JP7453058B2 - 鋼製スリットダム - Google Patents
鋼製スリットダム Download PDFInfo
- Publication number
- JP7453058B2 JP7453058B2 JP2020087840A JP2020087840A JP7453058B2 JP 7453058 B2 JP7453058 B2 JP 7453058B2 JP 2020087840 A JP2020087840 A JP 2020087840A JP 2020087840 A JP2020087840 A JP 2020087840A JP 7453058 B2 JP7453058 B2 JP 7453058B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- downstream
- upstream
- support
- slit
- steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 title claims description 72
- 239000010959 steel Substances 0.000 title claims description 72
- 238000011144 upstream manufacturing Methods 0.000 claims description 96
- 239000000463 material Substances 0.000 description 20
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 9
- 230000003014 reinforcing effect Effects 0.000 description 7
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 5
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 3
- 238000000034 method Methods 0.000 description 3
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 238000003466 welding Methods 0.000 description 3
- 238000009825 accumulation Methods 0.000 description 2
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 2
- 238000005304 joining Methods 0.000 description 2
- 239000012779 reinforcing material Substances 0.000 description 2
- 239000013049 sediment Substances 0.000 description 2
- 239000004575 stone Substances 0.000 description 2
- 206010048744 Fear of falling Diseases 0.000 description 1
- 238000006424 Flood reaction Methods 0.000 description 1
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 1
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 1
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 1
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 1
- 230000003628 erosive effect Effects 0.000 description 1
- 238000003754 machining Methods 0.000 description 1
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 1
- 230000002787 reinforcement Effects 0.000 description 1
- 239000011435 rock Substances 0.000 description 1
