JPH11330887A - 分布定数型ノイズフィルタとその製造方法 - Google Patents

分布定数型ノイズフィルタとその製造方法

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JPH11330887A
JPH11330887A JP12859298A JP12859298A JPH11330887A JP H11330887 A JPH11330887 A JP H11330887A JP 12859298 A JP12859298 A JP 12859298A JP 12859298 A JP12859298 A JP 12859298A JP H11330887 A JPH11330887 A JP H11330887A
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signal line
terminal electrode
conductor
coil
green sheet
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JP12859298A
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Osami Kumagai
修美 熊谷
Toshiyuki Abe
寿之 阿部
Minoru Sato
稔 佐藤
Tatsuo Ogimoto
健生 扇本
Makoto Kobayashi
誠 小林
Noriyuki Saito
則之 斉藤
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プリント基板へフィルタを実装した際の特性変
動が低減されると共に、個々のフィルタの特性のばらつ
きも少なく、端子電極の形成が容易であり、端子電極の
間隔精度、外形寸法精度が向上し、もって歩留りが向上
し、ばら積み後の実装が良好に行える分布定数型フィル
タとその製造方法を提供する。 【解決手段】信号ライン用コイル導体2とグランドライ
ン用コイル導体2Aとを磁性体または非磁性体とともに
積層する。積層体における信号ライン用コイルパターン
の発生磁束方向の両端に信号ライン用端子電極を設け
る。信号ライン用端子電極の間に、グランドライン用コ
イルパターンに接続されるグランドライン用端子電極を
設ける。積層体の両端の信号ライン用端子電極と、前記
グランドライン用端子電極とを、積層体の導体構成部材
により積層工程において形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号ライン用コイ
ル導体およびグランドライン用コイル導体と磁性体また
は非磁性体とを積層して構成される分布定数型ノイズフ
ィルタとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の分布定数型ノイズフィルタとし
て、特開平8−130430号公報には、図4(A)の
層構造図、および図4(B)、(C)の斜視図に示すよ
うに、磁性体または非磁性体からなる各グリーンシート
(図示せず)上に信号用コイル導体2bとグランドライ
ン用コイル導体3b、2cと3c、…2hと3hをそれ
ぞれ形成し、かつ信号ライン用コイル導体接合用スルー
ホール4bとグランドライン用コイル導体接合用スルー
ホール5b、4cと5c、…4gと5gを設けたものを
積層し、個々のチップに切断した後焼成し、その両端を
銀ペーストにディップし、焼き付け、また、両側にグラ
ンドライン導体ペーストを印刷し、焼き付けた後、さら
にニッケルや錫等を電気メッキすることにより、信号ラ
イン用端子電極20とグランドライン用端子電極30を
形成する。両端の信号ライン用端子電極20、20は、
図4(A)におけるコイル導体2b〜2hからなるコイ
ルパターンの両端に接続され、グランドライン用端子電
極30、30は、それぞれグランドライン用コイル導体
の引き出し部31b〜31hに交互に接続される。
【0003】図4(B)はコイル導体2b〜2hでなる
コイルの磁束方向Xがプリント基板60に対して垂直を
なすように積層体(フィルタ)24を実装した例であ
り、図4(C)はその磁束方向Xがプリント基板60に
平行をなすように積層体24を実装した例である。
【0004】図4(D)は特開平8−279723号公
報に開示された分布定数型ノイズフィルタの別の構成例
であり、コイル2によって発生する磁束の方向が両端の
信号ライン用端子電極20、20の対向方向に向くよう
に形成した例である。また、この構造の場合、周囲のグ
ランドライン用端子電極30と内部のコイル2との間で
