JP3246321B2 - 柱と杭の接合構造 - Google Patents

柱と杭の接合構造

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JP3246321B2 JP07487896A JP7487896A JP3246321B2 JP 3246321 B2 JP3246321 B2 JP 3246321B2 JP 07487896 A JP07487896 A JP 07487896A JP 7487896 A JP7487896 A JP 7487896A JP 3246321 B2 JP3246321 B2 JP 3246321B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄骨構造物におけ
る柱と杭の接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄骨構造物の基礎梁を構築するに
あたっては、一般に、地面に掘削した穴(以下基礎穴と
いう)の中に杭を配設する。そして、隣接する基礎穴の
間に両基礎穴に通じる溝(以下基礎梁溝という)を掘削
し、この基礎梁溝に木枠及び鉄筋を配設してコンクリー
トを打設して、基礎梁を設けている(従来技術1)。
【0003】また、例えば、特公平3−51428号公
報には、地中に立設された杭鋼管の天端より所定区間の
内面全周に予めスペーサを設け、杭鋼管内に充填コンク
リートを打設し、この充填コンクリートの硬化後に前記
所定区間のコンクリート及びスペーサを除去し、柱鉄骨
を杭鋼管内に挿入したのち杭鋼管と柱鉄骨の接合部間の
空隙にコンクリートを充填するようにした柱杭接合部の
施工方法に関する発明が開示されている(従来技術
2)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術1の工法にお
いては、基礎梁を構築するために、木枠の外形に加えて
その外周で作業員が作業しうる大きな基礎梁溝を掘削
し、この掘削した膨大な土砂の大部分を外部に搬出して
廃棄したのちコンクリートを打設しなければならないの
で、多くの工数と多額の費用を要し、このため工期も長
期化するなどの問題があり、施工性が悪かった。また、
基礎及び基礎梁がコンクリートであり、これに接合され
る上部構造物が鋼管柱(鉄骨柱)であるため、設計思想
の統一を欠くという問題もある。
【0005】また、従来技術2の施工方法は、基礎に杭
鋼管を使用しているため、上記従来技術1のような基礎
穴の掘削、木枠等の設置、設計思想の不統一などの問題
は発生しないが、杭鋼管にコンクリートを打設して硬化
したのち、柱鉄骨を挿入する部分のコンクリート及びス
ペーサを除去しなければならず、また、柱鉄骨を直接杭
鋼管内に挿入して接合するようにしているので、柱鉄骨
の上下方向及び水平方向の位置調整がきわめて面倒であ
り、このため多くの工数と費用を要し、また、工期の長
期化は避けられなかった。なお、隣接する杭鋼管の間に
基礎梁を設ける場合は、従来技術1の場合と同様の問題
が生じる。
【0006】本発明は、上記の課題が解決するためにな
されたもので、基礎梁コンクリートの打設が不要で、柱
接合の位置精度が高く、このため工数、工費が節減さ
れ、工期を短縮できる施工性に優れた柱と梁の接合構造
を得ることを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明に係る柱
と梁の接合構造は、上部構造物の柱と、地中に立設され
て内部にコンクリートが充填される杭と、柱が接合され
る接合部と杭内に挿入されてコンクリートで固定される
脚部からなる支柱、及びこの支柱に水平方向に取付けら
て杭が設置される縦穴の上部に掘削された溝内に設置
される少なくとも2本の梁を有する仕口部材とを備えた
ものである。
【0008】(2) 上記(1)において、杭の上部と
仕口部材との間に設置され、仕口部材の上下方向の位置
を規制し、かつ上下方向及び水平方向の位置を調整する
位置決め手段を備えた。
【0009】() 上記(1)の隣接する仕口部材の
梁の間に接合される基礎梁を備えた。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態の説明
図、図2はそのA−A断面図である。図において、1は
