JP3992356B2 - オープン型鋼製砂防堰堤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、流れ下る土石流や流木の捕捉、減勢を目的として所謂砂防ダムの堰堤部分に、鋼製砂防ユニットを、堰堤の横断方向に間隔をあけて固定してなるオープン型鋼製砂防堰堤の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
オープン型鋼製砂防堰堤は、例えば実公昭55−10436号、特公平5−2050号公報などに記載されて公知に属し、実施例もある。
【0003】
前記実公昭55−10436号公報に記載されたオープン型鋼製砂防堰堤は、鋼製支柱と鋼製控え材とを、各々の頭部を山形、門形のように連結した平面的構成の鋼製砂防ユニットを、堰堤の横断方向に間隔をあけて複数配置し、基礎コンクリートに固定した構成である。
【0004】
特公平5−2050号公報に記載されたオープン型鋼製砂防堰堤は、3本以上の鋼製支柱が同一平面上に並ばないように間隔をあけて配置し、各支柱を水平な繋ぎ材で連結してなる鋼製砂防ユニットを、堰堤の横断方向に間隔をあけて複数配置し、基礎コンクリートに固定した構成である。
【0005】
要するに、オープン型鋼製砂防堰堤は、土石流や流木の捕捉、減勢を目的として設置される施設で、事後には堰堤に捕捉された土石や礫、流木などを重機で取り除いてオープンダムとしての機能が低下しないように手入れを行うものでもある。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
上記実公昭55−10436号公報に記載されたオープン型鋼製砂防堰堤の場合、鋼製砂防ユニットが平面的構成であるため、堰堤の横断方向や斜め横方向の外力に対する強度が乏しいという問題点がある。
【0007】
上記の特公平5−2050号公報に記載されたオープン型鋼製砂防堰堤の場合は、強度上の問題はないが、施工上に次のような問題点がある。
【0008】
即ち、鋼製砂防ユニットは、これを構成する鋼製支柱を例にとると、その外径は60cm程度、高さ(長さ)は7mにも及ぶほど大きな鋼構造物であり、陸上運搬が大変なことはもとより、大変高価なものである。従って、オープン型鋼製砂防堰堤の施工に関しては、施工費用の低減は大きな努力目標である。
【0009】
従って、図1又は図3のように不透過部11を切り欠いた形に形成した堰(堰堤7)の開口幅Lに対して鋼製砂防ユニットの割り付けを検討するとき、鋼製砂防ユニットの個数は少ないほど有利である。
【0010】
本発明の目的は、堰堤の開口幅に対して鋼製砂防ユニットの割り付けの設計が容易で、且つ鋼製砂防ユニットの必要個数を節減でき、施工が容易で、工事費用の節約が図れるオープン型鋼製砂防堰堤を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明に係るオープン型鋼製砂防堰堤は、土石流などの流れ方向の上流側と下流側とにそれぞれ複数本立てられる鋼製支柱が水平な繋ぎ材で縦、横方向に剛結されて成る鋼製砂防ユニットが、堰堤の基礎コンクリート上に前記の鋼製支柱を固定して、堰堤の横断方向に間隔をあけて配置されているオープン型鋼製砂防堰堤において、
隣合う鋼製砂防ユニットの相互間の間隔をあけた部位に、同間隔部分を遮るように張出部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載したオープン型鋼製砂防堰堤における張出部が、鋼製砂防ユニットを構成する上流側の鋼製支柱を横方向に剛結する繋ぎ材の延長方向へ同繋ぎ材が突き出すように設けられていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施形態及び実施例】
以下、図示した本発明の実施形態及び実施例を説明する。
【0016】
請求項1、2記載の発明に係るオープン型鋼製砂防堰堤は、図1〜図6に実施例を示したように、土石流などの流れ方向の上流側と下流側とにそれぞれ複数本立てられる鋼製支柱1と2を、水平な繋ぎ材3、4で縦、横方向に剛結して成る鋼製砂防ユニット5、6が、堰堤7の基礎コンクリート8上に前記の鋼製支柱1及び2を固定して、堰堤7の横断方向に間隔Sをあけて配置されている構成において、隣合う鋼製砂防ユニット5と5、又は5と6相互間の間隔をあけた部位Sに、同間隔部分Sを遮るように張出部10を設けた形態で実施される。
【0017】
張出部10を設ける位置、形態は任意の設計事項であるが、図示例の場合は、望ましい実施形態として鋼製砂防ユニット5、6を構成する上流側の鋼製支柱1を横方向に剛結する繋ぎ材4の延長方向へ、同繋ぎ材が突き出すように設けられている(請求項2記載の発明)。従って、鋼製砂防ユニット5、6の間隔Sをあけた部位も、実質的に土石流に含まれる礫や流木等を捕捉する格子状の遮蔽効果が奏される。よって、堰堤7の横断方向に間隔Sをあけて配置された鋼製砂防ユニット5、6相互間の前記間隔Sは、土石流に含まれる礫の最大径に近似の大きさ(図示例の場合は、一例として1mの間隔)とされている。他方、前記張出部10の突き出し長さPは350mmとされている。
