JP3174304U - 鋼製土留柵 - Google Patents

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房男 田代
紀之 栗本
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静和建設株式会社
小岩金網株式会社
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Abstract

【課題】構成が簡単で多用途に適用できる鋼製土留柵を提供すること。
【解決手段】少なくとも、互いに隣接させた状態で斜面に立設する複数の透水パネルと、前記複数の透水パネルの斜面谷側への傾倒を防止して透水パネルを立設する手段とを具備し、前記複数の透水パネルの斜面谷側への傾倒を防止して透水パネルを立設する手段を透水パネルの斜面山側に配置する。
【選択図】図1

Description

本考案は谷止柵や一般の土留柵等に適用可能な鋼製土留柵に関するものである。
山腹に降り注いだ雨水等は表土を徐々に削り取り、山間部等の山腹にみず道を形成する。これを放置するとみず道の底や岸の浸食が増々進んで周囲の土砂崩壊を誘発するだけでなく、浸食によって発生した土砂が土砂流や土石流を引き起こす。
表土の崩落抑止手段のひとつとして丸太製の土留柵が知られている。
図9を参照して説明すると、従来の土留柵は所定の間隔を隔てて斜面60に柱木61を打設し、これらの柱木61の斜面山側に複数の横木62を積み上げて壁体を構築し、最後に柵の谷側斜面を控木63で支承して構築している。
その他に丸太を使った土留構造体が特許文献1,2に開示されている。
特開2002−294713号公報 特開2002−70024号公報
直径8〜10cm、全長数mの多数の丸太材を使用する従来の土留柵にあっては、つぎのような問題点を有する
(1)建機や運搬車両の導入が困難な現場へ重たい丸太を人力で搬入する作業は重労働であり、さらに柱木61の打込みにも非常に多くの労力を要する。
特に、礫等が存在する地盤に柱木61を打込む作業は困難を極める。
(2)横木62が長いため、現場の形状に合わせたカーブ施工が難しい。
(3)柱木61と控木63が斜面谷側に露出して見えるため、景観性が損なわれる。
(4)丸太の耐用年数が5〜10年と短いため、土留柵の更新期間が短い。
(5)壁体を構成する横木62間の隙間を小さくして土砂の通過を抑えているが、通水性も悪くなって水が溜まり易い。溜まった水は横木62の下から流下して蓄積土砂の流出だけでなく、柱木61の根本を洗掘して土留柵の倒壊に至る危険がある。
(6)特許文献1,2に開示された土留構造体は、一般土留や護岸を用途としたものであり、流下する表土の補足機能を有していない。
本考案は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは次の鋼製土留柵を提供することにある。
(1)現場への資材搬入が容易であり、土留柵を簡易に構築できること。
(2)斜面谷側からの景観性を改善できること。
(3)土留柵の耐用年数の大幅延長が可能なこと。
(4)カーブ施工が容易であること
(5)露出面に各種シートを付設して露出面の景観性をよくすること。
(6)表土の流下を防止する谷止柵としてだけでなく、各種土留柵としても適用し得ること。
本考案に係る鋼製土留柵は、斜面に立設されていて、流下する土砂を堰き止めて捕捉する鋼製土留柵であって、少なくとも、互いに隣接させた状態で斜面に立設する複数の透水パネルと、前記複数の透水パネルの斜面谷側への傾倒を防止して透水パネルを立設する手段とを具備し、前記複数の透水パネルの斜面谷側への傾倒を防止して透水パネルを立設する手段を透水パネルの斜面山側に配置する。
本考案に係る鋼製土留柵は、所定の間隔を隔てて斜面に単管支柱を立設し、前記単管支柱に対して斜面谷側に前記複数の透水パネルを位置させて立設する。
