JP2003268770A - 土留工法並びにこの工法に使用する矢板の補強構造体 - Google Patents

土留工法並びにこの工法に使用する矢板の補強構造体

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JP2003268770A JP2002074998A JP2002074998A JP2003268770A JP 2003268770 A JP2003268770 A JP 2003268770A JP 2002074998 A JP2002074998 A JP 2002074998A JP 2002074998 A JP2002074998 A JP 2002074998A JP 2003268770 A JP2003268770 A JP 2003268770A
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Shiro Kimura
志朗 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 切梁やアンカーを用いなくても、自立式
矢板の天端のたわみを大巾に抑制できるのみならず、足
場として機能する骨組構造体とこの構造体に合体して支
えられる矢板により、土留構造全体としての耐力を向上
させて深い掘削を可能にする全く新規な土留工法と、こ
の工法に用いる足場機能を有する構造体を提供するこ
と。 【解決手段】 掘削領域1′に沿って土留用に打設する
鋼矢板3の前面に、柱部材6と梁部材7a,7bなどによっ
て形成した矢板補強構造体STを、前記矢板3に合体させ
て設置することにより、当該矢板3に作用する土圧を前
記補強構造体STを介して基礎地盤に伝達し前記矢板3天
端のたわみを抑制すると共に、当該補強構造体STを足場
として利用すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は全く新規な土留工法
と、この土留工法に用いた鋼矢板の補強体を兼ね足場と
して利用できるように形成した構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、本体構造物などの施工に必要
な深さまで土砂を掘下げる場合において、掘削地に隣接
した掘削されない地盤を支えることを目的として、鋼矢
板などを使用した土留工法が施工されることが多い。
【0003】鋼矢板を用いる土留工法には、掘削深度が
浅い場合には、掘削地と隣地の現地盤の境界に鋼矢板を
打込むだけで隣地地盤の土圧を支持する自立式矢板土留
工法があるが、自立式矢板土留工法では、掘削深さは3.
00m程度が限界とされている。掘削深さが3.0mを超えて
深くなると、矢板天端で掘削高さの3%以上のたわみ量
が発生し、作業上の安全性を担保できなくなり、その矢
板の耐力を超えるおそれがあるからである。
【0004】従来工法では、掘削深さが上記例よりも深
い場合には、図13に例示する切梁式矢板土留工法や図14
に例示するアンカー式矢板土留工法が採用されている
が、問題がある。
【0005】即ち、図13の切梁式矢板土留工法では、打
設した矢板Aにかかる隣地2の土圧を、本体構造物Bを
施工するために掘下げた反対側の地盤で支えるために、
矢板Aの前面側に切梁Cが数段に亘って設けられるが、
この切梁Cが掘削地1での本体構造物Bの施工の障害に
なるからである。このほか、切梁式矢板土留工法は、切
梁Cや中間杭Dを設置する手間やこれらに使用する資材
費用がかかることが、この仮設工事自体のコストにはね
返り、また、本体構造物の工期も上記仮設工事における
切梁の盛り替えや中間杭の処理工事を伴うために長くな
るという難点がある。
【0006】一方、図14のアンカー式矢板土留工法で
は、隣地2の側にアンカーEを打込んで矢板Aを支持す
る形式であるため、切梁式工法のようにアンカーEが掘
削地1における本体構造物Bの施工の障害になることは
ないが、本体構造物Bが完工すると打込んだアンカーE
の抜去作業が困難になって手間取り、また、隣地条件に
よってはアンカーEの打込みができないため、この工法
の適用できない場合も多いなど、仮設工事自体の費用が
嵩むのみならず、隣地の制約を受けることが多いという
問題がある。
【0007】しかも、上記の各工法により隣地地盤の土
留をした掘削地1では、本体構造物Bの工事のために、
土留用矢板Aに沿って本体構造物Bの工事用に仮設足場
