JP3109038B2 - 地下躯体構造およびその施工方法 - Google Patents
地下躯体構造およびその施工方法Info
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- JP3109038B2 JP3109038B2 JP04208259A JP20825992A JP3109038B2 JP 3109038 B2 JP3109038 B2 JP 3109038B2 JP 04208259 A JP04208259 A JP 04208259A JP 20825992 A JP20825992 A JP 20825992A JP 3109038 B2 JP3109038 B2 JP 3109038B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、多層階からな
る地下階を有する中高層のビル等を構築するのに好適な
地下躯体構造およびその施工方法に関するものである。
る地下階を有する中高層のビル等を構築するのに好適な
地下躯体構造およびその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、地盤中に多層階からなる地下階
を有するビルの地下躯体構造(以下、「躯体」と略称す
る)を構築する場合には、構築すべき躯体の柱および梁
の全てを、その内部に鉄骨を有する鉄骨鉄筋コンクリー
ト造(以下、「SRC造」と称する)により構築してい
る。
を有するビルの地下躯体構造(以下、「躯体」と略称す
る)を構築する場合には、構築すべき躯体の柱および梁
の全てを、その内部に鉄骨を有する鉄骨鉄筋コンクリー
ト造(以下、「SRC造」と称する)により構築してい
る。
【0003】例えば図4に示したものは、地下階が2層
からなるビルの躯体1で、この躯体1は、地盤中の基礎
杭2,2,…の上方に構築されている。躯体1には、基
礎杭2,2,…上に、水平な面を有する基礎部3が形成
されている。この基礎部3には、鉛直上方に延びる柱
4,4,…が所定間隔で配置されている。それぞれの柱
4,4間の、柱4の上端付近には、上梁5aが水平に架
設されている。また、柱4の延在する方向の、基礎部3
と上梁5aとの略中心付近には、上梁5aと平行に中間
梁5bが架設されている。また、上梁5a、中間梁5b
はそれぞれ互いに直交する方向に架設され平面視格子状
とされている。また、躯体1の全ての柱4および、上梁
5a,中間梁5bからなる梁5は、その内部に鉄骨4
a,5cが配されたSRC造となっている。
からなるビルの躯体1で、この躯体1は、地盤中の基礎
杭2,2,…の上方に構築されている。躯体1には、基
礎杭2,2,…上に、水平な面を有する基礎部3が形成
されている。この基礎部3には、鉛直上方に延びる柱
4,4,…が所定間隔で配置されている。それぞれの柱
4,4間の、柱4の上端付近には、上梁5aが水平に架
設されている。また、柱4の延在する方向の、基礎部3
と上梁5aとの略中心付近には、上梁5aと平行に中間
梁5bが架設されている。また、上梁5a、中間梁5b
はそれぞれ互いに直交する方向に架設され平面視格子状
とされている。また、躯体1の全ての柱4および、上梁
5a,中間梁5bからなる梁5は、その内部に鉄骨4
a,5cが配されたSRC造となっている。
【0004】従来、都心部等において敷地いっぱいに、
このような多層階からなる地下階を有するビルを構築す
る場合には、躯体1を地盤中に構築するために、躯体1
を構築すべき位置の地盤の土を徐々に根切りすると共
に、構築すべき躯体1を地下階の上層階から下層階へ向
けて構築する逆打ち工法が多用されている。逆打ち工法
においては、まず、躯体1を構築すべき位置の地盤の土
を掘削していく。一定の深さ掘削した時点で、掘削穴6
の周囲の対向する山止め壁7間に切梁8aを設け、この
切梁8aにより掘削穴6の周囲外壁にかかる土圧、水圧
等の外力を支持し、掘削穴6の周囲の地盤の崩壊を防止
する。そして、上記の掘削・切梁8の設置作業を繰り返
して、一定の深さ掘削した時点で切梁8b,8cを仮設
していく。このようにして、根切りすべき所定の深さ、
すなわち、予め地盤中の所定の深さに打ち込まれた基礎
杭2,2,…の上面まで地盤を掘削する。
このような多層階からなる地下階を有するビルを構築す
る場合には、躯体1を地盤中に構築するために、躯体1
を構築すべき位置の地盤の土を徐々に根切りすると共
に、構築すべき躯体1を地下階の上層階から下層階へ向
けて構築する逆打ち工法が多用されている。逆打ち工法
においては、まず、躯体1を構築すべき位置の地盤の土
を掘削していく。一定の深さ掘削した時点で、掘削穴6
の周囲の対向する山止め壁7間に切梁8aを設け、この
切梁8aにより掘削穴6の周囲外壁にかかる土圧、水圧
等の外力を支持し、掘削穴6の周囲の地盤の崩壊を防止
する。そして、上記の掘削・切梁8の設置作業を繰り返
して、一定の深さ掘削した時点で切梁8b,8cを仮設
していく。このようにして、根切りすべき所定の深さ、
すなわち、予め地盤中の所定の深さに打ち込まれた基礎
杭2,2,…の上面まで地盤を掘削する。
【0005】次いで、構築すべき躯体1の柱4の位置
に、鉄骨4aを建て込んだ後、床部3を、掘削穴6の底
面にコンクリートを打設して形成する。床部3のコンク
リートに所要の強度が発現した後に、地下1階部1aの
鉄骨を柱4の鉄骨4a上に組み立てる。地下1階部1a
の鉄骨の組立後、地下2階部1bの鉄骨を組み立てる。
そして、地下1階部1aおよび地下2階部1bの柱4,
梁5等の鉄骨4a,5cに、鉄筋の配筋・型枠の設置を
行い、コンクリートを打設する。その後、型枠,切梁等
の仮設材を解体して、構築すべき多層階からなるSRC
造の躯体1を構築している。
に、鉄骨4aを建て込んだ後、床部3を、掘削穴6の底
面にコンクリートを打設して形成する。床部3のコンク
リートに所要の強度が発現した後に、地下1階部1aの
鉄骨を柱4の鉄骨4a上に組み立てる。地下1階部1a
の鉄骨の組立後、地下2階部1bの鉄骨を組み立てる。
そして、地下1階部1aおよび地下2階部1bの柱4,
梁5等の鉄骨4a,5cに、鉄筋の配筋・型枠の設置を
行い、コンクリートを打設する。その後、型枠,切梁等
の仮設材を解体して、構築すべき多層階からなるSRC
造の躯体1を構築している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の逆打ち工法を用いた地下躯体構造には、
