JP2002146800A - 上部構造物と基礎杭との結合構造および支持金物 - Google Patents

上部構造物と基礎杭との結合構造および支持金物

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JP2002146800A
JP2002146800A JP2000346961A JP2000346961A JP2002146800A JP 2002146800 A JP2002146800 A JP 2002146800A JP 2000346961 A JP2000346961 A JP 2000346961A JP 2000346961 A JP2000346961 A JP 2000346961A JP 2002146800 A JP2002146800 A JP 2002146800A
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Masaaki Mimura
正明 三村
Kazuyoshi Hachiman
一義 八幡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 杭頭部の水平位置や鉛直方向高さの不揃いを
簡単に調整して、基礎杭と鉄骨柱との接続を円滑かつ容
易に行える結合構造の提供。 【解決手段】 鉄骨柱5と地盤掘削部に突出した基礎杭
2の杭頭部2aとの支持金物3による結合構造であっ
て、支持金物3は、金物本体8と、金物本体8に設けら
れ、鉄骨柱5側に高さ調整自在に結合される高さ調整ボ
ルト7と、杭頭部2a側に高さおよび水平調整自在に結
合する杭固定ボルト6とから構成され、この支持金物3
は、杭頭部2aの円周方向に所定間隔をあけて複数配置
されたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の鉄骨柱や基
礎鉄骨梁等の上部構造物と、地盤掘削部に突出した杭頭
部等の下部構造物との結合構造および支持金物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、独立基礎を杭に支持させる杭基礎
において、地盤へ打設済みの鋼管杭に対して基礎鉄骨梁
を接合する場合、杭頭部回りに鉄筋コンクリート造の独
立基礎を構築し、その天端に基礎梁を載せ、下端をアン
カーボルトに接続することによって鋼管杭に接合してい
た。この方法では、杭芯に対して束の位置をずらすこと
により、鋼管杭の平面状の誤差を吸収することはできる
が、基礎梁のレベルを調整することが難しく、また、独
立基礎のコンクリートが硬化するまでは作業が進められ
なかった。
【0003】また、杭頭部に固定して用いる金物が知ら
れているが、従来の金物は、杭と杭頭鉄筋の接続を狙っ
たものが多く、鉄骨と杭との接合のための杭頭金物は殆
どなく、特開平7−3817号公報が僅かに関連するも
のである。
【0004】図9に示すように、特開平7−3817号
公報に開示の鋼管杭と基礎梁の接合装置30は、束材下
端のベースプレート28と、これに外接する環状部材2
9が一体化し、基礎梁26が接続する束材22と、鋼管
杭27の頭部に載り、管内に係合する突起31を介して
これに接続される杭頭金物23と、杭頭金物23に螺合
し、束材22のベースプレート28を支持するレベル調
整ボルト24と、環状部材29内に充填され、束材22
の脚部を鋼管杭27に対して接合するグラウト材25と
から構成され、レベル調整ボルト24によって基礎梁2
6のレベルを調整し、また、基礎梁26の荷重をレベル
調整ボルト24が負担することにより、作業の中断を回
避するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、地盤の支持
層には、場所によって高低差があることなどから、杭頭
部は高止まりになることがあり、他の杭頭部との間で高
さにバラツキが生じるので、高止まりの杭頭を切断する
ことでそのバラツキをならしている。それでも間隔が離
れて設置された杭頭部同士の高さを完全に揃えるのは困
難で、最終的に微調整が必要であり、図9に示した特開
平7−3817号公報ではレベル調整ボルトで高さを微