本考案に係る鋼製土留柵は、前記複数の透水パネルの斜面谷側への傾倒を防止する控え手段を具備し、前記控え手段を透水パネルの斜面山側に配置する。
本考案に係る鋼製土留柵は、前記複数の透水パネルの下部を斜面に打設した固定ピンに連結して複数の透水パネルを斜面に立設する。
本考案に係る鋼製土留柵は、前記透水パネルが矩形を呈する補強枠と、該補強枠の全面に取り付けた透水性を有する堰網とを具備する。
本考案に係る鋼製土留柵は、前記複数の透水パネルの両側の隣接箇所を回動可能に接続する。
本考案に係る鋼製土留柵は、前記控え手段が山側アンカーと、長さ調整機能付きの引張材とにより構成する。
本考案に係る鋼製土留柵は、前記複数の透水パネルに、透水性を有しつつ、土砂の透過を阻止する付設シートを取り付けてもよい。
本考案は少なくともつぎのひとつの効果を奏する。
(1)鋼製土留柵の構成資材が軽量な透水パネルや控え手段等であるため、丸太製の土留柵と比較して現場への資材搬入が容易となるだけでなく、現場での土留柵の構築作業を著しく軽減できる。
(2)斜面に立設した透水パネルを通じて排水しながら土砂を堰き止め、控え手段を通じて透水パネルの傾倒が阻止されるので、土留柵を谷止柵として適用した場合には大量の土砂を捕捉することができる。
(3)控え手段や単管支柱が透水パネルの裏に隠れて見えなくなるので、斜面谷側から土留柵を見たときの景観性がよい。
(4)単管支柱が丸太製の支柱より小径であるため、建機を導入せずに人力のみで斜面に立設できる。特に斜面が硬質地盤であるときは、斜面に打設した固定ピンを通じて簡易に透水パネルを立設することができる。
(5)土留柵の資材を鋼製で構成するため、丸太製と比較して耐用年数を大幅に延長できる。
(6)透水パネルの両側の隣接箇所が回動可能であるため、現場に応じたカーブ施工がし易くなる。
(7)透水パネルに植生シートや防草シートを付設することで、露出した透水パネル全面を植生したり防草したりできて景観性がよくなる。
(8)表土の流下を防止する谷止柵としてだけでなく、各種土留柵としても適用できて多用途に用いることができる。
本考案に係る土留柵の全体斜視図 本考案に係る土留柵の断面図 透明パネルを傾斜して取り付けた取付け部の部分拡大図 透明パネルを傾斜して取り付けた取付け部の部分拡大図 本考案の他の実施例に係る土留柵の部分断面図 本考案の他の実施例に係る土留柵の断面図 図6の土留柵の下部の部分拡大図 本考案の土留柵の適用例を説明するためのモデル図 従来の丸太製の土留柵のモデル図
図1〜4を参照しながら本考案に係る鋼製土留柵(以下「土留柵」という)について説明する。
<1>全体の構成
図1,2に示すように土留柵は、少なくとも斜面50に立設した複数の透水パネル20と、透水パネル20の傾倒を防止する控え手段30とを具備する。
本例では所定の間隔を隔てて立設する単管支柱10を介して透水パネル20を立設する場合について説明する。
土留柵を構成する単管支柱10、透水パネル20及び控え手段30のそれぞれにメッキ処理を施すことで、土留柵の耐久性が格段に向上する。
<2>単管支柱
複数の透水パネル20の斜面谷側への傾倒を防止して透水パネルを立設する手段である単管支柱10は、足場パイプ等に用いられる公知の鋼製の単管パイプで、その下端に錐体11を設けて先鋭に形成してある。
単管パイプを支柱に用いたのは、丸太と比較して鋼製であるため耐用年数が二倍以上(20年以上)であること、径が一定で地盤への貫入抵抗が小さいこと、軽量で運搬や取扱いに便利であること、さらに現場で適宜切断して長さ調整が容易であるためである。
<2.1>連結リブ
単管支柱10には、透水パネル20と控え手段30にそれぞれ連結して接続するための連結リブが突設してある。
本例では単管支柱10に外装可能な連結金物40,41,42を使用した形態について説明する。
<2.2>連結金物
