JP5162682B2 - 砂防堰堤及びその施工方法 - Google Patents

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Description

この発明は、コンクリート堤体間へ鋼製スリットダムを設置した砂防堰堤、及びその施工方法の技術分野に属し、更に云えば、施工性及び経済性に優れた砂防堰堤及びその施工方法に関する。
我が国は、急峻な地形を有し脆弱な地質で構成されているため、梅雨や台風における豪雨等による巨礫や流木等の土砂災害によって多大な被害を被ることが知られている。そのため、土砂災害において出水に含まれる比較的小さい石や土砂は透過させて下流に流し、巨礫は押し止めて下流に流れることを防ぎ、二次災害を未然に防ぐ砂防堰堤の技術が種々開発されている。その一例として、下記特許文献1及び2には、コンクリート堤体間へ、複数の柱材及び該柱材を連結する梁材とで構成された立体構造の砂防堰堤を設置する技術が開示されている。しかし、この砂防堰堤は立体構造であるが故に、現場での組立作業に手間が掛かること、巨礫や流木等の捕捉で損傷した部材の修復や堆積土砂・礫の除去作業が難いこと、複雑な構成で部品点数が非常に多く製造コストが嵩むこと、等々多くの問題点がある。
そこで、前記問題を解決する砂防堰堤として、例えば下記特許文献3には、下端部を基礎コンクリートに埋設して建て込まれた柱材の頭部に、河川横断方向に配置しコンクリート堤体へ直接埋め込み固定した梁材を接合して平面構造とした構成記載されている。この砂防堰堤は、土石流や流木等の衝撃力を直接梁材及び柱材で受け止めると共に、その衝撃力をコンクリート堤体と基礎コンクリートへ伝達する構成であり、面外荷重に対して安全性の高い構造である。
下記特許文献4に開示された砂防堰堤は、下端部を基礎コンクリートに埋設して建て込まれた柱材の頭部に、予めコンクリート堤体へ埋め込まれたアンカーへ溶接又はボルト接合等の接合手段で固定した梁材が接合された平面構造である。
また、下記特許文献5に開示された砂防堰堤は、コンクリート堤体に梁材の両端部を支持する収納部が形成されており、該収納部へ両端部が支持された梁材が、同梁材を貫通する鋼製の棒材で固定されている。前記梁材と柱材とが一体的に連結されている。柱材の下端部は、基礎コンクリートに埋め込まれて固定されている。
特許第2607336号公報 特公平5−2050号公報 特開2002−121728号公報 特公昭59−40966号公報 特開2001−303538号公報
上記特許文献3に開示された砂防堰堤は、梁材の両端部を直接コンクリート堤体へ埋め込み固定する構成なので、温度変化よってコンクリートや梁材、柱材が伸縮すると、熱応力によるコンクリートのひび割れが問題となる。また、土石流、流木を捕捉した後には、それらを除去するため、鋼製スリットダムも合わせて除去する場合もあるが、梁材や柱材を直接本体部に埋め込んでいると除去に手間がかかる。さらに、砂防堰堤の施工方法の具体的な記述はないが、一般的な施工方法では、先ず、梁材と柱材を組合せて連結した鋼製スリットダムを形成し、その後、前記鋼製スリットダムへ堤体本体部コンクリートを打設する手順が行われる。しかし、この施工方法では、コンクリート堤体を打設する際に、鋼製スリットダムが倒れないように安全性を確保する手段が必要となり、施工性及び経済性に問題がある。
上記特許文献4に開示された砂防堰堤も、梁材は、その両端部をコンクリート堤体へ埋め込んだアンカーを介して固定する構成なので、やはり、温度変化によってコンクリートや梁材、柱材が伸縮すると、熱応力によりコンクリートがひび割れる。その上、予め堤体本体部コンクリートへ埋め込んだアンカーを介して梁材の両端部を固定するには、施工誤差が問題となる。
上記特許文献5に開示された砂防堰堤は、コンクリート堤体に固定される梁材が棒材によってのみ固定された構成であるから、巨礫や流木等による強い衝撃に弱く十分な捕捉が得られない問題がある。また、コンクリート堤体へ、梁材の両端部を支持する収納部を設ける必要があるなど、施工性及び経済性にも問題がある。
本発明の目的は、温度変化によるコンクリートや梁材、柱材の伸縮歪や熱応力を吸収可能なスライド可能構造を採用し、コンクリートのひび割れを抑止する砂防堰堤及びその施工方法を提供することである。
