JP4450706B2 - 杭と柱の接合構造および接合方法 - Google Patents
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掘削工事→土留め→砕石/捨てコンクリート工事→墨だし→鉄筋工事/アンカ−フレームのセット→型枠工事→コンクリート工事→養生→型枠外し→埋め戻し→残土処分
また、杭の水平精度が多少ずれた場合でも、柱側を基準にアンカーボルトの配置位置を調整することができる杭と柱の接合構造および接合方法を提供することも目的とする。
(1)1本または複数本の棒状鋼材が柱中心付近に配置されているため、強固な剛結合にならないで、ピン結合に近い状態になり、このため、柱脚や杭頭に曲げモーメントがほとんど発生しない。また、杭の外径寸法は、杭頭を強固に固定する構造の場合に比べて地震時の杭頭に生じる曲げモーメントが少なくなるので、小さい外径寸法の杭サイズのものを使用することができる。
(2)アンカーボルト等の棒状鋼材が柱中心軸線に近接するように柱中心付近に配置されているために、杭の水平精度が多少ずれた場合でも、棒状鋼材が杭の内壁に当たることなく柱側の中心軸線を基準にアンカーボルトの配置位置を調整することができる。
(3)アンカーボルト等の棒状鋼材の最下部に、コンクリート止めの充填材支持用板および充填材漏洩防止板が取り付けられているため、コンクリート等の硬化性充填材を中詰めしても杭最下部まで充填材が落ちることはない。また、杭の水平精度が多少ずれた場合でも、アンカーボルト等の棒状鋼材は常に鉛直を保つことができる。
(4)杭頭に載置されるトッププレートは、杭外径よりも大きくしているので、杭の水平位置がずれていても、施工誤差を容易に吸収できる。
(5)中詰コンクリート等の硬化性充填材が適切な長さで杭内部にあるため、棒状鋼材が引き抜力かれようとても、棒状鋼材からの引き抜き外力は、硬化性充填材と杭内周面との付着により抵抗でき、棒状鋼材が抜けることはない。
(6)棒状鋼材の最上部はナット等の固着具で容易に柱のベースプレートを固定でき、角形柱や円形柱等の閉断面柱の場合は締付け作業用の開口部を用意すれば容易に対応することができる。
(7)また、アンカーボルトあるいは充填材支持部材あるいは充填材漏洩防止板の仮支持部材としてトッププレートを機能させることができ、またトッププレートを介して柱のベースプレートを支持したり、トッププレートを取り外して柱のベースプレートを直接杭に載置したりすることができるため、平屋低層建物等の建物に応じて経済的な設計・施工をすることができ、施工方法も簡単で、柱脚内に杭との接合のための硬化性充填材を充填しない等、現場作業が少ないので、短工期で施工できる杭と柱の接合法である。そのため、杭頭部内への硬化性充填材の充填硬化後においては、直ちに建物の骨組みを組立構築でき、建物の施工効率を向上させ経済的に構築できる。
(8)トッププレートとアンカーボルトと充填材支持部材と充填材漏洩防止板およびナット等の着脱自在な固着具とにより、アンカーボルト位置決め兼仮支持金具を構成することができ、アンカーボルト位置決め兼仮支持金具におけるトッププレート上のナットおよびトッププレートを硬化性充填材の硬化後に外しても、アンカーボルト、硬化性充填材、充填材支持板および充填材漏洩防止板は杭内の下部まで落ちることはない。また、前記アンカーボルト位置決め兼仮支持金具におけるトッププレートを杭頭部に載置してアンカーボルトの位置調整をするだけで、杭頭内に硬化性充填材の充填準備することができるので、杭頭内に容易にコンクリート等の硬化性充填材を充填することができる。
(9)トッププレートの下面にせん断抵抗用プレートを固定して硬化性充填材に埋め込み配置されていると水平方向の抵抗力を高めることができる。
(10)トッププレートとベースプレートとの間に適宜の厚さの高さ調整用材料を介在すると、杭レベルが低レベルの場合等では、容易に所定の位置に柱ベースプレートを設置することができる。