調整できるから、その点で有利である。
【0006】しかし、高止まりの杭の高さ調整のため
に、鋼管杭やPHCコンクリート杭等の杭頭部を切断す
るとき、切断面が水平面を必ずしも構成していないこと
がある。特に、PHCコンクリート杭では、コンクリー
トの切断面が破壊され天端面全周が水平面を構成するの
が難しい。
【0007】この場合、図9に示す特開平7−3817
号公報では、杭頭部にレベル調整ボルト24を螺合した
フラットな鋼板からなる杭頭金物23を載置するもので
あり、かつ1本のレベル調整ボルト24を杭頭部の中心
部に配置した構成であるから、前述のように、切断面が
水平面を構成していない杭頭部にフラットな鋼板からな
る杭頭金物23を載置すると、杭頭金物23とレベル調
整ボルト24が傾き、高さ調整機能を奏し得ない。した
がって、PHCコンクリート杭の杭頭部には、特開平7
−3817号公報の接合装置は適用できない。
【0008】さらに、基礎杭は打設位置のずれや打設角
度の傾きなどにより杭頭部の水平方向の位置ずれなどが
生じることがあり、上部鉄骨基礎梁との間で水平位置ず
れの調整が必要となるが、特開平7−3817号公報の
接合装置では、この水平位置ずれの調整はできない。
【0009】本発明は、前記従来の欠点を改良するため
に提案されたもので、切断面が水平面を構成していない
杭頭部や、水平位置ずれのある杭頭部の何れの場合で
も、それらを円滑に調整して、杭頭部と鉄骨柱を結合で
きる鉄骨柱と基礎杭を主たる発明対象とし、その他の各
種上部構造物や下部構造物の結合にも適用できる結合構
造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る鉄骨柱等の
上部構造物と基礎杭等の下部構造物との結合構造は、次
のように構成する。
【0011】第1の発明は、鉄骨柱や基礎鉄骨梁等の上
部構造物と、地盤掘削部に突出した杭頭部等の下部構造
物側との支持金物による結合構造であって、前記支持金
物は、金物本体と、当該金物本体に設けられ、かつ前記
上部構造物側に高さ調整自在に結合される高さ調整調整
手段と、前記下部構造物側に高さおよび水平調整自在に
結合する下部構造物固定手段とから構成され、前記下部
構造物側に所定間隔をあけて複数配置されたことを特徴
とする。
【0012】第2の発明は、第1の発明において、前記
高さ調整手段は高さ調整ボルトからなり、当該高さ調整
ボルトは、前記上部構造物に溶接の支持プレートの下面
に固定されると共に、金物本体のボルト用水平支持部に
開設のネジ穴に螺合され、前記下部構造物固定手段は杭
固定ボルトからなり、当該杭固定ボルトは、金物本体に
設けられた2つのボルト用鉛直支持部と、両鉛直支持部
間に位置するボルト用水平支持部に開設のネジ穴に螺合
され、それぞれ下部構造物の天端面と内外面を3方から
押える水平固定ボルトと鉛直固定ボルトから構成されて
いることを特徴とする。
【0013】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、前記基礎鉄骨梁のうち前記鉄骨柱が直接固定され
る基礎鉄骨梁には、鉄骨柱を挟む位置における一部で、
前記掘削部に打設するコンクリートとの間に空隙等によ
る梁可撓領域が形成されていて、前記基礎鉄骨梁は前記
コンクリートに埋設されることで半固定杭基礎構造とさ
れていることを特徴とする。
【0014】第4の発明の支持金物は、鉄骨柱または基
礎梁等の上部構造物と、杭頭部等の下部構造物とを結合
する支持金物であって、当該支持金物は、金物本体に、
前記上部構造物側に高さ調整自在に結合される高さ調整
ボルトと、前記下部構造物側に高さおよび水平調整自在
に結合する下部構造物定ボルトを備えて構成されている
ことを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明では、支持金物が、地盤の支持層の場所
による高低差よる杭頭部等の下部構造物の高止まり調整
のため、杭頭天端等の切断による平面のバラツキなどに
よる高さ調整機能、下部構造物の打設位置のずれや打設
角度の傾きなどにより、下部構造物の水平方向の位置ず
れなどによる調整機能を具備しているので、下部構造物