以下のような問題が存在する。まず、躯体1の地下1階
1aを構築した後、地下1階部1aの下方で地盤の掘削
および、地下2階部1b以下の躯体1の構築を行うの
で、地下1階部1aの梁5等が邪魔になり、地下2階部
1b以下の柱、梁等の長い部材を取り回しすることが非
常に困難になる。これにより、地下2階部1b以下にお
ける、躯体1の構築作業の作業能率が極端に悪くなり、
工期が長期化すると共に、施工コストが高くなってしま
う。
たような従来の逆打ち工法を用いた地下躯体構造には、
以下のような問題が存在する。まず、躯体1の地下1階
1aを構築した後、地下1階部1aの下方で地盤の掘削
および、地下2階部1b以下の躯体1の構築を行うの
で、地下1階部1aの梁5等が邪魔になり、地下2階部
1b以下の柱、梁等の長い部材を取り回しすることが非
常に困難になる。これにより、地下2階部1b以下にお
ける、躯体1の構築作業の作業能率が極端に悪くなり、
工期が長期化すると共に、施工コストが高くなってしま
う。
【0007】また、近年では、工期を短縮するため、あ
る程度地盤を掘削した時点で、予め所定の位置の地盤中
に打ち込んである基礎杭2上に、本設の柱4の鉄骨4a
(いわゆる0柱)を鉛直に建て込み、この鉄骨4aの上
部に地下1階部1aを構築する作業と並行して、地下1
階部1aの下方で地盤の掘削を行い、その後、地下2階
部1b以下の躯体1の構築を行う方法が多用されてい
る。しかし、この方法においては、本設の柱4の鉄骨4
aを建てるためには高い精度で建て込む必要があり、上
述したように、地下2階部1b以下での柱4の構築作業
が困難であるため、非常に手間のかかる作業となってい
る。
る程度地盤を掘削した時点で、予め所定の位置の地盤中
に打ち込んである基礎杭2上に、本設の柱4の鉄骨4a
(いわゆる0柱)を鉛直に建て込み、この鉄骨4aの上
部に地下1階部1aを構築する作業と並行して、地下1
階部1aの下方で地盤の掘削を行い、その後、地下2階
部1b以下の躯体1の構築を行う方法が多用されてい
る。しかし、この方法においては、本設の柱4の鉄骨4
aを建てるためには高い精度で建て込む必要があり、上
述したように、地下2階部1b以下での柱4の構築作業
が困難であるため、非常に手間のかかる作業となってい
る。
【0008】また、逆打ち工法においては、地盤を掘削
しながら、切梁8を対向する山止め壁7間に設けていく
が、切梁8を設ける際は通常の架設方法なので問題ない
が、その後に、さらに下方を掘削するため、切梁8の解
体作業は高所作業となり、危険度が高い作業となってい
る。
しながら、切梁8を対向する山止め壁7間に設けていく
が、切梁8を設ける際は通常の架設方法なので問題ない
が、その後に、さらに下方を掘削するため、切梁8の解
体作業は高所作業となり、危険度が高い作業となってい
る。
【0009】また、切梁8bの下方の周囲外壁には、床
部3へのコンクリート打設後、応力上、強度が不足し、
一定の高さでコンクリート壁9を形成しなければならな
い場合がある。このような場合、工期が余分にかかるだ
けでなく、後から打設するコンクリートとの打ち継ぎ部
に、漏水、亀裂などが生じることがあり、品質上問題と
なっている。本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、作業を容易化して工期を短縮すると共に、
施工コストを低減し、かつ安全に作業を行うことがで
き、さらには、品質を向上することのできる地下躯体構
造およびその施工方法を提供することを目的とする。
部3へのコンクリート打設後、応力上、強度が不足し、
一定の高さでコンクリート壁9を形成しなければならな
い場合がある。このような場合、工期が余分にかかるだ
けでなく、後から打設するコンクリートとの打ち継ぎ部
に、漏水、亀裂などが生じることがあり、品質上問題と
なっている。本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、作業を容易化して工期を短縮すると共に、
施工コストを低減し、かつ安全に作業を行うことがで
き、さらには、品質を向上することのできる地下躯体構
造およびその施工方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
地盤中に形成された多層階からなる地下躯体構造であっ
て、少なくとも最下層階の床構造が鉄筋コンクリート造
とされ、該最下層階の上方階の床構造には鉄骨梁が配置
され、かつ、少なくとも前記最下層階の柱は鉄筋コンク
リート造とされ、前記最下層階の上方階の柱には、鉄骨
が配置されていることを特徴としている。
地盤中に形成された多層階からなる地下躯体構造であっ
て、少なくとも最下層階の床構造が鉄筋コンクリート造
とされ、該最下層階の上方階の床構造には鉄骨梁が配置
され、かつ、少なくとも前記最下層階の柱は鉄筋コンク
リート造とされ、前記最下層階の上方階の柱には、鉄骨
が配置されていることを特徴としている。
【0011】
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1記載の地
下躯体構造において、前記床構造は、切梁として、対向
する山止め壁間に設置されていることを特徴としてい
る。
下躯体構造において、前記床構造は、切梁として、対向
する山止め壁間に設置されていることを特徴としてい
る。
【0013】請求項3に係る発明は、地盤中に形成され
た多層階からなる地下躯体構造の施工方法であって、該
地下躯体構造を構築するに際して、逆打ち工法により該
地下躯体構造を構築するようになし、基礎杭を地盤中の
一定深さまで打ち込んだ後に、該地盤を一定深さ掘削し
た時点で、鉄骨梁およびこの上面に形成する床板からな
る床構造を、該地盤表面より掘削空間内の対向する山止
め壁間に設置すると共に、該床構造を切梁とし、その後
さらに前記地盤を掘削して少なくとも最下層階の床構造
を鉄筋コンクリート造により構築すると共に、少なくと
も前記最下層階を除く該最下層階の上方階に鉄骨を鉛直
に支持して、該上方階の柱を前記鉄骨を含んで構築し、
さらに前記最下層階の柱を鉄筋コンクリート造で構築す
ることを特徴としている。
た多層階からなる地下躯体構造の施工方法であって、該
地下躯体構造を構築するに際して、逆打ち工法により該
地下躯体構造を構築するようになし、基礎杭を地盤中の