- 239000004576 sand Substances 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
Landscapes
- Revetment (AREA)
- Devices Affording Protection Of Roads Or Walls For Sound Insulation (AREA)
Description
従前の鋼製スリットダムは、図12に例示したように、山間部の渓谷や河川等の砂防堰堤建設位置にコンクリート堰堤が構築され、該コンクリート堰堤に形成したコンクリート基礎90に、スリット構造体aが設けられている。
前記スリット構造体aは、河川の流れ方向(矢印Fを参照)における上流側位置Aと下流側位置Bとに間隔を開けて立てた同一高さの支柱b、cと、前記上流側支柱b、b同士、及び下流側支柱c、c同士を連結した繋ぎ材(水平材)d、eと、前記上流側支柱bと下流側支柱cとを連結した繋ぎ材(水平材f及び斜材g)とで構成されている。
この鋼製スリットダムは、上流側支柱bと繋ぎ材dの間隔を調整することにより、常時において比較的粒径の細かい土砂や砂礫は下流側Bに流し土砂調整機能を保持しながら、土石流発生時には土石流に含まれる巨礫、流木や多量の土砂を捕捉して河川下流への流出を防止するものである。
しかし、このような鋼製スリットダムは、図12に例示したように、渓谷の傾斜度に倣って土石や流木が順次にうず高く堆積してゆき、遂にはスリット構造体aの頂部相当まで堰き止められた堆積状態91に沿って、その上面を流れ下ってきた土石や流木等Gがスリット構造体aの頂部を越流する状態となるに至る。
その越流の際に、巨礫や流木等Gが、下流側支柱cの上端部付近へ激しく衝突して流下することになる。その結果、下流側支柱cの上端部付近は、急速に変形、破損が進み、支柱c及びbの形態が崩れ、最終的にスリット構造体全体の形態が崩れて支持力を喪失するところとなる。
しかし、上記庇は上流側支柱の上端近傍の位置へ片持ち状態に設置されているから、仮に同庇の上に大きな土石が衝撃的に落下すると、その落下衝撃によって庇に大きな曲げモーメントが衝撃的に作用するところとなる。そのため同庇のみならず上流側支柱の頂部までも曲げられて、過大な曲げによって破損が拡大する懸念がある。
もっとも、同公報には上記庇と上流側支柱の頂部との間に頬杖を設置する構成も開示されている。しかし、そのような構成にすると、構造が複雑化し、鋼材の加工及び現場での設置作業の工数が増える欠点を否めない。
また、そもそも堰堤本体(ダム本体)の頂部(上流側支柱)に新規に庇を追加する手法は、追加する部材自体のコストが嵩むほか、溶接等の製造手間がかかり構造が繁雑になる等の課題もある。さらに、追加した庇は、同文献2の図2が分かりやように、天端部を格子状(ポケット)に形成した構成であるが故に、ポケットを通過できない礫等は当該ポケットに詰まり、勢い土砂が堆積することになり、堰堤本体に想定(設計)以上の過度な荷重が作用するだけでなく、むしろ礫の越流時(越流礫)に庇が下流側に引っ張られ、堰堤本体が損傷することが懸念されるという課題もある。
よって、下流側支柱4の上端部分付近の構造が、土石や流木等の激しい衝突によって変形、破損される懸念はほとんどなく、土石や流木等Gが激しく衝突する懸念を物理的に回避できる。
その結果、本発明の構成スリットダムは、耐用寿命が充分に長く保たれて、渓谷、河床の保護に寄与し、或いは下流側地域の土石流の氾濫による住民等の被害を防ぐことに効果を奏する。
要するに、上記特許文献1~3に係る背景技術を勘案すると、鋼製スリットダムの天端を超えた越流礫は、鋼製スリットダムの天端周辺に停滞することなくスムーズに、かつ加速度をつけて速やかに越流させることが理想的な構造であることは分かっているものの、特許文献1、2に係る技術によれば、天端周辺に停滞する課題が残されているし、すべての課題を解消しているようにみえる特許文献3に係る技術であっても、未だ下流側支柱の頭部に当たる可能性が危惧される点で改良の余地が残されていると云える。
前記スリット構造体は、河川の流れ方向における上流側位置と下流側位置とに間隔を開けて立てた支柱と、隣接する上流側支柱同士を連結した上流側横繋ぎ材と、一端部は上流側支柱の上端近傍に接合され他端部は下流側支柱よりも下流側へせり出す構成で前記下流側支柱に受け支持される天端軒部材とからなり、前記上流側支柱と前記下流側支柱とは上端同士が間隔を開けて立てられ、かつ前記下流側支柱の上端位置は、前記上流側支柱の上端位置よりも低い位置とされ、前記天端軒部材は上流側から下流側へ下る勾配に傾斜させて設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項2に記載した鋼製スリットダムにおいて、他端部が下流側支柱に受け支持される前記天端軒部材は、前記下流側支柱よりも下流側へせり出す長さとし、他端部が下流側横繋ぎ材に受け支持される前記天端軒部材は、前記下流側横繋ぎ材よりも下流側へせり出さない長さとすることを特徴とする。
