JP6096367B1 - 鋼管杭と鉄骨柱の接合構造 - Google Patents

鋼管杭と鉄骨柱の接合構造 Download PDF

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Abstract

【課題】工期の短縮および施工費用の低減を図ることができ、施工時に無溶接で鉄骨柱の高さ調整、傾き調整、および水平位置調整を行うことができ、せん断伝達機構に優れた鋼管杭と鉄骨柱の接合構造を提供する。【解決手段】この接合構造は、鋼管杭1の杭頭に固定された杭側部材3と鉄骨柱2の柱脚に固定された柱側部材4とが、互いに上下間隔が開く状態で締結具5により結合される。杭側部材3と柱側部材4との間に、上部硬化充填体7が介在する。杭側部材3は、杭頭載置部11と杭内挿入部12と流止め部13とを有し、鋼管杭1の内部における杭頭載置部11と流止め部13との間の空間が下部硬化充填体7で埋められる。この下部硬化充填体7によって杭側部材3が鋼管杭2に固定される。杭頭載置部11の杭側締結具挿通孔15、および柱側部材4の柱側締結具挿通孔25のいずれか一方または両方がルーズ孔である。【選択図】図1

Description

この発明は、基礎、基礎梁等を介さずに鋼管杭と鉄骨柱とを接合する鋼管杭と鉄骨柱の接合構造に関する。
倉庫、事務所等の鉄骨造建物において、地盤が軟弱である場合、例えば図11に示すように基礎を杭基礎とすることがある。杭基礎の施工過程を以下に示す。
1)地面100に杭101を打ち込む。
2)アンカーボルト102を設置する。
3)杭頭に杭頭補強筋103を組む。
4)基礎用の配筋104および基礎梁用の配筋105を組む。
5)型枠を作ってコンクリートを打設し、基礎106および基礎梁107を構築する。
6)柱108のベースプレート109をボルト103に結合して、基礎106の上に柱108を建てる。
上記杭基礎工法は、杭101と柱108とが基礎106、基礎梁107等を介して接合されるため、基礎106や基礎梁107の構築が必要であり、また杭頭補強筋103の施工が必要である。このため、工期が長くなり、かつ施工費用が高くついた。
そこで、基礎、基礎梁等を介さずに鋼管杭と鉄骨柱とを接合する鋼管杭と鉄骨柱の接合構造が提案されている(例えば特許文献1〜3)。
これらの特許文献1〜3の接合構造は、いずれも鋼管杭の杭頭に設けられたプレートと鉄骨柱の柱脚に設けられたプレートとを、両プレートが互いに接する状態で直接に接合する構造である。具体的には、特許文献1の接合構造は、鋼管杭の杭頭内に充填された硬化性充填材にボルトが埋め込み状態で設けられ、このボルトによって鋼管杭のプレートと鉄骨柱のプレートとを接合している。特許文献2、3の接合構造は、鋼管杭のプレートと鉄骨柱のプレートとをボルトおよびナットで接合している。
また、特許文献2の接合構造は、鋼管杭のプレートおよび鉄骨柱のプレートのそれぞれに設けられたボルト挿通孔が、水平方向の施工誤差を調整可能なルーズ孔とされている。
特開2006−83666号公報 特開2006−193995号公報 特開2010−281081号公報
従来の杭と柱とを基礎、基礎梁等を介して接合する接合構造と比較して、特許文献1〜3のように基礎、基礎梁等を介さずに鋼管杭と鉄骨柱とを接合する接合構造は、基礎、基礎梁、杭頭補強筋等を省略できるので、工期の短縮および施工費用の低減を図ることができる。
しかし、特許文献1〜3の接合構造は、いずれも鋼管杭のプレートと鉄骨柱のプレートとが直接に接する状態となっているので、杭頭に対する鉄骨柱の高さ調整を行えないという課題がある。なお、特許文献1には、鋼管杭のプレートと鉄骨柱のプレートとの間に、レベル調整用材料を配置することが記載されている(特許文献1の図10)が、レベル調整用材料の高さは一定であるので鉄骨柱の高さを微調整することはできない。
また、特許文献2の接合構造は、ボルト挿通孔をルーズ孔とすることで水平方向の施工誤差を調整可能であるが、特許文献1,3の接合構造は、水平方向の施工誤差を調整することができない。
さらに、特許文献2,3の接合構造は、鋼管杭と鉄骨柱との間に作用するせん断力を、鋼管杭のプレートと鉄骨柱のプレートとを接合するボルトのみで負担するため、せん断耐力が劣ると考えられる。