分布容量を得てフィルタを構成している。
【0005】また、この従来例の場合、積層体24Aの
全面に導電性材料を塗布し、乾燥した後、不要部分の電
極を切削し、信号ライン用端子電極20およびグランド
ライン用端子電極30を得ている。また、積層体24A
の全面に導電材料を形成する方法として、塗布以外に、
スクリーン印刷、スパッタリング、電気メッキが開示さ
れ、また、不要部分の電極を切除して端子電極20、3
0を形成する方法としては、レーザートリミングあるい
はアグレッシブトリミングにより切除する方法が開示さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図4(A)〜(C)に
示すように、信号ライン用端子電極20、20の対向方
向に対してコイルにより発生する磁束方向Xが垂直をな
す構成の場合には、図4(B)に示すように、磁束方向
Xがプリント基板60に対して垂直をなすように実装し
た場合と、図4(C)に示すように、その磁束方向Xが
プリント基板60に平行をなすように実装した場合とで
は、磁気抵抗が変わるため、フィルタ特性が実装の仕方
によって変動するという問題点がある。
【0007】図4(D)に示すフィルタの場合にはフィ
ルタ24の実装面をどの面にしても磁束方向Xは常にプ
リント基板の板面に平行となるので、実装面の変更によ
る特性の変更は少なくなる。
【0008】しかしながら、積層体24Aの全面に導電
材料を塗布し乾燥した後、不要部分の電極を切除して端
子電極を得る方法では、積層体24Aの小型化が進んだ
場合、一辺が2mm以下となるような小型のチップにな
ると、積層体24Aの機械的な把持がほとんど不可能と
なり、実現が困難となる。また、積層体24Aの信号ラ
イン用端子電極20を形成するため、銀ペースト等にデ
ィップにより端子電極20を形成した後、印刷によりグ
ランドライン用端子電極30を部分的にスクリーン印刷
で塗布することも考えられるが、スクリーン印刷を行う
には、積層体24Aのパレット詰め工程が必要であるこ
とと、積層体24Aの全周に印刷するために、最低4回
の印刷工程が必要となり、このことが製造工数の増加、
コストアップを招くという問題点があり、また、小型化
が進むと印刷自体が困難になるという問題点がある。
【0009】また、図4(D)のように、外周のグラン
ドライン用端子電極30と内部のコイル2との間で容量
成分を構成する場合、積層後に個々のフィルタごとにチ
ップ状に切断する工程において、切断ずれ等が発生した
場合、グランドライン用端子電極30と信号ライン用コ
イル2との間の分布容量のばらつきが大きくなり、その
結果フィルタ特性のばらつきが大きくなるという問題点
がある。
【0010】本発明は、上記問題点に鑑み、プリント基
板へフィルタを実装した際の特性変動が低減されると共
に、個々のフィルタの特性のばらつきも少なく、端子電
極の形成が容易であり、端子電極の間隔精度、外形寸法
精度が向上し、もって歩留りが向上し、ばら積み後の実
装が良好に行える分布定数型フィルタとその製造方法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1の分布定数型ノイズフィルタは、信号ライ
ン用コイル導体とグランドライン用コイル導体とを磁性
体または非磁性体とともに積層して積層体の内部に信号
用コイルパターンとグランドライン用コイルパターンを
形成してなる分布定数型ノイズフィルタにおいて、前記
積層体における前記信号ライン用コイルパターンの発生
磁束方向の両端に信号ライン用端子電極を設け、これら
の両端の信号ライン用端子電極の間に、前記グランドラ
イン用コイルパターンに接続されるグランドライン用端
子電極を設け、前記積層体の両端の信号ライン用端子電
極と、前記グランドライン用端子電極とを、積層体の導
体構成部材により積層工程において形成したことを特徴
とする。
【0012】このように、コイルパターンにより発生す
る磁束方向の両端部に信号ライン用端子電極が形成され
る構成とすることにより、実装面の変化による特性の変
動が少なくなる。また、容量成分が信号ライン用コイル
パターンとグランドライン用コイルパターンとの間の積
層構造により形成されるので、個々のフィルタの特性の
ばらつきも少なくなる。また、信号ライン用端子電極と
グランドライン用端子電極とが積層工程により形成され
るので、銀ペーストにディップし、あるいは導体ペース
トを印刷し、焼き付け等を行う場合に比較して端子電極
の形成が容易となる。また、信号ライン用端子電極とグ
ランドライン用端子電極が積層工程により形成されるの
で、端子電極の間隔精度、外形寸法精度が向上し、もっ
