JP3244711U - 流木捕捉体 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリートを使用しないことはもとより、地盤の不陸に追随できる、施工性、経済性、自在性に優れた流木捕捉体を提供する。【解決手段】河川の横断方向Yに設置される流木捕捉体Rであって、縦材1と横材2とを連結して立体構造体のフレーム枠10が形成され、前記フレーム枠10内から流木捕捉柱材11が立ち上がり、前記フレーム枠10に中詰め材4が詰め込まれた状態で構成されている。前記フレーム枠10は、河床Sの不陸に追随する構造とされている。具体的には、前記横材2が上下に回動可能なピン連結構造とする自在枠構造に構成されている。前記流木捕捉柱材11は、前記フレーム枠10を構成する縦材1に代えて設けられ、前記捕捉柱固定梁材12は、前記横材2に代えて設けられている。前記フレーム枠10には、スクリーン材3が設けられている。【選択図】図1

Description

この考案は、河川の横断方向に設置される流木捕捉体の技術分野に属する。
近年、流木捕捉対策工が進められており、下流側での災害をより効率よく防止するべく、砂防、治山等の目的で河川の横断方向に構築される堰堤(以下、「砂防堰堤」と総称する。)に流木捕捉体(流木捕捉工)を付設することが要請されている。
しかし、前記砂防堰堤に前記流木捕捉体を後付けで設置する場合、前記砂防堰堤自体の強度が不足するためにコンクリートを増し打ちする必要があり、また、増し打ちしないときは設置できる大きさに限界があるため十分な流木の捕捉能力を得ることが困難である等、種々の問題があった。
そこで、従来、特許文献1、2に示したような、前記砂防堰堤とは独立した構造で実施可能な捕捉技術が注目される。
前記特許文献1には、同文献1の第1図等に示したように、河床面12に設置される河床用堰堤(流木捕捉体)の技術が開示されている。
この流木捕捉体は、河床に埋設された上流側河床保護体1と下流側河床保護体2との間の凹部に、鋼製砂礫流抵抗体3の下部を設置し、その鋼製砂礫流抵抗体3の下端部には鋼製ベース部材4を連結し、前記凹部内に砂石礫等の充填材5を充填し、その充填材5に前記鋼製砂礫流抵抗体3の下部を埋設してなる構造である(請求項1等を参照)。
前記特許文献1によれば、鋼製砂礫流抵抗体3の固定用のコンクリート基礎を施工することなく床掘りにより生じた砂石礫等からなる充填材5の重量を利用して鋼製砂礫流抵抗体3の下部を容易しかも経済的に固定できる等の効果が記載されている(詳しくは、明細書の第6欄の27行目以降参照)。
前記特許文献2には、土砂災害を防止軽減することを目的としたスクリーンダムが開示されている。
このスクリーンダムは、同文献2の第1図、第2図等に示したように、布基礎2に複数本の支柱3を布基礎2の長手方向に適宜間隔離して立設し、かつ前記布基礎2と支柱3間に複数本の合掌鉄筋4を張設し、この合掌鉄筋4、4間に複数本のスクリーン鉄筋25を張設することによって構成されている(明細書の第2欄の6~11行目参照)。そして、前記支柱3は、基礎枠8の基礎フレーム5の上に鋼管11を立設し、この鋼管11内に複数本の主筋12とスパイラル筋13を配筋し、更にその中にコンクリート14を充填することによって構成されている。主筋12は鋼管11の内面に沿って略円形に配筋され、その下端部を基礎フレーム5のフランジ5aに貫通させ、その貫通部分に固定ナット10を螺着することによって基礎フレーム5に固定されている(同第3欄の1~9行目参照)。
前記特許文献2によれば、構造がきわめて単純であるから工事の簡略化、省力化並びに工期の大幅な短縮化が図れる等の効果が記載されている(詳しくは、同第4欄の13~33行目参照)。
特公昭58-34610号公報 実公昭61-8110号公報
前記特許文献1、2に係る技術は、ともにコンクリートを多量に(又は全く)使用しないので、多量のセメントや混練設備等を搬入する必要がなく、山間部であっても経済的に施工できる利点はあるものの、基礎部が変形することを目的としていない剛構造で実施しているが故に、不同沈下や斜面等の地盤の不陸に追随(柔軟に対応)できる構造とはなっていない。