この発明の目的は、工期の短縮および施工費用の低減を図ることができ、施工時に無溶接で鉄骨柱の高さ調整、傾き調整、および水平位置調整を行うことができ、せん断伝達機構に優れた鋼管杭と鉄骨柱の接合構造を提供することである。
この発明の鋼管杭と鉄骨柱の接合構造は、鋼管杭の杭頭に固定された杭側部材と鉄骨柱の柱脚に固定された柱側部材とが、互いに上下間隔が開く状態で締結具により結合され、前記杭側部材と前記柱側部材との間に硬化した硬化性充填材からなる上部硬化充填体が介在し、
前記杭側部材は、前記鋼管杭の杭頭に載置された杭頭載置部と、この杭頭載置部の底面から下方に延びて前記鋼管杭の内部に挿入された杭内挿入部と、この杭内挿入部の下部に設けられ外周縁が前記鋼管杭の内壁面に近接する形状の流止め部とを有し、前記鋼管杭の内部における前記杭頭載置部と前記流止め部との間の空間が硬化した硬化性充填材からなる下部硬化充填体で埋められ、この下部硬化充填体によって前記杭側部材が前記鋼管杭に固定され、
前記杭頭載置部に設けられて前記締結具が挿通される杭側締結具挿通孔、および前記柱側部材に設けられて前記締結具が挿通孔される柱側締結具挿通孔を有し、前記杭側部材の前記杭頭載置部と前記柱側部材とが相対的に水平位置を調整可能なように、前記杭側締結具挿通孔および前記柱側締結具挿通孔のいずれか一方または両方がルーズ孔になっていることを特徴とする。
この接合構造によると、鋼管杭の杭頭に固定される杭側部材と鉄骨柱の柱脚に固定される柱側部材とを締結具により結合することで、鋼管杭と鉄骨柱とが結合される。このため、基礎、基礎梁、杭頭補強筋等を省略することができ、工期の短縮および施工費用の低減を図ることができる。
締結具により杭側部材と柱側部材を互いに上下間隔が開く状態で結合するため、締結具を調整して杭側部材と柱側部材の上下間隔を変えることで、杭頭に対する鉄骨柱の高さ調整および傾き調整を行うことができる。鉄骨柱の高さ調整および傾き調整をした後、杭側部材と柱側部材との間に未硬化の硬化性充填材を充填することで、後にこの硬化性充填材が硬化して上部硬化充填体となる。また、杭側締結具挿通孔および柱側締結具挿通孔のいずれか一方または両方がルーズ孔であるため、杭側締結具挿通孔および柱側締結具挿通孔における締結具の挿通位置を変えることで、鋼管杭に対する鉄骨柱の水平位置を調整することができる。
鉄骨柱が受ける軸方向荷重は、柱側部材、上部硬化充填体、および杭側部材を介して鋼管杭に伝達される。鋼管杭と鉄骨柱の接合部に生じる曲げモーメントは、締結具の軸力、杭側部材、および下部硬化充填体によって受けられる。また、鋼管杭と鉄骨柱との間に作用するせん断力は、鉄骨柱および柱側部材から上部硬化性充填体を介して杭側部材に伝達されると共に、杭側部材から下部硬化性充填体を介して鋼管杭へ伝達される。あるいは、上記の逆向きにせん断力が伝達される。下部硬化性充填材および上部硬化性充填材は塊状であり、せん断力を広い面で受ける。このため、この鋼管杭と鉄骨柱の接合構造は、せん断伝達機構に優れる。
この発明において、前記締結具は、前記杭側締結具挿通孔および前記柱側締結具挿通孔に挿通されるボルトと、このボルトに螺合する複数のナットとを有し、これら複数のナットのうちの2組のナットで前記杭頭載置部および前記柱側部材のいずれか一方を挟み付けて固定し、かつ前記2組ナットとは別の2組のナットで前記杭頭載置部および前記柱側部材のいずれか他方を挟み付けて固定する構成としてもよい。
この構成であると、杭側部材と柱側部材とを締結具によって結合する際に、杭頭載置部および柱側部材のいずれか一方を挟み付ける2組のナット、並びに杭頭載置部および柱側部材のいずれか他方を挟み付ける2組のナットの螺合位置を相対的に変えることで、容易に鉄骨杭の杭頭に対する鉄骨柱の高さ調整を行うことができる。
この発明において、前記杭側締結具挿通孔は水平面に沿う一方向に長い長孔であり、前記柱側締結具挿通孔は前記杭側締結具挿通孔の長さ方向と平面視で交差する方向に長い長孔であってもよい。
