JP7055500B1 - 部材同士の連結構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合対象の2つの部材において、相互に二次元方向のずれ及び周方向の回転ずれが生じた場合でも、そのずれを許容して部材どうしを連結部品で連結することができる部材どうしの連結構造を提供する。【解決手段】第1部材と第2部材とを連結するための構造として、前記第1部材には、前記の複数の長孔が、中心から径方向外側に伸びる複数の基準線に対し、それぞれ所定の角度で交差するように設けられており、前記第2部材には、前記第1部材の長孔と交差する方向に複数の長孔が設けられ、前記第1部材と、前記第2部材とを重ね合わせた際に、前記第1部材に設けられた複数の長孔と、前記第2部材に設けられた複数の長孔とが重なり合う箇所で連結部品が通され、部材どうしを連結するように構成した連結構造。【選択図】図1

Description

本発明は、部材どうしを連結する構造に関する。例えば、地面に埋設する杭の上端の部材と、建造物の支柱の下端の部材とを連結する構造に関するものであり、農業用温室などの建造物やソーラーパネルの設置用架台などに使用する連結構造に関する。
農業用温室などの建造物やソーラーパネルの設置用架台を設置する際に、基礎として杭を地盤に打ち込んだうえで、杭の上端に設けられた部材と、農業用温室などの建造物やソーラーパネルを支える支柱の下端に設けられた部材と、を連結して組み立てていく方法が採用されている。
杭の埋設方法としては、打ち込み法、螺旋状リブを利用したねじ込み法などが採用されているが、いずれも杭の上端の連結用の部材の中心と、支柱の下端の連結用の部材の中心との間にずれが生じるため、このずれを許容して連結するものが用いられていた。
例えば、特許文献1「部材同士のボルト連結構造」には、杭側ベースプレート(下側)と柱側ベースプレート(上側)とにボルトを通す長孔が備えられ、杭側ベースプレートの長孔と柱側ベースプレートの長孔とは互いに交差する方向を向き、この長孔交差部にボルトが通され、このボルトで前記ベースプレート同士が連結する技術が開示されている。
より具体的には、杭側ベースプレート(下側)の長孔が、略正方形の杭側ベースプレートの端の方に、それぞれ平行に向かい合うようにして2対、合計4個設けられ、柱側ベースプレート(上側)の長孔も、杭側ベースプレートのそれぞれの長孔に1対1に対応して交差するように合計4個設けられている。
しかし、特許文献1に記載の技術では、両ベースプレートにおいて、地面に対して水平な面における二次元方向(以下「水平二次元方向」という)に相対的なずれが発生する場合には、ボルトを通すための、両者の長孔どうしが重なり合う箇所(以下「長孔どうしの重合箇所」又は単に「重合箇所」という)を見出すことができるが、周方向に一定以上の回転ずれが発生した場合には、重合箇所を見出すことができないという不都合があった。
より具体的には、杭側ベースプレートに接合される杭として、打ち込み杭を使用した場合には、相対的な回転ずれが生じないように打ち込めばさほど大きな回転ずれを起こさないで施工できるので重合箇所を見出すことができたが、杭として、地面に回転しながらねじ込んでいくスパイラル状(螺旋状)の羽を備えた杭(以下「スパイラル杭」または「螺旋杭」という)を用いた場合には、かなり大きな回転ずれが発生するため、長孔どうしの重合箇所を見いだせず、ボルト止めできないという不都合である。
なお、スパイラル杭を用いる理由は、スパイラル杭を使用した場合は、地中に安定して設置するための土台としてコンクリートを使う必要がないことや、廃土が発生しないことに加え、押込み応力や引抜き応力にも強く、暴風時の吹き上げにも十分な強度を維持することが可能で、杭のサイズによっては人力での施工も可能というメリットがあるからである。
このため、スパイラル杭を使用した場合において、接合させる2つの部材に回転ずれが発生した場合にも対応できるような技術が必要とされるようになっていた。これに対応する技術として、特許文献2の技術がある。
特許文献2「基礎杭と建造物の支柱との接合構造およびそれに使用する基礎杭」には、下側の基板に径方向中心から伸びる放射線状に間隔を隔てて10個の長孔を備え、上側の取付板に対向状に2個の長孔を備えることにより、それぞれの長孔との重合範囲において、基板と取付板とを固定する技術が開示されている。
特許文献2の技術によれば、接合させる2つの部材に回転ずれが発生した場合でも、長孔どうしの重合箇所を見出すことが可能となる。
特開2005-48537号公報 特開2007-205108号公報
しかし、特許文献2の技術では、下側(杭側)の基板に杭を溶接する関係で、杭の直径より外側に長孔を設ける必要があるが、径方向中心から伸びる放射線状に長孔を配置する関係で、長孔の長さを十分にとることができないことにより、回転ずれ又は及び水平二次元方向に相対的なずれが発生した際のずれ具合によっては、上側の取付板に対向状に設けた2つの長孔との重合箇所を十分に見出すことができない場合もあった。
より具体的には、図2に示すように、径方向中心から伸びるライン11に沿って長孔12を設けるという構成と、杭14を溶接等して接続するための領域を示すライン(2重破線)よりも外側に長孔を設ける必要がある関係で、長孔12の有効長13が制限されるという課題があった。
このため、図4に示すように、下側(杭側)の基板10と上側(支柱側)の取付板20とを組み合わせた際に、水平二次元方向のずれが一定程度発生した場合、支柱側の左側の長孔(L)22および支柱側の右側の長孔(R)23のいずれにも、杭側の長孔12との重合箇所が見いだせない場合があった。
このような場合、上側の取付板に接続された支柱のたわみを利用して、取付板を強制的に移動させ、長孔どうしの重合箇所を作り出したうえで、ボルトで固定するという方法を取らざるを得ない場合もあった。このような場合は、支柱やボルトに常に応力が掛かった状態となるという不都合も生じていた。
また、基板に径方向中心から伸びる放射線状に長孔を設けていることと、取付板に対向状に長孔を設けていることにより、取付用のボルトやナットが緩んだ際に、取付板が長孔の長手方向にずれてしまうという不都合があった。
より具体的には、図5に示すように、長孔が重合する箇所(ボルトを挿入する箇所)が、中心に対し、左右対称な位置関係になり、ボルトが緩んだ際の支柱側の取付板20の可動方向が、左右の重合箇所で同じ方向になるため、取付板20が上下左右にずれてしまうという不都合である。
ここで、「取付板20の可動方向が左右の重合箇所で同じ方向である」とは、左側の重合箇所における杭側の基板10の長孔の向きに対応する可動方向L1(符号51)と、右側の重合箇所における杭側の基板10の長孔の向きに対応する可動方向R1(符号61)が同じ方向であり、かつ、左側の重合箇所における支柱側の取付板20の長孔の向きに対応する可動方向L2(符号52)と、右側の重合箇所における支柱側の取付板20の長孔の向き(長孔の長手方向)に対応する可動方向R2(符号62)が同じ方向であることをいう。
また、下側の基板の長孔と、上側の取付板の長孔の配置が異なるため、基板や取付板の製造工程において、打ち抜き加工を行う場合に、金型が2種類必要になるという不都合もあった。
そこで、本願発明では、従来技術の図2の課題に対しては、図3に示すように、長孔110は、中心から径方向外側に伸びる複数の基準線130に対し、それぞれ所定の角度で交差するように設けて、杭120を溶接する領域を確保しても、長孔の有効長Leを十分に確保できるようにし、杭側の部材と支柱側の部材の回転ずれや水平二次元方向に相対的なずれが発生した場合でも、部材どうしの重合箇所を十分に確保することを目的とする。
また、本願発明では、下側の部材の長孔と、上側の部材の長孔の配置を工夫することで、回転ずれと水平二次元方向に相対的なずれの両方が重複して発生した場合でも、両者の長孔どうしの重合箇所を十分に確保することを目的とする。
また、本願発明では、従来技術の図5の課題に対しては、図6に示すように、長孔が重合する箇所(ボルトを挿入する箇所)を、中心に対し、左右非対称な位置にも見出すことが可能となるようにして、ボルトが緩んだ際の支柱側の第1部材100の可動方向が、左右の重合箇所で別々の方向を向くようにすることで(杭側の第1部材100の長孔の可動方向L1(符号71)と可動方向R1(符号81)とが互いに異なる方向、かつ、支柱側の第2部材200の長孔の可動方向L2(符号72)と可動方向R2(符号82)とが互いに異なる方向)、ボルトが緩んだ場合でも、第2部材200が上下左右にずれないような部材どうしの連結構造を提供することを目的とする。