における前記の不揃いを簡単に修正して下部構造物と下
部構造物を円滑に結合できる。
【0016】また、鉄骨柱や、鉄骨柱を支持する基礎鉄
骨梁の半固定杭基礎構造を構築するときも、鉄骨柱や基
礎鉄骨梁と基礎杭との結合に際し、高さ調整調整機能と
水平位置調整機能を有する前記の支持金物を用いて円滑
にできる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、この発明を図示の実施形態
に基づいて詳細に説明する。
【0018】図1〜図4は実施形態1に係り、上部構造
物の一例として示す鉄骨柱と、下部構造物の一例として
示す基礎杭との結合構造を示す。図5、図6は実施形態
2を示し、図7、図8は実施形態3、4を示す。
【0019】図1〜図4を参照して、実施形態1を説明
する。各図において、地盤1に打設された基礎杭2の杭
頭部2aに、円周方向に複数の支持手段3(以下支持金
物という)が載置固定され、この支持金物3を介して鉄
骨柱5が基礎杭2に固定されている。基礎杭2は、鋼管
杭またはPHCコンクリート杭等で断面が円筒形であ
る。鉄骨柱5はH形鋼、角形鋼管杭等何れでもよいが、
図ではH形鋼の例が示されている。
【0020】図2〜図4でさらに説明すると、地盤1を
根切り10で掘削することにより、根切り10の底面1
0aに基礎杭2の杭頭部2aが所定長突出している。杭
頭部2aは円筒形であり、支持金物3は、基礎杭2と鉄
骨柱5の高さ調整機能、水平調整機能を有し、円筒形の
杭天端2bに所定間隔をあけて3個配設されている(図
3(B)に示す)。
【0021】つまり、基礎杭2は、鉄骨柱5の立設予定
位置に所定間隔、所定配置で多数本打設され、その後、
根切り10によって底面10aに杭頭部2aを所定高さ
突出させる。このとき、地盤1の支持層に高低があるこ
となどから、杭頭部2aが高止まりとなることがある。
この場合は、高止まりの杭頭を切断して杭頭部2aを所
定高さに調整するが、杭頭部2aの切断面が平面を構成
していない場合が多い。また、基礎杭2の打設位置のず
れ、打設角度の傾きなどにより杭頭部2aの水平方向の
位置ずれなどが生じることがある。
【0022】支持金物3は、前記の杭頭部2aにおける
天端面2bの傾きや水平方向位置ずれの不具合を調整し
て、鉄骨柱5を支持する機能を有しており、金物本体8
と、高さ調整ボルト7と、杭固定ボルト6とから固定さ
れている。
【0023】金物本体8は鋼板を折曲げて構成されてお
り、上部水平部8aに開設のボルト挿通孔に高さ調整ボ
ルト7を挿入し、これに上部水平部8aの上下面から調
整ナット12を締結することで、高さ調整ボルト7を、
その高さを調整して金物本体8に固定できる。高さ調整
ボルト7の上部は、鉄骨柱5の下端を固定するための上
部取付け鋼板4の下面に溶接された取付けナット11に
ねじ込み固定されている。
【0024】金物本体8の下部側面には、直角折曲げ部
を下向きにしたL字形ボルト支持板8bが溶接により固
定されていて、前記金物本体8の下部側面およびL字形
ボルト支持板8bの水平部と鉛直部に開設したねじ穴
に、水平固定ボルト6a、6b、鉛直固定ボルト6cか
らなる杭固定ボルト6が螺合されている。杭固定ボルト
6の本数は3本以上でもよい。
【0025】前記支持金物3は、図3(B)、図4に示
すように、基礎杭2の円周方向の3箇所に等角間隔で配
置されていて、各支持金物3における3個の金物本体8
の上部は平面3角形の連結フレーム13で結合されてい
る。
【0026】したがって、支持金物3の杭頭部2aへの
固定と、上部取付け鋼板4を介しての鉄骨柱5との組立
は、例えば次のように行うとよい。
【0027】予め打設した基礎杭2の杭頭部2aに支
持金物3を取付け、支持金物3の上部取付け鋼板4に鉄
骨柱5の下端を溶接する。このとき、杭頭部2aの内外
周面と天端面2bが支持金物3の3本の杭固定ボルト6
で仮締めされる。
【0028】前記と同じ作業を、他の根切り10の
溝底面10aにおける基礎杭2についても行う。
【0029】上部取付け鋼板4の水平を出す。また、
各支持金物3において、水平固定ボルト6a、6bの締
付けを相互に調節することで、杭頭部2aの軸心の水平