て歩留りが向上し、ばら積み後の実装が良好に行える請
求項2の分布定数型ノイズフィルタは、請求項1におい
て、信号ライン用コイルパターンとグランドライン用コ
イルパターンの各々の巻回開始部、巻回終了部および巻
回接合部の位置を、積層方向において互いに重ならない
位置に配置し、同一積層面において、一方のコイルパタ
ーンが巻回パターンを形成するとき、他方のパターンは
接合用パターンとなるようにパターンを配置して積層し
たことを特徴とする。
【0013】これにより、信号ライン用コイル導体とグ
ランドライン用コイル導体とを同層に形成する場合に比
較し、コイルパターンを小さくすることができ、小型化
が容易となる。
【0014】請求項3の分布定数型ノイズフィルタは、
請求項1または2において、積層体の中間部に設けるグ
ランドライン用端子電極の中心に該端子電極を構成する
導体の切抜部を設け、該切抜部に信号ライン用コイルパ
ターンの連絡用スルーホールを通したことを特徴とす
る。
【0015】これにより、連絡用スルーホールを積層体
の外周側に配置する場合に比較し、スルーホールを通し
やすくなり、個々のチップに切断する際に多少の切断位
置のずれがあっても、特性のばらつきは小さくなる。
【0016】請求項4の分布定数型ノイズフィルタは、
請求項3において、前記グランドライン用端子電極の中
心の切抜部に、グランドライン用端子電極に隣接する層
に設けた凸部が埋め込まれ、該凸部に前記信号ライン用
コイルパターンの連絡用スルーホールを有することを特
徴とする。
【0017】これにより、グランドライン用端子電極の
両側のコイル導体間が確実に接続される。
【0018】請求項5の分布定数型ノイズフィルタは、
請求項1から4までのいずれかにおいて、前記積層体の
積層方向に対して垂直をなす断面の形状がほぼ正方形を
なすことを特徴とする。
【0019】これにより、プリント基板への実装面の変
化によるインダクタンスの変化が小さくなり、フィルタ
特性の実装による変動が少ない。
【0020】請求項6の分布定数型ノイズフィルタの製
造方法は、多数個取り用のグリーンシートを積層するこ
とにより分布定数型ノイズフィルタを製造する方法であ
って、分布定数型ノイズフィルタの両端の端子電極を形
成する信号端子電極用導体グリーンシートと、信号ライ
ン用コイルパターンの素材となるL字形またはコ字形を
なす信号ライン用コイル導体と、信号ライン用コイル導
体どうし並びにグランドライン用コイル導体どうしをそ
れぞれ接合する接合用スルーホールとを縦横を並列した
複数の信号ライン用グリーンシートと、グランドライン
用コイルパターンの素材となるL字形またはコ字形をな
すグランドライン用コイル導体と、信号ライン用コイル
導体どうし並びにグランドライン用コイル導体どうしを
それぞれ接合する接合用スルーホールとを縦横を並列し
た複数のグランドライン用グリーンシートと、信号ライ
ン用コイル導体接合用の切抜部を有するグランド端子電
極用導体グリーンシートと、前記信号端子電極用導体グ
リーンシートの少なくともいずれか一方に重ねて配置さ
れ、前記信号ライン用グリーンシート上の信号ライン用
コイル導体と信号端子電極用導体グリーンシートとを接
合する接合用スルーホールを有する接合用グリーンシー
トとを備え、最下層、最上層にそれぞれ前記信号端子電
極用導体グリーンシートを配置し、中間層に前記グラン
ド端子電極用導体グリーンシートを配置し、該グランド
端子電極用導体グリーンシートと上下の前記信号端子電
極用導体グリーンシートとの間に、前記信号ライン用グ
リーンシートと前記グランドライン用グリーンシートと
を交互に配置して重ね、これらのグリーンシート全体を
圧着し、その後、圧着されたグリーンシートを個々のコ
イルごとにチップ状に切断し、焼成することにより、両
端部に積層体の導体層構成部材からなる信号ライン用端
子電極と、これらの信号ライン用端子電極間に位置する
部分に導体層構成部材からなるグランドライン用コイル
パターンの端子電極を有する分布定数型ノイズフィルタ
を得ることを特徴とする。
【0021】これにより、前述した特徴を有する分布定
数型ノイズフィルタを製造することができる。
【0022】請求項7の分布定数型ノイズフィルタの製
造方法は、請求項6において、前記グランド端子電極用
グリーンシートに隣接して接合用グリーンシートを重
ね、該接合用グリーンシートに前記信号用コイル導体の
連絡用スルーホールを有する凸部を設け、該凸部を前記
グランド端子電極用グリーンシートの切抜部に嵌めて接
合することを特徴とする。
【0023】これにより、グランドライン用端子電極の
両側のコイル導体間が確実に接続される。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は本発明による分布定数型ノ
