JP3365287B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法

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JP3365287B2
JP3365287B2 JP34243997A JP34243997A JP3365287B2 JP 3365287 B2 JP3365287 B2 JP 3365287B2 JP 34243997 A JP34243997 A JP 34243997A JP 34243997 A JP34243997 A JP 34243997A JP 3365287 B2 JP3365287 B2 JP 3365287B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積層セラミック
電子部品の製造方法に関するもので、特に、インダクタ
を内蔵する積層セラミック電子部品の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図5ないし図7は、特開平5−1359
49号公報に記載されている、この発明にとって興味あ
る従来の積層チップインダクタおよびその製造方法を説
明するためのものである。図5には、この積層チップイ
ンダクタに備える積層体1を構成する要素が分解されて
斜視図で示されている。積層体1は、フェライトからな
る複数のセラミック層2、3、4、…、4、5および6
が積層されて得られたものである。なお、図示したセラ
ミック層2〜6は、積層体1に含まれるセラミック層の
うちの典型的なものであって、図5では、2つのセラミ
ック層4が図示されているが、このセラミック層4は、
必要に応じて、その数を増減することができる。
【0003】セラミック層2〜6は、それぞれ、対応の
セラミックグリーンシートを焼成することによって得ら
れるもので、セラミック層2〜6となるべきセラミック
グリーンシートを積層状態で焼結させることにより、一
体的な積層体1が得られる。セラミック層4となるべき
セラミックグリーンシート4gは、図6に示すように製
造される。
【0004】まず、図6(1)に示すように、セラミッ
クグリーンシート4gには、スルーホール7が設けられ
る。次に、図6(2)に示すように、セラミックグリー
ンシート4g上でL字状に延びるパターン膜8が、印刷
により導電性ペーストを付与することによって形成され
る。このとき、パターン膜8は、スルーホール7を覆う
ように形成されるので、スルーホール7内にも導電性ペ
ーストが付与される。
【0005】次に、図6(3)に示すように、パターン
膜8の一方端部上であって、スルーホール7を覆うよう
に、フェライトペーストが印刷により付与され、それに
よって、絶縁層9が形成される。次に、図6(4)に示
すように、パターン膜8に連なり、絶縁層9上にまで延
びるL字状のパターン膜10が、印刷により導電性ペー
ストを付与することによって形成される。これによっ
て、パターン膜8および10は、1ターン分、周回する
周回導電膜11を構成する。
【0006】図7には、図6(4)の線VII−VII
に沿う拡大断面図が示されている。図7に示すように、
上述した周回導電膜11の第1の端部12は、スルーホ
ール7内に位置されるパターン膜8の端部によって与え
られ、同じく第2の端部13は、絶縁層9上に位置され
るパターン膜10の端部によって与えられる。これら第
1の端部12と第2の端部13とは、絶縁層9を介して
重なり合うように位置している。また、セラミックグリ
ーンシート4gの上方主面側には、第2の端部13を含
む周回導電膜11の大部分が露出し、同じく下方主面側
には、第1の端部12のみが露出している。
【0007】このようなセラミックグリーンシート4g
を積層すると、積層状態において隣り合う上下のセラミ
ックグリーンシート4gのうち、上のセラミックグリー
ンシート4gに形成された周回導電膜11の第1の端部
12は、下のセラミックグリーンシート4gに形成され
た周回導電膜11の第2の端部13に接触する。したが
って、複数の周回導電膜11は、順次接続されてコイル
状に延びる形態となる。
【0008】セラミックグリーンシート4gは、焼成さ
れることによって、図5に示したセラミック層4となる
ものであるが、セラミック層2、3、5および6となる
べきセラミックグリーンシートも用意される。セラミッ
ク層3となるべきセラミックグリーンシートには、周回
導電膜11の第1の端部12に接するとともにセラミッ
ク層3の端縁にまで引き出されるように延びる第1の端
部導電膜14が、導電性ペーストを印刷により付与する
ことによって形成されている。
【0009】また、セラミック層5となるべきセラミッ
