JP4069509B2 - 地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、逆打工法を用いた地下躯体の構築方法にあって、地下掘削空間外周部に配置される逆打支柱を支持するための施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、地下階を構築するにあたって特に軟弱地盤では、これに適する逆打工法が一般に適用される。この逆打工法は図10に示すように、まず、地下躯体の構築予定部分を囲繞して環状に地下連続壁1を構築し、この地下連続壁1で囲まれる内方領域Pに、適宜間隔をもって逆打支柱2を打設する。そして、逆打支柱2の頂部間に1階床梁3を架設した後、地下連続壁1の内方領域Pの地面を掘削して逆打支柱2を上部から露出させ、この露出した逆打支柱2に図外の地下床梁を上方階から下方階へと順次支持しつつ、上階から下階に向かって地下階を構築するようになっている。
【0003】
上記逆打支柱2は、これの下端部が場所打ちコンクリート杭4内に埋設されて支持される。また、上記1階床梁3および上記地下床梁の端部は、一般には地下掘削空間外周部に配置される逆打支柱によって支持されるが、特公平7−30564号公報(Int.Cl.E02D 27/10 )に開示されるように上記地下連続壁1に支持することもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の逆打工法にあっては、地下連続壁1は地盤に一定幅となる環状の深溝を形成し、この深溝内に配筋した後に生コンクリートを打設して構築される。このため、地下連続壁1の上部のコンクリートには、ベントナイト泥水などのスライムが混入されて浮上されることになり、通常はこのスライム混入部分をコンクリートの半硬化時に除去することになる。従って、1階床梁3の端部を地下連続壁1に支持しようとした場合、この地下連続壁1の上部が除去されるため、該1階床梁3を該地下連続壁1に直接支持させることはできなくなる。このため、1階床梁3を地下連続壁1に支持するために、再度コンクリートを積み直すなどの補修が必要となり、作業が複雑になってしまう。
【0005】
一方、上記1階床梁3を、図10中二点鎖線で示すように地下掘削空間の外周部に配置される逆打支柱2aによって支持しようとした場合、この逆打支柱2aは上記地下連続壁1の近傍に打設されることになる。しかしこの場合、場所打ちコンクリート杭4aを地下連続壁1の内側から所定距離L1 だけ離間して打設する必要があり、延いては、該場所打ちコンクリート杭4a内に包含される上記逆打支柱2aは、該地下連続壁1から大きな距離L2 (L2 >L1 )だけ離間されることになる。
【0006】
従って、構築しようとする地下躯体は、外周部の逆打支柱2aを地下連続壁1より大きく内方に入れて打設せざるを得ず、延いては、地下躯体およびこの地下躯体の上方に構築される地上架構にあっても、地下連続壁1で囲繞される面積より大幅に狭くなり、敷地空間の有効利用が阻害される。このため、少なくとも地上架構を地下連続壁1の領域まで広げて敷地を有効利用するためには、構造上の偏心処理が必要となり、必然的に建設費用が嵩み、かつ、工期も長期化されてしまうという課題があった。
【0007】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、1階床梁を簡単かつ確実に支持するとともに、この支持位置を地下連続壁に極力近づけて、敷地の利用率を拡大することができる、地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の請求項1に示す地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法は、地下躯体の構築予定部分を囲繞して地下連続壁を構築し、この地下連続壁で囲まれる領域内に逆打支柱を打設した後、該地下連続壁内方の地面を掘削して、露出した該逆打支柱に地下床梁を順次支持しつつ上部から下部に向かって地下階を構築する逆打ち工法にあって、上記地下連続壁には、鉄筋コンクリートの地下外周柱が平面T型を成して一体化されて構築され、該地下連続壁の上部、または、該地下外周柱の上部に、1階床梁外周支柱を根入れして支持し、この1階床梁外周支柱に1階床梁を支持させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に示す地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法は、前記請求項1において、1階床梁外周支柱の近傍の地下連続壁内または地下外周柱内に縦方向のPC鋼線を埋設し、コンクリート硬化後にプレストレスを導入したことを特徴とする。