Fが必ず設置されるが、この足場Fと土留用の矢板A
は、仮設工事を含む本体構造物Bの一連の工事の中で
は、仮設工事の最初に土留工が施工され最後に土留用矢
板Aや足場Fが撤去されるので、本体構造物Bの工事期
間中は、同時に必要な設備でもある。なお、図13,図14
において、Gは本体工事用の型枠である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、本体構造物
の工事に伴い仮設される土留と足場の概ね共通した設置
時期や設置期間、並びに、鋼矢板を使用した土留工法、
特に、切梁式やアンカー式の矢板土留工法の問題点に着
眼し、自立式矢板土留工法の矢板を、足場機能を持たせ
た骨組構造体によって当該矢板の前面側から補強する構
造を採ることにより、切梁やアンカーを用いなくても、
自立式矢板の天端のたわみを大巾に抑制できるのみなら
ず、足場として機能する骨組構造体とこの構造体に合体
して支えられる矢板により、土留構造全体としての耐力
を向上させて深い掘削を可能にする全く新規な土留工法
と、この工法に用いる足場機能を有する構造体を提供す
ることを、その課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本発明土留工法の構成は、掘削領
域に沿って土留用に打設する鋼矢板の前面に、柱部材と
梁部材などによって形成した矢板補強構造体を、前記矢
板に合体させて設置することにより、当該矢板に作用す
る土圧を前記補強構造体を介して基礎地盤に伝達し前記
矢板天端のたわみを抑制すると共に、当該補強構造体を
足場として利用することを特徴とするものである。
【0010】そして、上記の土留工法に使用する矢板補
強兼足場用構造体の構成は、打設された鋼矢板の前面側
に、その面から適宜離隔させて立設した複数本の柱部材
と、各柱部材間に複数段に亘り架設して各柱部材同士を
左右で連結した梁部材と、前記柱部材と梁部材の連結体
をその後面側において前記矢板の前面に複数段に亘り結
合した結合梁部材と、該結合梁部材同士を矢板の前面で
左右に連結した梁部材と、最下の梁部材の下面に配設し
た底版部材により前記矢板の補強構造体を形成し、該補
強材構造体の前記結合梁部材間に足場用踏板部材を架設
したことを特徴とするものである。
【0011】本発明において、上記の補強構造体には、
柱部材が地盤中に埋設された形態を採るものもある。ま
た、補強構造体には、その構造体下部に、当該構造体の
底面と該底面に連なるその構造体の前面下部及び前記底
面の後端に連なって地盤中の矢板前面に当接する、側断
面が略クランク状をなす基礎プレート部材を設けたもの
もある。更に、打設した矢板の前面に腹起しを設けて補
強構造体を配置する形態を採ることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明土留工法の実施の形態
例について、図を参照しつつ説明する。図1は本発明土
留工法を実施した例を模式的に示した側断面図、図2は
図1の斜視図、図3は図2の正面図、図4は本発明土留
工法の矢板と本発明補強構造体に作用する力を説明する
ための断面図、図5は在来土留工法と本発明土留工法に
使用した矢板頭部(天端)のたわみ量の違いを説明する
ための説明図、図6は在来土留工法と本発明土留工法に
おける掘削底面での矢板のたわみ量の違いを説明するた
めの説明図、図7は本発明土留工法に使用する補強構造
体の設置形態の一例を説明するための断面図、図8は図
7に同じく補強構造体の設置形態の他の例を説明するた
めの断面図、図9は本発明補強構造体の他の例を説明す
るための断面図、図10は本発明土留工法に使用する補強
構造体の別の例を説明するための断面図、図11は図10の
構造体の平面図、図12は図10の部分拡大図、図13は従来
の切梁式土留工法を説明するための断面図、図14は従来
のアンカー式土留工法を説明するための断面図である。
【0013】図1〜図4において、1は、本体構造物B
を築造するためにその場所の土砂を掘削した掘削地の底
面で、掘削前に掘削領域1′と隣地の現地盤2との境界
に鋼矢板3を打設し、打設した矢板3にかかる隣地の土
圧Pを支えた上でパワーシャベル等により土砂が掘削さ
れて取除かれ、掘削底面1が露出している。
【0014】本発明では、上記矢板3を打設した後、図
7や図8に例示する態様で、従来の切梁やアンカーに代
わる補強構造物STを前記矢板3の前面に仮設するので、
次にこの点について述べる。