この場合も、杭側締結具挿通孔および柱側締結具挿通孔における締結具の挿通位置を変えることで、鋼管杭に対する鉄骨柱の水平位置を調整することができる。杭側締結具挿通孔および柱側締結具挿通孔が長孔であると、調整方向および調整量が分かり易く、位置調整を行い易い。
この発明において、前記杭側部材の前記杭頭載置部の周縁部に上方に立ち上がる環状の立上り部が設けられ、この立上り部の内周側が前記上部硬化充填体とされているとよい。
杭頭載置部の周縁部に上方に立ち上がる環状の立上り部が設けられていると、流動性を有する未硬化の硬化性充填材を、杭側部材の杭頭載置部と柱側部材との間の決められた箇所に周囲に流れ出させることなく充填することができる。
この発明において、前記柱側部材は、前記鉄骨柱の下端に固定されたベース部と、このベース部の底面から下方に突出し前記上部硬化充填体に埋め込まれる、前記上部硬化充填体よりもせん断力に強い材料からなる補強部を有していてもよい。
この場合、杭側部材と柱側部材との間の部分において、上部硬化性充填材の圧縮力に強い特性に、補強部のせん断力に強い特性が付加されることで、強度が向上する。
この発明において、前記杭側部材の前記杭内挿入部は、水平断面形状が十字形であってもよい。
この場合、杭内挿入部を、少ない材料で構成されながら、直交2方向の強度が高い構造とすることができる。
この発明の鋼管杭と鉄骨柱の接合構造は、鋼管杭の杭頭に固定された杭側部材と鉄骨柱の柱脚に固定された柱側部材とが、互いに上下間隔が開く状態で締結具により結合され、前記杭側部材と前記柱側部材との間に硬化した硬化性充填材からなる上部硬化充填体が介在し、前記杭側部材は、前記鋼管杭の杭頭に載置された杭頭載置部と、この杭頭載置部の底面から下方に延びて前記鋼管杭の内部に挿入された杭内挿入部と、この杭内挿入部の下部に設けられ外周縁が前記鋼管杭の内壁面に近接する形状の流止め部とを有し、前記鋼管杭の内部における前記杭頭載置部と前記流止め部との間の空間が硬化した硬化性充填材からなる下部硬化充填体で埋められ、この下部硬化充填体によって前記杭側部材が前記鋼管杭に固定され、前記杭頭載置部に設けられて前記締結具が挿通される杭側締結具挿通孔、および前記柱側部材に設けられて前記締結具が挿通孔される柱側締結具挿通孔を有し、前記杭側部材の前記杭頭載置部と前記柱側部材とが相対的に水平位置を調整可能なように、前記杭側締結具挿通孔および前記柱側締結具挿通孔のいずれか一方または両方がルーズ孔になっているため、工期の短縮および施工費用の低減を図ることができ、施工時に無溶接で鉄骨柱の高さ調整、傾き調整、および水平位置調整を行うことができ、せん断伝達機構に優れる。
この発明の一実施形態に係る鋼管杭と鉄骨柱の接合構造の右半分と左半分をそれぞれ異なる断面で表した断面図である。 同接合構造の平面図である。 同接合構造の底面図である。 (A)は同接合構造の杭側部材の平面図、(B)はその側面図、(C)はそのIVC−IVC断面図である。 (A)は同接合構造の柱側部材の平面図、(B)はその側面図である。 同接合構造が適用される鋼管杭と鉄骨柱の接合過程を示す説明図である。 同接合過程の一過程の説明図である。 この発明の異なる実施形態に係る鋼管杭と鉄骨柱の右半分と左半分をそれぞれ異なる断面で表した接合構造の断面図である。 同接合構造の平面図である。 同接合構造の底面図である。 従来の鋼管杭と鉄骨柱の接合構造の断面図である。
この発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1はこの発明の一実施形態に係る鋼管杭と鉄骨柱の接合構造の右半分と左半分をそれぞれ異なる断面で表した断面図、図2は同接合構造の平面図、図3は同接合構造の底面図である。なお、図1は図2、図3のI−I断面を示している。
この例では、鋼管杭1は丸形鋼管、鉄骨柱2は角形鋼管である。鋼管杭1は丸形鋼管以外の鋼管であってもよい。また、鉄骨柱2は角形鋼管以外の鋼管であってもよく、さらにH形鋼等の鋼管以外の鋼材であってもよい。
この鋼管杭と鉄骨柱の接合構造は、鋼管杭1の杭頭に固定される杭側部材3と鉄骨柱2の柱脚に固定される柱側部材4とを備える。これら杭側部材3および柱側部材4は鋼材からなる。この接合構造には、杭側部材3および柱側部材4の他に、複数の締結具5が用いられる。この実施形態の場合、各締結具5は、1本のボルト31、複数のナット32A〜32D、および座金33からなる。