クグリーンシートには、第2の端部導電膜15が、導電
性ペーストを印刷により付与することによって形成され
ている。このセラミックグリーンシートには、スルーホ
ール16が設けられ、第2の端部導電膜15は、スルー
ホール16を介して周回導電膜11の第2の端部13に
接するようにされる。また、第2の端部導電膜15は、
セラミック層5上において、前述した第1の端部導電膜
14とは逆側に引き出されるように延びている。
【0010】セラミックグリーンシート4gを含む複数
のセラミックグリーンシートを所定の順序で積層するこ
とによって、生の積層体が得られ、この生の積層体が焼
成されることによって、図5に示すセラミック層2〜6
を含む一体的な積層体1とされる。積層体1の相対向す
る各端面には、前述した第1および第2の端部導電膜1
4および15に接するように、図示しないが、第1およ
び第2の外部端子電極が設けられる。
【0011】このようにして、所望の積層チップインダ
クタが完成される。この積層チップインダクタにおい
て、複数の周回導電膜11ならびに第1および第2の端
部導電膜14および15は、全体としてコイル状に延び
るコイル導体を形成し、このコイル導体の各端部が第1
および第2の外部端子電極にそれぞれ電気的に接続され
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した積層チップイ
ンダクタは、セラミック層4の各々に関して、1ターン
分、周回する周回導電膜11を形成しているので、たと
えば、1/2ターンあるいは3/4ターン分の周回導電
膜しか形成していないセラミック層を有する積層チップ
インダクタに比べて、同じ積層数を採用したときには、
コイル導体のターン数がより多くなり、したがって、よ
り高いインダクタンス値を得ることができる、という利
点を有している。
【0013】ところが、上述のようにコイル導体のター
ン数が多くなると、直流抵抗値が大きくなり、また、Q
特性が低下する、という別の問題に遭遇する。直流抵抗
値を低下させ、かつQ特性を向上させるには、周回導電
膜11ならびに端部導電膜14および15をより厚く形
成することが有効である。しかしながら、導電膜11、
14および15は、それぞれ、セラミック層4、3およ
び5となる各セラミックグリーンシートの主面から盛り
上がるように形成されるものであるので、これら導電膜
11、14および15を厚く形成すると、セラミックグ
リーンシートを積層したとき、導電膜11、14および
15が位置する部分とそうでない部分との間での厚みの
差が大きくなり、生の積層体をプレスしたときに、導電
膜11、14および15の厚みに起因する段差が大きく
生じる。その結果、生の積層体の内部において導電膜1
1、14および15の歪みが生じたり、積層体において
積み重ねのずれが生じたりすることがあり、これらは、
得られた積層チップインダクタの良品率を低下させてい
る。
【0014】また、図7を参照して前述したように、周
回導電膜11の第1の端部12は、パターン膜8を形成
する導電性ペーストの一部がスルーホール7内に付与さ
れることによって与えられるが、スルーホール7全体
が、必ずしも、このような導電性ペーストによって埋め
られないことがある。スルーホール7を覆うように絶縁
層9を形成するためにフェライトペーストを印刷したと
き、このフェライトペーストが、図8に示すように、導
電性ペーストを押し退ける傾向があるからである。
【0015】その結果、周回導電膜11の第1の端部1
2は、図8に示すように、セラミックグリーンシート4
gの下方主面側において限られた面積でしか露出しない
状況がもたらされることがある。このような状況がもた
らされると、隣り合うセラミックグリーンシート4g間
において、第1の端部12と第2の端部13との適正な
接触状態が阻害されることがあり、このことによって
も、直流抵抗値の増大およびQ値の低下を招くととも
に、極端な場合には、導通不良を生じさせることもあ
る。
【0016】そこで、この発明の目的は、上述した問題
を解決し得る、積層チップインダクタのようなインダク
タを内蔵する積層セラミック電子部品の製造方法を提供
しようとすることである。
【0017】
【0018】
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明に係る積層セラ
ミック電子部品の製造方法は上述した技術的課題を解
決するため、その厚みの範囲内に埋設された状態で、1
ターン分、周回する形状を有する周回導電膜および絶縁
を形成しており、周回導電膜の第1の端部と第2の端
部とは、絶縁層を介して互いに電気的に絶縁された状態
で重なり合うように位置しており、その一方主面側に
