JP5129977B2 - 鋼製スリットダム - Google Patents

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Description

本発明は、河川の土石流対策用或いは流木対策用等に好適な鋼製スリットダムに関するものである。
従来、土石流発生時に巨礫、流木や多量の土砂を捕捉して河川下流への流出を防止可能な透過型砂防堰堤が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1の開示技術では、土砂調節機能を保持しながら、土石流発生時に捕捉した礫や土砂の再流出を防ぐ観点から案出されたものであり、河川の縦断方向と、河川の横断方向とに棒状部材を架設して構成したフレームを河床に設置してなる。
しかしながら、この特許文献1の開示技術は、河川の縦断方向に棒状部材を架設しなければならないところ、部材のコストが上昇してしまい、施工労力も増加することから施工費用の増大が著しくなる。また、この特許文献1の開示技術では、河川の縦断、横断方向にそれぞれ棒状部材を設けることにより立体的な構造としていることから、格子状に囲まれた立体内部に土砂等が入り混むと、これを立体外部へ取り出し、除去することが困難になる。
また、河川の川幅方向両岸に形成されているコンクリート製の袖部間に梁材を架設した鋼製スリットダムも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2の開示技術では、両川岸に設置した堤体と、当該堤体と連結し両堤体間を川幅方向に渡した桁と、当該桁と川底位置の基礎部とに連結し、所要の川幅方向間隔で鉛直部材を柱状に配置することにより、柱列式の鋼製スリットダム構造を構成している。即ち、このスリットダム構造では、構造の可及的な簡易化、堅牢化、製作コストの低減化を図ることが可能となる。
従来、この柱列式のスリットダム構造では、鉛直部材の支点間長さが長く、土石流の衝撃力吸収性能が劣るという欠点があり、これを補うためこの特許文献2の開示技術では、鉛直部材の中間部に水平桁部材を配置する構造が提案されている。しかしながら、係る構成では、衝撃を受け止めるために、鉛直部材下部の基礎部と、袖部に架設した上部の梁部のみで対応しなければならないことから、衝撃力を十分に受け止めることが困難であることから、鋼管部材の径を大きくとるか、或いは鋼管部材の板厚を厚く構成する必要性があった。また、巨礫以外の比較的小さな礫を受け止めようとするためには鉛直部材の間隔を狭くする必要があるところ、部材数を増加させる必要性が生じ、製作、設置コストが上昇してしまうという問題点があった。
さらに、このような鋼製スリットダムの例としては、例えば特許文献3に示すようなオープン型鋼製砂防堰堤が提案されている。この特許文献3の開示技術では、鋼製砂防ユニットの相互間の間隔をあけた部位に、同間隔部分を遮るように張出部が形成されている。
しかし、この張出部は、あくまで鋼製砂防ユニット間の間隙を埋めるために設けられるものであり、鋼製支柱等とほぼ同一の径からなる鋼管が用いられている。この張出部を鋼製支柱等とほぼ同一の径で構成するということは、これを太い径で構成するということを意味するものであるが、その分において施工コストが増大してしまうという問題点があった。
特開平7−82725号公報 特開2002−121728号公報 特開平11−286922号公報
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、施工コストの削減を図りつつ、河川において発生する土石流や流木等の河川下流への流出を効果的に防止可能な鋼製スリットダムを提供することにある。
本願請求項1に係る発明は、河川の川幅方向に形成されている土木構造物体間に配設される鋼製スリットダムにおいて、上記河川の両岸に形成された上記土木構造物体としての各袖部、又は上記土木構造物体としての各袖部及び当該袖部間の中間部構造物に埋設鋼管がそれぞれ埋設され、両端がフランジ部を介して対向する埋設鋼管に架設される1本の鋼管梁と、上記河川の底部に形成された基礎コンクリートに埋設の埋設鋼管と上記鋼管梁に設けられた分岐した鋼管とにフランジ相互の接合により連結された鉛直鋼管により形成された鋼管支柱と、上記鋼管支柱から上記川幅方向へ分枝延長され、上記鋼管支柱並びに上記鋼管梁よりも細径化された分枝鋼管とを備え、上記分枝鋼管は互いに上記川幅方向に離間されてなることを特徴とする。