【0015】図7に例示するように、矢板3が隣地2と
掘削領域1′の境界に打設されると、掘削領域1′を少し
掘り下げて仮サポート材4,5を逐次前記矢板3の前面
と掘削領域1′の未掘削地盤の間に仮架設し、矢板3の
前面側に、設置する補強構造物STの設置スペースを掘削
底面1と同レベルの深さの溝状に設ける。
【0016】矢板3を仮サポートした状態で、その矢板
3の前面から所定距離離れた位置に、前記矢板3による
土留面と略平行に複数本の柱部材6を立設すると共に、
各柱部材6の間に複数段に亘り多数の梁部材7aを架設す
ることによって、正面から視て大略格子状をなす構造体
を形成し、この構造体の背面側と前記矢板3の前面の間
を、多数の結合用梁部材8によって結合すると共に、該
梁部材8を矢板3の前面において左右方向で支持梁部材
7bに連結し、最下(掘削底面1への接地面)の梁部材7
a,7b,8の下面側に底版9を設けることにより、多数
の柱部材6と梁部材7a,7b,8並びに底版9とによって
形成されたいわば立体梯子状をなす本発明の補強構造体
STが、当該矢板3の前面にその矢板3と合体状態で配設
されることになる。このようにして補強構造体STが矢板
3と合体状態で設置されたら、仮サポート材4,5を除
去し、残りの地盤を本掘削して土砂を取出す。本発明に
おいて、補強構造体STと矢板3の合体状態とは、当該構
造体STの背面部材と矢板3の前面との機械的結合を含
み、両者STと3を機械的に結合させず、この構造体STの
背面と矢板3の前面とが当接した状態を含むものとす
る。図示した例では、矢板3の前面に設けたブラケット
に支持梁部材7bを載架支持させて矢板3と補強構造体ST
の合体状態としている。
【0017】自立式矢板のように打設された矢板3の前
面を、上記のように形成した補強構造体STにより、両者
が合体状態において支えてやると、図4に模式的に示し
たように、矢板3の背面に作用する隣地現地盤2の土圧
PによるモーメントMは、構造物STの底版9に作用する
掘削地盤の鉛直抵抗力Qと水平抵抗力Rにより支えられ
ることとなるので、矢板3の天端側のたわみを著しく小
さく抑制することができることとなる。このことを図
5,図6を参照しつつ、従来の自立式矢板土留工法の場
合と比較して説明する。
【0018】図5の左図は、自立式矢板31を使用した従
来工法を例示したものであるが、この工法では、掘削深
さHのとき矢板31が隣地2の土圧を受けた状態は、その
矢板31の掘削底面を支点とし、矢板31の背面に土圧によ
る荷重Pがかかった片持ち梁とみなすと、矢板31の天端
のたわみ量δ1は、δ1=P・H4/30EIで表わされる。
ここで、図5の左図の矢板31のたわみ量の大小は、その
矢板31の曲げ剛性EIに依拠するので、土圧(荷重P)、
或は、掘削深さHが大きくなると、たわみ量δ1は増々
大きくなることになる。
【0019】これに対し、図5の右図は、本発明工法で
あるが、ここでは隣地2の土圧を支える矢板3と補強構
造体STとが合体して結合一体化状態にあるので、矢板3
と補強構造体STが一体となった全体の曲げ剛性EIは、図
5の左図の場合に比べ相当に大きくなる。本発明工法に
おいては、矢板3と補強構造体STによる全体の曲げ剛性
EIが大きいので、掘削深さH、土圧(荷重P)が図5の
左図と同じであれば、たわみ量δ1は、曲げ剛性EIが大
きい分、逆に小さくなる。
【0020】次に、従来工法と本発明工法における掘削
底面1での矢板31と矢板3のたわみ量δ2、このたわみ
角による矢板31と矢板3の夫々の天端の変位δ3とを、
図6を参照しつつ考察してみる。図6の従来工法,本発
明工法とも、矢板31及び3の背面に土圧Pがかかると、
掘削底面1における矢板31,3のたわみ量δ2は、δ2=
(1+βho)/2EIβ3・Pの式から求められる。こ
こで、従来工法における地盤中の矢板31に前記土圧Pに
よる曲げモーメントMが作用しても、その矢板31には鉛
直抵抗力が殆んど作用しないのに対し、本発明工法で
は、構造体STに前記曲げモーメントMが作用すると当該
構造体STが地盤の垂直抵抗力Qを受け、これがこの矢板
3の掘削底面1におけるたわみを抑制乃至は阻止する作
用をするので、このたわみ量δ2は著しく小さくなる。
【0021】前記掘削底面1における上記矢板31,3の
たわみによる矢板31と矢板3のたわみ角による矢板天端
の変位δ3は、δ3=(1+2βho)/2EIβ2PHで表
わされるが、従来工法の矢板31は掘削底面1におけるた