また、本願発明では、一方の部材の長孔ともう一方の部材の長孔を、それぞれ左右に反転した形状とすることで、一方の部材の長孔と、もう一方の部材の長孔を設けるための製造工程において、共通の金型を利用できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するために、第1の発明は、第1部材と第2部材とを連結するための連結構造であって、前記第1部材には、前記の複数の長孔が、間隔を隔てて設けられた中心から径方向外側に伸びる複数の基準線に対し、それぞれ所定の角度で交差するように設けられており、前記第2部材には、前記第1部材の長孔と交差する方向に複数の長孔が設けられ、前記第1部材と、前記第2部材とを重ね合わせた際に、前記第1部材に設けられた複数の長孔と、前記第2部材に設けられた複数の長孔とが重なり合う箇所で連結部品が通され、部材どうしを連結することが望ましい。
ここで例えば、第1部材の下面には地中に埋設する杭が溶接等され、第2部材の上面には支柱が溶接等された場合に、杭を埋設した際に、杭と支柱のずれ(回転ずれ、及び水平二次元方向のずれ)が生じた場合でも、第1部材の長孔の有効長を十分にとることができるので、第1部材と第2部材のそれぞれの重合箇所を確実に見出すことが可能となる。
第2の発明は、第1の発明に記載の連結構造において、前記第1部材には、第1~第n(nは2以上の整数)の複数の長孔が設けられ、第1の長孔は、第nの基準線に対して所定の角度β1だけ回転させた、中心から径方向外側に伸びる第1の基準線に対し、所定の角度α1で交差するように設けられており、第2の長孔は、前記第1の基準線に対して所定の角度β2だけ回転させた、中心から径方向外側に伸びる第2の基準線に対し、所定の角度α2で交差するように設けられており、以降順次設けられる第nの長孔は、第(n-1)の基準線に対して所定の角度βnだけ回転させた、中心から径方向外側に伸びる第nの基準線に対し、所定の角度αnで交差するように設けられており、前記第2部材には、前記第1の部材の長孔と交差する方向に複数の長孔が設けられ、前記第1部材と、前記第2部材とを重ね合わせた際に、前記第1部材に設けられた複数の長孔と、前記第2部材に設けられた複数の長孔とが重なり合う箇所で連結部品が通され、部材どうしを連結することができる。
第3の発明は、第2の発明に記載の連結構造において、前記第1部材における、前記のα1、α2、・・・、αnの角度がそれぞれ等しくαであり、前記のβ1、β2、・・・、βnの角度がそれぞれ等しくβであることにより、前記第1部材には、中心角βで等間隔に並ぶ、中心から径方向外側に伸びる第1~第nの基準線に対し、第1~第nの長孔が、所定の角度αで交差するように設けられ、各長孔の配置が全体として風車状である。
第4の発明は、第3の発明に記載の連結構造において、角度α1~αn又はαが20~70度又は110~160度である。
第5の発明は、第3~4の発明のいずれか1つに記載の連結構造において、前記の角度β1~βn又は角度βが概ね60度、51.4度、45度、40度、36度であることにより、前記第1部材の長孔の数nが、それぞれの角度に応じて、6個~10個である。
第6の発明は、第1~5の発明のいずれか1つに記載の連結構造において、前記第2部材には、前記の複数の長孔が、中心から径方向外側に伸びる複数の基準線に対し、それぞれ所定の角度で交差するように設けられており、前記第1部材と、前記第2部材とを重ね合わせた際に、前記第1部材に設けられた複数の長孔と、前記第2部材に設けられた複数の長孔とが重なり合う箇所で連結部品が通され、部材どうしを連結することができる。
第7の発明は、第6の発明に記載の連結構造において、前記第2部材の複数の長孔として、
第1~第m(mは2以上の整数)の複数の長孔が設けられ、第1の長孔は、第mの基準線に対して所定の角度δ1だけ回転させた、中心から径方向外側に伸びる第1の基準線に対し、所定の角度γ1で交差するように設けられており、第2の長孔は、前記第1の基準線に対して所定の角度δ2だけ回転させた、中心から径方向外側に伸びる第2の基準線に対し、所定の角度γ2で交差するように設けられており、以降順次設けられる第mの長孔は、第(m-1)の基準線に対して所定の角度δmだけ回転させた、中心から径方向外側に伸びる第mの基準線に対し、所定の角度γmで交差するように設けられており、前記第1部材と、前記第2部材とを重ね合わせた際に、前記第1部材に設けられた複数の長孔と、前記第2部材に設けられた複数の長孔とが重なり合う箇所で連結部品が通され、部材どうしを連結することができる。
第8の発明は、第7の発明に記載の連結構造において、前記第2部材における、前記のγ1、γ2、・・・、γmの角度がそれぞれ等しくγであり、前記のδ1、δ2、・・・、δmの角度がそれぞれ等しくδであることにより、
前記第2部材には、中心角δで等間隔に並ぶ、中心から径方向外側に伸びる第1~第mの基準線に対し、第1~第mの長孔が、所定の角度γで交差するように設けられ、各長孔の配置が全体として風車状である。
第9の発明は、第8の発明に記載の連結構造において、角度γが20~70度又は110~160度である。
第10の発明は、第8~9の発明のいずれか1つに記載の連結構造において、前記の角度δが概ね60度、51.4度、45度、40度、36度であることにより、前記第2部材の長孔の数mが、それぞれの角度に応じて、6個~10個である。
第11の発明は、第1~10の発明のいずれか1つに記載の連結構造において使用される部材であって、前記第2部材と重ね合わせて使用するための前記第1部材、又は及び前記第1部材と重ね合わせて使用するための前記第2部材である。
第12の発明は、第1~10の発明のいずれか1つに記載の連結構造において使用される部材であって、前記第1部材又は第2部材に対して、地中に埋設するための杭が接合された、杭付きの部材である。
本発明によれば、長孔110は、中心から径方向外側に伸びる複数の基準線130に対し、それぞれ所定の角度で交差するように設けられており、杭120を溶接する領域を確保しても、長孔の有効長Leを十分に確保できるので、杭側の部材と支柱側の部材の回転ずれや水平二次元方向に相対的なずれが発生した場合でも、両者の長孔の重合箇所を十分に確保することが可能な、部材どうしの連結構造を提供することができる。
また、本発明の構成によれば、下側の部材の長孔と、上側の部材の長孔の配置を工夫することで、回転ずれと水平二次元方向に相対的なずれが重複して発生した場合でも、両者の長孔の重合箇所を十分に確保することが可能な、部材どうしの連結構造を提供することができる。
また、本発明の構成によれば、長孔が重合する箇所(連結部品を挿入する箇所)を、中心に対し、左右非対称な位置にも見出すことが可能とすることで、ボルト等の連結部品が緩んだ場合でも、第2部材200が上下左右にずれないような部材どうしの連結構造を提供することができる。
また、本発明では、一方の部材の長孔ともう一方の部材の長孔を、互いに左右に反転した形状とすることで、一方の部材の長孔と、もう一方の部材の長孔を設けるための製造工程において、共通の金型を利用することができる。
さらに、本発明の技術を活用すれば、地中に埋設する杭と、建物の支柱とを連結する場合だけでなく、支柱と支柱を連結する場合など、多様な活用が考えられる。
本発明の全体の構成の一例を示す図であって、第1部材と第2部材の連結構造を示す分解斜視図である。 従来技術の課題の一例を示す図であって、径方向中心から伸びるラインに沿って長孔を設けるという性質上、長孔の有効長が制限されることを示す平面図である。 本発明の構成の一例を示す図であって、長孔が、中心から径方向外側に伸びる複数の基準線に対し、それぞれ所定の角度で交差するように設けられることにより、長孔の有効長を十分に確保することができることを示す平面図である。 従来技術の構成の一例を示す図であって、下側(杭側)の基板と上側(支柱側)の取付板とを組み合わせた際に、水平二次元方向のずれが一定程度発生した場合の課題を示す平面図である。 従来技術の構成の一例を示す図であって、ボルト等の連結部品が緩んだ際の支柱側の取付板の可動方向が、左右の重合箇所で同じ方向になることにより、取付板が上下左右にずれてしまうという課題を示す平面図である。 本発明の構成の一例を示す図であって、長孔が重合する箇所(ボルト等の連結部品を挿入する箇所)を、中心に対し、左右非対称な位置にも見出すことが可能となるようにして、ボルト等の連結部品が緩んだ場合でも、第2部材が上下左右にずれないようにすることができることを示す平面図である。 本発明の第1部材の構成の一例を示す図であって、複数の長孔が、中心から径方向外側に伸びる複数の基準線に対し、それぞれ所定の角度で交差するように設けられることを示す平面図である。 本発明の第2部材の構成の一例を示す図であって、複数の長孔が、中心から径方向外側に伸びる複数の基準線に対し、それぞれ所定の角度で交差するように設けられることを示す平面図である。 本発明の第1部材および第2部材の構成の一例を示す図であって、例えば、基準線と長孔とがなす角度(αおよびγ)が概ね45度で、基準線どうしがなす角度(βおよびδ)が概ね45度であることにより、8個の長孔で構成された場合において、第1部材には杭が接続され、第2部材には支柱が接続された場合の構成を示す平面図である。 