一定深さまで打ち込んだ後に、該地盤を一定深さ掘削し
た時点で、鉄骨梁およびこの上面に形成する床板からな
る床構造を、該地盤表面より掘削空間内の対向する山止
め壁間に設置すると共に、該床構造を切梁とし、その後
さらに前記地盤を掘削して少なくとも最下層階の床構造
を鉄筋コンクリート造により構築すると共に、少なくと
も前記最下層階を除く該最下層階の上方階に鉄骨を鉛直
に支持して、該上方階の柱を前記鉄骨を含んで構築し、
さらに前記最下層階の柱を鉄筋コンクリート造で構築す
ることを特徴としている。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項3記載の方
法において、前記地盤中に打ち込んだ基礎杭上に、仮設
柱を鉛直上方に向けて仮設した後、該仮設柱上に前記上
方階の鉄骨を鉛直状態に支持して、該鉄骨を含んで前記
上層階に鉄骨鉄筋コンクリート造の柱を構築し、該鉄骨
鉄筋コンクリート造の柱の下方に、鉄筋コンクリート造
の柱を構築したことを特徴としている。
法において、前記地盤中に打ち込んだ基礎杭上に、仮設
柱を鉛直上方に向けて仮設した後、該仮設柱上に前記上
方階の鉄骨を鉛直状態に支持して、該鉄骨を含んで前記
上層階に鉄骨鉄筋コンクリート造の柱を構築し、該鉄骨
鉄筋コンクリート造の柱の下方に、鉄筋コンクリート造
の柱を構築したことを特徴としている。
【0015】請求項5に係る発明は、請求項3記載の方
法において、前記最下層階の前記山止め壁に係止凸部を
設け、該係止凸部上面で鉄骨を水平状態に支持し、該鉄
骨を含んで前記上方階に鉄骨鉄筋コンクリート造の柱を
構築し、さらに、該鉄骨鉄筋コンクリート造の柱の下方
に、少なくとも前記最下層階の柱を鉄筋コンクリート造
で構築することを特徴としている。
法において、前記最下層階の前記山止め壁に係止凸部を
設け、該係止凸部上面で鉄骨を水平状態に支持し、該鉄
骨を含んで前記上方階に鉄骨鉄筋コンクリート造の柱を
構築し、さらに、該鉄骨鉄筋コンクリート造の柱の下方
に、少なくとも前記最下層階の柱を鉄筋コンクリート造
で構築することを特徴としている。
【0016】
【作用】請求項1記載の発明では、地下躯体構造が、少
なくとも最下層階の床構造が鉄筋コンクリート造とさ
れ、該最下層階の上方階の床構造には鉄骨梁が配置され
た構造とされている。したがって、少なくとも地下躯体
構造の最下層階の床構造には鉄骨が用いられない構造と
なる。また、少なくとも最下層階の柱は鉄筋コンクリー
ト造とされ、前記最下層階の上方階の柱には、鉄骨が配
置されている。したがって少なくとも地下躯体構造の最
下層階の柱には鉄骨が用いられていない構造となる。
なくとも最下層階の床構造が鉄筋コンクリート造とさ
れ、該最下層階の上方階の床構造には鉄骨梁が配置され
た構造とされている。したがって、少なくとも地下躯体
構造の最下層階の床構造には鉄骨が用いられない構造と
なる。また、少なくとも最下層階の柱は鉄筋コンクリー
ト造とされ、前記最下層階の上方階の柱には、鉄骨が配
置されている。したがって少なくとも地下躯体構造の最
下層階の柱には鉄骨が用いられていない構造となる。
【0017】
【0018】請求項2記載の発明では、最下層階の上方
階の床構造は、切梁として、対向する山止め壁間に設置
されている。したがって、この床構造により、山止め壁
にかかる外圧を支持する構造となる。
階の床構造は、切梁として、対向する山止め壁間に設置
されている。したがって、この床構造により、山止め壁
にかかる外圧を支持する構造となる。
【0019】請求項3記載の発明では、地下躯体構造を
構築するに際して、逆打ち工法により該地下躯体構造を
構築するようになし、基礎杭を地盤中の一定深さまで打
ち込んだ後に、該地盤を一定深さ掘削した時点で、鉄骨
梁およびこの上面に形成する床板からなる床構造を、該
地盤表面より掘削空間内の対向する山止め壁間に設置す
ると共に、該床構造を切梁とし、その後、さらに前記地
盤を掘削して最下層階の床構造を鉄筋コンクリート造に
より構築すると共に、前記最下層階を除く該最下層階の
上方階に鉄骨を鉛直に支持して、該上方階の柱を前記鉄
骨を含んで構築し、さらに前記最下層階の柱を鉄筋コン
クリート造により構築する。これにより、本設の床構造
を切梁として配置し、かつ、少なくとも最下層階の躯体
には鉄骨を用いずに、上方階の躯体には鉄骨を用いた構
造の地下躯体構造が構築される。
構築するに際して、逆打ち工法により該地下躯体構造を
構築するようになし、基礎杭を地盤中の一定深さまで打
ち込んだ後に、該地盤を一定深さ掘削した時点で、鉄骨
梁およびこの上面に形成する床板からなる床構造を、該
地盤表面より掘削空間内の対向する山止め壁間に設置す
ると共に、該床構造を切梁とし、その後、さらに前記地
盤を掘削して最下層階の床構造を鉄筋コンクリート造に
より構築すると共に、前記最下層階を除く該最下層階の
上方階に鉄骨を鉛直に支持して、該上方階の柱を前記鉄
骨を含んで構築し、さらに前記最下層階の柱を鉄筋コン
クリート造により構築する。これにより、本設の床構造
を切梁として配置し、かつ、少なくとも最下層階の躯体
には鉄骨を用いずに、上方階の躯体には鉄骨を用いた構
造の地下躯体構造が構築される。
【0020】請求項4記載の発明では、地盤中に打ち込
んだ基礎杭上に、仮設柱を鉛直上方に向けて仮設した
後、該仮設柱上に前記上方階の鉄骨を鉛直状態に支持し
て、該鉄骨を含んで前記上層階に鉄骨鉄筋コンクリート
造の柱を構築し、該鉄骨鉄筋コンクリート造の柱の下方
に、鉄筋コンクリート造の柱を構築する。これにより、
少なくとも最下層階の柱には鉄骨を用いない地下躯体構
造が構築される。
んだ基礎杭上に、仮設柱を鉛直上方に向けて仮設した
後、該仮設柱上に前記上方階の鉄骨を鉛直状態に支持し
て、該鉄骨を含んで前記上層階に鉄骨鉄筋コンクリート
造の柱を構築し、該鉄骨鉄筋コンクリート造の柱の下方
に、鉄筋コンクリート造の柱を構築する。これにより、
少なくとも最下層階の柱には鉄骨を用いない地下躯体構
造が構築される。
【0021】請求項5記載の発明では、最下層階の前記
山止め壁に係止凸部を設け、該係止凸部上面で鉄骨を鉛
直状態に支持し、該鉄骨を含んで前記上方階に鉄骨鉄筋
コンクリート造の柱を構築し、さらに該鉄骨鉄筋コンク
リート造の柱の下方に、少なくとも前記最下層階の柱を
鉄筋コンクリート造で構築する。これにより、仮設柱を
用いずに、少なくとも最下層階の柱に鉄骨を用いない地
下躯体構造が構築される。