本発明の次の目的は、梁材をコンクリート堤体へ設置するに際し、その施工誤差を吸収可能な構成であり、しかも、梁材及び柱材を着脱可能として、土石流や流木を捕捉した後にはそれらを除去するために鋼製フレームを取り外して工事できるように構成して、工事を簡単にでき、鋼製フレームも簡単に交換でき、鋼製砂防ダムを容易に復旧できる砂防堰堤及びその施工方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、コンクリートを打設してコンクリート堤体を構築する作業と、梁材と柱材とより成る鋼製スリットダムを組立る作業とを分離可能とし、施工性及び経済性に優れた砂防堰堤及びその施工方法を提供することである。
上述した従来技術の課題を解決する手段として、請求項1に記載した発明に係る砂防堰堤は、
河川の横断方向両岸のコンクリート堤体2、2間に鋼製スリットダム6が設置された砂防堰堤であって、
コンクリート堤体2、2間の基礎コンクリート5上へ下部を仮固定して建てた柱材8の上端部のフランジ8bと、河川の横断方向に配置した梁材7aから下向きに突設された柱頭部8aのフランジ8bとが接合されており、
コンクリート堤体2の河川中央を向く面の梁設置位置に予め埋め込まれた梁端部材7bのフランジ7fと、前記梁材7aの端部のフランジ7fとを接合して梁7を構成して鋼製スリットダム6が完成されており、
更に基礎コンクリート5上へ増し打ちしたコンクリート5’により柱材8の下部を埋めて本固定されていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した砂防堰堤において、
鋼製スリットダム6を平面的に見て、梁7の下流側に、水平方向の繋ぎ材11を介して下流側梁9が接合されており、同下流側梁9の両端部は、コンクリート堤体2、2の河川中央を向く面へ予め埋め込まれた梁端部材7bとフランジ9bで接合して立体骨組構造が構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した砂防堰堤において、
鋼製スリットダム6を構成する梁材7a及び下流側梁9は高さ方向に複数本設けられており、同梁材7a及び下流側梁9の両端部はそれぞれ、コンクリート堤体2、2の河川中央を向く面に予め埋め込まれた梁端部材7bとフランジで接合されていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した砂防堰堤において、
コンクリート堤体2に埋め込まれた梁端部材7bは、固定金具16により位置決めしてコンクリート中に埋め込まれていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載した砂防堰堤において、
梁端部材7bは、外周にゴムシートを巻いてコンクリート堤体2中に埋め込まれ、この梁端部材7bと梁材7aとをフランジ接合して梁7が設置されていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項1に記載した砂防堰堤において、
鋼製スリットダム6を構成する柱材8は、河川の横断方向両岸のコンクリート堤体2、2間に複数本建てられていることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、請求項1又は6に記載した砂防堰堤において、
柱材8は、コンクリート堤体2.2間の基礎コンクリート5上へ、その下部をアンカー14により仮固定して、又は鞘管15を用いて建てられ、更に基礎コンクリート5上へ増し打ちしたコンクリート5’により下部を埋めて固定されていることを特徴とする。
請求項8に記載した砂発明に係る防堰堤の施工方法は、
河川の横断方向両岸のコンクリート堤体2、2の間に鋼製スリットダム6を設置する砂防堰堤の施工方法であって、
河川中央を向く面の梁設置位置へ梁端部材7bを埋め込んだコンクリート堤体2を構築する段階と、
前記コンクリート堤体2、2間の基礎コンクリート5上に柱材8の下部を仮固定して建てる段階と、
下向きに柱頭部8a突設させた梁材7aを前記コンクリート堤体2、2間の河川横断方向配置し、同コンクリート堤体2、2の河川中央を向く面に埋め込まれた梁端部材7bと前記梁材7aの端部とをフランジ7fで接合して梁7を完成し、更に梁材7aの前記下向きに突設された柱頭部8aと前記コンクリート堤体2、2間の基礎コンクリート5上に建てた柱材8の上端部とをフランジ8bで接合する段階と
