JP2002121729A - 将来増設型鋼製スリットダム構造 - Google Patents

将来増設型鋼製スリットダム構造

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JP2002121729A
JP2002121729A JP2000316641A JP2000316641A JP2002121729A JP 2002121729 A JP2002121729 A JP 2002121729A JP 2000316641 A JP2000316641 A JP 2000316641A JP 2000316641 A JP2000316641 A JP 2000316641A JP 2002121729 A JP2002121729 A JP 2002121729A
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Noriyuki Hirozawa
規行 広沢
Munehiro Ishida
宗弘 石田
Yoshihiro Takano
良広 高野
Shigeo Kobayashi
茂雄 小林
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Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダムが満砂状態になった場合、既設の鋼製ダ
ムの上方に新たに、鋼製フレームを容易に接合して増設
できる鋼製スリットダムを提供する。 【解決手段】 川幅方向および/あるいは河川軸方向に
所要の間隔で配置した、鉛直鋼管10と水平材12から
なる骨組構造8を主要素とする鋼製スリットダムにおい
て、鉛直鋼管10の上端には、将来増設用鉛直部材9を
接合可能な接合部15を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川内に設置され
る土石流対策用あるいは、流木対策用の透過型砂防構造
(将来増設型鋼製スリットダム構造という)に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の鋼製スリットダムとして
は、例えば、、特開昭54−115520号(特願昭
53−22606号)、、特開昭57−29717号
(特願昭55−31259号)、、特開昭63−28
9106号(特願昭62−123874号)がある。
【0003】前記の従来例は、「格子型骨組構造」で
あって、河川の横断方向および縦断方向に棒状部材を格
子状に架設してなる立体フレームを河川に設置するもの
で、河川の横断方向に投影した格子状升目の大きさが河
川上流側で大きく、下流側で小さく、また、河川の縦断
方向に沿って河川上流側の高さが、河川下流側の高さよ
りも高い構成としてある。
【0004】前記従来例の前提となる格子型(大型)
スリットダムの一般例は、図6に示すとおりで、河川1
の横断方向および縦断方向および上下方向に棒状部材2
a、2b、2cを格子状に架設して立体フレーム2を構
成し、この立体フレーム2における上下方向の棒状部材
2cの下端を河川床3に設置するものである。
【0005】前記従来例は、「A型骨組構造」であっ
て、鋼製の主柱に鋼製の控材を結合してなる複数の構造
体を、河川の流水方向と平行とし、各構造体の間隔を巨
礫のみを阻止する間隔で河川床に固定し、各構造体の上
方を継ぎ梁で連結したものである。
【0006】前記従来例の前提となるA型(大型)ス
リットダムの一般例は、図7に示すとおりで、鋼製の主
柱4に鋼製の控材5を結合してなる複数の構造体を、河
川の流水方向と平行とし、かつ河川床3に設置する。ま
た、各構造体の上方を流水方向と平行な継ぎ梁6aおよ
び、流水方向と直角な継ぎ梁6bで連結したものであ
る。
【0007】前記従来例は、「B型骨組構造」であっ
て、3本以上の鋼製支柱を、各支柱の長手方向に間隔を
置いて、かつ、同一平面上に並ばないように間隔を置い
て配置して鋼製連結部材を構成し、この鋼製連結部材を
複数連結して鋼製砂防ユニットを構成し、この複数の砂
防ユニットを河川横断方向に間隔をあけて配置し、河川
基盤に固着するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記、、の従来