したがって、仮に、地盤の不陸に追随する構造で実施することができれば、設置のバリエーションが増える等、より有益であることは明らかである。
本考案は、上述した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、コンクリートを使用しないことはもとより、地盤の不陸に追随できる、施工性、経済性、自在性に優れた流木捕捉体を提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した考案に係る流木捕捉体は、
河川の横断方向に設置される流木捕捉体であって、
縦材と横材とを連結して立体構造体のフレーム枠が形成され、前記フレーム枠内から流木捕捉柱材が立ち上がり、前記フレーム枠に中詰め材が詰め込まれた状態で構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載した考案は、請求項1に記載した流木捕捉体において、前記フレーム枠は、河床の不陸に追随する構造とされていることを特徴とする。
本考案に係る流木捕捉体によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)流木捕捉体を、砂防堰堤とは切り離した構造で実施できることはもとより、隣接する流木捕捉体同士も切り離した構造で設置できる等、設置の自在性に優れている(後述する図11~図19を参照)。
(2)従来のように、基礎部にコンクリートを打設する必要がないので、施工性、及び経済性に優れている。
(3)流木捕捉柱材11は、横材(捕捉柱固定梁材)12により四方から(本実施例では上下二段構成で)支持固定されているので、安定性に優れており、河川を流下する流木の衝撃力に対しても十分に抵抗できるので、耐衝撃性に優れている。
(4)河川の横断方向Y及び/又は河川の流れ方向Xに平行する枠(枠体)をピン連結構造とすることで、不同沈下や斜面等の地盤の不陸に追随(柔軟に対応)し、現場対応を容易ならしめ、さらには安定した姿勢で流木を効果的に捕捉する設置のバリエーションを増加させることができる等、自在性に非常に優れた構造を実現することができる。
纏めると、砂防堰堤の有無にかかわらず、基礎部にコンクリートを用いることなく、対策の必要な箇所に最適な配置で流木捕捉体を複数設置できる等、設置の自在性、施工性、経済性、耐衝撃性、及び構造の自在性に優れた流木捕捉体を実現できる。
加えて、本考案に係る流木捕捉体は、前記(4)に記載したとおり構造の自在性に優れているので、河川周辺の経時的な地形変化(環境変化)にも自然に対応できる等の利点もある。
本考案に係る流木捕捉体を示した斜視図である。 前記流木捕捉体のベースとなるフレーム枠を示した斜視図である。 図2のフレーム枠に流木捕捉柱材を立設した状態を示す斜視図である。 図3の要部を抽出して示した斜視図である。 図4のA部の拡大図である。 図4のB部の拡大図である。 図2のフレーム枠を構築するためのユニット部材を示した斜視図である。 Aは、河川の横断方向Yに平行する側面枠の変形状態を例示した立面図であり、Bは、河川の横断方向Yに平行する内部枠の変形状態を例示した立面図である。 A~Cはそれぞれ、河川の横断方向Yに平行する側面枠と内部枠の変形状態を合成して示した立面図であり、Dは、A~Cに用いたピン連結用プレートを寸法(単位mm)を表記して詳細に示した拡大図である。 A~Cは、流木捕捉柱材を鞘管部材に取り付ける手法を段階的に示した説明図であり、DとEは、Cの要部を示した平断面図である。 A、Bはそれぞれ、流木捕捉体の設置構造のバリエーションを概略的に示した平面図である。 A、Bはそれぞれ、流木捕捉体の設置構造のバリエーションを概略的に示した平面図である。 Aは、流木捕捉体の設置構造のバリエーションを概略的に示した平面図であり、Bは、同立面図である。 流木捕捉体の設置構造のバリエーションを概略的に示した平面図である。 Aは、流木捕捉体の設置構造のバリエーションを概略的に示した平面図であり、Bは、AのX部の拡大図である。 