連結金物40は透水パネル20と控え手段30と連結するためのふたつの連結リブを有し、連結金物41は上下に位置する透水パネル20,20の間に跨って連結するためのひとつの連結リブを有し、連結金物42は透水パネル20と連結するためのひとつの連結リブを有する。
これらの連結金物40,41,42は例示であり、ボルトを介してこれらの部材間を連結できる金物であれば図示した形態に限定されるものではない。
また連結金物40,41,42を用いずに、上記した複数の連結リブを単管支柱10の外周面に溶接して直接突設してもよい。
<3>透水パネル
透水パネル20は縦横方向へ向けて並列させることで堰板を形成するための鋼製のパネル材であり、矩形を呈する補強枠21と、補強枠21の全面に取り付けた透水性を有する堰網22とを具備する。
透水パネル20は横一列(一段)に配列することの他に、多段に積み上げることが可能であり、透水パネル20のサイズは、運搬性と取扱性等を考慮して適宜選択する。
尚、本考案でいうところの「透水性」とは、難透水性を含む概念である。
<3.1>補強枠
補強枠21は堰網22に強度を付与するための補強部材で、アングル材等を溶接して矩形に形成する。
透水パネル20が大形となるときは、縦横方向に向けて補強材を付設するとよい。
補強枠21の両側には背面へ向けて連結片23が突設してある。
各連結片23は単数又は複数のボルト穴を有していて、連結片23を介して単管支柱10へ連結可能である。
<3.2>堰網
堰網22は土砂の透過を阻止できる網目の細かい網状物で、例えばエキスパンドメタル、溶接金網等を使用でき、補強枠21の周縁に溶接等により固着する。
<3.3>付設シート
堰網22の山側に透水性の付設シートを併用する場合には、堰網22の網目は土粒子のサイズより多少大きくともよい。
付設シートとしては、用途に応じて植生シート、防草シート、透水シート等を適用できる。
植生シートを付設することで、透水パネル20の全面を植生でき、また防草シートを付設することで草の発芽を防ぐことができる。付設するシート状物は使途に応じて適宜選択する。
<4>控え手段
控え手段30は堰板を斜面山側に反力を得て支持するための控え材で、山側アンカー31と、長さ調整機能付きの引張材32とで構成する。
<4.1>山側アンカー
山側アンカー31は公知のロックボルトやアースアンカーでもよいが、図示するような羽根板33と、該羽根板33に挿入可能なアンカーピン34で構成すると、羽根板33付きのアンカーピン34を打ち込むだけの作業で以て大きなアンカー耐力を得ることができる。
<4.2>引張材
引張材32には例えば鋼棒の両端に掛止用のフックを形成したものを使用できるが、張力を伝達可能であれば素材や両端部の掛止構造に特に制約はない。
本例では長さ調整手段として公知のターンバックル35を使用する場合について示すが、公知の全ネジボルトであってもよい。
つぎに図1,2を参照しながら本考案に係る土留柵の構築方法について説明する。
<1>資材の現場搬入
土留柵を構成する単管支柱10と透水パネル20と控え手段30とを現場へ搬入する。
土留柵を構成する上記した資材はすべて軽量であるから現場への搬入が容易である。
<2>単管支柱の立設
透水パネル20のスパン距離を隔てて複数の単管支柱10を斜面50の傾斜方向と直交する方向に沿って打設する。
単管支柱10は先端を精鋭であるから直接打ち込みが可能であり、事前の穿孔作業や圧入機械の導入が不要である。
特に斜面50が硬質であっても、ハンマ等を使用して作業員の人力で以て簡易に打ち込みが可能である。
<3>透水パネルの取付け
隣り合う各単管支柱10の間に複数の透水パネル20を取り付ける。
すべての透水パネル20は単管支柱10に対して斜面谷側に配置して、透水パネル20で以て単管支柱10を隠蔽する。
透水パネル20の設置形態については、現場の状況に応じて横一列(一段)に配列したり、上下方向へ向けて多段に積み上げたりして設置する。