地中に設けられた下部構造物、2は下部構造物1上に建
設された上部構造物である。図3は下部構造物1の一例
を模式的に示した縦断面図、図4はその平面図である。
5はオーガ等でボーリングされた縦穴3内に立設された
鋼管杭からなる杭、10は杭5内に立設固定され、上部
構造物2の鋼管柱、角形鋼管柱等(以下柱という)を接
合するための仕口部材である。なお、杭5は、角形鋼管
杭を用いてもよく、あるいは、上部が円筒状のコンクリ
ート杭を用いてもよい。
【0011】仕口部材10は、例えば図5に示すよう
に、鋼管からなり、上部に柱の接合部12が、また下部
に脚部13が形成された支柱11と、支柱11の上部外
周(接合部12の下部若しくは脚部13の上部又は両者
の間)に、支柱に取付けたダイヤフラム16を介して溶
接により水平に取付けられたH形鋼からなる4本の梁1
4a,14b,14c,14dとからなっている。15
は梁14a〜14dのウェブにダイヤフラム16を逃げ
るために設けた切欠き部である。なお、梁14a〜14
dの支柱11の中心部からの長さは、杭5の半径より長
いことが望ましい。
【0012】図6は仕口部材10の他の実施形態を示す
もので、角形鋼管からなる支柱11に、H形鋼からなる
梁14a〜14dを、支柱11に取付けたダイヤフラム
16を介して取付けたものである。なお、16aはダイ
ヤフラム16に対向して支柱11の内側に取付けられた
内ダイヤフラムである。
【0013】図7は接合部材10のさらに他の実施形態
を示す斜視図及び平面図、図8は図7の分解斜視図であ
る。この接合部材10は、H形鋼からなる支柱11のフ
ランジに梁14a,14cを溶接により取付けると共
に、支柱11のフランジの側面にダイヤフラム16b,
16cを介して梁14b,14dを溶接によって取付け
たものである。この場合、梁14b,14dを支柱11
に取付けるにあたっては、先ず、支柱11の高さ方向の
所定の位置で、かつ両フランジの間においてウェブにダ
イヤフラム16bを上下方向に溶接して取付け、つい
で、このダイヤフラム16の上下にダイヤフラム16c
を当接し、支柱11のウェブとフランジの内面及びダイ
ヤフラム16bの上下面に溶接してほぼH状に形成す
る。そして、梁14b,14dの端面を、ダイヤフラム
16b,16c及び支柱11のフランジの側面に溶接す
る。
【0014】図9は接合部材10の別の実施形態を示す
斜視図及び平面図である。この接合部材10は、H形鋼
11aと、そのウェブにそれぞれウェブを溶接したT形
鋼17a,17bとにより、平面ほぼ十字状の支柱11
を構成し、H形鋼11aとT形鋼17a,17bのフラ
ンジにそれぞれ梁14a〜14dを溶接して取付けると
共に、梁14a〜14dのフランジの位置に対応して、
H形鋼11aとT形鋼17a,17bのウェブの間にそ
れぞれダイヤフラム16dを溶接して取付けたものであ
る。
【0015】図10〜図14は接合部材10のさらに別
の実施形態を示すもので、図10に示す接合部材10
は、鋼管からなる支柱11に溶接により梁14a〜14
dを取付けたもの、図11に示す接合部材10は、角形
鋼管からなる支柱11に、角形鋼管からなる梁14a〜
14dを十字状に取付けたもの、図12の仕口部材10
は、角形鋼管からなる接合部12に鋼管からなる脚部1
3を接合して支柱11を構成し、支柱11の三方にC形
鋼を取付けて梁14a,14b,14cをT字状に設け
たものである。
【0016】また、図13に示す仕口部材10は、鋼管
からなる支柱11の上部にI形鋼をL字状に取付けて梁
14a,14bを構成し、梁14a,14bの上部を接
合部12、下部を脚部13としたものである。なお、こ
の場合は、支柱11の梁14a,14bの接着部と対向
する位置に、その下面が梁14a,14bの下面と同一
平面上にあるように支持部(図示せず)を設けることが
必要である。図9の仕口部材10は、角形鋼管からなる
接合部12にH形鋼からなる脚部13を接合して支柱1
1を構成し、この支柱11にH形鋼からなる2本の梁1
4a,14bを直線状に取付けたものである。なお、上
記の各仕口部材10はその一例を示すもので、支柱11
は丸、角、H形断面などの鋼材を、また、梁14a〜1
4dはH、U、I形断面などの鋼材を適宜組合わせ、か
つ、梁14a〜14dを2〜4か所に選択して取付ける
ことにより所望の仕口部材10を構成することができ