山止め壁に係止凸部を設け、該係止凸部上面で鉄骨を鉛
直状態に支持し、該鉄骨を含んで前記上方階に鉄骨鉄筋
コンクリート造の柱を構築し、さらに該鉄骨鉄筋コンク
リート造の柱の下方に、少なくとも前記最下層階の柱を
鉄筋コンクリート造で構築する。これにより、仮設柱を
用いずに、少なくとも最下層階の柱に鉄骨を用いない地
下躯体構造が構築される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例を参照して
説明する。ここでは、例えば、地下階が2層からなる中
高層のビルの地下躯体構造を構築する場合の実施例を用
いて説明する。図1は、本発明に係る躯体(地下躯体構
造)10を示すものである。構築すべき躯体10は、地
盤中に打ち込まれた基礎杭2,2,…の上方に構築され
ており、2層からなる地下階を有している。
説明する。ここでは、例えば、地下階が2層からなる中
高層のビルの地下躯体構造を構築する場合の実施例を用
いて説明する。図1は、本発明に係る躯体(地下躯体構
造)10を示すものである。構築すべき躯体10は、地
盤中に打ち込まれた基礎杭2,2,…の上方に構築され
ており、2層からなる地下階を有している。
【0023】躯体10には、基礎杭2,2,…上に、水
平な面を有する基礎部11が形成されている。この基礎
部11には、鉛直上方に延びる柱12,12,…が所定
間隔で配置されている。それぞれの柱12,12間の、
柱12の上端付近には、上梁13が水平に架設されてい
る。また、柱12の延在する方向の、基礎部11と上梁
13との略中心付近には、上梁13と平行に中間梁14
が架設されている。これら上梁13,中間梁14は、例
えばH鋼等の鉄骨で構成されている。また、上梁13,
中間梁14はそれぞれ、図2および図3に示すように、
互いに直交する方向に架設され平面視格子状とされてい
る。
平な面を有する基礎部11が形成されている。この基礎
部11には、鉛直上方に延びる柱12,12,…が所定
間隔で配置されている。それぞれの柱12,12間の、
柱12の上端付近には、上梁13が水平に架設されてい
る。また、柱12の延在する方向の、基礎部11と上梁
13との略中心付近には、上梁13と平行に中間梁14
が架設されている。これら上梁13,中間梁14は、例
えばH鋼等の鉄骨で構成されている。また、上梁13,
中間梁14はそれぞれ、図2および図3に示すように、
互いに直交する方向に架設され平面視格子状とされてい
る。
【0024】また、図1に示したように、中間梁14の
上面には、それぞれコンクリートが打設された床スラブ
(床構造)15が形成されている。さらに、図2および
図3に示すように、基礎部11の外周に沿って、鉛直な
面を有する外壁16が設けられている。基礎部11の外
周に沿って設けられている柱12は、その幅の半分程度
をこの外壁16に埋め込まれた形態とされている。
上面には、それぞれコンクリートが打設された床スラブ
(床構造)15が形成されている。さらに、図2および
図3に示すように、基礎部11の外周に沿って、鉛直な
面を有する外壁16が設けられている。基礎部11の外
周に沿って設けられている柱12は、その幅の半分程度
をこの外壁16に埋め込まれた形態とされている。
【0025】前記柱12は、図3に示したように、主柱
12aの列を両端に配し、主柱12aの列と、サブ柱1
2bの列とが交互に配置された形態とされている。主柱
12aは、以下のような構成により、上方がSRC造
で、下方が鉄筋コンクリート造とされている。一方、サ
ブ柱12bは、鉄筋コンクリート造とされている。図1
に示したように、鉄筋コンクリートにより形成された主
柱12aの内部の、中間梁14との交点近傍には、主柱
12aの延在する方向に延びる鉄骨部材17が配置され
ている。鉄骨部材17は、例えば1m程度の長さで、そ
の長さ方向の中心を主柱12aと中間梁14との交点に
一致させている。この鉄骨部材17の上端には、主柱1
2aの延在する方向に延びる柱鉄骨18が配置され、こ
の柱鉄骨18の上端は、主柱12から突出され、上方に
構築すべきビルの地上部を構築する構造とされている。
これら主柱12、上梁13、および中間梁14に配置さ
れている鉄骨の接続部は、図示しない継ぎ手板とボルト
等により固定されている。
12aの列を両端に配し、主柱12aの列と、サブ柱1
2bの列とが交互に配置された形態とされている。主柱
12aは、以下のような構成により、上方がSRC造
で、下方が鉄筋コンクリート造とされている。一方、サ
ブ柱12bは、鉄筋コンクリート造とされている。図1
に示したように、鉄筋コンクリートにより形成された主
柱12aの内部の、中間梁14との交点近傍には、主柱
12aの延在する方向に延びる鉄骨部材17が配置され
ている。鉄骨部材17は、例えば1m程度の長さで、そ
の長さ方向の中心を主柱12aと中間梁14との交点に
一致させている。この鉄骨部材17の上端には、主柱1
2aの延在する方向に延びる柱鉄骨18が配置され、こ
の柱鉄骨18の上端は、主柱12から突出され、上方に
構築すべきビルの地上部を構築する構造とされている。
これら主柱12、上梁13、および中間梁14に配置さ
れている鉄骨の接続部は、図示しない継ぎ手板とボルト
等により固定されている。
【0026】ここで主柱12aおよびサブ柱12bにつ
いて説明すると、主柱12aが、主に上方の躯体(図示
なし)を支持し、また、サブ柱12bは、上梁13,中
間梁14にかかる応力を支持する構造とされている。ま
た、主柱12aと中間梁14との交差部に配置された鉄
骨部材17は、中間梁14にかかる曲げ応力を受ける構
造とされている。
いて説明すると、主柱12aが、主に上方の躯体(図示
なし)を支持し、また、サブ柱12bは、上梁13,中
間梁14にかかる応力を支持する構造とされている。ま
た、主柱12aと中間梁14との交差部に配置された鉄
骨部材17は、中間梁14にかかる曲げ応力を受ける構
造とされている。
【0027】上記のような構成により、躯体10の地下
1階部(上方階)10aは、主柱12aがSRC造で、
サブ柱12bが鉄筋コンクリート造、梁は上梁13であ
るから鉄骨造、床スラブ15は鉄骨造の中間梁14に支
持された構造となっている。ここで、サブ柱12bと上
梁13に注目すると、これは、いわゆるRCSS構造と
なっている。また、躯体10の地下2階部(最下層階)
10bは、主柱12a,サブ柱12bともに鉄筋コンク