例(これらを、以下鋼製ダムという)は、いずれも河川
内に設置され、土石流を堰き止め、減勢させるものであ
るが、従来の鋼製ダムには、次の欠点があった。 (イ)、ダムに捕捉され、溜まった土砂・岩が満砂状態
になったとき、これらの土砂・岩を除去しにくいため別
の場所に新たに、鋼製ダムを新設せざるを得ない。 (ロ)、既設鋼製ダムの上部に増設する場合、既設部の
補強や、既設部と新設部(増設部)の現場溶接が必要と
なり、建設費が高騰する。 本発明は、前記(イ)、(ロ)の欠点を改良すべく提案
されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、本発明に係る将来増設型鋼製スリットダムは、次の
ように構成する。第1の発明は、川幅方向および/ある
いは河川軸方向に所要の間隔で配置した鋼製鉛直部材
と、鋼製鉛直部材間を結合する水平材からなる骨組構造
を主要素とする鋼製スリットダムにおいて、前記鋼製鉛
直部材には、増設用鋼製鉛直部材を接合可能な接合部を
設けたことを特徴とする。
【0010】第2の発明は、第1の発明において、前記
鋼製鉛直部材と前記増設用鋼製鉛直部材が鋼管であり、
両鉛直鋼管の接合部がフランジ接合となるよう、既設の
前記鋼製鉛直鋼管の上端と前記増設用鋼製鉛直鋼管に接
合用フランジを設けたことを特徴とする。
【0011】第3の発明は、第1の発明において、前記
鋼製鉛直部材と前記増設用鋼製鉛直部材が鋼管であり、
両鉛直鋼管の接合部が鞘管接合となるよう、既設の前記
鋼製鉛直鋼管の上端を所要寸法以上他部材よりも突出さ
せることで、突込み接合部を設けたことを特徴とする。
【0012】第4の発明は、第1〜第3のいずれかの発
明において、前記鋼製鉛直部材の上端付近に、河川軸鉛
直面内に配置の斜材を結合し、河川軸方向に2列以上の
鋼製鉛直柱材を有するトラス構造として、前記増設用鋼
製鉛直部材の将来増設時の荷重に抵抗可能な骨組構造を
構築し、前記鋼製鉛直柱材の上端に将来増設用鋼製鉛直
部材の接合部を設け、将来増設用鋼製鉛直部材は、当該
鋼製鉛直柱材に対応する位置に河川軸方向に2列以上の
鋼製鉛直柱材を有するトラス構造とし、当該将来増設用
鋼製鉛直柱材下端には既設鋼製鉛直柱材との接合部を有
することを特徴とする。
【0013】第1発明〜第4発明によると、ダムに捕捉
され、溜まった土砂・岩が満砂状態になったとき、ダム
構造の既設部の上部に簡単に増設部を増設して、ダム構
造の高さを上方に延長でき、従来のように、捕捉し溜ま
った土砂・岩を除去しにくいため別の場所でダム新設す
るのが不要であり、しかも、既設の上方に増設する場合
の既設部の補強や、既設部と増設部の現場溶接が必要で
なく、建設費が高騰しない。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図を参
照して詳細に説明する。
【0015】図1、図2と図3は、それぞれ請求項1、
2に対応する実施形態1、2を示し、まず、図1の実施
形態1を説明する。この実施形態1は、骨組構造がトラ
ス型構造の鋼製スリットダムの例を示す。
【0016】実施形態1の構成をさらに説明すると、鉛
直鋼管(鉛直部材)10の下端が下線3の川底の基礎部
コンクリート21に埋設され、この鉛直鋼管(鉛直部
材)10が河川軸方向に複数(図では3本)所定間隔で
配置され、かつ、各鉛直鋼管10の上部付近の間が河川
軸鉛直面内の斜材11で連結されると共に、上流側とそ
の下流側の2列の鉛直鋼管10の中間部の間が河川軸鉛
直面内の水平材12で連結されて、側面が略3角形に組
まれてトラス型の骨組み列13が構成されており、さら
に、この骨組み列13における河川軸方向に上流側から
2列の鉛直鋼管10の間が複数の河川軸直角方向水平材
14で連結されて骨組構造8がされている。
【0017】本発明では、図1に示すように、河川上流
側の既設の鉛直鋼管10の上端に将来増設鋼管部材9が
接合可能に設けられるもので、このため、実施形態1に
おいては、河川上流側の鉛直鋼管10の上端に将来増設
鋼管部材9の接合部15が設けられている。
【0018】さらに説明すると、将来増設鋼管部材9
は、既設鋼製ダム上部の延長部として、既設部と一体と