本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向のずれや回転ずれがない状態における、本発明の第1部材および第2部材を組み合わせた場合の様子を示す図であって、第1部材に設けられた複数の長孔と、第2部材に設けられた複数の長孔とが重なり合う箇所(重合箇所)の様子を示す平面図である。ここで、図10(A)は、上側(支柱側)の第2部材の長孔を実線で示し、杭側の第1部材の長孔を破線で示した図である。また、図10(B)は、重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所を灰色の領域で示した図である。 本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向にずれが発生した場合における、本発明の第1部材および第2部材を組み合わせた場合の様子を示す図であって、第1部材に設けられた複数の長孔と、第2部材に設けられた複数の長孔との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所を灰色の領域で示した平面図である。ここで、図11に向かって上下方向をY軸、左右方向をX軸とした場合において、図11(A)は、第1部材と第2部材が水平二次元方向(Y軸方向)にずれた場合の様子を示す図であり、図11(B)は、水平二次元方向(X軸方向)にずれた場合の様子を示す図である。 本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向にずれがなく、例えば、杭側の第1部材に約20度の回転ずれが発生した場合における、本発明の第1部材および第2部材を組み合わせた場合の様子を示す図であって、第1部材に設けられた複数の長孔と、第2部材に設けられた複数の長孔との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所を灰色の領域で示した平面図である。 本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向にずれが発生し、かつ、回転ずれが発生した場合における、本発明の第1部材および第2部材を組み合わせた場合の様子を示す図であって、第1部材に設けられた複数の長孔と、第2部材に設けられた複数の長孔との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所を灰色の領域で示した平面図である。ここで、図13(A)は、回転ずれに加え、第1部材と第2部材が水平二次元方向(Y軸方向)にずれた場合の様子を示す図であり、図13(B)は回転ずれに加え、水平二次元方向(X軸方向)にずれた場合の様子を示す図である。 本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向(Y軸方向)に、大きなずれが発生した場合における、本発明の第1部材および第2部材を組み合わせた場合の様子を示す図であって、第1部材に設けられた複数の長孔と、第2部材に設けられた複数の長孔との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所を灰色の領域で示した平面図である。 本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向(X軸方向)に、大きなずれが発生した場合における、本発明の第1部材および第2部材を組み合わせた場合の様子を示す図であって、第1部材に設けられた複数の長孔と、第2部材に設けられた複数の長孔との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所を灰色の領域で示した平面図である。 本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向(Y軸方向)にずれが発生し、かつ、杭側の第1部材に約20度の回転ずれが発生した場合における、本発明の第1部材および第2部材を組み合わせた場合の様子を示す図であって、第1部材に設けられた複数の長孔と、第2部材に設けられた複数の長孔との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所を灰色の領域で示した平面図である。 本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向(X軸方向)にずれが発生し、かつ、杭側の第1部材に約20度の回転ずれが発生した場合における、本発明の第1部材および第2部材を組み合わせた場合の様子を示す図であって、第1部材に設けられた複数の長孔と、第2部材に設けられた複数の長孔との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所を灰色の領域で示した平面図である。 本発明の図9の変形例の一例を示す図であって、例えば、基準線と長孔とがなす角度(α1~αnおよびγ1~γm)が概ね30度である場合の平面図である。 本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向のずれや回転ずれがない状態における、図18に示した第1部材と第2部材とを組み合わせた場合の様子を示す図であって、第1部材に設けられた複数の長孔と、第2部材に設けられた複数の長孔との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所を灰色の領域で示した平面図である。 本発明の第1部材と第2部材の長孔の配置について、様々な構成をとることが可能であることを示す図であって、例えば、基準線と長孔とがなす角度(α1~αnおよびγ1~γm)が概ね52.5度で、基準線どうしがなす角度(β1~βnおよびδ1~δm)が概ね51.4度であることにより、7個の長孔で構成された場合の構成を示す平面図である。 本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向のずれや回転ずれがない状態における、図20に示した第1部材と第2部材とを組み合わせた場合の様子を示す図であって、第1部材に設けられた複数の長孔と、第2部材に設けられた複数の長孔との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所を灰色の領域で示した平面図である。 本発明の第1部材と第2部材の長孔の配置について、様々な構成をとることが可能であることを示す図であって、例えば、基準線と長孔とがなす角度(α1~αnおよびγ1~γm)が概ね60度で、基準線どうしがなす角度(β1~βnおよびδ1~δm)が概ね60度であることにより、6個の長孔で構成された場合の構成を示す平面図である。 本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向のずれや回転ずれがない状態における、図22に示した第1部材と第2部材とを組み合わせた場合の様子を示す図であって、第1部材に設けられた複数の長孔と、第2部材に設けられた複数の長孔との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所を灰色の領域で示した平面図である。 本発明の第1部材や第2部材の外形について、様々な構成をとることが可能であることを示す図であって、例えば、外形が概ね8角形で構成された場合の構成を示す平面図である。 本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向のずれや回転ずれがない状態における、図9(A)に示した第1部材と、図11(B)に示した第2部材とを組み合わせた場合の様子を示す平面図である。このうち図25(A)は杭側の第1部材の長孔を薄い灰色の線で示し、支柱側の第2部材の長孔を実線で示した図である。図25(B)は、第1部材に設けられた複数の長孔と、第2部材に設けられた複数の長孔との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所を灰色の領域で示した平面図である。 本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向のずれや回転ずれがない状態における、図9(A)に示した第1部材と、(図4に示した従来技術の支柱側の取付板20のように)長孔が対向状に2個設けられたタイプの第2部材と、を組み合わせた場合の様子を示す平面図である。杭側の第1部材の長孔を薄い灰色の線で示し、支柱側の第2部材の長孔を実線で示した図である。 本発明の第1部材と第2部材による連結構造の施工状態を示す斜視図である。
<用語の説明>
◇柱又は支柱とは、温室などの建造物やソーラーパネルなどの構造物を支えるための、一定の長さを有するパイプ状の部品であって、断面が略円形、略長方形などの形状を有している。軽量化と強度を保つため内部が中空で、金属製のものが用いられるが、これに限定されない。
