JP2007009438A - 杭と上部構造物との接合構造及び接合方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 上部外周に複数のずれ止めリング3a,3bが取付けられ地盤に建込まれる杭1と、杭1の杭頭部に設置される垂直位置調整治具5と、コンクリートの充填穴13を有し上部構造物が接合されるトッププレート11が上端部に設けられ、下部内周面にずれ止めリング12が取付けられて杭1の上部に嵌合されトッププレート11が垂直位置調整治具5上に載置される円筒状の接合治具10と、接合治具10の下端部を閉塞する閉塞板14と、充填穴13から接合治具10内に充填されるコンクリート30とを備えた。
【選択図】 図1
Description
(3)上記(2)の杭の杭頭部に垂直位置調整治具を設置した。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの接合治具を、内面突起付き鋼管の上端部にトッププレートを取付けて形成した。
(6)上記(1)又は(3)〜(5)のいずれかの垂直位置調整治具を、平坦な上面と脚部とにより側面ほぼコ字状に形成した。
図1は本発明の実施の形態1に係る杭と上部構造物との接合構造の模式的説明図、図2は図1の上面図、図3は図1のA−A断面図である。
図において、1は地盤50に建込まれた杭(以下、鋼管杭という)で、その上部は根切り51から突出しており、杭頭部は蓋板2により閉塞され、杭頭部近傍(上段)及びその下方(下段)の外周にはずれ止めリング3a,3b(以下、杭ずれ止めリングという)が溶接により接合されている。
20は上部構造物の最も下方に設けられたH形断面の鋼材(例えば、H形鋼)からなる上部柱で、その柱部はあらかじめトッププレート11に溶接により接合されている。30は接合治具10内に充填されたコンクリートである。
先ず、図6(a)に示すように、地盤50に上部を地表(又は根切り51)から突出させた状態で鋼管杭1を建込む。ついで、図6(b)に示すように、鋼管杭1の杭頭部に設けた蓋板2上に垂直位置調整治具5を載置する。そして、脚部7a,7bの下端部を研削したり切除するなどして、その上面部6が水平になるように調整し、上下方向の精度を確保する。
ついで、図6(d)に示すように、接合治具10の下端部に沿って、鋼管杭1の両側に閉塞板14を当接し、鋼管杭1若しくは接合治具10又は両者に溶接により接合する。
そして、図6(e)に示すように、トッププレート11に設けた充填穴13から鋼管杭1と接合治具10との間にコンクリート30を充填すれば、施工が完了する。
さらに、地震や風などによる水平方向の荷重は、接合治具10の内面からコンクリート30の支圧を介して鋼管杭1に伝達され、曲げモーメントはこれら荷重の伝達機構が複数作用することにより、鋼管杭1に伝達される。
さらに、上部構造物から鋼管杭1への荷重は、接合治具10と鋼管杭1との間に充填されたコンクリート30によって伝達されるため、垂直位置調整治具5はコンクリート30が硬化するまでの間上部の荷重を保持すればよいので、強度の大きい材料を使用する必要はない。
図8は本発明の実施の形態2に係る杭と上部構造物との接合構造の模式的説明図及びそのB−B断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態においては、接合治具10のトッププレート11の外周縁にはほぼ等間隔で複数のボルト挿通穴15が設けられている。
また、上部構造物の上部柱20には、円形断面や角形断面からなる閉断面の柱が用いられており、その柱脚には、接合治具10のトッププレート11とほぼ等しい外径で、ボルト挿通穴15に対応してボルト挿通穴22が設けられたベースプレート21が、あらかじめ溶接により接合されている。
先ず、図9(a)に示すように、地盤50に上部を地表(又は根切り51)から突出させた状態で鋼管杭1を建込む。ついで、図9(b)に示すように、鋼管杭1の杭頭部に設けた蓋板2上に垂直位置調整治具5を載置する。そして、脚部7a,7bの下端部を研削したり切除するなどして、その上面部6が水平になるように調整し、上下方向の精度を確保する。これまでの工程は実施の形態1の場合と同様である。
ついで、図9(d)に示すように、接合治具10の下部に沿って、鋼管杭1の両側に閉塞板14を当接し、鋼管杭1若しくは接合治具10又は両者に溶接により接合する。そして、トッププレート11の充填穴13から接合治具10内にコンクリート30を充填する。
本実施の形態における作用、効果は、実施の形態1の場合とほぼ同様である。
図10は本発明の実施の形態3に係る杭と上部構造物との接合構造の模式的説明図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態においては、地盤中に建込まれた鋼管杭1は、その上部が根切り51から突出している。根切り51の底部の鋼管杭1の周囲には捨てコンクリート35が打設されており、捨てコンクリート35の上面には、上面が水平に造成されたレベルモルタル36が打設されている。
そして、トッププレート11に上部柱20が接合された接合治具10が鋼管杭1に嵌合され、その下端部をレベルモルタル36上に載置し、接合治具10内にコンクリート30を充填したものである。なお、必要に応じて鋼管杭1内にもコンクリートを充填することができる。
先ず、図11(a)に示すように、地盤50に設けた根切り51内に鋼管杭1を建込み、その上部を根切り51内に突出させておく。そして、根切り51の底部の鋼管杭1の周囲に捨てコンクリート35を打設する。