イズフィルタの1チップ分の一実施の形態の層構造を示
す斜視図、図2(A)、(B)はそれぞれ本実施の形態
の製造工程における多数個取りの層構造を示す斜視図、
および多数個取りのグリーンシートを圧着した状態を示
す斜視図、図3(A)は該ノイズフィルタの斜視図、図
3(B)はその等価回路図、図3(C)はその一部の層
構造図である。
【0025】図1に示すように、本実施の形態の分布定
数型ノイズフィルタは、低誘電率の非磁性体からなる信
号ライン用グリーンシート1およびグランドライン用グ
リーンシート1Aに、それぞれ、銀やその合金等の金属
からなるコ字形(3/4ターン)あるいは図示のような
L字形(1/2ターン)により信号ライン用コイル導体
2、グランドライン用コイル導体2Aを形成すると共
に、各グリーンシート1、1Aには、それぞれコイル導
体2と2間、2Aと2Aをそれぞれ接合するためのスル
ーホール3、3Aを形成してその中に導体ペーストを充
填しておく。
【0026】5はノイズフィルタの両端の端子電極形成
用の信号端子電極用導体グリーンシートである。
【0027】6は信号ライン用コイル導体接合用の切抜
部6aを中央に有するグランド端子電極用導体グリーン
シートである。
【0028】1X、1Yは前記グランド端子電極用導体
グリーンシート6に隣接するように配置される接合用グ
リーンシートである。これらの接合用グリーンシート1
X、1Yは信号ライン用コイル導体2の接合用スルーホ
ール3を前記切抜部6aに対応する部分に有し、かつ前
記グランドライン用コイル導体2Aをグランド端子電極
用導体グリーンシート6に接合する接合用スルーホール
3Aを有する。1Wも接合用グリーンシートであり、該
接合用グリーンシート1Wは、それぞれ中心から外側に
向けて形成されたコイル導体2Xおよびその先端のスル
ーホール3と、グランドライン用コイル導体接合用スル
ーホール3Aを有する。
【0029】1Zは前記信号端子電極用導体グリーンシ
ート5と前記信号ライン用グリーンシート1上の信号ラ
イン用コイル導体2とを接合するスルーホール3を有す
接合用グリーンシートである。
【0030】これらは実際には多数個取りのために、図
2(A)に示すように、各コイル導体2、2A、2Xあ
るいはスルーホール3、3Aをグリーンシート1、1
A、1W〜1Zに多数縦横に配列して形成したものを積
層する。
【0031】すなわち上記各グリーンシートを、最下
層、最上層にそれぞれ前記信号端子電極用導体グリーン
シート5、5が位置し、中間層に前記グランド端子電極
用導体グリーンシート6およびその上下に隣接する接合
用グリーンシート1W、1Xと1Yとが位置し、該接合
用グリーンシート1Y、1Wと上下の前記信号端子電極
用導体グリーンシート5、5との間に、前記信号ライン
用グリーンシート1と前記グランドライン用グリーンシ
ート1Aとの交互シート層が位置し、これらの交互配置
層と最上層の前記信号端子電極用導体グリーンシート5
との間に、前記接合用グリーンシート1Zとが位置する
ように、図2(B)のように重ねる。
【0032】そしてこれらのグリーンシート全体を圧着
し、その後、圧着されたグリーンシートを個々のコイル
ごとにチップ状に切断し、焼成することにより、図3
(A)に示すように、両端部に積層体の導体層構成部材
からなる信号ライン用端子電極5A、5Aとこれらの信
号ライン用端子電極5A、5A間に位置する部分に導体
層構成部材からなるグランドライン用コイルパターンの
端子電極6Aを有する分布定数型ノイズフィルタ7を得
る。
【0033】このようにして得られたフィルタの等価回
路は図3(B)に示す通りであり、8は前記信号ライン
用コイル導体2の集合体でなる信号ライン用コイルパタ
ーン、9は前記グランドライン用コイル導体2Aの集合
体でなるグランドライン用コイルパターンである。信号
ライン用コイルパターン8の両端が前記信号ライン用端
子電極5A、5Aに接続され、前記グランドライン用コ
イルパターン9のほぼ中間部がグランドライン用端子電
極6Aに接続される。また、これらのコイルパターン
8、9間に分布容量10が形成される。
【0034】このように、巻芯すなわちコイルパターン
8、9に流れる電流によって生じる磁束の方向は信号ラ
イン用端子電極5A、5Aの対向方向と一致するため、
実装面が変わることによる特性の変動は小さい。
【0035】また、分布容量10が信号ライン用コイル
パターン8とグランドライン用コイルパターン9との間
の積層構造により形成されるので、個々のフィルタの特
性のばらつきも少なくなる。
【0036】また、信号ライン用端子電極5Aとグラン
