JP3155474B2 - 砂防ダム - Google Patents

砂防ダム

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JP3155474B2
JP3155474B2 JP23126896A JP23126896A JP3155474B2 JP 3155474 B2 JP3155474 B2 JP 3155474B2 JP 23126896 A JP23126896 A JP 23126896A JP 23126896 A JP23126896 A JP 23126896A JP 3155474 B2 JP3155474 B2 JP 3155474B2
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anchor
cables
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sabo dam
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憲一 桶谷
大輔 柊
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Tokyo Rope Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は土石流や流木が発生する渓流,
河川等に設けられる砂防ダムに関する。
【0002】
【従来技術】従来の砂防ダムにはバットレス・スクリー
ン・ダムや鋼製スリット・ダムがある。これらの砂防ダ
ムはいずれも鋼材(H形鋼,山形鋼,鋼管等)を縦横に
組立ててコンクリート基礎に立設したものである。
【0003】このような従来の砂防ダムでは土石流等の
エネルギを鋼材自体が塑性変形して吸収するものであ
り,弾力性がない。強固な組立てとする必要があるので
多量の鋼材が必要である。重量が大きいので施工性もよ
くない。また,局部的に変形したり傷んだときにはその
補修が困難である。弾力性が殆ど無いので,吸収エネル
ギが小さい,等の問題がある。
【0004】
【発明の開示】この発明は吸収エネルギが大きく,施
工,補修が比較的容易な砂防ダムを提供することを目的
とする。
【0005】この発明による砂防ダムは次の構造をも
つ。渓流,河川等の土砂,流木等を防止すべき箇所の左
右両端の位置に,アンカー台が立設され,コンクリート
構造物内に埋設される。これらのアンカー台には複数の
アンカー部材が上下方向に所定間隔で,かつ前後方向に
間隔をおいて2列にわたって固定され,アンカー部材の
一部がコンクリート構造物から突出している。左右に対
応するアンカー部材間にそれぞれケーブルが張られる。
これにより前側に上下方向に間隔をおいて複数本のケー
ブルが,後側にも同じように複数本のケーブルがほぼ水
平方向に架設されることになる。前側のケーブルと後側
のケーブルのそれぞれに,上下方向にのびる複数の間隔
保持材が左右方向に間隔をあけてかつ前後に対応させて
取付けられる。前後に対応する間隔保持材は複数の連結
材により相互に連結されている。
【0006】この砂防ダムが渓流,河川にその流れを横
切って設置される場合には,前後方向は上流と下流を結
ぶ方向を,左右は両岸を結ぶ方向をそれぞれ意味するこ
とになる。
【0007】左右のアンカー台(コンクリート構造物)
間の距離が長い場合には,これらの間に一または複数の
中間支柱を,好ましくはコンクリート基礎に,立設す
る。ケーブルをこの中間支柱の前,後面にそれぞれ固定
する。
【0008】コンクリート構造物に,アンカー部材を流
木等から保護する突出部を設けておくとよい。
【0009】さらに必要に応じて,前側の複数本のケー
ブルおよび後側の複数本のケーブルの少なくとも一方に
網を張る。
【0010】土石流,流木等の予想されるエネルギに応
じて,アンカー台,コンクリート構造物,中間支柱の構
造および大きさ,ケーブルの太さ,本数,間隔保持材お
よび連結材の寸法や数等が適宜設定される。
【0011】この発明によると,砂防ダムの前,後側に
複数本のケーブルがそれぞれ架設され,二重構造となっ
ている。しかも複数本のケーブルに複数の間隔保持材が
取付けられ,前後に対応する間隔保持材が連結材により
連結されている。したがって,前,後のケーブル,これ
らに取付けられた間隔保持材,および間隔保持材を連結
する連結材が,いわば幅の厚い弾性体を構成することに
なるので,吸収エネルギが非常に大きくなる。