【0010】
更に、本発明の請求項3に示す地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法は、前記請求項1または2において、1階床梁外周支柱の根入れ部分にスタッドジベルを形成したことを特徴とする。
【0011】
更にまた、本発明の請求項4に示す 地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法は、地下躯体の構築予定部分を囲繞して地下連続壁を構築し、この地下連続壁で囲まれる領域内に逆打支柱を打設した後、該地下連続壁内方の地面を掘削して、露出した該逆打支柱に地下床梁を順次支持しつつ上部から下部に向かって地下階を構築する逆打ち工法にあって、
上記地下連続壁には、鉄筋コンクリートの地下外周柱が平面T型を成して一体化されて構築され、該地下連続壁の上部、または、該地下外周柱の上部に、1階床梁を支持させ、上記地下外周柱の下端部に拡底部を形成して上記地下連続壁の先端根入れ深さとは独立させて砂礫層を代表とする支持地盤に根入れし、該地下連続壁の下端は不透水層に根入れしたことを特徴とする。
【0012】
以上の構成により本発明の地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法の作用を以下述べると、請求項1では地下掘削空間の外周部に配置される1階床梁外周支柱によって1階床梁の端部を支持する方法が採られ、鉄筋コンクリートの地下外周柱が平面T型を成して一体化されて構築されている地下連続壁の上部、または、該地下外周柱の上部に、上記1階床梁外周支柱を根入れして支持するようにしたので、該1階床梁外周支柱は地下連続壁に直接根入れした場合には、地下躯体を地下連続壁までの全領域に構築することができ、延いては、敷地を有効利用することができる。また、上記1階床梁外周支柱を地下外周柱に根入れする場合にも、該地下外周柱が地下連続壁に一体化されたものであるため、該地下連続壁に近づけて1階床梁外周支柱を根入れすることができ、この場合にあっても敷地の更なる有効利用を図ることができる。また、地震力を受けたときに発生する建物外周柱の大きな引き抜き力に耐える構造を維持しつつ、一般部の逆打支柱のように高価な鋼製の支柱を基礎から立設する場合に比べ、鋼材の使用を少なくすることができ、資材の節約となる。
【0013】
また、請求項2では、1階床梁外周支柱の近傍の地下連続壁内または地下外周柱内に縦方向のPC鋼線を埋設し、コンクリート硬化後にプレストレスを導入したので、地震力を受けたときに発生する建物外周柱の大きな引き抜き力に伴って生ずる引張力に起因した地下連続壁または地下外周柱のコンクリートの損傷を防ぐことができる。
【0014】
更に、請求項3では、上記1階床梁外周支柱の根入れ部分にスタッドジベルを形成したので、該スタッドジベルがアンカーとしてコンクリート内に埋設されるため、1階床梁外周支柱の根入れ部分の結合強度を大幅に増大することができ、延いては、この根入れ部分を短くして1階床梁外周支柱自体の短縮化を図ることができる。
【0015】
更にまた、請求項4では、鉄筋コンクリートの地下外周柱が平面T型を成して一体化されて構築されている地下連続壁の上部、または、該地下外周柱の上部に、1階床梁を支持する方法が採られ、地下外周柱の下端部に拡底部を形成して、この拡底部を、上記地下連続壁の先端根入れ深さとは独立させて、砂礫層を代表とする支持地盤に根入れし、該地下連続壁の下端は不透水層に根入れしたので、工事中および竣工後の支持力を合理的に確保することができる。また、地下外周柱の下端部に拡底部を形成したので、地下外周柱の支持力を地下連続壁に依存することなく確保でき、したがって地下連続壁の止水機能および支持機能を満たしつつ資材の節約を図ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1から図9は本発明の地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法を示し、図1は地下掘削空間の外周部分を示す断面図、図2は地下連続壁を示す平面図、図3は図1中のA−A線からの拡大断面図、図4は地下連続壁と地下外周柱との関係を(a),(b)にそれぞれ示す斜視図、図5は地下外周柱と地盤との関係を(a),(b)にそれぞれ示す断面図、図6は地下掘削空間外周部の逆打支柱の埋設時の支持状態を示す説明図、図7は1階床梁の取付け部分を(a)〜(c)に順を追って示す断面図、図8は1階床梁および地下階の床梁の取付け部分を示す断面図、図9は図8中B部に対応する箇所の床梁の接続部分を示す断面図である。