なるように連続構成するもので、実施形態1では、将来
増設鋼管部材9は、川幅方向に配設の複数の増設用鉛直
鋼管9aと、この増設用鉛直鋼管9aの間を連結する増
設用河川軸直角方向水平鋼管9bとから構成されてい
る。また、増設用鉛直鋼管9aは、川幅方向に7列配置
された各骨組み列13における、河川上流側の鉛直鋼管
10の上端の接合部15に例えば、フランジ接合その他
の手段で結合するとよい。
【0019】図1の実施形態1では、フランジ接合の例
を示しており、その詳細は図3に示されている。すなは
ち、河川上流側の鉛直鋼管10の上端と、増設用鉛直鋼
管9aの下端には、図3(B)、(C)に示すように、
フランジ16a,16bを溶接してあり、鉛直鋼管10
の上端と、増設用鉛直鋼管9aの下端を結合するとき
は、両フランジ16a,16bを接合し、かつ両フラン
ジ間を高張力ボルト17などで結合することにより、強
力かつ堅牢に結合できる。
【0020】複数の増設用鉛直鋼管9aと、この間を結
合する増設用水平鋼管9bとは、予め工場で、溶接によ
り固着しておき、現場に搬送するように設けるとよい。
また、河川上流側の鉛直鋼管10の上端の将来増設用の
接合部15は、将来増設鋼管部材9を接合するまでは、
図3に示すように、閉塞フランジ18などで閉塞してお
くのがよい。
【0021】また、実施形態1において、将来増設時
に、鉛直鋼管10の中にコンクリートを充填してもよ
く、これにより各部材の耐力が増加する。したがって、
当初建設高さ、礫体積高さで算定した断面力に対して、
各部材を設計すれば充分なこともあるし、断面性能を若
干増加させることが必要なこともある。
【0022】また、各部材は、将来増設を考慮して設計
されるが、鉛直鋼管10の増設部は河川軸方向の水平材
12の上端より上が片持ち梁となるので、当該水平材1
2より下の鉛直鋼管10は、増設前の曲げモーメント反
対方向の曲げモーメントが生ずるために、鉛直鋼管10
は将来増設を考慮してもあまり変わらない。
【0023】実施形態1によると、骨組構造8により、
土砂・岩は、上流側の複数の鉛直鋼管10で形成される
間隙19に絡まって捕捉されると共に、捕捉され溜まっ
た土砂・岩が満砂となったときは、増設用の接合部15
を介して既設構造の上部に将来増設鋼管部材9を接合す
ることで、その後の土石流の引き続いての捕捉に容易に
対処できる。
【0024】つぎに、図2の実施形態2を説明する。こ
の実施形態2も、請求項1、2に対応するが、実施形態
1がトラス構造の鋼製スリットダムであるのに対し、実
施形態2は、格子型構造の鋼製スリットダムの例を示
し、この格子型構造である点が、実施形態1と相異す
る。
【0025】実施形態2では、基礎部コンクリート21
に下端部が埋設された複数の鉛直鋼管10が、河川軸方
向に所定間隔で配置され、鉛直鋼管10の上部付近と、
中間部と下部の間が複数の河川軸方向水平材12や斜材
11で連結されて格子型の骨組み列20が構成されてお
り、この骨組み列20が川幅方向に6列配置され、骨組
み列20間が、図示のように複数の河川軸直角方向水平
材14で連結されている。
【0026】この実施形態2においても、図2に示すよ
うに、河川上流側の鉛直鋼管10の上端に将来増設鋼管
部材9が接合可能に設けられるもので、このため、実施
形態2においては、河川上流側とその下流側の2列の鉛
直鋼管10の上端にそれぞれ将来増設鋼管部材9の接合
部15が設けられている。
【0027】さらに説明すると、実施形態2において
も、将来増設鋼管部材9は、格子型の既設鋼製ダムの上
部と一体となって、その上方延長部を構成すべく、鉛直
方向、水平方向ともに、既設部分と連続する格子型構成
とするのがよい。このため、実施形態2では、将来増設
鋼管部材9は、河川上流側とその下流側の2列の増設用
鉛直鋼管9aと、上流側と下流側の増設用鉛直鋼管9a
を連結する増設用河川軸方向水平鋼管9cと、川幅方向
に配置の骨組み列20を連結する増設用河川軸直角方向
水平鋼管9bとから構成されている。増設用鉛直鋼管9
aは、川幅方向に6列配置された各骨組み列20におけ
る、河川上流側の鉛直鋼管10の上端付近の接合部15
に例えば、フランジ接合その他の手段で結合するとよ
い。
【0028】実施形態2の図示例でも、実施形態1と同
