JP5956450B2 - 鋼製スリットダム - Google Patents
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Description
この発明は、基礎コンクリートに埋め込まれた基礎鞘管材の内部に鋼管柱を鉛直に挿入して形成される自立式の鋼管材を所要の間隔をあけて複数配置し、流木、或いは土石流などの流下物を効果的に捕捉する鋼製スリットダムの技術分野に属し、さらに云えば、前記鋼管柱を着脱可能な構成とした鋼製スリットダムに関する。
従来、流木捕捉工対策、或いは土石流捕捉工対策として、鋼管材を一定の間隔をあけて複数配置し、流木、或いは土石流などの流下物を効果的に捕捉する鋼製スリットダムが用いられている。
この鋼製スリットダムについて、さまざまな形状、構造の技術があるが、部材の経年劣化や、小礫・流木等による局部の破壊により捕捉性能が低下した場合、修復することが比較的容易な形状、構造として下記の先行技術がある(例えば、特許文献1、2を参照)。
この鋼製スリットダムについて、さまざまな形状、構造の技術があるが、部材の経年劣化や、小礫・流木等による局部の破壊により捕捉性能が低下した場合、修復することが比較的容易な形状、構造として下記の先行技術がある(例えば、特許文献1、2を参照)。
前記特許文献1には、基礎コンクリートに間隔をあけて複数の埋め込み鋼管を配置し、その鋼管の内部に杭体用鋼管を挿入してなる流木防止柵が開示されている。
この流木防止柵は、埋め込み鋼管と杭体用鋼管とにピンを水平に貫通させ、杭体用鋼管の抜け止めを図っている。杭体用鋼管が破損した場合は、該ピンを抜き、杭体用鋼管のみを取り替える。
この流木防止柵は、埋め込み鋼管と杭体用鋼管とにピンを水平に貫通させ、杭体用鋼管の抜け止めを図っている。杭体用鋼管が破損した場合は、該ピンを抜き、杭体用鋼管のみを取り替える。
前記特許文献2には、基礎コンクリートに埋め込まれた複数の保護材の内部に鋼材(鋼管柱)を挿入してなる鋼製透過型砂防ダムが開示されている。
この鋼製透過型砂防ダムは、前記鋼材の流下土砂礫が衝突する部位や水に浸る部位等を考慮し、当該部位まで前記保護材で囲む構成とされている。
この鋼製透過型砂防ダムは、前記鋼材の流下土砂礫が衝突する部位や水に浸る部位等を考慮し、当該部位まで前記保護材で囲む構成とされている。
上記特許文献1、2に係る発明は、共通して、基礎コンクリートに固着する埋め込み鋼管又は保護材を、基礎コンクリートの上面から突出させる構造を前提とした発明である。
よって、常時、流水のある渓流の基礎部としてこれらの構造を用いる場合には、該突出部に摩耗や腐食対策が必要となるため、材料コスト、加工コストが増加する問題や、施工性が低下する問題がある。
また、埋め込み鋼管又は保護材を基礎コンクリート上面より突出させることで、基礎部の根入れ長より長尺の埋め込み鋼管又は保護材を用いなければならず、材料コストが増加する問題もある。
さらに、埋め込み鋼管又は保護材の内部に挿入された柱部材に外力が作用した場合、これらの上端部の接触部において、変形、破損を防止するべく、フープ応力を付与するためにフランジを設けるなどの補強が必要となる問題もある。
よって、常時、流水のある渓流の基礎部としてこれらの構造を用いる場合には、該突出部に摩耗や腐食対策が必要となるため、材料コスト、加工コストが増加する問題や、施工性が低下する問題がある。
また、埋め込み鋼管又は保護材を基礎コンクリート上面より突出させることで、基礎部の根入れ長より長尺の埋め込み鋼管又は保護材を用いなければならず、材料コストが増加する問題もある。
さらに、埋め込み鋼管又は保護材の内部に挿入された柱部材に外力が作用した場合、これらの上端部の接触部において、変形、破損を防止するべく、フープ応力を付与するためにフランジを設けるなどの補強が必要となる問題もある。
ところで、上記特許文献2の図5、図6には、保護材5と鋼材6にそれぞれ、不連続状の突縁(水平方向に長い弧状の平板プレート)10、11を形成し、互いの突縁10、11を噛み合わせる構成が開示されている。
しかし、保護材5の突縁10と噛み合う鋼材6の突縁11は、該保護材5の突縁10と同様に板面を上下に向けて取り付けられているので、重合部(接触部)の面積が大きい。
よって、前記鋼材6に外力が作用した場合、鋼材6の突縁11は、その上方に位置する保護材5の突縁10へ衝突して曲げ力が働くので、該突縁11の基端部(取付部位)が変形、破損する虞がある。
したがって、保護材5側の突縁10と鋼材6側の突縁11の双方の板厚を厚くしたり、基端部の剛性を高くしたりする等の構造設計が要求され、不経済であるという問題もある。
しかし、保護材5の突縁10と噛み合う鋼材6の突縁11は、該保護材5の突縁10と同様に板面を上下に向けて取り付けられているので、重合部(接触部)の面積が大きい。