位置のずれを調整して上部取付け鋼板4(つまり鉄骨柱
5)の平面的位置を確定する。さらに、必要に応じて調
整ナット12を締結して、高さ調整ボルト7の高さを調
整し、各鉄骨柱5の高さが揃うように高さを微調整す
る。
【0030】こうして、基礎杭2と鉄骨柱5を支持金
物3で仮固定した上、根切り10に打設する無筋コンク
リート19で鉄骨柱5の下部を埋める。無筋コンクリー
ト19を打設した後は、この無筋コンクリート19を介
して鉄骨柱5と基礎杭2が結合され、支持金物3には鉄
骨柱5の支持機能は必要でなく、埋め殺しとされる。 その後、各鉄骨柱5の間には、地中鉄骨梁または地上
鉄骨梁15が架構される。
【0031】次に、図5、図6を参照して、実施形態2
を説明する。実施形態1では、鉄骨柱5が基礎杭2に固
定的に結合される基礎構造であったが、実施形態2で
は、実施形態1と同じ支持金物3を用い、かつ鉄骨柱5
の下端の柱脚部5aを、第1基礎鉄骨梁17と第2基礎
鉄骨梁18からなる平面H形に配置の基礎鉄骨梁16を
介して支持することで、半固定杭基礎構造とした例を示
す。
【0032】すなわち、実施形態2では、図5に示すよ
うに、基礎鉄骨梁16は図示のように、適切な寸法を保
った位置に平行に配置される2つの第2基礎鉄骨梁18
および、それらの鉄骨梁18を繋ぐように配置される第
1基礎鉄骨梁17とで平面H形状に形成され、鉄骨柱5
の下端は、第1基礎鉄骨梁17の中間部の上面に固着さ
れている。
【0033】一方、地盤1には、根切り10が平面H形
の基礎鉄骨梁16のH形状に合わせて平面略H形状で、
かつ所定深さに掘削されて、第1、第2の基礎鉄骨梁1
7、18が孔内壁面と十分余裕間隙を保って配置できる
ような寸法に配置される。
【0034】平面が略H形状の根切り10の深さは、全
体を同じ深さに造成しても構わないが、図示例では、両
翼根切り溝10bは深く掘削し、中間根切り溝10c
は、両翼根切り溝10bよりも浅く設けている。このよ
うに、中間根切り溝10cを浅く設けるのは、根切り1
0に打設する無筋コンクリート19(後述する)の使用
材料を、鉄骨柱5に作用する、引張作用と圧縮荷重を押
えるのに必要最小限に、かつ可及的に軽減するためであ
る。両翼根切り溝10bの底面10aには、基礎杭2の
杭頭部2aが所定高さ突出している。
【0035】第2基礎鉄骨梁18は、前述のとおり予め
掘削した根切り10に打設した基礎杭2の杭頭部2aに
支持金物3を介して、適切な高さ寸法および水平を保っ
た位置に設置され、後工程で打設する無筋コンクリート
19中に埋設される。
【0036】また、図6に示すように、基礎鉄骨梁16
の第1基礎鉄骨梁17を長さ方向に所定寸法ごとに複数
区画し、中間部を第1領域L1、その両外側を第2領域
2、その外側を第3領域L3として区画する。そして、
第1領域L1と第3領域L3を固定領域とし、その外面に
密着して無筋コンクリート19を充填するのに対して、
第2領域L2は可撓領域として、梁外面と無筋コンクリ
ート19との間に梁可撓空隙部を形成する。
【0037】第1基礎鉄骨梁17の第2領域L2におい
て、無筋コンクリート19との間に梁可撓空隙を形成す
る手段の1例として、図示例では第2領域L2におい
て、第1基礎鉄骨梁17の外面に、スタイロフォーム等
の発泡プラスチック等(弾性体)21を当てがい、かつ
外周を被覆シート21aで被覆することにより、無筋コ
ンクリート19が第1基礎鉄骨梁17の外面に直に廻り
込まず、コンクリートとの間に可撓空隙を形成する。な
お、無筋コンクリート19との間に可撓空間を形成する
手段は前記発泡プラスチック等21と被覆シート21a
の併用以外の手段でも構わない。
【0038】また、図示例では、無筋コンクリート19
を打設するに先立ち、前記第1基礎鉄骨梁17を、中間
根切り溝10cの底面10aから若干浮かして支持金物
3で支持されており、それにより第1基礎鉄骨梁17の
下面にも無筋コンクリート19が円滑に回り込みやすい
ように配設してある。これは、柱脚部5aを介して第1
基礎鉄骨梁17が受ける鉄骨柱2からの大きな鉛直荷重
が、地盤である中間根切り溝10bの底面10aに直に
伝わらず、所定厚Tの底面廻り込みコンクリート19a