る。
【0017】また、杭5の内周面には、コンクリートの
付着力を高めるため、例えば、図15に示すように、ス
パイラル状の突条6又は1個若しくは複数のリング状突
条、あるいは多数の突起などを設けてもよく、さらに、
仕口部材10の脚部13の外周面には、コンクリートの
付着力を高めるために、図16に示すように、スパイラ
ル状の突条18a(a図)、1個又は複数のリング状突
条18b(b図)あるいは多数の縞状突起18c(c
図)などの突起を設けてもよい。
【0018】再び図3、図4において、4は隣接する縦
穴3を結ぶ基礎梁溝で、必要に応じて仕口部材10の梁
14a〜14dに接合された鋼材からなる基礎梁7が設
置される。
【0019】20は仕口部材10の位置決め手段で、そ
の一例を図17、図18に示す。21は杭5の仕口部材
10の梁14a〜14dに対応した位置に溶接、ねじ止
め等によって取付けられた支持部材で、その上端部は杭
5の上端部から突出してあらかじめ定めた高さ位置に保
持されており、突出部には上下方向の長穴22が設けら
れている。23は仕口部材10の梁14a〜14dの下
面に取付けられた固定部材で、長穴24が設けられてい
る。
【0020】上記のように構成した位置決め手段20
は、図17に示すように、杭5上に仕口部材10を設置
するときに、その梁14a〜14dを支持部材21上に
載置し、図18に示すように、支持部材21に設けた長
穴22と固定部材23に設けた長穴24とにボルト25
を挿通し、ナットを締めて仕口部材10を杭5上に固定
する。これにより、仕口部材10の接合部12は所定の
位置に保持される。
【0021】このようにして、仕口部材10の上下方向
の位置が規制されるが、若し、接合部12の位置があら
かじめ定めた位置より低い場合、あるいは水平方向の位
置があらかじめ定めた位置に整合しない場合は、長穴2
2,24及びボルト25を利用して仕口部材10を上方
に移動し、又は水平方向に移動させて位置調整を行う。
【0022】図19、図20は位置決め手段20の他の
例を示すもので、支持部材21にこれと直交してねじ穴
27を有する調整板26を水平方向に設けると共に、こ
の調整板26と干渉しない位置に長穴22を設け、ねじ
穴27にボルト28を螺入したものである。上記のよう
に構成した支持部材21は、その上端部があらかじめ定
めた高さ位置より低い位置になるように杭5に取付け、
ボルト28をその先端部があらかじめ定めた高さ位置に
なるように調整し、仕口部材10の梁14a〜14dを
ボルト28上に載置する。そして、仕口部材10の接合
部12の上端部の水平方向又は上下方向の位置が、あら
かじめ定めた位置と整合しない場合は、ボルト25,2
8により仕口部材10を水平方向又は上下方向に移動さ
せて位置調整を行う。
【0023】ところで、杭5の設置にあたっては、その
中心とあらかじめ定めた上部構造物2の柱の中心とが一
致しない場合があり、このような場合は、図21に示す
ように、仕口部材10をその接合部12が柱と整合する
位置、したがって、杭5の偏心位置に設置することが必
要である。そして、仕口部材10を杭5の偏心位置に設
置しても、なお、仕口部材10を上下方向、水平方向又
は回転方向に調整する必要がある場合が多い。
【0024】図22、図23はこのような場合の位置決
め手段20の一例を示すもので、本例は仕口部材10の
上下方向の位置を規制すると共に、水平方向と回転方向
の位置調整に適したものである。すなわち、杭5に取付
ける支持部材21の上部にねじ穴30を設けると共に、
支持部材21の一方の側のねじ穴30と干渉しない位置
に、支持部材21と直交して上下方向に受板31を設
け、また、仕口部材10の梁14a〜14bに取付ける
固定部材23の一方の側(受板31と反対側)の下部
に、固定部材23と直交して上下方向に、1個又は複数
のねじ穴33を有する調整板32を設けたものである。
【0025】上記のような支持部材21は、その上端部
があらかじめ定めた位置になるように杭5に取付けられ
る。そして、仕口部材10をその接合部12が上部構造
物2の柱の位置と整合するようにして支持部材21上に
載置し、支持部材21のねじ穴30と固定部材23のね
じ穴33にそれぞれボルト29a,29bを螺入し、そ
の先端部を固定部材23及び受板31に当接させる。こ
のとき、仕口部材10の上下方向の位置は、支持部材2