本願請求項2に係る発明は、河川の川幅方向に形成されている土木構造物体間に配設される鋼製スリットダムにおいて、上記河川の両岸に形成された上記土木構造物体としての各袖部、又は上記土木構造物体としての各袖部及び当該袖部間の中間部構造物に埋設鋼管がそれぞれ埋設され、両端がフランジ部を介して対向する埋設鋼管に架設される上下に間隔をおいた鋼管梁と、上記河川の底部に形成された基礎コンクリートに埋設の埋設鋼管とこれに対向する鋼管梁に設けられ分岐した鋼管とにフランジ相互の接合により連結された鋼管及び上下に間隔をおいた鋼管梁に設けられ分岐した鋼管にフランジ相互の接合により連結された鋼管により形成された鋼管支柱と、上記鋼管支柱から上記川幅方向へ分枝延長され、上記鋼管支柱並びに上記鋼管梁よりも細径化された分枝鋼管とを備え、上記分枝鋼管は互いに上記川幅方向に離間されてなることを特徴とする。
また、本願請求項に係る発明は、請求項1又は2に記載の発明において、上記分枝鋼管の直径は、上記鋼管支柱の直径の1/2〜3/4構成されていることを特徴とする。
また、本願請求項に係る発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において、鉛直鋼管と、この鉛直鋼管から川幅方向へ向けて両側に分枝された細径で構成される分枝鋼管を有する鋼管ユニットを上記鋼管梁を介して上下方向に連結することにより構成され、互いに上記川幅方向に隣接する鋼管ユニットから分枝延長されてきている上記分枝鋼管は互いに上記川幅方向に離間されてなることを特徴とする。
また、本願請求項に係る発明は、請求項1〜のうち何れか1項記載の発明において、上記鋼管梁から下流側へ向けて延長された接ぎ鋼管と、上記接ぎ鋼管に接続され、上記袖部間に上記川幅方向へ向けて架設される補強鋼管梁とを更に備えることを特徴とする。
巨礫や流木がこの河川10に流れ込んできたときに、鋼管梁13、鋼管梁14や、鉛直鋼管31、41からなる鋼管支柱を介してこれを受け止めることができる。
鋼管梁13、14は、その両端が第1の埋設鋼管11並びに第2の埋設鋼管12へと接続されており、しかもこれら第1の埋設鋼管11並びに第2の埋設鋼管12は、袖部2に埋設されている。このため、鋼管梁13、14に対して加わった巨礫による衝突力は、第1の埋設鋼管11並びに第2の埋設鋼管12を介してコンクリート製の袖部2で受け持つことができることから、その分において柱材を減らすことができ、施工コストを減少させることが可能となる。
また、鋼管梁13、鋼管梁14並びに鉛直鋼管31、41は、細径の分枝鋼管32、42よりも太径であることから、上流方向から流れてきた巨礫は、最初にこの鋼管梁13、鋼管梁14並びに鉛直鋼管31、41に衝突することになり、分枝鋼管32、42に対して衝撃抵抗も加わることが無くなる。
また、小さい礫は、鋼管梁13、鋼管梁14並びに鉛直鋼管31、41に加えて、更に分枝鋼管32、42により受け止めることが可能となる。即ち、この分枝鋼管32、42を設けることにより、鋼管で構成される格子の目の面積を小さくすることができ、小さな礫をこの小さな格子の目を介して捉えることが可能となる。しかも小さな礫は、巨礫と比較して大きな衝撃が加わることも無く、これを受け止める上で大きな強度が必要とならないことから、特にこの分枝鋼管32、42は細径で構成されていても問題はない。また、この分枝鋼管32、42を特に細径で構成することにより製造コスト、材料コストを下げることができ、しかも互いに川幅方向に隣接する鋼管ユニット15から分枝延長されてくる分枝鋼管32を互いに離間させて構成していることから、これらの接合に伴う施工工程を省略することができ、施工コスト全体を低減させることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、河川等に適用される鋼製スリットダムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した鋼製スリットダムは、例えば図1に示すような河川10に適用されるものである。この河川10は、両岸にコンクリート製の袖部2が形成され、また、川底にはコンクリート基礎3が形成されてなるものであり、この袖部2並びにコンクリート基礎3で囲まれることにより形成された流路を水が上流から下流にかけて流れていくものである。