で受けるためである。
【0039】図5に示すように、第1基礎鉄骨梁17を
中間根切り溝10cの底面10aから若干浮かして、コ
ンクリート打設まで仮支持するのは、実施形態1におけ
ると同じ支持金物3であり、支持金物3の高さ調整ボル
ト7と杭固定ボルト6により、基礎鉄骨梁16を高さと
水平を調整して固定することで、第1基礎鉄骨梁17を
中間根切り溝10cの底面10aから若干浮かして支持
している。支持金物3は専らコンクリート打設まで基礎
鉄骨梁16を高さと水平を調整して仮支持する役目のみ
であって、無筋コンクリート19の打設後は、当該コン
クリート中に埋め殺しとする。
【0040】第1基礎鉄骨梁17を支持金物3で仮支持
して、無筋コンクリート19を根切り10に打設したと
き、第1基礎鉄骨梁17と第2基礎鉄骨梁18は当該無
筋コンクリート19内に埋設される。無筋コンクリート
19の打設高さは、少なくとも第1基礎鉄骨梁17の上
フランジ17aが埋設される程度か、それ以上の適切な
厚みT1に打設するとよいが、何れにあっても、無筋コ
ンクリート19は、鉄骨柱5に作用する上揚力に抗して
各基礎鉄骨梁17、18を抑えるに足りる重量があり、
かつ、各基礎鉄骨梁17、18を介して伝わる鉄骨柱5
からの圧縮荷重に耐え得る量充填される。さらに、第1
基礎鉄骨梁17の下側には底面廻り込みコンクリート1
9aが十分な量廻り込み充填される。
【0041】したがって、支持金物3の杭頭部2aへの
固定と、上部取付け鋼板4を介しての基礎鉄骨梁16と
の組立は、例えば次のように行うとよい。
【0042】予め打設した基礎杭2の杭頭部2aに支
持金物3を取付け、支持金物3の上部取付け鋼板4に第
2基礎鉄骨梁18の下端を溶接する。このとき、杭頭部
2aの内外周面と杭頂面が3本の杭固定ボルト6で仮締
めされる。
【0043】前記と同じ作業を、他の根切り10の
底面10aにおける基礎杭2についても行う。
【0044】両翼の根切り溝10bに配置された第2
基礎鉄骨梁18同士を繋ぐように、予め鉄骨柱5を溶接
してある第1基礎鉄骨梁17を配置し、それらをボルト
接合する。第1基礎鉄骨梁17の一部はスタローフォー
ムなどの発砲プラスチック21で覆われており、後で打
設される無筋コンクリート19と接触しないようにされ
ている。
【0045】両翼の根切り溝10bの杭頭部2aにお
いて、3本の杭固定ボルト6のうち、鉛直固定ボルト6
cの締付を調整することで、杭上端面の不陸(凹凸)切
断面が平坦面を構成していない場合の調整を行い、上部
取付け鋼板4の水平を出す。また、水平固定ボルト6
a、6bの締付けを相互に調節することで、杭頭部2a
の軸心の水平位置のずれを調整して上部取付け鋼板4
(つまり、第2基礎鉄骨梁18)の平面的位置を確定す
る。さらに、必要に応じて調整ナット12を締結して、
高さ調整ボルト7の高さを調整し、第2基礎鉄骨梁18
の左右が水平となるように高さを微調整する。
【0046】こうして、第1基礎鉄骨梁17と第2基
礎鉄骨梁18を支持金物3で仮固定した上、根切り10
に打設する無筋コンクリート19で鉄骨梁全体を埋める
(この工程は実施形態2と同じ)。無筋コンクリート1
9を打設した後は、この無筋コンクリート19を介して
鉄骨柱5と基礎杭2が結合されるので、支持金物3は鉄
骨柱5の支持機能は必要でなく、埋め殺しとなる。
【0047】次に、図7、8に示す実施形態3、4を簡
単に説明する。実施形態3が、実施形態2と異なる点
は、第2基礎鉄骨梁18の両端部を支持するように、基
礎杭2が設けられているのに加えて、第1基礎鉄骨梁1
7の中間部をも支持するように基礎杭2が設けられてい
ることである。また、実施形態4が、実施形態2と異な
る点は、実施形態4では第2基礎鉄骨梁18が省略され
ており、第1基礎鉄骨梁17の両端部と中間部を支持す
るように基礎杭2が設けられていることである。実施形
態3、4において、支持金物3の構成と作用は実施形態
2と同じであるので、これについての重複説明を省略す
る。
【0048】
【実施形態2〜4の作用】実施形態2〜4の半固定基礎
構造に基づく作用を、以下順に説明する。
【0049】[1]従来、鉄筋コンクリート構造または