1によって規制される。
【0026】仕口部材10の水平方向の位置を調整する
場合は、一方の位置決め手段20のボルト29aを緩
め、これと対向する他方の位置決め手段20のボルト2
9aをねじ込むことにより、仕口部材10を水平方向に
移動させればよい。また、仕口部材10を矢印a方向に
回動させる場合は、位置調整手段20のうち1つを残し
て他のボルト29bを緩め、残った位置調整手段20の
ボルト29bをねじ込めばよく、矢印b方向に移動させ
る場合はすべての位置調整手段20のボルト29bを緩
めて調整板31との間に所定の間隙が形成されるように
後退させ、仕口部材10を手動その他の手段により矢印
b方向に回動させればよい。なお、この場合、少なくと
も1つの位置調整手段20を他の位置調整手段20と反
対向きに設けておき、他の位置調整手段20のボルト2
9bを緩め、当該位置調整手段20のボルト29bをね
じ込めば、仕口部材10を矢印b方向に回動させること
ができる。
【0027】図24、図25に仕口部材10を上下方
向、水平方向及び回転方向のすべての方向に調整できる
ようにした位置調整手段20を示す。本例は、図22、
図23に示した支持部材21の受板31の下部に支持部
材21と直交して水平方向に、ねじ穴35を有する調整
板34を設けたもので、他の構成は図22、図23の場
合と同様である。
【0028】このように構成した支持部材21は杭5に
取付けられ、調整板34のねじ穴35にボルト28を螺
入してその先端部をあらかじめ定められた高さ位置に保
持し、このボルト28の上に仕口部材10の梁14a〜
14cを載置する。そして必要に応じてボルト28によ
り仕口部材10の高さ位置を調整するようにしたもので
ある。なお、仕口部材10の水平方向及び回転方向の位
置調整は、前述の図22、図23の場合と同様である。
【0029】上記の説明では、支持部材21を杭5に直
接取付けた場合を示したが、例えば、図26に示すよう
に、支持部材21の外側面に複数の補助部材30を溶接
等により取付け、支持部材21を杭5の上端部に載置し
て、補助部材30を溶接、ねじ止め等により杭5に取付
けてもよい。また、位置決め手段20の固定部材23を
仕口部材10の梁14a〜14dの下面に取付けた場合
を示したが、支柱11に取付けてもよい。なお、上述し
た各種の位置決め手段20はその一例を示すもので、各
位置決め手段20を組合わせるなど、適宜変更すること
ができる。
【0030】次に、上記のような杭5と仕口部材10か
らなる本発明の施工方法の一例について説明する。 (1) 工場等において、杭5及び仕口部材10を製造
し、建設現場に運搬する。このとき、杭5の上部外周の
所定位置に位置決め手段20の支持部材21を取付け、
また、仕口部材10の梁14a〜14dの下面などに固
定部材23を取付ける。なお、支持部材21及び固定部
材23は、これらを建設現場に運搬してから取付けても
よい。
【0031】(2) 一方、建設現場においては、図2
7(a)に示すように、オーガ等によりあらかじめ定め
た位置に杭5の外径よりやや大きい内径で所定深さの縦
穴3をボーリングし、さらに縦穴3の上部に仕口部材1
0の梁14a〜14dが設置される横穴を掘削する。こ
の場合、縦穴3の上部を大きく掘削してもよい。なお、
基礎梁を設ける場合は隣接する上記横穴との間に基礎
梁溝4を掘削する。
【0032】(3) 次に、図27(b)に示すよう
に、縦穴3内に杭5を挿入して立設する。この場合、杭
5の立設後に杭5の上部に、位置決め手段20の支持部
材21をその先端部があらかじめ定めた高さ位置になる
ように溶接等で取付けてもよい。 (4) ついで、図27(c)に示すように、杭5内に
その上端部近傍に達するまでコンクリート35を充填す
る。
【0033】(5) 杭5に充填したコンクリート35
が硬化する前に、仕口部材10の接合部12を、あらか
じめ定めた上部構造物2の柱の位置に整合させ、図28
(a)に示すように、その脚部13を杭5のコンクリー
ト35内に打設し、梁14a〜14dを位置決め手段2
0の支持部材21上に載置する。このとき、仕口部材1
0の脚部13内にもコンクリート35が充填される。な
お、あらかじめ脚部13内にコンクリートを充填してお
いてもよく、この場合は、脚部13に充填するコンクリ
ートに、杭5内に充填されるコンクリート35と異なる