次に、図11(b)に示すように、捨てコンクリート35の上にレベルモルタル36を打設し、その上面を水平に造成する。この場合、レベルモルタル36の全上面を水平にしてもよいが、鋼管杭1の周囲(接続治具10の外径より若干広い領域)のみを水平に造成してもよい。これにより、上下方向の精度が確保される。
そして、トッププレート11に設けた充填穴13から接合治具10内にコンクリート30を充填すれば、施工が完了する。
本例においては、垂直位置調整治具5とレベルモルタル36の両者を併用することにより、上下方向の精度をより高度に確保することができる。
本実施の形態においても、実施の形態1、2の場合とほぼ同様の効果を得ることができる。
このような現象が生じるおそれがある場合は、図13(a)に示すように、接合治具10の内周面のトッププレート11のやや下方(コンクリート30の強度が確保できる位置)に、第2の治具ずれ止めリング12aを設けてもよく、あるいは、図3(b)に示すように、接合治具10を内面突起16を有する鋼管で構成してもよい。このように構成することにより、上部構造物による引張り荷重や圧縮荷重をより確実に鋼管杭1に伝達することができる。
Claims (10)
- 上部外周に複数のずれ止めリングが取付けられ地盤に建込まれる杭と、
該杭の杭頭部に設置される垂直位置調整治具と、
コンクリートの充填穴を有し上部構造物が接合されるトッププレートが上端部に設けられ、下部内周面にずれ止めリングが取付けられて前記杭の上部に嵌合され前記トッププレートが前記垂直位置調整治具上に載置される接合治具と、
該接合治具の下端部を閉塞する閉塞板と、
前記充填穴から接合治具内に充填されるコンクリートとを備えたことを特徴とする杭と上部構造物との接合構造。 - 上部外周に複数のずれ止めリングが取付けられ地盤に設けた根切りに建込まれる杭と、
該杭の外周において前記根切りの底部に打設される捨てコンクリート及び該捨てコンクリート上に打設されるレベルモルタルと、
コンクリートの充填穴を有し上部構造物が接合されるトッププレートが上端部に設けられ、下部内周面にずれ止めリングが取付けられて前記杭の上部に嵌合され、前記レベルモルタル上に載置される接合治具と、
前記充填穴から接合治具内に充填されるコンクリートとを備えたことを特徴とする杭と上部構造物との接合構造。 - 前記杭の杭頭部に垂直位置調整治具を設置したことを特徴とする請求項2記載の杭と上部構造物との接合構造。
- 前記上部構造物の上部柱を、前記接合治具のトッププレートに直接接合し、又は前記上部柱の柱脚に設けたベースプレートを介してトッププレートに接合することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の杭と上部構造物との接合構造。
- 前記接合治具を、内面突起付き鋼管の上端部にトッププレートを取付けて形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の杭と上部構造物との接合構造。
- 前記垂直位置調整治具を、平坦な上面と脚部とにより側面ほぼコ字状に形成したことを特徴とする請求項1又は3〜5のいずれかに記載の杭と上部構造物との接合構造。
- 請求項1の杭を地盤に建込む工程と、
該杭の杭頭部に垂直位置調整治具を設置してその上面を水平に調整する工程と、
トッププレート上に上部柱が接合された請求項1の接合治具を前記杭の上部に嵌合してそのトッププレートを前記垂直位置調整治具上に載置する工程と、
前記接合治具の下部を閉塞して該接合治具内に前記トッププレートの充填穴からコンクリートを充填する工程とを有することを特徴とする杭と上部構造物との接合方法。 - 請求項1の杭を地盤に建込む工程と、
該杭の杭頭部に垂直位置調整治具を設置してその上面を水平に調整する工程と、
請求項1の接合治具を前記杭の上部に嵌合してトッププレートを前記垂直位置調整治具上に載置する工程と、
前記接合治具の下端部を閉塞し、該接合治具内に前記トッププレートの充填穴からコンクリートを充填する工程と、
上部構造物の上部柱の柱脚に接合されたベースプレートを前記接合治具のトッププレート上に載置して固定する工程とを有することを特徴とする杭と上部構造物の接合方法。 - 請求項2の杭を地盤の根切りに建込む工程と、
該杭の周囲において前記根切りの底部に捨てコンクリートを打設する工程と、
該捨てコンクリート上にレベルモルタルを打設してその上面を平坦に造成する工程と、
トッププレート上に上部柱が接合された請求項2の接合治具を前記杭の上部に嵌合してレベルモルタル上に載置する工程と、
前記接合治具内に前記トッププレートの充填穴からコンクリートを充填する工程とを有することを特徴とする杭と上部構造物との接合方法。 - 請求項2の杭を地盤の根切りに建込む工程と、
該杭の周囲において前記根切りの底部に捨てコンクリートを打設する工程と、
該捨てコンクリート上にレベルモルタルを打設して上面を平坦に造成する工程と、
請求項2の接合治具を前記杭の上部に嵌合してレベルモルタル上に載置する工程と、
前記接合治具内に前記トッププレートの充填穴からコンクリートを充填する工程と、
上部構造物の上部柱の柱脚に接合されたベースプレートを前記接合治具のトッププレート上に載置して固定する工程とを有することを特徴とする杭と上部構造物との接合方法。
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