わみ角が大きいことによって矢板31はその天端での変位
δ3も大きくなるが、本発明工法の矢板3は上記のよう
にたわみ量δ2が著しく小さいので、これによる矢板天
端の変位δ3が大きくなることはない。本発明工法にお
いて、矢板3の掘削底面1におけるたわみ量δ2、及
び、このたわみ量δ2による矢板天端の変位δ3が小さい
のは、本発明工法における矢板3の前面にその矢板3と
一体化された補強構造物STが掘削底面1の上にあるた
め、その構造物STに地盤抵抗が作用して前記たわみ量δ
2を小さく押さえ込むからである。
【0022】上記のように、本発明土留工法では、自立
式矢板3の前面に、その補強構造体STを結合一体化した
のと同視できる合体状態で設けることにより、切梁やア
ンカーを用いなくても、それらを使用した従来の切梁式
やアンカー式の矢板土留工法に殆んど遜色ない土留効果
を発揮させることができる。このような効果が得られる
矢板の補強構造体STの設置工法としては、先に図7によ
り説明した施工形態のほか、図8に例示した施工形態と
することができる。
【0023】図8に例示した本発明構造体STの施工形態
は、掘削地と隣地の境界に打設した鋼矢板3の前面(掘
削領域側)に、図7の実施例における柱部材6に代え
て、親杭10を打設し、各親杭10の間に図7の梁部材7aに
代わる横矢板11を入れて掘削領域側の土留締切りを行
い、矢板3と横矢板11の間を逐次掘下げて行って両部材
3,11の間を結合梁部材8と梁部材7bにおいて結合一体
化状態に合体させ、この後、掘削領域1′の掘削をして
その土砂を取除く。
【0024】図8の施工方法によると、本発明構造体ST
の柱部材が親杭10として設けられ地中に根入れされるの
で、構造体STの底版9が掘削底面1に載置されただけの
図7の例に比べると、土留効果はより大きくなる。
【0025】上記のように構成される本発明土留工法に
使用する補強構造体STは、いわば立体的な梯子形態であ
るから、各段の結合梁部材8の間に足場板12を配置する
と、各段の足場板12は作業員などの通路として利用する
ことができる(図3参照)。従って、本発明補強構造体
STを矢板3の補強体として設置すれば、従来工法では不
可欠であった足場を別途設ける必要が無くなる。
【0026】以上に説明した本発明土留工法に用いる矢
板補強用構造体STは、図9に例示した形態、或は、図10
〜図12により説明する形態のものもある。以下、この点
について説明する。図9〜図12において、図1〜図8と
同一部材,同一部位は同じ符号を使用する。
【0027】図9に示す例は、矢板3の前面側に、柱部
材6,6′を前後に有する補強構造体STを形成したもの
で、この構造体STの背面側の複数段の梁部材7bは矢板3
の前面に当接させられた腹起し部材としても機能する。
【0028】図10〜図12の補強構造体STは、打設された
鋼矢板3の適宜本数単位で、図12の例では6〜7本単位
でこれらの矢板3の前面側に、柱部材6,梁部材7a,7
b,8による構造体を形成すると共に、この構造体の底
部に、側断面が略クランク状をなす基礎プレート13を設
けて補強構造体ユニットSUに形成し、この構造体ユニッ
トSUを矢板3の前面側と合体状態で配置するようにした
ものである。なお、図12においてRjは、前記ユニットSU
の背面と矢板3の前面との合体部材である。
【0029】図10〜図12に示した各構造体ユニットSUに
おいて、基礎プレート13は、構造体の前面下部に当てが
われる垂直板部材13aと、構造体の底部に下面から当て
がわれる底版13bと、地盤中の矢板3の前面に対面した
地中板部材13cとが、側断面の略クランク状に組立てら
れて、この構造体ユニットSUの下部に配置される。基礎
プレート13を用いる構造体では、使用する柱部材6,梁
部材7a,7b,8が、図1〜図4で説明した先の例の柱部
材6や梁部材7a,7b,8より軽量タイプのもので足り
る。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上の通りであって、従来の矢
板を用いる土留工法においては、掘削深さが深い場合に
は、切梁やアンカーを用いて隣地の土圧を支える施工形
態であったため幾つもの問題があったが、本発明工法に
よれば切梁やアンカーを使用しなくても矢板のたわみ量
を抑制した矢板式土留を施工できる。この結果、切梁や
中間杭、或は、アンカーの使用を不可欠とする従来工法
の問題点が解決できると同時に、仮設土留工事のコスト
を大巾に削減でき、本体構造物の施工性も良好になる。