図4に示すように、杭側部材3は、平板状の杭頭載置部11と、この杭頭載置部11の底面の中央部から下方に延びる杭内挿入部12と、この杭内挿入部12の下端に設けられた流止め部13と、杭頭載置部11の周縁部から上方に立ち上がる環状の立上り部14とで構成される。杭頭載置部11は、平面視で鋼管杭1(図1)よりも大きい形状であり、例えば平面形状が略正方形である。杭内挿入部12は、水平断面形状が十字形である。この形状は、少ない材料で構成されながら、直交2方向の強度が高い構造である。但し、杭内挿入部12の水平断面形状は、他の形状であってもよい。流止め部13は、外径が鋼管杭1の内径よりも若干小さい円板状である。立上り部14は、平面形状が略正方形で、全周に亘って同一高さである。
杭頭載置部11には、この杭頭載置部11の平面形状である正方形の対角線上の4箇所に、杭側部材3と柱側部材4との接合に用いられる杭側締結具挿通孔15が設けられている。これらの杭側締結具挿通孔15は、上下に貫通する貫通孔であり、かつ前記正方形の一辺に沿う方向(Y方向)に長い長孔である。杭頭載置部11の底面に、各杭側締結具挿通孔15の周辺部を補強する補強板16が貼付け状態で設けられている。
また、杭頭載置部11には、平面中心付近に上下に貫通する硬化性充填材の充填孔17が複数設けられている。各充填孔17は、水平断面の形状が十字形である杭内挿入部12が存在している箇所を避けた位置に設けられている。
図5に示すように、柱側部材4は、平板状のベース部21と、このベース部21の底面から下方に突出した補強部22とで構成される。ベース部21は、平面形状が前記立上り部14(図4)よりも小さい略正方形である。補強部22は、例えば複数の板材22a,22b,22bを平面形状が十字形となるように配置してなる。後記柱側締結具挿通孔25を避けた位置に配置されていれば、他の形状であってもよい。
ベース部21には、このベース部21の平面形状である正方形の対角線上の4箇所に、杭側部材3と柱側部材4との接合に用いられる柱側締結具挿通孔25が設けられている。これらの柱側締結具挿通孔25は、上下に貫通する貫通孔であり、かつ前記正方形の一辺に沿う方向(X方向)に長い長孔である。ベース部21の上面に、各柱側締結具挿通孔25の周辺部を補強する補強板26が貼付け状態で設けられている。
なお、杭側締結具挿通孔15の長さ方向であるY方向(図4)、および柱側締結具挿通孔25の長さ方向であるX方向(図5)は、説明の都合上で便宜的に定めた方向である。杭側締結具挿通孔15が設けられている杭側部材3の杭頭載置部11、および柱側締結具挿通孔25が設けられている柱側部材4のベース部21は、いずれも略正方形である。このため、Y方向とX方向とが一致するように杭側部材3と柱側部材4とを組み合わせて配置することが可能であるが、鋼管杭と鉄骨柱の接合構造に使用する場合、Y方向とX方向とが互いに直交するように杭側部材3と柱側部材4とを組み合わせて配置する。
次に、上記杭側部材3および柱側部材4を用いた鋼管杭1と鉄骨柱2の接合方法を、図6と共に説明する。ここでは、図5参照に鎖線で示すように、鉄骨柱2の柱脚に柱側部材4が事前に固定されている場合について説明する。
図6(A)のように、地面40に鋼管杭1を打ち込む。このとき、地盤の深さによって、鋼管杭1の打込み深さが異なる。鋼管杭1の上部が計画杭頭レベル41よりも上に突き出てしまった場合は、杭頭が予め定められている計画杭頭レベル41となるように、図6(B)のように突き出た部分を切断してもよい。計画杭頭レベル41は、図の例のように地面40と高さが異なっていてもよく、または同じであってもよい。
次に、図6(C)のように、鋼管杭1の中に、杭側部材3の杭内挿入部12を上から挿入する。杭側部材3の杭頭載置部11が鋼管杭1の杭頭に載置された状態となる。杭内挿入部12の下部に設けられている流止め部13は、その外周縁が鋼管杭1の内壁面に近接している。
そして、図6(D)のように、杭頭載置部11の充填孔17から、鋼管杭1の内部における杭頭載置部11と流止め部13との間の空間に硬化性充填材を充填する。硬化性充填材は、例えばコンクリート、モルタル等である。硬化性充填材が硬化することで、下部硬化充填体6となる。