隣り合う左右の透水パネル20の隣接部はボルト、ナットを介して単管支柱10の各連結金物40,41,42に連結して固定する。
必要に応じて、透水パネル20の斜面山側の面に、植生シート、防草シート、透水シート等の透水性を有し、土砂の透過を阻止する付設シートを取り付けておくと、単に土砂を捕捉するだけでなく、透水パネル20の前面を緑化したり、防草したりすることができる。
斜面50の起伏や傾斜等に対処するために、透水パネル20の連結片23と各連結金物40,41,42に開設するボルト穴を、長穴やバカ穴に形成しておくとよい。
最下位に位置する透水パネル20の下面と斜面50の間は、根固め土砂51等で隙間を封鎖しておくと、捕捉した土砂の流出防止と斜面の洗掘防止効果が高くなる。
隣り合う透水パネル20を直線的に配置することは勿論であるが、現場がカーブしているときは、図3,4に示すように隣り合う各透水パネル20,20の連結片23,23を単管支柱10側から延びる連結金物40,41,42の連結リブ43と直交する線に対して任意の角度で傾斜させて取り付ける。
図3は単管支柱10の設置箇所で隣り合う透水パネル20,20を外向きに傾斜させた場合を示し、図4は単管支柱10の設置箇所で隣り合う透水パネル20,20を内向きに傾斜させた場合を示す。
この場合、各透水パネル20,20の傾斜角度に応じて連結用のボルト47とナット48の締結距離を適宜調節して対処する。
要は透水パネル20,20の両側の隣接箇所が鉛直軸を中心に回動可能に接続してあればよい。
本考案では単管支柱10の箇所で隣り合う透水パネル20,20の角度を任意に調整できるので、現場の形状に応じたカーブ施工が容易に行える。
<4>控え手段の取付け
アンカーピン34と単管支柱10に付設した最上位の連結金物40との間にターンバックル35を介在して引張材32を架け渡して、山側アンカー31と単管支柱10の頭部の間に控え手段30を張設する。
単管支柱10の全高が高い場合は、単管支柱10の中間部に控え手段30を追加して設ける。
このようにして構築した土留柵においては、すべての単管支柱10及び控え手段30が透水パネル20に対して斜面山側に位置するので、斜面谷側から土留柵を見たときに単管支柱10及び控え手段30が透水パネル20の裏に隠れて見えず、整然と配列した複数の透水パネル20のみが見えることになる。
<5>土砂の捕捉作用
図2において、土留柵は斜面山側に設置した控え手段30で支持されていて、透水パネル20の斜面山側が開放されている。
土留柵の斜面山側から雨水等とともに表土が流下すると、水52のみが透水パネル20を透過して斜面谷側へ流下し、土砂53のみが透水パネル20に堰き止められて捕捉される。
捕捉した土砂53は透水パネル20の斜面山側に順次堆積する。
捕捉した土砂53の自重は控え手段30で支持されて、土留柵の斜面谷側への傾倒が阻止される。
特に、山側アンカー31が羽根板33を具備することから、アンカーピン34の全長が短くとも大きなアンカー耐力を得ることができる。
さらに山側アンカー31が堆積土砂に埋設されることで、山側アンカー31のタンカー耐力がさらに大きくなる。
本考案では、土留柵の背面側に土砂53が蓄積されていくが、この間、透水パネル20の全面を通じて水52のみを効率よく排水できるので、単管支柱10の根本の洗掘を回避することができる。
アンカーピン34と単管支柱10に付設した最上位の連結金物40との間にターンバックル35を介在して引張材32を架け渡して、山側アンカー31と単管支柱10の頭部の間に控え手段30を張設する。
[他の実施例1]
以降に他の実施例について説明するが、その説明に際し、前記した実施例と同一の部位は同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図5〜7を参照しながら、硬質の地盤50に土留柵を立設する他の実施例について説明する。
図5は単管支柱10の最下部にピン孔44a付きの連結金物44を取り付け、該ピン孔44aに固定ピン45を打設することで、単管支柱10の下部を斜面50に固定した形態を示す。