前記柱材8の下端部基礎コンクリート5上打設した増し打ちコンクリート5’により埋めて本固定する段階とからなることを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、請求項8に記載した砂防堰堤の施工方法において、
柱材8は、その下端部をアンカー14によりコンクリート堤体2、2間の基礎コンクリート5上に仮固定して、又は鞘管15を用いて基礎コンクリート5上に建て、その後基礎コンクリート5上へ打設した増し打ちコンクリート5’により柱材8の下部を埋めて本固定することを特徴とする。
本発明の砂防堰堤及びその施工方法によれば、梁7はコンクリート堤体2へ予め埋め込まれた梁端部材7bへ梁材7aをフランジ7fを介して接合し設置されるほか、梁端部材7bは外周にゴムシートを巻いてコンクリート堤体2中に埋め込まれる(請求項5)ので、コンクリートや梁7、柱材8の伸縮歪みを吸収可能な構造を形成することができ、熱応力を解消してコンクリートのひび割れを抑止することができる。
また、本発明の砂防堰堤及びその施工方法は、梁7を梁材7aと梁端部材7bとに分割して構成し、両者をフランジ7fを介して接合して梁7を組立て完成して設置するので、梁7の施工誤差を吸収することができる上に、梁7及び柱8は着脱可能なので、土石流や流木を捕捉した後に、それらを除去するために前記の接合部を分離して鋼製スリットダム6を取り外して(解体して)改修工事ができる。そのため改修工事が簡単、容易にできるばかりでなく、鋼製スリットダム6は簡単に復旧させることができる。
更に、本発明の砂防堰堤及びその施工方法は、コンクリートを打設してコンクリート堤体2、2を構築する作業と、梁7と柱材8とより成る鋼製スリットダム6を組立てる作業とを分離して実施できるので、コンクリート堤体2、2間へ鋼製スリットダム6を設置する施工の大幅な短工期化を図ることができ、施工性及び経済性に優れている。
河川の横断方向両岸のコンクリート堤体2、2間に鋼製スリットダム6が設置された砂防堰堤及びその施工方法として、コンクリート堤体2、2間の基礎コンクリート5上に下端部を仮固定等して建てた柱材8の上端部と、河川の横断方向に配置した梁材7aから下向きに突設させた柱頭部8aとをフランジ8bで接合する。また、コンクリート堤体2の河川中央を向く面に予め梁端部材7bを埋め込み、同梁材7aの端部を前記梁端部材7bとフランジ8bで接合して梁7を完成し鋼製スリットダム6を構築する。
砂防堰堤1の施工方法は、先ず、河川中央を向く面に予め梁端部材7bを埋め込んだコンクリート堤体2、2を構築する。次に、前記コンクリート堤体2、2間の基礎コンクリート5上に柱材8をその下端部を仮固定等して建てる。そして、柱頭部8aを下向きに突設させた梁材7aを河川横断方向に配置して、その両端部を梁端部材7bとフランジ7fで接合して梁7を完成する。更に梁材7aの前記下向きに突設させた柱頭部8aを前記柱材8の頭部とフランジ8bで接合する。最後に、コンクリート堤体2、2間の基礎コンクリート5上に建てた柱材8の下端部を、打設した増し打ちコンクリート5’により埋めて固定する。
以下に、本発明に係る砂防堰堤及びその施工方法を図1〜図10に基づいて説明する。
図1は、梅雨や台風における豪雨等による土石流や流木等の土砂災害が懸念される山間地の河川の横断方向の両岸に構築したコンクリート堤体2、2間のいわゆる水通し部へ鋼製スリットダム6が設置された砂防堰堤1の実施例1を示している。
この砂防堰堤1の鋼製スリットダム6は、コンクリート堤体2、2間の底部(水通し部の底面部)へ打設した基礎コンクリート5(図2参照)へ増し打ちコンクリート5’を打設して(図5を参照)、下端部を埋設して建てた柱材8の頭部が、河川横断方向に配置した梁材7aから下向きに突設された柱頭部8aとフランジ8bにより接合されている。コンクリート堤体2には、河川中央を向く面(水通し部の開口面)に梁端部材7bが埋め込まれており、前記梁7を構成する梁材7aは、その両端部を前記梁端部材7bとフランジ7fで接合されている。
この鋼製スリットダム6の梁材7aと柱材8は主に鋼管で製作され、共に外径が500mm程度の大きさである。また、本実施例の梁7と柱材8とで構成された鋼製スリットダム6の大きさは、高さが4m〜5m程度、横幅が4m〜5m程度の大きさである。