【0012】従来の鋼材を組立てた砂防ダムに比べれば
軽量であるから施工性にすぐれている。
【0013】アンカー部材にケーブルを取付ける構造と
なっているから組立,補修も容易である。
【0014】アンカー部材をあらかじめアンカー台に固
定し,このアンカー台をコンクリート構造物内に埋込ん
でいる。アンカー部材を正確な位置に設けることがで
き,ケーブルの架設位置も正確となる。施工も容易であ
る。
【0015】
【実施例】図1から図3はこの発明の実施例を示してい
る。
【0016】砂防ダムは渓流,河川等の流れを横切って
設置されている。コンクリート構造物10が河川等の両岸
および河床に設けられている。コンクリート構造物10
は,これを各部分に分けて説明すれば,両岸に設置され
た壁部11と河床に設けられた基礎部12とからなる。壁部
11には流れの方向に突出した部分13が設けられ,これら
の突出部13の間に凹部14が形成されている。突出部13は
後述するジョーアンカーボルト23A,23Bやターンバッ
クル31に流木,落石等が当るのを阻止し,これらを保護
するためのものである。突出部13を上流側にのみ設けて
もよく,突出部13を設けなくてもよい。この突出部13よ
りも岸側の部分において壁部11はやや高くなっている
(高くなっている部分を符号15で示す)。ここが非越流
部である。両岸の壁部11の間が越流部(水通し部)であ
る。
【0017】壁部11内にはアンカー台20が埋設されてい
る。アンカー台20はアングル鋼材によって組立てられて
いる。アンカー台20は4本の支柱21とこれらの支柱21を
連結する水平な横材22とから構成され,支柱21と横材22
とは溶接により固定されている。
【0018】アンカー台20にはジョーアンカーボルト23
A,23Bが上下方向に所定間隔を置いて2列にわたって
設けられている。アンカー台20の支柱21に穴があけら
れ,これらの穴にジョーアンカーボルト23A,23Bが通
っており,ボルト23A,23Bの後端部にナット24が締付
けられている。必要に応じて支柱21の穴があけられる部
分に補強板が固定される。
【0019】さらにアンカー台20には上流側の支柱21に
金網止棒25が固定されている。
【0020】ジョーアンカーボルト23A,23Bのジョー
部分を含む先端部および金網止棒25は壁部11の凹部14内
において,コンクリートから外に露出している。
【0021】越流部において,基礎部12に中間支柱20が
立設されている。中間支柱20はH形鋼である。
【0022】左右両岸の壁部11から突出した上流側およ
び下流側(これらをそれぞれ前側,後側という)の2列
のジョーアンカーボルト23A,23Bに,ワイヤロープ
(鋼製ケーブル)30A,30Bが河川等の流れを横切る方
向にそれぞれ架設されている。すなわち,前側のワイヤ
ロープ30Aはその両端がターンバックル31を介して前側
のジョーアンカーボルト23Aに連結され,ターンバック
ル31により強い初期張力が加えられている。これらのワ
イヤロープ30Aは中間支柱20の前側面にUボルト25によ
ってそれぞれ固定されている。同じように後側のワイヤ
ロープ30Bはその両端がターンバックル31を介して後側
のジョーアンカーボルト23Bに連結され,ターンバック
ル31により強い初期張力が加えられている。ワイヤロー
プ30は中間支柱20の後側面にUボルト25によってそれぞ
れ固定されている。最下段のワイヤロープ30A,30Bは
基礎部12の上面に殆ど接する高さ位置にある。
【0023】砂防ダムの前後面において,上下方向にの
びる間隔保持材(H形鋼)40A,40Bが,中間支柱20間
において複数個,等間隔でワイヤロープ30A,30Bにそ
れぞれ取付けられている。すなわち,前側の間隔保持材
40Aはその前面においてUボルト45を用いてワイヤロー
プ30Aに固定され,後側の間隔保持材40Bはその後面に
おいてUボルト45を用いてワイヤロープ30Bに固定され
ている。これらの間隔保持材40A,40Bはワイヤロープ
30A,30Bの上下の間隔を常に一定に保つものである。
ワイヤロープ30A,30Bが水平方向に,間隔保持材40
A,40Bが垂直方向にそれぞれのび,かつこれらが適当
な間隔で設けられているので,土石流,流木等を受ける
強固な格子状の面が形成されている。間隔保持材40A,
40Bは基礎部12に固定されずに空中に浮いている。
【0024】前側の間隔保持材40Aと後側の間隔保持材
40Bとは前後にそれぞれ対応している。これらの前後に
対応する間隔保持材40Aと40Bが連結材(H形鋼)41に