様に、フランジ接合の例を示している。すなわち、図3
に示すように、既設部である河川上流側と下流側の2列
の鉛直鋼管10の上端と、同じく河川上流側と下流側の
2列の増設用鉛直鋼管9aの下端には、フランジ16
a,16bを溶接し、鉛直鋼管10の上端と、増設用鉛
直鋼管9aの下端を結合するときは、両フランジ16
a,16bを接合し、かつ両フランジ間を高張力ボルト
17で結合することにより、強力かつ堅牢に結合でき
る。
【0029】実施形態2の将来増設鋼管部材9におけ
る、複数の増設用鉛直鋼管9aと、この間を結合する増
設用河川軸直角方向水平鋼管9bと、増設用河川軸方向
水平鋼管9cとは、予め工場で、溶接により固着してお
き、現場に搬送するように設けるとよい。また、河川上
流側の鉛直鋼管10の上端の将来増設用接合部15は、
将来増設鋼管部材9を接合するまでは、図3に示すよう
に、閉塞フランジ18などで閉塞しておくのがよい。
【0030】実施形態2においても、実施形態1と同
様、骨組構造8により、土砂・岩は、上流側の複数の鉛
直鋼管10で形成される間隙19に絡まって捕捉される
と共に、捕捉され溜まった土砂・岩が満砂となったとき
は、増設用接合部15を介して既設構造の上部に増設構
造部を接合することで、その後の土石流の引き続いての
捕捉に容易に対処できる。
【0031】つぎに、図4、図5の実施形態3を説明す
る。この実施形態3は、請求項2、3に対応し、鋼製ス
リットダムがトラス構造である基本構成は、実施形態1
と同様であるが、既設部と増設部の鞘管接合部15aの
構成および、将来増設鋼管部材9の構成が実施形態1と
相異する。
【0032】すなわち、実施形態3では、複数の鉛直鋼
管10の下端が基礎部コンクリート21に埋設され、こ
の鉛直鋼管10河川軸方向に所定間隔で配置され、鉛直
鋼管10の上部付近の間が河川軸方向斜材11で連結さ
れると共に、河川上流側と、その下流側の2列の鉛直鋼
管10の間が、河川軸方向水平材12で連結されて、複
数のトラス型の骨組み列22が構成されており、この骨
組み列22が川幅方向に7列配置され、各骨組み列22
における河川上流側と下流側の2列の鉛直鋼管10の間
が、図示のように複数の河川軸直角方向水平材14で連
結されている。
【0033】この実施形態3においては、図4に示すよ
うに、河川上流側の鉛直鋼管10の上端に将来増設鋼管
部材9が接合可能に設けられるもので、このため、実施
形態3においては、既設部の上端に増設用鞘管接合部1
5aが河川の上流側とその下流側の2列の鉛直鋼管10
の上端に将来増設鋼管部材9の増設用鞘管接合部15a
が設けられている。
【0034】さらに説明すると、将来増設鋼管部材9
は、トラス構造の既設鋼製ダムの上部と一体になって、
その上方延長部を構成をするべく、鉛直方向、水平方向
ともに、既設部分と同じトラス型構成とする。このた
め、実施形態3では、将来増設鋼管部材9は上流側と下
流側の増設用鉛直鋼管9a、9aと、この上、下流側の
増設用鉛直鋼管9a、9aの上部付近の間を連結する河
川軸方向斜材9cと、同じく中間部の間を連結する河川
軸方向水平材9dと、上、下流側でかつ川幅方向に配置
の複数の増設用鉛直鋼管9a、9aの間を連結する増設
用河川軸直角方向斜材9bとから構成されている。増設
用鉛直鋼管9a、9aは、川幅方向に7列配置された各
骨組み列22における、河川上流側と下流側の既設の鉛
直鋼管10の上端の鞘管接合部15aに鞘管接合で結合
している。
【0035】図5によってさらに詳しく説明すると、河
川上流側と下流側の各鉛直鋼管10の上端から少し下が
った位置に、底蓋用の鋼板フランジ23が溶接で固着し
てあり、さらに、鋼板フランジ23の上部における各鉛
直鋼管10の外周に棒鋼24などを溶接している。この
棒鋼24の代わりに外面突起鋼管を使ってもよい。
【0036】図5(A)に示すように、建設時当初、つ
まり増設部の増設前は、各鉛直鋼管10の上端に当該鉛
直鋼管10の外径より若干大径のキャップ25を被せ
て、上端開口部26を閉塞し、キャップ25下端の接合
フランジ27を前記鋼板フランジ23の上面にボルト結
合(図示せず)して増設部を保護している。なお、鋼管
直径を(D)とし、鉛直鋼管10の上端から接合フラン
ジ27までの長さをLとし、このLを(1.5D)以上