【0018】
因みに、図1〜図3は上流側の鋼製支柱1及び下流側の鋼製支柱2が共に2本ずつで、各鋼製支柱1、2の堰堤の横断方向(図1の左右方向)の間隔Wは、土石流に含まれる礫の最大径に近似(通例は礫の最大径に等しく、場合によっては最大径野1.5倍程度までの範囲を含む。)の間隔(一例として1mの間隔)で配置された鋼製砂防ユニット5(以下偶数型ユニット5という場合がある。)のみによるオープン型鋼製砂防堰堤の実施例を示している。
【0019】
一方、図4〜図6は前記の鋼製砂防ユニット5(偶数型ユニット)が左右両側に配置され、中央には上流側の鋼製支柱1が3本で、該鋼製支柱1の堰堤の横断方向(図1の左右方向)の間隔Wは、やはり土石流に含まれる礫の最大径に近似の間隔(一例として1mの間隔)で配置され、下流側の鋼製支柱2は2本で構成された鋼製砂防ユニット6(以下奇数型ユニット6と言う場合がある。)を配置した混成型のオープン型鋼製砂防堰堤の実施例を示している(以上、請求項2の発明)。
【0020】
つまり、図4〜図6の実施例は、コンクリート等で構築された不透過部(堤)11の一部を切り欠いた形に形成された堰堤7の開口幅Lは、現地の条件に応じてまちまちであることを考慮して、同開口幅Lが偶数型ユニット5のみによる割り付けに不都合なとき、奇数型ユニット6を組み合わせた混成型として合理的に対処する実施例である。因みに図1は開口幅Lが6mであるのに対して、図4は開口幅Lが12mの実施例である。鋼製支柱1、2及び繋ぎ材3、4並びに張出部10には、それぞれ外径が60mmで、肉厚が14〜20mm程度の鋼管が使用されている。各々の端部開口は防錆処理のため密閉されている。各鋼管支柱1、2の下端にはベースプレート12が取り付けられ、これが堰堤の基礎コンクリート13の中に埋め込まれ強固に固定されている。
【0021】
上記のように大形の鋼構造物である鋼製砂防ユニット5、6の陸上運搬、及び現地での組み立てを容易ならしめるため、各鋼製砂防ユニットを構成する鋼製支柱に繋ぎ材の中間部を分断した半製品を予め工場で加工し溶接した分割ブロックとして製作し、現地では各分割ブロックの繋ぎ材同士をフランジ継手14により一体的に接合して組み立てる構成とされている。
【0022】
なお、堰堤7を形成する不透過部11の内壁面と、これに隣接する鋼製砂防ユニット5との間にも間隔Mがあけられている。但し、この間隔Mは、通例土石流に含まれる礫の最大径の1/2程度とし、最大でも礫径と等しい程度とする。図示例の場合、前記の間隔Mは図1の場合で30cm、図4の実施例では90cmの大きさとされている。従って、前記張出部10を設ける分だけ、鋼製砂防ユニット5、6相互間の間隔(1m)を大きくして距離を稼げることを理解されるであろう。
【0023】
【発明が奏する効果】
本発明に係るオープン型鋼製砂防堰堤によれば、鋼製砂防ユニット相互間の間隔をあけた部位に張出部を設けたが故に、当該間隔を大きく設計、施工でき、それだけ堰堤の横断方向に関する鋼製砂防ユニットの割り付け数を有効的に削減して経済的に施工できる。しかも、鋼製砂防ユニットは偶数型ユニットのみならず、奇数型ユニットと組み合わせた混成型の設計、施工を行えるので、現地での施工の工数を節減し、或いは鋼製砂防ユニットの必要数を合理的に節減して経済性を高めることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオープン型鋼製砂防堰堤の実施例を示した正面図である。
【図2】図1の2−2線矢視の側面図である。
【図3】同上の平面図である。
【図4】オープン型鋼製砂防堰堤の異なる実施例を示した正面図である。
【図5】図4の5−5線矢視の側面図である。
【図6】同上の平面図である。
【符号の説明】
1 鋼製支柱
2 鋼製支柱
3 繋ぎ材
4 繋ぎ材
5 鋼製砂防ユニット
6 鋼製砂防ユニット
7 堰堤
11 基礎コンクリート
S 間隔
10 張出部
W 鋼製支柱の間隔
Claims (2)
- 土石流などの流れ方向の上流側と下流側とにそれぞれ複数本立てられる鋼製支柱を水平な繋ぎ材で縦、横方向に剛結して成る鋼製砂防ユニットが、堰堤の基礎コンクリート上に、前記の鋼製支柱を固定して、堰堤の横断方向に間隔をあけて配置されているオープン型鋼製砂防堰堤において、
隣合う鋼製砂防ユニットの相互間の間隔をあけた部位に、同間隔部分を遮るように張出部が設けられていることを特徴とする、オープン型鋼製砂防堰堤。 - 張出部は、鋼製砂防ユニットを構成する上流側の鋼製支柱を横方向に剛結する繋ぎ材の延長方向へ同繋ぎ材が突き出すように設けられていることを特徴とする、請求項1に記載したオープン型鋼製砂防堰堤。
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