よって、前記鋼材6に外力が作用した場合、鋼材6の突縁11は、その上方に位置する保護材5の突縁10へ衝突して曲げ力が働くので、該突縁11の基端部(取付部位)が変形、破損する虞がある。
したがって、保護材5側の突縁10と鋼材6側の突縁11の双方の板厚を厚くしたり、基端部の剛性を高くしたりする等の構造設計が要求され、不経済であるという問題もある。
本発明の目的は、基礎コンクリートに埋め込まれた基礎鞘管材の内部に鋼管柱を鉛直に挿入して形成される自立式の鋼管材について、基礎鞘管材の上端部(天端)を基礎コンクリート上面とほぼ面一に揃える等することにより、材料コスト、加工コストを低減でき、経済性、景観性に優れた鋼製スリットダムを提供することにある。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る鋼製スリットダムは、地盤に鉛直に埋め込まれた基礎鞘管材と、同基礎鞘管材内に挿入して直立する鋼管柱と、を備える自立式鋼管材を複数設置して構成される鋼製スリットダムであって、
前記基礎鞘管材は、上端部が前記地盤の上面とほぼ面一に埋め込まれ、その内側壁面に、前記鋼管柱の直立姿勢を保持する水平部材が突設されていること、
前記基礎鞘管材内に挿入される前記鋼管柱は、外周面に、前記水平部材の下方に位置決めされる鉛直部材が突設されていること、
前記基礎鞘管材の内側壁面と前記鋼管柱の外周面とが形成する隙間に、充填材が充填されていることを特徴とする。
前記基礎鞘管材は、上端部が前記地盤の上面とほぼ面一に埋め込まれ、その内側壁面に、前記鋼管柱の直立姿勢を保持する水平部材が突設されていること、
前記基礎鞘管材内に挿入される前記鋼管柱は、外周面に、前記水平部材の下方に位置決めされる鉛直部材が突設されていること、
前記基礎鞘管材の内側壁面と前記鋼管柱の外周面とが形成する隙間に、充填材が充填されていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した鋼製スリットダムにおいて、前記水平部材は、前記基礎鞘管材の内側壁面における対向する壁面に計2個設けられ、該水平部材の前記鋼管柱側の辺が、丸形の該鋼管柱の外周面に沿うように凹んだ弧状に形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した鋼製スリットダムにおいて、前記水平部材の下面には、前記鋼管柱の鉛直部材と当接する位置決めストッパが設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した鋼製スリットダムにおいて、前記鉛直部材は、鉛直方向に細長い線状のリブプレートであり、前記鋼管柱の管軸に対し、対称な配置に計2個設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載した鋼製スリットダムにおいて、前記基礎鞘管材は、ベースプレートの上面に角形鋼管を接合して構成されることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載した鋼製スリットダムにおいて、前記充填材は、下方に充填部材が充填され、該充填部材の上方にモルタル又はコンクリートが充填されて構成されることを特徴とする。
本発明に係る鋼製スリットダムによれば、以下の効果を奏する。
(1)基礎鞘管材の上端部(天端)を地盤の上面とほぼ面一に揃えているので、基礎鞘管材を地盤から露出(突出)させることなく実施できる。
よって、上記特許文献1、2では必要とされた突出部に対する摩耗や腐食対策が一切無用となり、その分、材料コスト、加工コストを削減することができ、経済的である。また、基礎鞘管材は、その全長(高さ寸法)にわたって地盤で保護されているので、上記特許文献1、2では必要とされた突出部に対するフープ応力を付与するための補強フランジ等も一切無用となり、その分、材料コスト、加工コストを削減することができ、経済的である。
(2)自立式鋼管材は、ピンやボルト等の接合部材を用いることなく、基礎鞘管材と鋼管柱とを噛み合わせ接合する構成で実施できる。よって、経済性、施工性に優れている。
また、前記基礎鞘管材の水平部材と鋼管柱の鉛直部材との形状的特性により、鋼管柱に外力が作用し、水平部材に当接(接触)した際に鉛直部材に働く応力は、上記特許文献2とは異なり、曲げ力よりも剪断力が強く働く。また、増水時には鋼管柱に浮き上がろうとする力が働くが、鉛直部材が水平部材に当接して、浮き上がりを防止する。よって、上記特許文献2と比し、板厚を低減できる等、合理的、経済的な構造設計が可能となる。
(3)本実施例では、基礎鞘管材の内側壁面が直線状を形成する角形鋼管で実施しているので、これに接合する水平部材の取り付け辺を直線状に形成して実施できる。また、鋼管柱の鉛直部材も矩形状で実施できる。よって、これらに相当する部材(突縁10、11)をバームクーヘン形状で実施している特許文献2と比し、切断加工や溶接作業を簡易にできるので、経済性、施工性に優れている。