ドライン用端子電極6Aとが積層工程により形成される
ので、銀ペーストにディップし、あるいは導体ペースト
を印刷し、焼き付け等を行う場合に比較して端子電極の
形成が容易となる。また、信号ライン用端子電極5Aと
グランドライン用端子電極6Aが積層工程により形成さ
れるので、端子電極の間隔精度、外形寸法精度が向上
し、もって歩留りが向上し、ばら積み後の実装が良好に
行える。
【0037】また、信号ライン用コイルパターン8やグ
ランドライン用コイルパターン9は同じグリーンシート
上に形成する構成であってもよいが、小型化を図る意味
において、本実施の形態のように、信号ライン用コイル
パターン8とグランドライン用コイルパターン9の各々
の巻回開始部aとb、巻回終了部cとdおよび巻回接合
部eとfの位置を、積層方向においてそれぞれ互いに重
ならない位置に配置し、同一積層面において、一方のコ
イルパターン8(または9)が巻回パターンを形成する
とき、他方のパターン9(または8)は接合用パターン
(スルーホール3または3A)となるようにパターンを
配置して積層することにより、コイルパターンが大きく
ならず、小型化が図れる。
【0038】また、グランドライン用端子電極6Aとな
るグランド端子電極用導体グリーンシート6の切抜部6
aを中心部に設け、スルーホール3を介して接合用導体
を該切抜部6aに通すことにより、スルーホール3を通
しやすくなり、個々のチップに切断する際に多少の切断
位置のずれがあっても、特性のばらつきは小さくなる。
【0039】また、図3(C)に示すように、接合用グ
リーンシート1Xに切抜部6aに嵌める凸部11を設
け、該凸部11に信号ライン用コイル導体2接合用のス
ルーホール3を設けることにより、グリーンシートの積
層状態において空隙発生を生じるおそれがなく、信号ラ
イン用コイル導体2の接合が確実に行われる。
【0040】また、本実施の形態のように、フィルタ7
のコイルパターン8、9の巻芯に垂直方向の断面形状を
正方形とすることにより、フィルタ7のどの面をプリン
ト基板(図示せず)に実装した場合であっても、巻芯か
らプリント基板までの距離が一定となるから、実装面を
変えた場合における特性変動をより小さくすることがで
きる。
【0041】グリーンシート1、1A〜1W〜1Zとし
ては、高周波用として、分布容量を低減する上で、比誘
電率が30以下のアルミナ、コーディエライト、ウムラ
イト、低誘電率ガラス等を用いることが好ましいが、本
例においては、ストロンチウム、カルシウム、アルミ
ナ、酸化珪素からなるガラス70%、アルミナ30%
(いずれも重量%)の組成のセラミック組成物からなる
セラミックシートを用いた。また、コイル導体2は、パ
ターン幅60μm、厚み10μmに印刷した。
【0042】また、信号ライン、グランドラインの両端
子電極5A、6Aを形成する導体グリーンシート5、6
は、導電材粉末として銀粉を用い、絶縁体粉末としての
ガラス粉末およびビヒクルを加え、これらの粉末を合成
樹脂製バインダに混合し、焼成後の厚みが約120μm
となるように設計して成膜したものである。
【0043】もし必要であれば、個々のチップに切断し
た後、各チップの端子電極5A、6Aに、銅とニッケル
と錫の電気メッキ、あるいはニッケルと錫の電気メッ
キ、もしくはニッケルと錫−鉛の電気メッキ等を行う。
【0044】
【発明の効果】請求項1によれば、前記積層体の両端の
信号ライン用端子電極と、前記中間部のグランドライン
用端子電極とを、積層体の導体構成部材により積層工程
において形成し、コイルパターンにより発生する磁束方
向の両端部に信号ライン用端子電極が形成される構成と
しているので、実装面の変化による特性の変動が少なく
なる。また、容量成分が信号ライン用コイルパターンと
グランドライン用コイルパターンとの間の積層構造によ
り形成されるので、個々のフィルタの特性のばらつきも
少なくなる。また、信号ライン用端子電極とグランドラ
イン用端子電極とが積層工程により形成されるので、銀
ペーストにディップし、あるいは導体ペーストを印刷
し、焼き付け等を行う場合に比較して端子電極の形成が
容易となる。また、信号ライン用端子電極とグランドラ
イン用端子電極が積層工程により形成されるので、端子
電極の間隔精度、外形寸法精度が向上し、もって歩留り
が向上し、ばら積み後の実装が良好に行える。
【0045】請求項2によれば、請求項1において、信
号ライン用コイルパターンとグランドライン用コイルパ
ターンの各々の巻回開始部、巻回終了部および巻回接合
部の位置を、積層方向において互いに重ならない位置に
配置し、同一積層面において、一方のコイルパターンが