リート造、床構造は基礎部11であるから鉄筋コンクリ
ート造となっている。上記のような構成により、躯体1
0は本発明に係る地下躯体構造の構成となっている。
1階部(上方階)10aは、主柱12aがSRC造で、
サブ柱12bが鉄筋コンクリート造、梁は上梁13であ
るから鉄骨造、床スラブ15は鉄骨造の中間梁14に支
持された構造となっている。ここで、サブ柱12bと上
梁13に注目すると、これは、いわゆるRCSS構造と
なっている。また、躯体10の地下2階部(最下層階)
10bは、主柱12a,サブ柱12bともに鉄筋コンク
リート造、床構造は基礎部11であるから鉄筋コンクリ
ート造となっている。上記のような構成により、躯体1
0は本発明に係る地下躯体構造の構成となっている。
【0028】次に、上記のような躯体10の施工方法に
ついて図1ないし図3を用いて説明する。まず、躯体1
0を構築すべき位置の地盤を掘削する。この時、地盤掘
削時の掘削穴6の周囲外壁の崩壊を防止するために山止
め工事を行う。このために、図1および図3に示したよ
うに、予め掘削穴6の周囲に沿って、所定間隔で山止め
親杭21,21,…を鉛直に打ち込み、連壁(山止め
壁)22を形成する。また、躯体10の基礎杭2,2,
…を所定の位置において、地盤中の所定の深さまで鉛直
に打ち込む。
ついて図1ないし図3を用いて説明する。まず、躯体1
0を構築すべき位置の地盤を掘削する。この時、地盤掘
削時の掘削穴6の周囲外壁の崩壊を防止するために山止
め工事を行う。このために、図1および図3に示したよ
うに、予め掘削穴6の周囲に沿って、所定間隔で山止め
親杭21,21,…を鉛直に打ち込み、連壁(山止め
壁)22を形成する。また、躯体10の基礎杭2,2,
…を所定の位置において、地盤中の所定の深さまで鉛直
に打ち込む。
【0029】この後、地盤を掘削し、一定の深さ掘削し
た時点で、切梁23を、掘削穴6の周囲の対向する連壁
22,22間に図示しない腹起し材を介して架設する。
また、前記主柱12aを配置すべき位置の基礎杭2,
2,…上に、それぞれ仮設柱24,24,…を鉛直に打
ち込んで建て込む。これと共に、仮設すべき中間梁14
を支持する図示しない梁支保工を、サブ柱12bを配置
すべき位置の基礎杭2,2,…上に鉛直に建て込む。こ
こで、前記一定の深さとは、仮設した切梁23の下方で
掘削機械が地盤を掘削でき、かつ、仮設柱24の先端部
を地盤から突出させることができる深さである。
た時点で、切梁23を、掘削穴6の周囲の対向する連壁
22,22間に図示しない腹起し材を介して架設する。
また、前記主柱12aを配置すべき位置の基礎杭2,
2,…上に、それぞれ仮設柱24,24,…を鉛直に打
ち込んで建て込む。これと共に、仮設すべき中間梁14
を支持する図示しない梁支保工を、サブ柱12bを配置
すべき位置の基礎杭2,2,…上に鉛直に建て込む。こ
こで、前記一定の深さとは、仮設した切梁23の下方で
掘削機械が地盤を掘削でき、かつ、仮設柱24の先端部
を地盤から突出させることができる深さである。
【0030】次いで、仮設柱24,24,…上に躯体1
0の地下1階部10aを構築する。まず、仮設柱24,
24,…上にそれぞれ鉄骨部材17,17,…を鉛直に
建て込む。そして中間梁14を、梁支保工(図示なし)
上に水平に載置し、その両端部を鉄骨部材17,17に
接続して架設する。このようにして全ての鉄骨部材1
7,17間に中間梁14を架設することにより、図2に
示すように、中間梁14,14,…が平面視格子状とな
る。そして、中間梁14,14,…上にコンクリートを
打設して床板15aを形成する。ここで、中間梁14,
14,…およびその上面に形成された床板15aからな
る床スラブ15について見ると、基礎部11の両端に配
置された鉄骨部材17,17を介して、掘削穴6の周囲
の対向する連壁22,22間に架設された形態とされて
おり、すなわち切梁として、連壁22にかかる外圧を支
持する構造とされている。その後、全ての鉄骨部材17
上に、柱鉄骨18を鉛直に建て込む。そしてこの柱鉄骨
18の上端付近の所定の位置に、中間梁14と同様に平
面視格子状に、上梁13,13,…を架設する。このよ
うにして、仮設柱24,24,…上に、躯体10の地下
1階部10aの鉄骨を構築する。ここで、主柱12a,
上梁13,中間梁14,鉄骨部材17,柱鉄骨18の各
接続部は、図示しない継ぎ手板およびボルトにより固定
されている。
0の地下1階部10aを構築する。まず、仮設柱24,
24,…上にそれぞれ鉄骨部材17,17,…を鉛直に
建て込む。そして中間梁14を、梁支保工(図示なし)
上に水平に載置し、その両端部を鉄骨部材17,17に
接続して架設する。このようにして全ての鉄骨部材1
7,17間に中間梁14を架設することにより、図2に
示すように、中間梁14,14,…が平面視格子状とな
る。そして、中間梁14,14,…上にコンクリートを
打設して床板15aを形成する。ここで、中間梁14,
14,…およびその上面に形成された床板15aからな
る床スラブ15について見ると、基礎部11の両端に配
置された鉄骨部材17,17を介して、掘削穴6の周囲
の対向する連壁22,22間に架設された形態とされて
おり、すなわち切梁として、連壁22にかかる外圧を支
持する構造とされている。その後、全ての鉄骨部材17
上に、柱鉄骨18を鉛直に建て込む。そしてこの柱鉄骨
18の上端付近の所定の位置に、中間梁14と同様に平
面視格子状に、上梁13,13,…を架設する。このよ
うにして、仮設柱24,24,…上に、躯体10の地下
1階部10aの鉄骨を構築する。ここで、主柱12a,
上梁13,中間梁14,鉄骨部材17,柱鉄骨18の各
接続部は、図示しない継ぎ手板およびボルトにより固定
されている。
【0031】一方、前記床スラブ15に打設したコンク
リートに所要の強度が発現した後に、前記仮設柱24,
24,…上での地下1階部10aの構築と並行して、仮
設柱24,24,…の下方において、地盤を掘削し続け
る。前記と同様にして、一定深さ掘削した時点で、仮設
の切梁25を、掘削穴6の周囲の対向する連壁22間に
図示しない腹起し材を介して架設する。その後、根切り
すべき所定の深さ、すなわち、基礎杭2,2,…の上面
まで掘削を続ける。
リートに所要の強度が発現した後に、前記仮設柱24,
24,…上での地下1階部10aの構築と並行して、仮
設柱24,24,…の下方において、地盤を掘削し続け
