JP5162682B2 - 砂防堰堤及びその施工方法 - Google Patents
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そこで、前記問題を解決する砂防堰堤として、例えば下記特許文献3には、下端部を基礎コンクリートに埋設して建て込まれた柱材の頭部に、河川横断方向に配置しコンクリート堤体へ直接埋め込み固定した梁材を接合して平面構造とした構成が記載されている。この砂防堰堤は、土石流や流木等の衝撃力を直接梁材及び柱材で受け止めると共に、その衝撃力をコンクリート堤体と基礎コンクリートへ伝達する構成であり、面外荷重に対して安全性の高い構造である。
河川の横断方向両岸のコンクリート堤体2、2間に鋼製スリットダム6が設置された砂防堰堤であって、
コンクリート堤体2、2間の基礎コンクリート5上へ下部を仮固定して建てた柱材8の上端部のフランジ8bと、河川の横断方向に配置した梁材7aから下向きに突設された柱頭部8aのフランジ8bとが接合されており、
コンクリート堤体2の河川中央を向く面の梁設置位置に予め埋め込まれた梁端部材7bのフランジ7fと、前記梁材7aの端部のフランジ7fとを接合して梁7を構成して鋼製スリットダム6が完成されており、
更に基礎コンクリート5上へ増し打ちしたコンクリート5’により柱材8の下部を埋めて本固定されていることを特徴とする。
鋼製スリットダム6を平面的に見て、梁7の下流側に、水平方向の繋ぎ材11を介して下流側梁材9が接合されており、同下流側梁材9の両端部は、コンクリート堤体2、2の河川中央を向く面へ予め埋め込まれた梁端部材7bとフランジ9bで接合して立体骨組構造が構成されていることを特徴とする。
鋼製スリットダム6を構成する梁材7a及び下流側梁材9は高さ方向に複数本設けられており、同梁材7a及び下流側梁材9の両端部はそれぞれ、コンクリート堤体2、2の河川中央を向く面に予め埋め込まれた梁端部材7bとフランジで接合されていることを特徴とする。
コンクリート堤体2に埋め込まれた梁端部材7bは、固定金具16により位置決めしてコンクリート中に埋め込まれていることを特徴とする。
梁端部材7bは、外周にゴムシートを巻いてコンクリート堤体2中に埋め込まれ、この梁端部材7bと梁材7aとをフランジ接合して梁7が設置されていることを特徴とする。
鋼製スリットダム6を構成する柱材8は、河川の横断方向両岸のコンクリート堤体2、2間に複数本建てられていることを特徴とする。
柱材8は、コンクリート堤体2.2間の基礎コンクリート5上へ、その下部をアンカー14により仮固定して、又は鞘管15を用いて建てられ、更に基礎コンクリート5上へ増し打ちしたコンクリート5’により下部を埋めて本固定されていることを特徴とする。
河川の横断方向両岸のコンクリート堤体2、2の間に鋼製スリットダム6を設置する砂防堰堤の施工方法であって、
河川中央を向く面の梁設置位置へ梁端部材7bを埋め込んだコンクリート堤体2を構築する段階と、
前記コンクリート堤体2、2間の基礎コンクリート5上に柱材8の下部を仮固定して建てる段階と、
下向きに柱頭部8aを突設させた梁材7aを前記コンクリート堤体2、2間の河川横断方向へ配置し、同コンクリート堤体2、2の河川中央を向く面に埋め込まれた梁端部材7bと前記梁材7aの端部とをフランジ7fで接合して梁7を完成し、更に梁材7aの前記下向きに突設された柱頭部8aと前記コンクリート堤体2、2間の基礎コンクリート5上に建てた柱材8の上端部とをフランジ8bで接合する段階と、
前記柱材8の下端部を基礎コンクリート5上へ打設した増し打ちコンクリート5’により埋めて本固定する段階とからなることを特徴とする。
柱材8は、その下端部をアンカー14によりコンクリート堤体2、2間の基礎コンクリート5上に仮固定して、又は鞘管15を用いて基礎コンクリート5上に建て、その後基礎コンクリート5上へ打設した増し打ちコンクリート5’により柱材8の下部を埋めて本固定することを特徴とする。
図1は、梅雨や台風における豪雨等による土石流や流木等の土砂災害が懸念される山間地の河川の横断方向の両岸に構築したコンクリート堤体2、2間のいわゆる水通し部へ鋼製スリットダム6が設置された砂防堰堤1の実施例1を示している。
この鋼製スリットダム6の梁材7aと柱材8は主に鋼管で製作され、共に外径が500mm程度の大きさである。また、本実施例の梁7と柱材8とで構成された鋼製スリットダム6の大きさは、高さが4m〜5m程度、横幅が4m〜5m程度の大きさである。
そして、前記堤体本体部コンクリート2の下部コンクリート3の上面部3aに、梁材7aの両端を接合するフランジ7fを備えた梁端部材7bを設置し、その上に更に袖部コンクリート4を打設して、図3に示すように梁端部材7bをコンクリート堤体2中に埋め込んだ堤体本体部コンクリート2を完成している。因みに、前記コンクリート堤体2の高さは最大14.5mとする。
図6(b)と(b’)は、フランジ付き梁端部材7bの両側面に補強筋16b(図示例では6本)を設けて上端面3aへ位置決めし埋設した実施形態を示している。
図6(c)と(c’)は、フランジ付き梁端部材7bの両側面に留め金具16cを設けて上端面3aへ位置決めし埋設した実施形態を示している。