(11)杭と柱の接合構造に皿ばね等の弾性体が介在されていると、柱脚の固定度が下がることにより、より弾性的な杭と柱脚との接合構造とすることができ、地震時や風荷重が建物に作用した場合の柱脚の曲げモーメントを低減させることができる。
図3(a)〜(c)および図4(a)〜(c)に示すように、アンカーボルト位置決め兼仮支持金具1の上端部には、杭の外径よりも大きな外径とし、杭2の横方向の施工誤差を吸収して杭2の上部に確実に載置できるようにされ、その上部に柱脚3を確実に載置できるようにされた鋼製のトップレート4を備えており、前記トッププレート4には、図3に示すように、中心に1つのモルタル等の硬化性充填材注入口5が設けられ、あるいは図4に示すように、必要に応じトッププレート4の裏面にせん断抵抗用縦板22を有する横断面十字状のせん断抵抗部材9を設ける場合には、中心よりに等角度間隔で複数(図示の場合は4つ)のモルタル等の硬化性充填材注入口5が設けられていると共にその外側に前記と同じ等角度間隔をおいて複数(図示の場合は4つ)のアンカーボルト挿通孔6を備えている。
前記のアンカーボルト挿通孔6は、これに挿通されるアンカーボルト7の外径よりも僅かに大きな内径とされて、アンカーボルト7の横方向の移動を拘束し、そのアンカーボルト挿通孔6上部の周面で、ナット等の着脱自在な固着具8により支持可能にされている。なお、図示の実施形態では、ロックナットを含むダブルナットとしているが、アンカーボルト7を仮支持する場合には、各アンカーボルト7に対応する一つのナットをトッププレート4の上部に配置してもよい。
なお、アンカーボルト位置決め兼仮支持金具1における充填材支持板10としては、図16(a)に示す充填材支持板10の変形形態のように、予め杭2の芯ずれを測定し、それに合わせるようにアンカーボルト挿通孔11を設けるようにしてもよい。このようにすると、杭2の芯ずれを見込んだ分予め大きなボルト挿通孔を設けなくてもよくなり、アンカーボルト挿通孔の大きさを小さくすることができ、場合によってはテンプレートとなる充填材漏洩防止板14を省略できる。しかし、通常では、充填材漏洩防止板14は、図16(b)に示すように充填材支持板10の裏面に各アンカーボルト挿通孔が重合するように重合配置するようにするとよい。充填材漏洩防止板14を鋼製等剛性の大きい板とする場合が多く、充填材漏洩防止板14に最終的に硬化性充填材12は支持されるため、充填材支持板10の材質に自由度をもたせることができ、具体的な充填材支持板10の材質としては、鋼板、木材、プラスチック板等、硬化性充填材の圧力を支承できる板状材料であれば、適宜の材料を使用することができる。
なお、柱19に過大な引き抜き力が発生する場合には、アンカーボルト7を長くするか、または杭2の内面に鋼製のせん断抵抗部材33を溶接等により固着して対抗するようにしてもよく、あるいは杭2の上端部とトッププレート4とを現場溶接32により固定するようにしてもよく、これらを併用するようにしてもよい。
なお、前記せん断抵抗部材33を固着するには、アンカーボルト位置決め兼仮支持金具1における充填材支持板10が、せん断抵抗部材33のレベルよりも若干下方に位置した吊り下げ状態時に杭内周面に溶接により固定するようにすればよい。
また、図4に示すようなせん断抵抗用縦板22を有する横断面十字状のせん断抵抗用部材9を使用する場合、すなわち、トッププレート4に充填材注入口5およびアンカーボルト挿通孔6を、4つ、例えば90°の同じ等角度間隔の位置に設けるようにした場合には、せん断抵抗用部材9における左右方向の縦板22が柱脚3のウエブ24とほぼ同面状または平行に位置するように、また、前後方向のせん断抵抗用縦板22が前記ウエブ24と交差する方向に配置するようにすればよい。