とれば全強継手となる。
【0037】前記の構成において、鋼製ダムの既設部が
満砂になり、増設の必要がでて、鉛直鋼管10の上端
に、増設用鉛直鋼管9aの下端を結合するときは、鉛直
鋼管10の上端から図5(A)に示すキャップ25を取
り外し、代わりに、図5(A)に示すように、キャップ
25と略同径で、当該キャップ25の上下の長さの約2
倍長の鞘管28を鉛直鋼管10の上端部に同心的に嵌合
し、下端を鋼板フランジ23の上面に設置する。鞘管2
8の下端と鋼板フランジ23の上面とは、後に充填する
充填材29が漏れないように溶接あるいはシール材など
でシールする。鞘管28の内周にも棒鋼24などを溶接
している。この棒鋼24の代わりに外面突起鋼管を使っ
てもよい。
【0038】鞘管28を鋼板フランジ23の上面に設置
した後、増設用鉛直鋼管9aの下端を、鞘管28内に同
心的に嵌合し、既設鉛直鋼管10の上端に突き合わせ
る。増設用鉛直鋼管9aの下端外周にも、棒鋼24など
を溶接している。この棒鋼24代わりに外面突起鋼管を
使ってもよい。
【0039】このように増設用鉛直鋼管9aの下端を、
鞘管28内に同心的に嵌合し、既設鉛直鋼管10の上端
に突き合わせた後、図5(C)に示すように、鞘管28
内周と既設の鉛直鋼管10および、増設用鉛直鋼管9a
の外周の間にモルタル、コンクリートまたは樹脂などの
充填材29を充填する。なお、鞘管28の上端および下
端から、既設鉛直鋼管10と増設用鉛直鋼管9aの突合
せ部までの寸法(L)、(L1)は、1.5D以上に設
けるのがよい。
【0040】将来増設鋼管部材9を構成する、増設用鉛
直鋼管9a、9aと、河川軸方向斜材9cと、河川軸方
向水平材9dと、増設用河川軸直角方向斜材9bとは、
予め工場で、溶接により固着しておき、現場に搬送する
ように設けるとよい。
【0041】実施形態3によると、土砂・岩は、実施形
態2と同様、上流側でかつ川幅方向に配置の複数の鉛直
鋼管10で形成される間隙19に絡まって捕捉されると
共に、捕捉され溜まった土砂・岩が満砂となったとき
は、鞘管接合部15aを介して既設構造の上部に増設構
造部を接合することで、鋼製ダムの高さを嵩上げでき、
その後の土石流の引き続いての捕捉に容易に対処でき
る。
【0042】特に、実施形態3では、増設部がトラス構
造なので、ラーメン構造に比べても耐荷力を増大させ易
く、増設部を高くすることができる。また、当初建設時
のトラス構造と将来増設部のトラス構造とが一体とな
り、全体の力の流れが円滑なトラス構造となる。
【0043】さらに、鞘管接合部15aは、充填材29
を介在させた接合なので、当初建設部と増設部のそれぞ
れの接合部の精度管理を粗くすることができる。したが
って、鉄骨加工の精度および施工時の建方精度を粗くす
ることができ、建設費の削減、急速施工が可能となる。
特に、河川軸方向の2列以上の鉛直鋼管(鉛直柱材)と
接合する場合に大きな効果を発揮する。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
ダムに捕捉され、溜まった土砂・岩が満砂状態になった
とき、ダム構造の既設部の上部に、容易、簡単かつ迅速
に増設部を接合して、ダム構造の高さを嵩上げでき、従
来構造のように、捕捉し溜まった土砂・岩を除去しにく
いため別の場所でダム新設するのが不要であり、しか
も、既設の上方に増設する場合の既設部の補強や、既設
部と増設部の現場溶接が必要でなく、建設費が高騰しな
いという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、本発明の実施形態1に係る鋼製スリ
ットダムの平面図、(B)は、同図(A)のc−c線に
沿う増設部増設前の断面説明図、(C)は、同図(B)
おいて、既設部に増設部を増設後の断面説明図である。
【図2】(A)は実施形態2に係る鋼製スリットダムの
平面図、(B)は、同図(A)のd−d線に沿う増設部
増設前の断面説明図、(C)は、同図(B)おいて、既
設部に増設部を増設後の断面説明図である。
【図3】(A)は、鉛直鋼管の上端部の増設部増設前の
拡大図、(B)は、増設部増設を増設途中の拡大図、
(C)は、増設部増設を増設後の拡大図である。
【図4】(A)は実施形態3に係る鋼製スリットダムの