(4)鋼製スリットダムを構成する自立式鋼管材は、露出部位が鉛直方向に起立した鋼管柱のみであり、観者にシンプルですっきりとした印象を与え、景観性がよい。
(5)自立式鋼管材の修復作業は、主として、露出している鋼管柱の取替作業のみとなり、経済的である。この取り替え作業も、充填材を形成するモルタル又はコンクリートを砕き、その下方の砂、砂利等の充填部材をブローで排出させ、鋼管柱を回動操作して重機により引き抜き、新たな鋼管柱の建て込み作業を行えばよいので、簡易、且つ迅速に実施できる。
(1)基礎鞘管材の上端部(天端)を地盤の上面とほぼ面一に揃えているので、基礎鞘管材を地盤から露出(突出)させることなく実施できる。
よって、上記特許文献1、2では必要とされた突出部に対する摩耗や腐食対策が一切無用となり、その分、材料コスト、加工コストを削減することができ、経済的である。また、基礎鞘管材は、その全長(高さ寸法)にわたって地盤で保護されているので、上記特許文献1、2では必要とされた突出部に対するフープ応力を付与するための補強フランジ等も一切無用となり、その分、材料コスト、加工コストを削減することができ、経済的である。
(2)自立式鋼管材は、ピンやボルト等の接合部材を用いることなく、基礎鞘管材と鋼管柱とを噛み合わせ接合する構成で実施できる。よって、経済性、施工性に優れている。
また、前記基礎鞘管材の水平部材と鋼管柱の鉛直部材との形状的特性により、鋼管柱に外力が作用し、水平部材に当接(接触)した際に鉛直部材に働く応力は、上記特許文献2とは異なり、曲げ力よりも剪断力が強く働く。また、増水時には鋼管柱に浮き上がろうとする力が働くが、鉛直部材が水平部材に当接して、浮き上がりを防止する。よって、上記特許文献2と比し、板厚を低減できる等、合理的、経済的な構造設計が可能となる。
(3)本実施例では、基礎鞘管材の内側壁面が直線状を形成する角形鋼管で実施しているので、これに接合する水平部材の取り付け辺を直線状に形成して実施できる。また、鋼管柱の鉛直部材も矩形状で実施できる。よって、これらに相当する部材(突縁10、11)をバームクーヘン形状で実施している特許文献2と比し、切断加工や溶接作業を簡易にできるので、経済性、施工性に優れている。
(4)鋼製スリットダムを構成する自立式鋼管材は、露出部位が鉛直方向に起立した鋼管柱のみであり、観者にシンプルですっきりとした印象を与え、景観性がよい。
(5)自立式鋼管材の修復作業は、主として、露出している鋼管柱の取替作業のみとなり、経済的である。この取り替え作業も、充填材を形成するモルタル又はコンクリートを砕き、その下方の砂、砂利等の充填部材をブローで排出させ、鋼管柱を回動操作して重機により引き抜き、新たな鋼管柱の建て込み作業を行えばよいので、簡易、且つ迅速に実施できる。
次に、本発明に係る鋼製スリットダムの実施例を図面に基づいて説明する。
この鋼製スリットダム10は、図1に示したように、地盤30(ここでは、基礎コンクリート5)に所要の間隔をあけて鉛直に埋め込まれた基礎鞘管材1と、同基礎鞘管材1内に挿入して直立する丸形の鋼管柱2と、を備える自立式鋼管材3を複数設置して構成される。なお、地盤30としては、基礎コンクリート5が好ましいが、その他、地盤改良している自然地盤、地盤改良していない自然地盤などであっても実施可能である。本実施形態では、地盤30として基礎コンクリート5を採用した場合の例について説明する。
前記基礎鞘管材1は、図2、図3に示したように、上端部が前記基礎コンクリート5の上端部(天端)とほぼ面一に埋め込まれ、その内側の壁面に、前記鋼管柱2の直立姿勢を保持する水平部材1aが突設されている。
前記基礎鞘管材1内に挿入される鋼管柱2は、外周面に、回動操作により前記水平部材1aの下方に位置決めされる鉛直部材2aが突設されている。
前記基礎鞘管材1の内側の壁面と前記鋼管柱2の外周面とが形成する隙間に、充填材4が充填されている。
前記基礎鞘管材1は、図2、図3に示したように、上端部が前記基礎コンクリート5の上端部(天端)とほぼ面一に埋め込まれ、その内側の壁面に、前記鋼管柱2の直立姿勢を保持する水平部材1aが突設されている。
前記基礎鞘管材1内に挿入される鋼管柱2は、外周面に、回動操作により前記水平部材1aの下方に位置決めされる鉛直部材2aが突設されている。
前記基礎鞘管材1の内側の壁面と前記鋼管柱2の外周面とが形成する隙間に、充填材4が充填されている。
なお、本実施例に係る鋼製スリットダム10は、8本の自立式鋼管材3を横一列状に設けて実施しているが、該自立式鋼管材3の設置数量、及び設置形態はこれに限定されない。設置数量は、河川床の幅寸、又は河川水の想定流量等に応じて適宜増減されるし、設置形態は、横二列状や千鳥格子状等、種々のバリエーションで実施可能である。