この砂防堰堤1の施工方法は、先ず、図2に示すように、梁端部材7bを設置する高さTまで、堤体本体部コンクリート2の下部コンクリート3を打設する。この堤体本体部コンクリート2は、上記柱材8の固定用として後打ち(増し打ち)するコンクリート5’の天端高さ(図3、図4に示す破線X参照)を考慮した高さに設計、施工する。
そして、前記堤体本体部コンクリート2の下部コンクリート3の上面部3aに、梁材7aの両端を接合するフランジ7fを備えた梁端部材7bを設置し、その上に更に袖部コンクリート4を打設して、図3に示すように梁端部材7bをコンクリート堤体2中に埋め込んだ堤体本体部コンクリート2を完成している。因みに、前記コンクリート堤体2の高さは最大14.5mとする。
なお、上記のようにコンクリート堤体2へ梁端部材7bを埋め込むに際し、その位置を調整するため、図6(a)〜(d)に示す固定金具16(16a〜16e)を用い、梁端部材7bを位置決めした状態でコンクリートに埋め込む。図6(a)〜(d)は、前記固定金具16で梁端部材7bを位置決めする手段、手法の一例を示している。
図6(a)と(a’)は、堤体本体部コンクリート2を構成する下部コンクリート3の上端面3a(図2参照)へ、調整げた材16aを設けたフランジ7f付き梁端部材7bを設置して位置決めし埋設した実施形態を示している。
図6(b)と(b’)は、フランジ付き梁端部材7bの両側面に補強筋16b(図示例では6本)を設けて上端面3aへ位置決めし埋設した実施形態を示している。
図6(c)と(c’)は、フランジ付き梁端部材7bの両側面に留め金具16cを設けて上端面3aへ位置決めし埋設した実施形態を示している。
図6(d)と(d’)は、左側面を開放した箱材16dを用いて箱抜きしたコンクリート堤体2中へ、外周にゴムシートを巻いたフランジ付き梁端部材7bを差し込み、前記箱材16dとフランジ付き梁端部材7bとの空隙にモルタルコンクリート16eを充填してフランジ7f付き梁端部材7bを位置決めした実施形態を示している。
次に、図3は、コンクリート堤体2へ上記のようにしてフランジ7f付き梁端部材7bを埋設した上で、コンクリート堤体2、2間の基礎コンクリート5上に柱材8を建てた段階を示している。但し図示の便宜上、図3の左半分には、柱材8の下端部をアンカー14により基礎コンクリート5上へ仮固定してコンクリート堤体2、2間に柱材8を建てた段階を示し、同右半分には鞘管15を用いてコンクリート堤体2、2間の基礎コンクリート5上へ仮固定して柱材8を建てた段階を並列して示している。これは便宜上の図示である。前記いずれの実施態様でも、柱材8の上端には接合用のフランジ8bを備えている。なお、図3中の破線Xは、柱材8の下端部を固定するために後で打設する増し打ちコンクリート5’の天端高さの位置を示している。
次に、図4は、上記フランジ7f付きの梁端部材7bと、その間へ配置した梁材7aとをフランジ7fを介して接合して梁7を完成させた段階を示している。
また、図4に示すように、上記柱材8の上端部のフランジ8bと、河川横断方向に配置した梁材7aから下向きに突設した柱頭部8aのフランジ8bもボルト接合して一体的に接合して鋼製スリットダム6の骨格を完成する。
最後に、図5に示したように、柱材8の下端部を基礎コンクリート5上へ後打した増し打ちコンクリート5’の中へ埋め込み固定する。
したがって、本発明の砂防堰堤及びその施工方法によれば、梁7はコンクリート堤体2へ予め埋め込まれたフランジ付き梁端部材7bとフランジ接合して設置されるので、前記フランジ接合部により、或いは同梁端部材7bの外周に巻いたゴムシートによりコンクリート及び柱材8の伸縮歪みを吸収可能な構造とすることができ、熱応力を解消してコンクリートのひび割れを抑止することができる。
また、フランジ付き梁端部材7bと梁材7aとをフランジ接合して梁7の組立てを完成して設置するので、梁材7aの施工誤差を充分に吸収することができる。しかも、梁材7aと柱材8は着脱可能なフランジ接合なので、土石流、流木を捕捉した後に、それらを除去するために鋼製スリットダム6を解体して改修工事ができる。そのため、除去・改修の工事が簡単になるばかりでなく、鋼製スリットダム6は簡単に復旧工事ができる。
更に、梁7は、コンクリート堤体2に埋め込まれた梁端部材7bと梁材7aとをフランジ接合して設置し、梁材7aに突設した柱頭部8aと柱材8の上端部もフランジ接合により一体的に連結し、柱材8の下端部は増し打ちコンクリート5’に埋設して本固定した簡易な平面構造なので、部品点数が少なく、構造的に簡略化できる。堤体用コンクリートを打設してコンクリート堤体2を構築する作業と、梁7と柱材8とより成る鋼製スリットダム6を組立てる作業とを分離して施工可能なので、コンクリート堤体2、2間の水通し部へ鋼製スリットダム6を設置するに際し、該鋼製スリットダム6の建て方を仮支持する必要がなく、施工の大幅な短工期化を図ることができ、施工性及び経済性に優れている。
本実施形態の砂防堰堤1は、梁材7aをコンクリート堤体2の梁端部材7bとフランジ接合して設置する際に、その施工誤差を充分に吸収することができる。勿論、一方のコンクリート堤体2に埋め込まれた梁端部材7bと梁材7aの端部との間に、コンクリートや梁材7、柱材8の伸縮歪みを吸収可能なスライド可能構造とする空隙を形成して、熱応力を解消してコンクリートのひび割れを抑止することもできる。
図7の砂防堰堤1は、コンクリート堤体2、2間の間隔が広い場合に、該コンクリート堤体2、2間の中間位置にコンクリート隔壁18が構築され、該コンクリート隔壁18とコンクリート堤体2との間に鋼製スリットダム6が設置された実施例2を示している。本実施例2の砂防堰堤1は、フランジ付き梁端部材7bを埋め込んだコンクリート隔壁18をコンクリート堤体2の中間位置に構築する他は、上記実施例1と同様の施工方法と構成で実施される。
図8及び図9に示した砂防堰堤1は、ダム高(鋼製高)が高く、柱材8が長くなり、1本の梁7のみでは、巨礫を押し止めて下流に流れることを防ぐには不十分である場合の実施例3を示している。即ち、柱材8の高さ方向の中間位置にも、対応するフランジ付き梁端部材7bをコンクリート堤体2、2埋め込んで設置し、上下の向きにフランジ8b付きの柱継手部8cを突設した第二の梁材7’を河川の横断方向に配置し、その両端を前記の梁端部材7bとフランジで接合する。そして、下向きの柱継手部8cは上記柱材8の上端とフランジ8bで接合する。また、上向きの柱継手部8cは上方の梁材7aから下向きに突設した柱頭部8aとの間に継ぎ足し柱8dを用いてそれぞれフランジ接合して一体的に連結した第二の梁7’を設置した実施例3を示している。
本実施例3の砂防堰堤1を平面的に見ると、鋼製スリットダム6を構成する上記梁7の下流側に、前記梁7と繋ぎ材(横梁)11同士をフランジ11aで接合された下流側梁材9が、その両端部を、やはりコンクリート堤体2へ埋め込んだ梁端部材7bと接合して立体骨組構造に構成し、巨礫や流木等による強い衝撃を受けても十分捕捉できる構成とされている
因みに、図8に示す鋼製スリットダム6の大きさは、高さが7m〜8m程度、横幅が6m〜8m程度、奥行きが2m〜3m程度である。
なお、上記図8に示した砂防堰堤1よりも、ダム高(鋼製高)が高く、柱材8が長くなる場合には、図10に示すように、上下方向に複数本の梁材7及び下流側梁材9を、上記図8、図9で示した実施形態と同様の施工方法で設置して実施することも勿論可能である。因みに、図10に示す鋼製スリットダム6の大きさは、高さが6m〜8m程度、横幅が10m〜11m程度、奥行きが2m〜3m程度である。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、勿論、図示した実施例の限りではない。本発明の要旨及び技術的思想を逸脱しないかぎり、当業者の変形、応用にしたがい様々な実施例が成立することを、敢えてここに、言及する次第です。
本発明に係る砂防堰堤を示す斜視図である。 本発明に係る砂防堰堤の施工手順のコンクリート工事段階を示す立面図である。 本発明に係る砂防堰堤の鋼材組み立て手順の途中段階を示す立面図である。 本発明に係る砂防堰堤の鋼材組み立て手順の終盤段階を示す立面図である。 本発明に係る砂防堰堤の完成状態を示す立面図である。 (a)(a’)〜(d)(d’)はフランジ付梁端部材をコンクリート堤体へ位置決めする手段を例示した説明図である。 実施例2の砂防堰堤を示す立面図である。 実施例3の砂防堰堤を示す斜視図である。 図8に示した砂防堰堤の縦断面図である。 実施例3の砂防堰堤の異なる実施形態を示す斜視図である。