る。前記と同様にして、一定深さ掘削した時点で、仮設
の切梁25を、掘削穴6の周囲の対向する連壁22間に
図示しない腹起し材を介して架設する。その後、根切り
すべき所定の深さ、すなわち、基礎杭2,2,…の上面
まで掘削を続ける。
【0032】次いで、基礎部11,柱12に、鉄筋の配
筋および型枠の設置を行った後、コンクリート26を打
設する。コンクリート26に所定の強度が発現した後
に、前記切梁23,25を解体する。この時、中間梁1
4は本設梁であるから解体する必要がなく、また、切梁
23,25の解体作業は、それぞれ、地下1階部10
a,地下2階部10bの床面上で行うことができ、高所
作業とはならない。上記のようにして、図1に示したよ
うな、構築すべき躯体10の施工が完了する。
筋および型枠の設置を行った後、コンクリート26を打
設する。コンクリート26に所定の強度が発現した後
に、前記切梁23,25を解体する。この時、中間梁1
4は本設梁であるから解体する必要がなく、また、切梁
23,25の解体作業は、それぞれ、地下1階部10
a,地下2階部10bの床面上で行うことができ、高所
作業とはならない。上記のようにして、図1に示したよ
うな、構築すべき躯体10の施工が完了する。
【0033】以上、上述したように、本実施例の躯体1
0およびその施工方法では、地下2階部10bが、鉄骨
を用いない鉄筋コンクリート造で、かつ、床スラブ15
を切梁とした躯体10を構築することができる。また、
逆打ち工法を用いることにより、都心部等で、敷地いっ
ぱいに躯体10を構築することができる。また、地下1
階部10aを構築した後に、この地下1階部10aを資
材置き場,作業スペースとして有効に利用することがで
きる。
0およびその施工方法では、地下2階部10bが、鉄骨
を用いない鉄筋コンクリート造で、かつ、床スラブ15
を切梁とした躯体10を構築することができる。また、
逆打ち工法を用いることにより、都心部等で、敷地いっ
ぱいに躯体10を構築することができる。また、地下1
階部10aを構築した後に、この地下1階部10aを資
材置き場,作業スペースとして有効に利用することがで
きる。
【0034】また、躯体10の地下1階部10aは、主
柱12aがSRC造で、サブ柱12bが鉄筋コンクリー
ト造、床スラブ15は鉄骨の中間梁14に支持された構
造となっている。したがって、梁をコンクリートを打設
して形成する必要がないので、従来のSRC造の躯体に
比較して、施工が容易で、工期の短縮、施工コストの低
減をすることができる。また、躯体10の地下2階部1
0bは、主柱12a,サブ柱12bともに鉄筋コンクリ
ート造、床構造は基礎部11であるから鉄筋コンクリー
ト造となっている。つまり、地下2階部10bは、床構
造および柱12に鉄骨を用いない構造である。したがっ
て、地下2階部10bの構築時には、地下1階部10a
の下方で、鉄骨柱や鉄骨梁等の長い部材を取り回す必要
がなく、地下2階部10bの構築作業の効率が大幅に向
上する。これにより、工期が大幅に短縮することがで
き、さらには施工コストを低減することができる。ちな
みに、従来の構造に比べ、地下1階部10aで梁を鉄骨
造とした分、地下2階部10bで鉄骨を使用しないた
め、躯体10全体での鉄骨の使用量を増加させることな
く上記の効果を得ることができる。
柱12aがSRC造で、サブ柱12bが鉄筋コンクリー
ト造、床スラブ15は鉄骨の中間梁14に支持された構
造となっている。したがって、梁をコンクリートを打設
して形成する必要がないので、従来のSRC造の躯体に
比較して、施工が容易で、工期の短縮、施工コストの低
減をすることができる。また、躯体10の地下2階部1
0bは、主柱12a,サブ柱12bともに鉄筋コンクリ
ート造、床構造は基礎部11であるから鉄筋コンクリー
ト造となっている。つまり、地下2階部10bは、床構
造および柱12に鉄骨を用いない構造である。したがっ
て、地下2階部10bの構築時には、地下1階部10a
の下方で、鉄骨柱や鉄骨梁等の長い部材を取り回す必要
がなく、地下2階部10bの構築作業の効率が大幅に向
上する。これにより、工期が大幅に短縮することがで
き、さらには施工コストを低減することができる。ちな
みに、従来の構造に比べ、地下1階部10aで梁を鉄骨
造とした分、地下2階部10bで鉄骨を使用しないた
め、躯体10全体での鉄骨の使用量を増加させることな
く上記の効果を得ることができる。
【0035】また、掘削穴6の周囲の対向する連壁2
2,22間に設置された床スラブ15は、切梁として連
壁22にかかる外圧を支持する構造とされている。この
床スラブ15の中間梁14は、本設であるので、解体す
る必要がない。したがって、逆打ち工法において、従
来、高所作業となっていた切梁の解体作業を削除するこ
とができ、作業の安全化を図ることができる。また、切
梁の段数を従来に比較して削減することができるので、
材料コストが低減される。さらに、本設の床スラブ15
を切梁として用いるので、仮設の切梁よりも大幅に強度
が向上し、基礎部11の周囲外壁にコンクリート壁を形
成する必要がない。これにより、外壁16を一体に形成
でき、漏水,亀裂などが発生することなく、品質を向上
させることができる。
2,22間に設置された床スラブ15は、切梁として連
壁22にかかる外圧を支持する構造とされている。この
床スラブ15の中間梁14は、本設であるので、解体す
る必要がない。したがって、逆打ち工法において、従
来、高所作業となっていた切梁の解体作業を削除するこ
とができ、作業の安全化を図ることができる。また、切
梁の段数を従来に比較して削減することができるので、
材料コストが低減される。さらに、本設の床スラブ15
を切梁として用いるので、仮設の切梁よりも大幅に強度
が向上し、基礎部11の周囲外壁にコンクリート壁を形
成する必要がない。これにより、外壁16を一体に形成
でき、漏水,亀裂などが発生することなく、品質を向上
させることができる。
【0036】また、地盤を一定の深さまで掘削した時点
で、基礎杭2上に仮設柱24を建て込み、下方の地盤の
掘削作業と並行して、この仮設柱24上に地下1階部1
0aを構築した。仮設柱24であるので、本設柱に比較
して材料コストが大幅に低い上、施工精度も要求されな
いため、施工が容易である。したがって、工期を短縮,
コストの大幅低減をすることができる。さらに、掘削作
業と地下1階部10aの構築作業を同時に進行すること
ができ、工期を大幅に短縮することができる。