組成のコンクリートを使用してもよい。また、脚部13
内に充填されたコンクリートは、その上面を杭5に設置
後、杭5に充填されたコンクリート35の上面よりほぼ
脚部13の直径分だけ高くすることが望ましい。
【0034】(6) この状態で、必要に応じて位置決
め手段20により、仕口部材10の上下方向、水平方向
あるいは回転方向の位置を調整する。 (7) コンクリート35が硬化したのち、位置決め手
段20を除去する。なお、位置決め手段20の全部又は
一部をそのまま残置してもよい。また、必要に応じて、
隣接する仕口部材10の梁14a〜14dの間に溶接等
により基礎梁を接合する。
【0035】(8) 図28(b)に示すように、杭5
及び仕口部材10が立設された縦穴3とその周囲(基礎
を設けた場合は基礎梁溝4を含めて)を埋め戻し、
又はコンクリートを打設する。なお、埋め戻し又はコン
クリートを打設せず、そのままにしておいてもよい。こ
のとき、仕口部材10の接合部12の上部は、地面E又
は打設したコンクリートから露出している。 (9) 図28(c)に示すように、地面Eから露出し
た仕口部材10の接合部12に、上部構造物2の柱40
を接合する。
【0036】次に、本発明の他の施工方法について説明
する。なお、前述の施工方法の(1)〜(3)の工程ま
では本施工方法も同じなので説明を省略する。 (4) 前述の(3)の工程によって縦穴3内に立設さ
れた杭5内に、図29(a)に示すように、仕口部材1
0を杭5の支持部材21上に載置したときの脚部13の
下端部より若干下方の位置まで、コンクリート35を充
填する。なお、コンクリート35はあらかじめ工場等で
充填しておいてもよい。
【0037】(5) 杭5に充填したコンクリート35
が硬化したのち、仕口部材10の接合部12をあらかじ
め定めた上部構造物2の柱の位置に整合させ、図29
(b)に示すように、その脚部13を杭5内に挿入し、
梁14a〜14dを位置決め手段20の支持部材21上
に載置する。この場合、脚部13にプレートを取付けて
もよい。 (6) この状態で、必要に応じて位置決め手段20に
より、仕口部材10の上下方向、垂直方向あるいは回転
方向の位置を調整する。
【0038】(7) 図29(c)に示すように、杭5
内にその上端部に達するまでコンクリート36を充填す
る。なお、このとき、仕口部材10の脚部13内にもコ
ンクリート36が充填されるが、前述のようにあらかじ
め工場等で脚部13にコンクリートを充填しておいても
よい。以後の工程は、前述の施工方法の(7)〜(9)
の工程と同じである。
【0039】以上の説明から明らかなように、本発明に
よれば、大きな穴の掘削、土砂の搬出廃棄、木枠、鉄筋
等の配設、基礎梁コンクリート打設等の作業、あるいは
硬化したコンクリート等の除去作業等を必要とせず、ま
た、柱の接合部の位置調整も容易なので、建設工数及び
建設費を大幅に節減でき、工期も短縮できる施工性に優
れた柱の接合構造を得ることができる。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る柱と杭の接合構造によれ
ば、次のような効果を得ることができる。 (1) 上部構造物の柱と、地中に立設されて内部にコ
ンクリートが充填される杭と、柱が接合される接合部と
杭内に挿入されてコンクリートで固定される支柱、及び
この支柱に水平方向に取付けられて杭が設置される縦穴
の上部に掘削された溝内に設置される少なくとも2本の
梁を有する仕口部材とによって構成したので、大きな穴
の掘削、土砂の搬出廃棄、木枠、鉄筋等の配設、基礎梁
コンクリートの打設等の作業、あるいは硬化したコンク
リート等の除去作業を必要としない。このため、建設工
数及び建設費を大幅に節減することができ、これによっ
て工期を短縮することができる。
【0041】(2) また、上記(1)の杭の上部と仕
口部材との間に設置され、仕口部材の位置を規制し、
つ上下方向及び水平方向の位置を調整する位置決め手段
を備えたので、仕口部材の設置にあたってその位置決め
がきわめて容易で、接合部の位置を高精度に調整するこ
とができる。
【0042】
【0043】() 上記(1)の柱と梁の接合構造に
おいて、隣接する仕口部材の梁の間に接合される鋼材製
の基礎梁を備えたので、基礎梁溝に木枠や鉄筋を配設し
てコンクリートを打設する必要がなく、基礎梁の設置が