Aは、流木捕捉体の設置構造のバリエーションを概略的に示した平面図であり、Bは、AのX部の拡大図である。 Aは、流木捕捉体の設置構造のバリエーションを概略的に示した平面図であり、Bは、AのX部の拡大図である。 Aは、流木捕捉体の設置構造のバリエーションを概略的に示した平面図であり、Bは、AのX部の拡大図である。 流木捕捉体の設置構造のバリエーションを概略的に示した立面図である。 Aは、流木捕捉柱材(鞘管部材)を横並びに3体設けた流木捕捉体について、河川の横断方向Yに平行する側面枠の変形状態を例示した立面図であり、Bは、河川の横断方向Yに平行する内部枠の変形状態を例示した立面図である。 本考案に係る流木捕捉体のフレーム枠のバリエーションを示す斜視図である。 図21の平面図である。 図21の要部を拡大して示した斜視図である。 本考案に係る流木捕捉体のフレーム枠のバリエーションを示す斜視図である。 図24の要部を拡大して示した斜視図である。 本考案に係る流木捕捉体のフレーム枠のバリエーションを示す斜視図である。 図26の平面図である。
次に、本考案に係る流木捕捉体の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、河川の横断方向に設置される流木捕捉体Rであって、縦材1と横材2とを連結して立体構造体のフレーム枠10が形成され(図2、図3も参照)、前記フレーム枠10内から流木捕捉柱材11が立ち上がり、前記フレーム枠10に中詰め材4が詰め込まれた状態で構成されている。
本実施例では、さらに、前記フレーム枠10は河床(地形)Sの不陸に追随する構造とされている。具体的には、前記横材2が上下に回動可能なピン連結構造とする自在枠構造に構成されている。
ちなみに図中の符号Xは、河川の流れ方向を示し、符号Yは、河川の横断方向を示している。
前記フレーム枠10は、本実施例では直方体形状で実施しているがこれに限定されず、構造設計に応じて、前記縦材1や横材2を傾斜させる等して組み上げた、正面視、側面視、又は平面視が台形状等の立体構造体で実施することもできる。
前記フレーム枠10を構成する個々のフレーム枠は、隣接する2本の縦材1と上下に平行な2本の横材2とをボルト等の接合部材により枠状に組んで構成される。本実施例では一例として、縦材1に、ウエブ部にピン連結用プレート1a(図7参照)を備えたH形鋼1が採用され、横材2に、溝形鋼(C形鋼)が採用されている。後述するスクリーン材3には、前記横材2に用いた溝形鋼よりも一回り小さい溝形鋼が採用されている。
前記立体構造体のフレーム枠10を構成する縦材1は、本実施例では、平面的に見て縦横方向に整列した複数本(図示例では12本)の縦材1で実施され、そのうちフレーム枠10内の中央部から立ち上がる2本は、流木捕捉柱材11で実施されている。
前記横材2は、本実施例では、前記縦横方向に隣接する縦材1の上下端部同士を連結する複数(上部に17本、下部に17本の計34本)の横材2を縦横に配設され、そのうち前記流木捕捉柱材11を連結する四方(十字状)に配置される横材2は、捕捉柱固定梁材12で実施されている。
前記フレーム枠10の大きさは、勿論これに限定されず、縦材1のサイズ、設置本数、設置ピッチ等の変更に応じて適宜設計変更される。また、前記フレーム枠10内に設ける前記流木捕捉柱材11の本数も図示例のような2本に限定されず、1本でもよいし、3本以上(複数本)でもよい。
前記流木捕捉柱材11は、前記フレーム枠10の平面領域内であればフレーム枠10の内部(図示例参照)はもとより、フレーム枠10の構成部材として組み込んで立設することもできる。例えば、本実施例に係る流木捕捉柱材11は、前記したように、前記フレーム枠10を構成する中央部の隣接する2本の縦材1に代えて設けられている。前記流木捕捉柱材11を連結支持する前記捕捉柱固定梁材12は、前記フレーム枠10を構成する横材2に代えて、前記流木捕捉柱材11から四方に突き出す構成で設けられている。
本実施例のように、前記流木捕捉柱材11が、有底筒状の鞘管部材8内から立ち上がる構成で実施する場合は、前記捕捉柱固定梁材12は、前記鞘管部材8から四方に突き出す構成で連結される。