本例では、単管支柱10および固定ピン45が複数の透水パネル20の斜面谷側への傾倒を防止して透水パネルを立設する手段を構成する。
本例にあっては、地中に打設した固定ピン45を介して単管支柱10の位置決めが可能であるため、硬質の地盤50に単管支柱10の下部を打ち込むことが困難な現場に有効である。
[他の実施例2]
図6,7は単管支柱10を省略した他の土留柵の実施例を示す。
本例に係る土留柵は、土砂を堰き止める複数の透水パネル20と、透水パネル20の下端を固定する固定ピン45と、透水パネル20の傾倒を防止する控え手段30とを具備する。
控え手段30の上端は透水パネル20の上位に設けた連結片23に連結する。
透水パネル20の下端は、L字形の延長ステー46を介して固定ピン45で位置決めする。
本例では、固定ピン45が複数の透水パネル20の斜面谷側への傾倒を防止して透水パネルを立設する手段を構成する。
図7を参照して説明すると、延長ステー46は連結片23と連結する鉛直片46aと、該鉛直片46aの下端に固着した水平片46bとからなり、水平片46bの板面にはピン穴46cを有している。
延長ステー45の鉛直片46aは、ボルト47、ナットを介して連結片23と連結し、水平片46bのピン穴46cに固定ピン45を打設することで、透水パネル20の下端の位置決めが可能である。
本例にあっては、単管支柱10を省略して土留柵の構成部品点数を削減できるので、資材コストと施工コストの大幅削減が可能である。
[他の実施例3]
以上は透水パネル20の傾倒を防止する手段として控え手段30を用いた場合について説明したが、透水パネル20が単管支柱10のみで自立可能な高さのときは控え手段30を省略してもよい。
本例では、単管支柱10が複数の透水パネルの斜面谷側への傾倒を防止する手段となる。
本例にあっては、土留柵を複数の透水パネル20と単管支柱10とにより構成するので、控え手段30を併用した場合と比べて資材コスト及び施工コストの削減が可能である。
[他の実施例4]
以上の実施例は連結片23を介して透水パネル20を単管支柱10や控え手段30と連結した形態について説明したが、連結片23を省略し、透水パネル20を構成する補強枠21に開設した連結孔(図示省略)を通じて連結するようにしてもよい。
本例にあっては、連結片23を省略することで透水パネル20の低コスト化が図れるとともに、突出物がなくなるので透水パネル20の取扱性を改善することができる。
[他の実施例5]
本考案は表土の流下を防止する谷止柵としてだけでなく、各種土留柵としても適用することができる。
図8に本考案の適用例を示す。
図8(A)は、小崩壊した法面に適用した例を示したもので、土留柵は透水性を有する待受け土留柵と、或いは盛土した土留柵との組み合わせを示す。
図8(B)は、公園、農地、ゴルフ場、山道等に適用した一般的な土留擁壁に適用した例で、壁面に緑化シートまたは防草シートが付設してある。
図8(C)は、複数の土留柵を階段状に形成して斜面の安定と緑化を図る法面保護に適用した例を示す。
図8(D)は、道路等の法肩部の補強に適用した例を示す。
図8(E)は、既設の石積み擁壁の天端位置に土留柵として適用した例を示したもので、土留柵が斜面上流から流下する土砂を捕捉して石積み擁壁の安定性を確保する。
本考案に係る土留柵は上記した用途に限定されず、多用途に適用することが可能である。
10・・・・・単管支柱
20・・・・・透水パネル
21・・・・・補強枠
22・・・・・堰網
30・・・・・控え手段
31・・・・・山側アンカー
40〜44・・連結金物
50・・・・・斜面
53・・・・・捕捉した土砂
本考案に係る鋼製土留柵は、斜面に立設される鋼製土留柵であって、少なくとも、互いに隣接させた状態で斜面に立設する複数の透水パネルと、所定の間隔を隔てて斜面に立設した複数の単管支柱とを具備し、前記単管支柱に対して斜面谷側に前記複数の透水パネルを位置させ、前記複数の透水パネルを複数の単管支柱に支持させて立設する