よって、下流側支柱の上端部分付近の構造が、土石や流木等の激しい衝突によって変形、破損される懸念はなく、土石や流木等が激しく衝突する懸念を物理的に回避できる。
その結果、本発明の構成スリットダムは、耐用寿命が充分に長く保たれて、渓谷、河床の保護に寄与し、或いは下流側地域の土石流の氾濫による住民等の被害を防ぐという効果を奏する。
前記4体のスリット構造体2のうち、中間に位置するスリット構造体20、20(上流側と下流側に支柱を3本ずつ設けた構成)と、両端に位置するスリット構造体21、21(上流側と下流側に支柱を2本ずつ設けた構成)とは、単に支柱3、4の本数が異なるだけであり、構造的には差異がない。ちなみに、隣接するスリット構造体2、2同士は、接合されていない。
また、図示例の場合、前記コンクリート基礎90の上面は、一例として河川の河床勾配αに沿った傾斜勾配で形成しているが(詳しくは図3を参照)、水平面とした構成でもよい。
図2と図3に示したスリット構造体2は、河川の流れ方向における上流側位置Aと下流側位置Bとに間隔を開けて立てた支柱3、4と、隣接する上流側支柱3、3同士を連結した上流側横繋ぎ材5と、一端部は上流側支柱3の上端近傍に接合され他端部は下流側支柱4よりも下流側へせり出す構成で前記下流側支柱4に受け支持される天端軒部材6とを備えている。
前記天端軒部材6の下方位置には、前後する前記上流側支柱3及び下流側支柱4を連結する繋ぎ材として水平材70と斜材71が設けられている。
また、前記上流側支柱3、3には、隣接するスリット構造体2、2相互間の間隔をあけた部位に、同間隔部分を遮る張出部51が設けられている。
前記支柱(3、4)、繋ぎ材(5、70、71)、張出部51、及び天端軒部材6は、主に鋼管で製作され、共に外径が400~600mm程度、肉厚9~22mm程度のサイズが採用されている。図2に示すスリット構造体2の全体の大きさは、一例として高さが10m~12m程度、横幅が3m~4m程度である。
前記各支柱3、4は、補強リブ(任意)を有するベースプレート30、40を取り付けた下端部を、コンクリート基礎90に均一に埋め込んで強固に固定されている。なお、詳細に図示することは省略したが、前記各支柱3、4の下端部をコンクリート基礎90に固定させる手段として、上記の方法の他、例えばコンクリート基礎90内に予め埋め込んだ鞘管に嵌め込むことによって行うこともできる。
前記上流側支柱3の上端部と下流側支柱4の上端部との間に適度な間隔Sを設ける理由は、各支柱3、4の上端部同士を直接接続した構成(例えば上記特許文献2参照)と比し、構造体としての安全度を高めることができるからである。また、本願の図6に示すように、土石流が上流側支柱3を越流した際には、水や小礫を上流側支柱3と下流側支柱4との間から逃すことできるので、土砂と水を効果的に分離することができ、土石流を減勢できるからである。
なお、前記各支柱3、4は、図示したように1箇所の位置で分割した構成に限らず、2箇所以上の位置で分割した構成で実施することもできる。また、前記分割する位置は、中央位置でも片側にずれた位置でも良く、適宜設計変更して実施される。
以下に説明する各繋ぎ材(5、70、71)、補強材8、及び天端軒部材6の中間位置に設けたフランジについても同様の目的及び構成とされる。
なお、前記天端軒部材6は、中間位置で分割され、分割端面に設けた一対のフランジ6aをボルト接合してなる構成で実施している。
ちなみに、スリット構造体2の剛性を高めるためには、上流側支柱3と下流側支柱4の傾斜角度を上記角度γとすることが望ましい。上流側支柱3と下流側支柱4の傾斜角度をγに設定した場合に、前後する上流側支柱3と下流側支柱4の上端部近傍を連結できる最大角度として、天端軒部材6の傾斜角度θを、水平方向の長さを0.2とし、鉛直方向の高さを1とする勾配角度以下とする必要がある。
なお、天端軒部材6の傾斜勾配θは、前記範囲内において、スリット構造体2の安全性を検討して決定するものとする。
また、繋ぎ材としての斜材71は、前記水平材70の下方位置に設けられており、上流側Aから下流側Bへ下る勾配に傾斜している。前記斜材71は、その両端部が前後に位置する上流側支柱3と下流側支柱4に溶接されており、2箇所の位置で分割され、分割端面に設けた一対のフランジ71aをボルト接合している。前記斜材71を設けることにより、スリット構造体2の剛性を高めることができる。