本発明を適用した鋼製スリットダム1は、両岸の各袖部2にそれぞれ埋設されている第1の埋設鋼管11並びに第2の埋設鋼管12と、コンクリート基礎3に対して埋設されている第3の埋設鋼管17と、両岸の各袖部2に埋設された第1の埋設鋼管11の間に架設されている鋼管梁13と、両岸の各袖部2に埋設された第2の埋設鋼管12の間に架設されている鋼管梁14と、鋼管梁13と鋼管梁14との間に設けられた鋼管ユニット15と、鋼管梁14と第3の埋設鋼管17との間に設けられた鋼管ユニット16とを備えている。
図2は、鋼製スリットダム1の正面図を示している。第1の埋設鋼管11には、その先端にフランジが、また第2の埋設鋼管12には、その先端にフランジが取り付けられている。このフランジの形状は、いかなるもので構成されていてもよいが、以下の説明においては、これが円盤形で構成されている場合を例にとり説明をする。ちなみに、このフランジは、埋設鋼管11、12以外の他の第3の埋設鋼管17、鋼管梁13、鋼管梁14、鋼管ユニット15、鋼管ユニット16の端部において同様に形成されていてもよい。また、これらフランジの接合方法は従来のいかなる方法を適用するようにしてもよい。また、この埋設鋼管11,12の先端には、これらフランジが形成されていることは必須とならず、フランジ接続以外に溶接で接合されていてもよいことは勿論である。
また、鋼管梁13には、下側に向けて分枝した鉛直鋼管25が所定の間隔をおいて設けられている。即ち、この鋼管梁13には鉛直鋼管25がT字状に交差するように設けられている。
鋼管梁14には、上側に向けて分枝した鉛直鋼管35が所定の間隔をおいて設けられている。この鋼管梁14には、下側に向けて分枝した鉛直鋼管37が所定の間隔をおいて設けられている。即ち、この鋼管梁14には鉛直鋼管35、37が十字状に交差するように設けられている。
鋼管ユニット15は、太径で構成される鉛直鋼管31と、この鉛直鋼管31から川幅方向へ向けて両側に分枝された細径で構成される分枝鋼管32とを備えた、略十字状の形状からなる。
鋼管ユニット16は、太径で構成される鉛直鋼管41と、この鉛直鋼管41から川幅方向へ向けて両側に分枝された細径で構成される分枝鋼管42とを備えた、略十字状の形状からなる。
この鋼管ユニット15、16は、少なくとも1列に亘って形成されていればよい。
次に、上述の如き構成からなる鋼製スリットダム1の施工方法について説明をする。
先ず、鋼製スリットダム1を構成する、第1の埋設鋼管11、第2の埋設鋼管12、第3の埋設鋼管17、鋼管梁13、鋼管梁14、鋼管ユニット15、鋼管ユニット16をそれぞれ工場等において作製し、これを施工現場となる河川へと搬送する。本発明では、このように各構成部品を細かく分割していることから、これを工場で作製して現場へと搬送する際の労力の負担を軽減させることができる。
次に、コンクリート基礎3に第3の埋設鋼管17を埋設する。また、袖部2に第1の埋設鋼管11並びに第2の埋設鋼管12を埋設する。
次に、鋼管梁13の配設を行う。具体的には、第1の埋設鋼管11の先端に設けられたフランジに、鋼管梁13の川幅方向両端に形成させてなるフランジを当接させ、これらをボルト等で接合していくことになる。鋼管梁14も同様に、第2の埋設鋼管12の先端に設けられたフランジに、鋼管梁14の川幅方向両端に形成させてなるフランジを当接させ、これらをボルト等で接合する。
次に鋼管ユニット15の接合を行う。この鋼管ユニット15は、その鉛直鋼管31の上端を鋼管梁13における鉛直鋼管25とを互いに当接させて接合する。また、この鋼管ユニット15の鉛直鋼管31の下端鋼管梁14の鉛直鋼管35とを互いに当接させて接合する。
次に鋼管ユニット16の接合を行う。この鋼管ユニット16は、その鉛直鋼管41の上端を鋼管梁14における鉛直鋼管37と接合する。また、この鋼管ユニット16の鉛直鋼管41の下端と第3の埋設鋼管17の上端とを互いに接合する。これにより、上述の如き構成からなる鋼製スリットダム1が完成することになる。このとき、互いに川幅方向に隣接する鋼管ユニット15から分枝延長されてくる分枝鋼管32は互いに接合されることなく、川幅方向に離間されている。即ち、これら各ユニットの組立てが完了することにより、鉛直鋼管31、41が鋼管梁14を介して上下方向に連結することにより構成されたいわゆる鋼管支柱が形成されることになる。