は、周回導電膜の少なくとも第1の端部が露出し、か
つ、その他方主面側には、周回導電膜の第2の端部のみ
が露出していて、周回導電膜が位置する部分とそうでな
い部分との間での厚みの差が実質的にない、そのような
複数のセラミックグリーンシートを用意する、第1の工
程と、複数のセラミックグリーンシートを積層し、それ
によって、複数の周回導電膜を順次接続してコイル状に
延びる形態とするため、積層状態において隣り合う第1
および第2のセラミックグリーンシートのうち、第1の
セラミックグリーンシートに形成された周回導電膜の第
1の端部を、第2のセラミックグリーンシートに形成さ
れた周回導電膜の第2の端部に接触させた状態となって
いる、生の積層体を得る、第2の工程と、この生の積層
体を焼成する、第3の工程とを備えることを特徴として
いる。
【0020】上述した積層セラミック電子部品の製造方
法において、好ましくは、第1の工程は、ベースを用意
する工程と、ベース上で、第1の端部を含む周回導電膜
の一部となるパターン膜を形成し、第1の端部を覆うよ
うに絶縁層を形成して、第2の端部を含む周回導電膜の
残部となるパターン膜を形成し、次いで、周回導電膜お
よび絶縁層を埋設しかつ第2の端部のみを露出させる開
口を形成するようにセラミックグリーンシートを形成す
る、各工程と、ベースから、これら周回導電膜および絶
縁層とともにセラミックグリーンシートを剥がす工程と
を備える。
【0021】また、この発明に係る積層セラミック電子
部品の製造方法において、周回導電膜は、導電性ペース
トを印刷することにより形成されることが好ましい。ま
た、この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法
が積層チップインダクタの製造に向けられるときには、
積層体の外表面上の互いに異なる位置に第1および第2
の外部端子電極を設ける、第4の工程をさらに備え、前
述した第1の工程は、周回導電膜の第1の端部に接する
とともに第1の外部端子電極に接するように延びる第1
の端部導電膜を、その厚みの範囲内に埋設した状態で形
成している、第3のセラミックグリーンシートを用意す
る工程と、周回導電膜の第2の端部に接するとともに第
2の外部端子電極に接するように延びる第2の端部導電
膜を、その厚みの範囲内に埋設した状態で形成してい
る、第4のセラミックグリーンシートを用意する工程と
をさらに含み、また、前述した第2の工程は、周回導電
膜を形成しているセラミックグリーンシートの積層方向
における各端部に、第3および第4のセラミックグリー
ンシートをそれぞれ積層し、それによって、第1の端部
導電膜を周回導電膜の第1の端部に接触させ、かつ第2
の端部導電膜を周回導電膜の第2の端部に接触させる工
程を含む。
【0022】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は、この発明の一
実施形態による積層セラミック電子部品20の製造方法
を説明するためのものである。この実施形態に係る積層
セラミック電子部品20は、積層チップインダクタを構
成するもので、図1に示すような外観を有している。
【0023】図2には、この積層セラミック電子部品2
0に備える積層体21を構成する要素が分解されて斜視
図で示されている。積層体21は、たとえばフェライト
からなる複数のセラミック層22、23、24、…、2
4、25および26が積層されて得られたものである。
なお、図示したセラミック層22〜26は、積層体21
に含まれるセラミック層のうちの典型的なものであっ
て、図2では、2つのセラミック層24が図示されてい
るが、このセラミック層24は、必要に応じて、その数
を増減することができる。
【0024】セラミック層22〜26は、それぞれ、対
応のセラミックグリーンシートを焼成することによって
得られるもので、セラミック層22〜26となるべきセ
ラミックグリーンシートを積層状態で焼結させることに
より、一体的な積層体21が得られる。セラミック層2
4となるべきセラミックグリーンシート24gは、図3
に示すように製造される。
【0025】まず、図3(1)に示すように、たとえば
樹脂フィルムからなるベース27が用意され、ベース2
7上で、たとえばU字状に延びるパターン膜28が、印
刷により導電性ペーストを付与することによって形成さ
れる。この導電性ペーストとしては、たとえばAg、C
u等の金属粉末を含むものが用いられ、また、印刷に
は、たとえばスクリーン印刷が適用され、それによっ
て、厚み数十μmのパターン膜28が形成される。
【0026】次に、図3(2)に示すように、ベース2
7上で、パターン膜28の一方端部を覆うように、絶縁
層29が印刷により形成される。絶縁層29の印刷に