なお、前記水平材70及び斜材71は、前記2箇所の位置で分割した構成に限らず、上記天端軒部材6のように1箇所の位置で分割した構成、或いは3箇所の位置で分割した構成等で実施することもできる。また、前記分割する位置は、中央位置でも片側にずれた位置でも良く、適宜設計変更して実施するものとする。
要するに、図4A~Cに示すように、前記水平材70や斜材71は、各支柱3、4の高さに応じて、或いは巨礫などの衝突荷重に応じて、必要とする本数を設ければよい。
前記補強材8は、補強リブを有するベースプレート80を取り付けた下端部がコンクリート基礎90の内部に埋め込まれて固定されており、上端部が上流側支柱3に溶接されている。前記補強材8の下端部をコンクリート基礎90に固定させる手段としては、例えばコンクリート基礎90内に予め埋め込んだ鞘管に嵌め込むことによって行うこともできる。ちなみに前記補強材8は、中間位置で分割され、分割端面に設けた一対のフランジ8aをボルト接合されている。
なお、前記補強材8の傾斜角度は、一例として、水平となす角度が40~45度程度が好ましいが、河川の設置状況に応じて適宜設計変更するものとする。
前記分枝鋼管50は、例えば図2、図3を参照すると、上位の上流側横繋ぎ材5と中位の上流側横繋ぎ材5との間に4本設けられ、中位の上流側横繋ぎ材5と下位の上流側横繋ぎ材5との間に2本設けて実施しているが、勿論これに限定されず、河川の設置状況に応じて適宜必要な本数設けるものとする。もっとも、過度に中小規模の土石や流木等を捕捉する必要がない場合には、前記分枝鋼管50を設けることなく実施することもできる。
前記天端軒部材6は、前記下流側支柱4よりも更に下流側へせり出す長さに伸長させた構成で実施することにより、前記下流側支柱4、ひいては前記スリット構造体2の損傷回避構造(健全性保持構造)を実現するためにある。
具体的には、スリット構造体2(鋼製スリットダム1)の上流側に土石や流木が順次にうず高く堆積してゆき、ついには上流側支柱3の上端位置付近から勢いよく越流した土石流中の巨礫や流木等が、前記下流側支柱4(特には、下流側支柱4の下部)に衝突しない構造、或いは衝突したとしても、部材取り替え基準とされる凹み率が40%を超えない構造を実現するためにある。
例えば、図3に係る前記天端軒部材6のせり出し長さ(X)は、平面方向からみて、下流側支柱4の平面視長さ(Y)を少なくとも半分(1/2)程度覆う長さに設定されている。これは、次の段落[0032]で説明するような、本出願人の経験、見識に基づき知得した数値等を勘案して決せられる。
また、流速が遅く、天端軒部材6の下流端で礫速度がゼロ(自由落下)となる場合も想定される。この場合には、前記天端軒部材6のせり出し長さ(X)を、前記下流側支柱4の平面視長さ(Y)に略一致させることにより下流側支柱4への礫衝突を回避可能な構造で実施することもできるし、衝突させるにしても、落下高(Z)を勘案して部材取り替え基準とされる凹み率が40%を超えないせり出し長さ(X)に調整した構造で実施する。 もっとも、自由落下による礫衝突を想定した場合、構造設計上想定される礫径以下の礫(捕捉礫よりも小さい礫)が衝突しても下流側支柱(鋼管)4に与える影響(損傷)は小さく、部材交換の対象にはならないケースの方が多い。つまり、落下礫の衝突エネルギー(U)は、m・g・h(質量×重力加速度×高さ)の式に表されるが、自由落下の衝突エネルギーは小さいので、構造設計上、部材取り替え基準とされる凹み率が40%を超えないケースの方が多い。
先ず、土石流が発生すると、鋼製スリットダム1によって土石や流木等が堰き止められ、前記堰き止められた土石や流木等が傾斜度に倣って順次にうず高く堆積してゆき、最終的に鋼製スリットダム1(スリット構造体2)の頂部相当まで堆積する。前記スリット構造体2の頂部相当まで堰き止められた土石や流木等の堆積状態91に沿ってその上面を流れ下ってきた土石や流木等Gがスリット構造体2の頂部を越流する。
このとき、前記スリット構造体2は、下流側支柱4の上端位置を、上流側支柱3の上端位置付近から勢いよく越流した土石流中の巨礫や流木等Gが衝突しない程度の低い位置まで下げて、かつ、越流した土石流中の巨礫や流木等を下流側へ受け流す天端軒部材6が下流側支柱よりも下流側へ所要の長さ(前記段落[0032]参照)せり出した構成で実施するので、前記巨礫や流木等Gを下流側支柱4の上端を越えることはもとより、下流側支柱4への衝突を回避させて河床に向かって落下させることができる。或いは、衝突したとしても凹み率が40%を超えることのない損傷で抑えることができる。