前記フレーム枠10の外形を構成する各枠には、スクリーン材3が設けられている。このスクリーン材3は、主として中詰め材4の通り抜け防止のために設けられ、本実施例では、河川の横断方向Yに平行する側面枠の面内にスクリーン材3として溝形鋼(C形鋼)3が略水平に(又は略垂直に又は傾斜して)配設され、河川の流れ方向Xに平行する側面枠にスクリーン材3としてアングル3が略垂直に(又は略水平に又は傾斜して)配設され、底面枠及び上面枠にスクリーン材3としてフラットバー3が河川の流れ方向Xに平行する(又は直交する又は傾斜する)方向に配設されている。
前記スクリーン材3は、溝形鋼、アングル、又はフラットバー等の長尺状の鋼材が好適に採用される。もとより、前記上面枠に取り付けられるスクリーン材3は、中詰め材4が詰め込まれた後に配設される。
ここで、前記縦材1(流木捕捉柱材11)に対し、前記横材2(捕捉柱固定梁材12)と前記スクリーン材3とを上下に回動可能なピン連結構造とすることで自在枠構造に構成する本考案の特徴的構成について説明する。
本考案に係る流木捕捉体Rを自在枠構造に構成する意義は、前記フレーム枠10を構成する各々の枠を、図8A、Bに示したように、正面的に見て、略平行四辺形の如き変形を許容することにより、不同沈下や斜面等の地盤の不陸にできるだけ追随し、現場対応を容易ならしめ、さらには安定した姿勢で流木を効果的に捕捉する設置のバリエーションを増加させるためにある。
そこで、本実施例では、河川の横断方向Yに平行する側面枠を構成する隣接する縦材1に対し、上下に一定のピッチ(例えば125mm程度)で平行に配置した2本の横材2(溝形鋼)および7本のスクリーン材(溝形鋼)3の両端部をともに上下に回動可能なピン連結構造(本実施例ではボルト7)で接合している。前記横材2は、前記縦材1のピン連結用プレート1aを利用してピン連結されている。
また、河川の横断方向Yに平行する内部枠を構成する隣接する縦材1、流木捕捉柱材11に対し、上下に平行に配置した2本の捕捉柱固定梁材12の両端部をともに上下に回動可能なピン連結構造(本実施例ではボルト7)で接合している(図4、図5も参照)。本実施例では、前記流木捕捉柱材11は、前記鞘管部材8内から立ち上がる構成で実施しているので、前記鞘管部材8のピン連結用プレート9(図7参照)を介してピン連結されている。ちなみに、図中の符号8cは、前記鞘管部材8の底板を示している。
前記ピン連結用プレート9は、図9に拡大して示したように、縦方向に長いルーズ孔9aを形成している。このような構成とすることにより、側面枠の縦材1と横材2との接合部位に設けたピン(ボルト7)連結構造と、内部枠の鞘管部材8と捕捉柱固定梁材12との接合部位に設けたピン(ボルト7)連結構造との当該ピン7、7の設置部位の左右の寸法のずれを吸収し、前記側面枠と前記内部枠との略平行四辺形の如き変形を同時に確実に実現させる効果がある。この効果は、図9A~Cの一点鎖線に示したように、当該ピン7、7を通る横材2と捕捉柱固定梁材12との軸線が一致していることから確認できる。
ちなみに、本実施例に係るピン連結用プレート9は、図9Dに詳細に示したように、前記縦方向に長いルーズ孔9aについて、その上端を僅かに鞘管部材8寄りに傾斜させる(177.4°)工夫を施している。このような工夫を施すことにより、前記ルーズ孔9aの大きさ(断面欠損)を小さく抑えつつ、ピン7連結部の回動操作を滑らかにすることができる。
もって、この構造により、河川の横断方向Yに平行する枠をすべて前記横材2、スクリーン材7、及び捕捉柱固定梁材12の両端部を拘束するピン連結構造で実施しているので、前記ピン(ボルト7)を支点として回動できる限度内において正面的に見て略平行四辺形の如き変形を許容する構成を呈する(図8A、B参照)。
一方、本実施例では、河川の流れ方向Xに平行する内部枠を構成する隣接する縦材1、流木捕捉柱材11に対し、図4~図6に示したように、上下に平行に配置した2本の捕捉柱固定梁材12を、その両端部に一体的に設けた剛接合用プレート6を介してボルト7等の接合手段で接合(剛接合)されている。ちなみに図中の符号5は、ガゼットプレートを示し、符号13は、ブレースを示している。