巻回パターンを形成するとき、他方のパターンは接合用
パターンとなるようにパターンを配置して積層したの
で、信号ライン用コイル導体とグランドライン用コイル
導体とを同層に形成する場合に比較し、コイルパターン
を小さくすることができ、小型化が容易となる。
【0046】請求項3によれば、請求項1または2にお
いて、積層体の中間部に設けるグランドライン用端子電
極の中心に該端子電極を構成する導体の切抜部を設け、
該切抜部に信号ライン用コイルパターンの連絡用スルー
ホールを通したので、連絡用スルーホールを積層体の外
周側に配置する場合に比較し、スルーホールを通しやす
くなり、個々のチップに切断する際に多少の切断位置の
ずれがあっても、特性のばらつきは小さくなる。
【0047】請求項4によれば、請求項3において、前
記グランドライン用端子電極の中心の切抜部が、グラン
ドライン用端子電極に隣接する層に設けた凸部が埋め込
まれ、該凸部に前記信号ライン用コイルパターンの連絡
用スルーホールを有するため、グリーンシートの積層状
態において空隙発生を生じるおそれがなく、信号ライン
用コイル導体の接合が確実に行われる。
【0048】請求項5によれば、請求項1から4までの
いずれかにおいて、前記積層体の積層方向に対して垂直
をなす断面の形状がほぼ正方形をなすため、プリント基
板への実装面の変化によるインダクタンスの変化が小さ
くなり、フィルタ特性の実装による変動がより少なくな
る。
【0049】請求項6の製造方法によれば、請求項1の
特徴を有する分布定数型ノイズフィルタをシート法によ
り容易に得ることができる。
【0050】請求項7の製造方法によれば、グランドラ
イン用端子電極の両側のコイル導体間が確実に接続され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による分布定数型ノイズフィルタの1チ
ップ分の一実施の形態の層構造を示す斜視図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ本実施の形態の製造
工程における多数個取りの層構造を示す斜視図である。
【図3】(A)は本実施の形態のノイズフィルタの斜視
図、(B)はその等価回路図、(C)はその一部の層構
造図である。
【図4】(A)は従来の分布定数型ノイズフィルタの一
例の層構造図、(B)はそのプリント基板への実装の一
例図、(C)は(B)の分布定数型ノイズフィルタの実
装の他の例を示す図、(D)は従来の分布定数型ノイズ
フィルタの他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:信号ライン用グリーンシート、1A:グランドライ
ン用グリーンシート、1W〜1Z:接合用グリーンシー
ト、2:信号ライン用コイル導体、2A:グランドライ
ン用コイル導体、3、3A:スルーホール、5:信号端
子電極用導体グリーンシート、5A:信号ライン用端子
電極、6:グランド端子電極用導体グリーンシート、6
a:切抜部、6A:グランドライン用端子電極、8:信
号ライン用コイルパターン、9:グランドライン用コイ
ルパターン、10:分布容量、11:凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 扇本 健生 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ −ディ−ケイ株式会社内 (72)発明者 小林 誠 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ −ディ−ケイ株式会社内 (72)発明者 斉藤 則之 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ −ディ−ケイ株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】信号ライン用コイル導体とグランドライン
    用コイル導体とを磁性体または非磁性体とともに積層し
    て積層体の内部に信号用コイルパターンとグランドライ
    ン用コイルパターンを形成してなる分布定数型ノイズフ
    ィルタにおいて、 前記積層体における前記信号ライン用コイルパターンの
    発生磁束方向の両端に信号ライン用端子電極を設け、 これらの両端の信号ライン用端子電極の間に、前記グラ
    ンドライン用コイルパターンに接続されるグランドライ
    ン用端子電極を設け、 前記積層体の両端の信号ライン用端子電極と、前記グラ
    ンドライン用端子電極とを、積層体の導体構成部材によ
    り積層工程において形成したことを特徴とする分布定数
    型ノイズフィルタ。