また、本実施例に係る基礎鞘管材1は、その水平部材1a、1aとこれらに保持される鋼管柱2が、河川水の流れ方向と直交方向に連続するように設置されている。これは、水平部材1aが、鋼製スリットダム10に求められる剛性を確保する構造部材ではなく、鋼管柱2を介して外力が作用するのは望ましくないことを考慮したことによる。
以下、鋼製スリットダム10を構成する自立式鋼管材3の構成要素について説明する。
また、本実施例に係る基礎鞘管材1は、その水平部材1a、1aとこれらに保持される鋼管柱2が、河川水の流れ方向と直交方向に連続するように設置されている。これは、水平部材1aが、鋼製スリットダム10に求められる剛性を確保する構造部材ではなく、鋼管柱2を介して外力が作用するのは望ましくないことを考慮したことによる。
以下、鋼製スリットダム10を構成する自立式鋼管材3の構成要素について説明する。
前記基礎鞘管材1は、ベースプレート11の上面中央部に角形鋼管(丸形鋼管でも可)12を溶接接合(ボルト接合でも可)して構成されている。前記ベースプレート11は、前記角形鋼管12の横断面形状より大きい方形状で、その外周縁部に複数(図示例では4個)のボルト孔11aを備えている。
ちなみに、基礎鋼管材1の大きさについて例示すると、本実施例に係るベースプレート11は、一辺が700mm程度の正方形状で、厚みが9mm程度である。前記角形鋼管12は、一辺が500mm、厚みが9mmの正方形の横断面形状で、高さが600mm程度である。
ちなみに、基礎鋼管材1の大きさについて例示すると、本実施例に係るベースプレート11は、一辺が700mm程度の正方形状で、厚みが9mm程度である。前記角形鋼管12は、一辺が500mm、厚みが9mmの正方形の横断面形状で、高さが600mm程度である。
また、前記基礎鞘管材1(角形鋼管12)の内側壁面に設けた前記水平部材1aは、鋼板プレート(一例として、厚み22mm程度)が用いられ、内側壁面における対向する壁面に計2個設けられている。前記水平部材1a、1aの鋼管柱2側の辺は、該鋼管柱2の外周面に沿うように凹んだ弧状に形成され、前記鋼管柱2の直立姿勢を保持する構成で実施されている。
ちなみに本実施例に係る水平部材1aは、前記基礎鞘管材1の天端から100mm程度下方の部位に設置しているが、適宜設計変更可能である。
ちなみに本実施例に係る水平部材1aは、前記基礎鞘管材1の天端から100mm程度下方の部位に設置しているが、適宜設計変更可能である。
本実施例ではさらに、前記水平部材1aの下面に、鋼管柱2の鉛直部材2aと当接して該鋼管柱2を位置決めする位置決めストッパ1bが垂設されている。この位置決めストッパ1bは、基礎鞘管材1内に挿入した鋼管柱2を回動操作する作業者が、手指の感触により適正な位置に(例えば、図示例のように水平部材1aの中央部下方に鉛直部材2aを停止させて)位置決めできる施工上の利点があるほか、鋼管柱2の建て込み作業完了後、外力による鋼管柱2の回転を防止して抜け止めを図る利点もある。
ちなみに、本実施例に係る位置決めストッパ1bは、一例として、高さ50mm程度、幅40mm程度、厚み16mm程度の大きさの鋼材が好適に用いられ、その上端部を前記水平部材1aの下端部に溶接されている。該水平部材1aに対する位置決めストッパ1bの溶接部位は、前記水平部材1a、1aの中央部下方に鉛直部材2a、2aを位置(停止)させるのに好適な部位とされる(図2〜図5参照)。
なお、この位置決めストッパ1bの設置部位は、水平部材1aの下面に限定されず、鋼管柱2の鉛直部材2aに当接することを条件に、基礎鞘管材1の内側壁面に溶接して実施してもよいし、内側壁面と水平部材1aの双方に溶接して実施してもよい。
ちなみに、本実施例に係る位置決めストッパ1bは、一例として、高さ50mm程度、幅40mm程度、厚み16mm程度の大きさの鋼材が好適に用いられ、その上端部を前記水平部材1aの下端部に溶接されている。該水平部材1aに対する位置決めストッパ1bの溶接部位は、前記水平部材1a、1aの中央部下方に鉛直部材2a、2aを位置(停止)させるのに好適な部位とされる(図2〜図5参照)。
なお、この位置決めストッパ1bの設置部位は、水平部材1aの下面に限定されず、鋼管柱2の鉛直部材2aに当接することを条件に、基礎鞘管材1の内側壁面に溶接して実施してもよいし、内側壁面と水平部材1aの双方に溶接して実施してもよい。
次に、前記丸形の鋼管柱2は、その上端面に吊り金具2bが溶接接合され、その下端部の外周面に、鉛直部材2aが溶接接合されている。この鉛直部材2aは、鉛直方向に細長い線状のリブプレートが好適に用いられ、鋼管柱2の管軸に対し、ほぼ対称な配置に計2個設けられている。
ちなみに、本実施例に係る鋼管柱2は、径(φ)が318.5mm程度、厚みが10.3mm程度の円形断面で、高さが2600mm程度の大きさである。また、前記鉛直部材2aは、高さ100mm程度、幅35mm程度、厚み16mm程度の大きさの鋼材が好適に用いられ、前記基礎鞘管材1の水平部材1aの下面から、40mm程度下方の部位に設置されている。