図6(d)と(d’)は、左側面を開放した箱材16dを用いて箱抜きしたコンクリート堤体2中へ、外周にゴムシートを巻いたフランジ付き梁端部材7bを差し込み、前記箱材16dとフランジ付き梁端部材7bとの空隙にモルタルコンクリート16eを充填してフランジ7f付き梁端部材7bを位置決めした実施形態を示している。
また、図4に示すように、上記柱材8の上端部のフランジ8bと、河川横断方向に配置した梁材7aから下向きに突設した柱頭部8aのフランジ8bもボルト接合して一体的に接合して鋼製スリットダム6の骨格を完成する。
最後に、図5に示したように、柱材8の下端部を基礎コンクリート5上へ後打した増し打ちコンクリート5’の中へ埋め込み固定する。
本実施例3の砂防堰堤1を平面的に見ると、鋼製スリットダム6を構成する上記梁7の下流側に、前記梁7と繋ぎ材(横梁)11同士をフランジ11aで接合された下流側梁材9が、その両端部を、やはりコンクリート堤体2へ埋め込んだ梁端部材7bと接合して立体骨組構造に構成し、巨礫や流木等による強い衝撃を受けても十分捕捉できる構成とされている。
因みに、図8に示す鋼製スリットダム6の大きさは、高さが7m〜8m程度、横幅が6m〜8m程度、奥行きが2m〜3m程度である。
2 コンクリート堤体
3 堤体下部コンクリート
4 袖部コンクリート
5 基礎コンクリート
5’ 増し打ちコンクリート
6 鋼製スリットダム
7 梁
7a 梁材
7b フランジ付梁端部材
7f フランジ
8 柱材
8b フランジ
9 下流側梁材
16a〜16d 固定金具
Claims (9)
- 河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に鋼製スリットダムが設置された砂防堰堤であって、
コンクリート堤体間の基礎コンクリート上へ下部を仮固定して建てた柱材の上端部のフランジと、河川の横断方向に配置した梁材から下向きに突設された柱頭部のフランジとが接合されており、
コンクリート堤体の河川中央を向く面の梁設置位置に予め埋め込まれた梁端部材のフランジと、前記梁材の端部のフランジとを接合して梁を完成し鋼製スリットダムが構成されており、
更に基礎コンクリート上へ打設した増し打ちコンクリートにより柱材の下部を埋めて本固定されていることを特徴とする、砂防堰堤。 - 鋼製スリットダムを平面的に見て、梁の下流側に、水平方向の繋ぎ材を介して下流側梁材が接合されており、同下流側梁材の両端部は、コンクリート堤体の河川中央を向く面へ予め埋め込まれた梁端部材とフランジで接合して立体骨組構造が構成されていることを特徴とする、請求項1に記載した砂防堰堤。
- 鋼製スリットダムを構成する梁材及び下流側梁材は高さ方向に複数本設けられており、同梁材及び下流側梁材の両端部はそれぞれ、コンクリート堤体の河川中央を向く面に予め埋め込まれ梁端部材とフランジで接合されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した砂防堰堤。
- コンクリート堤体に埋め込まれた梁端部材は、固定金具により位置決めしてコンクリート中に埋め込まれていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した砂防堰堤。
- 梁端部材は、外周にゴムシートを巻いてコンクリート堤体中に埋め込まれ、この梁端部材と梁材とをフランジ接合して梁が設置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した砂防堰堤。
- 鋼製スリットダムを構成する柱材は、河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に複数本建てられていることを特徴とする、請求項1に記載した砂防堰堤。
- 柱材は、コンクリート堤体間の基礎コンクリート上へ、その下端部をアンカーにより仮固定して、又は鞘管を用いて建てられ、更に基礎コンクリート上へ打設した増し打ちしたコンクリートにより下部を埋めて本固定されていることを特徴とする、請求項1又は6に記載した砂防堰堤。
- 河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に鋼製スリットダムを設置した砂防堰堤の施工方法であって、
河川中央を向く面の梁設置位置へ梁端部材を埋め込んだコンクリート堤体を構築する段階と、
前記コンクリート堤体間の基礎コンクリート上へ柱材の下部を仮固定して建てる段階と、
下向きに柱頭部が突設された梁材を前記コンクリート堤体間の河川横断方向へ配置し、同コンクリート堤体の河川中央を向く面に埋め込まれた梁端部材と前記梁材の端部とをフランジで接合して梁を完成し、更に梁材の前記下向きに突設された柱頭部と前記コンクリート堤体間の基礎コンクリート上に建てた柱材の上端部とをフランジで接合する段階と、 前記柱材の下端部を基礎コンクリート上へ打設した増し打ちコンクリートにより埋めて本固定する段階とからなることを特徴とする、砂防堰堤の施工方法。 - 柱材は、その下端部をアンカーによりコンクリート堤体間の基礎コンクリート上に仮固定して、又は鞘管を用いて基礎コンクリート上に建て、その後基礎コンクリート上へ打設した増し打ちコンクリートにより柱材の下部を埋めて本固定することを特徴とする、請求項8に記載した砂防堰堤の施工方法。
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