次に、上述した構成からなる構成スリットダム1の作用効果について説明をする。巨礫や流木がこの河川10に流れ込んできたときに、主として鋼管梁13、鋼管梁14や、鉛直鋼管31、41を介してこれを受け止めることができる。即ち、この鋼管梁13、鋼管梁14や、鉛直鋼管31、41は、このような巨礫等を受け止めるだけの強度を備えておく必要があることから、その径は太くする必要があり、望ましくは鋼管梁13、鋼管梁14の径は500mm、鉛直鋼管31、41の径は400mmで構成されているものとする。特にこの巨礫を受け止める際には大きな衝撃力が加わることになるが、この衝撃抵抗に対抗するためにも、鋼管梁13等の径を太くしておく必要がある。なお、この鋼管梁13、鋼管梁14並びに鉛直鋼管31、41の配置間隔は比較的広めに設定されているが、小さな礫は受け止める必要は無く、あくまで巨礫のみに焦点を当てて受け止めることができれば本発明の所期の効果を実現することができる。
また、鋼管梁13、鋼管梁14並びに鉛直鋼管31、41は、細径の分枝鋼管32、42よりも太径であることから、上流方向から流れてきた巨礫は、最初にこの鋼管梁13、鋼管梁14並びに鉛直鋼管31、41に衝突することになり、分枝鋼管32、42に対して衝撃抵抗も加わることが無くなる。
更に、鋼管梁13、14は、その両端が第1の埋設鋼管11並びに第2の埋設鋼管12へと接続されており、しかもこれら第1の埋設鋼管11並びに第2の埋設鋼管12は、袖部2に埋設されている。このため、鋼管梁13、14に対して加わった巨礫による衝突力は、第1の埋設鋼管11並びに第2の埋設鋼管12を介してコンクリート製の袖部2で受け持つことができることから、その分において柱材を減らすことができ、施工コストを減少させることが可能となる。
また、小さい礫は、鋼管梁13、鋼管梁14並びに鉛直鋼管31、41に加えて、更に分枝鋼管32、42により受け止めていくことになる。即ち、この分枝鋼管32、42を設けることにより、鋼管で構成される格子の目の面積を小さくすることができ、小さな礫をこの小さな格子の目を介して捉えることが可能となる。しかも小さな礫は、巨礫と比較して大きな衝撃が加わることも無く、これを受け止める上で大きな強度が必要とならないことから、特にこの分枝鋼管32、42は細径で構成されていても問題はない。また、この分枝鋼管32、42を特に細径で構成することにより製造コスト、材料コストを下げることができ、しかも互いに川幅方向に隣接する鋼管ユニット15から分枝延長されてくる分枝鋼管32を互いに離間させて構成していることから、これらの接合に伴う施工工程を省略することができ、施工コスト全体を低減させることが可能となる。また、これら分枝鋼管32を互いに離間させていることにより、鋼管ユニット15を交換する際の作業量を減らすこともできる。特に本発明においては、この分枝鋼管32、42の径を200mmで構成しているが、これに限定されるものではなく、鉛直鋼管31、41の直径の1/2〜3/4程度で構成されていればよい。あまりに、この分枝鋼管32、42が太すぎると、重量が重くなり施工、搬送作業を阻害する原因にもなり、また工場で製作する際において鉛直鋼管31、41への溶接しろが大きくなってしまうという欠点も出てくるためである。
更に、この構成スリットダム1は、立体構造ではなく、あくまで平面構造であるため、受け止められた礫や土砂がたまった際に、これを簡単に除去することができる。さらに、本発明を適用した構成スリットダム1は、各ユニットを組み立てて構成可能であることから、場合によってはこれを分解して土砂を取り除くことも可能となる。
なお、本発明を適用した鋼製スリットダム1は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば図3に示すような形態にも適用可能である。
この図3に示す鋼製スリットダム1において、上述した図1に示す形態と同一の構成要素、部材に関しては、同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