なお、前記鉛直部材2aを設ける部位はこれに限定されず、前記鋼管柱2を前記基礎鞘管材1のベースプレート11上に起立させた後に実施する回動操作により前記水平部材1aの下方(好ましくは10〜50mm程度)に位置する部位であれば適宜設計変更可能である。
ちなみに、本実施例に係る鋼管柱2は、径(φ)が318.5mm程度、厚みが10.3mm程度の円形断面で、高さが2600mm程度の大きさである。また、前記鉛直部材2aは、高さ100mm程度、幅35mm程度、厚み16mm程度の大きさの鋼材が好適に用いられ、前記基礎鞘管材1の水平部材1aの下面から、40mm程度下方の部位に設置されている。
なお、前記鉛直部材2aを設ける部位はこれに限定されず、前記鋼管柱2を前記基礎鞘管材1のベースプレート11上に起立させた後に実施する回動操作により前記水平部材1aの下方(好ましくは10〜50mm程度)に位置する部位であれば適宜設計変更可能である。
次に、前記充填材4は、具体的な図示は便宜上省略するが、前記基礎鞘管材1の内側壁面と前記鋼管柱2の外周面とが形成する隙間の下方部分に、砂、砂利等の充填部材が充填され、該充填部材の上方にモルタル(又はコンクリート)が、前記基礎鞘管材1の天端まで充填されて構成される。要するに、該モルタルは、砂、砂利等の充填部材が外部へ溢れ出ないキャップの役割を果たしている。
なお、前記充填部材とモルタルとの充填容量の割合は適宜設計変更可能であるが、本実施例では、約8:2の割合で充填している。
なお、前記充填部材とモルタルとの充填容量の割合は適宜設計変更可能であるが、本実施例では、約8:2の割合で充填している。
したがって、前記自立式鋼管材3の構築方法は、先ず、基礎コンクリート5中に、所要の間隔をあけて横一列状に複数(図示例では8個)の基礎鞘管材1を鉛直に埋め込む。
具体的には、前記基礎鞘管材1のベースプレート11の設置高さまで打設したコンクリート上に該基礎鞘管材1を載置し、そのベースプレート11のボルト孔11aにアンカーボルト6を通して打ち込み、該コンクリート上に前記基礎鞘管材1を固定する。しかる後、前記基礎鞘管材1の上端部(天端)までコンクリートを打設することにより、該基礎鞘管材1が基礎コンクリート5に鉛直に埋め込み固定される。
具体的には、前記基礎鞘管材1のベースプレート11の設置高さまで打設したコンクリート上に該基礎鞘管材1を載置し、そのベースプレート11のボルト孔11aにアンカーボルト6を通して打ち込み、該コンクリート上に前記基礎鞘管材1を固定する。しかる後、前記基礎鞘管材1の上端部(天端)までコンクリートを打設することにより、該基礎鞘管材1が基礎コンクリート5に鉛直に埋め込み固定される。
続いて、前記丸形の鋼管柱2を、その上端面に設けた吊り金具2bを利用してクレーン等の重機で持ち上げて起立させ、その下端部を、図6A〜図6Bに示したように、前記基礎鞘管材1の内部へ挿入してベースプレート11上に載置して起立させる。挿入する作業は、前記鋼管柱2と鉛直部材2a、2aが、基礎鞘管材1の内側壁面に突設した水平部材1a、1aに接触しないように行う。この作業は、鉛直部材2aが鉛直方向に細長く、横断面積が非常に小さい形状を採用しているので、スムーズに行うことができる。
かくして、前記基礎鞘管材1のベースプレート11上のほぼ中央部に設置した前記鋼管柱2は、前記水平部材1a、1aの挟持効果により、直立姿勢を保持して起立する。
かくして、前記基礎鞘管材1のベースプレート11上のほぼ中央部に設置した前記鋼管柱2は、前記水平部材1a、1aの挟持効果により、直立姿勢を保持して起立する。
続いて、前記鋼管柱2を、作業員が、図6B〜図6Cに示したように、一方向に(図示例では時計回り)に回動操作し、該鋼管柱2に突設した鉛直部材2aが、基礎鞘管材1の位置決めストッパ1bに当接する感触を得て、回動操作を停止する。そうすると、前記鋼管柱2の鉛直部材2a、2aがそれぞれ、前記水平部材1a、1aの中央部下方に位置決めされる。
続いて、前記基礎鞘管材1の内側壁面と前記鋼管柱2の外周面とが形成する隙間に充填材4を充填する。具体的には先ず、現地で採取等した砂、砂利等の充填部材を前記隙間の8分目程度まで充填した後、モルタル(又はコンクリート)を、基礎鞘管材1の天端まで充填してキャッピングする。
上記した作業工程を、自立式鋼管材3の必要本数分、同時期に(又は順に)行うことにより、自立式鋼管材3、ひいては鋼製スリットダム10の構築作業を終了する。
したがって、上述した工程により構築した鋼製スリットダム10によれば、以下の効果を奏する。
(1)基礎鞘管材1の上端部(天端)を基礎コンクリート5の上面と面一に揃えているので、基礎鞘管材1(角形鋼管12)を基礎コンクリート5から露出(突出)させることなく実施できる。