(1)1本または複数本の棒状鋼材が柱中心付近に配置されているため、強固な剛結合にならないで、ピン結合に近い状態になり、このため、柱脚や杭頭に曲げモーメントがほとんど発生しない。また、杭の外径寸法は、杭頭を強固に固定する構造の場合に比べて地震時の杭頭に生じる曲げモーメントが少なくなるので、小さい外径寸法の杭サイズのものを使用することができる。
(2)アンカーボルト等の棒状鋼材が柱中心軸線に近接するように柱中心付近に配置されているために、杭の水平精度が多少ずれた場合でも、棒状鋼材が杭の内壁に当たることなく柱側の中心軸線を基準にアンカーボルトの配置位置を調整することができる。
(3)アンカーボルト等の棒状鋼材の最下部に、コンクリート止めの充填材支持用板および充填材漏洩防止板が取り付けられているため、コンクリート等の硬化性充填材を中詰めしても杭最下部まで充填材が落ちることはない。また、杭の水平精度が多少ずれた場合でも、アンカーボルト等の棒状鋼材は常に鉛直を保つことができる。
(4)杭頭に載置されるトッププレートは、杭外径よりも大きくしているので、杭の水平位置がずれていても、施工誤差を容易に吸収できる。
(5)中詰コンクリート等の硬化性充填材が適切な長さで杭内部にあるため、棒状鋼材が引き抜力かれようとても、棒状鋼材からの引き抜き外力は、硬化性充填材と杭内周面との付着により抵抗でき、棒状鋼材が抜けることはない。
(6)棒状鋼材の最上部はナット等の固着具で容易に柱のベースプレートを固定でき、角形柱や円形柱等の閉断面柱の場合は締付け作業用の開口部を用意すれば容易に対応することができる。
(7)また、アンカーボルトあるいは充填材支持部材あるいは充填材漏洩防止板の仮支持部材としてトッププレートを機能させることができ、またトッププレートを介して柱のベースプレートを支持したり、トッププレートを取り外して柱のベースプレートを直接杭に載置したりすることができるため、平屋低層建物等の建物に応じて経済的な設計・施工をすることができ、施工方法も簡単で、柱脚内に杭との接合のための硬化性充填材を充填しない等、現場作業が少ないので、短工期で施工できる杭と柱の接合法である。そのため、杭頭部内への硬化性充填材の充填硬化後においては、直ちに建物の骨組みを組立構築でき、建物の施工効率を向上させ経済的に構築できる。
(8)トッププレートとアンカーボルトと充填材支持部材と充填材漏洩防止板およびナット等の着脱自在な固着具とにより、アンカーボルト位置決め兼仮支持金具を構成することができ、アンカーボルト位置決め兼仮支持金具におけるトッププレート上のナットおよびトッププレートを硬化性充填材の硬化後に外しても、アンカーボルト、硬化性充填材、充填材支持板および充填材漏洩防止板は杭内の下部まで落ちることはない。また、前記アンカーボルト位置決め兼仮支持金具におけるトッププレートを杭頭部に載置してアンカーボルトの位置調整をするだけで、杭頭内に硬化性充填材の充填準備することができるので、杭頭内に容易にコンクリート等の硬化性充填材を充填することができる。
(9)トッププレートの下面にせん断抵抗用プレートを固定して硬化性充填材に埋め込み配置されていると水平方向の抵抗力を高めることができる。
(10)トッププレートとベースプレートとの間に適宜の厚さの高さ調整用材料を介在すると、杭レベルが低レベルの場合等では、容易に所定の位置に柱ベースプレートを設置することができる。
(11)杭と柱の接合構造に皿ばね等の弾性体が介在されていると、柱脚の固定度が下がることにより、より弾性的な杭と柱脚との接合構造とすることができ、地震時や風荷重が建物に作用した場合の柱脚の曲げモーメントを低減させることができる。
2 杭
3 柱脚
4 トッププレート
5 硬化性充填材注入口
6 アンカーボルト挿通孔
7 アンカーボルト
8 ナット等の着脱自在な固着具
9 せん断抵抗用部材
10 充填材支持板
11 アンカーボルト位置調整用大径孔
12 硬化性充填材
13 アンカーボルト挿通孔
14 充填材漏洩防止板
15 頭部
16 杭頭中空部
17 杭上端部
18 高さ調整用材料
19 柱
20 ベースプレート