また、河川の流れ方向Xに平行する側面枠を構成する隣接する縦材1に対し、上下の端部に平行に配置した2本の横材2を、その両端部に一体的に設けた剛接合用プレート6を介してボルト等の接合手段で接合(剛接合)されている(接合部については図4~図6を援用して参照)。さらに、前記側面枠を構成する上下の横材2には、一定のピッチ(例えば、125mm程度)で6本のスクリーン材(アングル)3が垂直に向けてボルト接合されている。
もって、この構造により、河川の横断方向Xに平行する枠はすべて、変形することを目的としていない剛接合構造で実施しているので、当該枠については変形しない構成を呈する。
なお、本実施例では、前記したように、河川の横断方向Yに平行する枠を変形可能な自在枠構造で実施しているが、これに限定されず、河川の流れ方向Xに平行する枠を前記したようなピン連結構造とすることにより変形可能な自在枠構造で実施することもできるし、河川の流れ方向Xと河川の横断方向Yの直交2方向に平行する枠を前記したようなピン連結構造とすることにより変形可能な自在枠構造で実施することもできる。
前記流木捕捉体Rを構成する部材の大きさについて例示すると、直方体形状のフレーム枠10の外形が、縦4m程度、横6m程度、高さ1.5m程度の大きさで実施されている。縦材1が、H250×125mmで高さ1.5m(SS400)、横材2が、125×65mmで長さ2m(SS400)、スクリーン材3(溝形鋼)が、50×6mmで長さ2m(SS400)、鞘管部材8が、□500×12mmで高さ1.5m(STKR490)、ブレース13が、125×65(SS400)、流木捕捉柱材11が、φ318.5×10.3で高さ3.5m(STK490)で実施されている。
なお、前記寸法は、あくまでも一例に過ぎず、構造設計に応じて適宜設計変更可能である。例えば、図11等に示したように、平面視が略正方形状の構造(フレーム枠)で実施することもできるし、図14に示したように、河川の横断方向Yに長い構造(フレーム枠)で実施することもできるし、図15等に示したように、流木捕捉柱材11を3本配設した構造で実施することもできる。
上述した構成の流木捕捉体Rの構築手法は、先ず、縦材1(流木捕捉柱材11)、横材2(捕捉柱固定梁材12)、スクリーン材3を機械的に組み上げ、図2に示したようなフレーム枠10を構築する。ただし、この段階では中詰め材4を詰め込む前なので、上面枠用のスクリーン材3は設けていない。
前記フレーム枠10を構築する手法は種々あるが、いずれも機械的作業で組み立てることができるので施工が容易である。本実施例では、一例として、図7に予めユニット化した内部枠構造を示したように、当該ユニット化した内部枠構造を2体用意し、河川の流れ方向Xに平行する配置に所定の間隔(例えば、2m)をあけて位置決めし、当該2体の内部枠構造同士を横材2、及び捕捉柱固定梁材12でピン連結して構造を安定化させた状態で、さらに河川の長手方向に延設させる作業を行って直方体形状のフレーム枠10を形成する手法で実施している。
前記フレーム枠10を構築した後は、前記鞘管部材8の内部に流木捕捉柱材11を挿入し、鉛直に起立する姿勢で立設させる。前記流木捕捉柱材11は、金属製の丸形鋼管が採用される。
本実施例では、前記流木捕捉柱材11は、その外周面に径方向へ対照配置に突き出した2つの鉛直部材11aを備えており、前記鞘管部材8は、その内壁面の対向する2辺に前記流木捕捉柱材11の鉛直姿勢を保持するための水平部材8aと、前記水平部材8aに垂設されたストッパ部材8bとを備えている。
前記鉛直部材11a、水平部材8a、及びストッパ部材8bの位置関係は、図10A~Cに段階的に示したように、前記鞘管部材8内の底板8cへ前記流木捕捉柱材11の下端部を鉛直に建て込み、反時計回り(又は時計回り)に回動させると、前記流木捕捉柱材11の鉛直部材11aが前記ストッパ部材8bに突き当たって引き抜き不能となる構成で実施されている(図10D、Eも参照)。前記鞘管部材8の内側面と前記流木捕捉柱材11の外周面との間に形成された隙間には適宜、現地発生土や砂を充填したり、及び/又はコンクリートを打設したりして固定する。