よって、上記特許文献1、2では必要とされた突出部に対する摩耗や腐食対策が一切無用となり、その分、材料コスト、加工コストを削減することができ、経済的である。また、基礎鞘管材1は、その全長(高さ寸法)にわたって基礎コンクリート5で保護されているので、上記特許文献1、2では必要とされた突出部に対するフープ応力を付与するための補強フランジ等も一切無用となり、その分、材料コスト、加工コストを削減することができ、経済的である。
(2)自立式鋼管材3は、ピンやボルト等の接合部材を用いることなく、基礎鞘管材1と鋼管柱2とを噛み合わせ接合する構成で実施できる。よって、経済性、施工性に優れている。
また、前記基礎鞘管材1の水平部材1aと鋼管柱2の鉛直部材2aとの形状的特性により、鋼管柱2に外力が作用し、水平部材1aに当接(接触)した際に鉛直部材2aに働く応力は、上記特許文献2とは異なり、曲げ力よりも剪断力が強く働く。また、増水時には鋼管柱2に浮き上がろうとする力が働くが、鉛直部材2aが水平部材1aに当接して、浮き上がりを防止する。よって、上記特許文献2と比し、板厚を低減できる等、合理的、経済的な構造設計が可能となる。
(3)本実施例では、基礎鞘管材1の内側壁面が直線状を形成する角形鋼管12で実施しているので、これに接合する水平部材1aの取り付け辺を直線状に形成して実施できる。また、鋼管柱2の鉛直部材2aも矩形状で実施できる。よって、これらに相当する部材(突縁10、11)をバームクーヘン形状で実施している特許文献2と比し、切断加工や溶接作業を簡易にできるので、経済性、施工性に優れている。
(4)鋼製スリットダム10を構成する自立式鋼管材3は、露出部位が鉛直方向に起立した鋼管柱2のみであり、観者にシンプルですっきりとした印象を与え、景観性がよい。
(5)自立式鋼管材3の修復作業は、主として、露出している鋼管柱2の取替作業のみとなり、経済的である。この取り替え作業も、充填材4を形成するモルタル(キャッピングモルタル)を砕き、その下方の砂、砂利等の充填部材をブローで排出させ、鋼管柱2を他方向(図示例では反時計回り)に回動操作して重機により引き抜き、新たな鋼管柱2の建て込み作業を行えばよく(具体的手順は、上記段落番号[0026]〜[0028]参照)、簡易、且つ迅速に実施できる。
(1)基礎鞘管材1の上端部(天端)を基礎コンクリート5の上面と面一に揃えているので、基礎鞘管材1(角形鋼管12)を基礎コンクリート5から露出(突出)させることなく実施できる。
よって、上記特許文献1、2では必要とされた突出部に対する摩耗や腐食対策が一切無用となり、その分、材料コスト、加工コストを削減することができ、経済的である。また、基礎鞘管材1は、その全長(高さ寸法)にわたって基礎コンクリート5で保護されているので、上記特許文献1、2では必要とされた突出部に対するフープ応力を付与するための補強フランジ等も一切無用となり、その分、材料コスト、加工コストを削減することができ、経済的である。
(2)自立式鋼管材3は、ピンやボルト等の接合部材を用いることなく、基礎鞘管材1と鋼管柱2とを噛み合わせ接合する構成で実施できる。よって、経済性、施工性に優れている。
また、前記基礎鞘管材1の水平部材1aと鋼管柱2の鉛直部材2aとの形状的特性により、鋼管柱2に外力が作用し、水平部材1aに当接(接触)した際に鉛直部材2aに働く応力は、上記特許文献2とは異なり、曲げ力よりも剪断力が強く働く。また、増水時には鋼管柱2に浮き上がろうとする力が働くが、鉛直部材2aが水平部材1aに当接して、浮き上がりを防止する。よって、上記特許文献2と比し、板厚を低減できる等、合理的、経済的な構造設計が可能となる。
(3)本実施例では、基礎鞘管材1の内側壁面が直線状を形成する角形鋼管12で実施しているので、これに接合する水平部材1aの取り付け辺を直線状に形成して実施できる。また、鋼管柱2の鉛直部材2aも矩形状で実施できる。よって、これらに相当する部材(突縁10、11)をバームクーヘン形状で実施している特許文献2と比し、切断加工や溶接作業を簡易にできるので、経済性、施工性に優れている。
(4)鋼製スリットダム10を構成する自立式鋼管材3は、露出部位が鉛直方向に起立した鋼管柱2のみであり、観者にシンプルですっきりとした印象を与え、景観性がよい。
(5)自立式鋼管材3の修復作業は、主として、露出している鋼管柱2の取替作業のみとなり、経済的である。この取り替え作業も、充填材4を形成するモルタル(キャッピングモルタル)を砕き、その下方の砂、砂利等の充填部材をブローで排出させ、鋼管柱2を他方向(図示例では反時計回り)に回動操作して重機により引き抜き、新たな鋼管柱2の建て込み作業を行えばよく(具体的手順は、上記段落番号[0026]〜[0028]参照)、簡易、且つ迅速に実施できる。