また、本発明工法では使用する補強構造体が従来の仮設
工に不可欠であった仮設足場を兼用するので、仮設足場
の設置手間やコストの削減にも大きく寄与し、仮設工事
全体の手間やコスト面できわめて高い経済性が得られ
る。
【0031】更に、本発明工法では、切梁やアンカーを
使用しなくても、従来の切梁式土留工法やアンカー式土
留工法に遜色ない土留効果が得られるから、切梁の設置
や盛り替え、中間杭の打設、アンカーの打込みが不要と
なるのであって、これにより仮設工事自体の施工手間を
省力化できるのである。特に、切梁と中間杭を使用しな
いことにより、本体構造物の施工の障害となる物がなく
なり、仮設工事との段取りも不要となって、本体工事の
良好な施工性が確保でき、掘削工事自体の工期の短縮も
図ることができる。なお、本発明工法は、掘削深さがさ
らに深くなる場合など、必要に応じて補足的に必要最小
限の切梁やアンカーを兼用することを排除するものでは
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明土留工法を実施した例を模式的に示した
側断面図。
【図2】図1の斜視図。
【図3】図2の正面図。
【図4】本発明土留工法の矢板と本発明補強構造体に作
用する力を説明するための断面図。
【図5】在来土留工法と本発明土留工法に使用した矢板
頭部(天端)のたわみ量の違いを説明するための説明
図。
【図6】在来土留工法と本発明土留工法における掘削底
面での矢板のたわみ量の違いを説明するための説明図。
【図7】本発明土留工法に使用する補強構造体の設置形
態の一例を説明するための断面図。
【図8】図7に同じく補強構造体の設置形態の他の例を
説明するための断面図。
【図9】本発明補強構造体の他の例を説明するための断
面図。
【図10】本発明土留工法に使用する補強構造体の別の例
を説明するための断面図。
【図11】図10の構造体の平面図。
【図12】図10の部分の拡大図。
【図13】従来の切梁式土留工法を説明するための断面
図。
【図14】従来のアンカー式土留工法を説明するための断
面図。
【符号の説明】
1 掘削底面 1′ 掘削領域 2 隣地地盤 3 鋼矢板 4,5 仮サポート材 6 柱部材 7a,7b 梁部材 8 結合梁部材 9 底版

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削領域に沿って土留用に打設する鋼矢
    板の前面に、柱部材と梁部材などによって形成した矢板
    補強構造体を、前記矢板に合体させて設置することによ
    り、当該矢板に作用する土圧を前記補強構造体を介して
    基礎地盤に伝達し前記矢板天端のたわみを抑制すると共
    に、当該補強構造体を足場として利用することを特徴と
    する土留工法。
  2. 【請求項2】 打設された鋼矢板の前面側に、その面か
    ら適宜離隔させて立設する複数本の柱部材と、各柱部材
    間に複数段に亘り架設して各柱部材同士を左右で連結す
    る梁部材と、前記柱部材と梁部材の連結体をその後面側
    において前記矢板の前面に結合するための複数段の結合
    梁部材と、該結合梁部材を矢板の前面で支持する支持梁
    部材と、最下の梁部材の下面に配設する底版部材により
    前記矢板の補強構造体を形成し、該補強構造体の前記結
    合梁部材間に足場用踏板部材を架設したことを特徴とす
    る土留工法に使用する補強構造体。
  3. 【請求項3】 支持梁部材は、矢板前面の腹起し部材と
    して機能させる請求項2の補強構造体。
  4. 【請求項4】 柱部材が地盤中に埋設された形態を採る
    請求項2又は3の補強構造体。
  5. 【請求項5】 補強構造体の下部に、当該構造体の底面
    と該底面に連なるその構造体の前面下部及び前記底面の
    後端に連なって地盤中の矢板前面に当接する、側断面が
    略クランク状をなす基礎プレート部材を設けた請求項2
    又は3の補強構造体。
  6. 【請求項6】 補強構造体の柱部材は、当該構造体の前
    後方向に関し少なくとも2列設けた請求項2〜5のいず
    れかの補強構造体。
  7. 【請求項7】 打設した矢板の前面には腹起し部材を配
    設した請求項1又は請求項3〜5のいずれかの補強構造
    体。
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