◇杭とは、地面に埋設して建造物や構造物を支える部品であって、大きく分けて、打ち込み杭と、螺旋状リブを備えて回転させることで地面にねじ込んでいく螺旋杭(スパイラル杭)とがある。打ち込み杭は、重機などで打撃により地面に打ち込んでいく必要があるのに対し、螺旋杭の方は、重機はもちろん、直径や長さによっては人力で工具を用いて地面にねじ込んでいく方法を取ることもできる。
杭の直径は、支える建造物や構造物の大きさや質量に応じて自由に選択されるが、温室やソーラーパネルの基礎として用いる場合は6~12cmが採用されることが多い。また、杭の長さも、支える建造物や構造物の大きさや質量に応じて自由に選択され、1m~4m程度が採用されることが多い。
螺旋杭は、コンクリート工事を必要とせず、押込み(沈み込み)や引き抜きに強いという性質がある。
◇部材とは、杭や支柱などの端に溶接又は接着等して接続するための、所定の厚みを持った板金状の、金属製又は強固な樹脂製の部品であって、部材どうしをボルト等の連結部品で連結することで、杭と支柱、又は支柱と支柱を連結する部品である。
外形が円盤状の部材はフランジと呼ばれることもあるが、本発明の第1部材、第2部材の外形は円形のほか、多角形など様々な形状であっても構わない。
◇部材の中心とは、部材の外周の外形が円形である場合の中心のほか、外形が多角形である場合の重心点であってもよい。
◇部材の半径とは、部材の外周の外形が円形である場合の中心から外周までの距離のほか、外形が多角形である場合の重心点から外周までの距離であってもよい。
◇部材どうしの連結部品とは、ボルトとナットのほか、ねじその他、部材どうしを連結できる部品であれば何でも構わない。
◇長孔とは、一定の長さを有する穴であって、主に、半円と半円を長方形でつなげたような形状をした孔(以下「丸長孔」という)をいうが、一定の幅と一定の長さ(有効長)を有する形状であれば足り、長孔の端部は半円のほか多角形状の形状であっても良い。また、長孔全体として、概ね四角形や平行四辺形を含む略長方形のほか、楕円形などの形状であっても構わないし、長手方向に直線的に伸びる形状のほか、多少湾曲したバナナ状の形状であっても構わない。
長孔は、金型などを作成して、プレス機械などで打ち抜き加工で設けるほか、NCマシンによる切削加工で設けるようにしても良い。
部材に複数の長孔を設けて、部材を組み合わせた際に、長孔どうしの重合箇所にボルト等の連結部品を通して連結することができる。
◇重合箇所とは、部材を組み合わせた際に、2つの部材の長孔どうしが重なり合う箇所をいう。ボルト等の連結部品の径を超える幅で重合している個所と、ボルト等の連結部品の径を下回る幅で重合している個所が生じるが、2つの部材を連結するためには、ボルトの径を超える範囲で重合している必要があり、本発明の図面では、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所を灰色で示している。
◇水平二次元方向のずれとは、部材どうしが、同じ水平面上で、X軸方向、Y軸方向の二次元方向にずれることをいう。X軸方向とは、部材を上から見た場合の左右方向を意味し、Y軸方向とは部材を上から見た場合の上下方向を意味する。なお、同じ水平面でのずれを考慮したのは、部材に溶接等された杭を地面に埋設する際に、鉛直方向に正確に埋設すること、および、部材どうしが接する高さを合わせることは十分可能であることによるものである。
◇回転ずれとは、部材が軸回りに回転することで、部材どうしが相対する角度が所定の角度からずれることをいう。主に、螺旋杭を用いた場合において、杭側の部材の高さを螺旋杭の回転によって調整する際に、回転ずれが生じる。
以下、本発明の実施例について説明する。
なお、説明中の第1部材や第2部材の長孔の形状や配置、および外形の形状、あるいは杭や支柱の形状はあくまで例示であって、他の形状や配置にも適用できる。
また、第1部材、第2部材には、地中に埋設するための杭、又は農業用温室などの建造物やソーラーパネルを支える支柱を接続することができる。
以下の説明では、説明の便宜上、主に、第1部材には杭を接続し第2部材には支柱を接続した例によって説明するが、第1部材に支柱を接続し第2部材に杭を接続しても良く、あるいは、第1部材、第2部材共に支柱を接続して支柱どうしを連結する用途に用いても良い。
1.本発明の第1部材と第2部材による連結構造の全体概要
まず、図1を用いて、本発明の第1部材と第2部材による連結構造の全体概要について説明する。
図1によれば、杭側1に、螺旋状リブ170を備えた杭120、及び杭の上端に接続された第1部材100と、第1部材に設けられた複数の長孔110が示されている。また、支柱側2に、支柱220および、支柱の下端に接続された第2部材200と、第2部材に設けられた複数の長孔210が示されている。
第1部材の複数の長孔110と、第2部材の複数の長孔210は、所定の位置で重合して、複数の重合箇所300を見出すことができ、数カ所の重合箇所300にボルト等の連結部品400を通して、第1部材100と第2部材200とを、ナット等410で固定することができる。
杭120の例としては、螺旋状リブ170を備えた螺旋杭を例にしたが、螺旋状リブを備えない打ち込み杭を利用することもできる。
2.本発明の構成について
2-1.本発明の第1部材の構成について
次に、本発明の第1部材100について、図7を用いて説明する。
図7は、本発明の第1部材100の構成の一例を示す図であって、複数の長孔が、中心から径方向外側に伸びる複数の基準線に対し、それぞれ所定の角度で交差するように設けられていることを示す平面図である。
第1の長孔110-1は、第1の基準線130-1に対し、所定の角度α1で交差するように設けられている。
また、第2の長孔は、第1の基準線130-1から時計回りに角度β2だけ回転させた第2の基準線130-2に対し、所定の角度α2で交差するように設けられている。
そして、同様に、順次、中心から径方向外側に伸びる基準線に対し、所定の角度で交差するように長孔が設けられており、第nの長孔110-nが、第(n-1)の基準線に対し角度βnだけ回転させた第nの基準線に対し(βnは図示せず)、所定の角度αnで交差するように設けられている(nは2以上の整数)。
従って、本発明の構成によれば、杭を溶接等して接続するための領域よりも外側に長孔を設ける制約があっても、長孔110の有効長Leを長くとることができるという効果を奏する(以下「第1の効果」という)。
その結果、図2で示した従来技術における長孔の有効長に制限があるという課題を、図3に示すような形で解決することができることになる。
ここで、中心から径方向外側に伸びる基準線130と長孔110との位置関係は、長孔110の有効長Leを適宜調整したうえで、長孔110どうしが重複しない範囲で、適宜調整することができ、例えば、長孔の長手方向の中心線が、中心から径方向外側に伸びる基準線130と交差する位置が、中心150から距離Laの位置であって、長孔の有効長Leのうち長孔の端から距離Lcの位置で交差するように設けることができる。
長孔110が基準線130と交差する角度α1~αn、中心から径方向外側に伸びる基準線130どうしがなす角度β1~βnは、長孔110の有効長Leを適宜調整したうえで、長孔110どうしが重複しない範囲で、かつ、第1部材に接続する杭(図示せず)と干渉しない範囲で、任意の数値を取ることができるし、各長孔の有効長Leや、長孔の長手方向の中心線と交差する中心からの距離Laもそれぞれの長孔ごとに異なる数値を採用しても良い。
また、長孔110が基準線130と交差する角度α1~αnは、それぞれが異なっていても良いし、すべて同一であっても良い。また、中心から径方向外側に伸びる基準線130どうしがなす角度β1~βnは、それぞれが異なっていても良いし、すべて同一であっても良い。
また、長孔110が基準線130と交差する角度α1~αnは、基準線130に対し、長孔110が、ある程度の角度で交差することで、十分な有効長を確保することができるという観点から、概ね20~70度又は110~160度を採用することが望ましい。
ここで、概ね90度±20度を除いたのは、第1部材の長孔どうしが干渉する位置関係になることを避ける必要があることと、第2部材の長孔と一定の角度で交差させる必要があることによるものである。
中心から径方向外側に伸びる基準線130どうしがなす角度β1~βnは、長孔110を何個設けるかと表裏一体となり、例えば、角度β1~βnがすべて等しい設定とし、36度に設定した場合には長孔110の数は10個(この場合n=10)、45度に設定した場合には長孔110の数が8個(この場合n=8)、60度に設定した場合には長孔110の数は6個(この場合n=6)になる。
また、第1部材100の大きさ(直径=半径Lb×2)や、長孔110の有効長Leは、連結構造の用途によって任意の値を取り得るが、例えば、温室やソーラーパネルの基礎用の杭及び支柱として用いる場合は、第1部材100の直径(=半径Lb×2)が20~25cm程度、その際の長孔110の有効長Leは6~8cmに設定することができる。