図1~図3に係るスリット構造体2は、隣接する下流側支柱4、4同士が横繋ぎ材で連結されていないので、減勢した土石や流木等Gが落下途中で横繋ぎ材に衝突する懸念もなく、効果的に河床に向かって落下させることができる。
よって、下流側支柱4の上端部分付近の構造が、巨礫や流木等Gの激しい衝突によって変形、破損される懸念は一切なく、巨礫や流木等Gが激しく衝突する懸念を物理的に回避できる。
図7は、実施例2の鋼製スリットダム1を構成するスリット構造体2Aを示している。
前記スリット構造体2Aは、上記実施例1で説明したスリット構造体2と比して、下流側支柱4の本数が少ないことを特徴としている。
具体的には、前記スリット構造体2Aは、上流側支柱3を河幅方向に0.5~2.0m程度の間隔をあけて3本設置し、前記上流側支柱3のうち両端に位置する前記上流側支柱3、3と同じ列に下流側支柱4、4を設置した構成である。即ち、下流側支柱4の本数が上流側支柱3よりも1本少ない。天端軒部材6の本数も上流側支柱3よりも1本少ない。
なお、詳細に図示することは省略したが、前記スリット構造体2Aは、山間地の河川等に構築したコンクリート堰堤9、9間の底部に打設したコンクリート基礎90上に複数体設置するものであり、上記実施例1で説明したスリット構造体2と組み合わせて鋼製スリットダム1を構築する構成で実施することもできる。
この実施例2の鋼製スリットダム1もまた、前記天端軒部材6を、上記実施例1に係る前記段落[0032]を勘案したせり出し長さで実施できることに変わりはないので、上記実施例1と同様の作用効果を奏する(前記段落[0033]参照)。
図8は、実施例3の鋼製スリットダム1を構成するスリット構造体2Bを示している。
前記スリット構造体2Bは、上記実施例1のスリット構造体2と比して、分枝鋼管50、及び張出部51を省略した構成を特徴としている。
実施例3の鋼製スリットダム1は、中小規模の礫を必要以上に捕捉する必要がなく、比較的径の大きい巨礫を十分に捕捉する場合を考慮した構成である。実施例3のスリット構造体2Bは、分枝鋼管50及び張出部51を設けない分、上記実施例1又は2のスリット構造体2、2Aと比べて経済的である。
なお、詳細に図示することは省略したが、前記スリット構造体2Bは、山間地の河川等に構築したコンクリート堰堤9、9間の底部に打設したコンクリート基礎90上に複数体設置するものであり、上記実施例1で説明したスリット構造体2、或いは上記実施例2で説明したスリット構造体2Aと組み合わせて鋼製スリットダム1を構築する構成で実施することもできる。
この実施例3の鋼製スリットダム1もまた、前記天端軒部材6を、上記実施例1に係る前記段落[0032]を勘案したせり出し長さで実施できることに変わりはないので、上記実施例1と同様の作用効果を奏する(前記段落[0033]参照)。
具体的に、図10Aは、隣接する前記下流側支柱4、4同士の上端近傍を下流側横繋ぎ材10で連結され、前記下流側横繋ぎ材10にも、一端部は前記上流側支柱3の上端近傍に接合され他端部は前記下流側横繋ぎ材10よりも下流側Bへせり出す構成で前記下流側横繋ぎ材10に受け支持される天端軒部材6を備えたことを特徴とするスリット構造体を示している。
図10Bは、図10Aと比し、前記下流側横繋ぎ材10がなく、前記下流側横繋ぎ材10に受け支持される天端軒部材6もないことを特徴とするスリット構造体を示している。
図10Cは、図10Aと比し、前記下流側横繋ぎ材10を有するものの、前記下流側横繋ぎ材10に受け支持される天端軒部材6がないことを特徴とするスリット構造体を示している。
図10Dは、図10Aと比し、上流側支柱3が無い部位にも上流側横繋ぎ材5と下流側横繋ぎ材10とを利用して天端軒部材6を備えたことを特徴とするスリット構造体を示している。
この図10A~Dに示した鋼製スリットダム1もまた、前記天端軒部材6を、上記実施例1に係る前記段落[0032]を勘案したせり出し長さで実施できることに変わりはないので、やはり上記実施例1と同様の作用効果を奏する(前記段落[0033]参照)。
具体的に、図11Aは、前記図10Aと比し、下流側横繋ぎ材10に受け支持される中央の天端軒部材6の長さが、前記下流側横繋ぎ材10よりも下流側にせり出さないような短い長さで実施されている点が相違する。図11Bは、前記図10Dと比し、下流側横繋ぎ材10に受け支持される中央の天端軒部材6の長さが、前記下流側横繋ぎ材10よりも下流側にせり出さないような短い長さで実施されている点が相違する。
すなわち、この実施例5に係るスリット構造体は、他端部が下流側支柱4に受け支持される天端軒部材6を、前記下流側支柱4よりも下流側Bへせり出す長さとし、他端部が下流側横繋ぎ材10に受け支持される天端軒部材6を、前記下流側横繋ぎ材10よりも下流側Bへせり出さない長さとした構成で実施することを特徴としている。