1 砂防堰堤
2 コンクリート堤体
3 堤体下部コンクリート
4 袖部コンクリート
5 基礎コンクリート
5’ 増し打ちコンクリート
6 鋼製スリットダム
7 梁
7a 梁材
7b フランジ付梁端部材
7f フランジ
8 柱材
8b フランジ
9 下流側梁材
16a〜16d 固定金具

Claims (9)

  1. 河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に鋼製スリットダムが設置された砂防堰堤であって、
    コンクリート堤体間の基礎コンクリート上へ下部を仮固定して建てた柱材の上端部のフランジと、河川の横断方向に配置した梁材から下向きに突設された柱頭部のフランジとが接合されており、
    コンクリート堤体の河川中央を向く面の梁設置位置に予め埋め込まれた梁端部材のフランジと、前記梁材の端部のフランジとを接合して梁を完成し鋼製スリットダムが構成されており、
    更に基礎コンクリート上へ打設した増し打ちコンクリートにより柱材の下部を埋めて本固定されていることを特徴とする、砂防堰堤。
  2. 鋼製スリットダムを平面的に見て、梁の下流側に、水平方向の繋ぎ材を介して下流側梁が接合されており、同下流側梁の両端部は、コンクリート堤体の河川中央を向く面へ予め埋め込まれた梁端部材とフランジで接合して立体骨組構造が構成されていることを特徴とする、請求項1に記載した砂防堰堤。
  3. 鋼製スリットダムを構成する梁材及び下流側梁材は高さ方向に複数本設けられており、同梁材及び下流側梁材の両端部はそれぞれ、コンクリート堤体の河川中央を向く面に予め埋め込まれ梁端部材とフランジで接合されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した砂防堰堤。
  4. コンクリート堤体に埋め込まれた梁端部材は、固定金具により位置決めしてコンクリート中に埋め込まれていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した砂防堰堤。
  5. 梁端部材は、外周にゴムシートを巻いてコンクリート堤体中に埋め込まれ、この梁端部材と梁材とをフランジ接合して梁が設置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した砂防堰堤。
  6. 鋼製スリットダムを構成する柱材は、河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に複数本建てられていることを特徴とする、請求項1に記載した砂防堰堤。
  7. 柱材は、コンクリート堤体間の基礎コンクリート上へ、その下端部をアンカーにより仮固定して、又は鞘管を用いて建てられ、更に基礎コンクリート上へ打設した増し打ちしたコンクリートにより下部を埋めて固定されていることを特徴とする、請求項1又は6に記載した砂防堰堤。
  8. 河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に鋼製スリットダムを設置した砂防堰堤の施工方法であって、
    川中央を向く面の梁設置位置へ梁端部材を埋め込んだコンクリート堤体を構築する段階と、
    前記コンクリート堤体間の基礎コンクリート上柱材の下部を仮固定して建てる段階と、
    下向きに柱頭部が突設された梁材を前記コンクリート堤体間の河川横断方向へ配置し、同コンクリート堤体の河川中央を向く面に埋め込まれた梁端部材と前記梁材の端部とをフランジで接合して梁を完成し、更に梁材の前記下向きに突設された柱頭部と前記コンクリート堤体間の基礎コンクリート上に建てた柱材の上端部とをフランジで接合する段階と前記柱材の下端部基礎コンクリート上へ打設した増し打ちコンクリートにより埋めて本固定する段階とからなることを特徴とする、砂防堰堤の施工方法。
  9. 柱材は、その下端部をアンカーによりコンクリート堤体間の基礎コンクリート上に仮固定して、又は鞘管を用いて基礎コンクリート上に建て、その後基礎コンクリート上へ打設した増し打ちコンクリートにより柱材の下部を埋めて本固定することを特徴とする、請求項8に記載した砂防堰堤の施工方法。
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