で、基礎杭2上に仮設柱24を建て込み、下方の地盤の
掘削作業と並行して、この仮設柱24上に地下1階部1
0aを構築した。仮設柱24であるので、本設柱に比較
して材料コストが大幅に低い上、施工精度も要求されな
いため、施工が容易である。したがって、工期を短縮,
コストの大幅低減をすることができる。さらに、掘削作
業と地下1階部10aの構築作業を同時に進行すること
ができ、工期を大幅に短縮することができる。
【0037】ここで、上記の実施例では、地下1階部1
0aの主柱12aの鉄骨部材17,柱鉄骨18を支持す
るために、基礎杭2上に建て込んだ仮設柱24を用いた
が、主柱12のうち、基礎部11の外周部に沿った主柱
12aにおいては、以下のようにして、鉄骨部材17,
柱鉄骨18を支持してもよい。図1および図3に示した
ように、基礎部11の外周部に沿った主柱12aの側方
に打ち込まれている山止め親杭21に、この山止め親杭
21の延在する方向の、支持すべき鉄骨部材17の下端
の位置に係止凸部27を設け、この係止凸部27によ
り、鉄骨部材17を支持して、躯体10を構築する構造
とする。上記のような構造によれば、仮設柱24を用い
る場合と同様、工期が短縮できるうえ、基礎部11の外
周部に沿った主柱12aの下方の仮設柱24を省略する
ことができるので、さらに施工の手間が省け、材料コス
トを低減することができる。
0aの主柱12aの鉄骨部材17,柱鉄骨18を支持す
るために、基礎杭2上に建て込んだ仮設柱24を用いた
が、主柱12のうち、基礎部11の外周部に沿った主柱
12aにおいては、以下のようにして、鉄骨部材17,
柱鉄骨18を支持してもよい。図1および図3に示した
ように、基礎部11の外周部に沿った主柱12aの側方
に打ち込まれている山止め親杭21に、この山止め親杭
21の延在する方向の、支持すべき鉄骨部材17の下端
の位置に係止凸部27を設け、この係止凸部27によ
り、鉄骨部材17を支持して、躯体10を構築する構造
とする。上記のような構造によれば、仮設柱24を用い
る場合と同様、工期が短縮できるうえ、基礎部11の外
周部に沿った主柱12aの下方の仮設柱24を省略する
ことができるので、さらに施工の手間が省け、材料コス
トを低減することができる。
【0038】なお、上記実施例では、構築すべき躯体1
0を2層からなる地下階を有する構造としたが、2層以
上の地下躯体構造の場合においても、最下層階を本実施
例の地下2階部10bと同様に鉄骨のない構造とするこ
とにより、同様の効果を得ることができるのは言うまで
もない。また、地下躯体構造の上方階において、要求さ
れる強度を得ることができるのであれば、最下層階のみ
ならず、最下層階の上方階をも鉄骨を用いない構造とし
て、さらなる効果を得ることができる。
0を2層からなる地下階を有する構造としたが、2層以
上の地下躯体構造の場合においても、最下層階を本実施
例の地下2階部10bと同様に鉄骨のない構造とするこ
とにより、同様の効果を得ることができるのは言うまで
もない。また、地下躯体構造の上方階において、要求さ
れる強度を得ることができるのであれば、最下層階のみ
ならず、最下層階の上方階をも鉄骨を用いない構造とし
て、さらなる効果を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る構
造によれば、少なくとも最下層階の床構造を、鉄骨を用
いない鉄筋コンクリート造とし、上方階の床構造には鉄
骨梁が配置された構造とした。したがって、従来のSR
C造の梁を用いた躯体に比較して、梁をコンクリートを
打設して形成する必要がないので、施工が容易で、工期
の短縮、施工コストの低減を実現することができる。ま
た、少なくとも最下層階の構築時には、上方階の下方
で、鉄骨梁の長い部材を取り回す必要がなく、構築作業
の効率が大幅に向上する。これにより、工期が大幅に短
縮され、さらには施工コストが大幅に低減される。ま
た、少なくとも最下層階の柱を、鉄骨を用いない鉄筋コ
ンクリート造とし、上方階の柱には鉄骨が配置された構
造とした。したがって、最下層階の構築時には、上方階
の下方で、鉄骨柱の長い部材を取り回す必要がなく、構
築作業の効率が大幅に向上する。これにより、工期が大
幅に短縮され、さらには施工コストが低減される。
造によれば、少なくとも最下層階の床構造を、鉄骨を用
いない鉄筋コンクリート造とし、上方階の床構造には鉄
骨梁が配置された構造とした。したがって、従来のSR
C造の梁を用いた躯体に比較して、梁をコンクリートを
打設して形成する必要がないので、施工が容易で、工期
の短縮、施工コストの低減を実現することができる。ま
た、少なくとも最下層階の構築時には、上方階の下方
で、鉄骨梁の長い部材を取り回す必要がなく、構築作業
の効率が大幅に向上する。これにより、工期が大幅に短
縮され、さらには施工コストが大幅に低減される。ま
た、少なくとも最下層階の柱を、鉄骨を用いない鉄筋コ
ンクリート造とし、上方階の柱には鉄骨が配置された構
造とした。したがって、最下層階の構築時には、上方階
の下方で、鉄骨柱の長い部材を取り回す必要がなく、構
築作業の効率が大幅に向上する。これにより、工期が大
幅に短縮され、さらには施工コストが低減される。
【0040】
【0041】請求項2に係る構造によれば、上方階の床
構造に配置された本設の床構造を、切梁として対向する
山止め壁間に設置したので、地盤掘削作業の終了後、解
体する必要がない。したがって、高所作業である切梁の
解体作業を削除することができ、作業の安全化を図るこ
とができる。また、切梁の段数を減少させることができ
るので、材料コストを低減させることができる。
構造に配置された本設の床構造を、切梁として対向する
山止め壁間に設置したので、地盤掘削作業の終了後、解
体する必要がない。したがって、高所作業である切梁の
解体作業を削除することができ、作業の安全化を図るこ
とができる。また、切梁の段数を減少させることができ
るので、材料コストを低減させることができる。
【0042】請求項3に係る方法によれば、請求項1お
よび請求項2にかかる構造を実現し得、さらに、本設の
床構造を切梁として設置し、かつ、少なくとも最下層階
の躯体には鉄骨を用いない鉄筋コンクリート造とし、上
方階の躯体には鉄骨を用いた地下躯体構造を構築するこ
とができる。
よび請求項2にかかる構造を実現し得、さらに、本設の
床構造を切梁として設置し、かつ、少なくとも最下層階