21 開口部
22 せん断抵抗用縦板
23 地中梁
24 ウエブ
25 下部フランジ
26 フランジ
27 上部フランジ
28 補強リブ(ダイアフラム)
29 弾性体
30 フーチング
31 施工用の着脱可能なナット
32 現場溶接
33 せん断抵抗鋼材
Claims (7)
- 柱脚内にコンクリート等の接合のための硬化性充填材を充填しないで杭と柱脚とを接合する杭と柱との接合構造において、中空杭頭内に充填されるコンクリート等の硬化性充填材と鉄骨柱脚のベースプレートとが、柱中心軸線付近に配置された1本または複数本の棒状鋼材によって接合されている杭と柱の接合構造であって、杭頭部に載置され、かつ充填材注入口およびアンカーボルト挿通孔を有するトッププレートと、これに挿通される前記棒状鋼材としての複数のアンカーボルトと、前記アンカーボルトの下部に配置されて支持され杭内径よりも僅かに小さい外径の上位の充填材支持板で、かつアンカーボルト位置調整用大径孔を有する充填材支持板と、その充填材支持板の下側に重合配置されると共に前記アンカーボルトに支持されるアンカーボルト挿通用小径孔を有する充填材漏洩防止板とを備えたアンカーボルト位置決め兼仮支持金具におけるトッププレートが杭に載置され、トッププレートと杭内に配置された充填材支持板との間に硬化性充填材が充填されていることを特徴とする杭と柱の接合構造。
- 杭頭内に硬化性充填材が充填された杭頭と柱脚のベースプレートとの間に、杭の外径よりも大径のトッププレートが杭に載置されていることを特徴とする請求項1に記載の杭と柱の接合構造。
- トッププレートの下面にせん断抵抗用プレートが固定され、そのせん断抵抗用プレートは硬化性充填材に埋め込まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の杭と柱の接合構造。
- トッププレートと柱脚のベースプレートとの間に、高さ調整用材料が介在されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の杭と柱の接合構造。
- 棒状鋼材にねじ込まれるナット等の固着具と柱脚のベースプレートとの間に皿ばね等の弾性体が介在されて接合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の杭と柱の接合構造。
- 杭頭部に載置されるトッププレートおよびこれに挿通されてナット等の着脱自在な固着具により支持される棒状鋼材を介して杭内に配置される充填材支持板と充填材漏洩防止板とを仮支持した状態で、前記トッププレートの充填材注入口から杭頭部内面とトッププレートと充填材支持板との間の空間に硬化性充填材を充填して硬化させ、その後前記固着具を取り外し、柱のベースプレートに前記棒状鋼材を挿通して柱を杭または杭上のトッププレートに載置すると共にナット等の固着具をねじ込んで、杭に柱を接合することを特徴とする杭と柱の接合方法。
- 充填材注入口を有するトッププレートに載置されたナット等の固着具に支持されたアンカーボルトおよびそのアンカーボルトに支持されるアンカーボルト位置調整用大径孔を有すると共に杭内径よりも僅かに小さい外径で上位の充填材支持板と、その下側に配置されアンカーボルト挿通用小径孔を有する充填材漏洩防止板とを重合配置して備えているアンカーボルト位置決め兼仮支持金具を杭の中空頭部に載置し、次いで前記トッププレートにおける充填材注入口から硬化性充填材を注入充填して硬化して、硬化性充填材の付着によりアンカーボルト位置決め兼仮支持金具を仮支持した後、前記ナット等の固着具を取り外し、柱のベースプレートに前記アンカーボルトを挿通して柱を杭または杭上のトッププレートに載置した後、前記アンカーボルトにナット等の固着具をねじ込んで、杭に柱を固定することを特徴とする杭と柱の接合方法。
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