も、たとえばスクリーン印刷が適用される。絶縁層29
の厚みおよび平面的寸法は、パターン膜28の一方端部
に対する電気的絶縁が達成されれば足り、厚みに関して
は、たとえば、上述したパターン膜28と厚みとほぼ同
等に選ばれる。また、絶縁層29は、セラミックグリー
ンシート24gに含まれるセラミック成分と実質的に同
じセラミック成分を含むペーストをもって形成されるこ
とが好ましい。
【0027】次に、図3(3)に示すように、ベース2
7上で、パターン膜28に連なり、絶縁層29上にまで
延びるたとえばI字状のパターン膜30が、パターン膜
28と同様の方法および材料をもって形成される。これ
らパターン膜28および30の双方によって、1ターン
分、周回する周回導電膜31が構成される。なお、周回
導電膜31を、パターン膜28および30というように
少なくとも2段階に分けて形成するに当たり、パターン
膜28および30による周回導電膜31の配分比率は任
意に変更することができる。
【0028】次に、図3(4)に示すように、ベース2
7上で、セラミックグリーンシート24gが形成され
る。セラミックグリーンシート24gは、周回導電膜3
1および絶縁層29を、その厚みの範囲内に埋設すると
ともに、パターン膜30の端部を露出させる開口32を
形成している。このような開口32を有するセラミック
グリーンシート24gは、たとえば、セラミックスラリ
ーをスクリーン印刷によりベース27上に付与すること
によって形成されることができる。
【0029】図4には、図3(4)の線IV−IVに沿
う拡大断面図が示されている。図4に示すように、上述
した周回導電膜31の第1の端部33は、絶縁層29に
よって覆われているパターン膜28の端部によって与え
られ、同じく第2の端部34は、セラミックグリーンシ
ート24gの開口32から露出するパターン膜30の端
部によって与えられる。これら第1の端部33と第2の
端部34とは、絶縁層29を介して重なり合うように位
置している。
【0030】次いで、ベース27から、周回導電膜31
および絶縁層29とともにセラミックグリーンシート2
4gが剥がされる。これによって、下方主面側には、第
1の端部33を含む周回導電膜31の大部分が露出し、
かつ、上方主面側には、第2の端部34のみが露出して
いる、セラミックグリーンシート24gが取り出され
る。
【0031】このようなセラミックグリーンシート24
gを積層すると、積層状態において隣り合う上下のセラ
ミックグリーンシート24gのうち、上のセラミックグ
リーンシート24gに形成された周回導電膜31の第1
の端部33は、下のセラミックグリーンシート24gに
形成された周回導電膜31の第2の端部34に接触す
る。したがって、複数の周回導電膜31は、順次接続さ
れてコイル状に延びる形態となる。
【0032】セラミックグリーンシート24gは、焼成
されることによって、図2に示したセラミック層24と
なるものであるが、セラミック層22、23、25およ
び26となるべきセラミックグリーンシートもそれぞれ
用意される。なお、セラミック層22、23、25およ
び26となるべき各セラミックグリーンシートの形態
は、図示しないが、図2に示したセラミック層22、2
3、25および26の形態から容易に類推できる。
【0033】セラミック層23となるべきセラミックグ
リーンシートには、周回導電膜31の第1の端部33に
接するとともにセラミック層23の端縁にまで引き出さ
れるように、たとえばL字状に延びる第1の端部導電膜
35が、セラミック層23の厚みの範囲内に埋設された
状態で形成されている。このような第1の導電膜35を
有するセラミックグリーンシートを得るには、前述した
セラミックグリーンシート24gを得るための方法と実
質的に同様の方法を適用することができる。すなわち、
ベース上に、まず、所定の厚みの絶縁層を形成し、その
後で、第1の端部導電膜35およびセラミックグリーン
シートを順次形成し、次いで、ベースを剥がせばよい。
なお、この場合、ベース上にまず絶縁層を形成すること
なく、第1の端部導電膜35をまず形成してもよい。
【0034】また、セラミック層25となるべきセラミ
ックグリーンシートには、周回導電膜31の第2の端部
34に接するとともにセラミック層25の端縁にまで引
き出されるように、たとえばU字状に延びる第2の端部
導電膜36が形成されている。このような第2の導電膜
36を有するセラミックグリーンシートを得る場合に
も、前述したセラミックグリーンシート24gを得るた
めの方法と実質的に同様の方法を適用することができ
る。すなわち、ベース上に、まず、第2の端部導電膜3
6を形成した後、開口を有しないセラミックグリーンシ
ートを形成し、次いで、ベースを剥がせばよい。