本考案に係る鋼製土留柵は、前記単管支柱の最下部に連結金物を取り付け、該連結金物に固定ピンを打設して単管支柱を斜面に立設する。
本考案に係る鋼製土留柵は、複数の透水パネルの斜面谷側への傾倒を防止する控え手段を具備し、前記控え手段を透水パネルの斜面山側に配置する。
本考案に係る鋼製土留柵は、前記単管支柱の最下部に連結金物を取り付け、該連結金物に固定ピンを打設して単管支柱を斜面に立設するとともに、前記複数の透水パネルの斜面谷側への傾倒を防止する控え手段を具備し、前記控え手段を透水パネルの斜面山側に配置する。
本考案に係る鋼製土留柵は、前記透水パネルが矩形を呈する補強枠と、該補強枠の全面に取り付けた透水性を有する堰網とを具備する。
本考案に係る鋼製土留柵は、前記複数の透水パネルの両側の隣接箇所を回動可能に接続する。
本考案に係る鋼製土留柵は、前記控え手段が山側アンカーと、長さ調整機能付きの引張材とにより構成する。
本考案に係る鋼製土留柵は、前記複数の透水パネルに、透水性を有しつつ、土砂の透過を阻止する付設シートを取り付けてもよい。

Claims (8)

  1. 斜面に立設されていて、流下する土砂を堰き止めて捕捉する鋼製土留柵であって、
    少なくとも、互いに隣接させた状態で斜面に立設する複数の透水パネルと、
    前記複数の透水パネルの斜面谷側への傾倒を防止して透水パネルを立設する手段とを具備し、
    前記複数の透水パネルの斜面谷側への傾倒を防止して透水パネルを立設する手段を透水パネルの斜面山側に配置したことを特徴とする、
    鋼製土留柵。
  2. 所定の間隔を隔てて斜面に単管支柱を立設し、前記単管支柱に対して斜面谷側に前記複数の透水パネルを位置させて立設したことを特徴とする、請求項1に記載の鋼製土留柵。
  3. 前記複数の透水パネルの下部を斜面に打設した固定ピンに連結して複数の透水パネルを斜面に立設したことを特徴とする、請求項1に記載の鋼製土留柵。
  4. 前記複数の透水パネルの斜面谷側への傾倒を防止する控え手段を具備し、前記控え手段を透水パネルの斜面山側に配置することを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の鋼製土留柵。
  5. 前記透水パネルが矩形を呈する補強枠と、該補強枠の全面に取り付けた透水性を有する堰網とを具備することを特徴とする、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の鋼製土留柵。
  6. 前記複数の透水パネルの両側の隣接箇所を回動可能に接続したことを特徴とする、請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の鋼製土留柵。
  7. 前記控え手段が山側アンカーと、長さ調整機能付きの引張材とにより構成することを特徴とする、請求項4乃至請求項6の何れか一項に記載の鋼製土留柵。
  8. 前記複数の透水パネルに、透水性を有しつつ、土砂の透過を阻止する付設シートを取り付けたことを特徴とする、請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の鋼製土留柵。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016188506A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 日鐵住金建材株式会社 土留め柵
JP2017008510A (ja) * 2015-06-18 2017-01-12 丈示 嶋 支圧金物に対する支柱の連結構造及び柵体の設置構造

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