このように、下流側横繋ぎ材10に受け支持される天端軒部材6の長さを短く設定して実施するのは、前記天端軒部材6の直下方向に下流側支柱4が存在しないので、前記天端軒部材6から落下する巨礫や流木等Gが下流側支柱4へ衝突するリスクを勘案する必要がないからである。
この図11A、Bに示した鋼製スリットダム1もまた、前記天端軒部材6を、上記実施例1に係る前記段落[0032]を勘案したせり出し長さで実施できることに変わりはないので、やはり上記実施例1と同様の作用効果を奏する(前記段落[0033]参照)。
例えば、前記下流側支柱4で受け支持する天端軒部材6と、下流側横繋ぎ材10で受け支持する天端軒部材6とで、使用する鋼管の径のサイズや傾斜角度を調整することにより、上面を揃える等の工夫は適宜行われるところである。
2 スリット構造体
20 スリット構造体
21 スリット構造体
3 上流側支柱
3a フランジ
30 ベースプレート
4 下流側支柱
4a フランジ
40 ベースプレート
5 上流側横繋ぎ材
5a フランジ
50 分枝鋼管
51 張出部
6 天端軒部材
6a フランジ
70 水平材
70a フランジ
71 斜材
71a フランジ
72 斜材
8 補強材
8a フランジ
80 ベースプレート
9 コンクリート堰堤
90 コンクリート基礎
91 堆積状態
10 下流側横繋ぎ材
θ 天端軒部材の傾斜角度(傾斜勾配)
A 上流側位置(上流側)
B 下流側位置(下流側)
G 土石や流木等
X 天端軒部材のせり出し長さ
Y 下流側支柱の平面視長さ
Z 落下高
γ 支柱の傾斜角度
Claims (5)
- 河川の河幅方向にスリット構造体を設置して成る鋼製スリットダムであって、
前記スリット構造体は、河川の流れ方向における上流側位置と下流側位置とに間隔を開けて立てた支柱と、隣接する上流側支柱同士を連結した上流側横繋ぎ材と、一端部は上流側支柱の上端近傍に接合され他端部は下流側支柱よりも下流側へせり出す構成で前記下流側支柱に受け支持される天端軒部材とからなり、前記上流側支柱と前記下流側支柱とは上端同士が間隔を開けて立てられ、かつ前記下流側支柱の上端位置は、前記上流側支柱の上端位置よりも低い位置とされ、前記天端軒部材は上流側から下流側へ下る勾配に傾斜させて設けられていることを特徴とする、鋼製スリットダム。 - 隣接する前記下流側支柱同士は上端近傍を下流側横繋ぎ材で連結されていることを特徴とする、請求項1に記載した鋼製スリットダム。
- 一端部は前記上流側支柱の上端近傍、又は上流側横繋ぎ材に接合され、他端部は前記下流側横繋ぎ材よりも下流側へせり出す構成で前記下流側横繋ぎ材に受け支持される天端軒部材を備えていることを特徴とする、請求項2に記載した鋼製スリットダム。
- 他端部が下流側支柱に受け支持される前記天端軒部材は、前記下流側支柱よりも下流側へせり出す長さとし、他端部が下流側横繋ぎ材に受け支持される前記天端軒部材は、前記下流側横繋ぎ材よりも下流側へせり出さない長さとすることを特徴とする、請求項2に記載した鋼製スリットダム。
- 前記下流側支柱に受け支持される天端軒部材は、平面方向からみて、下流側支柱を少なくとも半分程度覆う長さに設定されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載した鋼製スリットダム。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020042610 | 2020-03-12 | ||
JP2020042610 | 2020-03-12 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021143583A JP2021143583A (ja) | 2021-09-24 |
JP7453058B2 true JP7453058B2 (ja) | 2024-03-19 |
Family
ID=77766687
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020087840A Active JP7453058B2 (ja) | 2020-03-12 | 2020-05-20 | 鋼製スリットダム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7453058B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002121729A (ja) | 2000-10-17 | 2002-04-26 | Nippon Steel Corp | 将来増設型鋼製スリットダム構造 |