の躯体には鉄骨を用いない鉄筋コンクリート造とし、上
方階の躯体には鉄骨を用いた地下躯体構造を構築するこ
とができる。
【0043】請求項4に係る方法によれば、地盤柱に打
ち込んだ基礎杭上に仮設柱を仮設し、下方の地盤の掘削
作業と並行して、この仮設柱上に上層階の柱を構築し
た。仮設柱であるので、本設柱に比較して材料コストが
低い上、施工精度も要求されないため、施工が容易であ
る。したがって、工期を短縮,コストの低減をすること
ができる。さらに、掘削作業と上層階の構築作業を同時
に進行することができ、工期を大幅に短縮することがで
きる。
ち込んだ基礎杭上に仮設柱を仮設し、下方の地盤の掘削
作業と並行して、この仮設柱上に上層階の柱を構築し
た。仮設柱であるので、本設柱に比較して材料コストが
低い上、施工精度も要求されないため、施工が容易であ
る。したがって、工期を短縮,コストの低減をすること
ができる。さらに、掘削作業と上層階の構築作業を同時
に進行することができ、工期を大幅に短縮することがで
きる。
【0044】請求項5に係る方法によれば、山止め壁に
係止凸部を設け、この係止凸部の上面で上方階の柱を支
持して構築したので、下方の地盤の掘削作業を並行して
行うことができ、工期が短縮できるうえ、仮設柱を用い
ないので、仮設柱を仮設する施工の手間が省け、さらに
は、材料コストを低減することができる。
係止凸部を設け、この係止凸部の上面で上方階の柱を支
持して構築したので、下方の地盤の掘削作業を並行して
行うことができ、工期が短縮できるうえ、仮設柱を用い
ないので、仮設柱を仮設する施工の手間が省け、さらに
は、材料コストを低減することができる。
【図1】本発明に係る地下躯体構造を示す正断面図であ
る。
る。
【図2】本発明に係る地下躯体構造を示す平断面図であ
る。
る。
【図3】本発明に係る地下躯体構造の柱の配置を示す平
断面図である。
断面図である。
【図4】従来の地下躯体構造を示す正断面図である。
2 基礎杭 6 掘削穴(掘削空間) 10 躯体(地下躯体構造) 11 基礎部(最下層階の床構造) 12 柱 14 中間梁(鉄骨梁) 15 床スラブ(床構造) 22 連壁(山止め壁) 24 仮設柱 27 係止凸部 10a 地下1階部(上方階) 10b 地下2階部(最下層階) 15a 床板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 公一 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (72)発明者 保坂 陽之助 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−185822(JP,A) 特開 平4−247126(JP,A) 特開 平4−149321(JP,A) 特開 平3−47321(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 29/045 - 29/055
Claims (5)
- 【請求項1】 地盤中に形成された多層階からなる地下
躯体構造であって、少なくとも最下層階の床構造が鉄筋
コンクリート造とされ、該最下層階の上方階の床構造に
は鉄骨梁が配置され、かつ、少なくとも前記最下層階の
柱は鉄筋コンクリート造とされ、前記最下層階の上方階
の柱には、鉄骨が配置されていることを特徴とする地下
躯体構造。 - 【請求項2】 請求項1記載の地下躯体構造において、
前記床構造は、切梁として、対向する山止め壁間に設置
されていることを特徴とする地下躯体構造。 - 【請求項3】 地盤中に形成された多層階からなる地下
躯体構造の施工方法であって、該地下躯体構造を構築す
るに際して、逆打ち工法により該地下躯体構造を構築す
るようになし、基礎杭を地盤中の一定深さまで打ち込ん
だ後に、該地盤を一定深さ掘削した時点で、鉄骨梁およ
びこの上面に形成する床板からなる床構造を、該地盤表
面より掘削空間内の対向する山止め壁間に設置すると共
に、該床構造を切梁とし、その後、さらに前記地盤を掘
削して少なくとも最下層階の床構造を鉄筋コンクリート
造により構築すると共に、少なくとも前記最下層階を除
く該最下層階の上方階に鉄骨を鉛直に支持して、該上方
階の柱を前記鉄骨を含んで構築し、さらに前記最下層階
の柱を鉄筋コンクリート造で構築することを特徴とする
地下躯体構造の施工方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の方法において、前記地盤
中に打ち込んだ基礎杭上に、仮設柱を鉛直上方に向けて
仮設した後、該仮設柱上に前記上方階の鉄骨を鉛直状態
に支持して、該鉄骨を含んで前記上層階に鉄骨鉄筋コン
クリート造の柱を構築し、該鉄骨鉄筋コンクリート造の
柱の下方に、鉄筋コンクリート造の柱を構築したことを
特徴とする地下躯体構造の施工方法。 - 【請求項5】 請求項3記載の方法において、前記最下
層階の前記山止め壁に係止凸部を設け、該係止凸部上面
で鉄骨を鉛直状態に支持し、該鉄骨を含んで前記上方階
に鉄骨鉄筋コンクリート造の柱を構築し、さらに、該鉄
骨鉄筋コンクリート造の柱の下方に、少なくとも前記最
下層階の柱を鉄筋コンクリート造で構築することを特徴
とする地下躯体構造の施工方法。
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---|---|---|---|
JP04208259A JP3109038B2 (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 地下躯体構造およびその施工方法 |
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JP04208259A JP3109038B2 (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 地下躯体構造およびその施工方法 |
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- 1992-08-04 JP JP04208259A patent/JP3109038B2/ja not_active Expired - Fee Related
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