【0017】
本発明の地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法の基本とするところは、図1に示すように地下躯体の構築予定部分を囲繞して地下連続壁10を構築し、この地下連続壁10で囲まれる領域P内に一般部の逆打支柱12を打設した後、該地下連続壁10内方の地面を掘削して、露出した該逆打支柱12に地下床梁14を順次支持しつつ上部から下部に向かって地下階を構築する。そして、該地下階が構築される地下掘削空間Sの外周部に配置される1階床梁外周支柱12aを、鉄筋コンクリートの地下外周柱が平面T型を成して一体化されて構築された上記地下連続壁10の上部、または、該地下外周柱16の上部に根入れして支持し、この1階床梁外周支柱12aに1階床梁18を支持させる。
【0018】
即ち、上記地下連続壁10は、図2に示すように地下躯体を構築しようとする領域を囲繞して環状(本実施形態では矩形状)に配置される。この地下連続壁10は、図1に示したように地面Gに所定幅を持った深溝20を掘削し、この深溝20内に配筋した後、生コンクリートを打設して構築される。
【0019】
また、本実施形態では地下連続壁10の構築時に同時に上記地下外周柱16が構築される。この地下外周柱16は、図3に示すように上記深溝20の内側からT字状の空間断面を構成するように該深溝20に連続して矩形穴20aを掘削してあり、この矩形穴20aと上記深溝20に跨って鉄筋籠22を挿入して、上記深溝20に打設した生コンクリートが充填されることにより構築される。従って、上記地下外周柱16は地下連続壁10の内側に平面T型を成して一体に突設され、これら地下連続壁10と地下外周柱16とによってT型RC連壁24が構成される。
【0020】
上記地下外周柱16は、図4(a)または(b)に示すように下端部に拡底部16aが形成される。また、工事中および工事竣工後の地下外周柱16の鉛直荷重は、外周土留め壁となる上記地下連続壁10と同一レベルで砂礫質地盤に支持させる方法もあるが、T型RC連壁24では図5(a),(b)に示すように地下連続壁10と地下外周柱16の深さを異ならせて、地下外周柱16のみを砂礫層等の支持地盤に支持させて、その他の部分は止水壁として必要とされる粘性土層に根入れする。同図(a)では地下外周柱16を不透水層以浅に支持させた場合を示し、かつ、同図(b)では地下外周柱16を不透水層以深に支持させた場合を示す。一方、図1に示すように上記一般部の逆打支柱12は、下端部が建物の基礎底以深にある場所打ちコンクリート杭26に埋設して支持され、この埋設部分の逆打支柱12外周にスタッドジベル28が形成される。
【0021】
ここで、上記外周部の1階床梁外周支柱12aは、これの下端部を上記地下外周柱16の頂部に埋設して支持するようになっている。該1階床梁外周支柱12aの地下外周柱16への埋設深さは、1階床梁18からの応力を地下躯体に安全かつ確実に伝達される長さであれば良く、通常は地下1階分または地下2階分程度となる。また、上記1階床梁外周支柱12aの埋設部分にはスタッドジベル30が形成され、1階床梁外周支柱12aの埋設強度を高めるようになっている。
【0022】
更に、建物が地震力などの水平力を受けて地下外周柱16に大きな引き抜き力が発生する場合は、上記1階床梁外周支柱12aの定着されている外周柱16にもコンクリートの引張強度を超える応力が発生することがあり、T型RC連壁24の施工時にPC鋼線を配置しておき、コンクリート硬化後にこの引張力による損傷を防止するために地下外周柱にプレストレスを導入して構造安全性の確保を図ることが望ましい。
【0023】
上記1階床梁外周支柱12aの埋設は、図3及び図6に示すように上記T型RC連壁24を構築するために地面Gに深溝20および矩形穴20aを掘削し、かつ、深溝20に鉄筋および矩形穴20aに鉄筋籠22を配筋した段階で、これら深溝20および矩形穴20aの上方に位置して、レベル調整ジャッキ32および固定治具34を搭載した架台36を地面G上に設置する。そして、この架台36に上記1階床梁外周支柱12aを所定高さかつ鉛直に保持し、この状態で生コンクリートを深溝20および矩形穴20aに打設するようになっている。また、長尺となる一般部の逆打支柱12にあっても、同様に架台36を用いて鉛直に保持した状態で、下端部に場所打ちコンクリート杭26の生コンクリートが打設される。
【0024】
