成であ
り、導体パターンの形成が2層分でコイル1ターンより
も多くなるので、積層数は抑えつつ多くの巻きターンを
得ることができる。
【0055】すなわち本発明によれば、チップ本体をい
びつになることなく多層に積層でき、積層数は抑えつつ
多くの巻きターンを得ることができることから、巻きタ
ーンが多いコイルパターンを不良なく安定に形成でき、
その結果、小型化とともに大きなインダクタンス値を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の積層インダクタであり印刷積層法による
製造工程を順に示す平面図である。
【図2】本発明に係る積層インダクタの斜視図である。
【図3】図2の縦巻き型の積層インダクタであり印刷積
層法による製造工程を順に示す平面図である。
【図4】積層インダクタの他の形態を示す斜視図であ
る。
【図5】図4の横巻き型の積層インダクタであり印刷積
層法による製造工程を順に示す平面図である。
【図6】層間接続部の他例であり印刷積層法による製造
工程を順に示す平面図である。
【符号の説明】
1 絶縁膜 2 導体パターン 3 チップ本体 4 外部電極 5x 層間接続部 6,7 引き出し導体 10 積層インダクタ 11,12 マスク層 20 内蔵コイル 21 第1パターン(導体パターン) 22 第2パターン(導体パターン) 23 第3パターン(導体パターン) 26 コイルパターン 40 周縁部 50 空孔 51 第1層間接続部 52 第2層間接続部 53 第3層間接続部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック等の絶縁膜と導体パターンを
    適宜な順に積層することで当該内部に前記導体パターン
    が螺旋状に繋がったコイルを内蔵する矩形状のチップ本
    体を備えて、当該チップ本体の対向2面に、前記コイル
    の両端とそれぞれ接続する外部電極を設ける積層インダ
    クタにおいて、 上層の導体パターン端部と下層の導体パターン端部とを
    重畳する位置関係とし、両パターンの上下層間となる前
    記絶縁膜には、空孔に導体を充填した層間接続部を前記
    重畳位置に設けて前記両端部を電気接続するが、当該層
    間接続部の位置は互いに重畳しない複数の設定点を順次
    に移り巡る設定としたことを特徴とする積層インダク
    タ。
  2. 【請求項2】 前記設定点は少なくとも3ヶ所であると
    ともに、前記導体パターンの角部には位置しないことを
    特徴とする請求項1に記載の積層インダクタ。
  3. 【請求項3】 前記設定点は3ヶ所であり、 前記導体パターンは第1層間接続部から第2層間接続部
    側を通過して第3層間接続部に至る第1パターンと、第
    3層間接続部から第1層間接続部側を通過して第2層間
    接続部に至る第3パターンと、第2層間接続部から第3
    層間接続部側を通過して第1層間接続部に至る第2パタ
    ーンとを順次に形成して、当該導体パターンの形成を2
    層分でコイル1ターンよりも多くしたことを特徴とする
    請求項1または2に記載の積層インダクタ。
  4. 【請求項4】 前記空孔の外形を、前記導体パターン幅
    よりも大サイズ値に設定したことを特徴とする請求項1
    から3のいずれか1項に記載の積層インダクタ。
  5. 【請求項5】 前記積層インダクタは前記外部電極を、
    前記コイルの軸線に沿う対向2面に設けた構成であるこ
    とを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の
    積層インダクタ。
  6. 【請求項6】 前記積層インダクタは前記外部電極を、
    前記コイルの軸線に対立する対向2面に設けた構成であ
    ることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記
    載の積層インダクタ。
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