次に、図6(E)のように、柱脚に柱側部材4が接合された鉄骨柱2を鋼管杭1の上方に保持し、杭側部材3と柱側部材4とを締結具5によって結合する。具体的には、杭側部材3の杭側締結具挿通孔15にボルト31を挿入し、このボルト31に螺合させたナット32A,32Bで、杭側部材3の杭頭載置部11を挟み込む。また、ボルト31に螺合させたナット32Cとダブルナット32Dとで、柱側部材4のベース部21を挟み込む。ナット32Bと杭頭載置部11との間、ナット32Cとベース部21との間、およびダブルナット32Dとベース部21との間には、それぞれ座金33を介在させてある(図1参照)。
上記のように杭側部材3と柱側部材4とを締結具5によって結合する際、杭頭載置部11を挟み付ける2組のナット32A,32Bおよびベース部材21を挟み付ける2組のナット32C,32Dの螺合位置を相対的に変えることで、容易に鉄骨杭1の杭頭に対する鉄骨柱2の高さ調整および傾き調整を行うことができる。
また、杭側締結具挿通孔15および柱側締結具挿通孔25が互いに直交する方向に長い長孔であるため、杭側締結具挿通孔15および柱側締結具挿通孔25におけるボルト31の挿通位置を変えることで、鋼管杭1に対する鉄骨柱2の水平位置を調整することができる。杭側締結具挿通孔15および柱側締結具挿通孔25が長孔であると、図7に示すように、X方向の調整とY方向の調整を別々に行うことができるため、調整方向および調整量が分かり易く、正確な位置調整を行うことができる。
なお、図4、図5の例のように、杭側締結具挿通孔15および柱側締結具挿通孔25を長孔とせずに、杭頭載置部11と柱側部材4とが相対的に水平位置を調整可能なように、杭側締結具挿通孔15および柱側締結具挿通孔25のいずれか一方または両方をルーズ孔としてもよい(図示せず)。この場合も、鋼管杭1に対する鉄骨柱2の水平位置を調整することができる。
このように、鋼管杭1に対して鉄骨柱2の高さ調整および傾き調整を行い、かつ水平位置を調整した上で、杭側部材3と柱側部材4とを接合した後、図6(F)のように、杭側部材3の杭頭載置部11と柱側部材4のベース部21との間に硬化性充填材を充填する。硬化性充填材が硬化することで、上部硬化充填体7となる。杭頭載置部11の周縁部に上方に立ち上がる環状の立上り部14が設けられているため、流動性を有する未硬化の硬化性充填材を、杭頭載置部11とベース部21との間の決められた箇所に周囲に流れ出させることなく充填することができる。
この接合構造によると、鋼管杭1の杭頭に固定された杭側部材3と鉄骨柱2の柱脚に固定された柱側部材4とを締結具5により結合することで、鋼管杭1と鉄骨柱2とが結合される。このため、基礎、基礎梁、杭頭補強筋等を省略することができ、工期の短縮および施工費用の低減を図ることができる。
この接合構造は、締結具5を調整して杭側部材3と柱側部材4の上下間隔を変えることで、杭頭に対する鉄骨柱2の高さ調整および傾き調整を行うことができる。また、杭側締結具挿通孔15および柱側締結具挿通孔25における締結具5の挿通位置を変えることで、鋼管杭1に対する鉄骨柱2の水平位置を調整することができる。鉄骨柱2の高さを調整した後、杭側部材3の杭頭載置部11と柱側部材4のベース部材21との間に未硬化の硬化性充填材を充填することで、後にこの硬化性充填材が硬化して上部硬化充填体7となる。
鉄骨柱2が受ける軸方向荷重は、柱側部材4、上部硬化充填体7、および杭側部材4を介して鋼管杭1に伝達される。鋼管杭1と鉄骨柱2の接合部に生じる曲げモーメントは、締結具5の軸力、杭側部材3、および下部硬化充填体6によって受けられる。また、せん断力は、鉄骨柱2および柱側部材4から上部硬化性充填体7を介して杭側部材3に伝達されると共に、杭側部材3から下部硬化性充填体6を介して鋼管杭1へ伝達される。あるいは、上記の逆向きにせん断力が伝達される。下部硬化性充填材6および上部硬化性充填材7は塊状であり、せん断力を広い面で受ける。このため、この鋼管杭1と鉄骨柱2の接合構造は、せん断伝達機構に優れる。