【0035】また、外層用のセラミック層22および2
6となるべきセラミックグリーンシートは、セラミック
スラリーをドクターブレード法などによりシート状に成
形することによって得ることができる。セラミックグリ
ーンシート24gを含む複数のセラミックグリーンシー
トを所定の順序で積層することによって、生の積層体が
得られる。なお、このような生の積層体を能率的に得る
ようにするため、マザー状態のセラミックグリーンシー
トを積層することによって、マザー状態の積層体を得る
ようにし、これをカットすることにより複数の生の積層
体を取り出すようにしてもよい。この生の積層体は、次
いで焼成され、それによって、図2に示すセラミック層
22〜26を含む一体的な焼結後の積層体21とされ
る。図1には、積層体21の外観が示されている。積層
体21の相対向する各端面には、前述した第1および第
2の端部導電膜14および15に接するように、第1お
よび第2の外部端子電極37および38が設けられる。
【0036】このようにして、所望の積層チップインダ
クタを構成する積層セラミック電子部品20が完成され
る。この積層セラミック電子部品20において、複数の
周回導電膜31ならびに第1および第2の端部導電膜3
5および36は、全体としてコイル状に延びるコイル導
体を形成し、このコイル導体の各端部が第1および第2
の外部端子電極37および38にそれぞれ電気的に接続
されている。
【0037】このような積層セラミック電子部品20に
よれば、セラミック層24の各々に関して、1ターン
分、周回する周回導電膜31を形成しているので、比較
的少ない積層数をもって、コイル導体のターン数を比較
的多くすることができ、したがって、比較的高いインダ
クタンス値を得ることができる。また、コイル導体のタ
ーン数が多くなることにより、直流抵抗値が大きくな
り、また、Q特性が低下する、という問題を解消するた
め、周回導電膜31ならびに端部導電膜35および36
を比較的厚く形成しても、これら導電膜31、35およ
び36は、それぞれ、セラミック層24、23および2
5となる各セラミックグリーンシートの厚みの範囲内に
埋設された状態で形成されているので、セラミックグリ
ーンシートを積層したとき、導電膜31、35および3
6が位置する部分とそうでない部分との間での厚みの差
が実質的に生じることはない。そのため、導電膜31、
35および36の厚みに起因する段差も実質的に生じ
ず、プレス工程の結果、導電膜31、35および36の
歪みが生じたり、積層体において積み重ねのずれが生じ
たりすることを防止でき、得られた積層セラミック電子
部品20の良品率を向上させることができる。
【0038】また、図4から容易に理解できるように、
周回導電膜31の第1および第2の端部33および34
は、双方とも、セラミックグリーンシート24gの各主
面側において確実に露出させることができるので、隣り
合うセラミックグリーンシート24g間において、第1
の端部33と第2の端部34とを確実に接触させること
ができる。したがって、このことも、直流抵抗値の増大
およびQ値の低下あるいは導通不良を防止する効果を奏
する。
【0039】以上、この発明を図示した実施形態に関連
して説明したが、この発明の範囲内において、その他、
種々の変形例が可能である。たとえば、図示した積層セ
ラミック電子部品20は、周回導電膜31ならびに端部
導電膜35および36からなるコイル導体の各端部が、
直接、外部端子電極37および38にそれぞれ接続され
た状態にある積層チップインダクタを構成するものであ
ったが、たとえば、コイル導体に接続されるコンデンサ
や抵抗等の他の電気的要素を備える複合電子部品や多層
回路基板等を構成する積層セラミック電子部品に対して
も、この発明を適用することができる。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【発明の効果】 以上のように 、この発明に係る積層セラ
ミック電子部品の製造方法によれば、複数のセラミック
グリーンシートを用意する第1の工程と、複数のセラミ
ックグリーンシートを積層して生の積層体を得る第2の
工程と、生の積層体を焼成する第3の工程とを備える
が、第1の工程においては、その厚みの範囲内に埋設さ
れた状態で、1ターン分、周回する形状を有する周回導
電膜および絶縁層を形成しており、周回導電膜の第1の
端部と第2の端部とは、絶縁層を介して互いに電気的に
絶縁された状態で重なり合うように位置しており、その
一方主面側には、周回導電膜の少なくとも第1の端部が
露出し、かつ、その他方主面側には、周回導電膜の第2
の端部のみが露出していて、周回導電膜が位置する部分
とそうでない部分との間での厚みの差が実質的にない
そのような複数のセラミックグリーンシートが用意さ