きわめて容易である。また、隣接する接合部材の梁の間
に溶接等により基礎梁を接合することにより、下部構造
物及び上部構造部とも鋼材構造となるため、応力の流れ
が明解となり、さらに、基礎梁が先に降伏することで、
構造物全体が梁崩壊形となって変形性能が向上するた
め、耐震性に優れた構造物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の説明図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の下部構造物の一例を模式的に示した縦断
面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】仕口部材の実施形態の斜視図、側面図及び平面
図である。
【図6】仕口部材の実施形態の斜視図、側面図及び平面
図である。
【図7】仕口部材の実施形態の斜視図及び平面図であ
る。
【図8】図7の分解斜視図である。
【図9】仕口部材の他の実施形態の斜視図及び平面図で
ある。
【図10】接合部材の他の実施形態の斜視図である。
【図11】接合部材の他の実施形態の斜視図である。
【図12】接合部材の他の実施形態の斜視図である。
【図13】接合部材の他の実施形態の斜視図である。
【図14】接合部材の他の実施形態の斜視図である。
【図15】杭の一例の断面説明図である。
【図16】仕口部材の脚部の一例の説明図である。
【図17】位置決め手段の一例の説明図である。
【図18】図17の要部の作用説明図である。
【図19】位置決め手段の他の例の説明図である。
【図20】図19の支持部材の斜視図である。
【図21】仕口部材の杭への設置状態を示す説明図であ
る。
【図22】位置決め手段の他の例の説明図である。
【図23】図22の支持部材及び固定板の斜視図であ
る。
【図24】位置決め手段の他の例の説明図である。
【図25】図24の支持部材及び固定板の斜視図であ
る。
【図26】支持部材の杭への取付の他の例を示す斜視図
である。
【図27】本発明の施工例を示す説明図である。
【図28】本発明の施工例を示す説明図である。
【図29】本発明の他の施工例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 下部構造物 2 上部構造物 3 縦穴 5 杭 6,18a,18b 突条 7 基礎梁 10 仕口部材 11 支柱 12 柱の接合部 13 脚部 14a〜14d 梁 16,16a,16b,16c,16d ダイヤフラム 20 位置決め手段 21 支持部材 23 固定板 35,36 コンクリート 40 柱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−108476(JP,A) 特開 平2−164933(JP,A) 特開 平2−164931(JP,A) 特開 平5−140953(JP,A) 特公 平3−64008(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 27/00 E02D 27/12 E04B 1/24 E04B 1/58 503

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部構造物の柱と、 地中に立設されて内部にコンクリートが充填される杭
    と、 前記柱が接合される接合部と前記杭内に挿入されてコン
    クリートで固定される脚部からなる支柱、及び該支柱に
    水平方向に取付けられて前記杭が設置される縦穴の上部
    に掘削された溝内に設置される少なくとも2本の梁を有
    する仕口部材とを備えたことを特徴とする柱と杭の接合
    構造。
  2. 【請求項2】 杭の上部と仕口部材との間に設置され、
    前記仕口部材の上下方向の位置を規制し、かつ上下方向
    及び水平方向の位置を調整する位置決め手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の柱と杭の接合構造。
  3. 【請求項3】 隣接する仕口部材の梁の間に接合される
    基礎梁を備えたことを特徴とする請求項1記載の柱と杭
    の接合構造。
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