鉄骨鉄筋コンクリート構造でしかなかった、鉄骨柱5の
半固定直接基礎構造を、本発明では、建物の鉛直荷重を
支える鉄骨柱5から伝達される応力に対して自重と、圧
縮抵抗のみを期待できる無筋コンクリート16からなる
基礎構造としている。
【0050】[2]無筋コンクリート19中に埋設され
た第1基礎鉄骨梁17の第2領域L 2を梁可撓領域とし
て、スタイロフォーム等の発泡プラスチック等21で無
筋コンクリート19との間に空隙を取ることにより、第
1基礎鉄骨梁17がその既知の剛性に応じて曲がること
により、鉄骨柱脚部5aに半固定の基礎であるかのよう
に挙動させる。
【0051】[3]鉄骨柱5が傾斜することにより柱脚
部5aに作用する曲げモーメントは、第1基礎鉄骨梁1
7の先端に接続された第2基礎鉄骨梁18に伝達され、
それらを引き上げる力と、押し下げる力に分解される。
引き上げる力に対しては、その鉄骨梁18より上部の無
筋コンクリート19と土の自重で抵抗し、押し下げる力
に対しては、その無筋コンクリート16の圧縮抵抗力を
通じて支持地盤に伝達される。
【0052】[4]鉄骨柱脚部5aの圧縮軸力は、第1
基礎鉄骨梁17を通じて第2基礎鉄骨梁18伝達される
のではなく、前記第1基礎鉄骨梁17にも直に伝達され
る。したがって、図5、図6に示す実施形態2におい
て、鉄骨柱5のすぐ下の底面廻り込みコンクリート19
aの面積が十分に確保できない場合には、鉄骨柱5の下
端両横で、第1基礎鉄骨梁17の上面に当該鉄骨梁17
に直交するように第4基礎鉄骨梁を配置して、これにベ
ースプレート的役割を果たさせ、その直下のコンクリー
トの圧縮抵抗力を通じて支持地盤に伝達される用に設け
てもよい(図示省略する)。
【0053】[5]鉄骨柱脚部5aの引張軸力に対して
は、第1基礎鉄骨梁17を通じて第2基礎鉄骨梁18に
伝達され、鉄骨梁17、18より上部の無筋コンクリー
ト19と土の自重で抵抗される。
【0054】[6]前述のように無筋コンクリート19
に期待されるのは、圧縮抵抗力と自重だけであり、鉄筋
が不要である。
【0055】[7]基礎杭2の位置は、地中条件で変化
し、正確さを要求することが困難である。平面的な位置
に関しては、正確さを要求される基礎鉄骨梁とは支持金
物3の上部取付け鋼板4で溶接接合することとし、傾き
とレベル高さに支持金物4の杭固定ボルト6と高さ調整
ボルト7で調整することにより、正確な位置が出せるよ
うになっている。
【0056】[8]杭の高止まりの際の杭頭切断におい
ては、切断面が平坦面を構成していない場合が多いが、
支持金物3は杭頭部2aに複数配置され、各支持金物3
は杭固定ボルト6によるピンポイントで杭頭部と接して
いるので、杭頭天端の切断面への適用性が高い。
【0057】前記実施形態においては、基礎杭からなる
下部構造物と、鉄骨柱または基礎鉄骨梁からなる上部構
造物の間に支持金物を介在させる形態を示したが、本発
明の支持金物を、基礎杭以外の例えば筒状ケーシングあ
るいは把持固定可能な部分を有する下部構造物と、鉄骨
柱または基礎鉄骨梁以外の例えば束材あるいはその他の
上部構造物との間に介在させて使用するようにしてもよ
い。
【0058】
【発明の効果】本発明に係ると鉄骨柱等の上部構造物
と、基礎杭等の下部構造物の結合構造および支持金物
は、次のような効果を有している。
【0059】本発明では、支持金物が、地盤の支持層の
場所による高低差よる杭頭部等の下部構造物の高止まり
調整のため、杭頭天端等の切断による平面のバラツキな
どによる高さ調整機能、下部構造物の打設位置のずれや
打設角度の傾きなどにより、下部構造物の水平方向の位
置ずれなどによる調整機能を具備しているので、下部構
造物における前記の不揃いを簡単に修正して下部構造物
と下部構造物を円滑に結合できる。
【0060】また、鉄骨柱や、鉄骨柱を支持する基礎鉄
骨梁の半固定杭基礎構造を構築するときも、鉄骨柱や基
礎鉄骨梁と基礎杭との結合に際し、高さ調整調整機能と
水平位置調整機能を有する前記の支持金物を用いて円滑
にできる
【0061】さらに、本発明の支持金物は、比較的構造
が簡単であり、安価に製作することができ、しかも調整