また、長孔110の幅Ldも、ボルト等の連結部品400の直径に合わせて任意の値を取り得るが、12~20mmに設定することができる。
また、部材の厚みは、必要な強度に応じて適宜選択され、数mm~15mm程度に設定することができる。
なお、第1部材の外形は、簡便のため、円形で記載したが、これに限定されるものではなく、4~10角形などの多角形、及びその他の形状を適宜用いることができる。
このように、長孔110が基準線130と交差する角度α1~αn、中心から径方向外側に伸びる基準線130どうしがなす角度β1~βnをはじめ、長孔110の有効長Le、部材の大きさ(Lb)、長孔と基準線の位置関係(La、Lc)などの各パラメータは様々な値を取り得るものであって、上記の説明および、後述の説明に限定されるものではない。
2-2.本発明の第2部材の構成について
次に、本発明の第2部材200について、図8を用いて説明する。
図8は、本発明の第2部材200の構成の一例を示す図であって、複数の長孔が、中心から径方向外側に伸びる複数の基準線に対し、それぞれ所定の角度で交差するように設けられていることを示す平面図である。
第1部材単独の効果(第1の効果)によっても十分な効果があるので、第2部材の長孔210は、第1部材の長孔110と組み合わせた際に、適宜、所定の角度で交差する位置にくるように設ければそれで足りる(前記の第1~第5の発明を参照)。
もっとも、好ましくは、第2部材200として、第1部材100と同様の構成を採用することができ、例えば、図8のような構成を採用することができる(前記の第6~第10の発明を参照)。
図7と図8の違いは、図7における長孔110と基準線130とが交差する角度α1~αnに対し、図8における長孔210と基準線230とが交差する角度γ1~γmが、基準線に対して、左右に反転した関係になっていることである。
なお、左右に反転した関係とは、基準線となす角度の測り方が、基準線に対して相互に左右対称(基準線に対して相互に逆方向に向かう角度)という意味であって、αとγとが同じ角度で左右対称であることを含むが、必ずしも同じ角度で左右対称である必要はない(図25参照)。
このような構成により、第1部材100と第2部材200とを組み合わせた際に、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210とが、確実に所定の角度で交差するようにすることができるという効果を奏する(以下「第2の効果」という)。この点は、後掲の図10(A)の説明箇所で詳述する。
また、第1部材100と第2部材200の長孔の数は、互いに異なっていても構わないので(図25参照)、長孔の数も第1部材100ではn個、第2部材ではm個に設定されており、これに付随して、基準線の数も第1部材ではn本であるのに対し、第2部材ではm本に設定されている(mは2以上の整数)。
なお、mとnは同一であっても良いし、異なっていても良い(図25、図26参照)。
また、同様に、第1部材100における中心から径方向外側に伸びる基準線130どうしがなす角度β1~βnと、第2部材における中心から径方向外側に伸びる基準線230どうしがなす角度δ1~δmとは(δmは図示せず)、それぞれ異なっていても良く、同じ長孔の数を設ける場合には、同じ角度にしても良い。
また、長孔210が基準線230と交差する角度γ1~γmは、基準線230に対し、長孔210が、ある程度の角度で交差することで、十分な有効長を確保することができるという観点から、概ね20~70度又は110~160度を採用することが望ましい。
ここで、概ね90度±20度を除いたのは、第2部材の長孔どうしが干渉する位置関係になることを避ける必要があることと、第1部材の長孔と一定の角度で交差させる必要があることによるものである。
ここで、第1部材100と第2部材200とを組み合わせた場合に、両者の長孔どうしが重合する箇所において、長孔どうしが交差する角度(図10(A)のθ1、θ2参照)は、所定の範囲内の角度であるほうが(例えば、略90度±45度)、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所を見出しやすいという傾向がある。


これは、例えば、角度αとして概ね20~70度に設定した場合に、角度γを110~160度にすると、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210とがほぼ同じ方向(長孔の長手方向の向きがほぼ同じ方向)を向いてしまい、長孔どうしの重合箇所として、長孔どうしが一定の角度で交差する関係になりにくいことによるものである。
同様に、角度αとして概ね110~160度に設定した場合は、角度γも概ね110~160度に設定することが望ましい。
また、中心から径方向外側に伸びる基準線230と長孔210との位置関係は、長孔210の有効長Le′を適宜調整したうえで、長孔210どうしが重複しない範囲で、適宜調整することができ、例えば、長孔の長手方向の中心線が、中心から径方向外側に伸びる基準線230と交差する位置が、中心250から距離La′の位置であって、長孔の有効長Le′のうち長孔の端から距離Lc′の位置で交差するように設けることができる。
また、長孔210が基準線230と交差する角度γ1~γm、中心から径方向外側に伸びる基準線230どうしがなす角度δ1~δmは、長孔210の有効長Le′を適宜調整したうえで、長孔210どうしが重複しない範囲で、かつ、第2部材に接続する支柱(図示せず)と干渉しない範囲で、任意の数値を取ることができるし、各長孔の有効長Le′や、長孔の長手方向の中心線と交差する中心からの距離La′もそれぞれの長孔ごとに異なる数値を採用しても良い。
その他、図8に記載された各符号のパラメータは、図7と同様に、任意の値を取り得る。
なお、第2部材200の外形の形状も、第1部材100の外形の形状と同じでもよいし、異なっていても構わない。
また、第2部材200の大きさ(直径=半径Lb′×2)も、第1部材100の外形の大きさと同じでもよいし、異なっていても構わない。
また、部材どうしを組み合わせて温室等を建設する場合において、両者の部材どうしのずれ具合を目視で確認しながら作業するという観点からは、上側(支柱側)の第2部材200の大きさを、下側(杭側)の第1部材200よりも少し小さめに設定する方が望ましい。
2-3.本発明の第1部材と第2部材の典型例について
次に、本発明の第1部材と第2部材の典型例について、図9を用いて説明する。
図9(A)は、例えば、第1部材100において、基準線130と長孔110とがなす角度(α1~αn)が同一の角度αとなっており、角度αが概ね45度であり、基準線130どうしがなす角度(β1~βn)が概ね45度であることにより、8個の長孔で構成され、外観上、風車状の形状となっている構成例を示した平面図である。
図9(B)は、例えば、第2部材200において、基準線230と長孔210とがなす角度(γ1~γm)が同一の角度γとなっており、角度γが概ね45度であり、基準線230どうしがなす角度(δ1~δm)が概ね45度であることにより、8個の長孔で構成され、長孔の配置が全体として風車状の形状になっている構成例を示した平面図である。
ここで、図9(A)の第1部材100には、地面に埋設して固定するための杭120が溶接等により接続された様子が示され、図9(B)の第2部材200には、温室等の建造物の支柱220が溶接等により接続された様子が示されている。
また、図9(A)の中心円160、図9(B)の中心円260は、それぞれ、杭120や支柱220を溶接等するための治具に取り付けるための位置決めの役割、又は及び、杭120や支柱220を溶接等して接続した後に、防錆剤や塗料の入った槽に浸して、杭や支柱の内部にまで防錆剤や塗装を行き渡らせた後に、防錆剤や塗料を抜くための役割を有している。
なお、図9(A)の第1部材100と図9(B)の第2部材200は、長孔の配置が相互に反転する関係にあり、同じ金型で打ち抜き加工することができるという効果を奏する(以下「第3の効果という」)。
これは、各部材の外形の形状や大きさが異なっている場合でも同様である。
3.本発明の第1部材と第2部材を組み合わせた時の作用効果について
以上のように、本発明の第1部材100と第2部材200の長孔の構成は多様な態様を取り得るが、説明の便宜のため、図10に示した、8個の長孔で構成される第1部材と第2部材の典型例を中心として、本発明の第1部材と第2部材を組み合わせた時の作用効果について、以下説明する。
3-1.水平二次元方向のずれや回転ずれがない場合
まず、図10を用いて、本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向のずれや回転ずれがない状態における、本発明の第1部材および第2部材を組み合わせた場合の作用効果について説明する。