この図3に示す形態では、略十字状の鋼管ユニット15、16の代替として、鋼管ユニット18、19を適用している。鋼管ユニット18、19は、川幅方向へ向けて細かいピッチで配置されている。また、鋼管ユニット18、19にはそれぞれ分枝鋼管32、42が複数段に亘り設けられている。このため、この図3に示す形態では、鋼管で構成される格子の目の面積をより小さくすることができ、特に小さな礫や流木をも下流へ逃すことなく受け止めることが可能となる。このように、本発明を適用した鋼製スリットダム1では、鋼管ユニット18、19における川幅方向への配置間隔と、分子鋼管32、42の上下方向の間隔を調整することにより、鋼管で構成される格子の目の面積を自在に調整することが可能となる。このため、この鋼製スリットダム1を配設する河川10において流れる礫や流木の大きさを予め調査し、これに基づいて鋼管で構成される格子の目の面積を最適化した設計を行うことも可能となる。
また、上述した例では、あくまで工場でそれぞれ製作されたユニットを組み合わせることにより一つの鋼製スリットダム1を施工する場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではない。例えば、この鋼製スリットダム1は、組立分解不能な、完全に一体化された構成とされていてもよい。かかる場合には、主として鉛直鋼管31、41から構成される鋼管支柱と、この鋼管支柱から上下に間隔をおいて川幅方向へ分枝延長され、鋼管支柱並びに鋼管梁13、14よりも細径化された分枝鋼管32、42と、鋼管梁13、14とが互いに組立分解不能な一体化された支柱として構成されていることになる。また、このうち、一部のみが組立分解可能とされていてもよいことは勿論である。
なお、本発明を適用した鋼製スリットダム1は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば図4に示すように袖部2間において中間部構造物5が形成されている場合においても、袖部2と中間部構造物5との間にそれぞれ鋼製スリットダム1を設けるようにしてもよい。また、中間部構造物5が複数個所に亘って設けられている場合には、さらに中間部構造物5間において鋼製スリットダム1が設けられていてもよいことは勿論である。
また、袖部2は、コンクリート製である場合を想定しているが、これに限定されるものではなく、鋼製枠に土砂やソイルセメントを入れた土木構造物として具体化されるものであってもよい。
図5(a),(b)は、本発明を適用した鋼製スリットダム1の他の実施例を示している。この実施例において、上述した図1に示す形態と同一の構成要素、部材に関しては、同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
この図5(a),(b)に示す形態においては、鋼管梁13から下流側へ向けて延長された接ぎ鋼管53と、接ぎ材53に接続され、袖部2間に川幅方向へ向けて架設される補強鋼管梁52とを更に備えている。この補強鋼管梁52は、袖部2に埋め込まれた埋設鋼管51に接合されてなる。
このように構成することにより、特に巨礫が河川10において流れ込んできたときには、これが鋼管梁13に衝突することにより大きな衝撃力が加わることになる。しかし、鋼管梁13には接ぎ材53に接続された補強鋼管梁52が連結されて、これを補強する構成としているため、たとえ予期し得ない程の大さからなる巨礫が衝突してもこれを受け止めることができ、また鋼管梁13を含めた鋼製スリットダム1の破損を防止することができる。また、このような巨礫は、河川10における水面近くを流れてくるものであることから、特に接ぎ鋼管53並びに補強鋼管梁52を、上段のみに形成しておくことにより、巨礫を受け止めることが可能となるとともに、必要最小限の補強鋼管梁52のみで構成可能とすることにより、製造コストを抑えることが可能となる。
図6(a),(b)は、本発明を適用した鋼製スリットダム1の他の実施例を示している。この実施例において、上述した図1に示す形態と同一の構成要素、部材に関しては、同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
この図6(a),(b)に示す形態においては、鋼管梁13から下流側へ向けて延長された接ぎ鋼管53と、接ぎ材53に接続され、袖部2間に川幅方向へ向けて架設される補強鋼管梁52とを更に備えている。この補強鋼管梁52は、袖部2に埋め込まれた埋設鋼管51に接合されてなる。また、この接ぎ鋼管53と、補強鋼管梁52とは、さらに鋼管梁13の下段に位置する鋼管梁14にも同様に接続されている。