前記実施形態は、杭側部材3の杭頭載置部11および柱側部材4のベース部21が共に平面形状が正方形で、これら杭頭載置部11およびベース部21の4箇所に杭側締結具挿通孔15および柱側締結具挿通孔25がそれぞれ設けられている。しかし、杭頭載置部11およびベース部21の平面形状、並びに杭側締結具挿通孔15および柱側締結具挿通孔25の数はこれに限定されない。例えば、図8〜図10に示す実施形態のように、杭頭載置部11およびベース部21の平面形状を長方形とし、杭側締結具挿通孔15および柱側締結具挿通孔25を8つ、またはそれ以上としてもよい。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…鋼管杭
2…鉄骨柱
3…杭側部材
4…柱側部材
5…締結具
6…下部硬化充填体
7…上部硬化充填体
11…杭頭載置部
12…杭内挿入部
13…流止め部
14…立上り部
15…杭側締結具挿通孔
21…ベース部
22…補強部
25…柱側締結具挿通孔
31…ボルト
32A,32B,32C,32D…ナット

Claims (6)

  1. 鋼管杭の杭頭に固定された杭側部材と鉄骨柱の柱脚に固定された柱側部材とが、互いに上下間隔が開く状態で締結具により結合され、前記杭側部材と前記柱側部材との間に硬化した硬化性充填材からなる上部硬化充填体が介在し、
    前記杭側部材は、前記鋼管杭の杭頭に載置された杭頭載置部と、この杭頭載置部の底面から下方に延びて前記鋼管杭の内部に挿入された杭内挿入部と、この杭内挿入部の下部に設けられ外周縁が前記鋼管杭の内壁面に近接する形状の流止め部とを有し、前記鋼管杭の内部における前記杭頭載置部と前記流止め部との間の空間が硬化した硬化性充填材からなる下部硬化充填体で埋められ、この下部硬化充填体によって前記杭側部材が前記鋼管杭に固定され、
    前記杭頭載置部に設けられて前記締結具が挿通される杭側締結具挿通孔、および前記柱側部材に設けられて前記締結具が挿通孔される柱側締結具挿通孔を有し、前記杭側部材の前記杭頭載置部と前記柱側部材とが相対的に水平位置を調整可能なように、前記杭側締結具挿通孔および前記柱側締結具挿通孔のいずれか一方または両方がルーズ孔になっていることを特徴とする鋼管杭と鉄骨柱の接合構造。
  2. 請求項1に記載の鋼管杭と鉄骨柱の接合構造において、前記締結具は、前記杭側締結具挿通孔および前記柱側締結具挿通孔に挿通されるボルトと、このボルトに螺合する複数のナットとを有し、これら複数のナットのうちの2組のナットで前記杭頭載置部および前記柱側部材のいずれか一方を挟み付けて固定し、かつ前記2組ナットとは別の2組のナットで前記杭頭載置部および前記柱側部材のいずれか他方を挟み付けて固定する鋼管杭と鉄骨柱の接合構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の鋼管杭と鉄骨柱の接合構造において、前記杭側締結具挿通孔は水平面に沿う一方向に長い長孔であり、前記柱側締結具挿通孔は前記杭側締結具挿通孔の長さ方向と平面視で交差する方向に長い長孔である鋼管杭と鉄骨柱の接合構造。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の鋼管杭と鉄骨柱の接合構造において、前記杭側部材の前記杭頭載置部の周縁部に上方に立ち上がる環状の立上り部が設けられ、この立上り部の内周側が前記上部硬化充填体とされている鋼管杭と鉄骨柱の接合構造。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の鋼管杭と鉄骨柱の接合構造において、前記柱側部材は、前記鉄骨柱の下端に固定されたベース部と、このベース部の底面から下方に突出し前記上部硬化充填体に埋め込まれる、前記上部硬化充填体よりもせん断力に強い材料からなる補強部とを有する鋼管杭と鉄骨柱の接合構造。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の鋼管杭と鉄骨柱の接合構造において、前記杭側部材の前記杭内挿入部は、水平断面形状が十字形である鋼管杭と鉄骨柱の接合構造。
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