れ、また、第2の工程においては、複数の周回導電膜が
順次接続されてコイル状に延びるように、積層状態にお
いて隣り合う第1および第2のセラミックグリーンシー
トのうち、第1のセラミックグリーンシートに形成され
た周回導電膜の第1の端部を、第2のセラミックグリー
ンシートに形成された周回導電膜の第2の端部に接触さ
せた状態とするので、比較的少ない積層数をもって、コ
イル導体のターン数を比較的多くすることができ、した
がって、比較的高いインダクタンス値を与え得る積層セ
ラミック電子部品を製造することができる。また、直流
抵抗値を小さくし、また、Q特性を向上させるために、
周回導電膜を比較的厚く形成しても、これら周回導電膜
および絶縁層は、それぞれ、各セラミックグリーンシー
トの厚みの範囲内に埋設された状態で形成されているの
で、セラミックグリーンシートを積層したとき、周回導
電膜が位置する部分とそうでない部分との間での厚みの
差が実質的に生じることはない。したがって、第2の工
程において、周回導電膜の厚みに起因する段差も実質的
に生じず、プレスしても、周回導電膜の歪みが生じた
り、積層体において積み重ねのずれが生じたりすること
を防止でき、積層セラミック電子部品を高い良品率をも
って製造することができる。
【0045】また、第1の工程において用意されるセラ
ミックグリーンシートは、その一方主面側に、周回導電
膜の第1の端部を露出させ、かつ、その他方主面側に、
周回導電膜の第2の端部を露出させているので、第2の
工程において、これらセラミックグリーンシートを積層
したとき、これら第1の端部と第2の端部との接触を確
実に達成することができる。したがって、直流抵抗値の
増大およびQ値の低下あるいは導通不良などの不都合を
もたらすことなく、積層セラミック電子部品を製造する
ことができる。
【0046】この発明に係る積層セラミック電子部品の
製造方法において、第1の工程が、ベースを用意する工
程と、ベース上で、第1の端部を含む周回導電膜の一部
となるパターン膜を形成し、第1の端部を覆うように絶
縁層を形成し、第2の端部を含む周回導電膜の残部とな
るパターン膜を形成し、次いで、周回導電膜および絶縁
層を埋設しかつ第2の端部のみを露出させる開口を形成
するようにセラミックグリーンシートを形成する、各工
程と、ベースから、周回導電膜および絶縁層とともにセ
ラミックグリーンシートを剥がす工程とを備えている
と、この発明において特徴ある周回導電膜を形成するセ
ラミックグリーンシートを能率的に製造することができ
る。
【0047】また、この発明に係る積層セラミック電子
部品の製造方法において、周回導電膜が、導電性ペース
トを印刷することにより形成されるようにすると、直流
抵抗値の減少およびQ値の向上に効果のある比較的厚い
周回導電膜を容易かつ能率的に形成することができる。
また、この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方
法において、積層体の外表面上の互いに異なる位置に第
1および第2の外部端子電極を設ける、第4の工程をさ
らに備え、前述した第1の工程が、周回導電膜の第1の
端部に接するとともに第1の外部端子電極に接するよう
に延びる第1の端部導電膜を、その厚みの範囲内に埋設
した状態で形成している、第3のセラミックグリーンシ
ートを用意する工程と、周回導電膜の第2の端部に接す
るとともに第2の外部端子電極に接するように延びる第
2の端部導電膜を形成している、第4のセラミックグリ
ーンシートを用意する工程とをさらに含み、また、前述
した第2の工程が、周回導電膜を形成しているセラミッ
クグリーンシートの積層方向における各端部に、第3お
よび第4のセラミックグリーンシートをそれぞれ積層
し、それによって、第1の端部導電膜を周回導電膜の第
1の端部に接触させ、かつ第2の端部導電膜を周回導電
膜の第2の端部に接触させる工程を含んでいると、積層
チップインダクタを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による製造方法によって
製造された積層セラミック電子部品20の外観を示す斜
視図である。
【図2】図1に示した積層セラミック電子部品20に備
える積層体21を構成する要素を分解して示す斜視図で
ある。
【図3】図2に示したセラミック層24となるセラミッ
クグリーンシート24gを得るための方法を示す斜視図
である。
【図4】図3(4)の線IV−IVに沿う拡大断面図で
ある。
【図5】この発明にとって興味ある従来の積層チップイ
ンダクタに備える積層体1を構成する要素を分解して示
す斜視図である。
【図6】図5に示したセラミック層4となるセラミック
グリーンシート4gを得るための方法を示す斜視図であ