平面図、(B)は、同図(A)のe−e断面説明図、
(C)は、 同図(B)のe−e線に沿う増設部増設前
の断面説明図、(C)は、同図(B)おいて、既設部に
増設部を増設後の断面説明図である。
【図5】(A)は、鉛直鋼管の上端部の増設部増設前の
鞘管接合部の拡大図、(B)は、増設部増設を増設途中
の鞘管接合部の拡大図、(C)は、増設部増設を増設後
の鞘管接合部の拡大図である。
【図6】(A)は従来例1の格子型鋼製スリットダムの
平面図、(B)は、同図(A)のa−a断面説明図であ
る。
【図7】(A)は従来例2のA型大型鋼製スリットダム
の平面図、(B)は、同図(A)のb−b断面説明図で
ある。
【符号の説明】
1 河川 2a 棒状部材 2b 棒状部材 2c 棒状部材 3 河川床 4 主柱 5 控材 6a 継ぎ梁 6b 継ぎ梁 7 堤体 8 骨組構造 9 将来増設鋼管部材 9a 増設用鉛直鋼管 9b 増設用河川軸直角方向水平材 9c 河川軸方向斜材 9d 河川軸方向水平材 10 鉛直鋼管 11 斜材 12 水平材 13 骨組み列 14 河川軸直角方向水平材 15 接合部 15a 鞘管接合部 16 基礎コンクリート 17 高張力ボルト 18 閉塞フランジ 19 間隙 20 骨組み列 21 基礎部コンクリート 22 骨組み列 23 鋼板フランジ 24 棒鋼 25 キャップ 26 上端開口 27 接合フランジ 28 鞘管 29 充填材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 良広 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 小林 茂雄 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 川幅方向および/あるいは河川軸方向に
    所要の間隔で配置した鋼製鉛直部材と、鋼製鉛直部材間
    を結合する水平材からなる骨組構造を主要素とする鋼製
    スリットダムにおいて、前記鋼製鉛直部材には、増設用
    鋼製鉛直部材を接合可能な接合部を設けたことを特徴と
    する将来増設型鋼製スリットダム構造。
  2. 【請求項2】 前記鋼製鉛直部材と前記増設用鋼製鉛直
    部材が鋼管であり、両鉛直鋼管の接合部がフランジ接合
    となるよう、既設の前記鋼製鉛直鋼管の上端と前記増設
    用鋼製鉛直鋼管に接合用フランジを設けたことを特徴と
    する請求項1記載の将来増設型鋼製スリットダム構造。
  3. 【請求項3】 前記鋼製鉛直部材と前記増設用鋼製鉛直
    部材が鋼管であり、両鉛直鋼管の接合部が鞘管接合とな
    るよう、既設の前記鋼製鉛直鋼管の上端を所要寸法以上
    他部材よりも突出させることで、突込み接合部を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の将来増設型鋼製スリッ
    トダム構造。
  4. 【請求項4】 前記鋼製鉛直部材の上端付近に、河川軸
    鉛直面内に配置の斜材を結合し、河川軸方向に2列以上
    の鋼製鉛直柱材を有するトラス構造として、前記増設用
    鋼製鉛直部材の将来増設時の荷重に抵抗可能な骨組構造
    を構築し、前記鋼製鉛直柱材の上端に将来増設用鋼製鉛
    直部材の接合部を設け、将来増設用鋼製鉛直部材は、当
    該鋼製鉛直柱材に対応する位置に河川軸方向に2列以上
    の鋼製鉛直柱材を有するトラス構造とし、当該将来増設
    用鋼製鉛直柱材下端には既設鋼製鉛直柱材との接合部を
    有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の将来増設型鋼製スリットダム構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020125662A (ja) * 2019-02-06 2020-08-20 Jfe建材株式会社 捕捉体の構築方法、捕捉体及び堰堤
JP2021143583A (ja) * 2020-03-12 2021-09-24 日鉄建材株式会社 鋼製スリットダム

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