図10(A)は、上側(支柱側)の第2部材の長孔210を実線で示し、杭側の第1部材の長孔110を破線で示した平面図である。図10(B)は、長孔どうしの重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300を灰色の領域で示した平面図である。
ここで、前述の第2の効果について改めて確認してみると、次のように説明することができる。
まず、前提として、第1部材100における基準線と長孔とがなす角度αと、第2部材200における基準線と長孔がなす角度γとは、基準線に対して相互に反転する関係になっていることが確認できる(図7の角度α1と図8の角度γ1を参照)。
そして、このことにより、図10(A)に示すように、第1部材100と第2部材200とを組み合わせた際に、両者の長孔どうしが、所定の角度(θ1、θ2など)で交差するようにすることができることが分かる。
そして、中心から径方向外側に伸びる基準線に対し、所定の角度で交差するように設けられていることにより、第1部材及び第2部材のそれぞれの長孔の有効長を十分に確保することができるという第1の効果、さらに、第1部材と第2部材の長孔の位置関係が所定の角度で交差しやすくすることができるという第2の効果、の相乗効果により、長孔どうしの重合箇所を一層見出しやすくするという効果を奏する(以下、「第1の効果と第2の効果による相乗効果」という)。
従って、例えば、水平二次元方向のずれや回転ずれがない場合には、図10(B)によれば、ボルト等の連結部品を通すことができる長孔どうしの重合箇所300は、それぞれの第2部材の長孔210に対し、2か所程度見出すことができていることが分かる。
また、この場合、全部で長孔8個×2か所で16か所の重合箇所300があり、例えば、重合箇所300-1に対して、左右対称な位置である重合箇所300-2以外に、左右非対称な位置である重合箇所300-3、あるいは重合箇所300-4などの重合箇所も見出すことができるという効果を奏する(以下「第1の効果と第2の効果による相乗効果による波及効果」という)。
この結果、図5を用いて説明した従来技術の課題に対して、図6のような課題解決を行うことができることになる。
また、第1の効果と第2の効果による相乗効果により、従来技術の課題であった、水平二次元方向のずれや回転ずれが一定以上発生した場合に、長孔どうしの重合箇所を十分に見出すことができないという課題(図4参照)を解決することができるので、以下説明する。
3-2.水平二次元方向のずれがある場合
次に、図11を用いて、本発明の第1部材100と第2部材200との間に水平二次元方向のずれがある場合における、本発明の第1部材100および第2部材200を組み合わせた場合の作用効果について説明する。
図11(A)は、Y軸方向で水平二次元方向のずれがある場合において、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300を灰色の領域で示した平面図である。
同様に、図11(B)は、X軸方向で水平二次元方向のずれがある場合において、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300を灰色の領域で示した平面図である。
図11によれば、水平二次元方向のずれがある場合でも、ボルト等の連結部品を通すことができる長孔どうしの重合箇所300は、それぞれの第2部材の長孔210に対し、1~2か所程度見出すことができていることが分かる。
3-3.回転ずれがある場合
次に、図12を用いて、本発明の第1部材100と第2部材200との間に回転ずれがある場合における、本発明の第1部材100および第2部材200を組み合わせた場合の作用効果について説明する。
図12は、両者の間に回転ずれがある場合において、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300を灰色の領域で示した平面図である。
ここで、杭120として、地面に打ち込む方法で固定する場合には、回転ずれがないように打ち込めばよいので、ほとんど回転ずれが発生しないが、杭120として螺旋状リブ170を備えた螺旋杭を用いた場合に、杭を回転させながら地面に埋設して固定するので、ある程度の回転ずれが必然的に生じてしまうという課題がある。
図12によれば、このような回転ずれがある場合でも、ボルト等の連結部品を通すことができる長孔どうしの重合箇所300は、それぞれの第2部材の長孔210に対し、1か所程度見出すことができていることが分かる。
また、左右対称な位置である重合箇所以外に、左右非対称な位置である重合箇所も見出すことができていることが分かる。
回転ずれの量は、8個の長孔が45度の間隔を置いて設けられた典型例の構成をベースにした場合、45度の半分弱の20度前後の回転ずれが、重合箇所ができにくい最も厳しい回転ずれになるので、約20度の回転ずれが生じた場合の図を作成したものである。
なお、回転ずれが45度になると、ちょうど元の長孔の配置と同じ関係になるので、最も厳しい約20度前後の角度の回転ずれ以外の図は作成する必要はないことになる。
3-4.水平二次元方向のずれと回転ずれの両方がある場合
次に、図13を用いて、本発明の第1部材100と第2部材200との間に水平二次元方向のずれと回転ずれの両方がある場合における、本発明の第1部材100および第2部材200を組み合わせた場合の作用効果について説明する。
図13(A)は、Y軸方向で水平二次元方向のずれと、約20度の回転ずれがある場合において、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300を灰色の領域で示した平面図である。
図13(B)は、X軸方向で水平二次元方向のずれと、約20度の回転ずれがある場合において、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300を灰色の領域で示した平面図である。
図13(A)及び(B)によれば、水平二次元方向のずれと回転ずれの両方がある場合でも、ボルト等の連結部品を通すことができる長孔どうしの重合箇所300は、それぞれの第2部材の長孔210に対し、1か所程度見出すことができていることが分かる。
また、左右対称な位置である重合箇所以外に、左右非対称な位置である重合箇所も見出すことができていることが分かる。
3-5.水平二次元方向の大きなずれがある場合
次に、図14、図15を用いて、本発明の第1部材100と第2部材200との間に水平二次元方向の大きなずれがある場合における、本発明の第1部材100および第2部材200を組み合わせた場合の作用効果について説明する。
図14は、Y軸方向に水平二次元方向の大きなずれがある場合において、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300を灰色の領域で示した平面図である。
図15は、X軸方向に水平二次元方向の大きなずれがある場合において、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300を灰色の領域で示した平面図である。
図14、図15によれば、水平二次元方向の大きなずれがある場合でも、ボルト等の連結部品を通すことができる長孔どうしの重合箇所300は、第2部材200の中心円260を挟んだ両側に、3か所程度見出すことができていることが分かる。
また、このような大きなずれがある場合でも、左右対称な位置である重合箇所以外に、左右非対称な位置である重合箇所も見出すことができていることが分かる。
この場合、前述の長孔の有効長を十分に確保できるという第1の効果はもちろん、第1部材と第2部材の長孔の位置関係が、重合する箇所において、所定の角度で交差しやすくすることができるという第2の効果、及び、長孔どうしの重合箇所を一層見出しやすくするという効果(第1の効果と第2の効果による相乗効果)、そして左右非対称な位置である重合箇所も見出すことができるという第1の効果と第2の効果による相乗効果による波及効果が発現していることになる。
3-6.水平二次元方向の大きなずれと回転ずれの両方がある場合
次に、図16、図17を用いて、本発明の第1部材100と第2部材200との間に水平二次元方向の大きなずれが発生し、かつ、約20度の回転ずれが発生した場合における、本発明の第1部材100および第2部材200を組み合わせた場合の作用効果について説明する。
図16は、本発明の第1部材と第2部材との間に、水平二次元方向(Y軸方向)にずれが発生し、かつ、杭側の第1部材に約20度の回転ずれが発生した場合において、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300を灰色の領域で示した平面図である。
図17は、本発明の第1部材と第2部材との間に水平二次元方向(X軸方向)にずれが発生し、かつ、杭側の第1部材に約20度の回転ずれが発生した場合において、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300を灰色の領域で示した平面図である。