なお、前記鞘管部材8内に前記流木捕捉柱材11を挿入して立設する構成はもちろん前記に限定されず、前記鞘管部材8内に前記流木捕捉柱材11を安定した姿勢で脱着可能に立設できることを条件に適宜設計変更可能である(例えば、本出願人が権利者の特許第5956450号公報等を参照)。
前記流木捕捉柱材11の立設作業と相前後して、前記中詰め材4の詰め込み作業を行うと共に、上面枠へスクリーン材を接合する作業を行い、もって、流木捕捉体Rの構築作業を終了する。ちなみに前記中詰め材4は、本実施例で現地発生土(礫・栗石・砕石等の石を含む。)で好適に実施される。
もっとも、上記した流木捕捉体Rの構築方法はあくまでも一例に過ぎないことを念のため特記しておく。
したがって、上記構築方法により施工された流木捕捉体Rは、以下の効果を奏する。
(1)流木捕捉体を、砂防堰堤とは切り離した構造で実施できることはもとより、隣接する流木捕捉体同士も切り離した構造で設置できる等、設置の自在性に優れている(後述する図11~図19を参照)。
(2)従来のように、基礎部にコンクリートを打設する必要がないので、施工性、及び経済性に優れている。
(3)流木捕捉柱材11は、捕捉柱固定梁材12により四方から(本実施例では上下二段構成で)支持固定されているので、安定性に優れており、河川を流下する流木の衝撃力に対しても十分に抵抗できるので、耐衝撃性に優れている。
(4)河川の横断方向Y及び/又は河川の流れ方向Xに平行する枠(枠体)をピン連結構造とすることで、不同沈下や斜面等の地盤の不陸に追随(柔軟に対応)し、現場対応を容易ならしめ、さらには安定した姿勢で流木を効果的に捕捉する設置のバリエーションを増加させることができる等、自在性に非常に優れた構造を実現することができる。
纏めると、基礎部にコンクリートを用いることなく、対策の必要な箇所に最適な配置で流木捕捉体を複数設置できる等、設置の自在性、施工性、経済性、耐衝撃性、及び構造の自在性に優れた流木捕捉体を実現できる。
次に、流木捕捉体Rの設置構造(設置形態)について説明する。
前記流木捕捉体Rの設置構造は、堆砂域の河床(地形)S(図13B、図19参照)等に応じて適宜設計変更可能であり、流木捕捉体Rの配置は、設置箇所の堆砂域の強度や高さ等の性状に応じて、単配置でも複数配置でもよく、複数配置の場合はランダム配置のほか、河川横断方向に略直線状の配置に離間して設置できるし(図11A参照)、略扇形状(図11B、図12B参照)又は略逆扇形状(図12A、図13A参照)を形成する配置に離間して設置できるし、河川横断方向に沿って蛇行状の配置に離間して設置することもできる。
また、図15、図16に示したように、蛇行状の配置に設置した3つの流木捕捉体Rを連結構造としたり、図17に示したように、略扇形状の配置に設置した3つの流木捕捉体Rを連結部材を用いて連結構造としたり、図18に示したように、略逆扇形状の配置に設置した3つの流木捕捉体Rを連結部材を用いて連結構造としたりして、全体として効果的に抵抗できる構造で実施することもできる。
前記流木捕捉体Rの大きさは、フレーム枠10の大きさを含めた形態、流木捕捉柱材11の本数等、構造設計に応じて適宜設計変更可能である。前記構造設計は、想定される最大流木長はもとより、洪水時の河川の性状(想定水位、想定流量、流木の流下幅)、および画像解析による流木の捕捉シミュレーション等が勘案される。
ちなみに、前記図11~図13に示した流木捕捉体Rは、平面的に見て縦4m程度、横4m程度で、高さが1.5m程度のフレーム枠10に流木捕捉柱材11を2本立設した形態で実施されている。
前記図14に示した流木捕捉体Rは、平面的に見て縦4m程度、横18m程度で、高さが1.5m程度のフレーム枠10に流木捕捉柱材11を等間隔に9本立設した形態で実施されている。
前記図15~図18に示した流木捕捉体Rは、平面的に見て縦4m程度、横6m程度で、高さが1.5m程度のフレーム枠10に流木捕捉柱材11を3本立設した形態で実施されている。その場合のフレーム枠10の挙動を図20に例示する(図8と対比して参照)。