また、上記1階床梁外周支柱12aには図7(a)〜(c)に示すように1階床梁18が結合される。まず、同図(a)に示すように上記T型RC連壁24の上部のスライム混入部分のコンクリートを半硬化状態で除去し、そして、T型RC連壁24のコンクリートが硬化した後に、同図(b)に示すようにこのコンクリート除去部分に上記1階床梁18の梁鉄筋18aを配置して、この梁鉄筋18aの端部を上記1階床梁外周支柱12aに溶接やボルト,ナットなどを介して結合する。そして、梁鉄筋18aの外側に梁主筋38やフープ筋40を配筋するとともに、図外の梁型枠や床下面を覆うデッキプレートおよび床鉄筋などを配置した後、生コンクリートを打設することにより、同図(c)に示すように上記1階床梁18が構築される。
【0025】
更に、図8に示すように地下1階以下の地下階床梁14の端部が上記T型RC連壁24に結合されるが、この地下階床梁14の接続部分は図9に示すようにT型RC連壁24にカップラー付きの定着筋42を埋設しておき、この定着筋42に地下階床梁の主筋を接続するようになっている。また、エンクロ溶接ができるようにT型RC連壁24をはつり出して,NKE溶接法などで溶接することもできる。
【0026】
従って、本実施形態の地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法にあっては、1階床梁18の端部を支持する1階床梁外周支柱12aを、T型RC連壁24の地下外周柱16の上部に根入れして支持するようにしたので、該地下外周柱16が地下連続壁10に一体化されたものであるため、これら地下外周柱16と地下連続壁10との間に隙間を設ける必要が無いことから、1階床梁外周支柱12aを該地下連続壁10に限りなく近づけて根入れすることができる。
【0027】
このため、上記1階床梁外周支柱12aを外周端として構築される地下躯体およびこの地下躯体の上方に構築される地上躯体を、地下連続壁10で囲繞される領域の略全域に近づけて構築することができ、敷地の有効利用を極力図ることができる。また、地上外壁面の敷地境界に対する位置設定の自由度が増加するだけでなく、地下外周柱16の土留め壁内面からの突き出し長さが小さくなり、地下有効空間の増大が可能となる。
【0028】
ところで、上記T型RC連壁24は、鉄筋コンクリート造の地下外周柱16と一体化されており、この地下外周柱16は下部に拡底部16aが形成されて、上記1階床梁外周支柱12aを支持する支持杭としての機能を併せ持っているので、該1階床梁外周支柱12aは通常部の逆打支柱12のように基礎底以深の場所打ちコンクリート杭26に根入れするような長尺とする必要が無くなる。即ち、1階床梁外周支柱12aは1階床梁18を介して入力される地上躯体の荷重を、地下躯体コンクリートに適切に伝達できる長さがあれば良く、この長さは十分に小さくできるため、施工の簡略化や鉄骨工事費の低減が可能となる。
【0029】
特に、本実施形態のように上記1階床梁外周支柱12aの根入れ部分にスタッドジベル30を形成したことにより、鉄筋籠22およびコンクリートによって1階床梁外周支柱12aを強固に拘束して、これの支持強度を著しく向上し、延いては、1階床梁18の端部の支持を確実に行うことができるとともに、該1階床梁外周支柱12aを更に短縮化することができる。また、鉄筋籠22およびコンクリートによって1階床梁外周支柱12aを強固に拘束して、これの支持強度を著しく向上し、延いては、1階床梁18端部の支持を確実に行うことができる。
【0030】
また、上記1階床梁外周支柱12aの根入れ位置は、地下外周柱16と地下連続壁10とに跨って配置される鉄筋籠22の中で、地下連続壁10に対して適宜位置に設定することができるので、建築計画や構造計画に無理を強いることなく、敷地空間の有効利用を図ることができる。
【0031】
ところで、上記T型RC連壁24に1階床梁外周支柱12aに作用する鉛直荷重に対する必要な支持力を確保させるためには、不透水層以深の砂礫層に代表されるような支持層に根入れすることも考えられるが、相当のコスト高を招いてしまう。これ故、地下外周柱16の拡底部16aのみを不透水層または以深の支持層に根入れするようにすることで、地下外周柱16の支持力を地下連続壁10に依存することなく確保でき、コスト増を防ぐことができる。尚、上記拡底部16aは必要に応じて先端拡低掘削を行い、突出部の断面の縮小または支持耐力の増加を図ることができる。
【0032】