が容易である等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る鉄骨柱と基礎杭の結
合構造の概要斜視図である。
【図2】図1の鉄骨柱と基礎杭の結合構造の根切り部の
拡大縦断面である。
【図3】(A)は図2における支持金物の拡大断面図、
(B)は、(A)におけるa−a断面図である。
【図4】図3(A)におけるb−b断面図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る鉄骨柱の半固定杭基
礎構造の概要斜視図である。
【図6】(A)は図5における半固定杭基礎構造の縦断
面、(B)は、(A)におけるc−c断面図である。
【図7】本発明の実施形態3に係る鉄骨柱の半固定杭基
礎構造の概要斜視図である。
【図8】本発明の実施形態4として示す鉄骨柱の半固定
杭基礎構造の概要斜視図である。
【図9】従来例に係る鋼管杭と基礎梁の接合構造の縦断
面図である。
【符号の説明】
1 地盤 2 基礎杭 2a 杭頭部 3 支持金物 4 上部取付け鋼板 5 鉄骨柱 6 杭固定ボルト 6a 水平固定部材 6b 水平固定部材 6c 鉛直固定部材 7 高さ調整ボルト 8 金物本体 8a 上部水平部 8b L字形ボルト支持部 10 根切り 10a 根切り底面 10b 両翼根切り溝 10c 中間根切り溝 11 取付けナット 12 調整ナット 13 連結フレーム 16 基礎鉄骨梁 17 第1基礎鉄骨梁 17a 上フランジ 18 第2基礎鉄骨梁 19 無筋コンクリート 21 発泡プラスチック等 21a 被覆シート 22 束材 23 杭頭金物 24 レベル調整ボルト 25 グラウト材 26 基礎梁 27 鋼管杭 28 ベースプレート 29 環状部材 30 接合装置 31 突起

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄骨柱や基礎鉄骨梁等の上部構造物と、
    地盤掘削部に突出した杭頭部等の下部構造物側との支持
    金物による結合構造であって、前記支持金物は、金物本
    体と、当該金物本体に設けられ、かつ前記上部構造物側
    に高さ調整自在に結合される高さ調整調整手段と、前記
    下部構造物側に高さおよび水平調整自在に結合する下部
    構造物固定手段とから構成され、前記下部構造物側に所
    定間隔をあけて複数配置されたことを特徴とする鉄骨柱
    と基礎杭との結合構造。
  2. 【請求項2】 前記高さ調整調整手段は高さ調整ボルト
    からなり、当該高さ調整ボルトは、前記上部構造物に溶
    接の支持プレートの下面に固定されると共に、金物本体
    のボルト用水平支持部に開設のネジ穴に螺合され、前記
    下部構造物固定手段は杭固定ボルトからなり、当該杭固
    定ボルトは、金物本体に設けられた2つのボルト用鉛直
    支持部と、両鉛直支持部間に位置するボルト用水平支持
    部に開設のネジ穴に螺合され、それぞれ下部構造物の天
    端面と内外面を3方から押える水平固定ボルトと鉛直固
    定ボルトから構成されていることを特徴とする請求項1
    に記載の鉄骨柱と基礎杭との結合構造。
  3. 【請求項3】 前記基礎鉄骨梁のうち前記鉄骨柱が直接
    固定される基礎鉄骨梁には、鉄骨柱を挟む位置における
    一部で、前記掘削部に打設するコンクリートとの間に空
    隙等による梁可撓領域が形成されていて、前記基礎鉄骨
    梁は前記コンクリートに埋設されることで半固定杭基礎
    構造とされていることを特徴とする請求項1または2に
    記載の鉄骨柱と基礎杭との結合構造。
  4. 【請求項4】 鉄骨柱または基礎梁等の上部構造物と、
    杭頭部等の下部構造物とを結合する支持金物であって、
    当該支持金物は、金物本体に、前記上部構造物側に高さ
    調整自在に結合される高さ調整ボルトと、前記下部構造
    物側に高さおよび水平調整自在に結合する下部構造物固
    定ボルトを備えて構成されていることを特徴とする支持
    金物。
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