前記図19に示した流木捕捉体Rは、平面的に見て縦4m程度、横16m程度で、高さが1.5m程度のフレーム枠10に流木捕捉柱材11を等間隔に8本立設した形態で実施されている。
以上に実施形態を図面に基づいて説明したが、本考案は、図示例の実施形態の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、本実施例では、前記流木捕捉柱材11は、鞘管部材8から立ち上がる構成で実施しているが、これに限定されず、図21~図23に示したように、鞘管部材8が無く、前記流木捕捉柱材11のみが立ち上がる構成で実施することもできる。この場合、前記捕捉柱固定梁材12は、前記流木捕捉柱材11に連結プレートを介して連結する構成で実施する。
また、本実施例では、前記フレーム枠10を構成する上面枠に取り付けるスクリーン材3を、図2等に示したように、前記フレーム枠10の河川の流れ方向Xの長さの略1/2程度の長さのフラットバー3を用い、その一端部を河川の横断方向Yに平行する内部枠の捕捉柱固定梁材12の上面にボルト(等の接合手段)で取り付ける構成で実施しているがこれに限定されない。図24、図25に示したように、前記フラットバー3の略2倍の長さのフラットバー3を用い、その両端部を、フレーム枠10を構成する2つの平行な側面枠の横材2に架け渡して取り付ける構成で実施することもできる。
また、本実施例では、前記流木捕捉柱材11は、前記フレーム枠10を構成する縦材1に代えて設けられた構成で実施しているが、これに限定されず、図26、図27に示したように、前記縦材1とは別に、平面的に見て4本の縦材1を頂点とする矩形領域内から立ち上がる構成で実施することもできる。この場合、前記捕捉柱固定梁材12も、平面視でX字状に配設する等、前記フレーム枠10を構成する横材2とは別に設け、前記流木捕捉柱材11又は鞘管部材8と連結する構成で実施される。
さらに、本実施例に係る前記流木捕捉柱材11は、平面的に見て四方に配設した前記捕捉柱固定梁材12に連結支持される構成で立設しているが、これに限定されない。本考案に係る前記流木捕捉柱材11は、前記フレーム枠10の内部から安定状態で立ち上がる構成で実施していればよく、その支持手段(立設手段)には種々のバリエーションがある。例えば、前記流木捕捉柱材11(鞘間部材8)の底部にベースプレートを設け、前記ベースプレートを前記横材2又はスクリーン材3の上に載せ、当該ベースプレートと横材2又はスクリーン材3とをボルトや溶接等で接合して支持固定する方法で立設してもよいし、或いは、前記ベースプレートを、前記横材2又はスクリーン材3を避けた地盤上に載置し、アンカー部材を用いて地盤に支持固定する方法で立設してもよい。要するに、本考案に係る前記流木捕捉柱材11は、横材2、捕捉柱固定梁材12等の水平材に連結支持されていない構造で立設させることもできる。
図示例に係る前記流木捕捉柱材11は、直立した1本タイプで実施しているが勿論これに限定されず、控え材(控え柱)を設けたり、2本の斜材同士を組み合わせたりして、流木捕捉柱材11自体の安定性をさらに高める形態に設計変更する等の工夫は適宜行われるところである。
R 流木捕捉体
1 縦材(H形鋼)
1a ピン連結用プレート
2 横材(溝形鋼)
3 スクリーン材
4 中詰め材
5 ガゼットプレート
6 剛接合用プレート
7 ボルト
8 鞘管部材
9 ピン連結用プレート
9a ルーズ孔
10 フレーム枠
11 流木捕捉柱材
12 捕捉柱固定梁材
13 ブレース
X 河川の流れ方向
Y 河川の横断方向
S 河床(地形)

Claims (2)

  1. 河川の横断方向に設置される流木捕捉体であって、
    縦材と横材とを連結して立体構造体のフレーム枠が形成され、前記フレーム枠内から流木捕捉柱材が立ち上がり、前記フレーム枠に中詰め材が詰め込まれた状態で構成されていることを特徴とする、流木捕捉体。
  2. 前記フレーム枠は、河床の不陸に追随する構造とされていることを特徴とする、請求項1に記載した流木捕捉体。
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