また、上記T型RC連壁24の地下外周柱16の拡底部16aを、止水機能から設定される地下連続壁10の先端根入れ深さとは独立させて、不透水層以深あるいは以浅の砂礫層を代表とする支持地盤に根入れさせ、地下連続壁10の下端部は不透水層に根入れすることにより、地下連続壁10の止水機能及び地下外周柱16の支持機能を満たしつつ資材の節約が図れ、工事中および竣工後の支持力を合理的に確保することができる。更に、上記1階床梁外周支柱12aの根入れ部分にスタッドジベル30を形成したので、該スタッドジベル30がアンカーとしてコンクリート内に埋設されるため、1階床梁外周支柱12aの根入れ部分の結合強度を大幅に増大することができ、延いては、この根入れ部分を短くして1階床梁外周支柱12a自体の短縮化を図ることができる。
【0033】
ところで、上述した実施形態では1階床梁外周支柱12aをT型RC連壁24の地下外周柱16に支持させる場合を開示したが、これに限ることなく当該T型RC連壁24の地下連続壁10に下部を根入れして支持させた場合には、該1階床梁外周支柱12aを更に外周側に配置できるため、敷地の更なる有効利用を図ることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1に示す地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法にあっては、1階床梁の端部を支持する1階床梁外周支柱を、鉄筋コンクリートの地下外周柱が平面T型を成して一体化されて構築されている地下連続壁の上部、または、該地下外周柱の上部に根入れして支持するようにしたので、該1階床梁外周支柱をより外周に配置できるため、地下躯体を構築する際の敷地の有効利用を図ることができる。即ち、1階床梁外周支柱を地下連続壁に直接根入れした場合には、地下躯体を地下連続壁までの全領域に構築できるとともに、1階床梁外周支柱を地下外周柱に根入れした場合には、該地下外周柱が地下連続壁に一体化されたものであるため、該地下連続壁に極力近づけて1階床梁外周支柱を根入れできるため、地下躯体の外周を地下連続壁の近傍まで広げることができる。
また、上記1階床梁外周支柱の根入れ位置は、地下外周柱と地下連続壁とに跨って配置される鉄筋籠の中で、地下連続壁に対して適宜位置に設定することができるので、建築計画や構造計画に無理を強いることなく、敷地空間の有効利用を図ることができる。
また、上記1階床梁外周支柱を外周端として構築される地下躯体およびこの地下躯体の上方に構築される地上躯体を、地下連続壁で囲繞される領域の略全域に近づけて構築することができ、敷地の有効利用を極力図ることができる。また、地上外壁面の敷地境界に対する位置設定の自由度が増加するだけでなく、地下外周柱の土留め壁内面からの突き出し長さが小さくなり、地下有効空間の増大が可能となる。
【0035】
また、地震力を受けたときに発生する建物外周柱の大きな引き抜き力に耐える構造を維持しつつ、一般部の逆打支柱のように高価な鋼製の支柱を基礎から立設する場合に比べ、鋼材の使用を少なくすることができ、資材の節約となる。
【0036】
また、請求項2では、1階床梁外周支柱の近傍の地下連続壁内または地下外周柱内に縦方向のPC鋼線を埋設し、コンクリート硬化後にプレストレスを導入したので、地震力を受けたときに発生する建物外周柱の大きな引き抜き力に伴って生ずる引張力に起因した地下連続壁または地下外周柱のコンクリートの損傷を防ぐことができる。
【0037】
更に、請求項3では、上記1階床梁外周支柱の根入れ部分にスタッドジベルを形成したので、該スタッドジベルがアンカーとしてコンクリート内に埋設されるため、1階床梁外周支柱の根入れ部分の結合強度を大幅に増大することができ、延いては、この根入れ部分を短くして1階床梁外周支柱自体の短縮化を図ることができる。
【0038】
更にまた、請求項4では、鉄筋コンクリートの地下外周柱が平面T型を成して一体化されて構築されている地下連続壁の上部、または、該地下外周柱の上部に、1階床梁を支持し、地下外周柱の下端部には拡底部を形成してこの拡底部を上記地下連続壁の先端根入れ深さとは独立させて、砂礫層を代表とする支持地盤に根入れし、該地下連続壁の下端は不透水層に根入れしたので、工事中および竣工後の支持力を合理的に確保することができる。また、地下外周柱の下端部に拡底部を形成したので、地下外周柱の支持力を地下連続壁に依存することなく確保でき、したがって地下連続壁の止水機能および支持機能を満たしつつ資材の節約を図ることができる。