以上に実施形態を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の実施形態の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、図示例に係る水平部材1aは、基礎鞘管材1(角形鋼管12)の内側壁面における対向する配置に計2個設けて実施しているが、これに限定されず、該基礎鞘管材1の内側壁面毎に計4個の水平部材1aを不連続状に設けて実施することもできる。
また、前記水平部材1aの平面形状も鋼管柱2の外周面に沿うように凹んだ弧状を形成することに限定されない。鋼管柱2及び鉛直部材2aが通過する隙間を確保し、且つ鋼管柱2の直立姿勢を保持できることを条件に、例えば、平面形状が矩形状の水平部材1aを基礎鞘管材1の内側壁面毎に計4個設けて実施することもできる。
勿論、前記鋼管柱2の鉛直部材2aの個数も2個に限定されず、構造設計に応じて適宜設計変更可能である。
また、前記水平部材1aの平面形状も鋼管柱2の外周面に沿うように凹んだ弧状を形成することに限定されない。鋼管柱2及び鉛直部材2aが通過する隙間を確保し、且つ鋼管柱2の直立姿勢を保持できることを条件に、例えば、平面形状が矩形状の水平部材1aを基礎鞘管材1の内側壁面毎に計4個設けて実施することもできる。
勿論、前記鋼管柱2の鉛直部材2aの個数も2個に限定されず、構造設計に応じて適宜設計変更可能である。
また、図示例に係る自立式鋼管材3の高さは、埋め込み長(即ち、基礎鞘管材1の高さ寸法:600mm程度)を除外すると露出部を2m程度で実施しているがこれに限定されず、基礎鞘管材1の高さが900mm程度の場合に、露出部を3m程度で実施するなど、設置する河川水の想定流量等に応じて適宜設計変更可能である。ただし、自立式鋼管材3の高さは、構造設計上、埋め込み長を除外して1.5〜5mの範囲内が好適とされる。
さらに、隣り合う前記自立式鋼管材3の配置間隔は、設置する現場の調査結果から決められるため一様でなく状況に応じて適宜設計変更されるが、一般的に1〜7m程度の間隔が採用される。
さらに、隣り合う前記自立式鋼管材3の配置間隔は、設置する現場の調査結果から決められるため一様でなく状況に応じて適宜設計変更されるが、一般的に1〜7m程度の間隔が採用される。
また、図7〜9に示すように、鋼管柱2を丸形ではなく角形としてもよい。図7〜9に示す例では、鋼管柱2は、上方から見て四角形の形状を有している。鋼管柱2を角形とすることで、水平部材1a、鉛直部材2aの構成が変更され、鋼管柱2を基礎鞘管材1に挿入して直立させる手順も変更される。なお、鋼管柱2を更に異なる形状(例えば四角形以外の多角形形状や長円形状など)としてもよい。
具体的に、基礎鞘管材1(角形鋼管12)の内側壁面に設けた水平部材1aは、鋼板プレートが用いられ、内側壁面における対向する壁面に計2個設けられている。水平部材1a、1aの鋼管柱2側の辺は、該鋼管柱2の平面状の外周面に沿うように直線状に形成され、鋼管柱2の直立姿勢を保持する構成で実施されている。すなわち、上方から見て、水平部材1a,1aは、スライド方向(図においてSDで示す方向)に延びる長方形の形状を有している。基礎鞘管材1の内側壁面におけるスライド方向SDに対向する壁面のうち、一方の壁面に対して、水平部材1a,1aは固定されている。他方の壁面に対しては、水平部材1a,1aは隙間20をあけるように離間している。
前記角形の鋼管柱2は、その下端部の外周面のうち、スライド方向SDと直交する方向に対向する壁面に、鉛直部材2aがそれぞれ一つずつ溶接接合されている。この鉛直部材2a,2aは、鉛直方向に細長い線状のリブプレートが好適に用いられる。鉛直部材2a,2aは、溶接接合された壁面のうち、スライド方向SDにおける進行方向とは反対側の端部側に配置されている。
このような鋼管柱2を基礎鞘管材1へ挿入するときは、鋼管柱2をクレーン等の重機で持ち上げて起立させ、その下端部を、図7〜9に示したように、基礎鞘管材1の内部へ挿入して起立させる。挿入する作業は、鉛直部材2a,2aが、基礎鞘管材1の内側壁面と水平部材との間に形成された隙間20を通るように行う。かくして、前記基礎鞘管材1内のスライド方向SDにおける進行方向とは反対側寄りの位置に設置された鋼管柱2は、水平部材1a、1aの挟持効果により、直立姿勢を保持して起立する(図8に示す状態)。
続いて、前記鋼管柱2を、作業員が、図8及び図9に示したように、スライド方向SDにスライド操作し、鋼管柱2を基礎鞘管材1の略中央位置へスライドさせた時点で、スライド操作を停止する。そうすると、鋼管柱2の鉛直部材2a、2aがそれぞれ、水平部材1a、1aの下方に位置決めされる(図9に示す状態)。なお、当該位置において、鋼管柱2と当接することによって位置決めするための位置決めストッパを水平部材1a,1aに設けてもよい。以降の手順は、丸形の鋼管柱2を設置する手順と同様である。
次に、図10及び図11を参照して、鋼製スリットダム10のエネルギー吸収構造について説明する。鋼製スリットダム10では、鋼管柱2と基礎鞘管材1との間に充填されている充填材4が、エネルギー吸収材として機能する。また、鋼管柱2が基礎鞘管材1の上部縁と接触することで、鋼管柱2がエネルギー吸収部材として機能する。