図16、図17によれば、水平二次元方向の大きなずれと、回転ずれの両方がある場合でも、ボルト等の連結部品を通すことができる長孔どうしの重合箇所300は、第2部材200の中心円260を挟んだ両側に、3か所程度見出すことができていることが分かる。
また、このような水平二次元方向の大きなずれと、回転ずれの両方がある場合でも、左右対称な位置である重合箇所以外に、左右非対称な位置である重合箇所も見出すことができていることが分かる。
このように、水平二次元方向の大きなずれに加え、さらに回転ずれが発生しているような非常に厳しい場合でも、前述の長孔の有効長を十分に確保できるという第1の効果はもちろん、第1部材と第2部材の長孔の位置関係が所定の角度で交差しやすくすることができるという第2の効果、及び、長孔どうしの重合箇所を一層見出しやすくするという効果(第1の効果と第2の効果による相乗効果)、そして左右非対称な位置である重合箇所も見出すことができるという第1の効果と第2の効果による相乗効果による波及効果が発現していることになる。
4.本発明の変形例について
以上のように、主に、図9に示した典型例の構成を用いて、本発明の作用効果を説明したが、図7、図8で説明したように、各パラメータは様々な値を取り得るので、図9の典型例に限定されることはなく、様々な構成を取り得る。
従って、以下、様々な構成の一部について例示するが、これに限定されるものではない。
4-1.長孔が基準線と交差する角度α、γを変形した場合
図18、図19を用いて、長孔が基準線と交差する角度(α、γ)を30度に変更した場合の変形例について説明する。
図18(A)(B)は、本発明の図9の変形例の一例を示す図であって、例えば、基準線と長孔とがなす角度(α、γ)が概ね30度である場合における第1部材100および第2部材200の平面図である。
また、長孔どうしの干渉を避けたり、長孔の重合箇所を見出しやすくしたりするために、長孔の長手方向の中心線が、中心から径方向外側に伸びる基準線130と交差する位置(中心150からの距離Laおよび、長孔の端から交差するまでの距離Lc)を調整しても良い。
図19は、図18(A)の第1部材100と、図18(B)の第2部材を組み合わせた場合において、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300を灰色の領域で示した平面図である。
図19によれば、ボルト等の連結部品を通すことができる長孔どうしの重合箇所300は、それぞれの第2部材の長孔210に対し、1か所程度見出すことができていることが分かる。
また、左右対称な位置である重合箇所以外に、左右非対称な位置である重合箇所も見出すことができていることが分かる。
なお図示しないが、水平二次元方向のずれや、回転ずれが発生した場合、および両方のずれが発生した場合でも、十分な重合箇所を見出すことができる点は、図9の典型例と同様である。
4-2.長孔が基準線と交差する角度α、γおよび、基準線どうしがなす角度β、δを変形した場合(長孔の数が7個の場合)
次に、図20、図21を用いて、長孔が基準線と交差する角度(α、γ)を概ね52.5度、基準線どうしがなす角度(β、δ)を概ね51.4度に変更した場合(すなわち長孔の数を7個にした場合)の変形例について説明する。
図20(A)(B)は、本発明の図9の変形例の一例を示す図であって、例えば、基準線と長孔とがなす角度(α、γ)が概ね52.5度で、基準線どうしがなす角度(β、δ)が概ね51.4度である場合における第1部材100および第2部材200の平面図である。
なお、この場合において、長孔の数が、図9の8個に対し、7個に減少するので、長孔の有効長を適宜長くすることで、長孔どうしの重合箇所を見出しやすくしても良い。
また、長孔どうしの干渉を避けたり、長孔の重合箇所を見出しやすくしたりするために、長孔の長手方向の中心線が、中心から径方向外側に伸びる基準線130と交差する位置(中心150からの距離Laおよび、長孔の端から交差するまでの距離Lc)を調整しても良い。
図21は、図20(A)の第1部材100と、図20(B)の第2部材を組み合わせた場合において、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300を灰色の領域で示した平面図である。
図21によれば、ボルト等の連結部品を通すことができる長孔どうしの重合箇所300は、それぞれの第2部材の長孔210に対し、1か所程度見出すことができていることが分かる。
また、左右対称な位置である重合箇所以外に、左右非対称な位置である重合箇所も見出すことができていることが分かる。
なお図示しないが、水平二次元方向のずれや、回転ずれが発生した場合、および両方のずれが発生した場合でも、十分な重合箇所を見出すことができる点は、図9の典型例と同様である。
4-3.長孔が基準線と交差する角度α、γおよび、基準線どうしがなす角度β、δを変形した場合(長孔の数が6個の場合)
次に、図22、図23を用いて、長孔が基準線と交差する角度(α、γ)を概ね60度、基準線どうしがなす角度(β、δ)を概ね60度に変更した場合(すなわち長孔の数を6個にした場合)の変形例について説明する。
図22(A)(B)は、本発明の図9の変形例の一例を示す図であって、例えば、基準線と長孔とがなす角度(α、γ)が概ね60度で、基準線どうしがなす角度(β、δ)が概ね60度である場合における第1部材100および第2部材200の平面図である。
なお、この場合において、長孔の数が、図9の8個に対し、6個に減少するので、長孔の有効長を適宜長くすることで、長孔どうしの重合箇所を見出しやすくしても良い。
また、長孔どうしの干渉を避けたり、長孔の重合箇所を見出しやすくしたりするために、長孔の長手方向の中心線が、中心から径方向外側に伸びる基準線130と交差する位置(中心150からの距離Laおよび、長孔の端から交差するまでの距離Lc)を調整しても良い。
図23は、図22(A)の第1部材100と、図22(B)の第2部材を組み合わせた場合において、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300を灰色の領域で示した平面図である。
図23によれば、ボルト等の連結部品を通すことができる長孔どうしの重合箇所300は、それぞれの第2部材の長孔210に対し、1か所程度見出すことができていることが分かる。
また、左右対称な位置である重合箇所以外に、左右非対称な位置である重合箇所も見出すことができていることが分かる。
なお図示しないが、水平二次元方向のずれや、回転ずれが発生した場合、および両方のずれが発生した場合でも、十分な重合箇所を見出すことができる点は、図9の典型例と同様である。
4-4.第1部材、第2部材の外形を変形した場合
図24は、第1部材、第2部材の外形を例えば、8角形に変形した場合の平面図である。
外形は、このほか、4角形、5角形、6角形、7角形、9角形、10角形など多角形を採用することもできるし、その他の様々な形状であっても構わない。
4-5.第1部材、第2部材の長孔の数や配置が異なる場合
次に、第1部材、第2部材の長孔の数や配置が異なる場合でも、長孔どうしの重合箇所を十分に見出すことができることを説明する。
図25(A)(B)は、第1部材100として長孔の数が8個の場合(図9の典型例を参照)で、第2部材200として長孔の数が6個の場合(図22参照)とを組み合わせた場合の平面図である。
図25(A)は、第1部材の長孔110を灰色の線で示し、第2部材の長孔210を黒色の線で示した図である。
図25(B)は、図9の第1部材100と、図22の第2部材を組み合わせた場合において、第1部材の長孔110と、第2部材の長孔210との重合箇所のうち、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300を灰色の領域で示した平面図である。
図25(B)によれば、ボルト等の連結部品を通すことができる長孔どうしの重合箇所300は、それぞれの第2部材の長孔210に対し、1~2か所程度見出すことができていることが分かる。
また、左右対称な位置である重合箇所以外に、左右非対称な位置である重合箇所も見出すことができていることが分かる。
なお図示しないが、水平二次元方向のずれや、回転ずれが発生した場合、および両方のずれが発生した場合でも、十分な重合箇所を見出すことができる点は、第1部材及び第2部材とも図9の典型例を使用した場合と同様である。
4-6.第1部材、第2部材の長孔の数や配置が異なる場合であって第2部材をさらに変形した場合
次に、第1部材、第2部材の長孔の数や配置が異なる場合であって、一方の長孔の配置や構成をさらに変形した場合でも、長孔どうしの重合箇所を十分に見出すことができることを説明する。
図26は、本発明の第1部材100と第2部材200との間に水平二次元方向のずれや回転ずれがない状態における、図9(A)に示した第1部材と(n=8の場合)、第2部材として、図4に示した従来技術の支柱側の取付板20のように、長孔が対向状に2個設けられたタイプの部材と、を組み合わせた場合の様子を示す平面図である。
杭側の第1部材の長孔を薄い灰色の線で示し、支柱側の第2部材の長孔を実線で示した図である。
図26によれば、ボルト等の連結部品を通すことができる重合箇所300として、左側の重合箇所300-1と右側の重合箇所300-2の少なくとも2か所の重合箇所を見出すことができることが分かる。
なお図示しないが、水平二次元方向のずれや、回転ずれが発生した場合、および両方のずれが発生した場合でも、十分な重合箇所を見出すことができる点は、第1部材及び第2部材とも図9の典型例を使用した場合と同様である。
このように、一方の部材の長孔が、間隔を隔てて設けられた中心から径方向外側に伸びる複数の基準線に対し、それぞれ所定の角度で交差するように設けられていれば、他方の長孔は、それらと交差するように2個以上設けられていれば足りる(第1~第5の発明の第1部材と第2部材の関係に相当)。
5.地面に敷設した場合の連結構造の施工状態について
図27は、本発明の第1部材と第2部材による連結構造の施工状態を示す斜視図である。
杭120として螺旋状リブ170を備えた螺旋杭を使用した場合には、杭120の上端に接続された第1部材100について、水平二次元方向のずれだけでなく、回転ずれが生じることがあるが、これらのずれを許容して、支柱220の下端に接続された第2部材200とを連結することができる。
より詳細には、杭を埋設する位置は測量によってかなり正確に位置決めされるが、ある程度の水平二次元方向のずれは発生してしまうし、螺旋杭を使用した場合には、杭のねじ込み具合によって地面からの高さが変わるので、高さ調整のために、杭を回転させる必要があることにより、回転ずれが生じてしまう。
このように、水平二次元方向のずれと、回転ずれの一方、又は両方のずれが発生した場合でも、本発明の第1部材と第2部材の組み合わせによれば、両者の長孔どうしの重合箇所を十分に見出すことができるので、ずれを許容して、杭と支柱を連結することが可能となる。
なお、図示はしないが、第1部材と螺旋杭の間に、数枚の羽根で構成された水平安定翼を設けて、杭の傾きを抑制するようにしても良い。
6.小括
以上のように、本発明の第1部材、第2部材、及びこれらを利用した連結構造によれば、杭側と支柱側の水平二次元方向又は及び回転ずれを許容して、支柱に無理な力を作用させることなく、部材どうしを連結することが可能となることが分かった。
本発明の第1部材、第2部材、及びこれらを利用した連結構造は、温室やソーラーパネルの基礎となり地面に埋設する杭と、構造物を支える柱となる支柱とを連結する部材又は連結構造として用いることができる。
さらに、地中に埋設する杭と構造物の支柱とを連結する場合だけでなく、支柱と支柱を連結する場合など、多様な活用が考えられる。
1 杭側
2 支柱側
10 杭側の基板
11 径方向中心から伸びるライン
12 杭側の長孔
13 有効長
14 杭
15 中心
20 支柱側の取付版
22 支柱側の長孔(L)
23 支柱側の長孔(R)
41 ボルト(L)
42 ボルト(R)
51 可動方向L1
52 可動方向L2
61 可動方向R1
62 可動方向R2
71 可動方向L1
72 可動方向L2
81 可動方向R1
82 可動方向R2
100 第1部材
110 第1部材の長孔
120 杭
130 基準線
150 中心
160 中心円
170 螺旋状リブ
200 第2部材
210 第2部材の長孔
220 支柱
250 中心
260 中心円
300 重合箇所
400 ボルト等
401 ボルト(L)
402 ボルト(R)
410 ナット等
110-1 第1の長孔
110-2 第2の長孔
110-3 第3の長孔
110-n 第nの長孔
130-1 第1の基準線
130-2 第2の基準線
130-3 第3の基準線
130-n 第nの基準線
140-1 長孔の長手方向の中心線
140-2 長孔の長手方向の中心線
140-3 長孔の長手方向の中心線
140-n 長孔の長手方向の中心線
210-1 第1の長孔
210-2 第2の長孔
210-3 第3の長孔
210-m 第mの長孔
230-1 第1の基準線
230-2 第2の基準線
230-3 第3の基準線
230-m 第mの基準線
240-1 長孔の長手方向の中心線
240-2 長孔の長手方向の中心線
240-3 長孔の長手方向の中心線
240-m 長孔の長手方向の中心線
300-1 重合箇所
300-2 重合箇所
300-3 重合箇所
300-4 重合箇所
α 第1部材の長孔と基準線がなす角度
β 第1部材の基準線どうしがなす角度
Le 第1部材の長孔の有効長
Ld 第1部材の長孔の幅
γ 第2部材の長孔と基準線がなす角度
δ 第2部材の基準線どうしがなす角度
Le′ 第2部材の長孔の有効長
Ld′ 第2部材の長孔の幅
θ1、θ2 長孔どうしがなす角度

Claims (5)

  1. 第1部材と第2部材とを連結するための連結構造であって、
    前記第1部材に、6個以上の複数の直線状の長孔が、中心角で角度βごとに間隔を隔てて設けられた中心から径方向外側に伸びる複数の基準線に対し、それぞれ所定の角度αで交差するように設けられており、
    前記第2部材には、6個以上の複数の直線状の長孔が、中心角で角度δごとに間隔を隔てて設けられた中心から径方向外側に伸びる複数の基準線に対し、それぞれ所定の角度γで交差するように設けられており、
    前記直線状の長孔が基準線と交差する角度α、γについて、
    前記第1部材において前記直線状の長孔が基準線と交差する角度αを略30~60度の範囲、及び、
    前記第2部材において前記直線状の長孔が基準線と交差する角度γを略30~60度の範囲で調整し、
    前記第1部材ないし第2部材それぞれにおいて、前記6個以上の複数の直線状の長孔を設けても長孔どうしが相互に干渉しないようにすると共に、
    前記第1部材と、前記第2部材とを重ね合わせた際に、
    当該部材の半径に対し略15%以上の水平ズレ、及び、任意の角度の回転ズレが発生した場合でも、
    前記第1部材と第2部材の長孔どうしが、当該部材の中心を挟んだ両側に少なくとも2か所以上において重合し、かつ、
    前記第1部材の直線状の長孔と、前記第2部材の直線状の長孔との重合箇所において、第1部材と第2部材の長孔どうしが交差する角度が所定の範囲に収まり、
    前記第1部材に設けられた複数の直線状の長孔と、前記第2部材に設けられた複数の直線状の長孔とが重なり合う箇所で連結部品が通され、部材どうしを連結すること、
    を特徴とする部材どうしの連結構造。
  2. 前記第1部材における直線状の長孔の個数が8個、及び、前記第2部材における直線状の長孔の個数が8個である場合において、
    前記直線状の長孔が基準線と交差する角度α、γについて、
    前記第1部材における角度αを略45度、
    前記第2部材における角度γを略45度とすることにより、
    前記第1部材ないし第2部材それぞれにおいて、8個の直線状の長孔を設けても長孔どうしが相互に干渉しないようにすると共に、
    前記第1部材と、前記第2部材とを重ね合わせた際に、
    当該部材の半径に対し略40%の水平ズレ、及び、任意の角度の回転ズレが重畳して発生した場合でも、
    第1部材と第2部材の長孔どうしが、当該部材の中心を挟んだ両側に少なくとも2か所以上において重合し、かつ、
    前記第1部材の直線状の長孔と、前記第2部材の直線状の長孔との重合箇所において、第1部材と第2部材の長孔どうしが交差する角度が略90度を中心とする所定の範囲に収まり、
    前記第1部材に設けられた複数の直線状の長孔と、前記第2部材に設けられた複数の直線状の長孔とが重なり合う箇所で連結部品が通され、部材どうしを連結すること、
    を特徴とする、請求項1に記載の部材どうしの連結構造。
  3. 請求項1~2のいずれか1つに記載の連結構造において使用される部材において、
    前記第1部材又は第2部材に接続する杭又は支柱の太さを確保し、当該杭又は支柱と前記直線状の長孔との干渉を避けるため、前記第1部材及び第2部材の中心から、前記直線状の長孔までの距離として、当該部材の半径の略45%以上の距離を確保したこと、
    を特徴とする部材どうしの連結構造。
  4. 請求項1~のいずれか1つに記載の連結構造において使用される部材であって、
    前記第2部材と重ね合わせて使用するための前記第1部材、又は及び前記第1部材と重ね合わせて使用するための前記第2部材。
  5. 請求項1~のいずれか1つに記載の連結構造において使用される部材であって、前記第1部材又は第2部材に対して、地中に埋設するための杭が接合された、杭付きの部材。

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