このように構成することにより、鋼管梁13、14の何れに対して巨礫が衝突し、大きな衝撃力が加わった場合においても、これに対抗することが可能となり、より強固なスリットダムとすることが可能となる。
なお、上述した実施例1、2において、鋼管ユニット15の間隔、分枝鋼管32、42の上下間隔はいかなる長さで構成してもよいことは勿論である。
本発明を適用した鋼製スリットダムの斜視図である。 本発明を適用した鋼製スリットダムの正面図である。 本発明を適用した鋼製スリットダムにおいて鋼管で構成される格子の目を細かくした例を示す図である。 袖部間において中間部構造物が形成されている場合において、鋼製スリットダム1を設けた構成を示す図である。 本発明を適用した鋼製スリットダムの他の実施例を示す図である。 本発明を適用した鋼製スリットダムの更なる他の実施例を示す図である。
符号の説明
1 鋼製スリットダム
2 袖部
3 コンクリート基礎
10 河川
11 第1の埋設鋼管
12 第2の埋設鋼管
13、14 鋼管梁
15、16 鋼管ユニット
25、31、35、37、41 鉛直鋼管
32、42 分枝鋼管

Claims (5)

  1. 河川の川幅方向に形成されている土木構造物体間に配設される鋼製スリットダムにおいて、
    上記河川の両岸に形成された上記土木構造物体としての各袖部、又は上記土木構造物体としての各袖部及び当該袖部間の中間部構造物に埋設鋼管がそれぞれ埋設され、
    両端がフランジ部を介して対向する埋設鋼管に架設される1本の鋼管梁と、
    上記河川の底部に形成された基礎コンクリートに埋設の埋設鋼管と上記鋼管梁に設けられた分岐した鋼管とにフランジ相互の接合により連結された鋼管により形成された鋼管支柱と、
    上記フランジ相互の接合により連結された鋼管から上記川幅方向へ分枝延長され、上記フランジ相互の接合により連結された鋼管並びに上記鋼管梁よりも細径化された分枝鋼管とを備え、上記分枝鋼管は互いに上記川幅方向に離間されてなること
    を特徴とする鋼製スリットダム。
  2. 河川の川幅方向に形成されている土木構造物体間に配設される鋼製スリットダムにおいて、
    上記河川の両岸に形成された上記土木構造物体としての各袖部、又は上記土木構造物体としての各袖部及び当該袖部間の中間部構造物に埋設鋼管がそれぞれ埋設され、
    両端がフランジ部を介して対向する埋設鋼管に架設される上下に間隔をおいた鋼管梁と、
    上記河川の底部に形成された基礎コンクリートに埋設の埋設鋼管とこれに対向する鋼管梁に設けられ分岐した鋼管とにフランジ相互の接合により連結された鋼管及び上下に間隔をおいた鋼管梁に設けられ分岐した鋼管にフランジ相互の接合により連結された鋼管により形成された鋼管支柱と、
    上記フランジ相互の接合により連結された鋼管から上記川幅方向へ分枝延長され、上記フランジ相互の接合により連結された鋼管並びに上記鋼管梁よりも細径化された分枝鋼管とを備え、上記分枝鋼管は互いに上記川幅方向に離間されてなること
    を特徴とする鋼製スリットダム。
  3. 上記分枝鋼管の直径は、上記鋼管支柱の直径の1/2〜3/4で構成されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の鋼製スリットダム。
  4. 鉛直鋼管と、この鉛直鋼管から川幅方向へ向けて両側に分枝された細径で構成される分枝鋼管を有する鋼管ユニットを上記鋼管梁を介して上下方向に連結することにより構成され、互いに上記川幅方向に隣接する鋼管ユニットから分枝延長されてきている上記分枝鋼管は互いに上記川幅方向に離間されてなること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼製スリットダム。
  5. 上記鋼管梁から下流側へ向けて延長された接ぎ鋼管と、
    上記接ぎ鋼管に接続され、上記袖部間に上記川幅方向へ向けて架設される補強鋼管梁とを更に備えること
    を特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項記載の鋼製スリットダム。
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