  2. 【請求項2】請求項1において、 信号ライン用コイルパターンとグランドライン用コイル
    パターンの巻回開始部、巻回終了部および巻回接合部の
    位置を、積層方向において互いに重ならない位置に配置
    し、 同一積層面において、一方のコイルパターンが巻回パタ
    ーンを形成するとき、他方のパターンは接合用パターン
    となるようにパターンを配置して積層したことを特徴と
    する分布定数型ノイズフィルタ。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、 前記グランドライン用端子電極の中心に該端子電極を構
    成する導体の切抜部を設け、該切抜部に信号ライン用コ
    イルパターンの連絡用スルーホールを通したことを特徴
    とする分布定数型ノイズフィルタ。
  4. 【請求項4】請求項3において、 前記グランドライン用端子電極の中心の切抜部に、グラ
    ンドライン用端子電極に隣接する層に設けた凸部が埋め
    込まれ、該凸部に前記信号ライン用コイルパターンの連
    絡用スルーホールを有することを特徴とする分布定数型
    ノイズフィルタ。
  5. 【請求項5】請求項1から4までのいずれかにおいて、 前記積層体の積層方向に対して垂直をなす断面の形状が
    ほぼ正方形をなすことを特徴とする分布定数型ノイズフ
    ィルタ。
  6. 【請求項6】多数個取り用のグリーンシートを積層する
    ことにより分布定数型ノイズフィルタを製造する方法で
    あって、 分布定数型ノイズフィルタの両端の端子電極を形成する
    信号端子電極用導体グリーンシートと、 信号ライン用コイルパターンの素材となるL字形または
    コ字形をなす信号ライン用コイル導体と、信号ライン用
    コイル導体どうし並びにグランドライン用コイル導体ど
    うしをそれぞれ接合する接合用スルーホールとを縦横を
    並列した複数の信号ライン用グリーンシートと、 グランドライン用コイルパターンの素材となるL字形ま
    たはコ字形をなすグランドライン用コイル導体と、信号
    ライン用コイル導体どうし並びにグランドライン用コイ
    ル導体どうしをそれぞれ接合する接合用スルーホールと
    を縦横を並列した複数のグランドライン用グリーンシー
    トと、 信号ライン用コイル導体接合用の切抜部を有するグラン
    ド端子電極用導体グリーンシートと、 前記信号端子電極用導体グリーンシートの少なくともい
    ずれか一方に重ねて配置され、前記信号ライン用グリー
    ンシート上の信号ライン用コイル導体と信号端子電極用
    導体グリーンシートとを接合する接合用スルーホールを
    有する接合用グリーンシートとを備え、 最下層、最上層にそれぞれ前記信号端子電極用導体グリ
    ーンシートを配置し、中間層に前記グランド端子電極用
    導体グリーンシートを配置し、該グランド端子電極用導
    体グリーンシートと上下の前記信号端子電極用導体グリ
    ーンシートとの間に、前記信号ライン用グリーンシート
    と前記グランドライン用グリーンシートとを交互に配置
    して重ね、 これらのグリーンシート全体を圧着し、 その後、圧着されたグリーンシートを個々のコイルごと
    にチップ状に切断し、焼成することにより、両端部に積
    層体の導体層構成部材からなる信号ライン用端子電極
    と、これらの信号ライン用端子電極間に位置する部分に
    導体層構成部材からなるグランドライン用コイルパター
    ンの端子電極を有する分布定数型ノイズフィルタを得る
    ことを特徴とする分布定数型ノイズフィルタの製造方
    法。
  7. 【請求項7】請求項6において、 前記グランド端子電極用グリーンシートに隣接して接合
    用グリーンシートを重ね、該接合用グリーンシートに前
    記信号用コイル導体の連絡用スルーホールを有する凸部
    を設け、該凸部を前記グランド端子電極用グリーンシー
    トの切抜部に嵌めて接合することを特徴とする分布定数
    型ノイズフィルタの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003017968A (ja) * 2001-06-28 2003-01-17 Tdk Corp 積層フィルタ
KR20040001294A (ko) * 2002-06-27 2004-01-07 (주) 래트론 분포정수형 필터

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