図10(A)に示すように、鋼管柱2の頭部に水平荷重Fが作用すると、当該荷重は、鋼管柱2を下方へ伝達される。鋼管柱2の下端部付近は、充填材4で覆われている。また、充填材4が充填された基礎鞘管材1は地盤30に埋設されている。従って、鋼管柱2を伝達してきた荷重は、充填材4の地盤反力によって吸収される。このときの鋼管柱2は、図10(B)に示すように、水平荷重Fに対して、下端側の領域が充填材地盤バネで支持されるような状態となる。図10(C)に示すように、水平荷重Fが大きくなるに従って、充填材の変形が大きくなり、鋼管柱2の水平変位が増加してゆく。このような充填材変形によるエネルギー吸収は、水平荷重Fが最大地盤反力に達し、鋼管柱2と基礎鞘管材1の上部縁とが接触するまで行われる。
図11(A)に示すように、鋼管柱2が基礎鞘管材1の上部縁と接触した後は、鋼管柱2の壁面がへこみ変形を起こし、当該へこみ変形によってエネルギー吸収がなされる。このときの鋼管柱2は、図11(B)に示すように、上端部に水平荷重が作用し、中途位置(基礎鞘管材1の上部縁と接触する位置)に水平荷重と反対方向のへこみ荷重が作用するような状態となる。図11(C)に示すように、水平荷重Fが大きくなるに従って、へこみ変形が大きくなり、鋼管柱2の水平変位が増加してゆく。このような鋼管柱2のへこみ変形によるエネルギー吸収は、水平荷重Fが鋼管柱2の崩壊荷重に達し、鋼管柱2が崩壊するまで行われる。
なお、水平荷重Fは、水平部材1a,1a(図4及び図7参照)同士が対向する方向と直交する方向へ作用する。図7の例では、スライド方向SDへ水平荷重Fが作用する。当該方向へ水平荷重Fが作用すれば、鋼管柱2は、水平部材1a,1aに阻害されることなく水平方向に変位することができる。このように、水平部材1a,1aは、互いに対向するように配置されることで、設置時には鋼管柱2の姿勢を支持することができる一方で、水平荷重Fが鋼管柱2に作用するときは、当該荷重を受けないように鋼管柱2を水平方向へ変位させることができる。
本発明は、鋼製スリットダムに利用可能である。
1 基礎鞘管材
1a 水平部材
1b 位置決めストッパ
2 鋼管柱
2a 鉛直部材
2b 吊り金具
3 自立式鋼管材
4 充填材
5 基礎コンクリート
6 アンカーボルト
10 自立式鋼管材
11 ベースプレート
11a ボルト孔
12 角形鋼管
30 地盤
1a 水平部材
1b 位置決めストッパ
2 鋼管柱
2a 鉛直部材
2b 吊り金具
3 自立式鋼管材
4 充填材
5 基礎コンクリート
6 アンカーボルト
10 自立式鋼管材
11 ベースプレート
11a ボルト孔
12 角形鋼管
30 地盤
Claims (6)
- 地盤に鉛直に埋め込まれた基礎鞘管材と、同基礎鞘管材内に挿入して直立する鋼管柱と、を備える自立式鋼管材を複数設置して構成される鋼製スリットダムであって、
前記基礎鞘管材は、上端部が前記地盤の上面とほぼ面一に埋め込まれ、その内側壁面に、前記鋼管柱の直立姿勢を保持する水平部材が突設されていること、
前記基礎鞘管材内に挿入される前記鋼管柱は、外周面に、前記水平部材の下方に位置決めされる鉛直部材が突設されていること、
前記基礎鞘管材の内側壁面と前記鋼管柱の外周面とが形成する隙間に、充填材が充填されていることを特徴とする、鋼製スリットダム。 - 前記水平部材は、前記基礎鞘管材の内側壁面における対向する壁面に計2個設けられ、該水平部材の前記鋼管柱側の辺が、丸形の該鋼管柱の外周面に沿うように凹んだ弧状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載した鋼製スリットダム。
- 前記水平部材の下面には、前記鋼管柱の鉛直部材と当接する位置決めストッパが設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した鋼製スリットダム。
- 前記鉛直部材は、鉛直方向に細長い線状のリブプレートであり、前記鋼管柱の管軸に対し、対称な配置に計2個設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した鋼製スリットダム。
- 前記基礎鞘管材は、ベースプレートの上面に角形鋼管を接合して構成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した鋼製スリットダム。
- 前記充填材は、下方に充填部材が充填され、該充填部材の上方にモルタル又はコンクリートが充填されて構成されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載した鋼製スリットダム。
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