また、請求項1の場合と同様に、地下外周柱の土留め壁内面からの突き出し長さが小さくなり、地下有効空間の増大が可能となる。また、地震力を受けたときに発生する建物外周柱の大きな引き抜き力に耐える構造を維持しつつ、一般部の逆打支柱のように高価な鋼製の支柱を基礎から立設する場合に比べ、鋼材の使用を少なくすることができ、資材の節約となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す地下掘削空間の外周部分の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す地下連続壁の平面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す図1中のA−A線からの拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施形態の地下連続壁と地下外周柱との関係を(a),(b)にそれぞれ示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態の地下外周柱と地盤との関係を(a),(b)にそれぞれ示す断面図である。
【図6】本発明の一実施形態の地下掘削空間外周部の逆打支柱の埋設時の支持状態を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態の1階床梁の取付け部分を(a)〜(c)に順を追って示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態の1階床梁および地下階の床梁の取付け部分を示す断面図である。
【図9】本発明の一実施形態の図8中B部に対応する箇所の床梁の接続部分を示す断面図である。
【図10】従来の逆打工法の一例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
10 地下連続壁10
12 一般部の逆打支柱
12a 1階床梁外周支柱
14 地下床梁
16 地下外周柱
16a 拡底部
18 1階床梁
22 鉄筋籠
24 T型RC連壁
30 スタッドジベル
40 地下階床梁
S 地下掘削空間
G 地面
Claims (4)
- 地下躯体の構築予定部分を囲繞して地下連続壁を構築し、この地下連続壁で囲まれる領域内に逆打支柱を打設した後、該地下連続壁内方の地面を掘削して、露出した該逆打支柱に地下床梁を順次支持しつつ上部から下部に向かって地下階を構築する逆打ち工法にあって、
上記地下連続壁には、鉄筋コンクリートの地下外周柱が平面T型を成して一体化されて構築され、該地下連続壁の上部、または、該地下外周柱の上部に、1階床梁外周支柱を根入れして支持し、この1階床梁外周支柱に1階床梁を支持させることを特徴とする地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法。 - 前記1階床梁外周支柱の近傍の地下連続壁内または地下外周柱内に縦方向のPC鋼線を埋設し、コンクリート硬化後にプレストレスを導入したことを特徴とする請求項1に記載の地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法。
- 前記1階床梁外周支柱の根入れ部分にスタッドジベルを形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法。
- 地下躯体の構築予定部分を囲繞して地下連続壁を構築し、この地下連続壁で囲まれる領域内に逆打支柱を打設した後、該地下連続壁内方の地面を掘削して、露出した該逆打支柱に地下床梁を順次支持しつつ上部から下部に向かって地下階を構築する逆打ち工法にあって、
上記地下連続壁には、鉄筋コンクリートの地下外周柱が平面T型を成して一体化されて構築され、該地下連続壁の上部、または、該地下外周柱の上部に、1階床梁を支持させ、上記地下外周柱の下端部に拡底部を形成して上記地下連続壁の先端根入れ深さとは独立させて砂礫層を代表とする支持地盤に根入れし、該地下連続壁の下端は不透水層に根入れしたことを特徴とする地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22175498A JP4069509B2 (ja) | 1998-08-05 | 1998-08-05 | 地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法 |
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JP22175498A JP4069509B2 (ja) | 1998-08-05 | 1998-08-05 | 地下掘削空間外周部における逆打支柱の施工方法 |
Publications (2)
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