JP2009024364A (ja) | 2007-07-18 | 2009-02-05 | Jfe Metal Products & Engineering Inc | 透過型砂防ダム |
JP2017040081A (ja) | 2015-08-19 | 2017-02-23 | 日鐵住金建材株式会社 | 鋼製スリットダム |
-
2020
- 2020-05-20 JP JP2020087840A patent/JP7453058B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002121729A (ja) | 2000-10-17 | 2002-04-26 | Nippon Steel Corp | 将来増設型鋼製スリットダム構造 |
JP2009024364A (ja) | 2007-07-18 | 2009-02-05 | Jfe Metal Products & Engineering Inc | 透過型砂防ダム |
JP2017040081A (ja) | 2015-08-19 | 2017-02-23 | 日鐵住金建材株式会社 | 鋼製スリットダム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021143583A (ja) | 2021-09-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7118709B2 (ja) | 堰堤および捕捉体 | |
CN111236161A (zh) | 一种泥石流防治系统 | |
JP2017072020A (ja) | 捕捉体の設置方法及び堰堤構造物 | |
JP5129977B2 (ja) | 鋼製スリットダム | |
JP7360777B2 (ja) | 流木捕捉工の設置構造 | |
JP6652799B2 (ja) | 鋼製スリットダム | |
JP5226584B2 (ja) | 鋼製スリットダム及びその構築方法並びに補修方法 | |
JP7453058B2 (ja) | 鋼製スリットダム | |
JP4912348B2 (ja) | 土砂捕捉構造物および砂防堰堤 | |
JP7112875B2 (ja) | 堰堤および捕捉体 | |
JP2007239321A (ja) | 水制工及びその設置構造 | |
JP3155474B2 (ja) | 砂防ダム | |
KR200452943Y1 (ko) | 혼용 스크린부를 적용한 버트러스 사방댐 | |
JP6997250B2 (ja) | 堰堤 | |
JP3992356B2 (ja) | オープン型鋼製砂防堰堤 | |
JP6392984B2 (ja) | 透過型砂防堰堤 | |
JP7214904B2 (ja) | 堰堤および捕捉体 | |
JP5180763B2 (ja) | クロスビームバットレス型オープンえん堤 | |
JP6546399B2 (ja) | 砂防堰堤 | |
JP7039128B2 (ja) | 流木捕捉工 | |
JP2531200B2 (ja) | スリット式砂防堰堤 | |
JP6840340B2 (ja) | 流体物捕捉構造体 | |
JP2023146111A (ja) | 鋼製スリットダム | |
JP7295530B2 (ja) | 透過型砂防堰堤 | |
JP6758573B1 (ja) | 捕捉体の設置構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20230421 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20231128 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20231130 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20240116 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20240305 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20240307 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7453058 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |