JP2009041242A - 土留め構造、及びこれに使用する波付鋼板パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の波付鋼板パネル1、1’を円周方向および高さ方向に接合した円筒形型枠10を間隔をあけて配置し、その内部に中詰め材を充填し、隣接する円筒形型枠10間に壁面材14を架け渡し、背面に土砂を裏込めした土留め構造であり、壁面材14を取り付ける波付鋼板パネル1の円周方向端部のフランジ5を、高さ方向端部のフランジ3より外側に延出させて壁面材取付部5bとする。この壁面材取付部5bに壁面材14を接合する。別部材の壁面材取付け用プレートをフランジ4、4間に挟み込む従来構造と異なり、その挟み込み作業が不要となる。また、円筒形型枠10の直径サイズがプレート厚み分だけ大となることがないので、当該箇所の波付鋼板パネルの長さをプレート厚み分だけ短くする微調整が不要となる。
【選択図】図8
Description
特許文献1では、コンクリートを充填した円筒形型枠の部分が雪崩・落石防護柵を施工する際の柵柱のコンクリート基礎とされているが、壁面材(堰板)を円筒形型枠間に架け渡しその背面に土砂を裏込めする施工法であり、この雪崩・落石防護柵の下部構造(柵柱を除く部分)が土留め構造として機能している。
また、この方式は、円筒形型枠の直径サイズとの関係で若干不都合が生じる。すなわち、円周方向端部のフランジ間に壁面材取付け用プレートを挟み込むと、円筒形型枠の円周長さが壁面材取付け用プレートの厚み分だけ長くなり、円筒形型枠の直径サイズが大となる。これを避けるためには、壁面材取付け用プレートを挟み込む箇所の波付鋼板パネルについては、その長さ(円周方向長さ)をプレート厚み分だけ短くする微調整が必要であり、煩雑である。
なお、プレート厚み分だけ短くせずに円筒形型枠を組み立てることは当然できるが、波付鋼板パネルで組み立てる円筒形型枠の直径の種類(称呼径)は標準化されているので、僅かであっても直径が変化することは好ましくない。
前記壁面材を取り付ける円筒形型枠における波付鋼板パネルの円周方向端部のフランジを、高さ方向端部のフランジより外側に延出させて壁面材取付部としたことを特徴とする。
これらの図に示すように、この波付鋼板パネル1は、円弧状に湾曲した波付け面部2の波付け方向である高さ方向の両端に、端部を直角に折り曲げて形成したフランジ3、3を備え、波付け方向と直交する円周方向の両端に、プレートを溶接固定して形成したフランジ4、5を備えている。円周方向の両端部のフランジ4、5のうちの一方のフランジ4は、一般的な波付鋼板パネルにおける円周方向端部のフランジと同様に高さ方向端部のフランジ3より僅かに外側に延出(図2、図6に延出長さをmで示す)しているのみであるが、他方のフランジ5は、高さ方向両端のフランジ3より外側に大きく延出(図2、図5に延出長さをnで示す)させて形成した壁面材取付部5bを備えている。概ね延出長さnで示す部分が壁面材取付部5bである。
高さ方向両端のフランジ3には上下の波付鋼板パネルどうしをボルト接合するためボルト挿通穴3aをあけ、円周方向両端のフランジ4、5には円周方向の波付鋼板パネルどうしをボルト接合するためボルト挿通穴4a、5aをあけている。4c、5cは水抜き穴である。
円周方向の他方のフランジ5には、前述したように外側に延出する壁面材取付部5bが形成されているが、この壁面材取付部5bに、後述する壁面材14をボルト接合するためのボルト挿通穴5dをあけている。
次いで、円筒形型枠10内から法面地盤にアンカー11を打ち込み、円筒形型枠10内にコンクリート12を打設してコンクリート柱13を形成し、隣接する円筒形型枠10間に円弧状の壁面材14を架け渡す。次いで、前記壁面材14および円筒形型枠10と切り土法面との間の隙間に土砂を裏込めして土留め擁壁としての土留め構造21が構築される。図9は円筒形型枠10内のコンクリート12や法面や土砂の図示を省略して示した土留め構造21の要部の斜視図である。なお、実施例では図9に示すように円筒形型枠10(コンクリート柱13)を直立して設置しているが、法面にもたれさせて設置することも可能である。
また、フランジ間に別部材の壁面材取付け用プレートを挟み込む従来構造では、円筒形型枠の円周長さが壁面材取付け用プレートの厚み分だけ長くなり、円筒形型枠の直径サイズが大となるので、当該箇所の波付鋼板パネルの長さ(円周方向長さ)をプレート厚み分だけ短くする微調整が必要である。しかし、本発明の上記波付鋼板パネル1では、別部材のプレートを挟み込まないので、円筒形型枠の円周長さが長くなることはない。したがって、波付鋼板パネルの円周方向長さを若干短くする煩雑な微調整は不要である。本発明では、円周方向端部に溶接固定すべきプレート(フランジ5)の幅寸法が変わるだけであり、両端部のフランジがいずれも延出部(壁面材取付部)を持たない通常の波付鋼板パネル1’の製造工程に変更を要することはほとんどなく、波付鋼板パネルの製造コストが増すことも殆どない。
この場合、図10(ロ)に示すように、この波付鋼板パネル1Aを、円筒形型枠10Aの円形を形成する4枚の波付鋼板パネルのうちの正面の波付鋼板パネルとして用い、他の3枚の波付鋼板パネルは、外側に僅かしか延出していないフランジ4を両端に持つ一般的な波付鋼板パネル1’を用いる。壁面材14の耳板18は、正面の波付鋼板パネル1Aの両端のフランジ5の壁面材取付部5bに接合する。
1’(一般的な)波付鋼板パネル
2 波付け面部
3 フランジ
4 (円周方向端部の)フランジ
5 (円周方向端部の)フランジ
5a (フランジどうしの接合用の)ボルト挿通穴
5b 壁面材取付部
5d (壁面材取付用の)ボルト挿通穴
10 円筒形型枠
12 コンクリート
13 コンクリート柱
14 壁面材
15 エキスパンドメタル
18 耳板
21 土留め構造
Claims (5)
- 円弧状の複数の波付鋼板パネルを円周方向および高さ方向に接合した円筒形型枠を法面の幅方向に間隔をあけて設置し、その内部に中詰め材を充填し、隣接する円筒形型枠間に湾曲した壁面材を架け渡し、背面に土砂を裏込めした土留め構造において、
前記壁面材を取り付ける円筒形型枠における波付鋼板パネルの円周方向端部のフランジを、高さ方向端部のフランジより外側に延出させて壁面材取付部としたことを特徴とする土留め構造。 - 請求項1に記載した土留め構造に使用する波付鋼板パネルであって、
円弧状に湾曲した波付け面部の波付け方向である高さ方向の両端に、端部を直角に折り曲げて形成したフランジを備え、波付け方向と直交する円周方向の両端に、プレートを溶接固定して形成したフランジを備えており、円周方向の一端側のフランジが、高さ方向両端のフランジより外側に延出させて形成した壁面材取付部を備えていることを特徴とする波付鋼板パネル。 - 請求項1に記載した土留め構造に使用する波付鋼板パネルであって、
円弧状に湾曲した波付け面部の波付け方向である高さ方向の両端に、端部を直角に折り曲げて形成したフランジを備え、波付け方向と直交する円周方向の両端に、プレートを溶接固定して形成したフランジを備えており、円周方向の両端のフランジがいずれも、高さ方向両端のフランジより外側に延出させて形成した壁面材取付部を備えていることを特徴とする波付鋼板パネル。 - 前記壁面材と接合するすべての波付鋼板パネルが請求項2に記載した波付鋼板パネルであることを特徴とする請求項1記載の土留め構造。
- 前記壁面材取付部及び壁面材にそれぞれボルト挿通穴が形成され、波付鋼板パネルと壁面材とが両ボルト挿通穴を通したボルト及びナットによって接合されていることを特徴とする請求項1記載の土留め構造。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013217149A (ja) * | 2012-04-11 | 2013-10-24 | Jfe Metal Products & Engineering Inc | 土留め壁ブロック、土留め壁および土留め壁の構築方法 |
JP2017106189A (ja) * | 2015-12-08 | 2017-06-15 | 植村 誠 | フリクションカットプレートの接合方法 |
CN111155760A (zh) * | 2020-01-13 | 2020-05-15 | 中铁上海工程局集团华海工程有限公司 | 一种工程模板 |
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---|---|---|---|---|
JP2000096584A (ja) * | 1998-09-22 | 2000-04-04 | Nippon Steel Metal Prod Co Ltd | 鋼製土留め擁壁 |
-
2007
- 2007-08-08 JP JP2007206284A patent/JP2009041242A/ja active Pending
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