る。
【図7】図6(4)の線VII−VIIに沿う拡大断面
図である。
【図8】従来の積層チップインダクタの問題を説明する
ための図6に相当する図である。
【符号の説明】
20 積層セラミック電子部品 21 積層体 22〜26 セラミック層 24g セラミックグリーンシート 27 ベース 28,30 パターン膜 31 周回導電膜 32 開口 33 第1の端部 34 第2の端部 35 第1の端部導電膜 36 第2の端部導電膜 37 第1の外部端子電極 38 第2の外部端子電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 17/00 H01F 41/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その厚みの範囲内に埋設された状態で、
    1ターン分、周回する形状を有する周回導電膜および絶
    縁層を形成しており、前記周回導電膜の第1の端部と第
    2の端部とは、前記絶縁層を介して互いに電気的に絶縁
    された状態で重なり合うように位置しており、その一方
    主面側には、前記周回導電膜の少なくとも前記第1の端
    部が露出し、かつ、その他方主面側には、前記周回導電
    膜の前記第2の端部のみが露出していて、前記周回導電
    膜が位置する部分とそうでない部分との間での厚みの差
    が実質的にない、そのような複数のセラミックグリーン
    シートを用意する、第1の工程と、 複数の前記セラミックグリーンシートを積層し、それに
    よって、複数の前記周回導電膜を順次接続してコイル状
    に延びる形態とするため、積層状態において隣り合う第
    1および第2の前記セラミックグリーンシートのうち、
    前記第1のセラミックグリーンシートに形成された前記
    周回導電膜の前記第1の端部を、前記第2のセラミック
    グリーンシートに形成された前記周回導電膜の前記第2
    の端部に接触させた状態となっている、生の積層体を得
    る、第2の工程と、 前記生の積層体を焼成する、第3の工程とを備える、積
    層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程は、ベースを用意する工
    程と、前記ベース上で、前記第1の端部を含む前記周回
    導電膜の一部となるパターン膜を形成し、前記第1の端
    部を覆うように前記絶縁層を形成し、前記第2の端部を
    含む前記周回導電膜の残部となるパターン膜を形成し、
    次いで、前記周回導電膜および前記絶縁層を埋設しかつ
    前記第2の端部のみを露出させる開口を形成するように
    前記セラミックグリーンシートを形成する、各工程と、
    前記ベースから、前記周回導電膜および前記絶縁層とと
    もに前記セラミックグリーンシートを剥がす工程とを備
    える、請求項に記載の積層セラミック電子部品の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記周回導電膜は、導電性ペーストを印
    刷することにより形成される、請求項に記載の積層セ
    ラミック電子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記積層体の外表面上の互いに異なる位
    置に第1および第2の外部端子電極を設ける、第4の工
    程をさらに備え、 前記第1の工程は、前記周回導電膜の前記第1の端部に
    接するとともに前記第1の外部端子電極に接するように
    延びる第1の端部導電膜を、その厚みの範囲内に埋設し
    た状態で形成している、第3のセラミックグリーンシー
    トを用意する工程と、前記周回導電膜の前記第2の端部
    に接するとともに前記第2の外部端子電極に接するよう
    に延びる第2の端部導電膜を、その厚みの範囲内に埋設
    した状態で形成している、第4のセラミックグリーンシ
    ートを用意する工程とをさらに含み、 前記第2の工程は、前記周回導電膜を形成している前記
    セラミックグリーンシートの積層方向における各端部
    に、前記第3および第4のセラミックグリーンシートを
    それぞれ積層し、それによって、前記第1の端部導電膜
    を前記周回導電膜の前記第1の端部に接触させ、かつ前
    記第2の端部導電膜を前記周回導電膜の前記第2の端部
    に接触させる工程を含む、 請求項ないしのいずれかに記載の積層セラミック電
    子部品の製造方法。
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