よって連結されかつ相互に固定されている。連結材41は
上下に間隔をおいて複数個設けられている。
【0025】前後の間隔保持材40Aと40Bとが連結材41
によって連結され,かつ前後の間隔保持材40A,40Bが
それぞれ前後のワイヤロープ30A,30Bに取付けられて
いることにより,これらの前後のワイヤロープ30A,30
B,前後の間隔保持材40A,40Bおよび連結材41は前後
方向に幅の厚い一種の弾性体(ワイヤロープが前後方向
に弾性をもつ)を構成することとなり,大きなエネルギ
を吸収することが可能となる。
【0026】この砂防ダムは大きな土石流や流木を阻止
する。通常時は水,砂,小礫等を通過させる。ワイヤロ
ープの間隔,間隔保持材の間隔等を変えることにより,
通過させる砂礫の大きさを調整することができる。
【0027】ワイヤロープ30A,30Bを用いているの
で,この砂防ダムを構成する材料の重量は比較的軽く,
施工性がよい。
【0028】ワイヤロープ30A,30Bはゆるめたり,ジ
ョーアンカーボルト23A,23Bからそれぞれ取外すこと
が可能であるから,また間隔保持材40A,40Bも取外し
可能であるから一部に損傷が生じてもその補修が容易で
ある。
【0029】上述のようにアンカー台20にジョーアンカ
ーボルト23A,23Bがあらかじめ取付けられているの
で,ジョーアンカーボルト23A,23Bの取付位置が正確
であり,ワイヤロープ30A,30Bも正確に架設できる。
【0030】必要に応じて砂防ダムの前面全面に金網50
が取付けられる。金網50はワイヤロープ30Aおよび金網
止棒25に結合コイル51(またはワイヤバンド)を用いて
取付けられる。砂防ダムの後面に金網を設けてもよい。
【0031】河川等の幅が狭い場合には中間支柱20は必
ずしも設けなくてもよい。
【0032】逆に図4に示すように中間支柱20をより強
固なものとしてもよい。中間支柱20はH形鋼よりなる前
後の2本の支柱21A,21Bとこれらを連結する複数の横
材22とから構成されている。前側のワイヤロープ30Aは
前側の支柱21Aの前面に,後側のワイヤロープ30Bは支
柱21Bの後側の支柱21Bの前面にそれぞれUボルト25に
より固定されている。このような構造によると,前後の
ロープ30A,30B間の間隔がより広くなり,より大きな
エネルギの吸収が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】砂防ダムの全体の斜視図である。
【図2】アンカー台を拡大して示す斜視図である。
【図3】砂防ダムの一部を拡大して示す斜視図である。
【図4】中間支柱の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 コンクリート構造物 11 壁部 12 基礎部 13 突出部 14 凹部 20 中間支柱 30A,30B ワイヤロープ(ケーブル) 40A,40B 間隔保持材 41 連結材 50 金網
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 7/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 渓流,河川等の土砂,流木等を防止すべ
    き箇所の左右両端の位置に,コンクリート構造物内に埋
    設した状態でアンカー台を立設し,これらのアンカー台
    には複数のアンカー部材を上下方向に所定間隔で,かつ
    前後方向に間隔をおいて2列にわたって固定しておき,
    これらの左右に対応するアンカー部材間にそれぞれケー
    ブルを架設し,前側の複数本のケーブルおよび後側の複
    数本のケーブルのそれぞれに,上下方向にのびる複数の
    間隔保持材を左右方向に間隔をあけてかつ前後に対応さ
    せて取付け,前後に対応する間隔保持材を複数の連結材
    により相互に連結してなり,上記コンクリート構造物に
    アンカー部材を保護する突出部を設けた砂防ダム。
  2. 【請求項2】 左右のアンカー台の間に中間支柱を立設
    し,上記ケーブルを中間支柱の前,後面にそれぞれ固定
    した請求項1に記載の砂防ダム。
  3. 【請求項3】 前側の複数本のケーブルおよび後側の複
    数本のケーブルの少なくとも一方に網が張ってある請求
    項1または2に記載の砂防ダム。
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